JP3291497B2 - 食肉加工品 - Google Patents

食肉加工品

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JP3291497B2
JP3291497B2 JP2000379962A JP2000379962A JP3291497B2 JP 3291497 B2 JP3291497 B2 JP 3291497B2 JP 2000379962 A JP2000379962 A JP 2000379962A JP 2000379962 A JP2000379962 A JP 2000379962A JP 3291497 B2 JP3291497 B2 JP 3291497B2
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秀昭 谷内田
祐三 国方
晃一 荻原
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Prima Meat Packers Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるレトルト
食品等の一旦流通された後、調理され食に供される食肉
加工品に関し、詳細には、食感が良く、ふっくらとし
て、肉本来の味を損なわない食肉加工品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明の解決しようとする課題】従来よ
り、ハンバーグ、肉団子、つくね等の食肉加工品は、真
空パックされた形等の形態で流通されている。
【0003】このような食肉加工品は、従来、食肉をグ
ラインダにより挽肉とされた状態で、所定の形態に加工
成形されて、真空パックなどに袋詰めされている。
【0004】しかし、このような従来の食肉加工品で
は、単に、食肉を挽肉とした状態でミキシングして加工
成形しているため、肉塊が細切れの挽肉状であり、肉の
筋繊維が殆ど残らないため、結着性及び保型性を有する
が、加工、袋詰め及び流通工程の間に、挽肉が潰れてし
まい、薄くペタッとした外観となり、加熱調理しても、
ふっくらとした感触がなく、肉粒感が出ずに食感が悪
く、肉本来の味が損なわれてしまい、味覚も劣るという
問題があった。
【0005】従って、本発明の目的は、食感がよく、ふ
っくらとした感じがあり、肉本来の味を損なうことがな
く、味覚にも優れた食肉加工品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の発明は、収縮率が異なるように裁断された少なくと
も2以上の形状の肉塊を加熱前に、該肉塊の形状を保持
したままミキサーに投入し、ミキシング処理後、成形す
るようにした食肉加工品を提供することにより、前記目
的を達成したものである。ここで、裁断とは、ナイフに
よるスライス切断、またはコミットロールで繊維方向に
削ぐ切断を意味し、チョッパ、グラインダ、エクストル
ーダ等により肉塊をミンチ状に挽く場合を除く。ここ
で、収縮とは、加熱時に肉塊がC字状、「く」の字状等
に変形屈曲することをいう。かかる構成により、本発明
の食肉加工品は、加熱調理時の収縮率が異なるように裁
断された少なくとも2以上の形状の肉塊をその形状が保
持されたままミキシング処理しているので、加熱調理時
に、前記肉塊の形状ごとに収縮率の差が生じて、肉塊の
形状毎に異なる立体的な変形が生じるため、収縮率の大
きい肉塊が収縮時に空気を包み込み、又は立体的な変形
の度合いの異なる肉塊が互いに隣接しあっているため、
空気を内包して多数の中空部が生じるので、食肉加工品
の内部の状態は従来のように結着した状態となることは
ない。すなわち、本願発明は肉の筋繊維のメッシュを残
すようにしているため、ミキシングして成形した後は、
外見的には通常の食肉加工品と外観は近似するが、筋繊
維が切れたりすることなく、ほぼそのままの長さで残
る。このため、長短の肉繊維が混在し、加熱後はC型、
「く」の字に屈曲変形した肉塊となり、これらの肉塊が
結着しない状態で隣接しあって、空気を内包して、食肉
加工品の内部に中空部が生じる。このため、ふっくらと
した感じとなり、肉粒感があり食感がよく、肉本来の味
を損なうことがなく、味覚も優れたものとなる。
【0007】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の食肉加工品において、前記2以上の形状の肉塊のう
ち少なくとも1の肉塊は、食肉をその繊維の配向方向に
沿って裁断した食肉加工品を提供することにより、前記
目的を達成したものである。かかる構成により、本発明
の食肉加工品は、前記2以上の形状の肉塊のうち少なく
とも1の肉塊は、食肉をその繊維の配向方向に沿って裁
断したものとしたので、加熱調理時に、前記食肉をその
繊維の配向方向に沿って裁断した肉塊とそうでない肉塊
との収縮率の差が生じ、収縮率の大きい肉塊が収縮時に
空気を包み込むため、食肉加工品中に多数の中空部が生
じ、ふっくらとした感じとなり、肉粒感があり食感がよ
く、肉本来の味を損なうことがなく、味覚も優れたもの
となる。
【0008】また、請求項3記載の発明では、請求項1
又は2記載の食肉加工品において、短冊状に裁断された
短冊状肉塊と、扁平状に裁断された扁平状肉塊とをミキ
シング処理した食肉混合物からなる食肉成分を含有する
食肉加工品を提供することにより、前記目的を達成した
ものである。ここで、短冊状肉塊とは、細長い直方体状
の肉塊をいい、扁平状肉塊とは正方形状又は(短冊状程
細長くない)長方形状で厚さが薄い平坦な形状の肉塊を
いう。かかる構成により、本発明の食肉加工品は、前記
短冊状肉塊と前記扁平状肉塊とが、ミキシング処理され
て均一に混合された食肉混合物を食肉成分として用いて
いるので、加熱調理時に、前記扁平状肉塊と前記短冊状
肉塊との収縮率の差が生じ、収縮率の大きい肉塊が収縮
時に空気を包み込むため、食肉加工品中に多数の中空部
が生じ、ふっくらとした感じとなり、肉粒感があり食感
がよく、肉本来の味を損なうことがなく、味覚も優れた
ものとなる。
【0009】また、請求項4記載の発明では、請求項3
記載の発明において、前記扁平状肉塊が食肉をその繊維
の配向方向に沿って裁断してなる食肉加工品を提供する
ものである。かかる構成により、本発明の食肉加工品
は、前記短冊状肉塊と前記扁平状肉塊とが、ミキシング
処理されて均一に混合された食肉混合物を食肉成分とし
て用いており、加熱調理時に、前記扁平状肉塊は筋繊維
方向に大きく収縮し、一方前記短冊状肉塊はあまり収縮
しないという収縮率の差が生じ、これにより扁平状肉塊
が収縮時に空気を包み込んで食肉加工品中に多数の中空
部が生じ、さらに、ふっくらとした感じとなり、肉粒感
があり食感がよく、肉本来の味を損なうことがなく、味
覚も優れたものとなる。
【0010】また、請求項5記載の発明では、請求項3
又は4記載の食肉加工品において、前記短冊状肉塊が、
幅が3〜5mm、厚さが3〜5mm、長さが35〜50
mmであり、前記扁平状肉塊が、幅が20〜35mm、
厚さが3〜6mm、長さが20〜35mmである食肉加
工商品を提供するものである。これにより、食感及びふ
っくらとした感じがより向上される。
【0011】また、請求項6記載の発明では、請求項3
〜5のいずれか記載の食肉加工品において、前記短冊状
肉塊と前記扁平状肉塊との配合割合が、前記短冊状肉塊
100重量部に対して前記扁平状肉塊100〜140重
量部である食肉加工品を提供するものである。これによ
り、食感とふっくらとした感じがより向上される。
【0012】また、請求項7記載の発明では、請求項1
〜6のいずれかに記載の発明において、更に、つなぎ成
分を含有してなる食肉加工品を提供するものである。本
発明では、加熱調理時に、扁平状肉塊と短冊状肉塊との
間に収縮率の差が生じ、これにより食肉加工品中に多数
の中空部が生じるため、型くずれし易くなるが、つなぎ
成分を含有することにより、型くずれし難くなる。
【0013】また、請求項8記載の発明では、請求項3
〜7のいずれかに記載の発明において、前記短冊状肉塊
は、脂肪分を、その全重量中40〜60重量%含有し、
前記扁平状肉塊は、脂肪分を、その全重量中15〜25
重量%含有しており、食肉加工品は、その全重量中16
〜20重量%以上の脂肪分を含有する食肉加工品を提供
するものである。これにより、脂肪分より肉汁が出て、
ジューシーな感じが増すため味が更に良くなる。
【0014】また、請求項9記載の発明では、請求項1
〜8のいずれかに記載の発明において、更に、野菜成分
を含有してなる食肉加工品を提供するものである。これ
により、食感が更に向上し、味も更に良くなる。
【0015】また、請求項10記載の発明では、請求項
1〜9のいずれかに記載の発明において、ハンバーグ、
肉団子、つくね又はこれらの類似食品である食肉加工品
を提供するものである。これにより、本発明の所望の効
果がより発揮される。
【0016】また、請求項11記載の発明では、請求項
1〜10のいずれかに記載の発明において、厚みが21
〜25mmである食肉加工品を提供するものである。本
発明では、加熱調理時に、複数種類の肉塊の間に収縮率
の差が生じ、これにより食肉加工品中に多数の中空部が
生じて空気が入ることとなるが、この程度の厚みとする
ことにより、割れにくく保型性を保持することができ、
更に食感及びふっくらとした感じが向上される。
【0017】また、請求項12記載の発明では、請求項
1〜11のいずれか記載の発明において、更に、野菜成
分とつなぎ成分とを含有してなり、前記食肉成分と前記
野菜成分と前記つなぎ成分との配合割合が、前記食肉成
分100重量部に対して、前記野菜成分20〜35重量
部、前記つなぎ成分10〜25重量部である食肉加工品
を提供するものである。これにより、食感及びふっくら
とした感じがより向上されると共に、味も更に良くな
る。
【0018】また、請求項13記載の発明では、ブロッ
ク状の肉を裁断して収縮率が異なる少なくとも2以上の
形状の肉塊とする肉塊裁断工程と、未加熱の該肉塊の形
状を保持したままミキサーに投入する肉塊投入工程と、
2以上の形状の肉塊が均一に混合するミキシング工程
と、所定の形状に成形する成形工程とを具備する。これ
により、本願発明では、収縮率が異なる少なくとも2以
上の形状の肉塊をその形状を保持したままの状態でミキ
サーに投入し、異種の肉塊を均一に混合するミキシング
とし、肉の筋繊維のメッシュを残すようにしている。こ
のため、ミキシング後の成形後は、外見的には通常の食
肉加工品と外観は近似するが、筋繊維が切れたりするこ
となく、ほぼそのままの長さで残るため、長短の肉繊維
が混在し、加熱後はC型、「く」の字に屈曲変形した肉
塊となり、内部に中空部が生じるため、通常よりふっく
らした食肉加工品とすることができる。
【0019】また、請求項14記載の発明では、ブロッ
ク状の肉を裁断して短冊状肉塊を得る短冊状肉塊製造工
程と、所定の大きさにした肉塊を繊維の配向方向に沿っ
て裁断して扁平状肉塊を得る扁平状肉塊製造工程と、該
短冊状肉塊と該扁平状肉塊とを混合して、所定の形状に
成形する成形工程とを具備する食肉加工品の製造方法を
提供するものである。これにより、本発明の食肉加工品
を、効果的に得ることができる。
【0020】また、請求項15記載の発明では、請求項
14記載の食肉加工品の製造方法において、前記扁平状
肉塊製造工程は、所定の大きさのブロック状の肉を所定
の大きさのブロックとした後、コミットロールにより肉
の繊維方向に沿って所定の大きさに裁断するものであ
る。これにより、本発明の食肉加工品を、効果的に得る
ことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の食肉加工食品につ
いて更に詳述する。本発明は、収縮率が異なるように裁
断された少なくとも2以上の形状の肉塊を加熱前に、該
肉塊の形状を保持したままミキサーに投入し、ミキシン
グ処理後、成形するようにしたものである。具体的に
は、短冊状に裁断された短冊状肉塊と、食肉をその繊維
の配向方向に沿って裁断してなる扁平状肉塊とをミキシ
ング処理したものである。食肉混合物は、短冊状肉塊と
扁平状肉塊がバラス状に混在した状態となる。なお、本
実施の形態では、2以上の形状の肉塊を短冊状と扁平状
肉塊としているが、これに限定されるものではなく、収
縮率が異なるように裁断されたものであればどのような
形状であっても良い。
【0022】前記短冊状肉塊は、食肉のブロックを所定
の大きさに裁断してなるものであり、その大きさは、幅
が3〜5mm、厚さが3〜5mm、長さが35〜50m
mとするのが好ましい。幅及び厚さが5mmを越える
と、筋が感じられて食感があまり良くない。
【0023】また、前記扁平状肉塊は、食肉のブロック
を予め所定の大きさのブロックとした後、コミットロー
ル等を用いて、食肉の繊維の配向方向に沿って所定の大
きさに裁断してなるものであり、その大きさは、幅が2
0〜35mm、厚さが3〜6mm、長さが、20〜35
mmとするのが好ましい。幅及び長さが20mm以下の
場合、筋繊維方向の収縮率が低下し、他方、35mmを
越えると、保型性が低くなる。また、厚みが3mm以下
となると、食感が低下し、他方厚みが6mm以上となる
と、扁平状肉塊の収縮率が小さくなる。
【0024】前記短冊状肉塊及び前記扁平状肉塊の大き
さを上述の範囲内とすることにより、食感やふっくらと
した感じがより向上されるので、好ましい。
【0025】前記食肉成分は、牛肉からなるのが好まし
い。即ち、前記短冊状肉塊及び前記扁平状肉塊の原料で
ある食肉のブロックは、牛肉であるのが、味覚の点から
好ましく、特にショートプレートが好適であり、扁平状
肉塊はトリミング材が好適である。
【0026】また、前記短冊状肉塊は、脂肪分を、その
全重量中40〜60重量%含有するのが、味覚の点から
好ましく、前記扁平状肉塊は、脂肪分を、その全重量中
15〜25重量%含有するのが、脂肪が適度な肉汁とし
て出るため、味覚の点から好ましい。脂肪分が15重量
%以下の場合、肉汁となる脂肪が少ないため、パサパサ
した感触となり、他方、脂肪分が25重量%以上の場
合、肉汁として脂肪が流れてしまうため味覚が損なわ
れ、且つ肉の重量も減少してしまう。なお、製品脂肪率
は、約18±2%とするのが好ましい。
【0027】前記短冊状肉塊と前記扁平状肉塊との配合
割合は、前記短冊状肉塊100重量部に対して前記扁平
状肉塊100〜140重量部であるのが、食感やふっく
ら感をより向上させる上で好ましい。
【0028】本発明の食肉加工品には、更に、野菜成分
とつなぎ成分とを含有させることができる。
【0029】この際用いられる前記つなぎ成分として
は、パン粉、卵白及びデンプンからなる群より選択され
る1種以上等が好ましく用いられるが、これらのすべて
をもちいるのが、とくにふっくらとした感じをより向上
させる上で好ましい。つなぎ成分により、肉塊同士を結
着するため保型性が向上する。
【0030】また、前記野菜成分としては、ソテーした
タマネギや、人参その他の根菜等が用いられるが、特に
食肉加工品が、ハンバーグ等である場合には、ソテーし
たタマネギが味覚や食感の点で好ましい。また、このソ
テーしたタマネギは、タマネギを約5×10×10mm
程度の大きさのダイスカット状に裁断したものを植物油
によりソテーしてなるものが、上述の好ましい大きさの
短冊状肉塊及び扁平状肉塊と組み合わせた際に好まし
い。
【0031】この際の前記食肉成分と前記野菜成分と前
記つなぎ成分との配合割合は、前記食肉成分100重量
部に対して、前記野菜成分20〜35重量部、前記つな
ぎ成分10〜25重量部であるのが、食感及びふっくら
とした感じをより向上させ、更に味覚をも向上させる上
で好ましく、前記野菜成分25〜30重量部、前記つな
ぎ成分13〜18重量部であるのが更に好ましい。
【0032】また、本発明の食肉加工品には、上述した
各成分の他に調味料や各種の食品添加剤等、通常この種
の食肉加工品に用いられるものを特に制限なく添加する
ことができる。
【0033】本発明の食肉加工品は、ハンバーグ、肉団
子、つくね又はこれらの類似食品に好適に適用される。
【0034】また、本発明の食肉加工品の厚みは、21
〜25mmであるのが好ましい。これは、加熱調理時
に、扁平状肉塊と短冊状肉塊との間に収縮率の差が生
じ、これにより食肉加工品中に多数の中空部が生じて空
気が入ることとなるが、この程度の厚みとすることによ
り、焼成後に割れにくく保型性を保持することができる
ためである。さらに、食感やふっくらとした感じをより
向上させる上で好ましい。特に、本発明をハンバーグに
適用した場合に、厚みをこの範囲内とすることによる効
果の向上が顕著である。なお、食肉加工品の厚みが20
mm以下であると、焼成後に割れやすくなる。他方、厚
みが25mm以上となると、加熱調理に時間がかかる。
【0035】また、本発明の食肉加工品は、その全重量
中16〜20重量%の割合で脂肪分を含有するのが、味
覚の点で好ましい。なお、この脂肪分は、上述の短冊状
肉塊及び扁平状肉塊が含有する脂肪分に制限されず、別
途油脂成分を添加してもよい。
【0036】かかる構成により、本発明の食肉加工品
は、前記短冊状肉塊と前記扁平状肉塊とが、ミキシング
処理されて均一に混合された食肉混合物を食肉成分とし
て用いているので、加熱調理時に、前記扁平状肉塊は筋
繊維方向に大きく収縮し、一方前記短冊状肉塊はあまり
収縮しないという収縮率の差が生じ、これにより扁平状
肉塊が収縮時に空気を包み込んで食肉加工品中に多数の
中空部が生じるため、ふっくらとした感じが生じ、ま
た、肉粒感があって食感がよく、肉本来の味を損なうこ
とがなく味覚にも優れたものとなる。
【0037】次に、本発明の食肉加工品の好ましい製造
方法について、説明する。
【0038】本発明の食肉加工品の製造方法は、ブロッ
ク状の肉をスライスして短冊状肉塊を得る短冊状肉塊製
造工程と、所定の大きさにした肉塊を繊維の配向方向に
沿って裁断して扁平状肉塊を得る扁平状肉塊製造工程
と、該短冊状肉塊と該扁平状肉塊とを混合して、所定の
形状に成形する成形工程とを行うことにより実施でき
る。
【0039】前記短冊状肉塊製造工程は、原料の肉のブ
ロックを解凍などして、各種の検査を行った後、テンペ
リングし、所定の方向に向けて、約4.5mm〜5mm
程度の幅に1次スライスをし、更に該所定の方向に対し
て90度の角度となる方向に約4.5mm〜5mm程度
の幅に2次スライスすることにより行うことができる。
この際生じる、スライスヘタの部分は、扁平状肉塊製造
工程におけるコミットロールに供給することができる。
【0040】前記扁平状肉塊製造工程は、所定の大きさ
の原料の肉のブロックを解凍などして、各種の検査を行
った後、再度凍結させ、テンペリングし、所定の大きさ
のブロックに、ブロックグラインダによりブロック化し
た後、コミットロールにより、肉の繊維方向に沿って所
定の大きさに裁断することにより行うことができる。
【0041】前記成形工程は、前記短冊状肉塊製造工程
及び前記扁平状肉塊製造工程で得られた短冊状肉塊と扁
平状肉塊とを、ミキシング処理した後、ハンバーグ等の
所望の形状に成形し、更に、ローラにより、所定の厚さ
に成形することにより行うことができる。
【0042】また、成形工程においては、食肉成分の他
に、つなぎ成分や野菜成分などを加え、更に調味料など
の他の添加剤を加えて成形を行ってもよい。本発明での
ミキシング処理で使用するミキサー及び成形機は従来の
ハンバーグの製造で使用する装置と同じで良い。但し、
従来のハンバーグの場合には、パイプ(エクストルー
ダ)等でミキサーに肉を送りこむようにしているため、
肉塊は押し出しにより圧縮、又はチョッパ、又はグライ
ンダにより切断され、肉の筋繊維は殆ど投入時の形状が
残らないが、本願発明では、スコップで掬ってミキサー
に投入し、異種の肉塊を均一に混合するミキシングと
し、肉塊をバラス状に混在させて、肉の筋繊維のメッシ
ュを残すようにしている。このため、ミキシング後の成
形後は、外見的には通常のハンバーグと外観は近似する
が、筋繊維が切れたりすることなく、ほぼそのままの長
さで残るため、長短の肉繊維が混在した状態となる。こ
のため、加熱後はC型、「く」の字に屈曲変形した肉塊
となり、内部に中空部が生じる。
【0043】そして、本発明の食肉加工品は、上述の各
工程を終えた後、急速に凍結させ、金属探、選別、重量
チェック、箱詰め、箱計量、一時保管等の各工程を経
て、通常の食肉加工品と同様にして、出荷され流通過程
にのり、販売等された後、調理されて食に供される。
【0044】
【実施例】以下、本発明の食肉加工品について実施例に
より、更に具体的に説明するが、本発明は、これらに制
限されるものではない。
【0045】〔実施例1〕以下の各工程を行って、本発
明の食肉加工品としてのハンバーグを得た。
【0046】<短冊状肉塊製造工程>短冊状肉塊の原料
として、冷凍状態の牛肉(ショートプレート)を解凍
し、骨やインクを除去した後、テンペリングを行い、肉
温を−4〜−1℃とした。次いで、原料肉塊における繊
維の配向方向と直交する方向に1次スライスを行い、肉
厚を4.5mmとし、更に1次スライスのスライス方向
と直交する方向に2次スライスを行い、4.5mm×
4.5mm×40〜50mmの短冊状肉塊を得た。
【0047】<扁平状肉塊製造工程>扁平状肉塊の原料
として、冷凍状態の0.7〜2.0kg程度の牛ブロッ
ク肉(トリミング)を水解させた。そして、通常の方法
により検査をした後再度凍結させてテンペリングを行っ
た。この際の肉温は−2〜−3℃とした。次いで、ブロ
ックグラインドを行い、肉温を−2.5〜−1.5℃と
して、約18〜20×18〜20×18〜20mm程度
のブロックに裁断した。この裁断して得られた肉塊と、
短冊状肉塊製造工程で得られたスライスヘタの部分と
を、それぞれ#1500のコミットロールにかけて、裁
断し、5mm×25〜30mm×25〜30mmの扁平
状肉塊を得た。
【0048】<成形工程>得られた短冊状肉塊31重量
部と扁平状肉塊43重量部とをそれぞれ、スコップ等で
掬って筋繊維が残るようにミキシング処理して、食肉混
合物からなる食肉成分を得た。また、この際、ソテーし
たタマネギ20.25重量部、白パン粉5重量部、卵白
5重量部、デンプン0.8重量部、ビーフエキス1.0
重量部、カゼインNa0.7重量部、食塩0.1重量
部、ホワイトペッパー0.08重量部を添加し、均一に
分散されるように混合した。
【0049】得られた混合物を絞り出し、各230〜2
40gとなるように型に入れて成形した後、オイルコー
ティングしたローラを用いて、長さが140〜160m
mで、幅が90〜100mmで、厚みが23〜24mm
となり、更に、深さが1〜3mmで、幅が約20mmの
溝がつくように、圧縮し、その後、中心肉温が−5〜−
3℃になるように急速凍結した。
【0050】次いで、金属探、選別、重量チェック、箱
詰め、箱計量、一時保管等の各工程を、通常の食肉加工
品と同様にして行い、本発明の食肉加工品としてのハン
バーグを複数個得た。
【0051】得られたハンバーグについて、5日間保存
後に加熱調理し、試食したところ、従来のこの種の食肉
加工品のようにペタッとした感じや歯ごたえにかけると
ころがなく、良好な食感を有し、ふっくらとした感じが
あり、しかも肉本来の味を損なうことなく、味覚にも優
れていた。また、官能検査の結果については、以下の通
りである。 1. 食感 適度な弾力,肉粒感があり、ジューシーで
ある。 2. 味覚 異常がない。 3. 風味 異臭がない。 4. 外観 大きな割れ,穴,変形がない。 5. 色沢 適切である。
【0052】
【発明の効果】本発明の食肉加工品は、肉粒感があり食
感がよく、ふっくらとした感じがあり、肉本来の味を損
なうことがなく、味覚にも優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−12254(JP,A) 特開 平1−235558(JP,A) 特開 昭48−91244(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/31 A23L 1/314 A23L 1/317 A23L 1/48

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収縮率が異なるように裁断された少なく
    とも2以上の形状の肉塊を加熱前に、該肉塊の形状を保
    持したままミキサーに投入し、ミキシング処理後、成形
    するようにした食肉加工品。
  2. 【請求項2】 前記2以上の形状の肉塊のうち少なくと
    も1の肉塊は、食肉をその繊維の配向方向に沿って裁断
    したものとした請求項1記載の食肉加工品。
  3. 【請求項3】 前記2以上の形状の肉塊は、短冊状に裁
    断された短冊状肉塊と、扁平状に裁断された扁平状肉塊
    からなる請求項1又は2記載の食肉加工品。
  4. 【請求項4】 前記扁平状肉塊が食肉をその繊維の配向
    方向に沿って裁断してなる請求項3記載の食肉加工品。
  5. 【請求項5】 前記短冊状肉塊は、幅が3〜5mm、厚
    さが3〜5mm、長さが35〜50mmであり、前記扁
    平状肉塊は、幅が20〜35mm、厚さが3〜6mm、
    長さが20〜35mmである請求項3又は4記載の食肉
    加工品。
  6. 【請求項6】 前記短冊状肉塊と前記扁平状肉塊との配
    合割合が、前記短冊状肉塊100重量部に対して前記扁
    平状肉塊100〜140重量部である請求項3〜5のい
    ずれか記載の食肉加工品。
  7. 【請求項7】 更に、つなぎ成分を含有してなる請求項
    1〜6のいずれかに記載の食肉加工品。
  8. 【請求項8】 前記短冊状肉塊は、脂肪分を、その全重
    量中40〜60重量%含有し、前記扁平状肉塊は、脂肪
    分を、その全重量中15〜25重量%含有しており、 食肉加工品は、その全重量中16〜20重量%の脂肪分
    を含有する請求項3〜7のいずれかに記載の食肉加工
    品。
  9. 【請求項9】 更に、野菜成分を含有してなる請求項1
    〜8のいずれかに記載の食肉加工品。
  10. 【請求項10】 ハンバーグ、肉団子、つくね又はこれ
    らの類似食品である請求項1〜9のいずれかに記載の食
    肉加工品。
  11. 【請求項11】 厚みが、21〜25mmである請求項
    1〜10のいずれかに記載の食肉加工品。
  12. 【請求項12】 更に、野菜成分とつなぎ成分とを含有
    してなり、前記食肉成分と前記野菜成分と前記つなぎ成
    分との配合割合が、前記食肉成分100重量部に対し
    て、前記野菜成分20〜35重量部、前記つなぎ成分1
    0〜25重量部である請求項1〜11のいずれか記載の
    食肉加工品。
  13. 【請求項13】 ブロック状の肉を裁断して収縮率が異
    なる少なくとも2以上の形状の肉塊とする肉塊裁断工程
    と、 未加熱の該肉塊の形状を保持したままミキサーに投入す
    る肉塊投入工程と、 2以上の形状の肉塊を均一に混合するミキシング工程
    と、 所定の形状に成形する成形工程とを具備する食肉加工品
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 ブロック状の肉を裁断して短冊状肉塊
    を得る短冊状肉塊製造工程と、所定の大きさにした肉塊
    を繊維の配向方向に沿って裁断して扁平状肉塊を得る扁
    平状肉塊製造工程と、該短冊状肉塊と該扁平状肉塊とを
    混合して、所定の形状に成形する成形工程とを具備する
    食肉加工品の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記扁平状肉塊製造工程は、所定の大
    きさのブロック状の肉を、コミットロールにより肉の繊
    維方向に沿って所定の大きさに裁断する請求項14記載
    の食肉加工品の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記食肉加工品はハンバーグとした請
    求項14〜15のいずれか記載の食肉加工品の製造方
    法。
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