JP3292667B2 - 温度測定装置 - Google Patents

温度測定装置

Info

Publication number
JP3292667B2
JP3292667B2 JP33856996A JP33856996A JP3292667B2 JP 3292667 B2 JP3292667 B2 JP 3292667B2 JP 33856996 A JP33856996 A JP 33856996A JP 33856996 A JP33856996 A JP 33856996A JP 3292667 B2 JP3292667 B2 JP 3292667B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
target
cylinder
temperature measuring
temperature measurement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33856996A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10176956A (ja
Inventor
武 桜田
泰彰 則松
佐藤  裕
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Building Techno-Service Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Electric Building Techno-Service Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Building Techno-Service Co Ltd filed Critical Mitsubishi Electric Building Techno-Service Co Ltd
Priority to JP33856996A priority Critical patent/JP3292667B2/ja
Publication of JPH10176956A publication Critical patent/JPH10176956A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3292667B2 publication Critical patent/JP3292667B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Radiation Pyrometers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は温度を測定すべき
領域に設置した温度測定標的と、前記温度測定標的の温
度分布を測定するサーモグラフィ装置とで構成された温
度測定装置の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】室内空間における任意点の温度を測定す
る場合はその測定点に熱電対等のセンサーを配置する必
要があり、特に室内の温度分布の解析に用いる温度デー
タの採取に際しては、同様な構成のセンサーを多数設置
するため、微細電流を温度に換算するためのケーブル配
線が繁雑になってセンサーの設置や撤去に手間がかかる
だけでなく、その換算のための信号化装置を測定各点に
対応させて設置する必要があり、また、採取した信号送
信のための装置も必要となる等作業性が著しく悪い。
【0003】かかる不都合を解消する1つの方法とし
て、サーモグラフィ装置を用いた室内の温度分布を測定
する方法、例えば特開昭61−186825号公報に開
示された方法がある。
【0004】特開昭61−186825号公報に開示さ
れた従来の室内温度分布の測定方法では、サーモグラフ
ィ装置の温度測定標的として、合成繊維の糸を格子状に
編んで構成された網を採用している。この糸は測定可能
な太さを有し、かつその外表面には黒化処理を施して熱
の放射率が高めてある。
【0005】このように構成された網は、熱容量が小さ
く、網が存在する部分の空気からのわずかの熱の移動で
空気と等温になり短時間で熱的に平衡な状態になる。ま
た、合成繊維は熱伝導率が低いため、網の内部での熱移
動は極めて小さく、空気の温度分布を明確に反映する。
【0006】この網を適当な支持機構で部屋の中に張り
(又は吊るし)、サーモグラフィ装置の焦点をこの網に
合わせて網の温度分布を測定することで、その網を張っ
た面上の空気の温度分布を碁盤の目状に測定する。そし
て、部屋の中でこの網を移動させて繰り返し測定するこ
とで、部屋の中の空気の温度分布を測定する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成された従来のサーモグラフィ装置の温度測定標
的は、その温度測定に十分な大きさを有するので可搬性
が悪く、また温度測定に際して室内に設けるとその大き
さ故に人の通行の邪魔になるという問題がある。
【0008】この発明は係る問題点を解決するためにな
されたもので、その温度測定に際して可搬性が良く、ま
た温度測定に際して室内に設けても人の通行の邪魔にな
らずに温度測定を行うことのできるサーモグラフィ装置
の温度測定標的を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る温度測定
装置は、温度を測定すべき領域に設置した温度測定標的
と、温度測定標的の温度分布を測定するサーモグラフィ
装置とで構成された温度測定装置において、温度測定標
的は、外表面が粗面でかつ暗色処理された熱良導性材料
からなる薄板で形成され上底部分及び下底部分が開口し
た円筒と、円筒内に固定され熱良導性材料からなる支持
部材と、支持部材と嵌合する溝が端部に刻設され円筒を
床面に固定するための熱良導性材料からなる連結部材と
で構成されたものである。
【0010】また、支持部材は、それぞれ外表面が粗面
でかつ暗色処理され円筒の内径の幅を有する2枚の長方
形の薄板に、溝幅の大きさが板厚の大きさでかつ溝長さ
が板長さの半分の大きさである溝を板の高さ方向の中心
軸上にそれぞれ設けて互いに略十字に交わるように組み
付けた十字仕切りとすると共に、連結部材の溝は、十字
仕切りと嵌合する略十字の溝としたものである。
【0011】また、温度を測定すべき領域に設置した温
度測定標的と、温度測定標的の温度分布を測定するサー
モグラフィ装置とで構成された温度測定装置において、
温度測定標的は、外表面が粗面でかつ暗色処理された熱
良導性材料からなる薄板で形成され上底部分及び下底部
分が開口した円筒と、円筒内を略2等分するように円筒
内に固定されると共に円筒の中心軸に沿う貫通した軸孔
を有する熱絶縁性材料からなる仕切り板と、仕切り板で
仕切られた一方の円筒内部に充填された充填材料と、仕
切り板の軸孔に挿入される支持柱を有すると共に床面に
置かれて円筒を回転自在に支持するスタンドとで構成さ
れたものである。
【0012】また、温度を測定すべき領域に設置した温
度測定標的と、温度測定標的の温度分布を測定するサー
モグラフィ装置とで構成された温度測定装置において、
温度測定標的は、空気の比重より小さい比重を有する気
体が充填されて体積膨張すると共に外側面が暗色処理さ
れた弾性材料からなる風船と、気体が充填された風船を
床面につなぎ止める拘束部材とで構成されたものであ
る。
【0013】また、温度測定標的は、外側面に標的マー
クが描画されたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1は実施の形態1に係るサーモグラフ
ィ装置の温度測定標的の説明図である。測定点近傍の空
気の流れを極力乱さないような標的本体の形状として
は、円筒形又は球形が適当であり、図1では標的本体1
は上底部分1a及び下底部分1bが開口した円筒状のも
のを採用している。
【0015】ここで、標的本体1の円筒直径D、円筒高
さhは、標的本体1に遠方からサーモグラフィ装置で測
定するのに必要十分な投影面積を持たせるため、寸法
は、100<D、h<300[mm]としてある。
【0016】仮に、300[mm]<D、hであっても
格別の不具合はないが、標的本体1全体の後述する熱容
量の大きさ、取り扱いの便宜、材料の経済性等を考慮し
て上記の寸法にすることが適当である。
【0017】そして、標的本体1は円筒の内側面1c及
び外側面1dの作用により近傍の空気流から短時間で容
易に熱吸収を行って、標的本体1が全体として略均一な
温度になり易くする必要がある。従って、標的本体1は
例えばアルミ薄板等の熱伝導性の良好な材質で構成し熱
容量を小さくしている。
【0018】また、この標的本体1の内側面1c及び外
側面1dは粗面に仕上げて黒色塗装を施すか又は同等の
外表面加工及び処理を施しいわゆる黒体輻射面に仕上
げ、黒体輻射を容易にしてある。
【0019】さらに、遠方からサーモグラフィ装置によ
って標的本体1を捉え、かつこれに焦点を合わせること
を容易にするため、標的本体1の外側面1dには明色で
丸印などの標的マークが描かれている。
【0020】一方、後述する連結棒と連結するため、図
2に示すような板幅が円筒内径Dの大きさでかつ板長さ
が円筒高さhの大きさを有する板であって、板の高さ
(板長さ)方向の中心軸上に溝幅が板厚tの大きさでか
つ溝長さが板長さの半分の大きさ、即ち、h/2の切欠
溝をそれぞれ設けた例えばアルミ薄板等の熱伝導性の良
好な材質からなる仕切り板を2枚用意する。
【0021】そして、それら2枚の仕切り板を十字に互
いにほぼ直交するように組み立てて十字仕切り1fを構
成し、仕切り板の交線が標的本体1の円筒中心軸と重な
るように十字仕切り1fを標的本体1の円筒内に図1に
示すように配置する。
【0022】標的本体1の中に配置された十字仕切り1
fは、標的本体1の内側面1cと当接する4つの端部が
内側面1cにそれぞれ接合又は接着されることで、標的
本体1内に固定されている。
【0023】一方、このような内部に十字仕切り1fが
配置された標的本体1を相互に連結し、また室内空間の
所定の位置に設置する便宜のため、熱絶縁体として例え
ば棒状の紙管等からなる連結棒2を複数個用意する。
【0024】ここで、連結棒2の両端には、十字仕切り
1fが嵌合するように溝幅が仕切り板の板厚である図3
に示すような十字の切込溝2aが刻設してある。また切
込溝2aの連結棒2の中心軸方向の深さは連結棒2が標
的本体1を固定して支持するのに十分な深さとしてあ
る。
【0025】そして、連結棒2の切込溝2aに標的本体
1内の十字仕切り1fをはめ込んで連結棒2と標的本体
1とを連結固定して連結固定体とし、さらにこのような
連結固定体を同様に図1に示すように例えば何段も重ね
ることができる。
【0026】このような連結棒2と標的本体1との連結
固定体を連結棒2の部分について適当な固定部材で支持
して床から直立させるか又は天井から垂下させる等して
室内空間に配置するのが適当である。
【0027】例えば、床から連結棒2を直立させて支持
する場合は、色々な長さの連結棒2を複数用意して適当
に選択することで、床から測定点までの高さを連結棒2
の長さによって色々と設定できる。
【0028】このように構成された標的本体1を、室内
空間の平面的又は立体的な温度分布の測定のため、その
室内の全域に渡ってほぼ均等に分散して定めた多数の測
定点にそれぞれ設置する。
【0029】ここで、測定点では床からの高さが例えば
高、中、低の複数高さの温度の測定ができるよう連結固
定体を複数段重ねて連結する。そして、1つの標的本体
1とのみ連結する、即ち片側のみが標的本体1と連結す
る連結棒2を上述のように適当な支持部材で支持して各
測定点に配置する。配置された各測定点では予め定めら
れた時刻毎に前記従来例のようにサーモグラフィ装置で
温度を遠隔測定する。
【0030】温度の測定は、測定点での空気の温度を標
的本体1に伝達させて標的本体1の温度が測定点周囲の
温度と平衡になった後に行うので、熱的平衡になるまで
に要する時間が問題となる。
【0031】しかし、標的本体1をアルミ薄板等で構成
して標的本体1の熱容量を前述のように極力小さくする
とともに、その形状も周囲からの熱吸収が極力容易にな
るような円筒形にしている。
【0032】一般に、異なる2物体間の熱伝達速度は両
者の温度差に比例するため、温度の異なる2物体が接し
て同一温度となるには、理論的には無限大の時間経過を
待たなければならないが、実際には十分に長い時間をお
いた後に測定を行い、標的本体1の性能試験における時
間経過と温度差との関係データから予め求まる補正量を
考慮して実用的な値を得ることができる。
【0033】従って、上記実施の形態1によれば、この
発明によれば、温度を測定すべき領域に設置した温度測
定標的と、温度測定標的の温度分布を測定するサーモグ
ラフィ装置とで構成された温度測定装置において、温度
測定標的は、外表面が粗面でかつ暗色処理された熱良導
性材料からなる薄板で形成され上底部分1a及び下底部
分1bが開口した円筒1と、円筒1内に固定され熱良導
性材料からなる支持部材1fと、支持部材1fと嵌合す
る溝2aが端部に刻設され円筒1を床面6に固定するた
めの熱良導性材料からなる連結部材2とで構成されたの
で、温度測定に際して可搬性が良く、また温度測定に際
して室内に設けても人の通行の邪魔にならずに温度測定
を行うことができる。
【0034】また、支持部材は、それぞれ外表面が粗面
でかつ暗色処理され円筒1の内径の幅を有する2枚の長
方形の薄板に、溝幅の大きさが板厚の大きさでかつ溝長
さが板長さの半分の大きさである溝を板の高さ方向の中
心軸上にそれぞれ設けて互いに略十字に交わるように組
み付けた十字仕切り1fとすると共に、連結部材2の溝
は、十字仕切り1fと嵌合する略十字の溝としたので、
連結部材2は円筒1を強固に支えることができる。
【0035】また、温度測定標的は、外側面1dに標的
マーク1eが描画されたので、遠方からサーモグラフィ
装置によって標的本体を捉え、かつこれに焦点を合わせ
ることが容易になる。
【0036】実施の形態2.例えば、図4に示すように
室内の窓際で執務を行っている人3にとっては、室内が
冷房中であっても、直射日光を受けるため暑く感じる。
この場合、日陰側(A側)から人3が感じる室内温度及
び日向側(B側)から受けた直射日光に基づく人3の体
感温度を再現して測定することが実用的である。
【0037】図5は実施の形態2に係る温度測定標的の
説明図であり、実施の形態2に係る温度測定標的では、
標的本体は実施の形態1と同様に上底部分及び下底部分
のない円筒形をしている。
【0038】そして、標的本体円筒(以下、円筒とい
う)4には、円筒内部の中心軸を含む面に幅が円筒内径
であってかつ厚みのある熱絶縁材料からなる仕切り板4
aが設けられており、また円筒4の内側面4bと当接す
る仕切り板4aの左右両端が、円筒4の内側面4bと接
合されている。
【0039】仕切り板4aは、円筒4の中心軸Oに相当
する部分に縦長に中心軸O方向に貫通する軸穴4cが刻
設されており、後述するスタンドの支柱が軸穴4cに挿
入されて、円筒4は支柱に回転自在に支持されるように
なっている。
【0040】そして、仕切り板4aで略2分割に仕切ら
れた円筒4の内部については、直射日光による人体の蓄
熱作用を再現して体感温度の測定を可能にするため、一
方の側にその再現が可能な充填材料4dが充填されてい
る。
【0041】さらに、遠方からサーモグラフィ装置によ
って円筒4を捉え、かつこれに焦点を合わせることを容
易にするため、円筒4の仕切り板4aで略2分割に仕切
られて充填材料4dが充填された側及び充填されない側
それぞれの外側面4eには、実施の形態1と同様に明色
で丸印などの標的マーク4fが描かれている。
【0042】一方、円筒4を軸穴で回転自在に支持する
自立式のスタンド5は、支柱柱に段部5aが設けられ、
段部5aより上側の上部支柱5bは仕切り板4aの軸穴
4cに出没自在な外径であり、また段部5aより下側の
下部支柱5cが仕切り板4aの軸穴4cより小さい外径
でそれぞれ構成されている。
【0043】従って、軸穴4cにスタンド5の支柱部を
挿入すると、段部5aより上部の上部支柱5bのみが軸
穴4cに挿入されて、仕切り板4aは段部5aに係止す
るようになっており、円筒4は段部5aより上部の上部
支柱5bを回転軸として回転自在になっている。
【0044】また、スタンド5の底部5dは、支柱部分
が挿入される重量ブロックになっており、円筒4を支え
ているスタンド5が室内の床面に設置されても、スタン
ド5はその重量故に床面に安定して自立し倒れないよう
になっている。
【0045】このように構成されたサーモグラフィ装置
の温度測定標的は、スタンド5を室内の床面に設置して
充填材料4dが充填された側が直射日光に当たるように
円筒4を適当に回転させて放置する。
【0046】一定時間経過後、円筒4の直射日光に当て
られ充填材料4dが充填された側の外側面4eの温度を
サーモグラフィ装置で測定し、そして、円筒4を回転さ
せて、円筒4の直射日光に当てられていない側の外側面
4eの外表面温度をサーモグラフィ装置で測定する。
【0047】従って、1台のサーモグラフィ装置で日陰
側及び日向側の両方の外側面4eの外表面温度を測定す
ることができる。このようにして、前述した図4におい
て、日陰側(A側)から人3が感じる室内温度及び日向
側(B側)から受ける直射日光に基づいた人3の体感温
度を再現して測定することできる。
【0048】従って、上記実施の形態2によれば、温度
を測定すべき領域に設置した温度測定標的と、温度測定
標的の温度分布を測定するサーモグラフィ装置とで構成
された温度測定装置において、温度測定標的は、外表面
が粗面でかつ暗色処理された熱良導性材料からなる薄板
で形成され上底部分4a及び下底部分4bが開口した円
筒4と、円筒4内を略2等分するように円筒4内に固定
されると共に円筒4の中心軸に沿う貫通した軸孔4cを
有する熱絶縁性材料からなる仕切り板4aと、仕切り板
4aで仕切られた一方の円筒内部に充填された充填材料
4dと、仕切り板4aの軸孔4cに挿入される支持柱5
a、5bを有すると共に床面6に置かれて円筒4を回転
自在に支持するスタンド5とで構成されたので、この温
度測定標的により日陰側からの室温及び日向側から受け
た直射日光に基づく人の体感温度を再現することができ
る。
【0049】また、温度測定標的は、外側面4eに標的
マーク4fが描画されたので、遠方からサーモグラフィ
装置によって標的本体を捉え、かつこれに焦点を合わせ
ることが容易になる。
【0050】実施の形態3.実施の形態1では、標的本
体1は、上底部分1a及び下底部分1bを開口した円筒
としたが、内部に空気の比重より小さい比重を有するガ
スを充填したゴム又はビニル製の風船としてもよい。
【0051】ゴム又はビニル風船は広く市販されており
極めて入手が容易であり、またガスを抜いて畳めば極め
て小型になって携帯が便利になり、多数の測定点に測定
標的を配置する場合には便利である。
【0052】この場合、風船を標的本体とするには、測
定現地において例えば携帯ボンベに圧縮された空気の比
重より小さい比重を有するガス(例えば、ヘリウムガ
ス)を風船内部に充填して所望の大きさに膨らませれば
よい。
【0053】例えば、ゴム風船であれば、内部にガスを
充填すると周辺の空気流を大きく乱さないような略球形
の形状になり、かつ遠方よりサーモグラフィ装置で測定
するのに必要十分な投影面積を有する。
【0054】また、ビニル風船であれば、膨張時に周辺
の空気流を大きく乱さず、かつ遠方よりサーモグラフィ
装置で測定するのに必要十分な投影面積を有するような
所望の形状(例えば、縦長円筒)となるように風船を予
め構成し、そして内部にガスを充填してその所望の形状
に膨張させる。
【0055】さらに、図6に示すように、一端を床面6
に固定した糸7でその空気より小さい比重を有するガス
が充填されたゴム風船8をつなぎ止め、拘束部材として
の糸7の長さを調節することで、床面6から任意の高さ
の室温を測定可能にすればよい。
【0056】ここで、ゴム又はビニル風船の外表面状態
は、周辺空気流からの熱エネルギーを吸収しやすい適当
な粗面とすることが適当であり、また、標的本体である
風船自体の熱容量も、風船膜はいずれも薄膜であるた
め、周辺の空気流の熱エネルギーを短時間に吸収できる
ほど小さい。
【0057】さらに、サーモグラフィ装置による遠隔温
度測定が正確に行え、かつ測定の便利のため、次のよう
にすることが適当である。
【0058】風船の外表面も、外表面温度から有効な輻
射がなされる黒体輻射面にするため、ガスを充填して膨
らませた後に黒色非光沢塗料をスプレーすることで極め
て容易に黒体輻射面に加工することができる。
【0059】そして、風船の外表面にサーモグラフィ装
置による焦点合わせを容易にするための適当な丸印など
の標的マーク9を明色で印刷するのがよい。標的マーク
9の印刷も、風船が膨張する前又は後のいずれでも容易
に行うことができる。
【0060】また、例えば図7に示すように、ガスを充
填して構成した複数のゴム風船81、82を適当な熱絶
縁物としての糸61により所期の寸法間隔に上下に次々
と連結して拘束し、最下の糸82を床面6につなぎ止め
て拘束するように構成すると、ある測定点において床面
6からの異なる高さ位置の温度測定に便利である。
【0061】このように、ゴム又はビニル風船は、温度
測定標的として必要十分な本質的要件を満足し、かつ上
述のような著しい利点を持つので温度測定標的として実
用的である。
【0062】従って、上記実施の形態3によれば、温度
を測定すべき領域に設置した温度測定標的と、温度測定
標的の温度分布を測定するサーモグラフィ装置とで構成
された温度測定装置において、温度測定標的は、空気の
比重より小さい比重を有する気体が充填されて体積膨張
すると共に外側面が暗色処理された弾性材料からなるゴ
ム風船81、82と、気体が充填されたゴム風船81、
82を床面6につなぎ止める拘束部材としての糸7で構
成されたので、温度測定標的の可搬に便利であり、また
測定点において床面6からの測定高を容易に調整するこ
とができる。
【0063】また、温度測定標的は、外側面に標的マー
ク92が描画されたので、遠方からサーモグラフィ装置
によって標的本体を捉え、かつこれに焦点を合わせるこ
とが容易になる。
【0064】尚、風船を測定標的本体とする場合に、外
表面が黒体輻射面でなく例えば透明・白色ないし極淡色
では、風船を介してサーモグラフィ装置とは向かい側に
ある物体の輻射温度が風船を透過してサーモグラフィ装
置に到達して測定誤差を生じることがあるので、風船は
黒に近い暗色を選択して外表面をできるだけ黒体輻射面
に塗色加工をすることが適当である。
【0065】
【発明の効果】従って、この発明によれば、温度を測定
すべき領域に設置した温度測定標的と、温度測定標的の
温度分布を測定するサーモグラフィ装置とで構成された
温度測定装置において、温度測定標的は、外表面が粗面
でかつ暗色処理された熱良導性材料からなる薄板で形成
され上底部分及び下底部分が開口した円筒と、円筒内に
固定され熱良導性材料からなる支持部材と、支持部材と
嵌合する溝が端部に刻設され円筒を床面に固定するため
の熱良導性材料からなる連結部材とで構成されたので、
温度測定に際して可搬性が良く、また温度測定に際して
室内に設けても人の通行の邪魔にならずに温度測定を行
うことができる。
【0066】また、支持部材は、それぞれ外表面が粗面
でかつ暗色処理され円筒の内径の幅を有する2枚の長方
形の薄板に、溝幅の大きさが板厚の大きさでかつ溝長さ
が板長さの半分の大きさである溝を板の高さ方向の中心
軸上にそれぞれ設けて互いに略十字に交わるように組み
付けた十字仕切りとすると共に、連結部材の溝は、十字
仕切りと嵌合する略十字の溝としたので、連結部材は円
筒を強固に支えることができる。
【0067】また、温度を測定すべき領域に設置した温
度測定標的と、温度測定標的の温度分布を測定するサー
モグラフィ装置とで構成された温度測定装置において、
温度測定標的は、外表面が粗面でかつ暗色処理された熱
良導性材料からなる薄板で形成され上底部分及び下底部
分が開口した円筒と、円筒内を略2等分するように円筒
内に固定されると共に円筒の中心軸に沿う貫通した軸孔
を有する熱絶縁性材料からなる仕切り板と、仕切り板で
仕切られた一方の円筒内部に充填された充填材料と、仕
切り板の軸孔に挿入される支持柱を有すると共に床面に
置かれて円筒を回転自在に支持するスタンドとで構成さ
れたので、この温度測定標的により日陰側からの室温及
び日向側から受けた直射日光に基づく人の体感温度を再
現することができる。
【0068】また、温度を測定すべき領域に設置した温
度測定標的と、温度測定標的の温度分布を測定するサー
モグラフィ装置とで構成された温度測定装置において、
温度測定標的は、空気の比重より小さい比重を有する気
体が充填されて体積膨張すると共に外側面が暗色処理さ
れた弾性材料からなる風船と、気体が充填された風船を
床面につなぎ止める拘束部材とで構成されたので、温度
測定標的の可搬に便利であり、また測定点において床面
からの測定高を容易に調整することができる。
【0069】また、温度測定標的は、外側面に標的マー
クが描画されたので、遠方からサーモグラフィ装置によ
って標的本体を捉え、かつこれに焦点を合わせることが
容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の温度測定装置の温度測定標的
の説明図である。
【図2】 実施の形態1の温度測定装置の温度測定標的
の説明図である。
【図3】 実施の形態1の温度測定装置の温度測定標的
の説明図である。
【図4】 冷房中の部屋内の窓際で執務を行う人の様子
を示す図である。
【図5】 実施の形態2の温度測定装置の温度測定標的
の説明図である。
【図6】 実施の形態3の温度測定装置の温度測定標的
の説明図である。
【図7】 実施の形態3の温度測定装置の温度測定標的
の説明図である。
【符号の説明】
1 標的本体、1a 上底部分、1b 下底部分、1c
内側面、1d 外側面、1e 標的マーク、1f 十
字仕切り、2 連結棒、2a 切込溝、3 人、4 円
筒、4a 仕切り板、4b 内側面、4c 軸穴、4d
充填材料、4e 外側面、4f 標的マーク、5 ス
タンド、5a 段部、5b 上部支柱、5c 下部支
柱、5d 底部、6 床面、7,71,72 糸、8,
81,82 ゴム風船、9,91,92 標的マーク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−100339(JP,A) 特開 昭61−186825(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 5/00 - 5/62 H04N 5/33 JICSTファイル(JOIS) IEEE Xplore

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度を測定すべき領域に設置した温度測
    定標的と、前記温度測定標的の温度分布を測定するサー
    モグラフィ装置とで構成された温度測定装置において、
    前記温度測定標的は、外表面が粗面でかつ暗色処理され
    た熱良導性材料からなる薄板で形成され上底部分及び下
    底部分が開口した円筒と、前記円筒内に固定され熱良導
    性材料からなる支持部材と、前記支持部材と嵌合する溝
    が端部に刻設され前記円筒を床面に固定するための熱良
    導性材料からなる連結部材とで構成されたことを特徴と
    する温度測定装置。
  2. 【請求項2】 前記支持部材は、それぞれ外表面が粗面
    でかつ暗色処理され前記円筒の内径の幅を有する2枚の
    長方形の薄板に、溝幅の大きさが板厚の大きさでかつ溝
    長さが板長さの半分の大きさである溝を板の高さ方向の
    中心軸上にそれぞれ設けて互いに略十字に交わるように
    組み付けた十字仕切りとすると共に、前記連結部材の溝
    は、十字仕切りと嵌合する略十字の溝としたことを特徴
    とする請求項1に記載の温度測定装置。
  3. 【請求項3】 温度を測定すべき領域に設置した温度測
    定標的と、前記温度測定標的の温度分布を測定するサー
    モグラフィ装置とで構成された温度測定装置において、
    前記温度測定標的は、外表面が粗面でかつ暗色処理され
    た熱良導性材料からなる薄板で形成され上底部分及び下
    底部分が開口した円筒と、前記円筒内を略2等分するよ
    うに前記円筒内に固定されると共に前記円筒の中心軸に
    沿う貫通した軸孔を有する熱絶縁性材料からなる仕切り
    板と、前記仕切り板で仕切られた一方の前記円筒内部に
    充填された充填材料と、前記仕切り板の軸孔に挿入され
    る支持柱を有すると共に床面に置かれて円筒を回転自在
    に支持するスタンドとで構成されたことを特徴とする請
    求項1に記載の温度測定装置。
  4. 【請求項4】 温度を測定すべき領域に設置した温度測
    定標的と、前記温度測定標的の温度分布を測定するサー
    モグラフィ装置とで構成された温度測定装置において、
    前記温度測定標的は、空気の比重より小さい比重を有す
    る気体が充填されて体積膨張すると共に外側面が暗色処
    理された弾性材料からなる風船と、気体が充填された前
    記風船を床面につなぎ止める拘束部材とで構成されたこ
    とを特徴とする温度測定装置。
  5. 【請求項5】 前記温度測定標的は、外側面に標的マー
    クを描画されたことを特徴とする請求項1乃至4のいず
    れかに記載の温度測定装置。
JP33856996A 1996-12-18 1996-12-18 温度測定装置 Expired - Fee Related JP3292667B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33856996A JP3292667B2 (ja) 1996-12-18 1996-12-18 温度測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33856996A JP3292667B2 (ja) 1996-12-18 1996-12-18 温度測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10176956A JPH10176956A (ja) 1998-06-30
JP3292667B2 true JP3292667B2 (ja) 2002-06-17

Family

ID=18319415

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33856996A Expired - Fee Related JP3292667B2 (ja) 1996-12-18 1996-12-18 温度測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3292667B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5488978B2 (ja) * 2010-02-03 2014-05-14 東京電力株式会社 空間温度分布計測装置および計測方法
JP6909604B2 (ja) * 2017-03-22 2021-07-28 株式会社九電工 空間温度測定装置及び空間温度測定方法
WO2021152671A1 (ja) * 2020-01-27 2021-08-05 三菱電機株式会社 温度特定システム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10176956A (ja) 1998-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Rees 11—The transmission of heat through textile fabrics
CN201453256U (zh) 一种带有摄像拍照功能的测温器
JP3292667B2 (ja) 温度測定装置
CN108872467A (zh) 一种建筑外墙保温板材火灾蔓延特性测试装置及测试方法
CN111189552A (zh) 一种甲烷水合物火焰温度测试装置及测温修正方法
CN210741557U (zh) 便携式室外热舒适度测量仪
Anderson et al. Water vapor adsorption by sodium montmorillonite at− 5° C
CN207926716U (zh) 外场试验周边摄像系统
JP2565056B2 (ja) フィルム保温性能測定方法
CN213042513U (zh) 一种探究阳光直射、斜射与吸热快慢的实验仪
CN212254043U (zh) 一种基础三向相对位移测量装置
JPH10136263A (ja) 熱画像収録装置及び熱画像収録方法
JP2001083014A (ja) ベクトル温度検出装置
Asano et al. Development of an urban thermal environment measurement system using a new spherical thermography technique
CN216696138U (zh) 一种可调弧度构型的保温板材燃烧特性测试装置
Ujma et al. Thermal emissivity of tent fabric and its influence on the thermal insulation of tent walls
CN212693651U (zh) 一种用于房地产评估的空鼓检测装置
Bridgeland et al. Measurements of mirror seeing in the laboratory and at the telescope
Kleins Toward accurate prediction of comparative fenestration performance
CN212207181U (zh) 一种模拟海绵城市路面对周围建筑物降温效果的测试装置
CN115165955B (zh) 一种基于热量变化的地面材料反照率测试方法及系统
Purdy et al. A passive thermal screen for infrared scene simulation
Cheng et al. Preliminary research in the measurement of the solar radiation by transient technique
WO2016150856A1 (en) Determining the u-value of a wall or other construction element
Voegler et al. Flat heat pipe design, construction, and analysis

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090329

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090329

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100329

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110329

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110329

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120329

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees