JP3305755B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JP3305755B2
JP3305755B2 JP17928092A JP17928092A JP3305755B2 JP 3305755 B2 JP3305755 B2 JP 3305755B2 JP 17928092 A JP17928092 A JP 17928092A JP 17928092 A JP17928092 A JP 17928092A JP 3305755 B2 JP3305755 B2 JP 3305755B2
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実 栗山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動車に搭載される自
動変速機の制御装置、特に主変速機と副変速機とを備え
た自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トルクコンバータと変速機構とを連結
し、この変速機構の動力伝達経路を複数の摩擦要素の選
択的締結によって切り換えることにより、変速段を自動
的に切り換えるようにした自動変速機においては、上記
変速機構を主変速機と副変速機とで構成し、例えば主変
速機で変速が行われた出力をさらに副変速機で変速させ
ることにより多段変速を行うようにしたものがあるが、
その場合における副変速機の構成として、例えば低速段
を達成するワンウェイクラッチと、高速段を達成する第
1摩擦要素と、上記ワンウェイクラッチに並列にエンジ
ンブレーキ用の第2摩擦要素とを設ける場合がある。こ
のような構成によれば、上記第1摩擦要素を締結、解放
させることで副変速機の変速段が高低2段に切り換えら
れると共に、この第1摩擦要素の解放状態において上記
第2摩擦要素を締結させることで上記ワンウェイクラッ
チの空転時における当該車両の空走状態が回避されるこ
とになる。
【0003】一方、この種の自動変速機においては、主
変速機と副変速機とで同時に変速動作が行われる場合が
あり、この場合、両変速機の変速動作が時間的にずれる
と不快な変速ショックが発生するという問題がある。そ
こで、このような場合には、両変速機における変速動作
を互いに時間的に対応させて進行させなければならない
ことになり、その対策として、例えば特開昭61−99
745号公報によれば、主変速機の変速機構が回転変化
を行う間に、副変速機の変速機構の回転変化を開始、完
了させるようにしたものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、主変速機と副
変速機とで変速動作が同時に行われる場合に、上記のよ
うに、一方の変速動作の間に他方の変速動作を開始、完
了させるというだけでは変速ショックの低減効果が必ず
しも十分でなく、さらに変速ショックを効果的に低減さ
せるためには、一方の変速機におけるギヤ比の変化と他
方の変速機におけるギヤ比の変化を調和させながら変速
動作を進行させる必要がある。
【0005】このような要求に対処するために、副変速
機のギヤ比が主変速機のギヤ比と調和しながら変化する
ように、副変速機の摩擦要素の締結動作もしくは解放動
作をフィードバック制御することが考えられている。
【0006】つまり、例えば2速から3速への変速時
に、主変速機において変速段がアップシフトする変速動
作と、副変速機において変速段がダウンシフトする変速
動作とが同時に行われるとする。その場合に、当該車両
がエンジン出力で駆動される正駆動状態においては、副
変速機において高速段を実現している第1摩擦要素の解
放動作に伴って所定のタイミングでワンウェイクラッチ
がロックして低速段となることから、例えば主変速機の
ギヤ比の変化に対応して副変速機のギヤ比が逆方向に変
化するように上記第1摩擦要素の解放動作をフィードバ
ック制御することにより、変速ショックを効果的に低減
することが期待される。
【0007】しかしながら、例えば当該車両が慣性力で
走行する逆駆動状態においては、第1摩擦要素を解放し
ても副変速機は変速しない。
【0008】なお、シフトダウン時においても、同様な
問題を発生する可能性がある。
【0009】この発明は、主変速機と共に自動変速機を
構成する副変速機に、第1変速段を達成するワンウェイ
クラッチと、第2変速段を達成する第1摩擦要素と、上
記ワンウェイクラッチに並列にエンジンブレーキ用の第
2摩擦要素とが設けられた自動変速機において、主変速
機と副変速機とで変速動作が同時に行われる変速時にお
ける上記の問題に対処するもので、正駆動時、逆駆動時
にかかわらず良好に変速動作を行わせるようにすること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1の発明(以下、第1発明という)に係る自動変速機の
制御装置は、主変速機と副変速機とを備え、該副変速機
に、第1変速段を達成するワンウェイクラッチと、第2
変速段を達成する第1摩擦要素と、上記ワンウェイクラ
ッチに並列にエンジンブレーキ用の第2摩擦要素とが設
けられた自動変速機において、主変速機と副変速機とで
変速動作が同時に行われる変速時に、上記副変速機の駆
動状態がエンジン出力で駆動される正駆動状態であると
きには、主変速機のギヤ比の変化に対応して副変速機の
ギヤ比が変化するように上記第1摩擦要素の締結力をフ
ィードバック制御し、上記駆動状態が逆駆動状態である
ときには、主変速機のギヤ比の変化に対応して副変速機
のギヤ比が変化するように上記第2摩擦要素の締結力を
フィードバック制御する制御手段を設けたことを特徴と
する。
【0011】また、本願の請求項2の発明(以下、第2
発明という)に係る自動変速機の制御装置は、主変速機
と副変速機とを備え、該副変速機に、第1変速段を達成
するワンウェイクラッチと、第2変速段を達成する第1
摩擦要素と、上記ワンウェイクラッチに並列にエンジン
ブレーキ用の第2摩擦要素とが設けられた自動変速機に
おいて、主変速機と副変速機とでギヤ比の変化が逆方向
の変速動作が同時に行われる変速時に、上記副変速機の
駆動状態がエンジン出力で駆動される正駆動状態である
ときには、主変速機のギヤ比の変化に対応して副変速機
のギヤ比が逆方向に変化するように上記第1摩擦要素の
締結力をフィードバック制御し、上記駆動状態が逆駆動
状態であるときには、主変速機のギヤ比の変化に対応し
て副変速機のギヤ比が逆方向に変化するように上記第2
摩擦要素の締結力をフィードバック制御する制御手段を
設けたことを特徴とする。
【0012】そして、本願の請求項3の発明(以下、第
3発明という)に係る自動変速機の制御装置は、第1、
第2発明の構成において、フィードバック制御の目標値
として主変速機のギヤ比進度に対応した副変速機のギヤ
比進度を用いたことを特徴とする。
【0013】さらに、本願の請求項4の発明(以下、第
4発明という)に係る自動変速機の制御装置は、主変速
機と副変速機とを備え、該副変速機に、第1変速段を達
成するワンウェイクラッチと、第2変速段を達成する第
1摩擦要素と、上記ワンウェイクラッチに並列にエンジ
ンブレーキ用の第2摩擦要素とが設けられた自動変速機
において、上記第1、第2摩擦要素に対する締結圧の給
排を制御する油圧回路に、電気的に制御される油圧調整
手段を設けると共に、主変速機と副変速機とで変速動作
が同時に行われる変速時に、上記副変速機の駆動状態が
エンジン出力で駆動される正駆動状態であるときには、
主変速機のギヤ比の変化に対応して副変速機のギヤ比が
変化するように上記油圧調整手段を介して上記第1摩擦
要素の締結力をフィードバック制御し、上記駆動状態が
逆駆動状態であるときには、主変速機のギヤ比の変化に
対応して副変速機のギヤ比が変化するように上記油圧調
整手段を介して上記第2摩擦要素の締結力をフィードバ
ック制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0014】
【作用】上記の構成により、本発明によれば次のような
作用が得られる。
【0015】すなわち、第1〜第4発明のいずれにおい
ても、主変速機と副変速機とで変速動作が同時に行われ
る変速時に、副変速機の正駆動状態においては変速段を
切り換える第1摩擦要素の締結力が、またワンウェイク
ラッチが空転する逆駆動状態においてはエンジンブレー
キ用の第2摩擦要素の締結力が、それぞれ主変速機のギ
ヤ比の変化に対応して副変速機のギヤ比が変化するよう
にフィードバック制御されることになるので、正、逆駆
動時のいずれにおいても変速ショックを生じさせること
なく変速制御が良好に行われることになる。
【0016】また、第2発明によれば、主変速機と副変
速機とでギヤ比の変化が逆方向の変速動作が同時に行わ
れるときに、例えば主変速機のギヤ比の増大に適切に対
応して副変速機のギヤ比が減少することになるので変速
ショックが効果的に低減されることになる。
【0017】そして、第3発明によれば、フィードバッ
ク制御の目標値が主変速機のギヤ比進度に対応した副変
速機のギヤ比進度とされているので、副変速機のギヤ比
が主変速機のギヤ比の変化に対して精度よく対応して変
化することになって、変速ショックが更に低減されるこ
とになる。
【0018】さらに、第4発明によれば、第1、第2摩
擦要素の締結力が共通の油圧調整手段によってフィード
バック制御されることになるので、油圧回路の構成が簡
素化されるという利点がある。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0020】図1に示すように、この実施例に係る自動
変速機1は、トルクコンバータ10と、該トルクコンバ
ータ10と同一軸線上に配置された主変速機20と、こ
れらの軸線と平行な軸線上に配置された副変速機30と
を有する。
【0021】上記トルクコンバータ10は、エンジン出
力軸2に連結されたケース11に一体のポンプ12と、
該ポンプ12に対向配置されて該ポンプ12により作動
油を介して駆動されるタービン13と、該ポンプ12と
タービン13との間に配置され、かつワンウェイクラッ
チ14を介して変速機ケース3に支持されたステータ1
5と、上記タービン13に連結されたコンバータ出力軸
16と、上記ケース11を介して該出力軸16をエンジ
ン出力軸2に直結するロックアップクラッチ17とで構
成されている。
【0022】なお、トルクコンバータ10と主変速機2
0との間には、該トルクコンバータ10を介してエンジ
ン出力軸2に駆動されるオイルポンプ4が配置されてい
る。
【0023】上記主変速機20は、コンバータ出力軸1
6上におけるトルクコンバータ側に配置されたフロント
遊星歯車機構21と、反トルクコンバータ側に配置され
たリヤ遊星歯車機構22とを有する。そして、上記コン
バータ出力軸16が、前進クラッチ23を介してフロン
ト遊星歯車機構21のサンギヤ21aに、また、直結ク
ラッチ24を介してリヤ遊星歯車機構22のサンギヤ2
2aにそれぞれ結合されるようになっていると共に、フ
ロント遊星歯車機構21のサンギヤ21aとリヤ遊星歯
車機構22のリングギヤ22bとが結合されている。
【0024】また、フロント遊星歯車機構21のリング
ギヤ21bと変速機ケース3との間には、第1ワンウェ
イクラッチ25とローリバースブレーキ26とが並列に
配置されていると共に、リヤ遊星歯車機構22のサンギ
ヤ22aと変速機ケース3との間には、第2ワンウェイ
クラッチ27と3−4ブレーキ28とが直列に配置さ
れ、かつ、これらに並列にエンジンブレーキ用のコース
トブレーキ29が配置されている。そして、フロント遊
星歯車機構21及びリヤ遊星歯車機構22のピニオンキ
ャリヤ21c,22cが結合され、これらに主変速機2
0から副変速機30へ動力を伝達する中間ギヤ5が連結
されている。
【0025】このような構成により、この主変速機20
によれば、上記前進クラッチ23、直結クラッチ24、
3−4ブレーキ28及びローリバースブレーキ26を選
択的に締結させることにより、前進の低速段、中速段及
び高速段と後退段とが得られることになる。
【0026】一方、副変速機30は単一の遊星歯車機構
31を有し、上記主変速機20における中間ギヤ5に常
時噛み合った中間ギヤ6が該遊星歯車機構31のリング
ギヤ31aに連結されていると共に、該リングギヤ31
aとサンギヤ31bとの間には直結クラッチ32が配置
され、かつ、サンギヤ31bと変速機ケース3との間に
は、第3ワンウェイクラッチ33と減速ブレーキ34と
が並列に配置されている。そして、該遊星歯車機構31
のピニオンキャリヤ31cに出力ギヤ7が連結され、該
ギヤ7から差動装置を介して左右の駆動輪(図示せず)
に動力が伝達されるようになっている。
【0027】この副変速機30は、主変速機20から中
間ギヤ5,6を介して入力される動力を低速段と高速段
の前進2段に変速して出力ギヤ7に出力することができ
るようになっている。
【0028】つまり、直結クラッチ32が解放されてい
る状態では、第3ワンウェイクラッチ33もしくは減速
ブレーキ34によって遊星歯車機構31のサンギヤ31
bが固定されることにより、該遊星歯車機構31のリン
グギヤ31aに入力される中間ギヤ6からの動力が減速
されてピニオンキャリヤ31cから出力ギヤ7に出力さ
れ、これにより低速段が得られる。その場合に、上記減
速ブレーキ34が締結されておれば、この副変速機30
の単体として、エンジンブレーキが作動することにな
る。
【0029】また、上記直結クラッチ32が締結され、
かつ減速ブレーキ34が解放されておれば、該遊星歯車
機構31のリングギヤ31aとサンギヤ31bとが結合
されることにより、上記中間ギヤ6からの動力がピニオ
ンキャリヤ31cからそのまま出力ギヤ7に出力され、
これにより高速段(直結段)が得られることになる。
【0030】このようにして、主変速機20によって前
進3段、後退1段の変速段が得られ、また、副変速機3
0によって、主変速機20の出力に対して高低2段の変
速段が得られるから、自動変速機の全体としては前進に
ついては6段の変速段が得られ、また、後退について
は、主変速機20の後退段と副変速機30の減速ブレー
キ34が締結された低速段との組合せで全体としての後
退段が得られることになる。そして、この実施例では、
前進変速段としては上記6段のうちの所定の5段を採用
するようになっている。
【0031】ここで、この前進5段、後退1段の各変速
段における各クラッチやブレーキの作動状態をまとめる
と、表1のようになる。なお、表1中、(○)は、エン
ジンブレーキ用のレンジのみで締結されることを示す。
【0032】
【表1】 なお、この実施例では、副変速機30における直結クラ
ッチ32と減速ブレーキ34の締結用ピストンとして、
図2に示すような2重構造のピストンが採用されてい
る。
【0033】つまり、直結クラッチ32は、中間ギヤ6
及び遊星歯車機構31のリングギヤ31aが一体的に形
成されたハブ部材32aと、上記遊星歯車機構31のサ
ンギヤ31bが固着された軸35に一体のドラム部材3
2bとの間に駆動側及び被駆動側の複数の摩擦板32
c,32dを交互に配設すると共に、これらの摩擦板3
2c,32dの背部に受圧面積の大きい大径の第1ピス
トン32eを配置し、かつ、さらにその背部に受圧面積
の小さい小径の第2ピストン32fを配置し、また、両
ピストン32e,32fのリターンスプリング32gを
備えた構成とされている。
【0034】そして、油路36により締結圧が導入され
る第1ピストン32eの背部の1油圧室321と、油路
37により締結圧が導入される第2ピストン32fの背
部の第2油圧室322とが設けられ、これらの油圧室3
1,322に同一の締結圧が導入された場合に、第1油
圧室321に導入された場合の方が第2油圧室322に導
入された場合より大きな締結力が得られるようになって
いる。
【0035】また、減速ブレーキ34は、上記直結クラ
ッチ32のドラム部材32bと変速機ケース3との間に
駆動側及び被駆動側の複数の摩擦板34a,34bを交
互に配設し、リターンスプリング34cに抗してこれら
の摩擦板34a,34bを締結させるピストン34dを
備えると共に、該ピストン34dの背部に、受圧面積の
大きい内周側の第1油圧室341と、受圧面積の小さい
外周側の第2油圧室342とを同心状に設けた構成とさ
れている。そして、これらの油圧室341,342に同一
の締結圧が導入された場合に、第1油圧室341に締結
圧が導入された場合の方が第2油圧室342に導入され
た場合より大きな締結力が得られるようになっている。
【0036】次に、上記表1に従って各クラッチ及びブ
レーキを選択的に締結させることにより、運転状態もし
くは運転者の要求に応じた変速段を形成する油圧回路に
ついて説明する。
【0037】図3に示すように、この油圧回路40に
は、まず、オイルポンプ4から吐出される作動油の圧力
を所定圧力のライン圧に調整するレギュレータバルブ4
1が備えられ、該レギュレータバルブ41によって調整
されたライン圧が、メインライン42により、運転者に
よって操作されるマニュアルバルブ43と、各種制御用
元圧を生成する第1〜第3レデューシングバルブ44,
45,46とに供給されるようになっている。
【0038】これらのレデューシングバルブ44〜46
のうち、第1レデューシングバルブ44によって一定圧
に減圧された制御用元圧はライン47を介してモデュレ
ータバルブ48に供給されるようになっている。そし
て、このモデュレータバルブ48の制御ポート48aに
はデューティソレノイドバルブ49によって調整された
制御圧が供給され、このデューティソレノイドバルブ4
9のデューティ率(1ON,OFFサイクル中のON時
間の比率)に応じて上記制御元圧からモデュレータ圧が
生成されると共に、このモデュレータ圧がライン50を
介して上記レギュレータバルブ41の第1増圧ポート4
1aに供給され、これにより、ライン圧が上記デューテ
ィ率に応じて増圧されるようになっている。その場合
に、上記デューティ率は例えばエンジンのスロットル開
度等に応じて設定さることにより、ライン圧が該スロッ
トル開度等に応じた値に調整されることになるなお、上
記モデュレータ圧をレギュレータバルブ41の第1増圧
ポート41aに供給するライン50には、デューティソ
レノイドバルブ49の周期的ON,OFF動作に起因す
る油圧の脈動を抑制するための第1アキュムレータ51
が設置されている。
【0039】また、上記マニュアルバルブ43は、D,
3,2,1の各前進レンジと、R(後退)レンジと、N
(中立)レンジと、P(駐車)レンジの設定が可能とさ
れており、前進レンジでは、上記メインライン42を前
進ライン52に、Rレンジでは後退ライン53にそれぞ
れ接続させるようになっている。
【0040】上記前進ライン52は、作動油の供給時と
排出時とで絞り量を異ならせたオリフィス54を介して
前進クラッチ23に導かれており、したがって、D,
3,2,1の各前進レンジでは、前進クラッチ23が常
時締結されることになる。その場合に、この前進ライン
52には、前進クラッチ23への締結圧の供給時におけ
るショックを緩和するための第2アキュムレータ55が
設置され、このアキュムレータ55に上記メインライン
42からライン56を介して背圧が供給されるようにな
っている。
【0041】また、上記後退ライン53は、副変速機3
0における減速ブレーキ34の受圧面積の大きな第1油
圧室341に直接導かれており、したがって、Rレンジ
では、この第1油圧室341に導入されるライン圧によ
り、減速ブレーキ34が大きな締結力で締結されること
になる。なお、この後退ライン53からはレギュレータ
バルブ41の第2増圧ポート41bに通じるライン57
が分岐され、Rレンジでライン圧の調整値を高くするよ
うになっている。
【0042】一方、上記メインライン42、前進ライン
52及び後退ライン53からは、主変速機20における
変速用の第1、第2、第3シフトバルブ61,62,6
3と、副変速機30における変速用の第4、第5シフト
バルブ64,65とにライン圧が供給されるようになっ
ている。
【0043】これらのシフトバルブ61〜65は、いず
れも一端に制御ポート61a〜65aが設けられ、上記
第2レデューシングバルブ45から導かれた制御用元圧
ライン66が主変速機用の第1〜第3シフトバルブ61
〜63の各制御ポート61a〜63aに、また、第3レ
デューシングバルブ46から導かれた制御用元圧ライン
67が副変速機用の第4、第5シフトバルブ64,65
の各制御ポート64a,65aにそれぞれ接続されてい
る。
【0044】上記制御用元圧ライン66,67には、第
1〜第5シフトバルブ61〜65に対応させて第1〜第
5ON−OFFソレノイドバルブ71〜75が設置され
ている。これらのON−OFFソレノイドバルブ71〜
75は、ON時に当該シフトバルブ61〜65の制御ポ
ート61a〜65a内をドレンさせるようになってお
り、したがって、各シフトバルブ61〜65のスプール
は、対応するON−OFFソレノイドバルブ71〜75
がONのときに図面上、左側に位置し、OFFのときに
右側に位置することになる。
【0045】そして、これらのソレノイドバルブ71〜
75のON,OFFの組合せ、即ち各シフトバルブ61
〜65のスプールの位置の組合せに応じて、上記メイン
ライン42、前進ライン52もしくは後退ライン53か
ら各クラッチ及びブレーキに通じるラインが選択的に連
通され、これにより、前記表1に示すところに従って各
クラッチ及びブレーキが締結されて、1〜5速と後退速
とが得られることになる。その場合に、各クラッチ及び
ブレーキに供給される締結圧は、それぞれ次のようにし
て適正値に制御されるようになっている。
【0046】つまり、主変速機20における直結クラッ
チ24、コーストブレーキ29、ローリバースブレーキ
26及び3−4ブレーキ28については、ライン圧を減
圧して所定の締結圧に調整するためのコントロールバル
ブ76,77,78,79がそれぞれ備えられ、これら
のうち、コーストブレーキ用、ローリバースブレーキ用
及び3−4ブレーキ用のコントロールバルブ77,7
8,79については、制御ポート77a,78a,79
aに第1リニアソレノイドバルブ80によって調整され
た制御圧がライン81を介して供給されて、該制御圧に
応じて締結圧がそれぞれ制御されるようになっている。
【0047】また、直結クラッチ用コントロールバルブ
76の制御ポート76aには、ライン82によって直結
クラッチ24に供給される締結圧自体がワンウェイオリ
フィス83と第3アキュムレータ84とが設けられたラ
イン85を介して制御圧として供給され、このアキュム
レータ84の作動により該締結圧の立ち上がりが制御さ
れるようになっている。
【0048】なお、上記第1リニアソレノイドバルブ8
0は、上記第1レデューシングバルブ44からライン4
7を介して供給される制御元圧をコントローラ(図4参
照)からの制御信号に応じて調整して、そのときの変速
段や運転状態に応じた制御圧を生成するようになってい
る。また、上記直結クラッチ用コントロールバルブ76
と、上記ローリバースブレーキ用コントロールバルブ7
8の一端に設けられたポート76b,78bには、上記
後退ライン53から分岐された調圧動作禁止用ライン8
6がそれぞれ接続され、Rレンジで、これらのポート7
6b,78bにライン圧が供給されてスプールが図面
上、左側の位置に固定されることにより、該直結クラッ
チ用及びローリバースブレーキ用コントロールバルブ7
6,78の調圧動作が阻止されるようになっている。さ
らに、3−4ブレーキ用コントロールバルブ79の一端
のポート79bには、コーストブレーキ29に締結圧が
供給されるときに、該締結圧がライン87を介して供給
されて、該コントロールバルブ79の調圧動作が制限さ
れるようになっている。
【0049】また、上記第1リニアソレノイドバルブ8
0によって生成された制御圧は、ライン81を介してア
キュムレータ用コントロールバルブ88の制御ポート8
8aにも供給されるようになっている。このコントロー
ルバルブ88は、メインライン42からライン89を介
して供給されるライン圧を上記第1リニアソレノイドバ
ルブ80からの制御圧に応じて調整して、上記第3アキ
ュムレータ84及び第4アキュムレータ90用の背圧を
生成し、これをライン91によって両アキュムレータ8
4,90の背圧ポート84a,90aに供給するように
なっている。
【0050】一方、副変速機30における締結圧の制御
用としては、直結クラッチ32の受圧面積の大きな1油
圧室321及び受圧面積の小さな第2油圧室322に供給
される締結圧を調整する直結クラッチ用コントロールバ
ルブ101と、減速ブレーキ34の受圧面積の小さな第
2油圧室342に供給される締結圧を調整する減速ブレ
ーキ用コントロールバルブ102と、第2リニアソレノ
イドバルブ103とが備えられている。なお、減速ブレ
ーキ34の受圧面積の大きな第1油圧室341には、前
述のように、Rレンジでマニュアルバルブ43から後退
ライン53を介してライン圧が直接供給される。
【0051】上記第2リニアソレノイドバルブ103
は、メインライン42からライン圧が制御元圧として供
給され、これをコントローラからの制御信号に応じて調
整した上で、ライン104及び第5シフトバルブ65か
ら、ライン105もしくはライン106を介して減速ブ
レーキ用コントロールバルブ102の制御ポート102
aに供給し、もしくは直結クラッチ32の第1油圧室3
1に連通して該油圧室321の油圧を調整する。そし
て、上記減速ブレーキ用コントロールバルブ102は、
上記のようにして第2リニアソレノイドバルブ103で
生成された制御圧が制御ポート102aに供給されてい
るときに、メインライン42からライン107、第4シ
フトバルブ64、ライン108、第5シフトバルブ65
及びライン109を介して供給されるライン圧を上記制
御圧に応じて調整し、これをライン110を介して減速
ブレーキ34の第2油圧室342に供給する。
【0052】一方、直結クラッチ用コントロールバルブ
101には、メインライン42からライン107、第4
シフトバルブ64、ライン111を介してライン圧が供
給され、これを調整した上で、ワンウェイオリフィス1
12、ライン113及び第5シフトバルブ65から、上
記ライン106もしくはライン114を介して直結クラ
ッチ32の1油圧室321もしくは第2油圧室322に選
択的に供給するようになっている。
【0053】そして、この直結クラッチ用コントロール
バルブ101の制御ポート101aには、上記直結クラ
ッチ32の1油圧室321もしくは第2油圧室322に供
給される締結圧自体が、ワンウェイオリフィス115及
び第5アキュムレータ116が設けられたライン117
を介して制御圧として供給されるようになっており、し
たがって、上記締結圧は、第5アキュムレータ116の
作動により一定の棚圧状態を経て立ち上がることにな
る。なお、このアキュムレータ116の背圧ポート11
6aには、メインライン42からライン118を介して
背圧が供給されるようになっている。
【0054】そして、以上の構成の油圧回路40におい
て、第1〜第5ON−OFFソレノイドバルブ71〜7
5のON,OFFの組合せパターンは表2に示すように
なっており、これにより前進の1〜5速と後退速とが得
られるようになっている。ここで、表2中、(1)、
(2)はエンジンブレーキ用レンジでの1速及び2速を
示す。
【0055】
【表2】 次に、この表2に従って各ON−OFFソレノイドバル
ブ71〜75のON,OFFの組合せと変速段との関係
を具体的に説明する。
【0056】まず、Dレンジ等で採用されるエンジンブ
レーキの作動しない1速では、主変速機20側では、第
1〜第3ON−OFFソレノイドバルブ71〜73がO
N,OFF,OFFの状態にあって、第1〜第3シフト
バルブ61〜63のスプールが左側、右側、右側にそれ
ぞれ位置している。この状態では、前進ライン52から
分岐されたライン121が第1シフトバルブ61を介し
てライン122に連通し、さらに第2シフトバルブ62
を介してライン123に連通するが、このライン123
は第3シフトバルブ63で遮断される。また、同じく前
進ライン52から分岐された他のライン124は第2シ
フトバルブ62で、メインライン42から分岐されたラ
イン125は第1シフトバルブ61でそれぞれ遮断され
る。したがって、この場合は、前述のように、前進レン
ジで常時締結される前進クラッチ23のみが締結された
状態となり、主変速機20においてエンジンブレーキが
作動しない低速段が得られる。
【0057】そして、副変速機30においては、第4、
第5ON−OFFソレノイドバルブ74,75が共にO
FFの状態にあって、第4、第5シフトバルブ64,6
5のスプールが共に右側に位置することにより、メイン
ライン42がライン107及び第4シフトバルブ64を
介してライン108に連通し、さらに、第5シフトバル
ブ65を介して減速ブレーキ用コントロールバルブ10
2に至るライン109に連通して、該コントロールバル
ブ102にライン圧が供給される。このとき、第2リニ
アソレノイドバルブ103で生成された制御圧がライン
104、第5シフトバルブ65及びライン105を介し
て減速ブレーキ用コントロールバルブ102の制御ポー
ト102aに供給されることにより、上記ライン圧が該
制御圧に応じて調整され、所定の締結圧とされた上で、
ライン110を介して減速ブレーキ34の第2油圧室3
2に供給され、該減速ブレーキ34が締結される。
【0058】また、直結クラッチ32は、1油圧室32
1がライン106、第5シフトバルブ65、ライン11
3、直結クラッチ用コントロールバルブ101及びライ
ン111を介して第4シフトバルブ64のドレンポート
に連通し、また、第2油圧室322が、ライン114を
介して第5シフトバルブ65のドレンポートに連通する
ことにより解放された状態にある。その結果、副変速機
30の変速段はエンジンブレーキが作動する低速段とな
り、自動変速機全体としては、エンジンブレーキの作動
しない1速となる。
【0059】また、1レンジや2レンジ等で採用される
エンジンブレーキが作動する1速では、上記のエンジン
ブレーキ非作動の1速に対して主変速機20における第
3ソレノイドバルブ73がONとなり、これに伴って、
第3シフトバルブ63のスプールが左側に位置する。し
たがって、この場合は、上記前進ライン52が、その分
岐ライン121、第1シフトバルブ61、ライン12
2、第2シフトバルブ62、ライン123及び第3シフ
トバルブ63を介してローリバースブレーキ用コントロ
ールバルブ78に通じるライン126に連通し、該コン
トロールバルブ78にライン圧が供給されることにな
る。
【0060】そして、このコントロールバルブ78に供
給されたライン圧は、第1リニアソレノイドバルブ80
からライン81を介して制御ポート78aに供給されて
いる制御圧に応じた締結圧に調整され、これがライン1
27を介してローリバースブレーキ29に供給される。
これにより、前進クラッチ23に加えて、ローリバース
ブレーキ29が締結され、主変速機20において、エン
ジンブレーキが作動する低速段が得られることになる。
そして、副変速機30においては、前述のエンジンブレ
ーキ非作動の1速の場合と同様に減速ブレーキ34が締
結されているから、自動変速機全体として、エンジンブ
レーキが作動する1速が得られる。
【0061】次に、Dレンジ等で採用されるエンジンブ
レーキ非作動の2速、及び1レンジや2レンジ等で採用
されるエンジンブレーキ作動の2速では、上記のエンジ
ンブレーキ非作動の1速及びエンジンブレーキ作動の1
速の状態に対して副変速機30の変速段のみが変化す
る。
【0062】つまり、副変速機30における第4ON−
OFFソレノイドバルブ74がONとなり、これに伴っ
て第4シフトバルブ64のスプールが左側に位置する。
したがって、メインライン42からライン107を介し
て第4シフトバルブ64に供給されているライン圧が該
第4シフトバルブ64からライン111を介して直結ク
ラッチ用コントロールバルブ101に供給されると共
に、該コントロールバルブ101で立ち上がりを調整さ
れた上で、ライン113、第5シフトバルブ65及びラ
イン106を介して直結クラッチ32の第1油圧室32
1に供給されることになる。これにより、副変速機30
の変速段が高速段となり、その結果、自動変速機の全体
として、エンジンブレーキが作動しない2速或はエンジ
ンブレーキが作動する2速が得られることになる。
【0063】さらに、3速では、主変速機20におい
て、第1〜第3ON−OFFソレノイドバルブ71〜7
3がOFF,ON,ONとなり、これに伴って第1〜第
3シフトバルブ61〜63のスプールが、右側、左側、
左側に位置することになる。この場合、まず、前進ライ
ン52からの一方の分岐ライン121が、第1シフトバ
ルブ61を介してライン128に連通し、さらに第3シ
フトバルブ63を介してコーストブレーキ用コントロー
ルバルブ77に通じるライン129に連通する。したが
って、該コントロールバルブ77にライン圧が供給さ
れ、これが第1リニアソレノイドバルブ80からライン
81を介して供給される制御圧に応じて所定の締結圧に
調整された上で、ライン130を介してコーストブレー
キ29に供給され、これにより該コーストブレーキ29
が締結される。
【0064】また、前進ライン52からの他方の分岐ラ
イン124が第2シフトバルブ62を介して3−4ブレ
ーキ用コントロールバルブ79に通じるライン131に
連通し、該コントロールバルブ79にライン圧を供給す
る。このコントロールバルブ79には、上記第1リニア
ソレノイドバルブ80からライン81を介して制御圧が
供給されると共に、上記コーストブレーキ29に供給さ
れている締結圧がライン87を介して制御圧として供給
され、これらの制御圧に応じて調整された締結圧がライ
ン132を介して3−4ブレーキ28に供給されること
になる。
【0065】その結果、主変速機20においては、前進
クラッチ23に加えて3−4ブレーキ28が締結され、
しかも上記コーストブレーキ29も締結されることによ
り、エンジンブレーキが作動する中速段が得られること
になる。
【0066】一方、副変速機30においては、第4、第
5ON−OFFソレノイドバルブ74,75が共にOF
Fの状態にあって、前述の1速の場合と同様にして、変
速段がエンジンブレーキの作動する低速段に設定されて
いる。したがって、自動変速機の全体としては、所定の
減速比を有し、かつ、エンジンブレーキが作動する3速
が得られることになる。
【0067】そして、4速では、この3速の状態から副
変速機30における第4、第5ON−OFFソレノイド
バルブ74,75が共にONとなって、第4、第5シフ
トバルブ64,65のスプールが左側に位置し、これに
より、まず、前記の2速の場合と同様に、メインライン
42からライン107、第4シフトバルブ64、及びラ
イン111を介してライン圧が直結クラッチ用コントロ
ールバルブ101に供給され、該コントロールバルブ1
01で立ち上がりを調整され、所定の締結圧となって、
ライン113及び第5シフトバルブ65から、今度はラ
イン114を介して直結クラッチ32の第2油圧室32
2に供給されることになる。その結果、直結クラッチ3
2が締結されて副変速機30の変速段が高速段となる。
そして、主変速機20は上記の3速の場合と同様に中速
段に設定されているから、自動変速機全体としての変速
段は4速となる。
【0068】さらに、5速においては、主変速機20に
おける第1〜第3ON−OFFソレノイドバルブ71〜
73がOFF,ON,OFFとなって、第1〜第3シフ
トバルブ61〜63のスプールが右側、左側、右側に位
置する。そのため、メインライン42から分岐されたラ
イン125が第1シフトバルブ61を介してライン13
3に連通すると共に、さらに、第3シフトバルブ63を
介して直結クラッチ用コントロールバルブ76に通じる
ライン134に連通し、したがって、該コントロールバ
ルブ76にライン圧が供給されることになる。そして、
このコントロールバルブ76によって調整された締結圧
がライン82によって直結クラッチ24に供給され、該
クラッチ24を締結させる。これにより、主変速機20
においては、前進クラッチ23と直結クラッチ24とが
締結されて、変速段が高速段となる。なお、この直結ク
ラッチ24の締結時には、第3アキュムレータ84の作
用により、締結圧が一定の棚圧状態を経て供給される。
【0069】一方、副変速機30は、前述の4速の場合
と同様に、第4、第5ON−OFFソレノイドバルブ7
4,75が共にONの状態にあって、変速段は高速段に
設定されており、その結果、自動変速機の全体としては
5速が得られることになる。
【0070】さらに、上記マニュアルバルブ43がRレ
ンジに操作された後退速においては、該マニュアルバル
ブ43を介して後退ライン53がメインライン42に連
通されると共に、第1〜第3ON−OFFソレノイドバ
ルブ71〜73がOFF,OFF,OFFの状態となっ
て、第1〜第3シフトバルブ61〜63のスプールがい
ずれも右側に位置することになる。
【0071】そのため、まず、メインライン42から分
岐されたライン125が、前述の5速の場合と同様に、
第1シフトバルブ61を介してライン133に連通する
と共に、さらに、第3シフトバルブ63を介して直結ク
ラッチ用コントロールバルブ76に通じるライン134
に連通し、したがって、該コントロールバルブ76にラ
イン圧が供給されることになる。この場合は、該コント
ロールバルブ76の一端のポート76bに、上記後退ラ
イン53からライン86を介してライン圧が供給され
て、該コントロールバルブ76のスプールが図面上、左
側に固定されることにより、上記ライン134から供給
されたライン圧は、減圧されることなくライン82を介
してそのまま直結クラッチ24に供給され、該直結クラ
ッチ24を高い締結圧で締結させる。
【0072】また、上記後退ライン53は、作動油の供
給方向と排出方向とで絞り量が異なるオリフィス135
を有するライン136、第3シフトバルブ63及び前述
のライン126を介してローリバースブレーキ用コント
ロールバルブ78に連通して、上記のエンジンブレーキ
作動の1速の場合と同様に、該コントロールバルブ78
にライン圧を供給する。この場合、該コントロールバル
ブ78の一端のポート78bには、上記後退ライン53
から分岐されたライン86によってライン圧が導入され
ることにより、該コントロールバルブ78のスプールが
図面上、左側に固定される。そのため、上記ライン12
6によって供給されているライン圧は、該コントロール
バルブ78で調整されることなく、そのままローリバー
スブレーキ26に供給され、該ローリバースブレーキ2
6を高い締結圧で締結することになる。
【0073】これにより、主変速機20においては、直
結クラッチ24及びローリバースブレーキ26が締結さ
れ、後退段が得られる。そして、副変速機30において
は、第4,第5ON−OFFソレノイドバルブ74,7
5が共にOFFで、変速段がエンジンブレーキの作動す
る低速段に設定された状態にあり、減速比の大きな後退
速が得られる。
【0074】なお、上記ローリバースブレーキ26に締
結圧が供給される際には、上記ライン136からライン
137を介して第4アキュムレータ90に作動油が導入
されることにより、該締結圧が所定の棚圧状態を経て徐
々に立ち上がることになる。
【0075】以上の構成に加えて、この油圧回路40に
は、トルクコンバータ10内のロックアップクラッチ1
7を制御するためのロックアップ第1、第2シフトバル
ブ141,142と、ロックアップコントロールバルブ
143と、ロックアップ制御用のON−OFFソレノイ
ドバルブ144と、デューティソレノイドバルブ145
とが備えられて、ロックアップクラッチ17の締結、解
放制御と、該クラッチ17をスリップさせるスリップ制
御とが行われるようになっている。
【0076】そして、この油圧回路40に備えられたラ
イン圧調整用のデューティソレノイドバルブ49、変速
用の第1〜第5ON−OFFソレノイドバルブ71〜7
5、締結圧調整用の第1、第2リニアソレノイドバルブ
80,103、ロックアップ制御用のON−OFFソレ
ノイドバルブ144及びデューティソレノイドバルブ1
45は、図4に示すように、コントローラ160からの
制御信号によって制御されるようになっている。そし
て、このコントローラ160には、車速を検出するセン
サ161からの信号、エンジンのスロットル開度を検出
するセンサ162からの信号、及び運転者によって選択
されたシフト位置(レンジ)を検出するセンサ163か
らの信号等が入力され、これらの信号によって示される
運転状態や運転者の要求に応じて上記各ソレノイドバル
ブを制御するようになっている。
【0077】また、このコントローラ160には、主変
速機20の入力側の回転数を検出する第1回転センサ1
64と、主変速機20の出力側(副変速機30の入力
側)の回転数を検出する第2回転センサ165と、副変
速機30の出力側の回転数を検出する第3回転センサ1
66とが接続されている。
【0078】本実施例に係る自動変速機は以上のような
構成であるが、前述の表1からも明らかなように、3速
状態から2速への変速時及び2速状態から3速への変速
時においては、それぞれ主変速機20と副変速機30と
でギヤ比の変化が逆方向の変速動作が同時に行われるこ
とになる。
【0079】そして、この実施例においては、上記変速
時において、エンジンのスロットル開度を副変速機30
の駆動状態の代用特性として、副変速機30がエンジン
出力で駆動される正駆動状態と、当該車両の慣性力で駆
動される逆駆動状態とで次のように異なる変速制御を行
うようになっている。
【0080】先ず、2−3変速制御は図5のフローチャ
ートに従って次のように実行される。
【0081】すなわち、コントローラ160はステップ
S1で各種信号を読み込んだ上で、ステップS2で変速
指令が2−3変速指令か否かを判定し、2−3変速指令
であるときにはステップS3に進んでスロットル開度θ
が第1判定開度θ1より大きいか否かを判定する。
【0082】そして、スロットル開度θが上記第1判定
開度θ1よりも大きいと判定したとき、つまり副変速機
30の駆動状態が正駆動状態であると判定したときに
は、ステップS4に進んで所定のスケジュールアップ制
御を実行すると共に、スロットル開度θが第1判定開度
θ1よりも小さい逆駆動状態であると判定したときに
は、ステップS5に移って所定のバックアウト制御を実
行する。
【0083】上記スケジュールアップ制御は、具体的に
は、図6、図7のフローチャートに従って次のように実
行される。
【0084】つまり、コントローラ160はステップS
11を実行して、第1リニアソレノイドバルブ80によ
って制御される主変速機側の第1油圧P1として3−4
ブレーキ用変速時締結圧P(B34)をセットした上で、
ステップS12で第1〜第5ON−OFFソレノイドバ
ルブ71〜75を、ON,ON,OFF,OFF,ON
の状態にセットする。
【0085】つまり、主変速機20においては、第1、
第2シフトバルブ61,62のスプールがそれぞれ左側
に位置し、第3シフトバルブ63のスプールが右側に位
置することになって、前進ライン52のライン圧が、第
2シフトバルブ62及びライン131を介して3−4ブ
レーキ用コントロールバルブ79に供給されると共に、
上記第1油圧P1となるように第1リニアソレノイドバ
ルブ80によって調圧された締結圧が、ライン132を
介して3−4ブレーキ28に供給されることにより、該
3−4ブレーキ28の締結動作が開始する。
【0086】一方、副変速機30においては、図8に示
すように、第5シフトバルブ65のスプールが左側に位
置することになって、直結クラッチ32の第1油圧室3
1が、ライン106、ライン104を介して第2リニ
アソレノイドバルブ103に連通することになる。
【0087】そして、コントローラ160は、図6のフ
ローチャートのステップS13に進んで、第1、第2回
転センサ164,165からの信号に基づいて主変速機
20のギヤ比進度(以下、第1ギヤ比進度という)RM
を算出すると共に、ステップS14で上記第1ギヤ比進
度RMが所定の副変速機制御開始判定値RM0を超えたか
否かを判定して、YESと判定したときにステップS1
5に進んでタイマをスタートさせる。ここで、ギヤ比進
度は、例えば変速途中における現実のギヤ比から変速前
のギヤ比を差し引いた値を、主変速機20の変速後の目
標ギヤ比から変速前のギヤ比を差し引いた値で徐算した
値を百分率で示した数値であって、この場合、変速開始
前の低速段においてはギヤ比進度が0%となり、変速終
了後の中速段においてはギヤ比進度が100%となる。
【0088】次いで、コントローラ160はステップS
16に進んで、今度は第2リニアソレノイドバルブ10
3によって制御される副変速機側の第2油圧P2として
直結クラッチ用変速時締結圧P(KTK)をセットすると
共に、ステップS17で上記タイマが所定の第1設定値
1に到達したか否かを判定して、YESと判定した時
点で図7のフローチャートのステップS18に進んで上
記第2、第3回転センサ165,166からの信号に基
づいて副変速機のギヤ比進度(以下、第2ギヤ比進度と
いう)RSを算出し、続いてステップS19で第1ギヤ
比進度RMを算出して、ステップS20で第1ギヤ比進
度RMが所定の副変速機制御終了判定値RM1(例えば9
7%)よりも大きいか否かを判定する。そして、コント
ローラ160は第1ギヤ比進度RMが上記副変速機制御
終了判定値RM1よりも大きくなければ、ステップS21
に進んで現実の第1ギヤ比進度RMに基づいて副変速機
30の目標ギヤ比進度RSTを設定し、次にステップS2
2で目標ギヤ比進度RSTに対する第2ギヤ比進度RS
偏差が所定値αよりも大きいか否かを判定して、NOと
判定したときにステップS23に進んで上記偏差が解消
するように直結クラッチ用変速時締結圧P(KTK)にフ
ィードバック圧PFBを加算し、またYESと判定したと
きには上記ステップS23をスキップしてステップS1
8〜S23のループ処理を実行する共に、第1ギヤ比進
度GMが上記副変速機制御終了判定値RM1よりも大きく
なったときに上記ループ処理から抜け出してステップS
24で第1〜第5ON−OFFソレノイドバルブ71〜
75を、ON,ON,OFF,OFF,OFFの状態に
セットする。これにより、副変速機30における第5シ
フトバルブ65のスプールが、上記図8の状態から右側
に移動することになって、ライン107、第4シフトバ
ルブ64及びライン108を介して第5シフトバルブ6
5に供給されていたライン圧が、ライン109、減速ブ
レーキ用コントロールバルブ109及びライン110を
介して減速ブレーキ34の第2油圧室342に締結圧と
して供給されることになる。
【0089】そして、コントローラ160は再度第1ギ
ヤ比進度RMを算出して、第1ギヤ比進度RMが所定の主
変速機変速終了判定値RM2(例えば100%)に到達し
たときに第1〜第5ON−OFFソレノイドバルブ71
〜75を、OFF,ON,ON,OFF,OFFの状態
にセットする(ステップS25〜S27)。
【0090】つまり、主変速機20においては、第1〜
第3シフトバルブ61〜63の各スプールが、それぞれ
右側、左側、左側に位置することになって、前進ライン
52のライン圧が、ライン121、第1シフトバルブ6
1、ライン128、第2シフトバルブ63及びライン1
29を介してコーストブレーキ用コントロールバルブ7
7に供給され、これが第1リニアソレノイドバルブ80
からライン81を介して供給される制御圧に応じて所定
の締結圧に調整された上で、ライン130を介してコー
ストブレーキ29に供給されることになる。
【0091】この一連の動作を経時的に示せば、図9の
タイムチャートに従ったものとなる。
【0092】すなわち、車速の上昇による2−3変速指
令が出力されると、主変速機20の3−4ブレーキ28
の締結動作が開始されると共に、主変速機20のギヤ比
の減少に伴ってタービン回転数が減少することになる。
そして、主変速機20のギヤ比の減少が進行して第1ギ
ヤ比進度RMが副変速機制御開始判定値RM0を超えた時
点t1で、副変速機30における直結クラッチ32の第
2油圧室322の締結圧が棚圧状態に減圧されると共
に、その後第1設定時間T1が経過した時点t2で、第2
リニアソレノイドバルブ103による直結クラッチ32
の締結圧のフィードバックが開始される。これにより、
主変速機20のギヤ比の減少の進行に逆方向に対応して
副変速機30のギヤ比が増大することになる。この間
に、第3ワンウェイクラッチ33がロックして低速段が
達成されることになる。
【0093】主変速機30のギヤ比の減少が更に進んで
第1ギヤ比進度RMが副変速機制御終了判定値RM1を超
えた時点t3で、直結クラッチ32の締結圧のフィード
バック制御が停止されると同時に、減速ブレーキ34の
第2油圧室342への締結圧の供給が開始されることに
なる。そして、上記第1ギヤ比進度RMが今度は主変速
機変速終了判定値RM2に到達した時点t4で、コースト
ブレーキ29に対する締結圧の供給が開始される。
【0094】このように正駆動状態における2−3変速
時には、副変速機30の変速段の切換に直接的に関与す
る直結クラッチ32の締結力が、主変速機20のギヤ比
の減少の進行に対応して副変速機30のギヤ比が増大す
るようにフィードバック制御されることになるので、変
速ショックが効果的に防止されることになる。
【0095】一方、上記バックアウト制御は、具体的に
は、図10、図11のフローチャートに従って次のよう
に実行される。
【0096】つまり、コントローラ160はステップS
31を実行して、第1リニアソレノイドバルブ80によ
って制御される主変速機側の第1油圧P1としてコース
トブレーキ用変速時締結圧P(BKO)をセットした上
で、ステップ32で第1〜第5ON−OFFソレノイド
バルブ71〜75を、OFF,OFF,ON,ON,O
FFの状態にセットする。
【0097】つまり、主変速機20においては、第1〜
第3シフトバルブ61〜63の各スプールが、それぞれ
右側、右側、左側に位置することになって、前進ライン
52のライン圧が、ライン121、第1シフトバルブ6
1、ライン128、第3シフトバルブ63及びライン1
29を介してコーストブレーキ用コントロールバルブ7
7に供給され、これが第1リニアソレノイドバルブ80
からライン81を介して供給される制御圧に応じて所定
の締結圧に調整された上で、ライン130を介してコー
ストブレーキ29に供給されることにより、該コースト
ブレーキ29の締結動作が開始する。
【0098】そして、コントローラ160は、図10の
フローチャートのステップS33に進んで、第1、第2
回転センサ164,165からの信号に基づいて第1ギ
ヤ比進度RMを算出すると共に、ステップS34で上記
第1ギヤ比進度RMが所定の副変速機制御開始判定値R
M0を超えたか否かを判定して、YESと判定したときに
ステップS15に進んで第1〜第5ON−OFFソレノ
イドバルブ71〜75を、OFF,OFF,ON,OF
F,OFFの状態にセットする。
【0099】つまり、副変速機30においては、図12
に示すように、第4、第5シフトバルブ64,65の各
スプールが、それぞれ右側に位置することになって、直
結クラッチ32の第1油圧室321が、ライン106、
ライン113、ワンウェイオリフィス112、直結クラ
ッチ用コントロールバルブ101、ライン111を介し
て第4シフトバルブ64のドレンポート64bに連通
し、また減速ブレーキ34の第2油圧室322が、ライ
ン110、ライン109、ライン108、第4シフトバ
ルブ64及びライン107を介してメインライン42に
連通することになる。
【0100】次いで、コントローラ160はステップS
36に進んでタイマをスタートさせる共に、ステップS
37で今度は第2リニアソレノイドバルブ103によっ
て制御される副変速機側の第2油圧P2として減速ブレ
ーキ用変速時締結圧P(BGB)をセットすると共に、ス
テップS38で上記タイマが所定の第1設定値T1に到
達したか否かを判定して、YESと判定した時点で図1
1のフローチャートのステップS39に進んで上記第
2、第3回転センサ165,166からの信号に基づい
て第2ギヤ比進度RSを算出し、続いてステップS40
で第1ギヤ比進度RMを算出して、ステップS41で第
1ギヤ比進度RMが所定の副変速機制御終了判定値RM1
よりも大きいか否かを判定する。そして、コントローラ
160は第1ギヤ比進度RMが上記副変速機制御終了判
定値RM1よりも大きくなければ、ステップS42に進ん
で現実の第1ギヤ比進度RMに基づいて副変速機30の
目標ギヤ比進度RSTを設定し、次にステップS43で目
標ギヤ比進度RSTに対する第2ギヤ比進度RSの偏差が
所定値αよりも大きいか否かを判定して、NOと判定し
たときにステップS44に進んで上記偏差が解消するよ
うに減速ブレーキ用変速時締結圧P(BGB)にフィード
バック圧PFBを加算し、またYESと判定したときには
上記ステップS44をスキップしてステップS39〜S
40のループ処理を実行する共に、第1ギヤ比進度RM
が上記副変速機制御終了判定値RM1よりも大きくなった
ときに上記ループ処理から抜け出して再度第1ギヤ比進
度RMを算出して、第1ギヤ比進度RMが所定の主変速機
変速終了判定値RM2に到達した時点で第1〜第5ON−
OFFソレノイドバルブ71〜75を、OFF,ON,
ON,OFF,OFFの状態にセットする(ステップS
45〜S47)。
【0101】この一連の動作を経時的に示せば、図13
のタイムチャートに従ったものとなる。
【0102】すなわち、エンジン負荷の低下による2−
3変速指令が出力されると、主変速機20のコーストブ
レーキ29の締結動作が開始されると共に、主変速機2
0のギヤ比の減少に伴ってタービン回転数が減少するこ
とになる。そして、主変速機20のギヤ比の減少が進行
して第1ギヤ比進度RMが副変速機制御開始判定値RM0
を超えた時点t5で、副変速機30における減速ブレー
キ34の第1油圧室341の締結圧が棚圧状態に昇圧さ
れると共に、直結クラッチ32の締結圧が排圧されるこ
とになる。その後、第1設定時間T1が経過した時点t6
で、第2リニアソレノイドバルブ103による減速ブレ
ーキ34の締結圧のフィードバックが開始される。これ
により、主変速機20のギヤ比の減少の進行に逆方向に
対応して副変速機30のギヤ比が増大することになる。
【0103】主変速機30のギヤ比の減少が更に進んで
第1ギヤ比進度RMが副変速機制御終了判定値RM1を超
えた時点t7で、減速ブレーキ34の締結圧のフィード
バック制御が停止されて、所定の完全締結圧が供給され
る。そして、上記第1ギヤ比進度RMが今度は主変速機
変速終了判定値RM2に到達した時点t8で、3−4ブレ
ーキ28に対する締結圧の供給が開始されて3速状態と
なる。
【0104】このように逆駆動状態における2−3変速
時には、空転状態となる第3ワンウェイクラッチ33に
並列な減速ブレーキ34の締結力が、主変速機20のギ
ヤ比の減少の進行に対応して副変速機30のギヤ比が増
大するようにフィードバック制御されることになるの
で、短時間で変速動作が完了すると共に、減速ブレーキ
34が締結する際のショックも低減されることになる。
【0105】その際に、第5シフトバルブ65と第2リ
ニアソレノイドバルブ103との間に介設したライン1
04を、第5シフトバルブ65の切換によって直結クラ
ッチ32の第1油圧室321と減速ブレーキ34の第2
油圧室342とに選択的に連通させるようになっている
ので、油圧回路の構成が簡素化されることになる。
【0106】次いで、3−2変速制御は図14のフロー
チャートに従って次のように実行される。
【0107】すなわち、コントローラ160はステップ
T1で各種信号を読み込んだ上で、ステップT2で変速
指令が3−2変速指令か否かを判定し、3−2変速指令
であるときにはステップT3に進んでスロットル開度θ
が第2判定開度θ2より大きいか否かを判定する。
【0108】そして、スロットル開度θが上記第2判定
開度θ2よりも大きいと判定したとき、つまり副変速機
30の駆動状態が正駆動状態であると判定したときに
は、ステップT4に進んで所定のトルクディマンド制御
を実行すると共に、スロットル開度θが第2判定開度θ
2よりも小さい逆駆動状態であると判定したときには、
ステップT5に移って所定のマニュアルダウン制御を実
行する。
【0109】上記トルクディマンド制御は、具体的に
は、図15〜図17のフローチャートに従って次のよう
に実行される。
【0110】つまり、コントローラ160はステップT
11を実行して、スロットル開度センサ162からの信
号に基づいて算出したスロットル変化率δθが所定値β
よりも小さいか否かを判定すると共に、スロットル変化
率が上記所定値βよりも小さいときには、ステップT1
2に進んで第1〜第5ON−OFFソレノイドバルブ7
1〜75を、ON,ON,ON,OFF,ONの状態に
セットする。
【0111】つまり、主変速機20においては、第1〜
第3シフトバルブ61〜63の各スプールが、それぞれ
左側に位置することになって、コーストブレーキ29の
締結圧の解放動作が開始する。
【0112】一方、副変速機30においては、上記図8
に示すように、第5シフトバルブ65のスプールが左側
に位置することになって、直結クラッチ32の1油圧室
321が、ライン106、ライン104を介して第2リ
ニアソレノイドバルブ103に連通することになる。
【0113】次いで、コントローラ160は、ステップ
T13で第1リニアソレノイドバルブ80によって制御
される主変速機側の第1油圧P1として3−4ブレーキ
用変速時締結圧P(B34)をセットし、またステップT
14で減圧率δPとして所定値δP0をセットする。
【0114】次いで、コントローラ160はステップT
15でタイマをスタートさせた上で、ステップT16を
実行して第2リニアソレノイドバルブ103によって制
御される副変速機側の第2油圧P2として直結クラッチ
用変速時締結圧P(KTK)をセットすると共に、ステッ
プT17で上記タイマが所定の第1設定値T1に到達し
たか否かを判定して、YESと判定した時点で図16の
フローチャートのステップT18に進んで上記第2、第
3回転センサ165,166からの信号に基づいて第2
ギヤ比進度RSを算出し、続いてステップT19で第1
ギヤ比進度RMを算出して、ステップT20で第1ギヤ
比進度RMが副変速機制御終了判定値RM1よりも大きい
か否かを判定する。そして、コントローラ160は第1
ギヤ比進度RMが上記副変速機制御終了判定値RM1より
も大きくなければ、ステップT21に進んで現実の第1
ギヤ比進度RMに基づいて副変速機30の目標ギヤ比進
度RSTを設定し、次にステップT22で上記目標ギヤ比
進度RSTに対する第2ギヤ比進度RSの偏差が所定値α
よりも大きいか否かを判定して、NOと判定したときに
ステップT23に進んで上記偏差が解消するように直結
クラッチ用変速時締結圧P(KTK)にフィードバック圧
FBを加算し、またYESと判定したときには上記ステ
ップT23をスキップしてステップT18〜T23のル
ープ処理を実行する共に、第1ギヤ比進度RMが上記副
変速機制御終了判定値RM1よりも大きくなったときに上
記ループ処理から抜け出してステップT24で上記第2
油圧P2として最大締結圧PMAXをセットする。 そし
て、コントローラ160は再度第1ギヤ比進度RMを算
出して、第1ギヤ比進度RMが所定の主変速機変速終了
判定値RM2に到達したときに第1〜第5ON−OFFソ
レノイドバルブ71〜75を、ON,OFF,OFF,
ON,OFFの状態にセットする(ステップT25〜T
27)。
【0115】つまり、主変速機20においては、第1〜
第3シフトバルブ61〜63の各スプールが、それぞれ
左側、右側、右側に位置することになって、3−4ブレ
ーキ用コントロールバルブ79に対するライン圧の供給
が遮断されて、3−4ブレーキ34が解放されることに
なる。
【0116】また、副変速機においては、第4、第5シ
フトバルブ64,65の各スプールが、それぞれ左側、
右側に位置することになって、メインライン42のライ
ン圧が、ライン107、ライン111、ライン113及
びライン106を介して直結クラッチ32の第1油圧室
321に供給されて、2速の状態となる。
【0117】この一連の動作を経時的に示せば、図18
のタイムチャートに従ったものとなる。
【0118】すなわち、アクセルペダルが緩慢に踏み込
まれることによって3−2変速指令が出力されると、主
変速機20の3−4ブレーキ28及びコーストブレーキ
29の解放動作がそれぞれ開始されて、主変速機20の
ギヤ比の増大に伴ってタービン回転数が増大することに
なる。その際に、減速ブレーキ34も解放されることに
なる。そして、第1設定時間T1が経過した時点t9で、
第2リニアソレノイドバルブ103による直結クラッチ
32の締結圧のフィードバックが開始される。これによ
り、主変速機20のギヤ比の増大の進行に逆方向に対応
して副変速機30のギヤ比が減少することになる。
【0119】主変速機30のギヤ比の増大が進んで第1
ギヤ比進度RMが副変速機制御終了判定値RM1を超えた
時点t10で、直結クラッチ32の締結圧のフィードバッ
ク制御が停止されて最大締結圧が供給されることによ
り、直結クラッチ32が完全締結状態となる。
【0120】そして、上記第1ギヤ比進度RMが今度は
主変速機変速終了判定値RM2に到達した時点t11で、3
−4ブレーキ28の締結圧が完全ドレンされて、自動変
速機として2速状態となる。
【0121】このように正駆動状態における3−2変速
時においても、副変速機30の変速段の切換に直接的に
関与する直結クラッチ32の締結力が、主変速機20の
ギヤ比の増大の進行に逆方向に対応して副変速機30の
ギヤ比が減少するようにフィードバック制御されること
になるので、変速ショックが効果的に防止されることに
なる。
【0122】ここで、スロットル変化率δθが所定値β
よりも大きい急加速時には、上記図7のフローチャート
のステップT28以下の処理が実行されることになる。
【0123】つまり、コントローラ160はステップT
28で所定の変速時ライン圧を設定した上で、ステップ
T29で第1〜第5ON−OFFソレノイドバルブ71
〜75を、ON,OFF,OFF,ON,OFFの状態
にセットする。つまり、ソレノイドパターンを一挙に2
速パターンにセットするのである。
【0124】次いで、コントローラ160は第1ギヤ比
進度RMを算出して、この第1ギヤ比進度RMが所定の主
変速機変速終了判定値RM2に到達していると判定したと
きには、今度は第2ギヤ比進度RSを算出して、この第
2ギヤ比進度RSが所定の副変速機変速終了判定値RS0
に到達していれば変速制御を終了する(ステップT30
〜T33)。
【0125】したがって、急加速時には図19のタイム
チャートに従って変速動作が行われることになる。
【0126】すなわち、アクセルペダルが急速に踏み込
まれることによって2−3変速指令が出力されると、主
変速機20の3−4ブレーキ28及びコーストブレーキ
29の解放動作がそれぞれ開始されて、主変速機20の
ギヤ比の増大に伴ってタービン回転数が増大することに
なる。
【0127】一方、副変速機30においては、減速ブレ
ーキ34が解放される一方において、直結クラッチ32
が所定の棚圧状態を経由することにより徐々に締結され
ることになる。
【0128】そして、第1ギヤ比進度RMが主変速機変
速終了判定値RM2に、また第2ギヤ比進度RSが副変速
機変速終了判定値RS0に到達していると判定された時点
11で、変速制御が終了する。
【0129】このように急加速による3−2変速時に
は、副変速機30のフィードバック制御が行われないの
で、短時間で変速動作が完了して良好な加速性能が得ら
れることになる。
【0130】一方、上記マニュアルダウン制御は、具体
的には、図20、図21のフローチャートに従って次の
ように実行される。
【0131】つまり、コントローラ160はステップT
41を実行して、第1リニアソレノイドバルブ80によ
って制御される主変速機側の第1油圧P1としてローリ
バースブレーキ用変速時締結圧P(BLR)をセットした
上で、ステップ42で第1〜第5ON−OFFソレノイ
ドバルブ71〜75を、ON,OFF,ON,OFF,
OFFの状態にセットする。
【0132】つまり、主変速機20においては、第1〜
第3シフトバルブ61〜63の各スプールが、それぞれ
左側、右側、左側に位置することになって、前進ライン
52のライン圧が、ライン121、第1シフトバルブ6
1、ライン122、第2シフトバルブ62、ライン12
3及び第3シフトバルブ63を介してローリバースブレ
ーキ用コントロールバルブ78に供給され、これが第1
リニアソレノイドバルブ80からライン81を介して供
給される制御圧に応じて所定の締結圧に調整された上
で、ライン127を介してローリバースブレーキ26に
供給されることにより、該ローリバースブレーキ26の
締結動作が開始する。
【0133】そして、コントローラ160は、図20の
フローチャートのステップT43に進んで、第1、第2
回転センサ164,165からの信号に基づいて第1ギ
ヤ比進度RMを算出した上で、ステップT44で上記第
1ギヤ比進度RMが所定の副変速機制御開始判定値RM0
を超えたか否かを判定して、YESと判定したときにス
テップT45に進んでタイマをスタートさせる共に、ス
テップT46で今度は第2リニアソレノイドバルブ10
3によって制御される副変速機側の第2油圧P2として
減速ブレーキ用変速時締結圧P(BGB)をセットし、ス
テップT47で上記タイマが所定の第2設定値T2に到
達したか否かを判定する。YESと判定した時点で図2
1のフローチャートのステップT48に進んで上記第
2、第3回転センサ165,166からの信号に基づい
て第2ギヤ比進度RSを算出し、続いてステップT49
で第1ギヤ比進度RMを算出して、ステップT50で第
1ギヤ比進度RMが所定の副変速機制御終了判定値RM1
よりも大きいか否かを判定する。そして、コントローラ
160は第1ギヤ比進度RMが上記副変速機制御終了判
定値RM1よりも大きくなければ、ステップT51に進ん
で現実の第1ギヤ比進度RMに基づいて副変速機30の
目標ギヤ比進度RSTを設定し、次にステップT52で目
標ギヤ比進度RSTに対する第2ギヤ比進度RSの偏差が
所定値αよりも大きいか否かを判定して、NOと判定し
たときにステップT53に進んで上記偏差が解消するよ
うに減速ブレーキ用変速時締結圧P(BGB)にフィード
バック圧P FBを加算し、またYESと判定したときには
上記ステップT53をスキップしてステップT48〜T
53のループ処理を実行する共に、第1ギヤ比進度RM
が上記副変速機制御終了判定値RM1よりも大きくなった
ときに上記ループ処理から抜け出して、ステップT54
で第1〜第5ON−OFFソレノイドバルブ71〜75
を、ON,OFF,ON,ON,OFFの状態にセット
する。
【0134】次いで、コントローラ160は第1ギヤ比
進度RMを算出して、第1ギヤ比進度RMが所定の主変速
機変速終了判定値RM2に到達した時ときに制御を終了す
る(ステップT55,T56)。
【0135】この一連の動作を経時的に示せば、図22
のタイムチャートに従ったものとなる。
【0136】すなわち、運転者のシフト操作による3−
2変速指令が出力されると、主変速機20のローリバー
スブレーキ26の締結動作が開始されると同時に、3−
4ブレーキ28及びコーストブレーキ29がそれぞれ解
放される。これにより、主変速機20のギヤ比の増大に
伴ってタービン回転数が上昇することになる。そして、
主変速機20のギヤ比の増大が進行して第1ギヤ比進度
Mが副変速機制御開始判定値RM0を超えた時点t
13で、副変速機30における減速ブレーキ34の第1油
圧室341の締結圧が棚圧状態に昇圧されることにな
る。その後、第2設定時間T2が経過した時点t14で、
第2リニアソレノイドバルブ103による減速ブレーキ
34の締結圧のフィードバックが開始される。これによ
り、主変速機20のギヤ比の増大の進行に逆方向に対応
して副変速機30のギヤ比が減少することになる。
【0137】主変速機30のギヤ比の増大が更に進んで
第1ギヤ比進度RMが副変速機制御終了判定値RM1を超
えた時点t15で、減速ブレーキ34の締結圧のフィード
バック制御が停止されてドレンされると共に、直結クラ
ッチ32に呈する締結圧の供給が開始される。そして、
上記第1ギヤ比進度RMが今度は主変速機変速終了判定
値RM2に到達した時点t16で、ローリバースブレーキ2
6に対する締結圧の供給が開始されて、自動変速機の全
体としてエンジンブレーキが作動する2速状態となる。
【0138】このように逆駆動状態における3−2変速
時においても、空転状態となる第3ワンウェイクラッチ
33に並列な減速ブレーキ34の締結力が、主変速機2
0のギヤ比の増大の進行に対応して副変速機30のギヤ
比が減少するようにフィードバック制御されることにな
るので、短時間で変速動作が完了すると共に、減速ブレ
ーキ34が締結することによるショックの発生も回避さ
れることになる。
【0139】もちろん、車速の低下に伴って3−2変速
が行われる場合には、上記と同様な制御を行うようにし
てもよい。
【0140】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、主変速機
と副変速機とで変速動作が同時に行われる変速時に、副
変速機の正駆動状態においては変速段を切り換える第1
摩擦要素の締結力が、またワンウェイクラッチが空転す
る逆駆動状態においてはエンジンブレーキ用の第2摩擦
要素の締結力が、それぞれ主変速機のギヤ比の変化に対
応して副変速機のギヤ比が変化するようにフィードバッ
ク制御されることになるので、正、逆駆動時のいずれに
おいても変速ショックを生じさせることなく変速制御が
良好に行われることになる。
【0141】また、第2発明によれば、主変速機と副変
速機とでギヤ比の変化が逆方向の変速動作が同時に行わ
れるときに、例えば主変速機のギヤ比の増大に適切に対
応して副変速機のギヤ比が減少することになるので変速
ショックが効果的に低減されることになる。
【0142】そして、第3発明によれば、フィードバッ
ク制御の目標値が主変速機のギヤ比進度に対応した副変
速機のギヤ比進度とされているので、副変速機のギヤ比
が主変速機のギヤ比の変化に対して精度よく対応して変
化することになって、変速ショックが更に低減されるこ
とになる。
【0143】さらに、第4発明によれば、第1、第2摩
擦要素の締結力が共通の油圧調整手段によってフィード
バック制御されることになるので、油圧回路の構成が簡
素化されるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る自動変速機の骨子図で
ある。
【図2】 同自動変速機における副変速機の構造を示す
断面図である。
【図3】 同自動変速機の油圧回路を示す回路図であ
る。
【図4】 図3の油圧回路における各ソレノイドバルブ
に対する制御システム図である。
【図5】 本実施例における2−3変速制御のメインル
ーチンを示すフローチャート図である。
【図6】 スケジュールアップ制御の一部を示すフロー
チャート図である。
【図7】 スケジュールアップ制御の一部を示すフロー
チャート図である。
【図8】 油圧回路における副変速機制御部分の正駆動
状態における状態を示す回路図である。
【図9】 スケジュールアップ時の作用を示すタイムチ
ャート図である。
【図10】 バックアウト制御の一部を示すフローチャ
ート図である。
【図11】 バックアウト制御の一部を示すフローチャ
ート図である。
【図12】 油圧回路における副変速機制御部分の逆駆
動状態における状態を示す回路図である。
【図13】 バックアウト時の作用を示すタイムチャー
ト図である。
【図14】 本実施例における3−2変速制御のメイン
ルーチンを示すフローチャート図である。
【図15】 トルクディマンド制御の一部を示すフロー
チャート図である。
【図16】 トルクディマンド制御の一部を示すフロー
チャート図である。
【図17】 トルクディマンド制御の一部を示すフロー
チャート図である。
【図18】 緩加速時の作用を示すタイムチャート図で
ある。
【図19】 急加速時の作用を示すタイムチャート図で
ある。
【図20】 マニュアルダウン制御の一部を示すフロー
チャート図である。
【図21】 マニュアルダウン制御の一部を示すフロー
チャート図である。
【図22】 マニュアルダウン時の作用を示すタイムチ
ャート図である。
【符号の説明】
20 主変速機 26 ローリバースブレーキ 28 3−4ブレーキ 29 コーストブレーキ 30 副変速機 32 直結クラッチ 34 減速ブレーキ 160 コントローラ 162 スロットル開度センサ 164 第1回転センサ 165 第2回転センサ 166 第3回転センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗山 実 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−99745(JP,A) 特開 平2−304251(JP,A) 特開 昭64−15560(JP,A) 特開 昭61−241558(JP,A) 特開 昭62−17451(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主変速機と副変速機とを備え、該副変速
    機に、第1変速段を達成するワンウェイクラッチと、第
    2変速段を達成する第1摩擦要素と、上記ワンウェイク
    ラッチに並列にエンジンブレーキ用の第2摩擦要素とが
    設けられた自動変速機の制御装置であって、主変速機と
    副変速機とで変速動作が同時に行われる変速時に、上記
    副変速機の駆動状態がエンジン出力で駆動される正駆動
    状態であるときには、主変速機のギヤ比の変化に対応し
    て副変速機のギヤ比が変化するように上記第1摩擦要素
    の締結力をフィードバック制御し、上記駆動状態が逆駆
    動状態であるときには、主変速機のギヤ比の変化に対応
    して副変速機のギヤ比が変化するように上記第2摩擦要
    素の締結力をフィードバック制御する制御手段が設けら
    れていることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 主変速機と副変速機とを備え、該副変速
    機に、第1変速段を達成するワンウェイクラッチと、第
    2変速段を達成する第1摩擦要素と、上記ワンウェイク
    ラッチに並列にエンジンブレーキ用の第2摩擦要素とが
    設けられた自動変速機の制御装置であって、主変速機と
    副変速機とでギヤ比の変化が逆方向の変速動作が同時に
    行われる変速時に、上記副変速機の駆動状態がエンジン
    出力で駆動される正駆動状態であるときには、主変速機
    のギヤ比の変化に対応して副変速機のギヤ比が逆方向に
    変化するように上記第1摩擦要素の締結力をフィードバ
    ック制御し、上記駆動状態が逆駆動状態であるときに
    は、主変速機のギヤ比の変化に対応して副変速機のギヤ
    比が逆方向に変化するように上記第2摩擦要素の締結力
    をフィードバック制御する制御手段が設けられているこ
    とを特徴とする自動変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 フィードバック制御の目標値が主変速機
    のギヤ比進度に対応した副変速機のギヤ比進度であるこ
    とを特徴とする請求項1もしくは請求項2のいずれかに
    記載の自動変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】 主変速機と副変速機とを備え、該副変速
    機に、第1変速段を達成するワンウェイクラッチと、第
    2変速段を達成する第1摩擦要素と、上記ワンウェイク
    ラッチに並列にエンジンブレーキ用の第2摩擦要素とが
    設けられた自動変速機の制御装置であって、上記第1、
    第2摩擦要素に対する締結圧の給排を制御する油圧回路
    に、電気的に制御される油圧調整手段が設けられている
    と共に、主変速機と副変速機とで変速動作が同時に行わ
    れる変速時に、上記副変速機の駆動状態がエンジン出力
    で駆動される正駆動状態であるときには、主変速機のギ
    ヤ比の変化に対応して副変速機のギヤ比が変化するよう
    に上記油圧調整手段を介して上記第1摩擦要素の締結力
    をフィードバック制御し、上記駆動状態が逆駆動状態で
    あるときには、主変速機のギヤ比の変化に対応して副変
    速機のギヤ比が変化するように上記油圧調整手段を介し
    て上記第2摩擦要素の締結力をフィードバック制御する
    制御手段とが設けられていることを特徴とする自動変速
    機の制御装置。
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