JP3298372B2 - ラクタムの精製方法 - Google Patents

ラクタムの精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はラクタムの精製法に
関するものであり、詳しくは紫外線吸収不純物を含有す
るラクタムに紫外線を照射して紫外線吸収不純物を分解
することを特徴とするラクタムの精製方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ラクタムは合成原料、ポリアミド繊維、
ポリアミド樹脂などの重要な工業的原料であり、ポリア
ミド製品の高品質化とあいまって、ラクタムの品質も高
純度品が要求されている。粗ラクタムから不純物を除去
して精ラクタムを得るための精製手段は数多く公知であ
る。抽出、蒸留、再結晶などの物理的処理法と過マンガ
ン酸カリ、次亜塩素酸ナトリウムなどを用いた化学的処
理法とに大別できる。一般的には粗カプロラクタム中の
不純物の種類によって適切な精製法の組合わせが選択さ
れている。
【0003】たとえば、カプロラクタムの精製方法とし
ては、シクロヘキサノンオキシムを発煙硫酸を用いてベ
ックマン転位したのち、反応混合物を70〜110℃の
温度で保持する方法(特開昭63−156766号公
報)がある。
【0004】さらに、特開平6−1763号公報には、
カプロラクタム中のオクタヒドロフェナジンを除去する
目的で炭素数10〜18の脂肪属飽和炭化水素類の共存
下に蒸留する方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ラクタムの品質特性値
の一つに波長290nmにおけるラクタム50wt%水
溶液の紫外線透過率(UVT)があり、これはラクタム
中に含まれる紫外線吸収不純物の量を表わす尺度として
用いられている。紫外線吸収不純物としては、フェノー
ル、アニリン、オクタヒドロフェナジンなどが揚げられ
るが、特にオクタヒドロフェナジンは分子吸光係数が大
きく(λmax :290nm,ε:9,300l/mol
・cm)、高品質の精ラクタムを得るためにはその含有
量を1ppm以下にする必要があることから、ラクタム
の精製において特に注目すべき不純物である。
【0006】オクタヒドロフェナジンは化学的に安定な
物質であるため、ラクタムを損なうことなくオクタヒド
ロフェナジンを選択的に分解する方法は困難であり、未
だ優れた方法は見出されていない。
【0007】前記特開昭63−156766号公報に記
載の方法では、オクタヒドロフェナジンの分解率が不十
分であるばかりでなく、カプロラクタムの熱分解損失の
懸念もある。したがって、オクタヒドロフェナジンの除
去手段としては専ら蒸留、再結晶などの物理的手法が採
用されている。しかし、カプロラクタムに対するオクタ
ヒドロフェナジンの比揮発度は1.3程度と小さく、蒸
留法で1ppm以下の含有量にするには非常に高段数の
精留塔が必要となる。前記特開平6−1763号公報の
方法を用いても得られる精カプロラクタムのUVTは満
足のいくものではない。一方、再結晶法はオクタヒドロ
フェナジン除去の優れた精製法の一つであるが、この場
合も含有量が数十ppmの粗カプロラクタムから1pp
m以下にするには多段の晶析槽を必要とする。このよう
に、蒸留、再結晶法のいずれも設備費が高価になるなど
の経済的難点を有している。
【0008】そこで本発明者らは、オクタヒドロフェナ
ジンに代表される紫外線吸収性不純物を含有する粗ラク
ムから容易に、安価な設備費で、かつ効率良く紫外線
吸収性不純物を除去する方法について鋭意検討した結
果、粗ラクタムに紫外線を照射することによって、ラク
ムを損なうことなく紫外線吸収性不純物が分解するこ
とを見出して本発明に到達した。すなわち、本発明の目
的は、粗ラクタム中の紫外線吸収性不純物を経済的安価
な方法で効率的に除去することを提供するものであり、
本法によって、工業的有利に粗ラクタムから精ラクタム
類を得ることができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は紫外
線吸収性不純物を含有するラクタムに紫外線を照射する
ことを特徴とするラクタムの精製方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明でいうラクタムとは、ε−
カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、δ−バレロラク
タムなどである。好ましくは、ε−カプロラクタム、ω
−ラウロラクタムなどを精製する際に用いられる。
【0011】本発明の対象となる紫外線吸収性不純物を
含有するラクタムはその製造法、回収法などの履歴は特
に限定されない。たとえば、ε−カプロラクタムの場
合、シクロヘキサノンオキシムを発煙硫酸などの触媒を
用いて液相下でベックマン転位して得られたもの、ある
いはゼオライトなどの固体酸触媒によって気相下に接触
転位して得られたものが揚げられるが、この他にポリカ
プロラクタム抽出水からの回収ラクタム、ポリカプロラ
クタムや、オリゴマーなどを解重合して得られた回収ラ
クタムなども対象となりうる。
【0012】本発明でいう紫外線吸収性不純物とは、主
にオクタヒドロフェナジンを対象として記述するが、こ
の他にカプロラクタムの紫外線透過率特性値に影響する
物質、すなわち、フェノール、アニリンなどラクタムの
製造・精製・回収工程などで副生する紫外線吸収性不純
物などがあげられる。
【0013】紫外線を照射するラクタムの形態は気体、
固体、および液体状のいずれでもよい。気体状とは蒸留
塔で気化したもの、気相下に接触転位で得た生成物など
であり、固体状とは晶析で得られた結晶、フレーカで得
たフレークなどが揚げられる。また液体状とはラクタム
の溶融状態または溶媒に溶解された状態をさし、この場
合の溶媒とは有効な紫外線を吸収しないものが好まし
く、UVB(280〜315nmの波長の紫外線)の透
過率が50%以上のものが好ましい。具体的には、たと
えば、水、メタノール、エタノール、n−ヘキサン、シ
クロヘキサン、クロロホルム、四塩化炭素などが揚げら
れる。これらは2種以上混合して使用することもでき
る。
【0014】紫外線吸収性不純物の分解速度はラクタム
溶液のpHによって大きく変化し、アルカリ性<中性<
酸性の順に大きくなる。したがって、pHを酸性サイド
にするほど紫外線吸収性不純物の単位時間当たりの分解
率が高まるが、強酸性になるとカプロラクタムの加水分
解など好ましからざる副反応が生ずる。通常、中性ある
いは弱酸性で行うのが好ましい。好ましいラクタム溶液
のpHは1〜13である。さらに好ましくは、pH2〜
8である。
【0015】また、紫外線を照射するラクタムにタール
状物などの着色性不純物が多量に含まれている場合、着
色性不純物によって有効な紫外線が吸収され、分解の対
象となる紫外線吸収性不純物への光利用率が減少する。
そこで、ラクタムが著しく着色している場合には紫外線
照射処理の前に、たとえば蒸留などの手段で着色性不純
物を除去するのが好ましい。
【0016】本発明で使用する紫外線光源は特に限定さ
れるものではなく、人工光源または自然光源が用いられ
る。人工光源としては、一般的に有機光化学反応などで
用いられているものでよく、可視光と共に紫外線を発生
するものでもよい。たとえば、殺菌ランプに代表される
低圧水銀ランプ、低圧水銀ランプの内壁に紫外線用蛍光
体を塗布した各種蛍光ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧
水銀ランプのほかメタルハライドランプなどが揚げられ
る。ランプ電力に対する紫外線の出力割合が大きいラン
プを選定するのが経済的に有利である。
【0017】本発明で有効な紫外線の波長は400nm
以下であるが、ε−カプロラクタム自身が280nm以
下の紫外線を吸収すること、オクタヒドロフェナジンの
極大吸収波長が290nmであることを考慮すると、2
80〜350nmの波長が紫外線の有効利用の観点から
好ましい。また、ε−カプロラクタムが吸収する280
nm以下の紫外線では照射によってε−カプロラクタム
自身も分解する懸念があるので好ましくない。
【0018】本発明でいう紫外線透過率(UVT)とは
50wt%ラクタム水溶液を石英の巾10mmのセルに
入れ290nmの波長の紫外線の透過率であり、分光光
度計で測定する。
【0019】本発明で、照射する紫外線の量は、ラクタ
ムに含まれる紫外線吸収性不純物を分解するのに十分な
量であれば良いが、ラクタム1kgあたり、10ジュー
ル以上である。照射する紫外線の量(ジュール)は、光
源とするランプなどの紫外線出力(W)と照射時間
(秒)から次式により求めることができる。
【0020】紫外線の量(J)=ランプの紫外線出力
(W)×照射時間(秒)×光利用率ここで、光利用率と
は、実際にラクタムに照射される光の、ランプから出力
される光に対する割合である。
【0021】紫外線照射処理の温度は取扱うラクタムの
形態によって異なるが、0℃以上200℃以下で行われ
るのが好ましい。気体状のラクタムを照射処理する場合
を除き、好ましくは90℃以下で行うのがよい。固体の
場合はラクタムの凝固点以下の温度であり、溶融ラクタ
ムの場合では融点以上から90℃以下の範囲、溶液状で
はラクタム類の溶解する温度以上90℃以下の範囲で行
うのが好ましい。必要以上に照射処理温度を高めても紫
外線吸収不純物の分解速度は変わらないばかりか、エネ
ルギーの損失、ラクタムの変質の問題点などから好まし
くない。
【0022】紫外線照射装置も取扱うラクタムの形態に
よって様々である。気体状では気体の存在する装置内、
たとえば蒸留塔では塔内に保護カバ−を付けた紫外線ラ
ンプを装着することで行うことができる。固体状の例で
はベルトコンベアーの上部に紫外線ランプ取付け外部照
射する方法、ラクタム粉体の流動床内に取付けたランプ
で内部照射する方法などがある。最も一般的には液体状
で照射するケースであるが、この場合、一般的光反応装
置をそのまま利用することができる。たとえば、通常の
槽内にランプを浸漬装着した槽型形式、内管にランプを
装着した2重管型などの内部照射型装置のほかに、貯槽
の天井部に取付けたランプで液表面から外部照射するこ
ともできる。なお、ランプ外管(カバー)は紫外線透過
ガラス、石英など紫外線透過率の高いものを使用するこ
とが好ましいことは言うまでもない。 紫外線照射処理
方法はバッチ、連続のいずれでもよいが、装置系内は窒
素、アルゴンなど不活性ガス雰囲気にするのが好まし
く、特に温度が高い状態で処理する場合は、ラクタムの
酸化を防止する目的で不活性ガス雰囲気が好ましい。オ
クタヒドロフェナジンなど紫外線吸収性不純物を含むラ
クタムを紫外線照射処理すると、紫外線吸収性不純物の
分解により生成する着色成分によって処理後のラクタム
は黄色を呈する場合がある。この分解生成物は、たとえ
ば単蒸留によって容易に蒸留残分として除去することが
でき、活性炭による吸着なども採用することができる。
また、処理前のラクタム中の紫外線吸収性不純物含有量
が少ない場合には、紫外線吸収性不純物が完全に分解し
ても処理後のカプロラクタムの着色は無視しうるので、
分解物を除去せずにそのまま次の精製工程へ供給するこ
とも可能であるし、支障が無ければそのまま製品化する
ことも可能である。
【0023】光源から、ラクタムまでの距離は、光利用
率を考慮して、10m以内が好ましい。
【0024】紫外線吸収性不純物が紫外線を吸収して、
分解もしくは変化する時、以下のような式が成立すると
考えられる。
【0025】 光エネルギー量=k・不純物量 (k=定数) よって、光エネルギーの小さい場合、分解もしくは低減
される不純物量も少なくなり、工業的に望ましくない。
【0026】よって、一定量以上の光エネルギーを与え
るのが望ましい。
【0027】
【実施例】以下に本発明を実施例で具体的に説明する
が、何ら本発明を限定するものではない。
【0028】実施例1 精カプロラクタムに試薬オクタヒドロフェナジン(OH
P)を9.74ppm添加し、水を加えて含水率20w
t%のラクタム水溶液を調製して試験液とした。ラクタ
ム水溶液のpHは6.8であった。
【0029】円筒形恒温水槽(20℃)の中心に270
W高圧水銀ランプ(紫外線出力20W)を装着した外部
照射型の紫外線照射装置に、試験液40gの入った直径
20mmの石英ガラス製試験管をランプから約5cmの
位置にセットした。ランプ点灯後、一定時間ごとに試験
液をサンプリングして液体クロマトグラフィーでOHP
含有量を、分光光度計で試験液の紫外線透過率(50w
t%ラクタム水溶液の10mmセル、290nmにおけ
る透過率%、以下UVTと記す)を測定した。ランプ照
射時間1、2、3時間後(ラクタム1kgあたりの紫外
線照射量は、それぞれ90,000ジュール、180,
000ジュール、270,000ジュール)のOHP濃
度はそれぞれ0.94,0.22,0.06ppmに減
少した。UVTは照射前に54.1%であったものが、
照射3時間で97.2%に向上した。
【0030】比較例1 実施例1において、ランプ冷却水に紫外部を吸収する特
性をもつ蛍光染料を含む水を用いて400nm以下の紫
外線をカットして、400nm以上の可視光のみを照射
した以外は実施例1と同様に行った。ランプ照射3時間
後のOHP濃度は9.73ppmであり、OHPの分解
はほとんど起こらなかった。
【0031】実施例2 35mmΦ×550mmの石英製内管と80mmΦ×5
10mmのパイレックス製外管から成る2重管式内部照
射管(液相厚み45mm)、循環ポンプおよび2lの試
験液温調槽より構成される紫外線照射装置の石英管内に
20W蛍光ランプ(紫外線出力9W)を装着し、実施例
1で用いた試験液1.8l(ラクタム1.5kg)を試
験液温調槽に仕込み、装置内の気相部を窒素ガスで置換
した。循環ポンプを作動して試験液を5l/分の流量で
循環させた後ランプを点灯した。試験液の温度を20℃
に保持しながら60分間ランプ照射した。ランプ点灯開
始後15、30、60分後(ラクタム1kgあたりの紫
外線照射量は、それぞれ5,400ジュール、11,0
00ジュール、22,000ジュール)の試験液のOH
P濃度はそれぞれ2.10、0.35、0.10ppm
であり、60分後のUVTは96.5%であった。
【0032】実施例3 実施例2において、試験液のpHを酸性およびアルカリ
性に変更した以外は実施例2と同様に行った。試験液の
pHが3.5と12.5の場合、ランプ照射15分後
(ラクタム1kgあたりの紫外線照射量は、5,400
ジュール)のOHP濃度はそれぞれ0.95、7.38
ppmであった。OHPの分解速度は中性の場合(実施
例2)に比較してpH3.5では2.2倍に、pH1
2.5では0.28倍になった。
【0033】比較例2 実施例3において試験液のpHを13.5に変更した以
外は実施例2と同様に行った。ランプ照射15分後(ラ
クタム1kgあたりの紫外線照射量は、5,400ジュ
ール)のOHP濃度は9.59ppmであり、OHP分
解速度(実施例2)に比較して0.06倍になった。
【0034】実施例4 実施例2において、OHP濃度を100ppmに変更し
た以外は実施例2と同様に行った。ランプ照射時間1時
間後(ラクタム1kgあたりの紫外線照射量は、22,
000ジュール)のOHP濃度は1.8ppmであっ
た。1時間後の試験液は淡黄色を呈しておりUVTは2
5.8%であった。1時間後の試験液を脱水後、減圧下
に単蒸留処理して得たカプロラクタムのUVTは85.
2%に向上した。
【0035】実施例5 実施例2において、紫外線ランプを30Wランプ(主波
長254nm、紫外線出力7.5W)に代えた以外は実
施例2と同様に行った。ランプ点灯開始後15、30、
60分後(ラクタム1kgあたりの紫外線照射量は、そ
れぞれ4,500ジュール、9,000ジュール、1
8,000ジュール)のOHP濃度はそれぞれ5.4
2、0.75、0.30ppmであった。
【0036】比較例3 実施例2において、紫外線ランプを20Wランプ(主波
長540nm、紫外線出力0.02mW)に代えた以外
は実施例2と同様に行った。ランプ点灯開始後、5時間
後(ラクタム1kgあたりの紫外線照射量は、0.2ジ
ュール)のOHP濃度は9.74ppmであった。
【0037】実施例6 実施例2において、紫外線ランプを20W蛍光ランプ
(主波長360nm、紫外部光強度3W)に代えた以外
は実施例2と同様に行った。ランプ点灯開始後15、3
0、60分後(ラクタム1kgあたりの紫外線照射量
は、それぞれ1,800ジュール、3,600ジュー
ル、7,200ジュール)のOHP濃度はそれぞれ8.
72、7.80、6.79ppmであった。
【0038】実施例7 実施例2で試験液を溶融ラクタム(無水、OHP:9.
83ppm)に、試験液の温度を80℃に代えた以外は
実施例2と同様に行った。ランプ点灯開始後30分後
(ラクタム1kgあたりの紫外線照射量は、9,000
ジュール)のOHP濃度は0.30ppmであった。
【0039】実施例8 シクロヘキサノンオキシムを発煙硫酸でベックマン転位
した後、アンモニア中和して得た粗カプロラクタム(O
HP含有量50.4ppm)をベンゼン抽出、単蒸留、
次いで水晶析してカプロラクタム結晶(OHP含有量
5.2ppm)を得た。
【0040】この結晶30gを150mmΦシャーレ内
に分散させ、実施例2で用いたのと同じランプを用い、
上部をおおった光源からラクタムまでの距離40cmで
外部照射した。2時間照射後(ラクタム1kgあたりの
紫外線照射量は、38,000ジュール)のOHP濃度
は0.51ppmであった。
【0041】実施例9 実施例8で得たカプロラクタム結晶に水を加えて含水率
12.5%のラクタム水溶液を調製した。この試験液を
用いて、温度を40℃に変更した以外は実施例2と同様
に行った。30分間照射後(ラクタム1kgあたりの紫
外線照射量は、10,000ジュール)のOHP濃度は
0.45ppmに減少した。UVTは照射前67.9%
から照射後94.8%に向上した。
【0042】実施例10 フェノール25.3ppm、アニリン25.0ppm、
OHP10.0ppmを含む粗カプロラクタム(含水率
20%)を試験液に用いた他は実施例2と同様に処理し
た。30分間照射後(ラクタム1kgあたりの紫外線照
射量は、11,000ジュール)のカプロラクタム中の
フェノール、アニリンおよびOHPの濃度はそれぞれ
2.5、3.5、0.9ppmであった。
【0043】実施例11 紫外線吸収不純物を含む粗ラウロラクタムの50%メタ
ノール溶液を試験液に用い、ランプ照射時間を180分
とした他は実施例2と同様に行った。180分照射後
(ラクタム1kgあたりの紫外線照射量は、65,00
0ジュール)のUVTは照射前62.3%から照射後8
0.3%に向上した。
【0044】比較例4 実施例2において、外管を直径12m、高さ5mの遮光
性金属の筒状反応器に変更し、その中心に紫外線照射装
置を固定し、試験液150リットル/分で通液、反応
器内を撹拌させた以外は実施例2と同様に行った。ラン
プ点灯開始後、60分後(ラクタム1kgあたりの紫外
線照射量は、3ジュール)の試験液OHP濃度は、9.
52ppmであった。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、紫外線吸収性物質を含
有するラクタムに紫外線を照射することによって、紫外
線吸収性不純物の低減したラクタムを高純度で、工業的
に有利に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 201/16 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紫外線吸収性不純物を含有するラクタム
    に、ラクタム1kgあたり、10ジュール以上の紫外線
    を照射することを特徴とするラクタムの精製方法。
  2. 【請求項2】人工または自然光源を用いて紫外線を照射
    することを特徴とする請求項1記載のラクタムの精製方
    法。
  3. 【請求項3】紫外線の波長が280nm〜350nmで
    あることを特徴とする請求項1または2記載のラクタム
    の精製方法。
  4. 【請求項4】光源からラクタムまでの距離が10m以内
    であることを特徴とする請求項2または3のいずれか1
    項記載のラクタムの精製方法。
  5. 【請求項5】溶融状態のラクタムまたはラクタムを溶媒
    に溶解した状態で紫外線を照射することを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項記載のラクタムの精製方法。
  6. 【請求項6】溶媒のUVB透過率が50%以上であるこ
    とを特徴とする請求項5記載のラクタムの精製方法。
  7. 【請求項7】ラクタムを溶媒に溶解したもののpHが1
    〜13であることを特徴とする請求項5または6記載の
    ラクタムの精製方法。
  8. 【請求項8】紫外線の照射を0℃以上200℃以下で行
    うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の
    ラクタムの精製方法。
  9. 【請求項9】ラクタムに含まれる着色性不純物をあらか
    じめ除去した後に紫外線を照射することを特徴とする請
    求項1〜8のいずれか1項記載のラクタムの精製方法。
  10. 【請求項10】紫外線吸収性不純物がオクタヒドロフェ
    ナジンであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか
    1項記載のラクタムの精製方法。
  11. 【請求項11】ラクタムが、ε−カプロラクタムおよび
    /またはω−ラウロラクタムであることを特徴とする請
    求項1〜10のいずれか1項記載のラクタムの精製方
    法。
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