JP3294519B2 - 防音ガラス - Google Patents

防音ガラス

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JP3294519B2
JP3294519B2 JP34314196A JP34314196A JP3294519B2 JP 3294519 B2 JP3294519 B2 JP 3294519B2 JP 34314196 A JP34314196 A JP 34314196A JP 34314196 A JP34314196 A JP 34314196A JP 3294519 B2 JP3294519 B2 JP 3294519B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遮音性能を高めた
複層ガラスであって、特に外部騒音の著しい建屋あるい
は一般住宅で有用な断熱性をも兼ね備える防音ガラスに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から複層ガラスにおいては単に2枚
のガラス板を全辺の周縁部にスペ−サを配置して空間層
を設けるだけではなく、複層ガラスの空隙層内において
種々の工夫をこらすことによって、断熱機能あるいは/
および遮音機能を高めようとする複層ガラスが提案され
ている。
【0003】例えば、特開昭51-146516 号公報には内部
を真空にした複合ガラスが記載され、2枚のガラス板の
間に両端面を吸盤状にしたポリエチレン等の合成樹脂製
の格子を挟み、真空釜中にて両外面間を加圧し、2枚の
ガラス間に格子で区割された多数の真空室を形成するよ
うにしたことが開示されている。
【0004】また、実公昭63-37430号公報には格子入複
層ガラスが記載され、スペ−サ−フレ−ムの内周面間に
格子を配設しその両面に板ガラスを貼着してなる複層ガ
ラスにおいて、配設する格子をスペ−サ−フレ−ムのコ
−ナ−ブロック面に当接せしめてビス止め固定するもの
であることが開示されている。
【0005】また、特開昭51-55313号公報には光透過性
パネルならびにその製造法が記載され、少なくとも一つ
の窓ガラス間の空間を規定するため一つあるいはそれ以
上のスペ−サ−部材で少なくとも二つの窓ガラスが間隔
をおいて保持されているものからなり、窓ガラス群が少
なくとも二つの異なった単位面積当りの質量を示し、ま
た大気からシ−ルされかつその中での音伝達速度が同じ
圧力および温度での乾燥空気中での音伝達速度とは異な
っているガス状媒体を含む少なくとも一つの窓ガラス間
の空間が設けられたものであり、吸音特性および熱特性
を有することが開示されている。
【0006】また、特開昭57-47750号公報には複層ガラ
スが記載され、複数のガラス板を一定間隔のもとに対向
させて保持し、ガラス板の間に空気層を形成するととも
に、複数のガラス板のうち少なくとも1つのガラス板を
2以上の複層ガラス板で構成し、この複層ガラス板の間
にガラス転移温度20℃以下で室温の下で粘弾性を有する
高分子物質層を介在させたものであり、ガラス板の間の
空気層と高分子物質層とを組合わせて遮音性を有するも
のとしたことが開示されている。
【0007】また、特開昭59-64549号には断熱および遮
音性複層ガラスが記載され、合わせガラスの第1プレ−
トと単純ガラスまたは合わせガラスの第2プレ−トとを
有し、第2プレ−トは第1プレ−トと平行でありかつ気
体層を介在して隔置され、これら2つのプレ−トは使用
部材で気密に相互に組みつけられた、複層ガラスであっ
て、第1のプレ−トの合わせガラスが10mmを越えない厚
さの樹脂層で接合されたそれぞれの厚さ3〜8mmの単純
ガラス板からなり、気体層が厚さ6〜30mmを有し、第2
プレ−トが、8mmより大きい厚さの単純ガラス板である
が、または第1プレ−トの合わせガラスと同じ厚さの条
件に従う合わせガラスであり、かつ第1プレ−トの合わ
せガラスの樹脂が、厚さ2mmの樹脂層で接合された2枚
の厚さ4mmのガラス板からなる合わせガラスで作った長
さ9mm、幅3mmの棒状体が同じ長さ、同じ幅そして厚さ
4mmのガラスの棒状体と35%より大きくは違わない臨界
周波数を有するように、選択される複層ガラスが開示さ
れている。
【0008】また、実開平4-84592 号公報には装飾板硝
子が記載され、二枚の板硝子の相対峙する夫々の面へ断
熱特性を有した被覆層を形成すると共に、空気層内に収
まる巾を有したハニカム構造体を形成し、ハニカム構造
体を空気層へ内設させたことが開示されている。
【0009】また、特開平6-167983号公報には音響絶縁
箱が記載され、挿入枠により周縁が組立てられた2つの
実質的に平行なパネルからなる少なくとも1つの平らな
空洞を含んでいる箱であって、空洞がガス及び空気の少
なくとも一方で充たされた箱において、1つ又は複数の
特定位置のオリフィスを介して空洞に連通する導波管を
有し、オリフィスの形状、断面及び位置が導波管の断面
と共に、箱が入射音響領域に置かれた時空洞とパネルに
それぞれ発生する音波と機械的波動とに同調しないよう
に決定されている箱が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述した特開昭51-146
516 号公報に記載の内部を真空にした複合ガラスでは、
格子の骨の断面積を真空室の面積に比して極めて小と
し、音響及び熱の伝導を減少できたとしても、所望する
充分な遮音性能までは到底至らないものである。
【0011】また、実公昭63-37430号公報に記載の格子
入複層ガラスでは、格子とスペ−サ−フレ−ムとが強固
に一体化されたとしても、所望する充分な遮音性能まで
は到底至らないものである。
【0012】また、特開昭51-55313号に記載の光透過性
パネルならびにその製造法では、形成された少なくとも
一つの空間層において、音伝達速度が同じ圧力および温
度での乾燥空気中での音伝達速度とはことなっているガ
ス状媒体を含むものとすることが必要があり、単なる減
圧された乾燥空気程度ではその吸音特性を充分に発揮し
得ないものである。しかもガス状媒体は特異な特定物質
であり、封入作業が複雑であり、コスト的にまた洩れた
際の環境にも好ましくない。
【0013】また、特開昭57-47750号に記載の複層ガラ
スでは、ガラス板の間の空気層とガラス転移温度20℃以
下で室温の下で粘弾性を有する高分子物質層を介在させ
た合わせガラスとを組合わせた複層ガラスであって、特
異な高分子物質層を有する合わせガラスが必要な構成で
あり、共鳴透過現象による透過損失の落ち込みがなくな
り、平均透過損失が従来のものに比して高くなるという
ものの、必ずしもその構成が簡易とは言い難いものであ
る。
【0014】また、特開昭59-64549号に記載の断熱およ
び遮音性複層ガラスでは、厚さ2mmの樹脂層で接合され
た2枚の厚さ4mmのガラス板からなる合わせガラスで作
った長さ9mm、幅3mmの棒状体が同じ長さ、同じ幅そし
て厚さ4mmのガラスの棒状体と35%より大きくは違わな
い臨界周波数を有するような合わせガラスの樹脂を用い
た合わせガラスを少なくとも構成の一つとする必要があ
る。これらの該樹脂を用いた合わせガラスが構成の一つ
にない複層ガラスではその遮音性能を充分発揮しないも
のである。
【0015】また、実開平4-84592 号公報に記載の装飾
板硝子では、硝子面の被覆層と空気層内に収まる巾を有
したハニカム構造体とが一体化されたものとなり、所望
する充分な遮音性能までは到底至らないものである。
【0016】また、特開平6-167983号公報に記載の音響
絶縁箱では、1つ又は複数の特定位置のオリフィスを介
して空洞に連通する導波管を有し、オリフィスの形状、
断面及び位置が導波管の断面と共に、箱が入射音響領域
に置かれた時空洞とパネルにそれぞれ発生する音波と機
械的波動とに同調しないように決定される箱とするに
は、音波と機械波との間の離調を音響モ−ドと機械モ−
ドとの間のエネルギ結合の係数をコンピュ−タで算出す
る必要がある等、単なる箱では到底音響を充分絶縁でき
るようなものではない。
【0017】このように、所望される遮音性能を充分持
ち合わせていない複層ガラスであったり、また特異なガ
ス状媒体を含むもの、特別の合わせガラスを使用するも
のあるいは特定の箱を設けたもの等いずれも簡便な構成
とは言い難い複層ガラスであった。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のかかる
課題に鑑みてなしたものであって、複層ガラスの空隙層
内に中空管状体を配置することにより、所望される遮音
性能等を得るようにした複層ガラスである。
【0019】すなわち、本発明は、複層ガラスの空隙層
内において、該空隙層内の空気部を通過する音と、該空
隙層内に設けたガラスあるいはプラスチック製の中空管
状体部を通過する音とが低周波数域の遮音性能を改善で
きる位相差を生じるように、他方のガラス板の内面と非
接触状で独立するような径を有する中空管状体を相互に
間隔を開けて上下のスペ−サ−部材の間隔より短い長さ
の短尺状に複数個を少なくとも一方のガラス板の内面に
接着層を介して貼着し固定配置したことを特徴とする防
音ガラス、ならびに、前記中空管状体の断面外周形状
が、円形、正方形、長方形または三角形あるいは多角形
であることを特徴とする防音ガラス、また、中空管状体
の配置が短尺状であり、相互の間隔が、100 〜150mmと
し、遮音性能を向上し、かつ透視性の違和感を低減した
ことを特徴とする防音ガラス、さらにまた、ガラス板の
厚みが2mm以上12mm以下であることを特徴とする
防音ガラスである。さらに、スペーサー部材と非接触で
独立する長さでありかつ防音ガラスの空隙層内で他方の
ガラス板の内面と非接触状で独立するような径を有する
中空管状体を、相互に間隔をあけて複数個を板ガラスの
内面に接着層を介して貼着し固定配置し、該ガラス板と
他方のガラス板との二枚のガラス板を、中空管状体を内
面にして一定空間で対向させ、該両ガラス板全周辺の周
縁内面部に接着層を介してスペ−サ−部材を固着するこ
とで前記空間を保持し、該スペ−サ−部材の外面と前記
二枚のガラス板の内面とでなる部分にシ−ル剤を埋め込
みシ−ルすることにより、密封された空隙層を形成した
複層ガラスとすることを特徴とする前記の防音ガラスの
作製方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】前記したように、本発明の防音ガ
ラスは下記のようにして製造した。ガラス板としては、
フロ−トガラス等市販の各種無機質あるいはPC板等有機
質の透明ガラスないしは不透明ガラスであって、無色ま
たは着色、ならびにその種類あるいは色調、形状等に特
に限定されるものではなく、さらに平板や曲げ板ガラス
としてはもちろん、断熱性膜や遮光性膜等各種機能性膜
を表面に被覆成膜した板ガラス、各種強化ガラスや強度
アップガラス、網入ガラス、単板ガラス、複層ガラスあ
るいは合せガラス等が挙げられる。また、ガラス板の大
きさについては特に限定されるものではなく、ガラス板
の厚みについては約2mm以上約12mm以下程度、好ましく
は約3mm以上約10mm以下程度である。
【0021】中空管状体としては、ガラス製あるいはプ
ラスチックス製であり、その断面外周形状が、円形、正
方形、長方形または三角形あるいは多角形のものであ
る。また、該中空管状体の外観等としては、透明体、屈
折率を調整した透明体、不透明体、装飾性あるいは遮光
性を有する着色体、さらには各種機能性を有する機能体
であってもよい。
【0022】さらに貼着しない他方のガラス板の内面お
よびスペ−サ−部材と非接触状になるよう独立させる長
さと外径を有する大きさ、例えば約12mm程度の空隙層を
有する複層ガラスでは、外径約10mm(内径約8mm )ある
いは外径約9mm(内径約7mm)程度のガラス製中空管状
体が好ましいものである。なかでも、中空管状体に関し
て必要なことは、防音ガラスである複層ガラスの空隙層
内を通過する音と該中空管状体内を通過する音とが共鳴
透過域周波数(低周波数域)の遮音性を改善できる位相
差(ズレ)を生じるような材質と形状と大きさ、ことに
長さ、設置間隔、固定方法である。
【0023】本発明の防音ガラスの一例を、該防音ガラ
スを一部割愛して示す正面図である図1、ならびに該防
音ガラスの周辺域における中空管状体部(図1でA−A
視した)を部分拡大した側断面図である図2に示す。
【0024】すなわち、該防音ガラス1は、乾燥剤10を
適宜保管するスペ−サ−部材5を有するので、スペ−サ
−部材5と非接触状で独立する長さでありかつ防音ガラ
ス1の空隙層9内で他方のガラス板3の内面12と非接触
状で独立するような径を有する中空管状体7を相互に
隔を開けて上下のスペ−サ−部材の間隔よりやや短い長
さの短尺状に複数個をガラス板2の内面13に接着層8を
介して貼着し固定配置したガラス板2を作製する。
【0025】次いで、中空管状体7を配置した面を内面
とした該ガラス板2とガラス板3の二枚のガラス板を一
定空間で対向させ、該両ガラス板全周辺の周縁内面部に
接着層4を介してスペ−サ−部材5を固着することで前
記空間を保持し、該スペ−サ−部材5の外面と前記二枚
のガラス板2および3の内面とでなる部分にシ−ル剤6
を埋め込みシ−ルすることにより、密封された空隙層9
を形成した複層ガラスとする。なお、図2に示すよう
に、中空管状体7をより強く固定するため、ガラス板3
の内面と中空管状体7の間に補助部材11を適宜配置して
もよい。
【0026】中空管状体の配置としては、前記した上下
のスペ−サ−部材の間隔よりやや短い長さの短尺状ある
いは穴明き格子状等でもよく、さらには意匠性、防犯性
等をも勘案した形状もしくは配置でもよく、接触するこ
となく二枚のガラス板の一方または両方、平行状もしく
は十字状等に配置してもよい。中空管状体の配置が複数
個間隔をあけて上下のスペ−サ−部材の間隔よりやや短
い長さの短尺状とする際の間隔は、遮音性能の向上や透
視性の違和感低減から約100mm 以上約150mm 程度であ
る。
【0027】中空管状体を貼着する接着層としては、耐
候性や耐久性に優れる両面接着テ−プ(厚さが約0.1mm
程度)が好ましいが、該両面接着テ−プに類する耐候性
や耐久性を有する接着力を発現する接着剤等でもよい。
【0028】複層ガラスとしては、遮音性能を除く他の
性能は通常市販されている程度であればよく、アルミ製
やジュラルミン製や樹脂製等のスペ−サ−、ブチルゴム
製両面テ−プ等の接着剤、ポリサルファイド系やシリコ
ン系のシ−ル剤など通常使用されているものを使用した
ものである。さらに前述したような二枚のガラス板から
なる他に、三枚のガラス板でのダブル複層ガラス、中空
管状体を必須として中空管状体以外に制振材等の各種機
能部材を適宜採用できる。
【0029】前述したように、複層ガラスの空隙層内に
おいて、該空隙層内の空気部を通過する音と、該空隙層
内に設けた中空管状体部を通過する音とが位相差を生じ
るように、中空管状体を配置したことにより、複層ガラ
スの空隙層(空気層)内の空気層部内を通過する音と中
空管状体部内を通過する音の位相差(ズレ)を適宜好適
にせしめ、複層ガラスの欠点である低周波数域(共鳴透
過域周波数)の遮音性能を簡便に改善することができ
る。さらに該中空管状体を装飾性や防犯性を発揮するも
のとすることができ、しかも断熱性膜等各種機能性膜に
よる機能アップ、型板ガラスやガラスティシュを組み合
わせることによる光散乱性、紫外線赤外線吸収ガラスや
色ガラスの採用による遮光性や断熱性等を有するものと
することができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0031】実施例1 大きさ約1040mmx1040mm、厚さ約3mmと約6mmのフロ−
トガラス板(以下、それぞれFl3 のガラス板、Fl6 のガ
ラス板という。)の二枚のガラス板と、中空管状体とし
て外径が約10mmφ(内径約8mmφ)、長さが約990mm の
ガラス管とを用意した。
【0032】次いで、前記した図1および図2に示した
ように、スペ−サ−部材と非接触状で独立するように上
下方向でセンタ−リング(上下の余り部分が約25mmづつ
で同一)させ、センタ−からセンタ−からの間隔(ピッ
チ)を約125mm として等間隔で7本を短尺状に、前記ガ
ラス管を厚さ約0.1mm の両面接着テ−プ(3M製)でFl
6 のガラス板の表面に貼着した。
【0033】続いて、該ガラス管付きFl6 のガラス板と
Fl3 のガラス板を、ガラス管を貼着した面を内面とする
ようにして、Fl3 のガラス板の内面とガラス管の間にガ
ラス管をより固定しかつガラス管がFl3 のガラス板の内
面に接触することがないようにするウレタンシ−ト(5
mm×5mm×厚さ2mm)でなる補助部材を適宜配し約12mm
の一定空間(A12 )で対向させ、該両ガラス板全周辺域
の周縁内面部にブチルゴム製両面接着テ−プでなる接着
層を介して乾燥剤を適宜保管したスペ−サ−部材を固着
し前記空間を保持し、該スペ−サ−部材の外面と前記両
ガラス板全周辺域の周縁内面部の余り部分でなる部分に
ポリサルファイド系シ−ル剤(チオコ−ル)を埋め込み
シ−ルすることにより、密封された空隙層を有する複層
ガラス(Fl3+A12+Fl6 )を得た。
【0034】得られた複層ガラス(Fl3+A12+Fl6 )を、
JIS A 1416「実験室における音響透過損失測定方法」に
したがって100Hz 乃至6300Hzの間の周波数に対する音響
透過損失(dB)を測定し、遮音性能を評価した。なお、
音源はFl6 側とした。
【0035】その結果、図3に示すようになり、中空管
状体であるガラス管がない場合に対し、中空管状体であ
るガラス管がある場合には、160Hz 乃至400Hz の間の落
ち込みが無くなり、遮音等級(JIS 遮音等級:遮音測定
結果をJIS A 1416で定められた遮音等級曲線を基準にし
て判定し表示した)がTS-25 に対しTS-30 となる等、中
空管状体であるガラス管を用いることにより遮音性能が
1ランク向上する防音ガラスを得ることができた。
【0036】実施例2 実施例1においてFl3 のガラス板とFl6 のガラス板をそ
れぞれ厚み約5mmのガラス板(Fl5 )に替えた以外、実
施例1と同様にし、同様の複層ガラス(Fl5+A12+Fl5 )
を得た。
【0037】得られた複層ガラス(Fl5+A12+Fl5 )を、
実施例1と同様に測定評価した。その結果、図4に示す
ようになり、中空管状体がない場合に対し、中空管状体
がある場合には、全般にわたり遮音性能が向上し、遮音
等級がTS-25 とTS-30 の中間の等級からTS-30 となる防
音ガラスを得ることができた。
【0038】実施例3 実施例1においてFl3 のガラス板とFl6 のガラス板をそ
れぞれ厚み約3mmのガラス板(Fl3 )に替えた以外、実
施例1と同様にし、同様の複層ガラス(Fl3+A12+Fl3 )
を得た。
【0039】得られた複層ガラス(Fl3+A12+Fl3 )を、
実施例1と同様に測定評価した。その結果、図5に示す
ようになり、中空管状体がない場合に対し、中空管状体
がある場合には、全般にわたり大きく遮音性能が向上し
た防音ガラスを得ることができた。
【0040】実施例4 実施例1において中空管状体であるガラス管の長さを約
990mm から約500mm に変更した以外、実施例1と同様に
し、同様の複層ガラス(Fl3+A12+Fl6 )を得た。
【0041】得られた複層ガラス(Fl3+A12+Fl6 )を、
実施例1と同様に測定評価した。その結果、図6に示す
ようになり、中空管状体の長さによる遮音性能の差はな
い防音ガラスであった。
【0042】実施例5 実施例1においてFl6 のガラス板を厚み約3mmの合わせ
ガラス(Fl3+Fl3 )に替え、ガラス管を該合わせガラス
板の内面に貼着した以外、実施例1と同様にし、同様の
複層ガラス〔合わせガラス(Fl3+Fl3)+A12+Fl3〕を得
た。
【0043】得られた複層ガラス〔合わせガラス(Fl3+
Fl3)+A12+Fl3〕を、実施例1と同様に測定評価した。な
お、音源は合わせガラス(Fl3+Fl3)側とした。その結
果、図7に示すようになり、中空管状体がない場合に対
し、中空管状体がある場合には、遮音性能にほとんど差
はないが、250Hz 乃至630Hz の間で遮音性能が向上した
防音ガラスを得ることができた。
【0044】実施例6 実施例1と同一の複層ガラス(Fl3+A12+Fl6 )におい
て、音源をFl6 側とFl3側に変え、実施例1と同様に測
定評価した。
【0045】その結果、図8に示すようになり、中空管
状体がない場合に対し、中空管状体がある場合には、遮
音性能が400Hz 乃至6300Hzの間で向上する防音ガラスを
得ることができた。
【0046】実施例7 実施例1とにおいて中空管状体であるガラス管の長さを
約990mm から約500mmに変更した以外、実施例1と同様
にし、同様のの複層ガラス(Fl3+A12+Fl6 )において、
音源をFl6 側とFl3 側に変え、実施例1と同様に測定評
価した。
【0047】その結果、図9に示すようになり、遮音性
能が音源がFl6 側にある場合の方がFl3 側にある場合よ
り優れた。実施例8 実施例1とにおいて中空管状体であるガラス管の長さを
約990mm から約500mmに、またガラス管の貼着位置をFl6
のガラス板内面側からFl3 のガラス板内面側に変更し
た以外、実施例1と同様にし、同様のの複層ガラス(Fl
3+A12+Fl6 )を得、音源をFl6 側とFl3 側に変え、実施
例1と同様に測定評価した。
【0048】その結果、図10に示すようになり、ほとん
ど差がない遮音性能を示した。実施例9 実施例1とにおいて、空隙層を約12mm(A12 )から約22
mm(A22 )に、また中空管状体であるガラス管の管径を
約10mmから約20mmに変更した以外、実施例1と同様に
し、同様のの複層ガラス(Fl3+A22+Fl6 )を得、空隙層
を約22mm(A22 )に変えた中で、中空管状体無しと中空
管状体の管径約10mmと約20mmとを、実施例1と同様に測
定評価した。
【0049】その結果、図11に示すようになり、中空管
状体であるガラス管の管径を約20mmに変更した場合が、
最もよい遮音性能を示した。実施例10 実施例1においてFl3 とFl6 のガラス板の間に、厚み約
4mmのガラス板(Fl4)を用いて、空隙層を約 6mm(A
6)と約12mm(A12 )にしたダブル複層ガラスとし、さ
らに中空管状体の位置に沿わせてFl3 とFl6 のガラス板
の外面に制振材〔アクリル樹脂板5mm厚+ナオプレンゴ
ム2mm厚、大きさ巾30mm×長さ1000mm〕を短尺状に貼着
した以外、実施例1と同様にし、制振材付きダブル複層
ガラス(Fl3+A6+Fl4+A12+Fl6)を得た。
【0050】得られた制振材付きダブル複層ガラス(Fl
3+A6+Fl4+A12+Fl6)を、実施例1と同様に測定評価し
た。なお、音源はFl6 側とした。その結果、図12に示す
ようになり、制振材がない場合に対し中空管状体+制振
材の場合の方が遮音性能が優れ、遮音等級がTS-35 であ
る遮音性能が格段に向上した防音ガラスを得ることがで
きた。
【0051】
【発明の効果】以上前述したように、本発明によれば、
複層ガラスの一方のガラス板内面に中空管状体を貼着し
た防音ガラスとしたことにより、遮音性能を向上せしめ
ることができ、該中空管状体の採用に加え制振材を併用
することで遮音等級でTS-35 等級をクリアすることがで
きる等、有用な防音ガラスを簡便に効率よく提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防音ガラスを一部割愛して示す正面図
である。
【図2】本発明の防音ガラスの周辺域における中空管状
体部(図1でA−A視した)を、部分拡大した側断面図
である。
【図3】本発明の防音ガラスの実施例1における遮音性
能を示す図である。
【図4】本発明の防音ガラスの実施例2における遮音性
能を示す図である。
【図5】本発明の防音ガラスの実施例3における遮音性
能を示す図である。
【図6】本発明の防音ガラスの実施例4における遮音性
能を示す図である。
【図7】本発明の防音ガラスの実施例5における遮音性
能を示す図である。
【図8】本発明の防音ガラスの実施例6における遮音性
能を示す図である。
【図9】本発明の防音ガラスの実施例7における遮音性
能を示す図である。
【図10】本発明の防音ガラスの実施例8における遮音性
能を示す図である。
【図11】本発明の防音ガラスの実施例9における遮音性
能を示す図である。
【図12】本発明の防音ガラスの実施例10における遮音性
能を示す図である。
【符号の説明】 防音ガラス 2 ガラス板 3 ガラス板 4 接着層 5 スペ−サ−部材 6 シ−ル剤 7 中空管状体 8 接着層 9 空隙層 10 乾燥剤 11 補助部材 12 内面 13 内面 14 周辺域

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複層ガラスの空隙層内において、該空隙層
    内の空気部を通過する音と、該空隙層内に設けたガラス
    あるいはプラスチック製の中空管状体部を通過する音と
    低周波数域の遮音性能を改善できる位相差を生じるよ
    うに、他方のガラス板の内面と非接触状で独立するよう
    な径を有する中空管状体を相互に間隔を開けて上下のス
    ペ−サ−部材の間隔より短い長さの短尺状に複数個を少
    なくとも一方のガラス板の内面に接着層を介して貼着し
    固定配置したことを特徴とする防音ガラス。
  2. 【請求項2】前記中空管状体の断面外周形状が、円形、
    正方形、長方形または三角形あるいは多角形であること
    を特徴とする請求項1記載の防音ガラス。
  3. 【請求項3】中空管状体の配置が短尺状であり、相互の
    間隔が、100 〜150mmとし、遮音性能を向上し、かつ透
    視性の違和感を低減したことを特徴とする請求項1また
    は2に記載の防音ガラス。
  4. 【請求項4】ガラス板の厚みが2mm以上12mm以下
    であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記
    載の防音ガラス。
  5. 【請求項5】スペーサー部材と非接触で独立する長さで
    ありかつ防音ガラスの空隙層内で他方のガラス板の内面
    と非接触状で独立するような径を有する中空管状体を、
    相互に間隔をあけて複数個を板ガラスの内面に接着層を
    介して貼着し固定配置し、該ガラス板と他方のガラス板
    との二枚のガラス板を、中空管状体を内面にして一定空
    間で対向させ、該両ガラス板全周辺の周縁内面部に接着
    層を介してスペ−サ−部材を固着することで前記空間を
    保持し、該スペ−サ−部材の外面と前記二枚のガラス板
    の内面とでなる部分にシ−ル剤を埋め込みシ−ルするこ
    とにより、密封された空隙層を形成した複層ガラスとす
    ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
    防音ガラスの作製方法。
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