JP3296327B2 - 磁気記録装置の設計開発システム - Google Patents

磁気記録装置の設計開発システム

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JP3296327B2
JP3296327B2 JP11585599A JP11585599A JP3296327B2 JP 3296327 B2 JP3296327 B2 JP 3296327B2 JP 11585599 A JP11585599 A JP 11585599A JP 11585599 A JP11585599 A JP 11585599A JP 3296327 B2 JP3296327 B2 JP 3296327B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録装置の設計
開発システムに関し、特に、磁気ヘッドと磁気ディスク
媒体とのリード・ライトマージン(R/Wマージン)に
対応するSNR(signal to noise r
atio)マージンを容易に算出可能として、磁気記録
装置の開発工数の削減を図り、開発効率化を可能とした
磁気記録装置の設計開発システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年のPC、EWSなどの普及とマルチ
メディア化が進展するなかで、磁気記録装置は大容量化
の一途をたどっており、年率60%という脅威的なスピ
ードで記録密度の向上が図られている。その為、年々益
々高記録密度化が求められており、MR素子(磁気抵抗
効果素子)を再生素子に用いたヘッド(以下MRヘッド
と称す)やPRML(partial respons
e maximum likelihood)信号処理
技術など、新たな技術を導入し実現化する試みがなされ
ている。
【0003】情報処理システムのホストに接続して使用
される磁気記録装置の装置全体の性能は、装置構成主要
部品である磁気ヘッドと磁気ディスク媒体とに大きく左
右されるのが一般的であり、磁気記録装置の性能を決定
づける主な要因は、磁気ヘッドによって磁気ディスク媒
体上に記録再生(リードライト:R/W)した時の波形
品質である。
【0004】従って、磁気記録装置を開発設計する場合
には、図8に示すような電磁変換特性パラメータと称さ
れる波形品質を示す指標の測定を行い、評価を行うのが
一般的である。この電磁変換特性パラメータの測定につ
いては、磁気ヘッド及び磁気ディスク媒体の製造完了時
に、検査データとして簡単に測定できる。
【0005】ここで、上記電磁変換特性パラメータにつ
いて、MRヘッドによって磁気ディスク媒体に記録され
た波形の模式図を示す図9を参照して説明する。
【0006】図9を参照すると、孤立波出力とは波形干
渉がない状態での磁気記録信号の再生波形の振幅の大き
さを表す指標であり、特に、MRヘッドにおいては、図
9に示すように正の孤立波(positive pul
se)と負の孤立波(negative pulse)
とで振幅の大きさが異なるので、全体の孤立波出力とし
ては、以下のように表わされる。
【0007】 Viso=Vp+Vn (1) また、波形非対称性は、この振幅の大きさの違いのこと
であり、以下の式で表わされる。
【0008】 Asy={(Vp−Vn)/(Vp+Vn)}×100 (2) 孤立波半値幅は、孤立波形の出力50%の時間幅のこと
であり、再生波形の振幅と同様に、MRヘッドにおいて
は、正と負の孤立波の半値幅が異なるので、以下のよう
に表される。
【0009】 Pw50=(Pw50p+Pw50n)/2 (3) しかし、磁気ヘッド、磁気ディスク媒体は共に製造バラ
ツキがあり、その結果、その特性もバラツキが出てしま
うという宿命を背負っている。つまり、電磁変換特性パ
ラメータだけによる評価では、装置全体の性能に対する
十分条件の判断はできるが、装置の善し悪しの度合いの
正確な判断はできない。
【0010】そこで、電磁変換特性パラメータの測定結
果を用いたシミュレーション計算により、エラーに対す
る記録再生の余裕度(以下、R/Wマージンと称す)に
着目した指標について算出し、それを装置全体の性能と
して評価を行ったり、或いは、エラーを発生しやすくス
トレスをかけて、例えば磁気ヘッドを意図的にオフトラ
ックさせてエラーを発生しやすくさせたり、エラー閾値
を意図的に変えてエラーを発生しやすくさせたりして、
短時間にR/Wマージンを測定できるような工夫がなさ
れている。
【0011】特開平9−180373号公報では、位相
にストレスをかけた位相R/Wマージン、及び出力レベ
ル検出閾値にストレスをかけた出力レベルR/Wマージ
ンを短時間に測定し、各々の条件で最適値を求める技術
手法が開示されている。
【0012】しかし、新技術であるPRML信号処理方
式においては、上記位相にストレスをかけることが不可
能な為、短時間にR/Wマージンを測定することが困難
であり、膨大な時間及び手間を要してしまうという問題
がある。
【0013】一方、MRヘッドにおいては、従来の薄膜
ヘッド・MIG(metal ingap)ヘッドより
電磁変換特性のパラメータ数が多くなっているので、制
御が複雑になってくるという問題が発生している。更
に、磁気ヘッド個々の電磁変換特性は格段に良くなる
が、そのバラツキが従来の薄膜ヘッドより大変大きいと
いう問題も発生している。
【0014】従って、実測R/Wマージンではなく計算
機シミュレーションを用いて評価を行おうとすると、す
べての電磁変換特性パラメータの組み合わせにおいて行
わなければならなくなり、この手法においても、膨大な
時間がかかるという問題がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来の磁気記録
装置の設計開発手法は、PRML信号処理方式の技術を
用いたときは、位相にストレスをかけてエラーを発生し
易くさせることが不可能な為、短時間にR/Wマージン
を測定することができず、膨大な時間を要し、MRヘッ
ドを用いた場合には、電磁変換特性のパラメータ数が多
くなり、制御が複雑になってくると共に、磁気ヘッド個
々の電磁変換特性のバラツキが大きく、計算機シミュレ
ーションを用いて評価を行うとき、すべての電磁変換特
性パラメータの組み合わせにおいて行わなければならな
くなり、膨大な時間がかかるという課題がある。
【0016】本発明の目的は、測定した電磁変換特性毎
にその都度時間のかかる計算機シミュレーションを行わ
ずに、また、膨大な時間のかかるR/Wマージンの測定
評価を行わずに、R/Wマージンと同等のSNRマージ
ンを簡単に計算することのできる磁気記録装置の設計開
発システムを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録装置の
設計開発システムは、入力装置と、プログラム制御によ
り動作するデータ処理装置と、データ処理装置と接続さ
れデータ処理装置により演算した結果を出力する出力装
置と、データ処理装置と接続されデータ処理装置により
演算した結果を記憶する外部記憶装置とを有し、データ
処理装置は、演算式分析手段と、演算式を記憶する記憶
手段と、演算式分析手段と記憶手段とに接続され演算式
分析手段と記憶手段とを制御するシステムコントローラ
とを具備し、演算式分析手段は、磁気記録装置の電磁変
換特性パラメータより算出されるトータルSNR演算手
段と、電磁変換特性パラメータと信号処理方式とにより
算出される必要SNR演算手段と、トータルSNR演算
手段と必要SNR演算手段との差を算出するSNRマー
ジン演算手段とを有することを特徴とする。
【0018】トータルSNR演算手段は、磁気記録波形
の孤立波出力の信号振幅と、磁気ディスク媒体の雑音と
磁気ヘッドのアンプ雑音とからなる雑音との比の対数を
算出する手段を有することを特徴とする。
【0019】磁気ヘッドのアンプ雑音は、電圧性雑音と
電流性雑音とからなることを特徴とする。
【0020】必要SNR演算手段は、孤立波半値幅を規
格化した規格化半値幅と正負の孤立波の波形非対称性と
を算出する手段を有することを特徴とする。
【0021】規格化半値幅は、磁気記録波形の孤立波半
値幅を磁化反転時間で除して算出されることを特徴とす
る。
【0022】波形非対称性は、正負の孤立波の振幅の差
を正負の孤立波の振幅の和で除して算出されることを特
徴とする。
【0023】電磁変換特性パラメータは、孤立波出力
と、波形非対称性と、孤立波半値幅と、磁気ディスク媒
体の雑音と、磁気ヘッドのアンプ雑音と、磁気ヘッド抵
抗と、磁気ディスク媒体SNRと、オーバーライト損失
とからなることを特徴とする。
【0024】信号処理方式は、PR4ML(parti
al response class4 maximu
m likelihood)であることを特徴とする。
【0025】トータルSNR演算手段は、オーバーライ
ト時の出力信号振幅と、磁気ディスク媒体の雑音と磁気
ヘッドのアンプ雑音とからなる雑音との比の対数を算出
する手段を有することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】次に本発明の磁気記録装置の設計
開発システムの実施の形態について図面を参照して説明
する。
【0027】図1は、本発明の磁気記録装置の設計開発
システムの第一の実施の形態を示す構成ブロック図であ
る。
【0028】図1を参照すると、磁気記録装置の設計開
発システム30は、入力装置1と、プログラム制御によ
り動作するデータ処理装置2と、データ処理装置2と接
続されデータ処理装置2により演算した結果を出力する
出力装置3と、データ処理装置2と接続されデータ処理
装置2により演算した結果を記憶する外部記憶装置4と
から構成され、データ処理装置2は、演算式分析手段2
1と、演算式を記憶する記憶手段22と、演算式分析手
段21と記憶手段22とに接続され演算式分析手段21
と記憶手段22とを制御するシステムコントローラ(M
PU)23とで構成され、演算式分析手段21は、電磁
変換特性パラメータより算出されるトータルSNR演算
手段25と、電磁変換特性パラメータと信号処理方式と
により算出される必要SNR演算手段26と、SNRマ
ージン演算手段27とから構成されている。
【0029】次に、上述のように構成された磁気記録装
置の設計開発システム30の動作について説明する。
【0030】図2は、磁気記録装置の設計開発システム
30の動作をフローチャートで示す図である。
【0031】図2を参照すると、まず、ステージ1で
は、新規に本発明の磁気記録装置の設計開発システム3
0を構築するか否かを判断し、YESの場合はステージ
2へ、NOの場合はステージ3に分岐する。
【0032】ステージ3では、必要SNR演算手段26
にて適用している後述の必要SNR演算式について、再
構築をする必要があるかどうかを判断し、YESであれ
ばステージ4に、NOであればステージ5に分岐する。
【0033】ステージ2では、予め、SNRを変化させ
るとビットエラーレート(以下BERと称す)がどのよ
うに変化するかを計算機シミュレーションによって様々
な条件下で検討をする。但し、磁気記録装置を設計開発
する度(仕様変更毎)に、この元となる計算機シミュレ
ーションをしていたのでは、設計開発工数面から得策で
はないので、なるだけ共通となるように規格化して行う
方が都合がよい。そこで、本実施の形態では、磁気記録
波形(孤立波形)のモデルとして一般的なローレンツ波
形(yとする)を用いた計算機シミュレーションとす
る。
【0034】このローレンツ波形は、単純な重畳(重ね
合わせ)計算を用いることにより、実際の磁気記録装置
内のデータ系列に対応する磁気記録波形を簡単に表記す
ることができ、更に、重畳されたローレンツ波形におい
て、2次歪み(D)のパラメータを用いて、波形振幅に
非対称性を持たせることができる。つまり、MRヘッド
の再生波形のような非対称性のある波形を、うまく表記
することができる。
【0035】ここで、一般的なローレンツ波形の関数式
を以下に示す。
【0036】 y(t)=Viso/{1+(2t/Pw50)2 } (4) 但し、tは時間成分である。
【0037】また、重畳したローレンツ波形をz(t)とす
ると、非対称性のある波形は以下のように表すことがで
きる。
【0038】 Z(t)=z(t)+z(t)2 ×D (5) 但し、Dは波形非対称性を示す(D=Asy)。
【0039】一方、孤立波半値幅についても、できるだ
け各装置共通化して使用することができるように、規格
化することにする。本実施の形態では、チャネル内部の
磁化反転時間(Tc)で割った変換式により規格化半値
幅(K)として、ユーザーの転送レートとチャネル内部
の転送レートとの比(コードレート)の違いによる必要
SNRの差をなくすことができる。規格化半値幅(K)
は、次式で表示される。
【0040】 K=Pw50/Tc (6) 図3に、信号処理方式をPR4MLとし、規格化半値幅
K=2とした場合において、2次歪み(D)をパラメー
タとしてSNRとBERとの関係を示す計算機シミュレ
ーション結果の一例を示す。なお、実際には図3の条件
以外の様々なK及びDの組み合わせで行なう必要があ
る。
【0041】次に、ステージ4について詳細に説明す
る。
【0042】まず、磁気記録装置全体としての設計目標
となるBERとSNRとの関係について説明する。
【0043】装置の設計目標BERは、エラーコレクシ
ョンコード(ECC)によって異なるのが一般的であ
り、更に、設計思想によっても異なるが、生のビットエ
ラーレートとして、BER=10-6の場合にどれだけR
/Wマージンがあるかをみることとする。図3に示すS
NRとBERとの関係を示す計算機シミュレーション結
果より、まず、BER=10-6を満たすSNRを読み取
る。次にその結果を用いて、最小二乗法による2次関数
式として、各条件での必要SNR式を導出する。SNR
とKとの関係を図4、SNRとDとの関係を図5に各々
示す。
【0044】最後に、上記2次関数式を元に、いかなる
K及びDにおいても必要SNRを計算できるように、係
数を検討する。本実施の形態においては、各係数は以下
のように表すことができる。
【0045】 必要SNR=(−4.446)×K+2.095×K2 +4.498×10 -3 ×D2 +23.642 (7) これを必要SNR関数式とし、必要SNR演算手段26
に適用する。この必要SNR関数式を、設計開発システ
ムとしていつでもこれを呼び出し演算できるようにする
場合には、データ処理装置2の記憶手段22によって、
上記演算式を記憶しておく。
【0046】次に、ステージ5では、トータルSNR演
算手段25にて適用している後述のトータルSNR演算
式について、再構築をする必要があるかを判断し、新規
にトータルSNR演算式を作成する場合、或いは現状の
関数式を更新する場合は、ステージ6に分岐し、それ以
外の場合はステージ7に分岐する。
【0047】次に、ステージ6におけるトータルSNR
演算式の導出について説明する。
【0048】トータルSNRは、実際に測定した電磁変
換特性パラメータより計算されるSNRであり、磁気記
録装置においては、信号振幅(S)と雑音(N)との比
を対数で表したものであり、以下の式で表される。
【0049】 トータルSNR=20Log(S/N) (8) ここで磁気記録装置においては、信号振幅と雑音とは一
般的に以下の式で計算される。
【0050】 S=Viso/2 (9) N2 =Nm2 +Nc2 (10) 上式において、媒体雑音(Nm)は実測値をパラメータ
として入力することができ、ヘッドアンプ雑音(Nc)
については、電圧性雑音(Vn)と電流性雑音(In)
とからなり、以下のような関係式になる。
【0051】 Nc2 =Vn2 +(In×Rmr)2 (11) 但し、Rmrは、磁気ヘッド抵抗であり、Ncについて
は実測値を毎回使用するようにしても良いが、Vn及び
Inは磁気ヘッドからの信号を増幅する回路に依存し、
バラツキが少ないので、Vn及びInを固定値としても
よい。
【0052】これらをトータルSNR演算式として、ト
ータルSNR演算手段25に適用する。このトータルS
NR演算式を、設計開発システムとしていつでもこれを
呼び出し演算できるようにする場合には、データ処理装
置2の記憶手段22によって、トータルSNR演算式を
記憶しておく。
【0053】次に、ステージ7では、実際の磁気ヘッド
・磁気ディスク媒体を用いて、図8に示す電磁変換特性
パラメータを測定する。なお、任意の条件で各々実測し
ても良いし、磁気ヘッドや磁気ディスク媒体の出荷検査
データなどを流用しても良い。
【0054】次に、ステージ8では、ステージ7よって
得られた電磁変換特性パラメータを、入力装置1を用い
てデータ処理装置21に送信し、データ処理装置21の
トータルSNR演算手段25において、トータルSNR
を演算する。
【0055】トータルSNRを演算後、ステージ9で
は、ステージ8と同様に、ステージ7よって得られた電
磁変換特性パラメータを、入力装置1を用いてデータ処
理装置21に送信し、データ処理装置21の必要SNR
演算手段26において、必要SNRを演算する。
【0056】次に、ステージ10では、SNRマージン
演算手段27で、ステージ8及びステージ9にて演算さ
れたトータルSNRと必要SNRとの差を演算し、SN
Rマージンを算出し、SNRマージンにより良否判定及
び検討を行う。良否判定の一例としては、上記演算手段
に盛り込まれていないR/Wマージン損失要因よりもS
NRマージンが大きいかどうかを判定する。例えば、上
述の演算式の場合には、オフトラック要因によるR/W
マージンの悪化については盛り込まれていないので、そ
の悪化見積もり分以上にSNRマージンが大きい磁気ヘ
ッドと磁気ディスク媒体の組み合わせにおいては良と判
定する。逆に、SNRマージンが小さければ不良と判定
し、部品交換・部品仕様変更・測定条件変更・設計仕様
変更などの検討を行う。なお、磁気ヘッド・磁気ディス
ク媒体個々についての検討を行っても良いし、いくつか
サンプルを取り、統計的手法により検討しても良い。そ
の検討結果を出力装置3に出す。また、任意の時に出力
装置3に出される結果を外部記憶装置4に記憶させる。
【0057】次に、ステージ11では、ステージ10の
検討結果に従い、他の条件・或いは他の部品の検討を行
うか否かの判断をする。
【0058】以上説明したように、ステージ1〜11の
動作により、図8に示すような電磁変換特性パラメータ
について測定をすれば、SNRマージンを演算すること
ができ、短時間に従来のR/Wマージンと同様の結果を
得ることができる。
【0059】なお、仮にBER=10-5でのSNRマー
ジンを演算したい場合は、時間のかかる計算機シミュレ
ーションの再実行、及びトータルSNR計算式の再構築
をする必要がない。図3及びその他の条件時においての
SNRとBERとの計算機シミュレーション結果より、
BER=10-5を満たすSNRを読み取り、そのデータ
を用いて、上述のBER=10-5でのSNRマージン演
算と同様の作業をするだけで、SNRマージンの演算が
可能である。
【0060】次に、本発明の磁気記録装置の設計開発シ
ステム30のSNRマージンと、磁気記録装置の従来の
方法で測定したR/Wマージンとの比較結果について説
明する。
【0061】図6(a)は、本発明の磁気記録装置の設
計開発システム30により得られたSNRマージンと、
従来の方法で測定されたR/Wマージンとの対比を示す
図である。
【0062】図6(a)を参照すると、横軸は本発明の
磁気記録装置の設計開発システム30から得られた結果
のSNRマージン、縦軸は従来のR/Wマージン(Vi
terbi Margin)測定結果とし、図中の実線
はSNRマージンを従来の方法で測定されたR/Wマー
ジン値に変換する理論式を示しているが、実測値は理論
式曲線と比較すると若干のバラツキが出てはいるが、S
NRマージンは磁気記録装置の実測されたR/Wマージ
ンから計算できる理論値と比較的よく一致しているとい
える。
【0063】また、図6(b)は、磁気記録装置設計開
発時において、電磁変換特性パラメータを測定した結果
をプロットしたものである。測定条件は、磁気ディスク
媒体は特定のある一枚に固定し、磁気ヘッドは40サン
プルについて測定を行い、その実測データの内、孤立波
出力(Viso)及び孤立波半値幅(Pw50)につい
てプロットしている。なお、横軸に孤立波半値幅、縦軸
に孤立波出力を表し、この磁気記憶装置において、従来
まで使用していたPw50の規格値及びVisoの規格
値を破線でそれぞれ示す。更に、この磁気記録装置で用
いた本発明の磁気記録装置の設計開発システム30によ
って演算された結果を実線で表す。
【0064】図6(b)を参照すると、従来の規格値を
満たす磁気ヘッドは、Pw50が狭くVisoが大きい
破線で囲まれたエリアにある14サンプルである。従っ
て、歩留りとしては、35.0%となる。しかし、R/
Wマージンから、装置として使用できる磁気ヘッドとい
う観点から検討すると、実線より右上のエリアにある磁
気ヘッドであり、30サンプルが良品であり、歩留まり
としては、75.0%となる。つまり、従来の規格値を
用いる方法では、本来、使用可能な磁気ヘッドまで、不
良と判定していることが分かる。
【0065】次に本発明の磁気記録装置の設計開発シス
テムの第二の実施の形態について説明する。
【0066】第二の実施の形態は、本発明の磁気記録装
置の設計開発システム30の精度を上げるために、PR
4ML信号処理方式において、O/W(オーバーライ
ト)による損失をも考慮したものであり、第一の実施の
形態と異なる点は、トータルSNRの演算式において、
第一の実施の形態では信号振幅に孤立波振幅(Vis
o)を用いるのに対して、第二の実施の形態ではO/W
込みの出力振幅(Vow)を用いて演算を行う点のみで
あり、他は第一の実施の形態と同一のため、以下、異な
る点に関して重点的に説明する。
【0067】まず、O/Wによる損失について、理想的
なPR4ML等化器通過後の孤立波波形を示す図7を参
照して説明する。
【0068】図7の○印に示すように、理想的なPR4
MLの伝達関数においては、サンプリング点が±1か0
と言う3値しか出てこないという信号体系である。ま
た、信号体系のサンプリング値としては出てこないが、
アナログ波形としてのピークの値はサンプリング値1の
1.29倍となることが分かっている。
【0069】実際には色々な雑音があり、信号波形をP
R4ML伝達関数に通すと、■印のようなサンプリング
点となり、理論値に対してバラツキが出てくる。この
内、O/Wに依るバラツキ分、即ちO/Wに依る損失分
の導出としては、出力振幅がO/Wにより低下し、トー
タルSNRに影響すると見なせる。つまり、装置全体に
与えるO/Wによる損失は、信号振幅がO/Wによりど
の程度に低下するかについて検討すればよく、出力振幅
の最大値であるピークが書き残りサンプリング点に重畳
した場合が、最悪値であり、ピーク値はサンプリング値
の1.29倍であるので、その値に連動した低下と見な
すことができる。
【0070】従って、O/W込みの出力振幅(Vow)
は以下のような関係式で導出できる。
【0071】 Vow=Viso×(1−1.29×10(O/W/20) ) (12) 次に、図2に示すフローチャートのステージ5におい
て、トータルSNR演算式の再構築を選択し、ステージ
6で上記検討を盛り込めば、O/Wを考慮した設計開発
システムを構築することができる。つまり、トータルS
NR演算式の導出において、信号振幅(S)に孤立波振
幅(Viso)を用いる代わりに、O/W込みの出力振
幅(Vow)を用いることにより、O/Wによる損失に
ついてをも考慮した設計開発システムとすることができ
る。
【0072】なお、上述の第一および第二の実施の形態
では、信号処理方式としてPR4ML処理方式について
述べたが、EPR4ML(expand partia
lresponse class4 maximum
likelihood)、EEPR4ML(expan
d expand partial response
class4 maximum likelihoo
d)、ピークディテクションの各信号処理方式について
も、データ処理装置2の演算式分析手段21により、S
NRマージンの演算が可能であり、本発明に含まれるこ
とはいうまでもない。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気記録
装置の設計開発システムは、従来多大な時間と労力をか
けていたR/Wマージンの測定をすることなく、磁気ヘ
ッドと磁気ディスク媒体との記録再生マージンに対応す
るSNRマージンを容易に算出することが可能となり、
磁気記録装置の開発工数の削減を図り、開発効率化がで
きるという効果がある。
【0074】また、構成部品である磁気ヘッド及び記録
媒体に関して、精度良く良否判定することが可能とな
り、歩留り及び信頼性を向上できるという効果がある。
【0075】更に、必要SNRの関数式を規格化してい
るので、種々の磁気記録装置において共通に使用するこ
とができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録装置の設計開発システムの一
実施の形態を示す構成ブロック図である。
【図2】本発明の磁気記録装置の設計開発システムの動
作を示すフローチャート図である。
【図3】計算機シミュレーションによるSNRとBER
との関係を示す図である。
【図4】SNRとKとの関係を示す図である。
【図5】SNRとDとの関係を示す図である。
【図6】図6(a)は、本発明の磁気記録装置の設計開
発システムにより得られたSNRマージンと、従来の方
法で測定されたR/Wマージンとの対比を示す図、図6
(b)は、電磁変換特性パラメータを測定した結果を示
す図である。
【図7】PR4ML等化器通過後の孤立波波形を示す図
である。
【図8】電磁変換特性パラメータを示す図である。
【図9】MRヘッドによって磁気ディスク媒体に記録さ
れた波形の模式図を示す。
【符号の説明】
1 入力装置 2 データ処理装置 3 出力装置 4 外部記憶装置 21 演算式分析手段 22 記憶手段 23 システムコントローラ(MPU) 25 トータルSNR演算手段 26 必要SNR演算手段 27 SNRマージン演算手段 30 磁気記録装置の設計開発システム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/00 - 5/02 G11B 5/09 G11B 20/10 G11B 20/18

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力装置と、プログラム制御により動作
    するデータ処理装置と、前記データ処理装置と接続され
    前記データ処理装置により演算した結果を出力する出力
    装置と、前記データ処理装置と接続され前記データ処理
    装置により演算した結果を記憶する外部記憶装置とを有
    し、前記データ処理装置は、演算式分析手段と、演算式
    を記憶する記憶手段と、前記演算式分析手段と前記記憶
    手段とに接続され前記演算式分析手段と前記記憶手段と
    を制御するシステムコントローラとを具備し、前記演算
    式分析手段は、磁気記録装置の電磁変換特性パラメータ
    より算出されるトータルSNR演算手段と、前記電磁変
    換特性パラメータと信号処理方式とにより算出される必
    要SNR演算手段と、前記トータルSNR演算手段と前
    記必要SNR演算手段との差を算出するSNRマージン
    演算手段とを有することを特徴とする磁気記録装置の設
    計開発システム。
  2. 【請求項2】 前記トータルSNR演算手段は、磁気記
    録波形の孤立波出力の信号振幅と、磁気ディスク媒体の
    雑音と磁気ヘッドのアンプ雑音とからなる雑音との比の
    対数を算出する手段を有することを特徴とする請求項1
    記載の磁気記録装置の設計開発システム。
  3. 【請求項3】 前記磁気ヘッドのアンプ雑音は、電圧性
    雑音と電流性雑音とからなることを特徴とする請求項2
    記載の磁気記録装置の設計開発システム。
  4. 【請求項4】 前記必要SNR演算手段は、孤立波半値
    幅を規格化した規格化半値幅と正負の孤立波の波形非対
    称性とを算出する手段を有することを特徴とする請求項
    1記載の磁気記録装置の設計開発システム。
  5. 【請求項5】 前記規格化半値幅は、磁気記録波形の孤
    立波半値幅を磁化反転時間で除して算出されることを特
    徴とする請求項4記載の磁気記録装置の設計開発システ
    ム。
  6. 【請求項6】 前記波形非対称性は、前記正負の孤立波
    の振幅の差を前記正負の孤立波の振幅の和で除して算出
    されることを特徴とする請求項4記載の磁気記録装置の
    設計開発システム。
  7. 【請求項7】 前記電磁変換特性パラメータは、前記孤
    立波出力と、前記波形非対称性と、前記孤立波半値幅
    と、前記磁気ディスク媒体の雑音と、前記磁気ヘッドの
    アンプ雑音と、磁気ヘッド抵抗と、磁気ディスク媒体S
    NRと、オーバーライト損失とからなることを特徴とす
    る請求項1記載の磁気記録装置の設計開発システム。
  8. 【請求項8】 前記信号処理方式は、PR4MLである
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録装置の設計開
    発システム。
  9. 【請求項9】 前記トータルSNR演算手段は、オーバ
    ーライト時の出力信号振幅と、前記磁気ディスク媒体の
    雑音と前記磁気ヘッドのアンプ雑音とからなる雑音との
    比の対数を算出する手段を有することを特徴とする請求
    項1記載の磁気記録装置の設計開発システム。
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