JP3299158B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP3299158B2
JP3299158B2 JP35315797A JP35315797A JP3299158B2 JP 3299158 B2 JP3299158 B2 JP 3299158B2 JP 35315797 A JP35315797 A JP 35315797A JP 35315797 A JP35315797 A JP 35315797A JP 3299158 B2 JP3299158 B2 JP 3299158B2
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彰 広木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MISトランジス
タからなる半導体装置、特に、CMOS論理回路及びD
RAM回路の微細化を図りつつ、高速化、高信頼性及び
低消費電力化を実現する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】VLSIのさらなる高集積化を実現する
ために、VLSIに用いられるMOS型半導体装置のサ
イズはますます微細化され、現在、半導体装置の最小寸
法はハーフミクロン領域、さらにはサブハーフミクロン
領域にまで達している。また、研究レベルでは、クォー
タミクロン領域及びサブクォータミクロン領域の半導体
装置が試作されている。このような半導体装置の微細化
に伴って、半導体装置の電気特性が短チャネル効果やホ
ットキャリア効果によって劣化するということが、半導
体装置の信頼性の上で深刻な問題となってきている。
【0003】また、将来のマルチメディア社会における
VLSI技術においては、高集積化と同時に、低電圧動
作時においても、高速化と低消費電力化との両立を図る
ことが重要な課題となっている。
【0004】近年、ホットキャリア劣化や短チャネル効
果に対する耐性を向上させ、しかも、駆動能力を向上さ
せるために、非対称なチャネル不純物分布を有するパワ
ー素子としてのMOS型半導体装置が提案されている。
例えば、1991年シンポジュウム オン ブイエルエ
スアイ テクノロジー(1991 Symposium on VLSI Techn
ology)pp113-114には、T.Matsuki等によって
LDC構造が提案されている。
【0005】以下、従来のLDC構造を有するMOS型
半導体装置について図面を参照しながら説明する。
【0006】図21は従来のLDC構造を有するMOS
型半導体装置の断面構成を示している。図21に示すよ
うに、p型の半導体基板201の上には、ゲート酸化膜
202を介在させたゲート電極203が形成され、半導
体基板201には、ゲート長方向側の各領域に高濃度n
型ソース拡散層204と高濃度n型ドレイン拡散層20
5とがそれぞれ形成され、半導体基板201における高
濃度n型ソース拡散層204の下方及びゲート電極20
3の高濃度n型ソース拡散層204側の下方には、しき
い値制御用の高濃度p型拡散層206が形成されてい
る。
【0007】このように、本装置は、高濃度n型ソース
拡散層204の下方及びゲート電極203の高濃度n型
ソース拡散層204側の下方にしきい値制御用の高濃度
p型拡散層206が形成され、さらに、該高濃度p型拡
散層206は、ゲート電極203の下方において、高濃
度n型ソース拡散層204側から高濃度n型ドレイン拡
散層205側に向けて徐々にp型の不純物濃度が減少す
るように形成されているため、半導体基板201のゲー
ト電極203の下方における、高濃度n型ソース拡散層
204側の領域において短チャネル効果に対する耐性が
向上すると共に、高濃度n型ドレイン拡散層205側の
領域において高電界が低減されるので、ホットキャリア
の発生が抑制される。これにより、従来の低濃度LDD
構造が不要となり、且つ、高駆動能力が達成される。
【0008】図22は従来のLDC構造を有する複数の
MOSトランジスタを用いて構成された半導体装置の断
面構成を示している。図22に示すように、p型の半導
体基板211の上には、LOCOS膜等からなる素子分
離領域212が形成され、該素子分離領域212に囲ま
れた素子形成領域には、第1のゲート酸化膜213を介
在させた第1のゲート電極214及び第2のゲート酸化
膜215を介在させた第2のゲート電極216が形成さ
れている。第1のゲート電極214のゲート長方向側の
各側壁には第1のゲート側壁217がそれぞれ形成さ
れ、第2のゲート電極216のゲート長方向側の各側壁
には第2のゲート側壁218がそれぞれ形成されてい
る。
【0009】半導体基板211における第1のゲート電
極214に対する第2のゲート電極216の反対側の領
域には、第1のn型ソース拡散層219が形成され、第
1のゲート電極214と第2のゲート電極216との間
の領域には、第1のn型ドレイン拡散層220と共有さ
れる第2のソース拡散層220が形成され、第2のゲー
ト電極216に対する第1のゲート電極214の反対側
の領域には、第2のn型ドレイン拡散層221が形成さ
れている。
【0010】半導体基板211における第1のn型ソー
ス拡散層219の下方及び第1のゲート電極214の第
1のn型ソース拡散層219側の下方には、しきい値制
御用の第1のp型拡散層222が形成され、且つ、第2
のn型ソース拡散層220の下方及び第2のゲート電極
216の第2のn型ソース拡散層220側の下方には、
しきい値制御用の第2のp型拡散層223が形成されて
いる。
【0011】半導体基板211の上には、第1のn型ソ
ース拡散層219及び第2のドレイン拡散層221を露
出する各コンタクトホールを有する層間絶縁膜224が
形成され、第1のn型ソース拡散層219側のコンタク
トホールにはアルミニウムが充填されてなる第1の配線
225が形成され、第2のn型ドレイン拡散層221側
のコンタクトホールにはアルミニウムが充填されてなる
第2の配線226が形成されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のMOSトランジスタを用いた半導体装置は、n型ソ
ース拡散層の下方にp型拡散層が存在するため、ソース
・基板間の寄生容量が増大する。これにより、NAND
型のCMOS回路等のようにソース・基板間に電圧が印
加される論理回路の場合には、MOS型半導体装置の速
度は飽和電流値の逆数と負荷容量との積に比例するた
め、素子の速度が低下してしまう。
【0013】また、MOS型半導体装置の消費電力は負
荷容量と印加電圧の2乗との積に比例するため、回路の
消費電力が増大するという問題を有している。
【0014】本発明は、前記従来の問題を解決し、論理
回路において、デザインルールがサブクォータミクロン
領域以下であっても、動作の高速化及び低消費電力化を
低コストで容易に実現できるようにすることを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は、複数のMISトランジスタを有する半導
体装置を対象とし、半導体基板における、互いに平行に
設けられた各ゲート電極の下側に形成されるしきい値制
御用の拡散領域を、キャリアの流れる方向に一致するよ
うに濃度勾配をつけるものである。
【0016】
【0017】
【0018】 本発明に係る第1の半導体装置は、互い
のソース領域及びドレイン領域が並列に接続された2つ
のp型MOSトランジスタと、一方のソース領域及び他
方のドレイン領域が直列に接続された2つのn型MOS
トランジスタとからなるNAND回路を一の半導体基板
上に備え、2つのn型MOSトランジスタは、半導体基
板に設けられた同一の第1のトランジスタ形成領域の上
に形成され、互いに平行に設けられた第1のゲート電極
と、第1のトランジスタ形成領域における各第1のゲー
ト電極の下側に形成され、キャリアが流れる方向が同一
である第1のチャネル領域とを有し、各第1のチャネル
領域におけるソース領域側のp型の不純物濃度は、各第
1のチャネル領域におけるドレイン領域側のp型の不純
物濃度よりも大きく形成されており、2つのp型MOS
トランジスタは、半導体基板に設けられた同一の第2の
トランジスタ形成領域の上に形成され、互いに平行に設
けられた第2のゲート電極と、第2のトランジスタ形成
領域における各第2のゲート電極の下側に形成された第
2のチャネル領域とを有し、各第2のチャネル領域は、
n型の均一な不純物濃度で形成されている。
【0019】 第1の半導体装置によると、NAND回
路を構成する4つのMOSトランジスタのうちの一方の
ソース領域と他方のドレイン領域とが直列に接続された
2つのn型MOSトランジスタは、キャリアが流れる方
向が同一である第1のチャネル領域を有し、各チャネル
領域におけるソース領域側の第1導電型の不純物濃度
が、各第1のチャネル領域におけるドレイン領域側の第
1導電型の不純物濃度よりも大きいため、直列に接続さ
れた2つのn型MOSトランジスタに印加される各電圧
が電源電圧よりも小さくなるにもかかわらず、第1のチ
ャネル領域におけるソース領域側部分の電位が高くなる
ので、直列に接続された2つのn型MOSトランジスタ
の駆動能力が低下することがない。また、直列に接続さ
れた2つのn型MOSトランジスタの各第1のゲート電
極が互いに平行に設けられているため、高集積化が容易
となると共に、これら2つのn型MOSトランジスタの
第1のチャネル領域におけるソース領域側部分にp型の
高濃度の不純物領域を形成する際に、該不純物の注入工
程を一度で行なうことができる。第2の半導体装置にお
いて、第1のチャネル領域における高濃度不純物層が2
つのn型MOSトランジスタの各ソース領域の下方にま
で及んでいないことがことが好ましい。また、第2の半
導体装置において、2つのn型MOSトランジスタにお
ける一方のソース領域と他方のドレイン領域とが2つの
第1のゲート電極の間の領域に共有されるように形成さ
れていることが好ましい。
【0020】 本発明に係る第2の半導体装置は、一方
のソース領域及び他方のドレイン領域が直列に接続され
た2つのp型MOSトランジスタと、互いのソース領域
及びドレイン領域が並列に接続された2つのn型MOS
トランジスタとからなるNOR回路を一の半導体基板上
に備え、2つのp型MOSトランジスタは、半導体基板
に設けられた同一の第1のトランジスタ形成領域の上に
形成され、互いに平行に設けられた第1のゲート電極
と、第1のトランジスタ形成領域における前記各第1の
ゲート電極の下側に形成され、キャリアが流れる方向が
同一である第1のチャネル領域とを有し、各第1のチャ
ネル領域における前記ソース領域側のn型の不純物濃度
は、前記各第1のチャネル領域における前記ドレイン領
域側のn型の不純物濃度よりも大きく形成されており、
2つのn型MOSトランジスタは、半導体基板に設けら
れた同一の第2のトランジスタ形成領域の上に形成さ
れ、互いに平行に設けられた第2のゲート電極と、第2
のトランジスタ形成領域における前記各第2のゲート電
極の下側に形成された第2のチャネル領域とを有し、各
第2のチャネル領域は、p型の均一な不純物濃度で形成
されている。
【0021】 第2の半導体装置によると、NOR回路
を構成する4つのMOSトランジスタのうちの一方のソ
ース領域と他方のドレイン領域とが直列に接続された2
つのp型MOSトランジスタは、キャリアが流れる方向
が同一である第1のチャネル領域を有し、各第1のチャ
ネル領域におけるソース領域側のn型の不純物濃度が、
各第1のチャネル領域におけるドレイン領域側のn型の
不純物濃度よりも大きいため、直列に接続された2つの
p型MOSトランジスタに印加される各電圧が電源電圧
よりも小さくなるにもかかわらず、第1のチャネル領域
におけるソース領域側部分の電位が高くなるので、直列
に接続された2つのp型MOSトランジスタの駆動能力
が低下することがない。また、直列に接続された2つの
p型MOSトランジスタの各第1のゲート電極が互いに
平行に設けられているため、高集積化が容易となると共
に、これら2つのp型MOSトランジスタの第1のチャ
ネル領域におけるソース領域側部分にn型の高濃度の不
純物領域を形成する際に、該不純物の注入工程を一度で
行なうことができる。第2の半導体装置において、第1
のチャネル領域における高濃度不純物層が2つのp型M
OSトランジスタの各ソース領域の下方にまで及んでい
ないことが好ましい。また、第2の半導体装置におい
て、2つのp型MOSトランジスタにおける一方のソー
ス領域と他方のドレイン領域とが2つの第1のゲート電
極の間の領域に共有されるように形成されていることが
好ましい。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【発明の実施の形態】本願においては、半導体装置のチ
ャネル領域におけるソース領域側から中央部までの領域
をチャネル領域のソース側部分と呼び、チャネル領域に
おけるドレイン領域側から中央部までの領域をチャネル
領域のドレイン側部分と呼ぶことにする。
【0044】本発明に係る半導体装置は、半導体基板に
おけるゲート電極の下側のチャネル領域に形成された不
純物拡散層の不純物濃度がチャネル長方向に沿って変化
している。すなわち、チャネル領域の不純物濃度がソー
ス領域からドレイン領域に向かって徐々に減少するよう
に分布している。このため、ソース領域とドレイン領域
との間に電圧が印加された場合に、チャネル領域のソー
ス側部分に形成される電界は、チャネル領域の不純物濃
度がチャネル長方向に沿って均一に分布している場合に
比較して大きくなる。
【0045】デザインルールがサブクォータミクロンと
なる領域においては、チャネル領域のソース側部分の電
界が充分に大きくなるので、チャネル領域のソース側部
分ではキャリアが速度オーバーシュートを起こす。この
速度オーバーシュートとは、キャリアが、格子散乱や不
純物散乱等による速度損失を起こす前に、電界から高い
エネルギーを得ることにより非平衡な高エネルギー状態
に達し、その結果、平衡状態のキャリア速度である飽和
速度よりも高い速度で輸送されることをいう。
【0046】MOS型半導体装置において、飽和電流値
はチャネル領域のソース側部分におけるキャリア速度と
キャリア密度との積で決まる。従って、本発明において
は、チャネル領域のソース側部分において速度オーバー
シュートを引き起こすことにより、飽和電流値を従来の
半導体装置よりも大きくすることができる。従来の半導
体装置の場合は、チャネル領域のドレイン側部分でのみ
速度オーバーシュートが生じており、飽和電流値が増加
しない。
【0047】(第1の実施形態)以下、本発明に係る第
1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0048】図1は本発明の第1の実施形態に係る半導
体装置であって、2入力NAND回路となる相補型MO
S半導体装置の平面構成を示している。図1に示すよう
に、p型シリコンからなる半導体基板に設けられたn型
MOSトランジスタ形成領域1において、一方の入力端
子となる第1のゲート電極14Aと他方の入力端子とな
る第2のゲート電極16Aとが互いに平行に配置され、
n型MOSトランジスタ形成領域1における、第1のゲ
ート電極14Aに対する第2のゲート電極16Aの反対
側の領域には、第1のn型ソース拡散層19が形成さ
れ、第1のゲート電極14Aと第2のゲート電極16A
との間の領域には、第1のn型ドレイン拡散層20と共
有される第2のn型ソース拡散層20が形成され、第2
のゲート電極16Aに対する第1のゲート電極14Aの
反対側の領域には、第2のn型ドレイン拡散層21が形
成されている。従って、2つのn型MOSトランジスタ
は、第1のn型ドレイン拡散層20と第2のn型ソース
拡散層20とが共有されて、直列に接続されている。第
1のn型ソース拡散層19の上にはアルミニウムからな
る第1の配線25が形成されて接地電位Vssが印加され
ると共に、第2のn型ドレイン拡散層21の上にはアル
ミニウムからなり、回路の演算結果を出力する第2の配
線26Aが形成されている。
【0049】p型MOSトランジスタ形成領域2におい
て、一方の入力端子となる第3のゲート電極14Bと他
方の入力端子となる第4のゲート電極16Bとが互いに
平行に形成され、p型MOSトランジスタ形成領域2に
おける第3のゲート電極14Bに対する第4のゲート電
極16Bの反対側の領域には、第1のp型ドレイン拡散
層37が形成され、第3のゲート電極14Bと第4のゲ
ート電極16Bとの間の領域には、第1のp型ソース拡
散層38と共有される第2のp型ソース拡散層38が形
成され、第4のゲート電極16Bに対する第3のゲート
電極14Bの反対側の領域には、第2のp型ドレイン拡
散層39が形成されている。第1のp型ドレイン拡散層
37及び第2のp型ドレイン拡散層39の上には、それ
ぞれアルミニウムからなる第3の配線26B及び第4の
配線26Cが形成され、第2の配線26Aと接続される
と共に、第1及び第2のp型ソース拡散層38の上には
アルミニウムからなる第5の配線43が形成されて電源
電位Vddが印加される。これにより、2つのp型MOS
トランジスタは並列に接続されていることが分かる。
【0050】図2は図1のI−I線における断面構成を
示し、図3は図1のII−II線における断面構成を示して
いる。
【0051】図2及び図3において、図1に示した構成
部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより
説明を省略する。
【0052】まず、図2に示すように、p型シリコンか
らなる半導体基板11の上には、LOCOS膜等からな
る素子分離領域12が形成され、該素子分離領域12に
囲まれたn型MOSトランジスタ形成領域1には、第1
のゲート絶縁膜13を介在させた第1のゲート電極14
A及び第2のゲート絶縁膜15を介在させた第2のゲー
ト電極16Aが形成されている。第1のゲート電極14
Aのゲート長方向側の各側壁には第1のゲート側壁17
がそれぞれ形成され、第2のゲート電極16Aのゲート
長方向側の各側壁には第2のゲート側壁18がそれぞれ
形成されている。
【0053】半導体基板11における第1のゲート電極
14Aの第1のn型ソース拡散層19側の下方、すなわ
ち、第1のチャネル領域のソース側部分には、しきい値
制御用の第1のp型拡散層22が形成されると共に、第
2のゲート電極16Aの第2のn型ソース拡散層20側
の下方には、しきい値制御用の第2のp型拡散層23が
形成されている。
【0054】半導体基板11の上には、第1のn型ソー
ス拡散層19及び第2のn型ドレイン拡散層21を露出
する各コンタクトホールを有する層間絶縁膜24が形成
されている。
【0055】次に、図3に示すように、p型の半導体基
板11には、ヒ素イオン等のn型不純物が注入されてな
るn型ウエル拡散層11aが形成されている。該n型ウ
エル拡散層11aには、LOCOS膜等からなる素子分
離領域12が形成され、該素子分離領域12に囲まれた
p型MOSトランジスタ形成領域2には、第3のゲート
絶縁膜31を介在させた第3のゲート電極14B及び第
4のゲート絶縁膜33を介在させた第4のゲート電極1
6Bが形成されている。第3のゲート電極14Bのゲー
ト長方向側の各側壁には第3のゲート側壁35がそれぞ
れ形成され、第4のゲート電極16Bのゲート長方向側
の各側壁には第4のゲート側壁36がそれぞれ形成され
ている。
【0056】n型ウエル拡散層11aにおける第3のゲ
ート電極14Bの下側部分、すなわち、第3のチャネル
領域にはしきい値制御用の第1のn型拡散層40が均一
な不純物濃度で形成されると共に、第4のゲート電極1
6Bの下側部分、すなわち、第4のチャネル領域にはし
きい値制御用の第2のn型拡散層41が均一な不純物濃
度で形成されている。
【0057】半導体基板11の上には、第1のp型ドレ
イン拡散層37、共有の第1及び第2のp型ソース拡散
層38並びに第2のp型ドレイン拡散層39を露出する
各コンタクトホールを有する層間絶縁膜42が形成され
ている。
【0058】ここで、図4に2入力NAND回路の回路
構成を示し、図1に示す構成要素と同一の構成要素には
同一の符号を付すことにより説明を省略する。図4にお
いて、14は第1のゲート電極14A及び第3のゲート
電極14Bと接続される第1の入力端子であり、16は
第2のゲート電極16A及び第4のゲート電極16Bと
接続される第2の入力端子であり、26は、第2の配線
26A、第3の配線26B及び第4の配線26Cと接続
される出力端子である。
【0059】このように、本実施形態に係る2入力NA
ND回路を構成する相補型半導体装置によると、n型M
OSトランジスタ形成領域1において、キャリアとなる
電子は第1のn型ソース拡散層19から共有の第1のn
型ドレイン拡散層20及び第2のn型ソース拡散層20
を通って第2のn型ドレイン拡散層21へと常に同一の
方向に流れる。
【0060】さらに、半導体基板11における第1のゲ
ート電極14Aの下側部分及び第2のゲート電極16A
の下側部分には、それぞれ第1のp型拡散層22及び第
2のp型拡散層23が形成されているため、すなわち、
各チャネル領域のソース側部分におけるp型不純物濃度
が、各チャネル領域のドレイン側よりも大きくなるよう
に形成されているため、前述したように、チャネル領域
のp型不純物濃度が均一な場合に比べて、MOSトラン
ジスタの飽和電流値は大きくなると共に、ホットキャリ
アの耐性が向上する。さらに、低電圧動作時において
も、駆動力が極端に低下しない。
【0061】さらに、本実施形態の特徴として、第1の
p型拡散層22と第2のp型拡散層23における高濃度
不純物領域が、第1のn型ソース拡散層19と第2のn
型ソース拡散層20の下方にまで及んでいないため、従
来のLDC構造のMOSトランジスタと比較して、ソー
ス・基板間の寄生容量が小さくなるので、動作速度が低
下せず、且つ、消費電力が低減される。
【0062】ここで、従来のLDC構造を有するMOS
トランジスタの場合の問題点を説明する。図22に示す
ように、半導体基板211における第1のソース拡散層
219及び第2のソース拡散層220の下方の領域に
は、パワーMOSにあっては耐圧を向上させる第1のp
型拡散層222及び第2のp型拡散層223が形成さ
れ、且つ、これらp型拡散層222,223は、サブク
ォータミクロン領域以下では、短チャネル効果を抑制す
るために、その不純物濃度が1×1018cm-3以上とな
るように形成されている。このため、ソース・基板間の
pn接合の寄生容量が従来のLDD構造に比べて増大す
るので、NAND型のCMOS回路等のようにソース・
基板間に電圧が印加される論理回路の場合には素子の速
度が低下してしまう。
【0063】また、本実施形態の大きな特徴として、図
1におけるn型MOSトランジスタ形成領域1に示すよ
うに、2つのn型MOSトランジスタは、ソース領域及
びドレイン領域の方向が互いに同一であり、且つ、第1
のゲート電極14A及び第2のゲート電極16Aは互い
に平行に設けられているため、半導体基板11における
第1のゲート電極14Aの下側部分及び第2のゲート電
極16Aの下側部分に対して、それぞれしきい値制御用
のp型不純物濃度に勾配を生じさせる第1のp型拡散層
22及び第2のp型拡散層23を1つのマスクを用いた
一度の拡散工程で製造できる。従って、n型MOSトラ
ンジスタ形成領域1の面積を低減し、且つ、高速動作と
低消費電力とを実現できる半導体装置を容易に得ること
ができる。
【0064】一方、p型MOSトランジスタ形成領域2
において、第3のゲート電極14Bの下側に形成されて
いる第1のn型拡散層40及び第4のゲート電極16B
の下側に形成されている第2のn型拡散層41の不純物
濃度はゲート長方向に均一に形成されている。これによ
り、並列に接続された2つのp型MOSトランジスタ
は、ソース・ドレイン間に充分な電圧が印加されるた
め、不均一なn型拡散層によって駆動力を上げる必要が
なく、また、製造プロセスも従来と同様の方法でよい。
【0065】なお、本実施形態においては、2入力NA
ND回路を例に挙げたが、これに限らず、多入力NAN
D回路であっても、さらには、直列に接続されたn型M
OSトランジスタが2つ以上で構成される相補型半導体
装置であっても、低電圧動作時に、高駆動力で且つ寄生
容量が小さい相補型半導体装置を得ることができる。
【0066】以下、第1の実施形態に係る半導体装置の
製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0067】図5〜図7は本発明の第1の実施形態に係
る半導体装置の製造方法の工程順断面図を示している。
まず、図5(a)に示すように、p型シリコンからなる
半導体基板11の上には、n型MOSトランジスタ形成
領域1とp型MOSトランジスタ形成領域3とを互いに
分離するLOCOS膜等からなる素子分離領域12を形
成する。ここで、p型MOSトランジスタ形成領域3は
必ずしもn型MOSトランジスタ形成領域1と対をなす
素子とは限らない。その後、半導体基板11におけるn
型MOSトランジスタ形成領域1をマスクする第1のレ
ジストパターン44を形成した後、半導体基板11にお
けるp型MOSトランジスタ形成領域3にヒ素(As)
イオン等のn型不純物イオンを注入してn型ウエル拡散
層11aを形成し、続いて、ヒ素イオンを注入すること
により、p型MOSトランジスタのしきい値制御用のn
型拡散層45Aを形成する。なお、n型ウエル拡散層1
1aとn型拡散層45Aとの形成工程は、その順序を入
れ替えてもよい。
【0068】次に、図5(b)に示すように、第1のレ
ジストパターン44を除去した後、半導体基板11の上
に、シリコン酸化膜等からなるゲート絶縁膜及びポリシ
リコン等からなる導電性膜を堆積し、該ゲート絶縁膜及
び導電性膜に対して所定のパターニングを行なって、半
導体基板11の上に、第1のゲート絶縁膜13を介在さ
せた第1のゲート電極14A、第2のゲート絶縁膜15
を介在させた第2のゲート電極16A、第3のゲート絶
縁膜46を介在させた第3のゲート電極47及び第4の
ゲート絶縁膜48を介在させた第4のゲート電極49を
形成する。
【0069】次に、図6(a)に示すように、半導体基
板11におけるn型MOSトランジスタ形成領域1をマ
スクする第2のレジストパターン50を形成した後、該
第2のレジストパターン50、第3のゲート電極47及
び第4のゲート電極49をマスクとして、半導体基板1
1におけるp型MOSトランジスタ形成領域3に対して
p型の不純物イオン、例えば、BF2 イオンを注入エネ
ルギーが10KeVで注入ドーズ量が2.0×1014
-2程度で注入することにより、浅いp型ソース・ドレ
イン拡散層51A,52A,53A(いわゆるエクステ
ンション)をそれぞれ形成する。
【0070】次に、図6(b)に示すように、第2のレ
ジストパターン50を除去した後、半導体基板11にお
けるp型MOSトランジスタ形成領域3をマスクする第
3のレジストパターン54を形成し、該第3のレジスト
パターン54、第1のゲート電極14A及び第2のゲー
ト電極16Aをマスクとして、半導体基板11における
n型MOSトランジスタ形成領域1に対して、注入エネ
ルギーが80KeVで注入ドーズ量が2.0×1013
-2程度のBF2 イオンを、基板面に垂直で且つゲート
幅方向に平行な平面となす角度θが7度以上となるよう
に第2のゲート電極16Aに対する第1のゲート電極1
4A側に傾きを持たせて注入することにより、しきい値
電圧制御用の第1のp型拡散層22及び第2のp型拡散
層23を、第1のゲート電極14A及び第2のゲート電
極16Aの下側に不純物濃度が同一方向に向かって減少
するように形成する。従って、しきい値電圧制御用の第
1のp型拡散層22及び第2のp型拡散層23の不純物
濃度は、角度θが第2のゲート電極16Aに対して第1
のゲート電極14A側に7度以上の傾きを持つため、第
1のゲート電極14A側から第2のゲート電極16A側
に向かうに連れて徐々に減少することになる。
【0071】ここで、前記の角度θを7度以上に設定し
ているのは、通常のイオン注入工程においても、イオン
の注入角度は基板面に対して垂直ではなく法線に対して
最大で7度程度傾斜させているためであり、従って、チ
ャネル領域のソース側部分に濃度勾配を有するようにp
型拡散層を形成するには、角度θが7度以上必要とな
る。なお、角度θは、互いに平行に配置された第1のゲ
ート電極14Aと第2のゲート電極16Aとの間隔や高
さ方向の寸法によっても変わるが、第2のp型拡散層2
3が第1のゲート電極14Aに遮蔽されてしまわない角
度がその上限となる。従って、デザインルール等に応じ
て最適化する必要がある。
【0072】続いて、図7(a)に示すように、第3の
レジストパターン54、第1のゲート電極14A及び第
2のゲート電極16Aをマスクとして、半導体基板11
におけるn型MOSトランジスタ形成領域1に対して、
n型不純物イオン、例えば、ヒ素イオンを注入エネルギ
ーが10KeVで注入ドーズ量が2.0×1014cm-2
程度で注入することにより、n型MOSトランジスタ形
成領域1に浅いn型ソース・ドレイン拡散層19A,2
0A,21Aを形成する。
【0073】次に、図7(b)に示すように、第3のレ
ジストパターン54を除去した後、半導体基板11の上
に全面にわたってシリコン酸化膜等からなる絶縁膜(図
示せず)を厚さが80nm程度に堆積し、該絶縁膜に対
して異方性ドライエッチングを行なって、第1のゲート
電極14A、第2のゲート電極16A、第3のゲート電
極47、第4のゲート電極49のゲート長方向側の各側
壁にそれぞれ、第1のゲート側壁17、第2のゲート側
壁18、第3のゲート側壁55及び第4のゲート側壁5
6を形成する。その後、半導体基板11におけるn型M
OSトランジスタ形成領域1をマスクする第4のレジス
トパターン(図示せず)を形成した後、該第4のレジス
トパターン、第3のゲート電極47及び第3のゲート側
壁55、第4のゲート電極49及び第4のゲート側壁5
6をマスクとして、半導体基板11におけるp型MOS
トランジスタ形成領域3に対してBF2 イオンを注入エ
ネルギーが30KeVで注入ドーズ量が2.0×1015
cm-2程度で注入することにより、深いp型ソース・ド
レイン拡散層51B,52B,53Bを形成すると共
に、半導体基板11における第3のゲート電極47及び
第4のゲート電極49の下側にしきい値制御用の不純物
濃度が均一な第1のn型拡散層45B及び第2のn型拡
散層45Cをそれぞれ形成する。
【0074】その後、第4のレジストパターンを除去し
た後、半導体基板11におけるp型MOSトランジスタ
形成領域3をマスクする第5のレジストパターン57を
形成した後、該第5のレジストパターン57、第1のゲ
ート電極14A及び第1のゲート側壁17、第2のゲー
ト電極16A及び第2のゲート側壁18をマスクとし
て、半導体基板11におけるn型MOSトランジスタ形
成領域1に対してヒ素イオンを注入エネルギーが40K
eVで注入ドーズ量が6.0×1015cm-2程度で注入
することにより、深いn型ソース・ドレイン拡散層をそ
れぞれ形成する。すなわち、n型MOSトランジスタ形
成領域1における、第1のゲート電極14Aに対する第
2のゲート電極16Aの反対側の領域に第1のn型ソー
ス拡散層19を形成し、第1のゲート電極14Aと第2
のゲート電極16Aとの間の領域に第1のn型ドレイン
拡散層20と共有する第2のn型ソース拡散層20を形
成し、第2のゲート電極16Aに対する第1のゲート電
極14Aの反対側の領域に第2のn型ドレイン拡散層2
1を形成する。
【0075】なお、n型MOSトランジスタ形成領域1
におけるソース・ドレイン拡散層とp型MOSトランジ
スタ形成領域3におけるソース・ドレイン拡散層とは形
成する順序を入れ替えてもよい。
【0076】次に、図8に示すように、第5のレジスト
パターン57を除去した後、半導体基板11の上に全面
にわたって層間絶縁膜24を堆積した後、n型MOSト
ランジスタ形成領域1における第1のn型ソース拡散層
19の上にアルミニウムからなる第1の配線25を形成
し、第2のn型ドレイン拡散層21の上にアルミニウム
からなる第2の配線26Aを形成し、p型MOSトラン
ジスタ形成領域3におけるp型ソース・ドレイン拡散層
51B,52B,53Bの上に、アルミニウムからなる
第3の配線58、第4の配線59及び第5の配線60を
それぞれ形成する。
【0077】前述したように、例えば、2入力NAND
回路における直列接続されたn型MOSトランジスタ対
の場合には、キャリアの方向は常に所定のソース側から
所定のドレイン側に向かう。従って、本実施形態に係る
半導体装置の製造方法によると、図6(b)に示すよう
に、互いに平行に設けられた第1のゲート電極14A及
び第2のゲート電極16Aをマスクとして、n型MOS
トランジスタ形成領域1に対して、p型不純物イオンを
基板面に垂直で且つゲート幅方向に平行な平面となす角
度θが7度以上となるようにソース側からドレイン側に
傾きを持たせて注入することにより、半導体基板11に
おける第1のゲート電極14A及び第2のゲート電極1
6Aの下側の各チャネル領域に、ソース側からドレイン
側に徐々に不純物濃度が減少するようにしきい値制御用
の第1及び第2のp型拡散層22,23をそれぞれ形成
する。
【0078】このように、基板面の法線に対してソース
拡散層側に7度以上の傾きを持たせてしきい値制御用の
p型不純物イオンを注入するため、注入されたしきい値
制御用のp型拡散層に、ソース拡散層側からドレイン拡
散層側に向けて不純物濃度が漸減する濃度勾配を有する
n型MOSトランジスタ対を一度の注入工程で容易に且
つ確実に形成することができる。
【0079】また、半導体基板11における第1のn型
ソース拡散層19及び第2のn型ソース拡散層20の下
側の領域のp型不純物濃度は、チャネル領域のソース側
部分の不純物濃度に比べて低濃度に形成される。従っ
て、従来のパワーMOSに用いられるLDC構造と異な
り、ソース・基板間容量が小さくなるため、高速化と低
消費電力化とを図ることができる。
【0080】以上説明したように、直列に接続された複
数のMOSトランジスタからなり、キャリアが流れる方
向が定まっており、互いに平行となるゲート電極を持つ
ようにレイアウトされた論理回路において、素子形成領
域の縮小化、高駆動能力化及び低消費電力化を低コスト
で実現できる。
【0081】(第2の実施形態)以下、本発明に係る第
2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0082】図9は本発明の第2の実施形態に係る半導
体装置であって、2入力NOR回路となる相補型MOS
半導体装置の平面構成を示し、図10は2入力NOR回
路の回路構成を示している。図9及び図10において、
図1に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を
付すことにより説明を省略する。図10に示すように、
2入力NOR回路は、前述の第1の実施形態に係る2入
力NAND回路の各MOSトランジスタの導電型を互い
に反転させてなるため、2つのp型MOSトランジスタ
が直列に接続されている。従って、図9に示すように、
p型シリコンからなる半導体基板に設けられたp型MO
Sトランジスタ形成領域2において、第1の入力端子1
4に接続される第1のゲート電極14Aと第2の入力端
子に接続される第2のゲート電極16Aとが互いに平行
に配置され、p型MOSトランジスタ形成領域2におけ
る、第1のゲート電極14Aに対する第2のゲート電極
16Aの反対側の領域には、第1のp型ソース拡散層9
1が形成され、第1のゲート電極14Aと第2のゲート
電極16Aとの間の領域には、第1のp型ドレイン拡散
層92と共有される第2のp型ソース拡散層92が形成
され、第2のゲート電極16Aに対する第1のゲート電
極14Aの反対側の領域には、第2のp型ドレイン拡散
層93が形成されている。
【0083】図示はしていないが、基板における図9の
IA −IA 線の断面方向の第1のゲート電極14A及び
第2のゲート電極16Aの下側に形成される各チャネル
領域において、各チャネル領域のソース側部分における
しきい値制御用のn型不純物濃度が、各チャネル領域の
ドレイン側よりも大きくなるように形成されているた
め、該チャネル領域のn型不純物濃度が均一な場合に比
べて、p型MOSトランジスタの飽和電流値は大きくな
ると共に、ホットキャリアの耐性が向上する。さらに、
低電圧動作時においても、駆動力が極端に低下しない。
【0084】ここで、各チャネル領域のしきい値制御用
のn型不純物濃度を不均一に形成する形成方法は、第1
の実施形態と同様に、n型不純物イオンを、基板面に垂
直で且つゲート幅方向に平行な平面となす角度θが7度
以上となるように第2のゲート電極16Aに対する第1
のゲート電極14A側に傾きを持たせて注入している。
【0085】また、図9に示すように、n型MOSトラ
ンジスタ形成領域1における並列に接続された2つのn
型MOSトランジスタは、ソース・ドレイン間に充分な
電圧が印加されるため、しきい値制御用のp型不純物拡
散層を不均一にして駆動力を上げる必要がなく、また、
製造プロセスも従来と同様の方法でよい。
【0086】なお、本実施形態においては、2入力NO
R回路を例に挙げたが、これに限らず、多入力NOR回
路であっても、さらには、直列に接続されたp型MOS
トランジスタが2つ以上で構成される相補型半導体装置
であっても、低電圧動作時に、高駆動力で且つ寄生容量
が小さい相補型半導体装置を得ることができる。
【0087】以上説明したように、直列に接続された複
数のp型MOSトランジスタからなり、キャリアが流れ
る方向が定まっており、互いに平行となるゲート電極を
持つようにレイアウトされた論理回路において、素子形
成領域の縮小化、高駆動能力化及び低消費電力化を低コ
ストで実現できる。
【0088】(第3の実施形態)以下、本発明に係る第
3の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0089】一般に、すべての論理回路は1つのp型M
OSトランジスタと1つのn型MOSトランジスタとが
直列に接続されてなるNOT回路(=インバータ回路)
と、前述のNAND回路又はNOR回路のみの組み合わ
せで表わすことができる。さらに、複数のMOSトラン
ジスタの直列接続又は並列接続を適当に組み合わせるこ
とにより、複雑な論理回路を一の論理ゲート回路で実現
でき、このような論理ゲート回路を複合論理ゲート回路
と呼ぶ。
【0090】図11は本発明の第3の実施形態に係る半
導体装置であって、複合論理回路のうちのAND−NO
R回路となる相補型MOS半導体装置の回路構成を示し
ている。図11に示すように、AND−NOR回路にお
いて、ゲート電極が第1の入力端子94Aと接続された
第1のn型MOSトランジスタ95と、ゲート電極が第
2の入力端子94Bと接続された第2のn型MOSトラ
ンジスタ96とが直列に接続され、ゲート電極が第3の
入力端子94Cと接続された第3のn型MOSトランジ
スタ97が第1及び第2のn型MOSトランジスタ9
5,96と並列に接続されている。
【0091】ゲート電極が第1の入力端子94Aと接続
された第1のp型MOSトランジスタ98と、ゲート電
極が第2の入力端子94Bと接続された第2のp型MO
Sトランジスタ99とが並列に接続され、ゲート電極が
第3の入力端子94Cと接続された第3のp型MOSト
ランジスタ100が第1及び第2のp型MOSトランジ
スタ98,99の共通のソース電極と電源電圧端子Vdd
との間に直列に接続されている。出力端子94Dは第1
〜第3のn型MOSトランジスタ95,96,97の共
通のドレイン電極及び第1及び第2のp型MOSトラン
ジスタ98,99の共通のドレイン電極に接続されてい
る。
【0092】第1の入力端子94Aと第2の入力端子9
4Bとに入力された信号に対して論理積(AND)演算
が実行されると共に、演算された結果と第3の入力端子
94Cに入力された信号とが論理和の否定(NOR)演
算が実行され、演算結果が出力端子94Dに出力され
る。
【0093】本実施形態に係るAND−NOR回路は、
p型シリコンからなる半導体基板に形成されており、直
列に接続された第1のn型MOSトランジスタ95と第
2のn型MOSトランジスタ96とのゲート電極同士が
互いに平行となるように設けられている。2つのn型M
OSトランジスタ95,96はゲート電極下に形成され
るチャネル領域を流れるキャリアの方向が常にソース側
からドレイン側へと向かう一方向であり、さらに、各チ
ャネル領域のソース側部分におけるしきい値制御用のp
型不純物濃度が、各チャネル領域のドレイン側よりも大
きくなるように形成されているため、該チャネル領域の
p型不純物濃度が均一な場合に比べて、n型MOSトラ
ンジスタの飽和電流値は大きくなると共に、ホットキャ
リアの耐性が向上する。さらに、低電圧動作時において
も、駆動力が極端に低下しない。
【0094】なお、本実施形態においては、複合論理ゲ
ート回路としてAND−NOR回路を例に挙げたが、こ
れに限らず、他の複合論理ゲート回路であっても、低電
圧動作時に、高駆動力で且つ寄生容量が小さい相補型半
導体装置を得ることができる。
【0095】(第4の実施形態)以下、本発明に係る第
4の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0096】論理回路には、これまでに述べてきたよう
な定常的に入力に応じて信号が保持されるスタティック
形回路と、外部からのクロック信号の制御により周期的
に動作するダイナミック形回路とがある。本実施形態に
おいては、クロック信号により制御されるクロックトイ
ンバータ回路を扱う。
【0097】図12は本発明の第4の実施形態に係る半
導体装置であって、クロックトインバータ回路となる相
補型MOS半導体装置の平面構成を示し、図13はクロ
ックトインバータ回路の回路構成を示している。図13
に示すように、クロックトインバータ回路は、互いのゲ
ート電極が入力端子103に接続され、互いのドレイン
電極が出力端子104に接続された第1のp型MOSト
ランジスタ101と第2のn型MOSトランジスタ10
2とからなるインバータを有している。該インバータに
は、第1のp型MOSトランジスタ101のソース電極
と電源電圧端子105との間に、クロック相補信号線1
06からの制御を受ける第2のp型MOSトランジスタ
107が直列に接続されると共に、第1のn型MOSト
ランジスタ102のソース電極と接地電圧端子108と
の間に、クロック信号線109からの制御を受ける第2
のn型MOSトランジスタ110が直列に接続されてい
る。
【0098】構造的な特徴として、図12の平面図に示
すように、p型シリコンからなる半導体基板に設けられ
たp型MOSトランジスタ形成領域2において、入力端
子103と接続された第1のp型トランジスタ101の
第1のゲート電極103Aと、クロック相補信号線10
6と接続された第2のp型MOSトランジスタ107の
第2のゲート電極106Aとは互いに平行に配置され、
入力端子103と接続された第1のn型トランジスタ1
02の第3のゲート電極103Bと、クロック信号線1
09と接続された第2のn型MOSトランジスタ110
の第4のゲート電極109Aとは互いに平行に配置され
ている。
【0099】さらに、p型MOSトランジスタ形成領域
2における、第2のゲート電極106Aに対する第1の
ゲート電極103Aの反対側の領域には、第1のp型ソ
ース拡散層111が形成され、第1のゲート電極103
Aと第2のゲート電極106Aとの間の領域には、第1
のp型ドレイン拡散層112と共有される第2のp型ソ
ース拡散層112が形成され、第1のゲート電極103
Aに対する第2のゲート電極106Aの反対側の領域に
は、第2のp型ドレイン拡散層113が形成されてい
る。
【0100】一方、n型MOSトランジスタ形成領域1
における、第4のゲート電極109Aに対する第3のゲ
ート電極103Bの反対側の領域には、第1のn型ソー
ス拡散層114が形成され、第3のゲート電極103B
と第4のゲート電極109Aとの間の領域には、第1の
n型ドレイン拡散層115と共有される第2のn型ソー
ス拡散層115が形成され、第3のゲート電極103B
に対する第4のゲート電極109Aの反対側の領域に
は、第2のn型ドレイン拡散層116が形成されてい
る。
【0101】ここで、図13を用いて、クロックトイン
バータ回路の動作を説明すると、入力端子103にロー
レベルの信号が入力され、且つ、クロックパルスCPが
ハイレベルのときにはクロック相補信号/CPがローレ
ベルとなるので、電源電圧端子105から出力端子10
4に向かって電流が流れてハイレベルとなる信号が出力
される。逆に、入力端子103にハイレベルの信号が入
力され、且つ、クロックパルスCPがハイレベルのとき
には、出力端子104から接地電圧端子108に向かっ
て電流が流れることによりローレベルとなる信号が出力
される。このように、直列に接続された第1及び第2の
p型MOSトランジスタ101,107並びに直列に接
続された第1及び第2のn型MOSトランジスタ10
2,110は、それぞれキャリアが流れる方向が常に一
定である。
【0102】本実施形態の構造上の特徴として、基板に
おける図12のIB −IB 線の断面方向の第1のゲート
電極103A及び第2のゲート電極106Aの下側に形
成される各p型チャネル領域において、各p型チャネル
領域のソース側部分におけるしきい値制御用のn型不純
物濃度が、各p型チャネル領域のドレイン側よりも大き
くなるように形成されている。同様に、基板における図
12のIIB −IIB 線の断面方向の第3のゲート電極10
3B及び第4のゲート電極109Aの下側に形成される
各n型チャネル領域において、各n型チャネル領域のソ
ース側部分におけるしきい値制御用のp型不純物濃度
が、各n型チャネル領域のドレイン側よりも大きくなる
ように形成されている。
【0103】これにより、第1及び第2のp型MOSト
ランジスタ101,107のp型チャネル領域のn型不
純物濃度が均一な場合に比べて、各p型MOSトランジ
スタ101、107の飽和電流値は大きくなると共に、
ホットキャリアの耐性が向上する。さらに、低電圧動作
時においても、駆動力が極端に低下しない。このこと
は、第1及び第2のn型MOSトランジスタ102,1
10についても同様である。
【0104】なお、各チャネル領域のしきい値制御用の
不純物濃度を不均一に形成する形成方法は第1の実施形
態と同様である。
【0105】また、本実施形態においては、CMOSを
用いたダイナミック形回路にクロックトインバータ回路
を例に挙げたが、これに限らず、インバータ回路部をN
AND回路又はNOR回路に置き換えたダイナミック形
回路であっても、低電圧動作時に、高駆動力で且つ寄生
容量が小さい相補型半導体装置を得ることができる。
【0106】以上説明したように、直列に接続された複
数のp型又はn形MOSトランジスタからなり、キャリ
アが流れる方向が定まっており、互いに平行となるゲー
ト電極を持つようにレイアウトされた論理回路におい
て、素子形成領域の縮小化、高駆動能力化及び低消費電
力化を低コストで実現できる。
【0107】(第5の実施形態)以下、本発明に係る第
5の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0108】論理回路には、NAND回路やNOR回路
等の組み合わせ論理回路以外に順序論理回路がある。順
序論理回路は、出力値が現在の入力値だけでなく過去の
出力値にも依存しており、何らかの記憶回路を含む。こ
の記憶回路の基本となる回路がフリップフロップ回路で
あり、その機能に応じて、データラッチフリップフロッ
プ回路、トグルフリップフロップ回路及びセットリセッ
トフリップフロップ回路等がある。
【0109】図14は本発明の第5の実施形態に係る半
導体装置であって、データラッチフリップフロップ回路
となる相補型MOS半導体装置の回路構成を示してい
る。図14に示すように、入力端子121に接続され、
入力信号をクロックパルスCPに同期して反転させ、反
転した信号を出力する第1のクロックトインバータ回路
122と、第1のクロックトインバータ回路122の出
力側に接続され、入力された信号を反転させて出力する
第1のインバータ回路123と、第1のインバータ回路
123の出力信号を受け、該出力信号をクロックパルス
CPに同期して反転させ、第1のインバータ回路123
の入力側に戻す第2のクロックトインバータ回路124
と、第1のインバータ回路123の出力側に接続され、
入力された信号をクロックパルスCPに同期して反転さ
せ、反転した信号を第1の出力端子128Aに出力する
第3のクロックトインバータ回路125と、第3のクロ
ックトインバータ回路125の出力側に接続され、入力
された信号を反転させて第2の出力端子128Bに出力
する第2のインバータ回路126と、第2のインバータ
回路126の出力信号を受け、該出力信号をクロックパ
ルスCPに同期して反転させ、第2のインバータ回路1
26の入力側に戻すと共に第1の出力端子128Aに出
力する第4のクロックトインバータ回路127とから構
成されている。
【0110】このように構成されたデータラッチフリッ
プフロップ回路の動作を説明すると、入力端子121に
ハイレベルの信号が入力されているとすると、第1のク
ロックパルスで、第1のクロックトインバータ回路12
2と第1のインバータ回路123との間のノードの電位
がローレベルとなると共に、第1のインバータ回路12
3と第3のクロックトインバータ回路125との間のノ
ードの電位がハイレベルとなる。次に、第2のクロック
パルスが入力されると、第1の出力端子128Aに入力
信号の相補信号となるローレベルの信号が出力されると
共に、第2の出力端子128Bに入力信号と同一のハイ
レベルの信号が出力される。従って、第1のクロックパ
ルスに対して1サイクル分遅れて、すなわち、入力信号
が1サイクル間ラッチされ、第1の出力端子128Aに
は入力信号の相補信号が、第2の出力端子には入力信号
と同一極性の信号がそれぞれ出力されることになる。
【0111】ここで、第1〜第4のクロックトインバー
タ回路122,124,125,127には、前述の第
5の実施形態に示した構成を持たせているため、低電圧
動作時であっても、高駆動力で且つ寄生容量が小さいデ
ータラッチフリップフロップ回路を得ることができる。
【0112】なお、本実施形態においては、データラッ
チフリップフロップ回路を例に挙げたが、これに限ら
ず、トグルフリップフロップ回路やセットリセットフリ
ップフロップ回路においても、インバータ回路、多入力
NAND回路、多入力NOR回路、クロックトインバー
タ回路、伝達ゲート回路又は複合論理回路を用いて構成
でき、これらの構成要素となる各論理回路に第1の実施
形態に示した発明、すなわち、直列に接続された複数の
MOSトランジスタからなり、キャリアが流れる方向が
定まっており、互いに平行となるゲート電極を持つよう
にレイアウトされた論理回路において、各チャネル領域
のしきい値制御用の不純物濃度を不均一に形成するとい
う発明を適用すれば、同様の効果を得ることができる。
【0113】(第6の実施形態)以下、本発明に係る第
6の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0114】典型的な半導体メモリ回路であるダイナミ
ックランダムアクセスメモリ(DRAM)回路は、多数
のメモリ素子が行列状に配列されてなるメモリセルアレ
イ部と、該メモリセルアレイ部に対して入出力を制御す
る周辺回路部及び入出力インターフェイス回路部とから
構成される。周辺回路部のうちの代表的な回路ブロック
を構成するデコーダは、入出力インターフェイス回路部
のアドレスバッファからN組(Nは整数とする。)及び
M組(Mは整数とする。)のアドレス信号を受け、2N
本の行線及び2M 本の列線のうちからメモリセルアレイ
部のメモリセルを特定するための、行及び列からなる1
組のアドレスを選択する論理回路群である。
【0115】図15は本発明の第6の実施形態に係る半
導体装置であって、8ビットデコーダ回路となる相補型
MOS半導体装置の回路構成を示している。図15に示
すように、例えば、行アドレスとしての入力端子A1〜
A8に8ビットの入力信号が入力され、28 本すなわち
256本の出力端子群B1〜B256のうちから1本が
選択される。また、8ビットデコーダ回路は、入力端子
A1〜A8にそれぞれ接続された8個のインバータ回路
131、該インバータ回路131の出力側に接続された
16個の2入力NAND回路132、該2入力NAND
回路132の出力側に接続された64個の3入力NAN
D回路133及び該3入力NAND回路133の出力側
に接続された256個の2入力NOR回路134から構
成されている。
【0116】ここで、2入力NAND回路132及び3
入力NAND回路133は前述の第1の実施形態に示し
た構成を有しており、2入力NOR回路134は前述の
第2の実施形態に示した構成を有しているため、低電圧
動作時であっても、高駆動力で且つ寄生容量が小さいデ
コーダ回路を得ることができる。
【0117】なお、本実施形態においては、8ビットデ
コーダ回路を例に挙げたが、これに限らず、8ビット以
外のマルチビットデコーダ回路においても、インバータ
回路、多入力NAND回路、多入力NOR回路を用いて
構成でき、これらの構成要素となる各論理回路に、第1
の実施形態に詳述した発明を適用すれば、同様の効果を
得ることができる。
【0118】(第7の実施形態)以下、本発明に係る第
7の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0119】前述の第1から第6の実施形態は、NAN
D回路やNOR回路のように、直列に接続された複数の
一導電型のMOSトランジスタのキャリアが流れる方向
が一方向に定まっており、且つ、互いに平行となるゲー
ト電極を持つようにレイアウトされた論理回路を対象に
して、該ゲート電極の下側に形成されるチャネル領域の
しきい値制御用の不純物濃度を複数の一導電型のMOS
トランジスタのそれぞれの駆動能力を高めるように濃度
勾配を持たせている。
【0120】第7の実施形態においては、直列に接続さ
れていない複数の一導電型のMOSトランジスタであっ
て、互いに平行となるゲート電極を持つようにレイアウ
トされた論理回路を対象にして、複数の一導電型のMO
Sトランジスタのうちのキャリアが流れる方向が一方向
に定まっているMOSトランジスタの駆動能力を高める
ように、該MOSトランジスタのチャネル領域の不純物
濃度を濃度勾配を持つように形成している。
【0121】図16は本発明の第7の実施形態に係る半
導体装置であって、伝達ゲート回路となる相補型MOS
半導体装置の平面構成を示している。図16に示すよう
に、p型シリコンからなる半導体基板には、第1のn型
MOSトランジスタ4Aと第1のp型MOSトランジス
タ5Aとからなるインバータ回路6と、第2のn型MO
Sトランジスタ4Bと第2のp型MOSトランジスタ5
Bとからなる転送ゲート回路7とが形成されている。
【0122】インバータ回路6における第1のn型MO
Sトランジスタ4Aには、ポリシリコン等の導電性膜か
らなり、インバータ回路6の一方の制御端子となる第1
のゲート電極64Aが形成され、該第1のゲート電極6
4Aのゲート長方向側には、ヒ素イオン等が注入されて
なる第1のn型ソース拡散層69及び第1のn型ドレイ
ン拡散層70がそれぞれ形成されている。アルミニウム
からなり、接地電位Vssが印加される第1の配線75A
は第1のn型ソース拡散層69に接続されると共に、第
1の配線75Aと同電位に印加される第2の配線75B
及び第3の配線75Cは基板に接続されて基板電位を接
地電位Vssに制御している。
【0123】インバータ回路6における第1のp型MO
Sトランジスタ5Aには、ポリシリコン等の導電性膜か
らなり、インバータ回路6の他方の制御端子となる第2
のゲート電極64Bが形成され、該第2のゲート電極6
4Bのゲート長方向側には、ホウ素イオン等がそれぞれ
注入されてなる第1のp型ソース拡散層84及び第1の
p型ドレイン拡散層85が形成されている。アルミニウ
ムからなり、電源電位Vddが印加される第4の配線90
Aは第1のp型ソース拡散層84に接続されると共に、
第4の配線90Aと同電位に印加される第5の配線90
B及び第6の配線90Cは基板に接続されて基板電位を
電源電位Vddに制御している。
【0124】また、共にアルミニウムからなり、第1の
n型MOSトランジスタ4Aの第1のn型ドレイン拡散
層70に接続される第7の配線76Aと、第1のp型M
OSトランジスタ5Aの第1のp型ドレイン拡散層85
に接続される第8の配線76Bとは、転送ゲート回路7
側に共通に接続される。
【0125】このように、第1のn型MOSトランジス
タ4A及び第1のp型MOSトランジスタ5Aからなる
インバータ回路6は、常にキャリアが流れる方向が一定
である。
【0126】一方、転送ゲート回路7における第2のn
型MOSトランジスタ4Bには、ポリシリコン等の導電
性膜からなり、転送ゲート回路7の一方の制御端子とな
る第3のゲート電極66Aが形成され、該第3のゲート
電極66Aのゲート長方向側には、ヒ素イオン等が注入
されてなる第2のn型ソース拡散層71及び第2のn型
ドレイン拡散層72がそれぞれ形成されている。
【0127】転送ゲート回路7における第2のp型MO
Sトランジスタ5Bには、ポリシリコン等の導電性膜か
らなり、転送ゲート回路7の他方の制御端子であって、
インバータ回路6の出力値を受ける第4のゲート電極8
1が形成され、該第4のゲート電極81のゲート長方向
側には、ホウ素イオン等がそれぞれ注入されてなる第2
のp型ソース拡散層86及び第2のp型ドレイン拡散層
87が形成されている。
【0128】また、共にアルミニウムからなり、第2の
n型MOSトランジスタ4Bの第2のn型ソース拡散層
71に接続される第9の配線77Aと、第2のp型MO
Sトランジスタ5Bの第2のp型ソース拡散層86に接
続される第10の配線77Bとは、共通に接続されて論
理回路の第1の入出力端子77Cに接続される。同様
に、共にアルミニウムからなり、第2のn型MOSトラ
ンジスタ4Bの第2のn型ドレイン拡散層72に接続さ
れる第11の配線78Aと、第2のp型MOSトランジ
スタ5Bの第2のp型ドレイン拡散層87に接続される
第12の配線78Bとは、共通に接続されて論理回路の
第2の入出力端子78Cに接続される。
【0129】従って、第1の入出力端子77C及び第2
の入出力端子78Cに印加される電圧値、すなわち、論
理値に応じて第2のn型MOSトランジスタ4Bにおけ
る第2のn型ソース拡散層71と第2のn型ドレイン拡
散層72とは、キャリアが双方向に流れる。同様に、第
2のp型MOSトランジスタ5Bにおいてもキャリアは
双方向に流れる。
【0130】このように、第2のn型MOSトランジス
タ4B及び第2のp型MOSトランジスタ5Bからな
り、双方向にデータが流れる転送ゲート回路7の場合
は、第1及び第2の入出力端子77C,78Cに入力さ
れるデータ値に応じてキャリアが流れる方向が変わる。
【0131】ここで、図17に伝達ゲート回路の回路構
成を示し、図16に示す構成要素と同一の構成要素には
同一の符号を付すことにより説明を省略する。図17に
おいて、64は第1のゲート電極64A及び第2のゲー
ト電極64Bに接続される制御端子であり、75は第1
の配線75A、第2の配線75B及び第3の配線75C
と接続される接地電圧端子であり、90は第4の配線9
0A、第5の配線90B及び第6の配線90Cと接続さ
れる電源電圧端子である。
【0132】また、図18は図16のIII −III 線にお
ける断面構成を示し、図19は図16のIV−IV線におけ
る断面構成を示している。
【0133】図18及び図19において、図16に示し
た構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すこと
により説明を省略する。
【0134】まず、図18に示すように、p型シリコン
からなる半導体基板61の上には、LOCOS膜等から
なる素子分離領域62が形成されており、該素子分離領
域62に囲まれてなる第1のn型MOSトランジスタ4
Aは、第1のゲート絶縁膜63を介在させた第1のゲー
ト電極64Aと該第1のゲート電極64Aのゲート長方
向の各側壁に形成された絶縁膜からなる第1のゲート側
壁67とを有している。半導体基板61における第1の
ゲート電極64Aの下側の領域、すなわち、第1のチャ
ネル領域には、第1のn型ソース拡散層69側から第1
のn型ドレイン拡散層70側に向かうに連れてしきい値
制御用のp型不純物濃度が徐々に小さくなる第1のp型
拡散層73Aが形成されている。
【0135】素子分離領域62に囲まれてなる第2のn
型MOSトランジスタ4Bは、第3のゲート絶縁膜65
を介在させた第3のゲート電極66Aと該第3のゲート
電極66Aのゲート長方向の各側壁に形成された絶縁膜
からなる第3のゲート側壁68とを有している。半導体
基板61における第3のゲート電極66Aの下側の領
域、すなわち、第3のチャネル領域には、第2のn型ソ
ース拡散層71側から第2のn型ドレイン拡散層72側
に向かうに連れてしきい値制御用のp型不純物濃度が徐
々に小さくなる第2のp型拡散層73Bが形成されてい
る。
【0136】次に、図19に示すように、半導体基板6
1の上に形成された素子分離領域62に囲まれ、且つ、
半導体基板61のn型ウエル拡散層61aに形成された
第1のp型MOSトランジスタ5Aは、第2のゲート絶
縁膜79を介在させた第2のゲート電極64Bと該第2
のゲート電極64Bのゲート長方向の各側壁に形成され
た絶縁膜からなる第2のゲート側壁82とを有してい
る。半導体基板61における第2のゲート電極64Bの
下側の領域、すなわち、第2のチャネル領域には、第1
のp型ソース拡散層84側から第1のp型ドレイン拡散
層85側に向かうに連れてしきい値制御用のn型不純物
濃度が徐々に小さくなる第1のn型拡散層88Aが形成
されている。
【0137】同様に、半導体基板61のn型ウエル拡散
層61aに形成された第2のp型MOSトランジスタ5
Bは、第4のゲート絶縁膜80を介在させた第4のゲー
ト電極81と該第4のゲート電極81のゲート長方向の
各側壁に形成された絶縁膜からなる第4のゲート側壁8
3とを有している。半導体基板61における第4のゲー
ト電極81の下側の領域、すなわち、第4のチャネル領
域には、第2のp型ソース拡散層86側から第2のp型
ドレイン拡散層87側に向かうに連れてしきい値制御用
のn型不純物濃度が徐々に小さくなる第2のn型拡散層
88Bが形成されている。
【0138】本実施形態に係る伝達ゲート回路を構成す
る相補型半導体装置は、インバータ回路6を構成する第
1のn型MOSトランジスタ4Aにおいては、キャリア
である電子は第1のn型ソース拡散層69から第1のn
型ドレイン拡散層70へと常に同一の方向に流れる。同
様に、インバータ回路6を構成する第1のp型MOSト
ランジスタ5Aにおいては、キャリアであるホールは第
1のp型ソース拡散層84から第1のp型ドレイン拡散
層85へと常に同一の方向に流れる。
【0139】以上説明したように、キャリアが流れる方
向が一定である第1のn型MOSトランジスタ4A及び
第1のp型MOSトランジスタ5Aにおける各チャネル
領域のソース側部分には、それぞれ第1のp型拡散層7
3A及び第1のn型拡散層88Aが形成されているた
め、しきい値制御用のp型不純物濃度が、各チャネル領
域のドレイン側よりも大きくなるので、チャネル領域の
p型不純物濃度が均一な場合に比べて、MOSトランジ
スタの飽和電流値は大きくなると共に、ホットキャリア
の耐性が向上する。さらに、低電圧動作時においても、
駆動力が極端に低下しない。
【0140】さらに、本実施形態の特徴として、第1の
n型MOSトランジスタ4Aの第1のp型拡散層73A
と第1のp型MOSトランジスタ5Aの第1のn型拡散
層88Aとにおける各高濃度不純物領域が、共に第1の
n型ソース拡散層69及び第1のp型ソース拡散層84
の下方にまで及んでいないため、従来のLDC構造のM
OSトランジスタと比較して、ソース・基板間の寄生容
量が小さくなるので、動作速度が低下せず、且つ、消費
電力が低減される。
【0141】また、本実施形態の大きな特徴として、図
16に示すように、インバータ回路6を構成する第1の
n型MOSトランジスタ4Aと転送ゲート回路7を構成
する第2のn型MOSトランジスタ4Bとに着目する
と、キャリアが流れる方向が定まっている第1のn型M
OSトランジスタ4Aの第1のゲート電極64Aと、キ
ャリアが流れる方向が定まっていない第2のn型MOS
トランジスタ4Bの第3のゲート電極66Aとは互いに
平行に配置されている。さらに、図18の構成断面図に
示すように、第1のn型MOSトランジスタ4Aにおけ
るチャネル領域のソース側部分と、第2のn型MOSト
ランジスタ4Bにおけるチャネル領域のソース側部分と
は、共に高濃度のp型拡散層73A,73Bが形成され
ている。従って、しきい値制御用のp型不純物濃度にそ
れぞれ濃度勾配を生じさせる第1のp型拡散層73A及
び第2のp型拡散層73Bを1つのマスクを用いた一度
の拡散工程で製造できるため、第1及び第2のn型MO
Sトランジスタ4A,4Bの面積を低減し、且つ、高速
動作と低消費電力とを実現できる半導体装置を容易に得
ることができる。
【0142】このことは、相補型回路の特徴として、イ
ンバータ回路6を構成する第1のp型MOSトランジス
タ5Aと、転送ゲート回路7を構成する第2のp型MO
Sトランジスタ5Bについても同様のことがいえる。
【0143】但し、転送ゲート回路7を構成する第2の
n型MOSトランジスタ4B及び第2のp型MOSトラ
ンジスタ5Bにおいて、しきい値制御用の不純物拡散層
がチャネル領域で不均一であっても、電気特性に悪影響
はない。それは、ソース側の不純物濃度が大きくなる場
合には、インバータ回路6と同様に、ソース側において
キャリアの速度オーバーシュートが起こるため電気特性
が向上し、また、ドレイン側の不純物濃度が大きくなる
場合には、ソース側におけるキャリアの速度オーバーシ
ュートは起こらないものの、均一な不純物濃度の場合と
比べて電気特性が劣化することがないからである。
【0144】なお、本実施形態においては、キャリアが
流れる方向が一方向となる回路にインバータ回路6を用
い、双方向となる回路に転送ゲート回路7を用いたが、
これに限るものではない。
【0145】以下、前記のように構成された半導体装置
の製造方法を説明する。
【0146】本実施形態に係る伝達ゲート回路となる半
導体装置は、第1の実施形態と同様の製造方法を用いて
実現できる。その特徴的な点のみを説明すると、図16
の平面図に示すようなレイアウトを採用するため、第1
のn型MOSトランジスタ4Aの第1のゲート電極64
Aと、第2のn型MOSトランジスタ4Bの第3のゲー
ト電極66Aとは互いに平行に配置されている。従っ
て、第1の実施形態における図5(b)に示す方法と同
様にして、p型不純物イオンとなるBF2 イオンを、基
板面に垂直で且つゲート幅方向に平行な平面となす角度
θが7度以上となるように第3のゲート電極66Aに対
する第1のゲート電極64A側に傾きを持たせて注入す
ることにより、本発明の特徴である、濃度勾配を有する
第1のp型拡散層73A及び第2のp型拡散層73Bを
一度の注入工程で形成する。
【0147】同様に、第1のp型MOSトランジスタ5
Aの第2のゲート電極64Bと、第2のp型MOSトラ
ンジスタ5Bの第4のゲート電極81とは互いに平行に
配置されているので、n型不純物イオンとなるヒ素イオ
ンを、基板面に垂直で且つゲート幅方向に平行な平面と
なす角度θが7度以上となるように第4のゲート電極8
1に対する第2のゲート電極64B側に傾きを持たせて
注入することにより、本発明の特徴である、濃度勾配を
有する第1のn型拡散層88A及び第2のn型拡散層8
8Bを一度の注入工程で形成することができる。
【0148】このように、基板面の法線に対してソース
拡散層側に7度以上の傾きを持たせてしきい値制御用拡
散層の不純物イオンを注入するため、該しきい値制御用
拡散層に、ソース拡散層側からドレイン拡散層側に向け
てしきい値制御用拡散層の不純物濃度が漸減する濃度勾
配を有するMOSトランジスタ対を一度の注入工程で容
易に且つ確実に形成することができる。
【0149】また、半導体基板61における第1のn型
ソース拡散層69及び第2のn型ソース拡散層71の下
側の領域のp型不純物濃度並び第1のp型ソース拡散層
84及び第2のp型ソース拡散層86の下側の領域のn
型不純物濃度は、各チャネル領域のソース側部分の不純
物濃度に比べて低濃度に形成される。従って、従来のパ
ワーMOSに用いられるLDC構造と異なり、ソース・
基板間容量が小さくなるため、高速化と低消費電力化と
を図ることができる。
【0150】以上説明したように、一導電型の複数のM
OSトランジスタからなり、複数のMOSトランジスタ
のうちの一のMOSトランジスタはキャリアが流れる方
向が定まっており、互いに平行となるゲート電極を持つ
ようにレイアウトされた論理回路において、素子形成領
域の縮小化、高駆動能力化及び低消費電力化を低コスト
で実現できる。
【0151】(第8の実施形態)以下、本発明に係る第
8の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0152】ダイナミック形論理回路の一例として第4
の実施形態に挙げた、2つのp型MOSトランジスタと
2つのn型MOSトランジスタとからなるクロックトイ
ンバータ回路の他に、2つのインバータ回路と転送ゲー
ト回路を組み合わせてクロックトインバータ回路を構成
することもできる。
【0153】図20は本発明の第8の実施形態に係る半
導体装置であって、クロックトインバータ回路となる相
補型MOS半導体装置の回路構成を示している。図20
に示すように、クロック信号入力端子135からのクロ
ックパルスCPを受け、互いのドレイン電極が接続され
た第1のp型MOSトランジスタ136と第1のn型M
OSトランジスタ137とからなり、入力されたクロッ
クパルスCPを反転させた相補クロックパルス/CPを
生成して出力する第1のインバータ回路8と、入力端子
138からの入力信号を受け、互いのドレイン電極が接
続された第2のp型MOSトランジスタ139と第2の
n型MOSトランジスタ140とからなり、入力信号を
反転させた反転信号を出力する第2のインバータ回路9
と、第3のp型MOSトランジスタ141と第3のn型
MOSトランジスタ142とが並列に接続されてなり、
第3のn型MOSトランジスタ142がクロックパルス
CPの制御を受ける一方、第3のp型MOSトランジス
タ141がクロックパルスCPの相補信号/CPを受
け、反転信号を出力端子143に出力する転送ゲート回
路10とから構成される。
【0154】本実施形態に係るクロックトインバータ回
路は、第1のp型MOSトランジスタ136及び第2の
p型MOSトランジスタ139のキャリアの流れる方向
が、ソース電極側からドレイン電極側への一方向であ
り、同様に、第1のn型MOSトランジスタ137及び
第2のn型MOSトランジスタ140のキャリアの流れ
る方向が、ソース電極側からドレイン電極側への一方向
と定まっている。一方、転送ゲート回路10における第
3のp型MOSトランジスタ141及び第3のn型MO
Sトランジスタ142は入力信号の値に応じてキャリア
の流れる方向が変わる。
【0155】従って、第1〜第3のp型MOSトランジ
スタ136,139,141の互いのゲート電極が平行
となるようにレイアウトされると共に、各ゲート電極の
下側に形成されるp型チャネル領域のソース側部分にお
けるしきい値制御用のn型不純物濃度が、該p型チャネ
ル領域のドレイン側よりも大きくなるように形成されて
おり、また、第1〜第3のn型MOSトランジスタ13
7,140,142の互いのゲート電極が平行となるよ
うにレイアウトされると共に、各ゲート電極の下側に形
成されるn型チャネル領域のソース側部分におけるしき
い値制御用のp型不純物濃度が、該n型チャネル領域の
ドレイン側よりも大きくなるように形成されていると、
低電圧動作時に、高駆動力で且つ寄生容量が小さいクロ
ックトインバータ回路を得ることができる。
【0156】ここで、各p型及びn型チャネル領域のし
きい値制御用の不純物濃度を不均一に形成する形成方法
は、第7の実施形態と同様に、各不純物イオンを、基板
面に垂直で且つゲート幅方向に平行な平面となす角度θ
が7度以上となるように一のゲート電極に隣接する他の
ゲート電極側に傾きを持たせてそれぞれ注入すればよ
い。
【0157】なお、本実施形態においては、クロックト
インバータ回路を例に挙げたが、これに限らず、インバ
ータ回路部をNAND回路又はNOR回路に置き換えた
ダイナミック形回路であってもよい。
【0158】(第9の実施形態)以下、本発明に係る第
9の実施形態を説明する。
【0159】第5の実施形態においては、図14に示す
データラッチフリップフロップ回路における各クロック
トインバータ回路122,124,125,127に第
4の実施形態のクロックトインバータ回路を用いて構成
した。
【0160】本実施形態においては、図14に示すデー
タラッチフリップフロップ回路の各クロックトインバー
タ回路122,124,125,127に、前述の第8
の実施形態のクロックトインバータ回路を用いる構成と
しており、これにより、低電圧動作時に、高駆動力で且
つ寄生容量が小さいデータラッチフリップフロップ回路
を得ることができる。
【0161】なお、本実施形態においては、データラッ
チフリップフロップ回路を例に挙げたが、これに限ら
ず、トグルフリップフロップ回路やセットリセットフリ
ップフロップ回路においても、前述したように、インバ
ータ回路、多入力NAND回路、多入力NOR回路、ク
ロックトインバータ回路、伝達ゲート回路又は複合論理
回路を用いて構成でき、これらの構成要素となる各論理
回路に第7の実施形態に示した発明、すなわち、複数の
一導電型のMOSトランジスタからなり、互いに平行と
なるゲート電極を持つようにレイアウトされた論理回路
において、少なくともキャリアが流れる方向が定まって
いるチャネル領域のしきい値制御用の不純物濃度を、ソ
ース領域側に大きくドレイン領域側に小さくなるように
濃度勾配を持たせるように形成するという発明を適用す
れば、同様の効果を得ることができる。
【0162】
【発明の効果】
【0163】
【0164】 本発明の第1の半導体装置によると、N
AND回路を構成する4つのトランジスタのうちの一方
のソース領域と他方のドレイン領域とが直列に接続され
た2つのn型MOSトランジスタは、キャリアが流れる
方向が同一である第1のチャネル領域を有し、各第1の
チャネル領域におけるソース領域側のp型の不純物濃度
が、各第1のチャネル領域におけるドレイン領域側のp
型の不純物濃度よりも大きく、且つ、直列に接続された
2つのn型MOSトランジスタの各第1のゲート電極が
互いに平行に設けられている。このため、高集積化が容
易となると共に、これら2つのn型MOSトランジスタ
の第1のチャネル領域におけるソース領域側部分にp型
の高濃度の不純物領域を形成する際に、該不純物の注入
工程を一度で行なうことができるので、製造コストを上
昇させることがない。
【0165】 本発明の第2の半導体装置によると、N
OR回路を構成する4つのトランジスタのうちの一方の
ソース領域と他方のドレイン領域とが直列に接続された
2つのp型MOSトランジスタは、キャリアが流れる方
向が同一である第1のチャネル領域を有し、各第1のチ
ャネル領域におけるソース領域側のn型の不純物濃度
が、各第1のチャネル領域におけるドレイン領域側のn
型の不純物濃度よりも大きく、且つ、直列に接続された
2つのp型MOSトランジスタの各第1のゲート電極が
互いに平行に設けられているため、本発明の第1の半導
体装置と同様の効果を得ることができる。
【0166】
【0167】
【0168】
【0169】
【0170】
【0171】
【0172】
【0173】
【0174】
【0175】
【0176】
【0177】
【0178】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置であ
って、2入力NAND回路となる相補型MOS半導体装
置を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示
し、図1のI−I線における構成断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示
し、図1のII−II線における構成断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示
す回路図である。
【図5】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に
係る半導体装置の製造方法を示す工程順断面図である。
【図6】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に
係る半導体装置の製造方法を示す工程順断面図である。
【図7】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に
係る半導体装置の製造方法を示す工程順断面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製
造方法を示す工程順断面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置であ
って、2入力NOR回路となる相補型MOS半導体装置
を示す平面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を
示す回路図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置で
あって、複合論理回路のうちのAND−NOR回路とな
る相補型MOS半導体装置を示す回路図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る半導体装置で
あって、クロックトインバータ回路となる相補型MOS
半導体装置を示す平面図である。
【図13】本発明の第4の実施形態に係る半導体装置を
示す回路図である。
【図14】本発明の第5の実施形態に係る半導体装置で
あって、データラッチフリップフロップ回路となる相補
型MOS半導体装置を示す回路図である。
【図15】本発明の第6の実施形態に係る半導体装置で
あって、8ビットデコーダ回路となる相補型MOS半導
体装置を示す回路図である。
【図16】本発明の第7の実施形態に係る半導体装置で
あって、伝達ゲート回路となる相補型MOS半導体装置
を示す平面図である。
【図17】本発明の第7の実施形態に係る半導体装置を
示す回路図である。
【図18】本発明の第7の実施形態に係る半導体装置を
示し、図16のIII −III 線における構成断面図であ
る。
【図19】本発明の第7の実施形態に係る半導体装置を
示し、図16のIV−IV線における構成断面図である。
【図20】本発明の第8の実施形態に係る半導体装置で
あって、クロックトインバータ回路となる相補型MOS
半導体装置を示す回路図である。
【図21】従来のLDC構造を有するパワーMOS型半
導体装置を示す構成断面図である。
【図22】従来のLDC構造を有する複数のMOS型ト
ランジスタを用いて構成された半導体装置の断面構成を
示している。
【符号の説明】
1 n型MOSトランジスタ形成領域 2 p型MOSトランジスタ形成領域 3 p型MOSトランジスタ形成領域 4A 第1のn型MOSトランジスタ 4B 第2のn型MOSトランジスタ 5A 第1のp型MOSトランジスタ 5B 第2のp型MOSトランジスタ 6 インバータ回路 7 転送ゲート回路 8 第1のインバータ回路 9 第2のインバータ回路 10 転送ゲート回路 11 半導体基板 11a n型ウエル拡散層 12 素子分離領域 13 第1のゲート絶縁膜 14 第1の入力端子 14A 第1のゲート電極 14B 第3のゲート電極 15 第2のゲート絶縁膜 16 第2の入力端子 16A 第2のゲート電極 16B 第4のゲート電極 17 第1のゲート側壁 18 第2のゲート側壁 19 第1のn型ソース拡散層 19A 浅いn型ソース・ドレイン拡散 20 第1のn型ドレイン拡散層 20 第2のn型ソース拡散層(第1のn型ドレイ
ン拡散層と共有) 20A 浅いn型ソース・ドレイン拡散 21 第2のn型ドレイン拡散層 21A 浅いn型ソース・ドレイン拡散 22 第1のp型拡散層(しきい値制御用拡散層) 23 第2のp型拡散層(しきい値制御用拡散層) 24 層間絶縁膜 25 第1の配線 26 出力端子 26A 第2の配線 26B 第3の配線 26C 第4の配線 31 第3のゲート絶縁膜 33 第4のゲート絶縁膜 35 第3のゲート側壁 36 第4のゲート側壁 37 第1のp型ドレイン拡散層 38 第1のp型ソース拡散層 38 第2のp型ソース拡散層(第1のp型ドレイ
ン拡散層と共有) 39 第2のp型ドレイン拡散層 40 第1のn型拡散層(しきい値制御用拡散層) 41 第2のn型拡散層(しきい値制御用拡散層) 42 層間絶縁膜 43 第5の配線 44 第1のレジストパターン 45A n型拡散層 45B 第1のn型拡散層(しきい値制御用拡散層) 45C 第2のn型拡散層(しきい値制御用拡散層) 46 第3のゲート絶縁膜 47 第3のゲート電極 48 第4のゲート絶縁膜 49 第4のゲート電極 50 第2のレジストパターン 51A 浅いp型ソース・ドレイン拡散層 52A 浅いp型ソース・ドレイン拡散層 53A 浅いp型ソース・ドレイン拡散層 54 第3のレジストパターン 55 第3のゲート側壁 56 第4のゲート側壁 57 第5のレジストパターン 58 第3の配線 59 第4の配線 60 第5の配線 61 半導体基板 61a n型ウエル拡散層 62 素子分離領域 63 第1のゲート絶縁膜 64A 第1のゲート電極 64B 第2のゲート電極 65 第3のゲート絶縁膜 66A 第3のゲート電極 67 第1のゲート側壁 68 第3のゲート側壁 69 第1のn型ソース拡散層 70 第1のn型ドレイン拡散層 71 第2のn型ソース拡散層 72 第2のn型ドレイン拡散層 73A 第1のp型拡散層(しきい値制御用拡散層) 73B 第2のp型拡散層(しきい値制御用拡散層) 75A 第1の配線 75B 第2の配線 75C 第3の配線 76A 第7の配線 76B 第8の配線 77A 第9の配線 77B 第10の配線 77C 第1の入出力端子 78A 第11の配線 78B 第12の配線 78C 第2の入出力端子 79 第2のゲート絶縁膜 80 第4のゲート絶縁膜 81 第4のゲート電極 82 第2のゲート側壁 83 第4のゲート側壁 84 第1のp型ソース拡散層 85 第1のp型ドレイン拡散層 86 第2のp型ソース拡散層 87 第2のp型ドレイン拡散層 88A 第1のn型拡散層(しきい値制御用拡散層) 88B 第2のn型拡散層(しきい値制御用拡散層) 90A 第4の配線 90B 第5の配線 90C 第6の配線 91 第1のp型ソース拡散層 92 第2のp型ソース拡散層(第1のp型ドレイ
ン拡散層) 93 第2のp型ドレイン拡散層 94A 第1の入力端子 94B 第2の入力端子 94C 第3の入力端子 94D 出力端子 95 第1のn型MOSトランジスタ 96 第2のn型MOSトランジスタ 97 第3のn型MOSトランジスタ 98 第1のp型MOSトランジスタ 99 第2のp型MOSトランジスタ 100 第3のp型MOSトランジスタ 101 第1のp型MOSトランジスタ 102 第2のn型MOSトランジスタ 103 入力端子 103A 第1のゲート電極 103B 第3のゲート電極 104 出力端子 105 電源電圧端子 106 クロック相補信号線 106A 第2のゲート電極 107 第2のp型MOSトランジスタ 108 接地電圧端子 109 クロック信号線 109A 第4のゲート電極 110 第2のn型MOSトランジスタ 111 第1のp型ソース拡散層 112 第2のp型ソース拡散層(第1のp型ドレイ
ン拡散層と共有) 113 第2のp型ドレイン拡散層 114 第1のn型ソース拡散層 115 第2のn型ソース拡散層(第1のn型ドレイ
ン拡散層と共有) 116 第2のn型ドレイン拡散層 121 入力端子 122 第1のクロックトインバータ回路 123 第1のインバータ回路 124 第2のクロックトインバータ回路 125 第3のクロックトインバータ回路 126 第2のインバータ回路 127 第4のクロックトインバータ回路 128A 第1の出力端子 128B 第2の出力端子 131 インバータ回路 132 2入力NAND回路 133 3入力NAND回路 134 2入力NOR回路 135 クロック信号入力端子 136 第1のp型MOSトランジスタ 137 第1のn型MOSトランジスタ 138 入力端子 139 第2のp型MOSトランジスタ 140 第2のn型MOSトランジスタ 141 第3のp型MOSトランジスタ 142 第3のn型MOSトランジスタ 143 出力端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−18960(JP,A) 特開 平4−64260(JP,A) 特開 平8−153873(JP,A) 特開 昭59−82766(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/8238 H01L 21/265 H01L 27/092 H01L 29/78

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いのソース領域及びドレイン領域が並
    列に接続された2つのp型MOSトランジスタと、一方
    のソース領域及び他方のドレイン領域が直列に接続され
    た2つのn型MOSトランジスタとからなるNAND回
    路を一の半導体基板上に備え、 前記2つのn型MOSトランジスタは、 前記半導体基板に設けられた同一の第1のトランジスタ
    形成領域の上に形成され、互いに平行に設けられた第1
    のゲート電極と、 前記第1のトランジスタ形成領域における前記各第1の
    ゲート電極の下側に形成され、キャリアが流れる方向が
    同一である第1のチャネル領域とを有し、 前記各第1のチャネル領域における前記ソース領域側の
    p型の不純物濃度は、前記各第1のチャネル領域におけ
    る前記ドレイン領域側のp型の不純物濃度よりも大きく
    形成されており、 前記2つのp型MOSトランジスタは、 前記半導体基板に設けられた同一の第2のトランジスタ
    形成領域の上に形成され、互いに平行に設けられた第2
    のゲート電極と、 前記第2のトランジスタ形成領域における前記各第2の
    ゲート電極の下側に形成された第2のチャネル領域とを
    有し、 前記各第2のチャネル領域は、n型の均一な不純物濃度
    で形成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置において、 前記第1のチャネル領域における高濃度不純物層は、前
    記2つのn型MOSトランジスタの各ソース領域の下方
    にまで及んでいないことを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の半導体装置にお
    いて、 前記2つのn型MOSトランジスタにおける一方のソー
    ス領域と他方のドレイン領域とは、2つの前記第1のゲ
    ート電極の間の領域に共有されるように形成されている
    ことを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 一方のソース領域及び他方のドレイン領
    域が直列に接続された2つのp型MOSトランジスタ
    と、互いのソース領域及びドレイン領域が並列に接続さ
    れた2つのn型MOSトランジスタとからなるNOR回
    路を一の半導体基板上に備え、 前記2つのp型MOSトランジスタは、 前記半導体基板に設けられた同一の第1のトランジスタ
    形成領域の上に形成され、互いに平行に設けられた第1
    のゲート電極と、 前記第1のトランジスタ形成領域における前記各第1の
    ゲート電極の下側に形成され、キャリアが流れる方向が
    同一である第1のチャネル領域とを有し、 前記各第1のチャネル領域における前記ソース領域側の
    n型の不純物濃度は、前記各第1のチャネル領域におけ
    る前記ドレイン領域側のn型の不純物濃度よりも大きく
    形成されており、 前記2つのn型MOSトランジスタは、 前記半導体基板に設けられた同一の第2のトランジスタ
    形成領域の上に形成され、互いに平行に設けられた第2
    のゲート電極と、 前記第2のトランジスタ形成領域における前記各第2の
    ゲート電極の下側に形成された第2のチャネル領域とを
    有し、 前記各第2のチャネル領域は、p型の均一な不純物濃度
    で形成されていることを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の半導体装置において、 前記第1のチャネル領域における高濃度不純物層は、前
    記2つのp型MOSトランジスタの各ソース領域の下方
    にまで及んでいないことを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載の半導体装置にお
    いて、 前記2つのp型MOSトランジスタにおける一方のソー
    ス領域と他方のドレイン領域とは、2つの前記第1のゲ
    ート電極の間の領域に共有されるように形成されている
    ことを特徴とする半導体装置。
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