JP3290905B2 - 酸化銅膜の堆積法及び該膜からなるヘテロ接合の形成方法 - Google Patents

酸化銅膜の堆積法及び該膜からなるヘテロ接合の形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所望の基板上に良質に
して大面積の酸化第1銅の効率的堆積を可能にする方法
に関する。また本発明は、当該酸化第1銅の堆積方法に
基づいた光起電力素子(太陽電池)、整流器などの大面
積の半導体デバイスの効率的製造を可能にする方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】酸化銅(酸化第1銅)は、古くから実用
に供されてきた半導体であり、すでに1920年代には
整流器、1930年代には光検出器への応用が図られ
た。しかしその後、セレン、硫化カドミウム、さらにゲ
ルマニウム、シリコンによる整流器、光検出器に置き換
えられ、現在では殆ど忘れられた存在となっているが、
酸化銅は低コストで毒性のない材料であり、特に太陽電
池への応用には依然として有望な材料である。酸化銅の
形成は、これまで主として金属銅の熱酸化、あるいは陽
極酸化によって行われてきた。これらの方法はそのプロ
セスが単純で、化学的に純度の高い酸化銅が得易いとい
う長所があったが、熱酸化の場合には最低で300℃、
通常500℃以上の温度が必要となり、耐熱性のある基
板しか使用できず、熱膨張率の違いにより、おうおうに
して堆積終了後基板から剥れる。またいずれにせよ銅の
結晶構造から酸化銅の結晶構造への変換を伴うため、ミ
クロな欠陥や歪みを生じやすく、その電気的特性には改
善の余地が多かった。またStareck(米国特許第
2,081,121号明細書)は、硫酸銅のアルカリ溶
液のカソード還元を利用して酸化銅を堆積した。この方
法では高温を必要とせず、結晶構造の変換を伴わないの
で欠陥や歪みの少ない良質の酸化銅が得られる可能性が
ある。しかしこの方法では良好なp型の酸化銅が得にく
い傾向がある。また、N.A.Economou,R.
S.Toth R.J.Komp,D.Trivic
h,Proc.Photov.Sol.Energy
Conf.(1977)p1180には、酸化銅の堆積
法として反応性スパッタリング法も適用可能であるが、
酸素分圧の変化に伴う膜組成の変動が大きく再現性が得
にくい旨記載されている。こうした理由から、酸化銅を
利用する太陽電池は理論的には効率13%が可能とされ
るにもかかわらず(D.Trivich,E.Y.Wa
ng,R.J.Komp and A.S.Kaka
r,13th IEEE Photov.Spec.C
onf.,p174.IEEE,New York参
照)、実際には酸化銅を利用した太陽電池ではこれまで
注目すべき特性が得られていない。
【0003】上述した米国特許明細書には、Stare
ckの方法で得られた膜は抵抗が高い旨記載されてい
る。この理由については、当該膜では結晶は、欠陥はむ
しろ少なく、ドナーの不足もしくはアクセプターの生成
により実質的に真性化しているためと、本発明者らは考
えている。もし前記Stareckのプロセスで不純物
が入らないと仮定すると、酸化第1銅の結晶中で本来1
価であるべき銅が2価となり実質的にドナーとして機能
し、通常p型になる酸化第1銅が真性化した可能性があ
る。従って銅の酸化を厳密に制御できれば、p型で抵抗
の低い膜が得られると予想できる。本発明者らはカソー
ド電極上で金属酸化膜が生成するプロセスを次のように
推定している。すなわち金属イオンと適当なエージェン
ト(イオンまたは分子)との溶液に浸漬したカソード電
極上で、エージェントが還元をうけ、それに伴い酸素が
発生し金属イオンと反応して金属酸化物を形成する。こ
こでエージェントが酸素を発生する標準電極電位は、エ
ージェントの種類に応じて変化しうる。また金属が複数
の価数を取りうる場合、その標準電極電位の値に応じて
金属が何価で取り込まれ易いかが変化しうる。すなわち
銅の場合、エージェントの選択次第では2価の銅を含ま
ずp型で抵抗の低い酸化第1銅が得られる可能性があ
る。一方伊崎ら(伊崎、小見、J.Electro C
hem.Sci.,Vol.143,No.3,Mar
ch 1996,p.L53)は、酸化亜鉛を硝酸亜鉛
の水溶液に浸漬したカソード電極上に堆積した。この場
合は硝酸イオンがエージェントになっていると考えられ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の酸化銅堆積技術では、大面積の酸化銅(酸化第1
銅)を容易に堆積することはできない。ましてや、耐熱
性の低い大面積基板上に大面積にして良質の酸化銅を効
率的に形成して、低コストで特性の優れた大面積の半導
体デバイスを得ることはできない。本発明の目的は、良
質にして良好な特性を有する酸化第1銅を、所望の基板
上に大面積で効率よく堆積することを可能にする方法を
提供することにある。本発明の他の目的は、耐熱性の低
い基板上にも、再現性良く良質な特性を持つ酸化第1銅
の結晶の成長ができて、低コストで特性の優れた太陽電
池、整流器などの大面積半導体デバイスの製造を可能に
する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術にお
ける課題を解決し、上記目的を達成するものである。上
記目的を達成する本発明の態様は、代表的には、以下に
述べる方法を包含するものである。 (1)銅イオンと硝酸イオンが共存する溶液に、少なく
ともその表面が電気伝導性である基板を浸漬し、カソー
ド反応により前記基板表面上に酸化第1銅を堆積する方
法。 (2)銅イオンと硝酸イオンが共存する溶液に、少なく
ともその表面が金属である基板を浸漬し、カソード反応
により前記基板表面上に酸化第1銅を堆積し、ショット
キーダイオードを形成する方法。 (3)銅イオンと硝酸イオンが共存する溶液に、少なく
ともその表面がn型半導体である基板を浸漬し、カソー
ド反応により前記基板表面上に酸化第1銅を堆積し、ヘ
テロ接合を形成する方法。 (4)銅イオンと硝酸イオンが共存する溶液に、少なく
ともその表面が電気伝導性である基板を浸漬し、カソー
ド反応により前記基板表面上に酸化第1銅を堆積し、さ
らにこの基板を亜鉛イオンと硝酸イオンの共存する溶液
に浸漬し、カソード反応により酸化亜鉛を堆積し、ヘテ
ロ接合を形成する方法。
【0006】
【実施態様例】本発明者らは、上述した従来の酸化銅
(酸化第1銅)の堆積技術に鑑みて、酸化銅の堆積に硝
酸イオンをエージェントとして用いることを考えて、以
下に述べる実験を行った。その結果、上述した(1)乃
至(4)の方法が上述した本発明の目的を達成するに有
効であることが判明した。本発明は、この判明した事実
に基づくものである。以下に、本発明者らが行った実験
について述べる。
【0007】
【実験1】硝酸銅の0.01M/lの水溶液を1l作製
した。この中に酸で表面処理し裏に絶縁フィルムを貼っ
た5cm×5cmのステンレス基板を浸漬した。この基
板から5cm離して5cm×5cmの銅の板を浸漬し
た。ここでステンレス基板がカソード電極、銅板がアノ
ード電極となるようガルバノスタットに接続した。この
状態で液温を所定値に保ちつつ、ガルバノスタットで所
定の電流を流し、表面の変化の様子を観察した。その結
果を表1に示す。表1において、「銅が堆積」とあるの
はステンレス基板の表面が肌色に変化し、この膜のX線
回折のピークの解析により、金属銅の結晶であることが
確認された状態である。「茶色の堆積物」とあるのは基
板の表面が無光沢の茶色に変化し、光学顕微鏡で観察す
ると不規則な樹脂状の堆積物が生成し、X線回折では基
板のステンレスのピーク以外のピークは観察されない状
態である。「黒い堆積物」とあるのは基板の表面が無光
沢の黒色に変化し、光学顕微鏡で観察すると不規則な樹
脂状の堆積物が生成し、X線回折では基板のステンレス
のピーク以外のピークは観察されない状態である。「茶
色の/黒い堆積物」とあるのは基板の周辺が「黒い堆積
物」で覆われ、中央部が「茶色の堆積物」で覆われた状
態である。「赤紫の薄膜」とあるのは薄い赤紫を帯びた
膜が堆積した状態で、光学顕微鏡で観察すると基板上に
立方体状の細かい結晶粒が密集して膜を形成し、X線回
折では図2に示すような酸化第1銅の結晶の強いピーク
(図2において○印を付す)がみられる状態である。表
1のどの場合においても、基板のステンレスのピーク
(図2において×印を付す)がみられることはあるが、
酸化第2銅(銅が2価になっている)のピークはみられ
なかった。すなわち液温55℃以上の、かなり広い条件
範囲で純粋な酸化第1銅の堆積が確認された。
【0008】
【実験2】液温を55℃に保ち、硝酸銅の0.01M/
l の水溶液に硝酸を加え、硝酸イオンの濃度が2倍にな
るように調整した。この状態で実験1と同様にしてガル
バノスタットで流す電流を調整しつつ、基板表面の変化
の様子を観察した。続いて硝酸イオンの濃度が5倍にな
るように調整して同様の実験を行った。得られた結果を
表2に示す。表2に示す結果から、硝酸イオンの濃度を
高めることによって、酸化第銅が堆積する条件が広く
なることが判った。
【0009】
【実験3】図1(a)に示すような構造の本発明による
ショットキーダイオード(試料1a)を作製した。すな
わち、基板として銅の板101を用いた以外は実験1と
同様にして、液温70℃、電流10mAとして膜102
の堆積を行った。膜102の光学顕微鏡観察できれいな
立方体状の結晶粒の集積が見られ、X線回折ではステン
レス上の場合と同様の酸化第1銅であることが確認され
た。この膜102の上にマスクを掛けて金を真空蒸着す
ることにより、櫛の歯状の集電電極103を形成した。
得られたものを試料1aとした。比較のために熱酸化に
よる酸化銅を用いたショットキーダイオード(試料1
b)を作製した。すなわち、銅の板101と酸素気流中
で1000Cで熱処理し表面に酸化銅の膜102を形成
した。この膜のX線回折を行ったところ、酸化第1銅の
ピークが観察されたが、酸化第2銅のピークは観察され
なかった。ただし光学顕微鏡観察によると、実験1でみ
られたような緻密な結晶粒の集積ではなく、所々にひび
割れが観察された。この後試料1aの場合と同様にして
試料1bを得た。さらに比較のためにStareckの
方法による酸化銅を用いたショットキーダイオード(試
料1c)を作製した。すなわち、硫酸第2銅64g/
l、乳酸150ml/l、水酸化ナトリウム100g/
l、炭酸ナトリウム50g/lの濃度の溶液1lを作製
した。裏に絶縁フィルムを貼った銅の板101をカソー
ド、また別の銅の板をアノードとなるようポテンショス
タットに接続して、液温36℃で0.4Vの電圧を加え
銅の板101上に酸化銅の膜102を堆積した。この膜
を光学顕微鏡で観察すると立方体状の結晶粒の集積がみ
られ、特にひびはみられなかったが、X線回折では酸化
第1銅のピークに混ざって若干の酸化第2銅のピークが
観察された。この後試料1aと同様にして試料1cを得
た。
【0010】以上で得られた3つの試料、すなわち、試
料1a、試料1bおよび試料1cのそれぞれの特性をソ
ーラーシュミレーターを用いて評価した。その結果試料
1aでは変換効率3.5%が得られた。試料1bでは開
放端電圧(Voc)が極端に低く、変換効率0.7%し
か得られなかった。試料1cでは短絡電流(Jsc)が
極端に少なく、変換効率0.3%しか得られなかった。
次に、これらの3つの試料の整流器としての特性を評価
した。各試料に±1V(集電電極が正電圧を順方向とす
る)の電圧を掛けた時に流れる電流の比(整流比)=J
(+1V)/J(−1V)を評価した。試料1aではr
=1×104であった。試料1bでは逆方向電流が大き
くr=20しか得られなかった。試料1cでは順方向の
電流が小さく4×102しか得られなかった。すなわち
本発明によるショットキーダイオードは太陽電池として
も整流器としても優れた特性を示すことが判った。
【0011】
【実験4】図1(a)に示すような構造の本発明による
ヘテロ接合(試料1a)を作製した。すなわち、基板と
してn型のSi多結晶ウエファー101を用いた以外は
実験1と同様にして、液温70℃、電流10mAとして
膜102の堆積を行った。膜102は光学顕微鏡観察で
きれいな立方体状の結晶粒の集積がみられ、X線回折で
はステンレス上の場合と同様の酸化第1銅であることが
確認された。この膜102の上にマスクを掛けて金を真
空蒸着することにより、櫛の歯状の集電電極103を形
成した。このように作製されたこうして作製した試料の
特性をソーラーシュミレーターを用いて評価したところ
変換効率4.5%が得られた。次に実験3と同様にして
整流器としての特性を求めたところ、整流比2×104
が得られた。その結果本発明によるヘテロ接合は太陽電
池としても整流器としても優れた特性を示すことが判っ
た。
【0012】以上述べた実験の結果から、本発明の方法
では従来の方法にくらべ、太陽電池や整流器として用い
るのに好適な優れた特性の酸化銅の膜が得られることが
判った。本発明者らは、その理由として本発明の方法で
は、熱酸化の場合のように銅の結晶が酸化第1銅の結晶
に固相で変換するのではなく、基板の上に液相から堆積
するため結晶に欠陥や歪みが入りにくいこと、またエー
ジェントとして硝酸イオンを用いたことにより、銅が2
価の状態となることが防止できて、良好なp型の伝導性
が得られたことによると考えている。
【0013】以下に実施例を挙げて、本発明をさらに説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。
【0014】
【実施例1】図1(b)に示すような構成のショットキ
ー障壁を作製した。ここで201は厚さ0.2mm、1
0cm角のポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルムである。この上に実寸が10cm角となるようマス
クを掛けて厚さ1000ÅのCuの裏面電極層202を
スパッタリング法により堆積し基板203とした。硝酸
銅の0.02M/lの水溶液5l中に基板203を浸漬
した。この基板から5cm離して10cm角の銅の板を
浸漬した。ここで基板203がカソード電極、銅板がア
ノード電極となるようガルバノスタットに接続した。こ
の状態で液温を85℃に保ちつつ、電流を50mAに保
って酸化銅の膜204を堆積した。膜204は裏面電極
202の部分のみに堆積した。この上にAgペーストを
スクリーン印刷して集電電極205を形成した。得られ
た試料について、太陽電池としての変換効率を測定した
ところ、実験3と同様な良好な特性が得られた。また整
流器としても良好な整流比が得られた。本発明では高々
100℃以下の低温で良質な酸化第1銅が堆積できるた
め、安価な一般の樹脂フィルムが使用できる。
【0015】
【実施例2】図1(c)に示すような構成のヘテロ接合
を作製した。ここで301は厚さ0.2mm、11cm
×11cmのポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルムである。この上に実寸が10cm角となるようマ
スクを掛けて厚さ1000ÅのAgの裏面電極層302
をスパッタリング法により堆積し基板303とした。硝
酸亜鉛の0.01M/lの水溶液5l中に基板303を
浸漬した。この基板から5cm離して10cm角の亜鉛
の板を浸漬した。ここで基板303がカソード電極、亜
鉛板がアノード電極となるようガルバノスタットに接続
した。この状態で液温を70℃に保ちつつ、電流を40
mAに保って酸化亜鉛の膜304を堆積した。膜304
は裏面電極302の部分のみに堆積した。膜304の光
学顕微鏡観察できれいな六角柱状の結晶粒の集積がみら
れ、X線回折により酸化亜鉛であることが確認された。
この試料をよく水洗した後、硝酸銅の0.02M/lの
水溶液5lの中に浸漬した。この基板から5cm離して
10cm角の銅の板を浸漬した。ここで試料がカソード
電極、銅板がアノード電極となるようガルバノスタット
に接続した。この状態で液温を85℃に保ちつつ、電流
を50mAに保って酸化銅の膜305を堆積した。膜3
05は酸化亜鉛の膜304のある部分のみに堆積した。
この上にAgペーストをスクリーン印刷して集電電極3
06を形成した。得られた試料について、ヘテロ接合の
太陽電池としての変換効率を測定したところ、実験4と
同様な良好な特性が得られた。また整流器としての特性
を測定したところ、良好な整流比が得られた。
【0016】
【実施例3】図1(c)に示すような構成のヘテロ接合
を作製した。ここで301は厚さ0.2mm、11cm
×11cmのポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルムである。この上に実寸が10cm角となるようマ
スクを掛けて厚さ1000Åの銀の裏面電極層302を
スパッタリング法により堆積し基板303とした。硝酸
銅の0.02M/lの水溶液5l中に基板303を浸漬
した。この基板から5cm離して10cm角の銅の板を
浸漬した。ここで基板303がカソード電極、銅板がア
ノード電極となるようガルバノスタットに接続した。こ
の状態で液温を85℃に保ちつつ、電流を40mAに保
って酸化銅の膜304を堆積した。膜304は裏面電極
302の部分のみに堆積した。膜304の光学顕微鏡観
察できれいな立方体状の結晶粒の集積がみられ、X線回
折によると酸化第1銅であることが確認された。この試
料をよく水洗した後、硝酸亜鉛の0.01M/lの水溶
液5l中に浸漬した。この基板から5cm離して10c
m角の亜鉛の板を浸漬した。ここで試料がカソード電
極、亜鉛板がアノード電極となるようガルバノスタット
に接続した。この状態で液温を85℃に保ちつつ、電流
を40mAに保って酸化亜鉛の膜305を堆積した。膜
305は酸化銅の膜304のある部分のみに堆積した。
この上にAgペーストをスクリーン印刷して集電電極3
06を形成した。得られた試料について、ヘテロ接合の
太陽電池としての変換効率を測定したところ、実験4と
同様な良好な特性が得られた。ただし出力電圧は実験4
の試料と逆に集電電極306側で負の電圧が得られた。
また整流器としての特性を測定したところ、良好な整流
比が得られた。ただし実験3の試料とは逆にJ(−1
V)/J(+1V)を整流比と定義した。
【0017】実施例2、3においては、n型半導体とし
て、酸化銅と同様の方法で酸化亜鉛を堆積するため、実
施例2のヘテロ接合と同様に安価な耐熱性の低い基板が
利用できる。しかし一般にn型半導体は、ITO,Sn
2,ZnOなどp型半導体より種類も多く、しかも蒸
着、スパッタリングなど様々な方法で堆積可能で良質な
膜が得易いので、さまざまな物、方法が適用可能であ
る。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、新
たな酸化銅の堆積法により、耐熱性の低い大面積の基板
の上にも、欠陥や歪みが少ない結晶を成長するので、低
コストで特性の優れた太陽電池などの大面積半導体デバ
イスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化第1銅を用いた半導体デバイスの
構成を示す模式図である。(a)は本発明の酸化第1銅
を用いたショットキーダイオードの一例の構成を示す模
式的断面図であり、(b)は本発明の酸化第1銅を用い
たショットキーダイオードの別の例の構成を示す模式的
断面図であり、(c)は、本発明の酸化第1銅を用いた
ヘテロ接合の一例の構成を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の酸化銅のX線回折パターンを示す図で
ある。
【符号の説明】
101 金属の基板またはn型半導体の層 201,301 絶縁性の基板 202,302 裏面電極 102,204,304 酸化銅の層 305 n型半導体の層 103,205,306 集電電極
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−10331(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 9/08 C01G 3/02 H01L 29/872

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅イオンと硝酸イオンが共存する溶液
    に、少なくともその表面が電気伝導性である基板を浸漬
    し、カソード反応により前記基板表面上に酸化第1銅を
    堆積する方法。
  2. 【請求項2】 銅イオンと硝酸イオンが共存する溶液
    に、少なくともその表面が金属である基板を浸漬し、カ
    ソード反応により前記基板表面上に酸化第1銅を堆積
    し、ショットキーダイオードを形成する方法。
  3. 【請求項3】 銅イオンと硝酸イオンが共存する溶液
    に、少なくともその表面がn型半導体である基板を浸漬
    し、カソード反応により前記基板表面上に酸化第1銅を
    堆積し、ヘテロ接合を形成する方法。
  4. 【請求項4】 銅イオンと硝酸イオンが共存する溶液
    に、少なくともその表面が電気伝導性である基板を浸漬
    し、カソード反応により前記基板表面上に酸化第1銅を
    堆積し、さらにこの基板を亜鉛イオンと硝酸イオンの共
    存する溶液に浸漬し、カソード反応により酸化亜鉛を堆
    積し、ヘテロ接合を形成する方法。
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JP6893690B2 (ja) * 2017-09-04 2021-06-23 国立大学法人東京海洋大学 酸化銅電極の製造方法、酸化銅電極、および湿式太陽電池

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