JP3294545B2 - 建築用複合外装部材、並びにその成形方法、及び装置 - Google Patents

建築用複合外装部材、並びにその成形方法、及び装置

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JP3294545B2
JP3294545B2 JP34204597A JP34204597A JP3294545B2 JP 3294545 B2 JP3294545 B2 JP 3294545B2 JP 34204597 A JP34204597 A JP 34204597A JP 34204597 A JP34204597 A JP 34204597A JP 3294545 B2 JP3294545 B2 JP 3294545B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の外壁の各
階の境界部に取付けられる断面略C字状をした化粧胴差
し等の建築用複合外装部材、並びにその成形方法及び装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物には、化粧胴差し、笠木、鼻隠
し、水切り等の長尺状の外装部材が各所で使用されてい
る。現在使用されている上記外装部材は、その材質によ
って、窯業系、発泡樹脂系、金属引抜材系に大別され
る。窯業系のものは、風合いが外壁パネルに合致してい
て見栄えがよく、防火・耐火性に優れ、しかも高級感を
有する等の利点を有する反面、重量があって、割れ易い
ために、その施工及び取扱いが難しくなり、しかもコス
トが嵩む等の欠点を有する。
【0003】また、発泡PVCで代表される発泡樹脂系
のものは、前記窯業系に比較して、軽量で、しかも割れ
にくいために、施工・取扱性がよい利点がある反面、表
面の風合いが外壁になじみにくいために、高級感に欠
け、しかも防火・耐火性が低い等の欠点を有する。更
に、アルミニウム引抜材で代表される金属引抜材系のも
のは、軽量で、割れにくく、しかも防火性に優れている
利点がある反面、表面の金属色からして、高級感及び重
量感に欠け、しかも断面形状及び表面色の自由度が低い
欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、窯業
材の有する良好な風合いを備えていて、しかも耐割れ強
度の高い建築用複合外装部材(以下、単に「複合外装部
材」と略す)を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明に係る複合外装部材は、押出成形によって、変
形可能な断面略C字状をした芯金の外側にセメント層が
被覆されて、両者は、形状的嵌合により一体化されてい
ることを、その特徴としている。
【0006】本発明に係る複合外装部材は、変形可能な
断面略C字状をした芯金と、該芯金の表面側に形状的嵌
合により一体に被覆されるセメント層とで構成される。
この芯金は、表面側に被覆されたセメント層の硬化時の
収縮に対応可能なように僅かに変形可能になっているこ
と、及びその表面側に被覆されるセメント層との嵌合部
を備えた断面略C字状をしていることに特徴を有する。
【0007】また、押出成形時において、口金からは、
低速度で走行している断面略C字状の芯金の表面側にセ
メント原料が被覆された状態で押し出される。そして、
押出し後においては、自然放置、或いは養生させること
によって、芯金の表面側に被覆されたセメント層が硬化
される。セメント層は、その硬化時において僅かに収縮
するが、上記したように芯金が僅かに変形可能であるた
めに、セメント層の収縮に追従して芯金が変形されるた
めに、収縮したセメント層には、ひび、割れ等が全く、
或いは殆ど発生しない。そして、芯金は、嵌合部、凹凸
部、アンダーカット部等を備えた断面略C字状をしてい
るために、セメント層の一部が前記嵌合部等に入り込む
ことにより、このセメント層は、芯金と形状的に嵌合さ
れて、両者は、一体化される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて、本発明に
ついて更に詳細に説明する。本発明に係る複合外装部材
の一つとして、図1及び図2に示されるような化粧胴差
しG1 が挙げられる。この化粧胴差しG1 は、後述する
連続押出成形方法によって、薄金属製の芯金Mの外側に
セメント層Cが被覆された構成である。芯金Mは、断面
略C字状になっていて、その開口側の両端部は、それぞ
れ内側に折り曲げられていて嵌合部1を形成しており、
該嵌合部1の内側は、更に背板部2の側に向けて折り曲
げられて、後述の取付金具41に対して係合される係合
部3を形成している。芯金Mは、薄金属で成形されてい
るために、その全体が変形可能となっており、特に、開
口側の両端の前記嵌合部1の部分は、自由端となってい
るために、前記背板部2の部分に比較して相対的に大き
く変形し得る構造となっている。本実施例の芯金Mは、
背板部2における使用状態において上端となる部分は、
僅かに折り曲げられて段差状になっているが、当該段差
部は、外観美を確保するためのものであって、芯金Mの
外側にセメント層Cが被覆された構成を特徴とする本発
明においては、特徴的部分を構成しない。
【0009】一般に金属に対するセメントの付着性は良
好でないために、芯金Mに対してセメント層Cを一体化
させることが難しいが、本発明に係る複合外装部材は、
セメント層Cの単体では、割れ易いために、その補強材
として使用される芯金Mの形状に着目し、この芯金Mと
セメント層Cとを形状的に嵌合させることにより、両者
を一体化させることに最も大きな特徴がある。本実施例
においては、芯金Mの嵌合部1の外側にセメント層Cが
被覆されており、この部分における芯金Mの嵌合部1
と、その外側に被覆されるセメント層Cの被覆部4との
嵌合により、両者を一体化させている。
【0010】また、セメント層Cは、その硬化時に収縮
するために、補強材として使用される芯金Mが、前記セ
メント層Cの収縮を吸収しない構造にしないと、該セメ
ント層Cにひび、割れ等が発生して、金属芯金Mとセメ
ント層Cとから成る複合外装部材の実用化はできない。
本発明に係る複合外装部材は、セメント層Cの収縮とい
う不可避的な問題に対しては、補強材としての芯金Mを
セメント層Cの収縮力によって自在に変形させることに
より、解決した。即ち、連続押出成形方法によって、芯
金Mの外側に所定厚のセメント層Cを被覆させた後にお
いて、該セメント層Cが、自然放置、或いは養生によっ
て硬化させられる際の収縮力に追従して、芯金Mが変形
されることにより、セメント層Cの硬化時において、該
セメント層Cにひび、割れ等が発生するのが防止される
ことが、実験により確認された。後述する実験データに
示されるように、芯金Mの変形は、その開口部が拡がる
ことを主体としている。
【0011】引き続いて、上記化粧胴差しG1 の連続押
出成形方法と、その装置について説明する。図3は、こ
の押出成形方法に使用される成形装置の一部を破断した
斜視図であり、図4は、同じく平面図であり、図5は、
同じく右側面図であり、図6は、図4のX−X線断面図
であり、図7は、図5のY−Y線断面図であり、図8
は、図6のZ−Z線断面図である。この成形装置は、口
金11と、その上部に一体に設けられた原料供給体12
とで構成される。口金11と原料供給体12とは、これ
らが接合される側に設けられた各フランジ13,14が
複数本のボルト15を介して一体となっている。原料供
給体12には、第1流量調整装置F1 が設けられ、口金
12には、第2流量調整装置F2 が設けられている。口
金11は、口金本体11aと、該口金本体11aに対し
て嵌合される口金嵌合体11bとで構成される。口金本
体11aには、押出材(胴差しG1 )の押出方向Qに沿
って大きな溝部16(図7参照)が上面に開口して形成
され、該溝部16の底部には、前記芯金Mの内面側の形
状に対応した芯金案内体17が上方に突出して前記押出
方向Qに沿った全長に亘って設けられている。
【0012】口金本体11aの前記押出方向Qに沿った
後半部には、前記第2流量調整装置F2 が設けられてい
る。この第2流量調整装置F2 は、芯金案内体17の外
周面に芯金Mが被覆された状態において、前記溝部16
の空間部に対応する横断面形状を有する調整体18と、
該調整体18を前後動させるための一対の調整ボルト1
9とで構成される。調整体18の両側面には、それぞれ
螺合体21が突設されて、各螺合体21は、口金本体1
1aの溝部16の内壁面に開口して、前記押出方向Qに
沿って設けられた螺合体案内溝22に嵌合されている。
一方、口金本体11aの背面には、一対のボルト支持体
23が取付けられ、前記調整ボルト19に設けられたガ
イド鍔19aがボルト支持体23にガイドされることに
より、該調整ボルト19は、回転のみ可能であって、軸
方向に移動しない状態でボルト支持体23に支持され、
その先端部が前記螺合体21に螺合されている。
【0013】一方、原料供給体12は、正面視がエルボ
状になっていて、その原料供給孔24と前記口金本体1
1aの溝部16とは、直交した状態で接続されている。
原料供給体12に設けられた原料供給孔24は、口金本
体11aとの接続部の直前に至るまでの断面円形の一般
孔部24aと、口金本体11aの溝部16と接続してい
て、前記一般孔部24aの内径を長辺とする方形状の接
続孔部24bと、両孔部24a,24bとを連結してい
るテーパー状の連結孔部24cとから成る。前記第2流
量調整装置F2 の主要部を構成する調整体18の前端で
あって、しかも上端となる部分は、傾斜面に形成され
て、押出方向Qと直交する方向から供給されたセメント
原料C’を誘導して、その流動方向をほぼ直角に変換さ
せるための原料誘導面18aとなっている。一対の調整
ボルト19により調整体18を進退させると、原料供給
孔24の接続孔部24bの開口面積が調整されて、口金
11に供給されるセメント原料C’の調整が行われる。
【0014】また、口金本体11aの溝部16の前記押
出方向Qに沿った前半部には、該溝部16の底部に突設
された芯金案内体17との間において、芯金Mの表側に
セメント層Cが被覆された胴差しG1 が通過し得る成形
空間を残して、口金嵌合体11bが嵌合されている。こ
の口金嵌合体11bは、口金本体11aの前面に複数本
のボルト25を介して固定されている。
【0015】また、前記第1流量調整装置F1 は、口金
11の上方に一体に取付けられた原料供給体12のフラ
ンジ14の部分に設けられている。このフランジ14に
は、その前端面と、前記接続孔部24bとの双方に開口
していて、平面形状と断面形状の双方が方形状をした貫
通孔26に、断面方形状の多数の調整ロッド27が前後
方向に出入り可能に配設されて、横断面視において、該
貫通孔26は、多数本の調整ロッド27により完全に閉
塞される構成である。即ち、原料供給体12のフランジ
14の前端面には、前記ボルト支持体23と同一構成で
あって、多数本の調整ボルト29の支持が可能なボルト
支持体28が取付けられていて、多数の調整ロッド27
のそれぞれに調整ボルト29が螺合されていると共に、
そのガイド鍔部29aが前記ボルト支持体28に回転可
能であって、しかも軸方向に移動不能に支持されてい
る。このため、多数の調整ロッド27は、それぞれ個別
に前後動させることができて、前記接続孔部24bに対
する侵入長は、各調整ロッド27毎に異ならしめること
が可能となる。
【0016】即ち、押出成形装置の口金11を貫通して
走行する芯金Mは、断面略C字状をしているために、該
芯金Mの外周面側に供給されるセメント原料C’の流量
は、断面視において長方形状をしている接続孔部24b
の長手方向(芯金Mの幅方向)に沿って異ならしめる必
要がある。即ち、長方形状の接続孔部24bの長手方向
の中央部から両端部にゆくに従って、その流量を多くす
る必要があり、前記第1流量調整装置F1 によれば、こ
れを構成する多数の調整ロッド27が個別に前後動する
ので、長方形状の接続孔部24bの長手方向に沿った流
量調整が可能となる。なお、調整ロッド27の先端部の
縦断面形状は、当該部分を通過するセメント原料C’の
流動抵抗を小さくするために、半円状となっている。
【0017】このように、上記成形装置では、流量調整
専用の第1流量調整装置F1 と、口金11に供給(圧
入)されるセメント原料C’の流動方向を大きく変更さ
せる機能を併有した第2流量調整装置F2 とが、口金1
1と原料供給体12との接続部において相上下して配設
されている。よって、芯金Mの幅方向に沿ってセメント
原料C’を不均等に供給できる機能を備えた前記第1流
量調整装置F1 と、第2流量調整装置F2 との2種類の
調整装置を組み合わせることにより、口金11に対する
セメント原料C’の微妙な調整を行うことができる。な
お、図4ないし図7において、31は、エルボ状をした
原料供給体12の他端部に一体に設けられたフランジを
示し、原料供給体12は、該フランジ31を介して原料
供給装置32に取付けられる。
【0018】芯金Mに被覆されるセメント層Cの原料
C’は、セメントを主体にし、これに細骨材、粘着賦与
剤、及び水を混合させて、油粘土程度の粘性を有する状
態となっている。セメント原料C’は、芯金Mの表面側
に、所定厚で被覆させた状態を保持させる必要があるた
めに、上記油粘土程度の粘性がないと、前記保持状態を
維持できないのである。
【0019】そして、口金11を貫通して芯金Mが所定
速度で走行している状態において、原料供給体12の供
給孔24から所定の圧力でセメント原料C’を口金11
に供給すると、該供給孔24の終端である接続孔部24
bの部分において、前記第1流量調整装置F1 によっ
て、その直下を通過している芯金Mの幅方向の中央部か
ら、その両端部にゆくに従って、原料の供給量が多くな
るように設定してあるために、芯金Mの幅方向に沿って
セメント原料C’が不均等に供給される。このようにし
て、第1流量調整装置F1 の多数の調整ロッド27の部
分を通過したセメント原料C’は、第2流量調整装置F
2 を構成する調整体18の傾斜した原料誘導面18aを
押圧して、これに誘導されることにより、原料の供給方
向がほぼ直角に変換されて、口金11内に供給(圧入)
されて、走行中の芯金Mの外周面と、口金嵌合体11b
の内周面とで形成される断面略C字状の隙間に圧入さ
れ、このままの状態で、口金11の出口から連続して押
し出される。
【0020】このように、セメント原料C’は、油粘土
程度の高い粘性を有しているが、走行中の芯金Mの外周
面に対して垂直な方向であって、しかも該芯金Mの幅方
向に沿って上記した不均等な割合でもって、セメント原
料C’を口金11内に大きな圧力で圧入させるために、
流動性の低いセメント原料C’を、断面略C字状をした
芯金Mの全面に亘って均等に被覆させることができ、し
かも押出し後においては、この被覆状態を保持できるの
である。
【0021】押出成形後においては、自然放置、或いは
養生させると、芯金Mの表面側に被覆されたセメント層
Cは、硬化する。このセメント層Cは、その硬化時にお
いて僅かに収縮するが、セメント層Cの幅方向の収縮に
追従して、金属薄板から成る芯金Mが、その開口部を主
体にして変形する。これによって、セメント層Cの幅方
向の収縮が吸収されて、硬化したセメント層Cには、ひ
び、割れ等が発生しなくなる。また、セメント層Cの硬
化後においても、芯金Mの嵌合部1の外側にセメント層
Cの被覆部4が被覆された状態を維持しているために、
硬化したセメント層Cは、その内側の芯金Mと形状的に
嵌合している。よって、芯金Mとセメント層Cとは、形
状的嵌合により一体化されたままとなって、芯金Mを有
するセメント層Cから成る化粧胴差しG1 が得られる。
なお、芯金Mの長手方向に沿ったセメント層Cの収縮に
関しては、芯金Mとセメント層Cとは、該芯金Mの長手
方向に沿って微動し得るために、その長手方向に沿って
収縮応力の発生は、その幅方向の応力に比較して、著し
く小さいので、殆ど問題とならない。
【0022】この化粧胴差しG1 は、内層の芯金Mによ
って、セメントの有する割れ易い欠点がほぼ完全に解消
され、しかも外観上は芯金Mの存在が認識されないため
に、図9に示されるように、建築物の1階と2階の間に
水平に取付けると、全体がセメントの化粧胴差しのよう
に認識され、外層のセメント層Cが建築物の外壁パネル
33と良好になじんで、高級感と優美感とが発揮され
る。また、内層の芯金Mによって、セメントの有する割
れ易いという欠点が解消されているために、その施工及
び取扱いも問題なく行える。なお、壁面に対する化粧胴
差しG1 の取付けは、図10に示されるように、取付金
具41を介して行われる。即ち、取付金具41に対して
化粧胴差しG1 を軽く押し付けると、その芯金Mの係合
部3が変形された後に原形状に復元して、該係合部3と
取付金具41とが係合される。
【0023】以下、本発明に係る化粧胴差しG1 の具体
的実施例を挙げる。セメント原料をつくるための主原料
であるポルトランドセメントと、増強用の細骨材と、粘
着力を高めるための粘着賦与剤との各重量割合は、それ
ぞれ(50〜75重量部)、(45〜20重量部)、
(2〜1重量部)であることが好ましく、これらの原料
に対して(30〜45重量部)の水を混合させると、上
記した油粘土程度の粘性を有するセメント原料が得られ
る。実施例では、主原料としてポルトランドセメント
(70重量部)、細骨材としてシラスバルーン(20重
量部),及びマイカ(5重量部) 、PP繊維(3重量部)
及び粘着賦与剤としてメチルセルロース(2重量部)を
それぞれ用いて、これらに水(37重量部)を加えたも
のを混合して、セメント原料とした。このセメント原料
を上記した連続押出成形方法によって、芯金Mの外周面
に被覆させて押し出したものを硬化させて、芯金Mにセ
メント層Cを被覆された化粧胴差しG1 を得た。
【0024】そして、セメント原料の収縮の影響のみ知
ることを目的として、上記セメント原料を芯金Mの表面
側に所定厚だけ被覆させて、硬化させた場合におけるセ
メント層Cの被覆前における単体の芯金Mと、セメント
層被覆複合品の芯金Mとの各開口幅(W)を、3種類の
サンプル品S1,S2,S3 において測定した。各サンプル
品S1,S2,S3 は、芯金Mの開口幅のほぼ2.5倍の長
さを有するものを使用して、1つのサンプル品に関して
は、図11及び図12に示されるように、両端部と中央
部との3箇所(P1,P2,P3)において測定し、その結果
【表1】 に示す。
【0025】
【表1】。
【0026】サンプル品S1 では、一端部(P1)と中央
部 (P2)とにおいて、芯金Mの開口幅(W)が収縮し、
残りの他端部 (P3)においては、その開口幅(W)は、
広くなっていた。サンプル品S2 では、その全ての箇所
(P1,P2,P3)において、芯金Mの開口幅(W)は、広
くなっており、サンプル品S3 では、両端部(P1,P3)
において、芯金Mの開口幅(W)が広くなり、中央部
(P2)において、大きく収縮していた。そして、いずれ
のサンプル品S1,S2,S3 に関しても、大きな割れ、ひ
びは、発生していなかった。これらのことから、セメン
ト層Cの硬化時において、芯金Mの開口部の部分におい
て、この芯金Mが変形して、セメント層Cの幅方向の収
縮を吸収していることが分かる。これらの実験結果を総
合すると、全体として、セメント層被覆複合品の硬化時
には、その横断面の各部位において、図12で各矢印で
示される方向に収縮する傾向を有することが分かった。
【0027】また、上記実施例の化粧胴差しG1 を構成
する芯金Mとセメント層Cとの形状嵌合は、芯金Mの開
口側を内側に折り曲げて嵌合部1を形成することにより
実現したが、この形状嵌合は、如何なる構造であっても
よい。例えば、図13に示される胴差しG2 は、芯金M
の両側面部に凹凸部5を設けておいて、セメント層Cの
被覆時において、その凹凸部5にセメント層Cの一部を
入り込ませたものである。更に、図14に示される胴差
しG3 は、芯金Mの背板部にアンダーカット部6を設け
ておいて、セメント層Cの被覆時において、そのアンダ
ーカット部6にセメント層Cの一部を入り込ませたもの
である。いずれの場合においても、芯金Mと、その外側
に被覆されたセメント層Cとが、芯金Mの凹凸部5、或
いはアンダーカット部6において嵌合するために、両者
は、形状嵌合により一体化される。
【0028】なお、上記実施例では、断面略C字状をし
た複合外装部材の一例として化粧胴差しを挙げたが、ベ
ランダの手摺りの上面に覆い被せられる笠木、鼻隠し、
水切り等の各種の外装部材に対しても、本発明を実施で
きる。また、外装部材の断面形状に関しても、概略C字
状をしていればよく、上記各実施例の断面形状に限定さ
れない。
【0029】
【発明の効果】本発明に係る複合外装部材は、押出成形
によって、変形可能な断面略C字状をした芯金の外周面
にセメント層が被覆されて、両者が形状的嵌合により一
体化されているので、押出成形後のセメント層が硬化す
るまでの間においては、該セメント層の幅方向の収縮に
対応して芯金が、その幅方向に変形して、セメント層の
収縮が吸収されて、セメント層にひび、割れ等が発生し
ない。よって、形状的嵌合によって、接着が難しい金属
薄板製の芯金とセメント層とを一体化でき、しかもセメ
ント層の硬化時における収縮によっても、ひび、割れ等
が発生しない複合外装部材を得ることができる。
【0030】また、本発明に係る複合外装部材の成形方
法は、セメント原料を油粘土程度の粘性にして、口金を
通過する断面略C字状をした芯金の外周面に対して略垂
直な方向であって、しかも前記芯金の幅方向の中央部か
ら両端部にゆくに従って、その供給量が多くなるように
して前記セメント原料を供給しているので、粘性の高い
セメント原料を断面略C字状をした芯金の外周面の全幅
に亘って均一厚に供給でき、しかも、芯金にセメント原
料が被覆された後においては、その直後から、被覆状態
を維持することができる。
【0031】更に、本発明に係る複合外装部材の成形装
置は、互いに独立して前後動して、その先端部が原料供
給体の供給口に侵入し得る複数本の調整ロッドによっ
て、セメント原料の流量調整装置を構成しているため
に、原料供給孔の開口量を、芯金を基準にして、その中
央部から両端部にゆくに従って大きくする場合におい
て、その大きくなる割合等を、セメント原料の粘性、成
形する外装部材の横断面形状等に応じて最適なものに調
整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る化粧胴差しG1 の斜視図である。
【図2】同じく断面図である。
【図3】本発明に係る押出成形装置の一部を破断した斜
視図である。
【図4】同じく平面図である。
【図5】同じく右側面図である。
【図6】図4のX−X線断面図である。
【図7】図5のY−Y線断面図である。
【図8】図6のZ−Z線断面図である。
【図9】本発明に係る化粧胴差しG1 が取付けられた建
築物の斜視図である。
【図10】壁面に対する化粧胴差しG1 の取付構造を示
す断面図である。
【図11】本発明に係る化粧胴差しの実験用のサンプル
品S1 の斜視図である。
【図12】本発明に係る化粧胴差しG1 を構成するセメ
ント層Cの断面視における収縮方向を主体に示す断面図
である。
【図13】本発明に係る他の化粧胴差しG2 の断面図で
ある。
【図14】本発明に係る更に他の化粧胴差しG3 の断面
図である。
【符号の説明】
C:セメント層 F1 :押出成形装置の第1流量調整装置 G1 〜G3 :化粧胴差し(建築用複合外装部材) M:芯金 1:芯金の嵌合部 5:芯金の凹凸部 6:芯金のアンダーカット部 11:口金 12:原料供給体 24:原料供給孔 26:貫通孔(流量調整装置) 27:調整ロッド(流量調整装置) 28:ボルト支持体(流量調整装置) 29:調整ボルト(流量調整装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI E04C 2/30 E04C 2/30 B (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B28B 3/20 B28B 23/02 - 23/22 E04C 2/30 E04C 2/04 E04B 1/62 E04F 13/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の外壁の各階の境界部に取付けら
    れる断面略C字状をした化粧胴差し等の建築用複合外装
    部材であって、 押出成形によって、変形可能な断面略C字状をした芯金
    の外側にセメント層が被覆されて、両者は、形状的嵌合
    により一体化されていることを特徴とする建築用複合外
    装部材。
  2. 【請求項2】 芯金の開口側の両端部に嵌合部が内方に
    向けて設けられ、該嵌合部の外側にセメント層が被覆さ
    れて、両者が形状的に嵌合されていることを特徴とする
    請求項1に記載の建築用複合外装部材。
  3. 【請求項3】 芯金の側面部に凹凸部が設けられ、該凹
    凸部の外側にセメント層の一部が入り込んで、両者が形
    状的に嵌合されていることを特徴とする請求項1に記載
    の建築用複合外装部材。
  4. 【請求項4】 芯金の一部にアンダーカット部が設けら
    れ、該アンダーカット部にセメント層の一部が入り込ん
    で、両者が形状的に嵌合されていることを特徴とする請
    求項1に記載の建築用複合外装部材。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の建築用複合外装部材の
    成形方法であって、セメント原料を油粘土程度の粘性に
    して、口金を通過する断面略C字状をした芯金の外周面
    に対して略垂直な方向であって、しかも前記芯金の幅方
    向の中央部から両端部にゆくに従って、その供給量が多
    くなるようにして前記セメント原料を供給して、芯金の
    外側にセメント層を一体成形することを特徴とする建築
    用複合外装部材の成形方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の建築用複合外装部材の
    成形装置であって、芯金が貫通状態で走行して、該芯金
    の上方に、セメント原料が供給される成形空間を有する
    口金と、 芯金の外周面に対してほぼ垂直となった状態で、前記口
    金の成形空間にセメント原料を供給するための原料供給
    体と、 該原料供給体の供給孔における口金の成形空間との接続
    部の直前部に配設された流量調整装置とを備え、 前記流量調整装置は、互いに独立して前後動して、その
    先端部が前記原料供給体の供給孔に侵入し得る複数本の
    調整ロッドにより構成されて、原料供給孔の開口量は、
    芯金を基準にして、その中央部から両端部にゆくに従っ
    て大きくできるように構成されていることを特徴とする
    建築用複合外装部材の成形装置。
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