JP3302029B2 - ビールの安定化処理用シリカゲルおよびビールの安定化処理方法 - Google Patents

ビールの安定化処理用シリカゲルおよびビールの安定化処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビールの安定化処理用
シリカゲルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビールは大麦の麦芽およびホップを主原
料とする発酵製品である。その製造工程においては、上
述原料に起因する蛋白質やポリフェノールが副生する。
これらの副生物を除去することなくビール中に残存させ
ると、保存中にコロイド状に会合し、混濁を生じ、特に
淡色ビールにおいては、その透明な外観が失われて、商
品価値が著しく損なわれるという問題がある。
【0003】このようなビールの混濁を防止する方法と
して、従来より、タンニン、パパイン、ポリビニルポリ
ピロリドン(PVPP)あるいはシリカゲル等を用い
て、混濁の原因である蛋白質、ポリフェノールを効率的
に除去する試みが行われてきた。これらのなかでもシリ
カゲルによるものは、ビールの泡、香り、味などの品質
を損ねることが少ないので広く用いられている。
【0004】例えば、特開平1−165363号公報に
は、比表面積300〜700m2/g、細孔容積1.0〜
2.0cc/g、平均細孔半径100〜180Åであ
り、かつ平均粒子径5〜20μmの球状シリカゲルを用
いることが記載されている。また、特公平3−2748
3号公報には、比表面積530〜720m2/g、細孔容
積0.9〜1.5cc/g、平均細孔半径50〜120
Å、含水量7〜25重量%(湿量基準)の含水シリカゲ
ルを用いることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ビールの安定化処理用
シリカゲルの混濁物質に対する作用機構は、シリカゲル
細孔への混濁物質の選択的吸着に起因すると考えられる
が、これ以外にシリカゲル表面のシラノール基の存在状
態に由来する静電的捉除去が挙げられる。本発明は、
シリカゲルの細孔構造だけでなく表面物性を最適化し
て、ビールを安定化させる効果の高いシリカゲルを提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、比表面積20
0〜500m/g、細孔容積0.5〜2.0cc/
g、平均細孔半径60〜200Åであり、赤外線吸収ス
ペクトルにおいて、1860cm−1のピーク強度に対
する3500cm−1のピーク強度の比率xが、0.5
<χ<2.5の範囲にあり、3500cm −1 のピーク
強度に対する、3750cm −1 のピーク強度の比率y
が、1.0<y<9の範囲にあることを特徴とするビー
ルの安定化処理用シリカゲルである。
【0007】上述のように、ビールの混濁の原因は蛋白
質やポリフェノールであるが、ビール中の蛋白質には、
ビールの主要特性である泡立ちや泡持ちに関連する起泡
蛋白質も存在する。したがって、ビールの風味、香味、
泡等のビール固有の特徴を損なうことなく、混濁蛋白
質、ポリフェノールのみを選択的に除去することが重要
である。本発明のシリカゲルの物性は、このような観点
から規定されるものである。
【0008】比表面積は、200〜500m2/gの範囲
内であることが必要である。比表面積が、200m2/g
未満の場合は、十分な吸着能力が得られない。比表面積
が、500m2/gを超える場合は、起泡蛋白等の有用
成分をも吸着除去するおそれがあるので不適当である。
【0009】細孔容積は、0.5〜2.0cc/gの範
囲内にあることが必要である。細孔容積が0.5cc/
g未満の場合は、混濁成分の吸着量が不足するおそれが
あり不適当である。細孔容積が2.0cc/gを超える
場合は、シリカゲルの機械的強度が不足して、ビールの
処理時にシリカゲルが破砕微粉化し、後の濾過工程に時
間を要するので不適当である。
【0010】平均細孔半径は、60〜200Åであるこ
とが必要である。平均細孔半径が60Å未満の場合は、
十分な吸着能が得られないので不適当である。平均細孔
半径が200Åを超える場合は、起泡蛋白質等の有用な
成分も吸収してしまうおそれがあるので不適当である。
【0011】本発明のシリカゲルは、次のような赤外線
吸収スペクトルを示すことが必要である。シリカゲルの
赤外線吸収スペクトルには、シロキサン(Si−O−S
i)結合に由来する1800cm-1の吸収ピーク、シラ
ノール基(Si−OH)に由来する吸収ピークなどが現
れる。シラノール基に由来する吸収ピークは、隣接した
シラノールが水素結合で会合した、会合性シラノール基
に由来する3500cm-1付近の吸収ピークと、そのよ
うな水素結合を起こしていない孤立シラノール基に由来
する3750cm-1付近の吸収ピークの2種類ある。
【0012】シロキサン結合に由来する1860cm-1
のピーク強度に対する、会合性シラノール基に対応する
3500cm-1のピーク強度の比率をxとするとき、本
発明のシリカゲルでは、0.5<x<2.5の範囲であ
ることが必要である。この場合、十分な混濁蛋白質の除
去効果が発現する。xが0.5以下の場合は、蛋白質を
静電的に除去しうるところのシラノール基の絶対量が少
な過ぎるため不適当である。xが2.5以上の場合は、
シラノール基同士の会合性が極端に進み、混濁蛋白質と
の親和性が減少するので不適当である。より好ましい範
囲は、1.0<x<1.5である。
【0013】さらに、会合性シラノール基に由来する3
500cm−1のピーク強度に対する、孤立シラノール
基に由来する3750cm−1のピーク強度の比率をy
とするとき、1.0<y<9の範囲である。yが1.0
以下の場合は、シラノール基同士の会合性が極端に進
み、混濁蛋白質との親和性が減少するので不適当であ
る。yが9以上の場合は、蛋白質を静電的に除去しうる
ところのシラノール基の絶対量が少な過ぎるため不適当
である。1.1<y<5の場合は、より好ましい。
【0014】一般的に、含水物質においては含水率の増
大につれて微生物の増殖の可能性が増大することが知ら
れており、含水率が高い場合は、ビールの安定化処理用
シリカゲルとして不適当である。この観点からも含水率
は低く保つことが好ましく、含水率が7重量%以下の場
合は、大腸菌、カビ等の増殖を十分抑制できるので、さ
らに好ましい。
【0015】また、最終的にビールに接触させるシリカ
ゲルの粒子径としては、ビールとシリカゲルの分離方
法、接触時間により、適宜選択されるが、平均粒子直径
が1〜50μmの範囲内にあるのが好ましい。
【0016】本発明のシリカゲルの製造方法は特に限定
されず、種々の方法を採用することができる。細孔特性
の制御については、特に限定されず従来公知の技術を使
用することができる。赤外線吸収スペクトルについて、
上記の物性を付与する手段は、例えば、シリカヒドロゲ
ルから水分を除去する際に、焼成の温度及び時間を制御
することにより達成される。
【0017】焼成の温度としては、200〜350℃程
度が好ましい。焼成温度が350℃を超える場合は、y
の値が大きくなりすぎるおそれがあるので、好ましくな
い。また、焼成の時間が長すぎる場合は、xの値が0.
5以下になってしまう恐れがある。例えば、焼成温度が
200℃の場合は、焼成時間は、2〜36時間程度が適
当であり、焼成温度が300℃の場合は、焼成時間は
0.1〜24時間程度が適当である。
【0018】
【作用】本発明のシリカゲルをビールと接触させること
により、ビールから混濁物質を除去して、ビールを安定
化処理することができる。本発明のシリカゲル、ビー
ル中の蛋白質、ポリフェノール等混濁物質除去する
機構は、必ずしも明確ではないが、細孔構造の最適化に
より、起泡蛋白質と区別して、混濁物質だけを選択的に
除去することが可能になるものと思われる。さらに、赤
外線吸収スペクトルは、表面物性を反映するものと考え
られる。本発明のシリカゲルでは、表面のシラノールの
量、存在形態が最適化されているので、静電力に基づく
混濁物質の選択的除去も可能になるものと思われる。
【0019】
【実施例】
(シリカゲルの合成)3号ケイ酸ナトリウム水溶液を、
SiO2 換算濃度が5重量%になるように希釈した。こ
れを40℃に保ち、撹拌しながら、20重量%の硫酸水
溶液をpH=10になるまで10分間かけて添加し、部
分的に中和されたシリカスラリーを得た。このスラリー
を撹拌しながら、70℃に昇温し、さらに20重量%の
硫酸をpH=6になるまで60分の時間をかけて添加
し、完全に中和したシリカスラリーを得た。このスラリ
ーを水洗濾過し、シリカヒドロゲルとし、乾燥後焼成す
ることにより、表1に示すような種々の物性のシリカゲ
ルを得た。
【0020】シリカゲルの細孔特性は、窒素吸脱着法で
測定した。ここで、比表面積はBET法、細孔容積はB
法によって求めた。平均細孔半径は、細孔容積の細
孔半径に対する累積分布において、全体の細孔容積に対
して50%の体積の値を示す細孔半径である。赤外線吸
収スペクトルは、試料をKBrで希釈し、拡散反射光に
より測定した。
【0021】
【表1】
【0022】(ビールの安定化処理試験)工場で主発酵
した直後の若ビールを、−1℃で1カ月貯蔵した後、表
1のそれぞれのシリカゲルを、ビール1リットルに対し
0.5gの割合で添加し、濾過により除去した。濾過さ
れたビールを50℃の恒温槽に3日間保存し、続いて0
℃の恒温槽に24時間保存し、さらに20℃の恒温槽で
20時間保存した。このビールの濁度を20℃でヘイズ
メーターを用いて測定した。結果を、EBC濁度単位で
表2に示す。比較として、シリカゲルによる処理を行わ
ないビールについての測定結果も示す。
【0023】(泡持ち性)前述の濾過直後のビールを2
5℃に保持し、シグマ値測定法に準拠して行った。(Me
thods of Analysis of the American Society of Brewi
ng Chemists 誌)結果を表2に示す。比較として、シリ
カゲルによる処理を行わないビールについての測定結果
も示す。
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明のビール安定化処理用シリカゲル
は、ビール中の混濁物質のみを選択的に除去することが
できる。しかも、起泡蛋白質については除去しないの
で、これで処理したビールは、混濁を起こしにくく、か
つ、泡持ち性が良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 英国特許出願公開1342102(GB,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 33/113 - 33/193 WPI(DIALOG)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】比表面積200〜500m/g、細孔容
    積0.5〜2.0cc/g、平均細孔半径60〜200
    Åであり、赤外線吸収スペクトルにおいて、1860c
    −1のピーク強度に対する3500cm−1のピーク
    強度の比率xが、0.5<x<2.5の範囲にあり、3
    500cm −1 のピーク強度に対する、3750cm
    −1 のピーク強度の比率yが、1.0<y<9の範囲に
    ることを特徴とする、ビールの安定化処理用シリカゲ
    ル。
  2. 【請求項2】請求項1記載のシリカゲルをビールと接触
    させることにより、ビールから混濁物質を除去する、ビ
    ールの安定化処理方法。
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WO2010137195A1 (ja) * 2009-05-29 2010-12-02 富士シリシア化学株式会社 ビール安定化処理用シリカゲル、およびビール安定化処理方法

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