JP3298355B2 - 目標物検出装置 - Google Patents

目標物検出装置

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JP3298355B2
JP3298355B2 JP06581695A JP6581695A JP3298355B2 JP 3298355 B2 JP3298355 B2 JP 3298355B2 JP 06581695 A JP06581695 A JP 06581695A JP 6581695 A JP6581695 A JP 6581695A JP 3298355 B2 JP3298355 B2 JP 3298355B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば広角の赤外線
カメラで撮像された広視野の画像から遠方に存在する目
標物を検出する目標物検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13は例えば特開平3−269391
号公報に示された従来の目標物検出装置を示す構成図で
あり、図において、1は空間に存在する目標物、2は目
標物から放射された赤外線を集光する集光レンズ、3は
集光レンズ2により集光された赤外線を検出し、目標物
検出信号を出力する赤外線検出素子、4は赤外線検出素
子3から出力された目標物検出信号を増幅する増幅器で
ある。
【0003】また、5は増幅器4により増幅された目標
物検出信号に基づいて目標物1が存在する位置に対応す
る画素の画素値(画像信号レベル)を積算する演算論理
回路、6は画像を構成する各画素の画像信号レベルを記
憶する積算用メモリ、7は演算論理回路5を制御する制
御回路、8は目標物1が存在する位置に対応する画素の
画像信号レベルを所定の閾値V1,V2と比較し、その
比較結果に基づいて演算論理回路5の積算回数を決定す
るとともに、その演算論理回路5に積算された各画素の
画像信号レベルをその積算回数で除算し、その除算結果
を画像信号として出力する積算回数決定回路である。因
に、図14は目標物検出装置が積算回数を決定する処理
を示すフローチャートである。
【0004】次に動作について説明する。まず、集光レ
ンズ2が目標物1から放射された赤外線を集光し、赤外
線検出素子3が集光レンズ2により集光された赤外線を
検出し、目標物検出信号を出力するが、その目標物検出
信号にはノイズが含まれているので、目標物1に対応す
る画素の画像信号レベルを強調することでノイズを抑圧
し、目標物1とノイズの区別を容易にしている。
【0005】即ち、その目標物検出信号を増幅器4が増
幅した後、その増幅した目標物検出信号を演算論理回路
5が入力し、後述する積算回数決定回路8により決定さ
れた積算回数分だけその目標物検出信号に基づいて目標
物1が存在する位置に対応する画素の画像信号レベルを
積算し、その画像信号レベルを積算用メモリ6に記憶す
る。そして、積算回数決定回路8が、積算用メモリ6に
記憶されている画像信号レベルを取り込み(ステップS
T1)、その画像信号レベルをその積算回数で除算し、
その除算結果を画像信号として出力する(ステップST
2)。
【0006】これにより、ノイズが抑圧された画像信号
が得られるが、上述した積算回数が少な過ぎる場合には
ノイズ抑圧の効果が十分でなく、積算回数が大き過ぎる
場合には処理時間が長くかかり過ぎるため、積算回数決
定回路8は、積算された画像信号レベルに基づいてその
積算回数を常に適正な回数に設定する。
【0007】即ち、演算論理回路5により積算された画
像信号レベルが閾値V1(ノイズを抑圧するために最低
限必要な信号レベル)より小さい場合には、積算回数を
1増加する一方(ステップST3,ST4,ST8)、
画像信号レベルが閾値V1より大きい場合には、更にそ
の画像信号レベルを閾値V2(処理時間の最大時間を保
証する信号レベル)と比較し、その画像信号レベルが閾
値V2より大きい場合には、現在設定されている積算回
数が1回でなければ積算回数を1減少し(ステップST
5〜8)、その画像信号レベルが閾値V2より小さい場
合には、現在の積算回数をそのまま採用する(ステップ
ST5,ST8)。
【0008】以上より、この目標物検出装置によれば、
目標物1が常に一定の位置に存在する場合には、目標物
1に対応する画素の画像信号レベルのみが強調されるの
で、目標物1を明確に検出することができる。
【0009】なお、上記従来例の他に、目標物1から放
射された赤外線に基づいて画像データを生成し、その画
像データに含まれるノイズをフィルタリング演算を行う
ことによって除去する技術(特開昭60−57416号
公報)が開示されているが、この従来例の場合も、目標
物1が常に一定の位置に存在することを前提として目標
物1を検出するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の目標物検出装置
は以上のように構成されているので、目標物1が常に一
定の位置に存在する場合には、目標物1に対応する画素
の信号レベルを積算によって強調することができるため
目標物1を明確に検出することができるが、大きさが数
画素程度の小さい目標物1が素早く移動する場合には、
目標物1に対応する画素の信号レベルを積算して強調す
ることができず、目標物1を明確に検出することができ
ない問題点があった。また、目標物1以外の物体である
背景等が存在する場合、背景に対応する画素の信号レベ
ルも強調されてしまうため、目標物1と背景の区別が困
難となり、目標物1の検出精度が劣るという問題点もあ
った。
【0011】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、第1の目的は、小さい目標物が
移動する場合でも目標物を明確に検出することができる
目標物検出装置を得ることである。
【0012】第2の目的は、目標物以外の物体である背
景等が存在する場合でも目標物を明確に検出することが
できる目標物検出装置を得ることである。
【0013】第3の目的は、移動体が移動することによ
り相対的に移動する場合でも目標物を明確に検出するこ
とができる目標物検出装置を得ることである。
【0014】第4の目的は、検出した目標物の存在位置
を明確に示すことができる目標物検出装置を得ることで
ある。
【0015】第5の目的は、特定周波数成分のノイズを
除去し、さらに検出精度等の向上を図ることができる目
標物検出装置を得ることである。
【0016】第6の目的は、目標物が検出された場合に
は、その旨を知らしめることができる目標物検出装置を
得ることである。
【0017】第7の目的は、目標物を常に画像の中心に
位置させることで、容易に目標物の追尾を図れるように
することができる目標物検出装置を得ることである。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る目
標物検出装置は、目標物が存在しうる空間を撮像し、撮
像信号の強さに応じた画素値を有する複数の画素で構成
されている画像データを周期的に生成する画像データ生
成手段と、前回の加算画像データまたは前回の画像処理
データに所定の重み係数を乗算する目標物強調用係数乗
算手段と、上記画像データ生成手段により今回生成され
た画像データに上記目標物強調用係数乗算手段の乗算結
果を加算して今回の上記加算画像データとして出力する
加算手段と、上記今回の加算画像データの各画素にそれ
ぞれ着目し、着目した画素とその着目した画素の近傍に
位置する画素のなかで最大または最小の画素値を有する
画素を検出するとともに、その着目した画素の画素値を
その検出した画素の画素値に修正し、修正後の画像デー
タを今回の上記画像処理データとして出力する画像処理
手段とを備えたものである。
【0019】請求項2の発明に係る目標物検出装置は、
画像データ生成手段により前回生成された画像データに
所定の重み係数を乗算する背景削除用係数乗算手段と、
上記画像データ生成手段により今回生成された画像デー
タから上記背景削除用係数乗算手段の乗算結果を減算す
る減算手段とを備えたものである。
【0020】請求項3の発明に係る目標物検出装置は、
画像データ生成手段の撮像は移動体の上から行われ、上
記画像データ生成手段により前回以前に生成された複数
の画像データから前回生成された画像データを構成する
各画素における速度場を求め、それら速度場から目標物
以外の背景に対する上記移動体の相対運動量を求める相
対運動量演算手段と、上記画像データ生成手段により前
回生成された画像データを構成する各画素にそれぞれ着
目し、着目した画素の位置に上記移動体の運動により生
じる画像上での移動量を加算し、その加算された位置の
画素の画素値を着目した画素の画素値に修正し、修正後
の画像データを画像変換データとして出力する第1の画
像変換手段と、上記第1の画像変換手段から出力された
画像変換データに所定の重み係数を乗算する背景削除用
係数乗算手段と、上記画像データ生成手段により今回生
成された画像データから上記背景削除用係数乗算手段の
乗算結果を減算する減算手段とを備えたものである。
【0021】請求項4の発明に係る目標物検出装置は、
画像データ生成手段の撮像は移動体の上から行われ、上
記画像データ生成手段により今回以前に生成された複数
の画像データから今回生成された画像データを構成する
各画素における速度場ベクトルを求める速度場ベクトル
演算手段と、それらの速度場ベクトルから目標物以外の
背景が上記移動体に対して相対運動を行うことにより生
じる平行もしくは放射線状のベクトルの成分を引き去
り、残った成分の絶対値を新たな画素値とし画像変換デ
ータとして出力する第2の画像変換手段とを備えたもの
である。
【0022】請求項5の発明に係る目標物検出装置は、
画像処理手段から出力された画像処理データを構成する
各画素の画素値が所定の閾値より大きいか否かを判定
し、所定の閾値より大きい画素値を有する画素には目標
物が存在するものと判定する目標物判定手段を備えたも
のである。
【0023】請求項6の発明に係る目標物検出装置は、
画像処理手段から出力された画像処理データを構成する
各画素にそれぞれ着目し、着目した画素とその着目した
画素の近傍に位置する画素のなかで最小または最大の画
素値を有する画素を検出するとともに、その着目した画
素の画素値をその検出した画素の画素値に修正する画像
補正手段を備えたものである。
【0024】請求項7の発明に係る目標物検出装置は、
画像処理手段または上記画像補正手段の出力側に、画像
処理データから所定の周波数成分を除去するフィルタを
備えたものである。
【0025】請求項8の発明に係る目標物検出装置は、
目標物判定手段により目標物が検出された場合、警報を
発生する警報発生手段を備えたものである。
【0026】請求項9の発明に係る目標物検出装置は、
目標物判定手段により目標物が検出された場合、その目
標物判定手段の判定結果に基づいてその目標物が画像の
中心に位置するように上記画像データ生成手段の撮像方
向を制御する制御手段を備えたものである。
【0027】
【作用】請求項1の発明における目標物検出装置は、画
像データ生成手段により今回生成された画像データに所
定の重み係数が乗算された前回の加算画像データまたは
前回の画像処理データを加算する加算手段と、その加算
手段から出力された画像データを構成する各画素にそれ
ぞれ着目し、着目した画素とその着目した画素の近傍に
位置する画素のなかで最大または最小の画素値を有する
画素を検出するとともに、その着目した画素の画素値を
その検出した画素の画素値に修正する画像処理手段とを
備えたことにより、目標物が移動する場合でも、その目
標物に対応する画素の画素値が大きな値に修正される。
【0028】請求項2の発明における目標物検出装置
は、画像データ生成手段により前回生成された画像デー
タに所定の重み係数を乗算し、上記画像データ生成手段
により今回生成された画像データから上記乗算結果を減
算することにより、目標物以外の物体である背景等の画
像が画像データから取り除かれる。
【0029】請求項3の発明における目標物検出装置
は、画像データ生成手段の撮像は移動体の上から行わ
れ、上記画像データ生成手段により前回以前に生成され
た複数の画像データから前回生成された画像データを構
成する各画素における速度場を求め、それら速度場から
目標物以外の背景に対する上記移動体の相対運動量を求
め、上記画像データ生成手段により前回生成された画像
データを構成する各画素にそれぞれ着目し、着目した画
素の位置に上記移動体の運動により生じる画像上での移
動量を加算し、その加算された位置の画素の画素値を着
目した画素の画素値に修正し、修正後の画像データを画
像変換データとして出力し、出力された画像変換データ
に所定の重み係数を乗算し、上記画像データ生成手段に
より今回生成された画像データから上記乗算結果を減算
することにより、移動体が移動することにより相対的に
移動する場合でも目標物以外の物体である背景等の画像
が画像データから取り除かれ目標物を明確に検出するこ
とができる。
【0030】請求項4の発明における目標物検出装置
は、画像データ生成手段の撮像は移動体の上から行わ
れ、上記画像データ生成手段により今回以前に生成され
た複数の画像データから今回生成された画像データを構
成する各画素における速度場ベクトルを求め、それらの
速度場ベクトルから目標物以外の背景が上記移動体に対
して相対運動を行うことにより生じる平行もしくは放射
線状のベクトルの成分を引き去り、残った成分の絶対値
を新たな画素値とする画像データを画像変換データとし
て出力することにより、移動体が移動することにより相
対的に移動する場合でも目標物以外の物体である背景等
の画像が画像データから取り除かれ目標物を明確に検出
することができる。
【0031】請求項5の発明における目標物検出装置
は、画像処理手段から出力された画像処理データを構成
する各画素の画素値が所定の閾値より大きいか否かを判
定し、所定の閾値より大きい画素値を有する画素には目
標物が存在するものと判定する目標物判定手段を備えた
ことにより、表示された画像を見なくても、目標物の存
在位置を認識できるようになる。
【0032】請求項6の発明における目標物検出装置
は、画像処理手段から出力された画像処理データを構成
する各画素にそれぞれ着目し、着目した画素とその着目
した画素の近傍に位置する画素のなかで最小または最大
の画素値を有する画素を検出するとともに、その着目し
た画素の画素値をその検出した画素の画素値に修正する
画像補正手段を備えたことにより、画像処理データの分
解能が高められ、目標物の存在位置を明確に示すことが
できるようになる。
【0033】請求項7の発明における目標物検出装置
は、画像処理手段または画像補正手段の出力側に、画像
処理データから所定の周波数成分を除去するフィルタを
設けたことにより、画像処理データから特定周波数成分
のノイズが除去されるようになる。
【0034】請求項8の発明における目標物検出装置
は、目標物判定手段により目標物が検出された場合、警
報を発生する警報発生手段を設けたことにより、目標物
が検出されたことを直ちに認識できるようになる。
【0035】請求項9の発明における目標物検出装置
は、目標物判定手段により目標物が検出された場合、そ
の目標物判定手段の判定結果に基づいてその目標物が画
像の中心に位置するように画像データ生成手段の撮像方
向を制御する制御手段を設けたことにより、容易に目標
物の追尾を図れるようになる。
【0036】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1は実施例1による目標物検出装置を示す構成
図であり、図において、11は目標物1から放射される
赤外線を検出することにより、目標物1が存在しうる空
間を撮像するCCDセンサ(以下、IRCCDとい
う)、12はIRCCD11の検出結果をディジタル変
換(例えば輝度をその強さに応じた画素値に変換)し、
周期的に画像データY(k)を生成するA/D変換器で
あり、当該A/D変換器12とIRCCD11から画像
データ生成手段が構成されている。ここで、kはサンプ
リング時間を示している。
【0037】また、13はA/D変換器12により生成
された画像データY(k)を構成する画素の画素値を修
正する画像処理を行う画像処理回路、14は画像処理回
路13から出力された出力画像X(k)を表示するCR
T(表示手段)である。
【0038】また、図2は画像処理回路13の詳細な構
成を示す構成図であり、図において、15はA/D変換
器12により前回生成された画像データY(k−1)を
記憶しておき、その画像データY(k−1)に所定の重
み係数βを乗算する係数器(背景削除用係数乗算手
段)、16は後述する画像処理部18から出力された画
像処理データV(k−1)を記憶し、その画像処理デー
タV(k−1)に所定の重み係数αを乗算する係数器
(目標物強調用係数乗算手段)である。
【0039】また、17はA/D変換器12により今回
生成された画像データY(k)から係数器15の乗算結
果βY(k−1)を減算するとともに、その画像データ
Y(k)に係数器16の乗算結果αV(k−1)を加算
し、その演算後の画像データU(k)を出力する演算回
路(この例では加算手段と減算手段とを兼ねている)、
18は演算回路17から出力された画像データU(k)
を構成する各画素にそれぞれ着目し、着目した画素とそ
の着目した画素の近傍に位置する画素のなかで最も大き
い画素値を有する画素を検出するとともに、その着目し
た画素の画素値をその検出した画素の画素値に修正し、
修正後の画像データを画像処理データV(k)として出
力する画像処理部(画像処理手段)、19は画像処理部
18から出力された画像処理データV(k)を構成する
各画素にそれぞれ着目し、着目した画素とその着目した
画素の近傍に位置する画素のなかで最も小さい画素値を
有する画素を検出するとともに、その着目した画素の画
素値をその検出した画素の画素値に修正し、修正後の画
像処理データを出力画像X(k)として出力する画像補
正部(画像補正手段)である。
【0040】次に動作について説明する。まず、目標物
1から放射された赤外線をIRCCD11が検出する。
しかしながら、背景等が存在する場合、IRCCD11
は、目標物1から放射される赤外線の他に、他の物体で
ある背景等から放射される赤外線等も検出してしまうの
で、IRCCD11の検出結果に含まれる背景やセンサ
ノイズ等を除去すべく、下記に示すような処理を施して
いる。
【0041】まず、IRCCD11の検出結果をA/D
変換器12がディジタル変換し、周期的にディジタルの
画像データY(k)を生成する。因に、A/D変換器1
2は、一定の時間間隔ごとにIRCCD11の検出結果
を入力して画像データY(k)を生成し、時系列的にそ
の画像データY(k)を出力するが、当該画像データY
(k)は、例えば、512×512の画素から構成さ
れ、各画素の画素値を有している。そして、便宜上、Y
ij(k)をY(k)で表すが、添字i,jは画素の位置
を表すインデックスであり、例えば、Y5,8(k)=3
と表した場合には、X座標が5、Y座標が8に位置する
画素の画素値が3であること示す。
【0042】そして、A/D変換器12により画像デー
タY(k)が生成されると、その画像データY(k)を
画像処理回路13の演算回路17が入力する一方、画像
処理回路13の係数器15が入力する。そして、係数器
15は、次回、A/D変換器12が新たな画像データを
出力するまで(次のサンプリング時間まで)、その入力
した画像データY(k)を記憶するとともに、A/D変
換器12により前回生成された画像データY(k−
1)、即ち、記憶しておいた画像データY(k−1)に
所定の重み係数βを乗算し、その乗算結果βY(k−
1)を出力する。
【0043】これにより、演算回路17は、画像データ
Y(k)から係数器15の乗算結果βY(k−1)を減
算するが、この減算処理によって、目標物1以外の物体
である背景等が画像データY(k)から削除されること
になる。その理由は、例えば、画像データY(k)は、
図3に示すように、時々刻々と変化した場合、目標物1
は他の画素に移動するのに対し(時刻k=2,k=4の
とき隣の画素に移動している)、目標物1以外の物体で
ある背景等はほぼ静止(移動する場合でも緩やかにしか
移動しない)しているので、目標物1以外の物体である
背景等のデータは時刻の変化に伴って変化しないため、
今回の画像データY(k)から前回の画像データY(k
−1)を減算した場合には、目標物1以外の物体である
背景等のデータは削除されることになるからである。
【0044】従って、所定の重み係数βを1に設定すれ
ば、背景等を抑圧する上で最も効果があるが、目標物1
の移動があまり活発でない場合、目標物1のデータも抑
圧されてしまう危険性があるので、目標物1の移動の活
発度に応じて、適宜、βの値を0から1の間に設定する
必要がある。なお、背景等の輝度が、目標物1やノイズ
の輝度に比べて低い場合には、重み係数βの値は0若し
くはそれに近い値に設定すればよい。
【0045】そして、演算回路17は、上記減算処理の
他に、今回の画像データY(k)に、後述する画像処理
部18から前回出力された画像処理データV(k−1)
に所定の重み係数αが乗算された係数器16の乗算結果
αV(k−1)を加算することにより、画像データY
(k)に含まれるノイズを抑圧する処理も行う。この加
算処理によってノイズを抑圧できる理由は、図3に示す
ように、センサノイズは時間的な相関をもたないので、
時間の変化に伴って、ノイズはランダムに変動するのに
対し、目標物1は時間的な相関をもって他の画素に連続
的に移動するので(時刻k=2,k=4のとき隣の画素
に移動している)、現在の画像データY(k)に過去の
画像データを加算した場合、目標物1に対応する画素の
画素値が、ノイズに対応する画素の画素値に比べて相対
的に大きくなる結果、目標物1の画像のみが強調(目標
物1が同一の画素に存在している時間が長い程、強調さ
れる度合いが大きい)されて、目標物1とノイズの区別
が容易になるからである。
【0046】因に、重み係数αの値であるが、値が小さ
過ぎる場合(0に近過ぎる場合)には、過去の画像デー
タとの相関が十分にとれず、ノイズをあまり抑圧できな
い一方、値が大き過ぎる場合(1に近過ぎる場合)に
は、現在の画像データの重みが相対的に小さくなって目
標物1が初めて画像データのなかに出現してから検出さ
れるまでに要する時間が長くかかるので、ノイズの信号
レベルと目標物1の信号レベルに応じて、適宜、αの値
を0から1の間に設定する必要がある。
【0047】なお、上述した演算回路17の処理を演算
式で表すと下記のようになる。 U(k)=Y(k)−βY(k−1)+αV(k−1) ・・・(1)
【0048】次に、演算回路17の処理が終了すると、
画像処理部18は、演算回路17から出力された画像デ
ータU(k)を入力し、目標物1の画像を強調する処理
を行う。即ち、上述したように、ノイズを抑圧して目標
物1の画像を強調する処理を演算回路17が行うが、小
さい目標物1が高速に移動する場合には、十分に目標物
1の画像を強調することができないので、画像処理部1
8では、このように小さい目標物1が高速に移動する場
合であっても当該目標物の画像を強調できる処理を行
う。
【0049】具体的に説明すると、画像処理部18は、
演算回路17から出力された画像データU(k)を入力
すると、画像データU(k)を構成する各画素にそれぞ
れ着目し、着目した画素とその着目した画素の近傍に位
置する画素のなかで最も大きい画素値を有する画素を検
出し、その着目した画素の画素値をその検出した画素の
画素値に修正する処理を行うので、例えば、図4に示す
ように、X座標が251、Y座標が299,300,3
01の画素(U(k)251,299 、U(k)251,300 、U
(k)251,301 )に位置していた3画素分の大きさ有す
る目標物1が、X座標が250、Y座標が299,30
0,301の画素(U(k)250,299 、U(k)250,30
0 、U(k)250,301 )に移動した場合には、目標物1
に対応する画素の画素値は図4の通り修正される(図4
(a)は移動前、図4(b)は移動後を示す)。ただ
し、図4において、数字は当該画素の画素値を示し、数
字が未記載の画素は画素値が0であるとする。
【0050】さらに具体的には、例えば、U(k)251,
300 を着目画素とした場合、当該着目画素であるU
(k)251,300 の画素値は”3”であり、着目画素の近
傍に位置する画素(U(k)251,300 の周囲にある画素
(例えば、U(k)250,299 、U(k)252,299 、U
(k)251,301 等))の画素値は、”0”から”4”の
間である。従って、これらの画素のなかかで最も大きい
画素値を有する画素は、画素値”4”を有するU(k)
251,299 とU(k)251,301 であるので、着目画素であ
るU(k)251,300 の画素値は”3”から”4”に修正
される。他の画素は同様であるため説明を省略するが、
すべての画素(この例では、512×512個の画素)
に着目し、同様の修正を行えば、図4(b)に示す通り
となる。
【0051】なお、上述した画像処理部18の処理を演
算式で表すと下記のようになるが、図4からも明らかな
ように、当該画像処理部18の処理によって、小さい目
標物1の大きさが大きくなるとともに、目標物1に対応
する画素の画素値が大きくなる結果、目標物1を明確に
検出することができるようになる。 Vij(k)=max Ust(k) ・・・(2) ただし、s=i,i±1 t=j,j±1
【0052】次に、画像処理部18の処理が終了する
と、画像補正部19は、画像処理部18から出力された
画像処理データV(k)を入力し、画像処理データV
(k)の分解能を高め、目標物1が存在する位置を明確
にする処理を行う(因に、目標物1が存在する場所を明
確に示す必要がない場合には、当該画像処理データV
(k)を出力画像X(k)として出力してもよい。画像
補正部19の処理を施すと、目標物1の画像が小さくな
って多少目標物1の明確度が下がるからである。)。即
ち、画像補正部19は、画像処理部18から出力された
画像処理データV(k)を入力すると、画像処理データ
V(k)を構成する各画素にそれぞれ着目し、着目した
画素とその着目した画素の近傍に位置する画素のなかで
最も小さい画素値を有する画素を検出し、その着目した
画素の画素値をその検出した画素の画素値に修正する処
理を行う。
【0053】例えば、V(k)250,300 を着目画素とし
た場合、図4(b)に示すように、当該着目画素である
V(k)250,300 の画素値は”4”であり、着目画素の
近傍に位置する画素(V(k)250,300 の周囲にある画
素(例えば、V(k)249,299 、V(k)251,299 、V
(k)250,301 等))の画素値は、”3”から”4”の
間である。従って、これらの画素のなかかで最も小さい
画素値を有する画素は、画素値”3”を有するV(k)
249,300 等であるので、着目画素であるV(k)250,30
0の画素値は”4”から”3”に修正される。他の画素
は同様であるため説明を省略するが、すべての画素(こ
の例では、512×512個の画素)に着目し、同様の
修正を行えば図5に示す通りとなる。
【0054】なお、上述した画像補正部19の処理を演
算式で表すと下記のようになるが、図4(b)及び図5
からも明らかなように、当該画像補正部19の処理によ
って、目標物1の大きさが実際の大きさになるととも
に、目標物1に対応する画素の画素値が、A/D変換器
12により生成された画像データY(k)を構成する画
素の画素値に比べて大きくなる結果、目標物1の明確度
をあまり下げることなく、目標物1の存在位置を明確に
示すことができるようになる。 Xij(k)=min Vst(k) ・・・(3) ただし、s=i,i±1 t=j,j±1
【0055】そして、画像補正部19の処理結果である
出力画像X(k)がCRT14に送られると、CRT1
4が目標物1を含む出力画像X(k)を表示し、一連の
処理を終了する。
【0056】以上より、この実施例1によれば、小さい
目標物1が素早く移動する場合や目標物1以外の物体で
ある背景等が存在する場合でも、目標物1を明確に検出
することができるとともに、検出した目標物1が存在す
る位置を明確に示すことができる。
【0057】実施例2.本発明の他の実施例を図につい
て説明する。上記実施例1ではIRCCD11は静止し
ていたが、移動している即ち移動体の上にある場合を考
える。図6は実施例2に係わる画像処理回路13の詳細
な構成を示す構成図であり、上記実施例1の図2におけ
る係数器15の直前に演算部26と画像変換部27を加
えたものである。図において、26はA/D変換器12
により前々回生成された画像データY(k−2)と前回
生成された画像データY(k−1)を記憶しておき、そ
れら2枚の画像データの時間微分を算出するとともに、
それぞれの画像データの空間微分を算出し、それらから
画像データY(k−1)の各画素における速度場を求
め、それら速度場から目標物以外の背景に対する移動体
の相対運動量を求める演算部(相対運動量演算手段)、
27はA/D変換器12により前回生成された画像デー
タY(k−1)を構成する各画素にそれぞれ着目し、着
目した画素の位置に上記演算部26により求められた移
動体の運動により生じる画面上での移動量を加算し、そ
の加算された位置の画素の画素値を着目した画素の画素
値に修正し、修正後の画像データを画像変換データとし
て出力する画像変換部(第1の画像変換手段)、28は
A/D変換器12により今回生成された画像データY
(k)から画像変換部27の変換結果を減算するととも
に、その画像データY(k)に係数器16の乗算結果α
V(k−1)を加算し、その演算後の画像データU
(k)を出力する演算回路(この例では加算手段と減算
手段とを兼ねている)である。
【0058】次に動作について実施例1と異なるところ
のみを説明する。演算部26はA/D変換器12により
前々回生成された画像データY(k−2)と前回生成さ
れた画像データY(k−1)から、時刻(k−2)〜
(k−1)間の背景の移動量(速度場)を求め、それら
移動量(速度場)から目標物以外の背景に対する移動体
の相対運動量を求める。画像変換部27は演算部26に
より求められた移動体の運動により生じる画面上での移
動量を用いて、背景を時刻kのときの予想される位置に
移動させるべく画像データY(k−1)を変換する。そ
して、演算回路17によって、係数器15により乗算さ
れた画像変換部27からの変換データを、画像データY
(k)から減算する。この減算処理によって、移動体が
運動することによって目標物1以外の物体である背景が
相対的に移動する場合でも画像データY(k)から削除
される効果を奏する。
【0059】実施例3.本発明の他の実施例を図につい
て説明する。図7は実施例3に係わる画像処理回路13
の詳細な構成を示す構成図であり、上記実施例1の図2
における画像処理部18の前を演算部29と画像変換部
30と演算回路31に置き換えたものである。また、図
1におけるIRCCD11は移動体の上にある場合を考
える。図において、29はA/D変換器12により前回
生成された画像データY(k−1)と今回生成された画
像データY(k)を記憶しておき、それら2枚の画像デ
ータの時間微分を算出するとともに、それぞれの画像デ
ータの空間微分を算出し、それらから画像データY
(k)の各画素における速度場ベクトルを求める演算部
(速度場ベクトル演算手段)、30はそれら速度場ベク
トルから目標物以外の背景が移動体に対して相対運動を
行うことにより生じる平行もしくは放射線状のベクトル
成分を引き去り、残った成分の絶対値を新たな画素値と
する画像データを画像変換データとして出力する画像変
換部(第2の画像変換手段)、31は画像変換部30の
変換結果と係数器16の乗算結果αV(k−1)を加算
し、その演算後の画像データU(k)を出力する演算回
路(加算手段)である。
【0060】次に動作について実施例1と異なるところ
のみを説明する。演算部29はA/D変換器12により
前回生成された画像データY(k−1)と今回生成され
た画像データY(k)から、画像データY(k)の各画
素における速度場ベクトルを求める。画像変換部30は
それらの速度場ベクトルから目標物1以外の背景が移動
体に対して相対運動を行うことにより生じる平行もしく
は放射線状のベクトルの成分を引き去り、残った成分の
絶対値を新たな画素値とする。すなわち、目標物1の速
度場ベクトルから背景の速度場ベクトルに平行な成分を
引き去った残りの成分の絶対値が新たな画素値となる画
像データが生成される。この変換処理によって、移動体
が運動することによって目標物1以外の物体である背景
が相対的に移動する場合でも画像データY(k)から目
標物1を抽出できる効果を奏する。
【0061】実施例4.上記実施例1では、背景削除用
係数乗算手段及び目標物強調用係数乗算手段をそれぞ
れ、A/D変換器12又は画像処理部18から出力され
たデータを一定時間記憶し、その記憶したデータに重み
係数を乗算する係数器15,16で構成するものについ
て示したが、一定時間前のデータに重み係数を乗算でき
るものであればよく、例えば、A/D変換器12又は画
像処理部18から出力されたデータを一単位時間遅延さ
せる遅延素子と重み係数を乗算する乗算器で構成しても
よく、上記実施例1と同様の効果を奏する。
【0062】実施例5.上記実施例1から実施例3で
は、係数器16は画像処理部18の出力を入力するもの
について示したが、演算回路17の出力を入力するよう
にしてもよく、上記実施例1から実施例3と同様の効果
を奏する。
【0063】実施例6.上記実施例1から実施例3で
は、画像処理部18及び画像補正部19において、着目
画素に隣接する画素を比較対象とするものについて示し
たが、比較対象を広げ、例えば、着目画素から2つ離れ
た位置に存在する画素を比較対象に含めるようにしても
よく、上記実施例1から実施例3と同様の効果を奏す
る。また、画像処理部18では最大値に修正し、画像補
正部19では最小値に修正する場合について説明した
が、背景が明るく目標物が暗い場合には逆に、画像処理
部18では最小値に修正し、画像補正部19では最大値
に修正するとよい。
【0064】実施例7.上記実施例1から実施例3で
は、画像処理部18及び画像補正部19において、各画
素にそれぞれ着目し、着目画素の画素値を修正するもの
について示したが、図8に示すように、当該画像処理部
18及び画像補正部19を並列分散型のネットワークを
用いて構成した場合には、すべての画素の修正処理を並
列的に行えるようになる結果、当該修正処理を短時間で
完了できるようになる。
【0065】実施例8.上記実施例1から実施例3で
は、目標物1から放射される赤外線を検出するIRCC
D11を用いて画像データ生成手段を構成したものにつ
いて示したが、目標物1から放射される可視光線や紫外
線を検出するカメラを用いて画像データ生成手段を構成
してもよく、上記実施例1と同様の効果を奏する。
【0066】実施例9.図9は実施例9による目標物検
出装置を示す構成図であり、図において、21は画像処
理回路13から出力された出力画像X(k)を構成する
各画素の画素値が所定の閾値より大きいか否かを判定
し、所定の閾値より大きい画素値を有する画素には目標
物1が存在するものと判定する目標物判定回路(目標物
判定手段)である。
【0067】次に動作について説明する。CRT14を
目標物判定回路21に代えた点以外は、上記実施例1か
ら実施例3と同様であるため、目標物判定回路21につ
いてのみ説明する。即ち、目標物判定回路21は、画像
処理回路13から出力された出力画像X(k)を入力す
ると、各画素の画素値と所定の閾値を比較し、所定の閾
値より大きい画素値を有する画素には目標物1が存在す
るものと判定する。
【0068】例えば、閾値を”2”とした場合におい
て、出力画像X(k)が図5の通りであるとすれば、X
(k)250,299 、X(k)250,300 、X(k)250,301
、X(k)251,299 、X(k)251,300 、X(k)25
1,301 の画素に目標物1が存在しているものと判定す
る。これにより、CRT14の表示を見なくても、目標
物1の存在位置を明確に認識することができるようにな
る。
【0069】実施例10.上記実施例9では、CRT1
4を目標物判定回路21に代えたものについて示した
が、CRT14と目標物判定回路21の双方が設けられ
ていてもよく、上記実施例1から実施例3及び実施例9
と同様の効果を奏することができる。
【0070】実施例11.図10は実施例11による目
標物検出装置を示す構成図であり、図において、22は
画像処理回路の画像処理部18または画像補正部19か
ら出力された出力画像X(k)に含まれる所定の周波数
成分を除去する空間フィルタ(フィルタ)である。
【0071】次に動作について説明する。空間フィルタ
22は、出力画像X(k)から所定の周波数成分を除去
するものであるが、出力画像X(k)に含まれるノイズ
の周波数は、通常、あまり大きなばらつきがないので、
そのノイズの周波数成分を除去できるフィルタ22を設
ければ、出力画像X(k)に含まれるノイズを除去する
ことができる。これにより、更に目標物1の検出精度が
向上する。
【0072】実施例12.上記実施例9では、目標物1
の存在位置を認識するものについて示したが、図11に
示すように、目標物判定回路21が目標物1を検出した
場合には、ランプを点滅したり、ブザーを鳴らす等によ
って警報を発生する警報発生回路23(警報発生手段)
を設けてもよい。これにより、目標物1が検出されたこ
とを容易に知らしめることができる。
【0073】実施例13.図12は実施例13による目
標物検出装置を示す構成図であり、図において、24は
IRCCD11の撮像方向を代えるモータ等を有するジ
ンバル(制御手段)、25は目標物判定回路21により
目標物1が検出された場合、その目標物判定回路21の
判定結果に基づいてその目標物1が画像の中心に位置す
るようにジンバル24のモータを駆動し、IRCCD1
1の撮像方向を制御するジンバル制御回路(制御手段)
である。
【0074】次に動作について説明する。まず、目標物
判定回路21は、上述したように、目標物1が存在する
位置を認識すると、その存在位置を示す検出信号を出力
するので、ジンバル制御回路25は、その検出信号に基
づいて目標物1が画像の中心に位置するようにジンバル
24のモータを駆動し、IRCCD11の撮像方向を制
御する。例えば、画像が512×512の画素から構成
されている場合、X座標及びY座標が256の画素近傍
に目標物1が位置するように、IRCCD11の撮像方
向を制御する。
【0075】この結果、目標物1が検出されると、IR
CCD11は常に目標物1の正面を捉えて撮像するよう
になるので、目標物1の追尾が容易に図れるようにな
る。
【0076】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、目標物が存在しうる空間を撮像し、撮像信号の強さ
に応じた画素値を有する複数の画素で構成されている画
像データを周期的に生成する画像データ生成手段と、前
回の加算画像データまたは前回の画像処理データに所定
の重み係数を乗算する目標物強調用係数乗算手段と、上
記画像データ生成手段により今回生成された画像データ
に上記目標物強調用係数乗算手段の乗算結果を加算して
今回の上記加算画像データとして出力する加算手段と、
上記今回の加算画像データの各画素にそれぞれ着目し、
着目した画素とその着目した画素の近傍に位置する画素
のなかで最大または最小の画素値を有する画素を検出す
るとともに、その着目した画素の画素値をその検出した
画素の画素値に修正し、修正後の画像データを今回の上
記画像処理データとして出力する画像処理手段とを備え
たので、小さい目標物が移動する場合でも、その目標物
に対応する画素の画素値が大きくなり、目標物を明確に
検出することができる効果がある。
【0077】請求項2の発明によれば、画像データ生成
手段により前回生成された画像データに所定の重み係数
を乗算する背景削除用係数乗算手段と、上記画像データ
生成手段により今回生成された画像データから上記背景
削除用係数乗算手段の乗算結果を減算する減算手段とを
備えたので、目標物以外の物体である背景等の画像が画
像処理データから取り除かれる結果、目標物以外の物体
である背景等が存在する場合でも目標物を明確に検出す
ることができる効果がある。
【0078】請求項3の発明によれば、画像データ生成
手段の撮像は移動体の上から行われ、上記画像データ生
成手段により前回以前に生成された複数の画像データか
ら前回生成された画像データを構成する各画素における
速度場を求め、それら速度場から目標物以外の背景に対
する上記移動体の相対運動量を求める相対運動量演算手
段と、上記画像データ生成手段により前回生成された画
像データを構成する各画素にそれぞれ着目し、着目した
画素の位置に上記移動体の運動により生じる画像上での
移動量を加算し、その加算された位置の画素の画素値を
着目した画素の画素値に修正し、修正後の画像データを
画像変換データとして出力する第1の画像変換手段と、
上記第1の画像変換手段から出力された画像変換データ
に所定の重み係数を乗算する背景削除用係数乗算手段
と、上記画像データ生成手段により今回生成された画像
データから上記背景削除用係数乗算手段の乗算結果を減
算する減算手段とを備えたので、目標物以外の物体であ
る背景等の画像が画像処理データから取り除かれる結
果、目標物以外の物体である背景等が存在し、かつ、移
動体が移動することにより相対的に移動する場合でも目
標物を明確に検出することができる効果がある。
【0079】請求項4の発明によれば、画像データ生成
手段の撮像は移動体の上から行われ、上記画像データ生
成手段により今回以前に生成された複数の画像データか
ら今回生成された画像データを構成する各画素における
速度場ベクトルを求める速度場ベクトル演算手段と、そ
れらの速度場ベクトルから目標物以外の背景が上記移動
体に対して相対運動を行うことにより生じる平行もしく
は放射線状のベクトルの成分を引き去り、残った成分の
絶対値を新たな画素値とする画像データを画像変換デー
タとして出力する第2の画像変換手段とを備えたので、
目標物以外の物体である背景等の画像が画像処理データ
から取り除かれる結果、目標物以外の物体である背景等
が存在し、かつ、移動体が移動することにより相対的に
移動する場合でも目標物を明確に検出することができる
効果がある。
【0080】請求項5の発明によれば、画像処理手段か
ら出力された画像処理データを構成する各画素の画素値
が所定の閾値より大きいか否かを判定し、所定の閾値よ
り大きい画素値を有する画素には目標物が存在するもの
と判定する目標物判定手段を備えたので、表示された画
像を見なくても、目標物の存在位置を認識することがで
きる効果がある。
【0081】請求項6の発明によれば、画像処理手段か
ら出力された画像処理データを構成する各画素にそれぞ
れ着目し、着目した画素とその着目した画素の近傍に位
置する画素のなかで最小または最大の画素値を有する画
素を検出するとともに、その着目した画素の画素値をそ
の検出した画素の画素値に修正する画像補正手段を備え
たので、画像処理データの分解能が高められ、目標物の
存在位置を明確に示すことができる効果がある。
【0082】請求項7の発明によれば、画像処理手段ま
たは上記画像補正手段の出力側に、画像処理データから
所定の周波数成分を除去するフィルタを備えたので、画
像処理データから特定周波数成分のノイズが除去される
ようになり、目標物の検出精度が更に向上する効果があ
る。
【0083】請求項8の発明によれば、目標物判定手段
により目標物が検出された場合、警報を発生する警報発
生手段を備えたので、目標物が検出されたことを容易に
知らしめることができる効果がある。
【0084】請求項9の発明によれば、目標物判定手段
により目標物が検出された場合、その目標物判定手段の
判定結果に基づいてその目標物が画像の中心に位置する
ように上記画像データ生成手段の撮像方向を制御する制
御手段を備えたので、目標物が検出されると、画像デー
タ生成手段は常に目標物の正面を捉えて撮像するように
なる結果、目標物を容易に追尾できるようになる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1による目標物検出装置を示す構成図
である。
【図2】 実施例1に係わる画像処理回路13の詳細な
構成を示す構成図である。
【図3】 実施例1に係わる画像データの特性を説明す
る説明図である。
【図4】 実施例1に係わる画像データ及び画像処理デ
ータの画素値を示すデータ図である。
【図5】 実施例1に係わる出力画像の画素値を示すデ
ータ図である。
【図6】 実施例2に係わる画像処理回路13の詳細な
構成を示す構成図である。
【図7】 実施例3に係わる画像処理回路13の詳細な
構成を示す構成図である。
【図8】 実施例7による目標物検出装置を示す構成図
である。
【図9】 実施例9による目標物検出装置を示す構成図
である。
【図10】 実施例11による目標物検出装置を示す構
成図である。
【図11】 実施例12による目標物検出装置を示す構
成図である。
【図12】 実施例13による目標物検出装置を示す構
成図である。
【図13】 従来の目標物検出装置を示す構成図であ
る。
【図14】 目標物検出装置が積算回数を決定する処理
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 目標物、11 IRCCD、12 A/D変換器、
14 CRT、15係数器、16 係数器、17 演算
回路、18 画像処理部、19 画像補正部、21 目
標物判定回路、22 空間フィルタ、23 警報発生回
路、24 ジンバル、25 ジンバル制御回路、26
演算部、27 画像変換部、28 演算回路29 演算
部、30 画像変換部、31 演算回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−261482(JP,A) 特開 平6−219639(JP,A) 特開 昭63−142241(JP,A) 特開 平3−269391(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/00 G06T 7/20 200

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目標物が存在しうる空間を撮像し、撮像
    信号の強さに応じた画素値を有する複数の画素で構成さ
    れている画像データを周期的に生成する画像データ生成
    手段と、前回の加算画像データまたは前回の画像処理デ
    ータに所定の重み係数を乗算する目標物強調用係数乗算
    手段と、上記画像データ生成手段により今回生成された
    画像データに上記目標物強調用係数乗算手段の乗算結果
    を加算して今回の上記加算画像データとして出力する加
    算手段と、上記今回の加算画像データの各画素にそれぞ
    れ着目し、着目した画素とその着目した画素の近傍に位
    置する画素のなかで最大または最小の画素値を有する画
    素を検出するとともに、その着目した画素の画素値をそ
    の検出した画素の画素値に修正し、修正後の画像データ
    を今回の上記画像処理データとして出力する画像処理手
    段とを備えた目標物検出装置。
  2. 【請求項2】 上記画像データ生成手段により前回生成
    された画像データに所定の重み係数を乗算する背景削除
    用係数乗算手段と、上記画像データ生成手段により今回
    生成された画像データから上記背景削除用係数乗算手段
    の乗算結果を減算する減算手段とを備えたことを特徴と
    する請求項1記載の目標物検出装置。
  3. 【請求項3】 上記画像データ生成手段の撮像は移動体
    の上から行われ、上記画像データ生成手段により前回以
    前に生成された複数の画像データから前回生成された画
    像データを構成する各画素における速度場を求め、それ
    ら速度場から目標物以外の背景に対する上記移動体の相
    対運動量を求める相対運動量演算手段と、上記画像デー
    タ生成手段により前回生成された画像データを構成する
    各画素にそれぞれ着目し、着目した画素の位置に上記移
    動体の運動により生じる画像上での移動量を加算し、そ
    の加算された位置の画素の画素値を着目した画素の画素
    値に修正し、修正後の画像データを画像変換データとし
    て出力する第1の画像変換手段と、上記第1の画像変換
    手段から出力された画像変換データに所定の重み係数を
    乗算する背景削除用係数乗算手段と、上記画像データ生
    成手段により今回生成された画像データから上記背景削
    除用係数乗算手段の乗算結果を減算する減算手段とを備
    えたことを特徴とする請求項1記載の目標物検出装置。
  4. 【請求項4】 上記画像データ生成手段の撮像は移動体
    の上から行われ、上記画像データ生成手段により今回以
    前に生成された複数の画像データから今回生成された画
    像データを構成する各画素における速度場ベクトルを求
    める速度場ベクトル演算手段と、それらの速度場ベクト
    ルから目標物以外の背景が上記移動体に対して相対運動
    を行うことにより生じる平行もしくは放射線状のベクト
    ルの成分を引き去り、残った成分の絶対値を新たな画素
    値とする画像データを画像変換データとして出力する第
    2の画像変換手段とを備えたことを特徴とする請求項1
    記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 上記画像処理手段から出力された画像処
    理データを構成する各画素の画素値が所定の閾値より大
    きいか否かを判定し、所定の閾値より大きい画素値を有
    する画素には目標物が存在するものと判定する目標物判
    定手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4
    のうち何れか1項記載の目標物検出装置。
  6. 【請求項6】 上記画像処理手段から出力された画像処
    理データを構成する各画素にそれぞれ着目し、着目した
    画素とその着目した画素の近傍に位置する画素のなかで
    最小または最大の画素値を有する画素を検出するととも
    に、その着目した画素の画素値をその検出した画素の画
    素値に修正する画像補正手段を備えたことを特徴とする
    請求項1から請求項4のうち何れか1項記載の目標物検
    出装置。
  7. 【請求項7】 上記画像処理手段または上記画像補正手
    段の出力側に、画像処理データから所定の周波数成分を
    除去するフィルタを備えたことを特徴とする請求項1か
    ら請求項4のうち何れか1項記載の目標物検出装置。
  8. 【請求項8】 上記目標物判定手段により目標物が検出
    された場合、警報を発生する警報発生手段を備えたこと
    を特徴とする請求項5記載の目標物検出装置。
  9. 【請求項9】 上記目標物判定手段により目標物が検出
    された場合、その目標物判定手段の判定結果に基づいて
    その目標物が画像の中心に位置するように上記画像デー
    タ生成手段の撮像方向を制御する制御手段を備えたこと
    を特徴とする請求項5記載の目標物検出装置。
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