JP3302393B2 - 自動車ドア補強材用高強度焼入れ鋼管の製造方法 - Google Patents

自動車ドア補強材用高強度焼入れ鋼管の製造方法

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JP3302393B2 JP08796792A JP8796792A JP3302393B2 JP 3302393 B2 JP3302393 B2 JP 3302393B2 JP 08796792 A JP08796792 A JP 08796792A JP 8796792 A JP8796792 A JP 8796792A JP 3302393 B2 JP3302393 B2 JP 3302393B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のサイドドアに
取り付けられるインパクトバー等の補強部品として使用
される高強度焼入れ鋼管に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の安全対策強化に対する要
求が高くなってきている。これらの要求に対応して、側
面からの衝突時の衝撃を吸収するためのインパクトバー
と呼ばれる補強部品をサイドドアに装着することが行わ
れている。インパクトバーは、従来100f/mm2
程度の高張力冷延鋼板をプレス成形して製造されていた
が、軽量化の面から130kgf/mm2 級或いは15
0kgf/mm2 級といった高強度の焼入れ鋼管が用い
られるようになってきている。
【0003】高張力冷延鋼板をインパクトバーに使用し
た場合、鋼板をプレス成形した部品形状に加工すること
から加工性が要求される。この点で、高強度化に限界が
あった。これに対し、焼入れ鋼管をインパクトバーとし
て用いると、ドアの取付け部に簡単な溶接加工が行われ
る程度で、特に成形加工を必要としない。そのため、比
較的容易に材料強度を高めることができる。
【0004】また、肉厚の大きな鋼管製インパクトバー
は、薄板を矩形に近い断面形状に成形した従来のインパ
クトバーに比較し、その形状の相違に起因して次の利点
も備えている。すなわち、ドアへの衝突を想定すると、
衝突時の荷重を負荷とする曲げ変形がインパクトバーに
生じる。このときの荷重と変位との関係は、概略を示し
た図1にみられるように、曲げの変位が増加すると共に
荷重、すなわち曲げに対する変形抵抗が次第に増加す
る。そして、変形がある程度進行すると、インパクトバ
ーに座屈が発生し、変形抵抗が急激に小さくなる現象が
生じる。薄鋼板を用いたインパクトバーでは座屈の発生
が変形の比較的初期に生じるのに対し、鋼管製のインパ
クトバーではより大きな曲げ変形が生じるまで座屈が発
生していない。このことから、鋼管製のインパクトバー
がより大きな変形抵抗を示すことが判る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】鋼管製のインパクトバ
ーは、このように薄板製のインパクトバーに比較して曲
げ変形における座屈の面で有利である。しかし、変形初
期における変形抵抗は、むしろ薄板製のインパクトバー
よりも鋼管製のインパクトバーの方が小さくなってい
る。インパクトバーに要求される特性は、曲げ変形によ
って吸収するエネルギーが大きいことである。
【0006】この吸収エネルギーは、図1では荷重を変
位で積分した値として表される。変形が進行した段階で
の変形抵抗と共に初期の変形抵抗も大きくなると、曲げ
変形によって吸収されるエネルギーをより大きなものに
することができる。その結果、インパクトバーとして必
要とされる吸収エネルギーを得るために要する鋼管の寸
法を小さくすることができ、その分だけ車体の軽量化が
図られる。
【0007】また、インパクトバーの材料特性の面から
みると、初期の変形抵抗は材料の耐力に関係しており、
耐力が大きいほど初期変形抵抗が大きくなる。ところ
で、インパクトバー用の焼入れ鋼管は、通常、焼入れ性
を高めた特殊鋼の範疇に属する鋼材を用いて製造された
電縫鋼管を高周波焼入れして製造される。この鋼管は、
焼入れままのマルテンサイト組織を呈している。焼入れ
ままのマルテンサイト組織ををもつ鋼管では、大きな引
張り強さを持つものの、大きな耐力を期待することがで
きない。
【0008】本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、軽度の塑性変形加工を繰り返し付
与することによって、初期変形抵抗を高め、インパクト
バー等の補強部品として大きな吸収エネルギーを呈する
高強度焼入れ鋼管を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の自動車ドア補強
材用高強度焼入れ鋼管製造方法は、その目的を達成する
ため、C:0.10〜0.30重量%,Si:0.05
〜0.50重量%,Mn:0.20〜1.50重量%,
P:0.020重量%以下,S:0.020重量%以下
及びAl:0.01〜0.10重量%を含有する電縫鋼
管を高周波焼入れした後、多ロール式の形状矯正機を通
して鋼管に塑性変形加工を繰り返し、0.2〜2%の歪
みを付与することを特徴とする。
【0010】また、使用する鋼は、更にTi:0.01
〜0.10重量%,B:0.0005〜0.010重量
%,Ni:0.20〜1.50重量%,Cr:0.05
〜1.00重量%,Mo:0.05〜0.50重量%,
V:0.01〜0.20重量%,Nb:0.01〜0.
20重量%及びCa:0.001〜0.01重量%から
選ばれた1種又は2種以上を含有することもできる。
【0011】
【作 用】以下、本発明で使用する鋼の成分,含有量等
について説明する。 C:焼入れ後の鋼管の強度を得るために必要な元素であ
り、0.10重量%未満ではインパクトバー用鋼管とし
て要求される引張り強さ130kgf/mm2 以上の強
度が得られない。しかし、0.30重量%を超えてCを
含有させるとき、焼入れ鋼管としての強度の増加は得ら
れるものの、靭性が低下する。そのため、衝撃荷重が負
荷されたとき、脆性的に破断し、インパクトバーとして
好ましくない性質を呈する。更に、焼入れ前の状態にお
いても延性の低下を招き、扁平化等の成形加工を行う際
に割れ等の欠陥が発生し易くなり、十分な成形加工が困
難になる。したがって、C含有量は、0.10〜0.3
0重量%の範囲に規定した。
【0012】Si:鋼の脱酸剤として使用される元素で
あり、焼入れ性を向上させる上でも有効である。この作
用を得るため、Siを0.05重量%以上含有させるこ
とが必要である。しかし、Siは、酸素との親和力が強
い元素であり、電縫鋼管製造工程の電縫溶接時にペネト
レータが溶接部に形成され易く、健全な溶接部を得るこ
とが困難になる。その結果、扁平化等の成形加工が困難
になると共に、高強度焼入れ鋼管としたときの靭性を阻
害する傾向がみられる。したがって、Si含有量の上限
を0.50重量%に規定した。
【0013】Mn:鋼材の焼入れ性を高め、強靭化を図
る上で有効な元素である。しかし、過剰にMnを含有す
ることは、Mn系の非金属介在物を増加させ、しかも縞
状組織を発達させる。その結果、鋼の靭性が低下する。
更に、Mnは、Siと同様に溶接部の健全性にも悪影響
を及ぼす。このため、Mn含有量を、0.20〜1.5
0重量%の範囲に規定した。
【0014】P:焼入れ鋼管の靭性を劣化させる元素で
ある。そこで、P含有量の上限を、0.020重量%に
規定した。
【0015】S:非金属介在物の生成を促進させ、鋼の
靭性劣化,溶接部の健全性の低下等の欠陥を招く。そこ
で、S含有量を0.020重量%以下とした。
【0016】Al:溶鋼の脱酸剤として有効な元素であ
る。しかし、0.10重量%を超えるAl含有量では、
鋼の清浄度が損なわれると共に、表面疵が生じ易くな
る。したがって、Al含有量を、0.01〜0.10重
量%の範囲に規定した。また、選択成分として添加され
るTi,B,Ni,Cr,Mo,V,Nb,Ca等は、
それぞれ次の作用を呈する。
【0017】Ti:熱処理時の固溶しにくい炭窒化物を
形成し、焼入れ時に結晶粒の粗大化を防止する作用を呈
する。また、鋼中に固溶しているNを窒化物として固定
する。そのため、固溶NによるBの消費が抑制され、B
による焼入れ性改善作用が効率よく発揮される。これら
の作用を得るためには、0.01重量%以上のTiを含
有させることが必要である。しかし、0.10重量%を
超えるTiの含有は、粗大な窒化物の形成を促進させ、
靭性の劣化を招く。したがって、Ti含有量は、0.0
1〜0.10重量%の範囲に規定した。
【0018】B:鋼の焼入れ性は、Bの添加によって大
きく向上する。また、Tiによって鋼中のNが固定され
ているので、0.0005重量%以上のごく微量でも、
十分に焼入れ性が向上する。しかし、B含有量が0.0
1重量%を超えると、鋼中に化合物が形成され、逆に焼
入れ性の低下を招くばかりでなく、靭性にも悪影響を及
ぼす。この点で、0.0005〜0.01重量%の範囲
にB含有量を定めた。
【0019】Ni:鋼の焼入れ性を向上させ、靭性の劣
化を抑えながら強度化を図る上で有効な元素である。こ
の作用を得るため、0.20重量%以上のNiを含有さ
せることが必要である。しかし、1.50重量%を超え
てNiを含有させても、性質改善効果が飽和し、鋼材の
コスト上昇を招く。したがって、Ni含有量は、0.2
0〜1.50重量%の範囲に定めた。
【0020】Cr:鋼の焼入れ性を向上させるために有
効な元素であり、0.05重量%以上のCrを含有させ
ることが必要である。しかし、1.00重量%を超えて
Crを含有させるとき、造管時の溶接部にペネトレータ
が発生し易く、扁平化等の加工性を低下させると共に、
高強度鋼管としての靭性が劣化する。そのため、Cr含
有量は、0.05〜1.00重量%の範囲に規定した。
【0021】Mo:鋼の焼入れ性を高める上で有効な元
素であり、0.05重量%以上のMoを含有させること
が必要である。しかし、Moは、高価な合金元素であ
り、0.5重量%を超えてMoを含有させてもMoの増
量に見合った効果が得られず、経済的に不利になる。そ
こで、Mo含有量を0.05〜0.5重量%の範囲に規
定した。
【0022】V:安定な炭窒化物を形成し、焼入れ時に
結晶粒の粗大化を抑制し、靭性の劣化を防止する等の有
効な作用を呈する。このような作用を得るためには、
0.01重量%以上のVを含有させることが必要であ
る。しかし、V含有量が0.20重量%を超えると、ご
く短時間で鋼材が焼入れ温度にまで加熱される高周波焼
入れでは、炭化物の固溶不足に起因してマトリックスの
C濃度が低下する。その結果、必要な強度が得られな
い。そこで、Vを含有させる場合、その範囲を0.01
〜0.20重量%に設定する。
【0023】Nb:Vと同様に、結晶粒の粗大化を抑制
する上で有効な元素である。しかし、マトリックスに対
する炭化物の固溶を減少させ、強度低下を招く。したが
って、Nb含有量は、Vと同様に0.01〜0.20重
量%の範囲に設定した。
【0024】Ca:硫化物系介在物の形態を制御して無
害化し、焼入れ前の加工性及び焼入れ後の靭性を高める
上で有効な元素である。この作用を得るためには、0.
001重量%以上のCaを含有させることが必要であ
る。しかし、0.01重量%を超えてCaを含有させる
と、鋼中の非金属介在物の量が増大し、却って靭性の劣
化がみられる。そこで、Ca含有量は、0.001〜
0.01重量%の範囲に規定した。
【0025】以上の成分系をもつ鋼から鋼管を製造する
ためには、種々の方法を採用することが可能である。た
とえば、製品特性の均質性の面からすると、継ぎ目のな
いシームレスパイプを製造することもできる。しかし、
製造コストを考慮するとき、高周波誘導抵抗加熱で板材
を溶接して電縫鋼管を製造する方法が、インパクトバー
用鋼管の製造に最も適している。更に、電縫鋼管とする
場合、十分な成形加工性を得るため、素材となる鋼板と
して焼鈍材を用いることが有利であるが、熱間圧延条件
を調整することによって熱間圧延まま材を素材として使
用することも可能である。また、電縫鋼管では、電縫溶
接部が焼き入れられて硬質になるため、造管後に鋼管全
体を焼鈍するか、電縫溶接部のみを高周波加熱等で加熱
するシームアニール等を施すことも、成形加工性を確保
する有効な手段である。
【0026】電縫鋼管に対し焼入れ処理を施し、マルテ
ンサイト組織を持つ焼入れ鋼管とする。このときの焼入
れには種々の方法があるが、焼入れ組織の均質性や焼入
れ後の形状安定性等を考慮し、本発明では高周波焼入れ
を採用した。
【0027】鋼管を高周波焼入れするとき、長さが1m
程度或いはそれより短い短尺鋼管を用いる場合と、数m
程度の長尺鋼管を用いる場合とがある。この点、本発明
においては、焼入れ後に軽度の塑性変形加工を繰返し付
与することから、塑性変形加工時のハンドリング性を考
慮すると、長尺鋼管に対して焼入れ処理を施すことが好
ましい。
【0028】鋼管に焼入れを施した後、多ロール式の形
状矯正機を通して鋼管に塑性変形加工を繰り返し、0.
2〜2%の歪みを付与して製品とする。焼入れままのマ
ルテンサイト組織の焼入れ鋼管では、耐力と引張り強さ
の比率である降伏比が80%と低い。多ロール式の形状
矯正機を通して鋼管に塑性変形加工を繰り返し、0.2
〜2%の歪みを付与するとき、引張り強さはほとんど増
加しないが、降伏比が80%以上になり、耐力の著しい
向上がみられる。これは、塑性変形を付与することで、
焼入れによって導入された転位が塑性変形による歪みの
付与によって絡み合いを生じ、転位が動きにくくなる結
果、耐力が上昇するものと推察される。
【0029】このとき加えられる歪み量0.2〜2%の
塑性変形は、弾性限界を僅かに超える程度の変形であ
る。多ロール式の形状矯正機を通しての塑性変形加工を
繰り返すことにより、焼入れ状態の直管形状を維持する
ことができる。また、塑性変形加工の繰返し付与は、焼
入れによって発生した熱処理歪みを均質化し、鋼管の真
直度や真円度を向上させる。その結果、多ロール式の形
状矯正機を通して繰返し塑性変形加工を受けた鋼管は、
焼入れ時に発生した曲り等の形状が矯正されたものとな
る。
【0030】繰返し塑性変形加工によって導入される歪
み量は、位置によって異なるが、最大歪みが付与される
箇所で0.2〜2%とする。歪み量が0.2%未満であ
ると、ほぼ弾性変形内に留まり、耐力の増加が小さい。
しかし、2%を超える歪み量では、塑性変形加工によっ
て鋼管の真円度が劣化したり、鋼管が高強度材であるこ
とからクラック発生等の欠陥が発生し易くなる。
【0031】
【実施例】表1に示した成分を持つ鋼を転炉で溶製し、
スラブに連続鋳造した。このスラブを通常のホットスト
リップミルで熱間圧延し、板厚2.3mmの熱延鋼板を
製造した。
【0032】
【表1】
【0033】熱延鋼板を酸洗した後、所定の幅にスリッ
トし、造管機で外径31.8mmの電縫鋼管とし、長さ
7000mmの長尺鋼管に切断した。なお、一部の熱延
鋼板については、酸洗後に更に焼鈍を施した。
【0034】得られた鋼管を高周波誘導加熱によって9
00〜1000℃の温度にまで昇温した後、水冷する焼
入れ処理を施した。なお、このときの高周波焼入れは、
高周波加熱コイル,それに隣接した水冷管及び入り口側
と出口側のローラテーブルからなる焼入れ機を使用し、
ローラーテーブル上を毎分10mで鋼管を搬送して加熱
・水冷を行った。
【0035】焼入れされた鋼管の一部について、多ロー
ル式の形状矯正機を通管させることにより軽度の塑性変
形加工を繰返し付与した。その後、砥石切断機によって
1200mmの長さに切断した。
【0036】焼入れ後の鋼管を引張り試験,衝撃曲げ試
験及び静的曲げ試験に供し、機械的性質を調査した。衝
撃曲げ試験では、焼入れ鋼管を500mmの間隔の2点
で支持し、その上に100kgの質量で先端部が半径5
0mmの円弧状になっている重錘を2mの高さから落下
させ、鋼管の変形・破壊状態を観察した。静的曲げ試験
では、焼入れ鋼管を900mmの間隔の2点で支持し、
支点間の中心に半径150mmの円弧状のポンチを押し
付け、そのときの荷重とポンチの変位を測定し、荷重−
変位曲線を作成した。
【0037】引張り試験及び衝撃曲げ試験の結果を示す
表2から明らかなように、成分及び含有量が本発明で規
定した範囲にあり、焼入れ後に繰返し塑性変形加工を施
した試験No.3,5及び7の本発明例では、何れも引張
り強さが150kgf/mm2 以上の高い引張り強さを
示し、また降伏比も82%以上と高くなっている。
【0038】これに対し、本発明で規定した成分含有量
を外れた試験No.1の比較例では130kgf/mm2
以上の引張り強さが得られておらず、No.8の比較例で
は靭性が不足することから衝撃荷重が付加されたとき脆
性的な破断を生じている。また、成分的には本発明で規
定する要件を満足するものであっても、焼入れのままで
形状矯正を施していない試験No.2,4及び6の比較例
では、本発明例である試験No.3,5及び7に比較して
耐力が低くなっている。
【0039】
【表2】
【0040】試験No.2及び3の静的曲げ試験における
荷重−変位曲線を、図2に示す。図2から明らかなよう
に、形状矯正機を通過させた試験No.3の本発明例で
は、比較例である試験No.2に比較して初期の変形抵
抗、すなわち荷重が大きく、曲げ変形における吸収エネ
ルギーが大きくなっていることが判る。
【0041】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、使用する電縫鋼管の成分・組成を調整すると共に、
焼入れ後に多ロール式の形状矯正機を通して鋼管に塑性
変形加工を繰り返し、0.2〜2%の歪みを付与するこ
とにより、自動車ドア補強部材用高強度鋼管として要求
される強度及び靭性を兼ね備えた製品を得ている。塑性
変形加工を繰返し受けた製品は、焼入れまま材に比較し
て耐力が高く、曲げ変形を付与したときの初期変形にお
ける変形抵抗が増加する。その結果、曲げ変形における
吸収エネルギーが大きくなり、優れた特性を有するイン
パクトバー等の補強材として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 薄板鋼板製インパクトバー及び鋼管製インパ
クトバーの曲げ試験における荷重−変位の関係を示す模
式図
【図2】 繰返し塑性変形加工が焼入れ鋼管の静的曲げ
試験における荷重−変位曲線に与える影響を表したグラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/00 - 8/10 C22C 38/00 - 38/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.10〜0.30重量%,Si:
    0.05〜0.50重量%,Mn:0.20〜1.50
    重量%,P:0.020重量%以下,S:0.020重
    量%以下及びAl:0.01〜0.10重量%を含有す
    る電縫鋼管を高周波焼入れした後、多ロール式の形状矯
    正機を通して鋼管に塑性変形加工を繰り返し、0.2〜
    2%の歪みを付与することを特徴とする自動車ドア補強
    材用高強度焼入れ鋼管の製造方法。
  2. 【請求項2】 C:0.10〜0.30重量%,Si:
    0.05〜0.50重量%,Mn:0.20〜1.50
    重量%,P:0.020重量%以下,S:0.020重
    量%以下及びAl:0.01〜0.10重量%を含有
    し、更にTi:0.01〜0.10重量%,B:0.0
    005〜0.010重量%,Ni:0.20〜1.50
    重量%,Cr:0.05〜1.00重量%,Mo:0.
    05〜0.50重量%,V:0.01〜0.20重量
    %,Nb:0.01〜0.20重量%及びCa:0.0
    01〜0.01重量%から選ばれた1種又は2種以上を
    含有する電縫鋼管を高周波焼入れした後、多ロール式の
    形状矯正機を通して鋼管に塑性変形加工を繰り返し、
    0.2〜2%の歪みを付与することを特徴とする自動車
    ドア補強材用高強度焼入れ鋼管の製造方法。
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