JP3299923B2 - 円描き可能な下敷き - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、円描き可能な下敷
き、詳しくはコンパスを用いることなく筆記具でもって
用紙に所望直径の円を描くことができる円描き可能な下
敷きに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】定規などを使用することなく用紙に縦線
や横線を描くことができるように、表面に互いに直角に
交差する多数の直線筋溝が微細な間隔をおいて刻設され
た下敷きは、例えば特開昭５８−１５５９９８号公報に
おいて提案されている。しかしこのような下敷きは円を
描くことができない。

【０００３】近年、データを集約して表示する方法とし
て円グラフが汎用されるに至り、用紙に円を描く機会が
多くなっている。円はフリーハンドでも描くことができ
るが、正しい円（真円）を描くにはコンパスを使用して
いるのが実情である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、コンパスを
用いることによって所望直径の円を簡単に描くことがで
きるが、所望直径の円を描くには物差しが必要となり、
この場合には常時コンパスと物差しとを用意しなければ
ならず、コンパスが手元にないときには正しい直径の円
を描くことができない。その上、一般にコンパスは鉛筆
の芯で描かれることから描いた円が不鮮明であり、黒色
のボールペンで記入した文字との間に濃淡が生じる。こ
の不都合はボールペンをクリップできるタイプのコンパ
スを用いることによって改善することができるが、かか
るタイプのコンパスは直径の小さい円を描くことが困難
であるばかりでなく、用紙に多数の同心円を描いた場
合、コンパスによって生じた針穴が大きくなるという不
都合が生じる。

【０００５】本発明は、上記した円を描く場合の煩わし
さを解消することを目的としてなされたものであって、
コンパスを用いることなく鉛筆の芯先やボールペン等で
もって簡単に所望大きさの円を正しく描くことができる
円描き可能な下敷きを提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の円描き
可能な下敷きは、下敷き本体の表面に、筆記具の先端部
を誘導可能な多数の同心円状の筋溝が刻設され、上記同
心円状の筋溝の中心を通り互いに直交する縦筋及び横筋
が上記下敷き本体の表面に刻設されることによって一体
に形成されているとともに筆記具の先端部を誘導可能に
形成されていることを特徴とする。

【０００７】請求項２に記載の円描き可能な下敷きは、
請求項１に記載の円描き可能な下敷きにおいて、上記縦
筋及び横筋は下敷き本体の色と異なった色に着色されて
いることを特徴とする。

【０００８】請求項３に記載の円描き可能な下敷きは、
請求項１又は請求項２に記載の円描き可能な下敷きにお
いて、上記同心円状の筋溝は所定間隔毎に下敷き本体と
異なる色に着色されていることを特徴とする。

【０００９】請求項４に記載の円描き可能な下敷きは、
請求項１乃至請求項３に記載の円描き可能な下敷きにお
いて、上記下敷き本体の周縁部には、円描き可能な下敷
きを用いて円が描かれる紙を固定するための再剥離性粘
着剤層が一体に設けられていることを特徴とする。

【００１０】

【作用】先ず、円描き可能な下敷きを机上に安定した状
態で載置する。次に、この机上に載置された円描き可能
な下敷きの表面に円を描きたい紙を載置する。この際、
円描き可能な下敷きの下敷き本体の周縁部に再剥離性粘
着剤層を一体に設けている場合には、紙の裏面をこの再
剥離性粘着剤層に粘着させて、紙を円描き可能な下敷き
に対して妄動しないように固定することができる。

【００１１】かかる場合において、下敷き本体の表面に
は、上記同心円状の筋溝の中心を通り互いに直交する縦
筋及び横筋が一体に形成されており、紙に描きたい円の
中心がこの縦筋及び横筋の直交する部分に合致するよう
に紙を下敷き表面に載置する。

【００１２】このように、円描き可能な下敷きの表面に
紙を載置した後、この紙の上から筆記具の先端部を下敷
き本体の表面に形成された多数の同心円状の筋溝のうち
のいずれか一の所望直径を有する筋溝に押し込む。しか
る後、この筆記具の先端部を筋溝に沿って移動させるこ
とによって所望の円を描く。

【００１３】又、上記縦筋及び横筋が下敷き本体の表面
に刻設されることによって一体に形成されているととも
に筆記具の先端部を誘導可能に形成されているので、こ
の縦筋又は横筋に筆記具の先端部を押し込み、この縦筋
又は横筋に沿って筆記具を移動させることによって直線
を描いてもよい。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明の円描き可能な下敷きの一
例を図面を参照しながら説明する。本発明の円描き可能
な下敷き１は、図１及び図２に示したように、下敷き本
体２の表面に、筆記具10の先端部10a を誘導可能な多数
の同心円状の筋溝３が刻設されているとともに、上記同
心円状の筋溝３の中心3aを通り互いに直交する直線状の
縦筋４及び横筋５が一体に形成されてなる。

【００１５】上記下敷き本体２は図１又は図３に示した
様に所定厚みを有する平面縦長長方形状の板状体からな
るが、その形状は上記同心円状の筋溝３が形成可能な厚
みを有しておれば特に限定されるものではなく、その材
質も特に限定されず、合成樹脂の他、アルミニウムやア
ルミニウム合金などの金属であってもよい。

【００１６】上記下敷き本体２の表面に形成される同心
円状の筋溝３は、図１に示したように、上記下敷き本体
２の後半部の一点を中心として所定間隔Ａ毎に同心円状
に形成されている。

【００１７】そして、上記筋溝３の断面形状は、図３に
示した様に、その底面部3bが上記定規本体２の裏面側に
向かって突出した断面凹円弧状に形成されている。そし
て、この筋溝３の幅及び深さは、筆記具10の先端部10a
を円滑且つ確実に筋溝３内に押し込むことができ、しか
も、その押し込んだ筆記具10の先端部10a を筋溝３に沿
って移動させた際、不用意にこの筋溝３から筆記具10の
先端部10a が外れないように調節されており、例えば、
ボールペンであれば、図３に示したように、その先端ボ
ールの突出部分が筋溝３に嵌まり込む０．５〜１．０ｍ
ｍ程度の幅及び深さとされている。なお、上記筋溝３の
断面形状はＶ字状であってもよい。

【００１８】更に、上記筋溝３は所定間隔毎に多数同心
円状に形成されているが、図２に示した様に、これら同
心円状の多数の筋溝３のうち一定間隔毎の所定直径を有
する筋溝31については上記下敷き本体２とは異なった色
に着色されている。

【００１９】このように所定直径の筋溝31を下敷き本体
２とは異なった色に着色することによって、その着色さ
れた筋溝31の直径を目安として直ちに所望直径を有する
筋溝３を把握することができる。

【００２０】上記縦筋４及び横筋５は上記各筋溝３、３
を直交するように刻設することによって前後左右方向に
延びて形成されており、その断面形状並びに幅及び深さ
は上記同心円状の筋溝３と同様とされている。

【００２１】更に、この縦筋４及び横筋５は下敷き本体
２とは異なった色に着色されているので、円を描きたい
紙Ｂを円描き可能な下敷き上に載置した状態において
も、その紙Ｂを透して縦筋４及び横筋５を容易に認識す
ることができ、直ちに紙面Ｂ上に描きたい円の中心を上
記縦筋４と横筋５との交差点に合致させるように紙Ｂを
円描き可能な下敷き１上に載置することができる。しか
も、これら縦筋４及び横筋５には、これら縦筋４と横筋
５との交叉点を基点としてこの基点からの距離を表した
目盛りを所定間隔毎に印刷しているので、直ちに所定直
径を有する筋溝３を選択することができる。

【００２２】又、上記下敷き本体２上には同心円状の筋
溝３、３を周方向に複数分割し且つ筋溝３の中心3aに向
かって延びる直線６、６・・・が所定間隔毎に印刷され
ており、この直線６を目安として所望中心角を有する円
周を円滑且つ確実に描くことができる。

【００２３】上記下敷き本体２の外周縁部表面には上記
同心円状の筋溝３並びに縦筋４及び横筋５が形成される
ことなく平坦面が形成されており、この平坦面には再剥
離性粘着剤層７が一体に積層されている。

【００２４】このように下敷き本体２の外周縁部表面に
再剥離性粘着剤層７を一体に設けておくと、円を描きた
い紙Ｂの裏面を上記再剥離性粘着剤層７に粘着させるこ
とによって紙Ｂを下敷き１に対して妄動しないように固
定させることができ、紙Ｂ表面の所望位置に所望直径の
円を円滑且つ確実に描くことができる。

【００２５】次に、上記円描き可能な下敷き１の使用態
様を説明する。先ず、円描き可能な下敷き１を机上に安
定した状態で載置する。次に、この机上に載置された円
描き可能な下敷き１の表面に円を描きたい紙Ｂを載置す
る。この際、円描き可能な下敷きの下敷き本体２の外周
縁部には再剥離性粘着剤層７が一体に設けられているの
で、紙Ｂの裏面をこの再剥離性粘着剤層７に粘着させ
て、紙Ｂを円描き可能な下敷き１に対して妄動しないよ
うに固定する。

【００２６】かかる場合において、下敷き本体２の表面
には、上記同心円状の筋溝３の中心3aを通り互いに直交
する縦筋４及び横筋５が一体に形成されており、紙Ｂに
描きたい円の中心がこの縦筋４及び横筋５の直交する部
分に合致するように紙Ｂを下敷き１の表面に載置する。

【００２７】このように、円描き可能な下敷き１の表面
に紙Ｂを載置した後、この紙Ｂの上から筆記具10の先端
部10a を下敷き本体２の表面に形成された多数の同心円
状の筋溝３のうちの所望直径を有するいずれか一の筋溝
３に押し込む。このように筆記具10の先端部10a を筋溝
３に押し込んだ状態においては、上記筋溝３の底面は上
述した如く断面凹円弧状面に形成されているので筋溝３
は筆記具10の先端部10a を安定した状態で受止する。

【００２８】しかる後、上記筆記具10の先端部10a をこ
の溝３に沿って移動させて円を描くのであるが、この際
においても、上記筋溝３の内外仕切壁3c、3cによって筆
記具10の先端部10a が径方向に妄動するのを阻止されな
がら該筋溝３に誘導されて円滑且つ確実に移動させるこ
とができ、紙面上に所望直径を有する円を円滑且つ確実
に描くことができる。

【００２９】更に、上記円描き可能な下敷き１には、上
記縦筋４及び横筋５が下敷き本体２の表面に刻設される
ことによって一体に形成されているとともに筆記具10の
先端部10a を誘導可能に形成しているので、同心円状の
溝筋３の場合と同様に、この縦筋４又は横筋５に筆記具
10の先端部10a を押し込み、この縦筋４又は横筋５に沿
って筆記具10を移動させることによって直線を描いても
よい。

【００３０】

【発明の効果】請求項１に記載の円描き可能な下敷き
は、下敷き本体の表面に、筆記具の先端部を誘導可能な
多数の同心円状の筋溝が刻設され、上記同心円状の筋溝
の中心を通り互いに直交する縦筋及び横筋が上記下敷き
本体の表面に刻設されることによって一体に形成されて
いるとともに筆記具の先端部を誘導可能に形成されてい
ることを特徴とするから、円描き可能な下敷き上に紙を
載せ、紙の上から所望径の筋溝を選択し、その筋溝に筆
記具の先端部を押込み、その筆記具の先端部をその押込
んだ筋溝に沿って誘導することによって、コンパスを用
いることなく紙に所望直径の円を簡単に且つ確実に描く
ことができる。

【００３１】しかも、上記円描き可能な下敷きには、そ
の表面に同心円状の筋溝の中心を通り互いに直交する縦
筋及び横筋が一体に形成されており、これら縦筋と横筋
との交差点が同心円状の筋溝の中心に合致するように構
成されているので、紙面上に描きたい円の中心を上記縦
筋と横筋との交差点に合致させるように紙を円描き可能
な下敷き上に載置することにより、紙面上の所望位置に
正確且つ確実に所望直径の円を描くことができる。

【００３２】更に、上記縦筋及び横筋は下敷き本体の表
面に刻設されることによって一体に形成されているとと
もに筆記具の先端部を誘導可能に形成されているので、
この縦筋及び横筋を利用して、同心円状の筋溝と同様に
して直線を描くことができ、例えば、円グラフを描きた
い場合には、同心円状の筋溝によって円を描く一方、上
記縦筋及び横筋を利用して円グラフの分割線を描くこと
によって、直ちに正確且つ確実に円グラフを描くことが
できる。

【００３３】請求項２に記載の円描き可能な下敷きは、
請求項１に記載の円描き可能な下敷きにおいて、上記縦
筋及び横筋は下敷き本体の色と異なった色に着色されて
いることを特徴とするので、円を描きたい紙を円描き可
能な下敷き上に載置した状態においても、その紙を透し
て縦筋及び横筋を容易に認識することができ、直ちに紙
面上に描きたい円の中心を上記縦筋と横筋との交差点に
合致させるように紙を円描き可能な下敷き上に載置する
ことができる。

【００３４】請求項３に記載の円描き可能な下敷きは、
請求項１又は請求項２に記載の円描き可能な下敷きにお
いて、上記同心円状の筋溝は所定間隔毎に下敷き本体と
異なる色に着色されていることを特徴とするので、その
着色された筋溝の直径を目安として直ちに所望直径を有
する筋溝を把握することができ、所望直径の円を正確且
つ確実に描くことができる。

【００３５】請求項４に記載の円描き可能な下敷きは、
請求項１乃至請求項３に記載の円描き可能な下敷きにお
いて、上記下敷き本体の周縁部には、円描き可能な下敷
きを用いて円が描かれる紙を固定するための再剥離性粘
着剤層が一体に設けられていることを特徴とするので、
円を描きたい紙を再剥離性粘着剤層に粘着させて円描き
可能な下敷きに対して妄動しないように固定することが
でき、円を描いている最中に紙がずれるのを防止するこ
とができ、所望直径の円を正確且つ美麗に描くことがで
きる。しかも、同心円状の円を複数描く場合には、それ
ら複数の円の中心を全て同一点に維持することができる
ので、複数の同心円状の円を正確且つ美麗に描くことが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の円描き可能な下敷きの実施例を示した
平面図である。

【図２】図１の円描き可能な下敷きのＡ−Ａ、Ｂ−Ｂ部
分拡大平面図である。

【図３】図１の円描き可能な下敷きの筋溝に筆記具の先
端部を押し込んだ状態を示す拡大断面図である。

【符号の説明】

１．円描き可能な下敷き ２．下敷き本体 ３．同心円状の筋溝 ４．縦筋 ５．横筋 ７．再剥離性粘着剤層 Ｂ．紙 10．筆記具

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平５−58382（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−53693（ＪＰ，Ｕ) 実開 平６−71184（ＪＰ，Ｕ) 実願 昭63−55895号（実開 平２− 40593号）の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム （ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B43L 3/00 B43L 9/00

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下敷き本体の表面に、筆記具の先端部を
   誘導可能な多数の同心円状の筋溝が刻設され、上記同心
   円状の筋溝の中心を通り互いに直交する縦筋及び横筋が
   上記下敷き本体の表面に刻設されることによって一体に
   形成されているとともに筆記具の先端部を誘導可能に形
   成されていることを特徴とする円描き可能な下敷き。
2. 【請求項２】 上記縦筋及び横筋は下敷き本体の色と異
   なった色に着色されていることを特徴とする請求項１に
   記載の円描き可能な下敷き。
3. 【請求項３】 上記同心円状の筋溝は所定間隔毎に下敷
   き本体と異なる色に着色されていることを特徴とする請
   求項１又は請求項２に記載の円描き可能な下敷き。
4. 【請求項４】 上記下敷き本体の周縁部には、円描き可
   能な下敷きを用いて円が描かれる紙を固定するための再
   剥離性粘着剤層が一体に設けられていることを特徴とす
   る請求項１乃至請求項３に記載の円描き可能な下敷き。