JP3290205B2 - 石油タンクにおけるバラスト水の排水装置 - Google Patents

石油タンクにおけるバラスト水の排水装置

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JP3290205B2 JP18992392A JP18992392A JP3290205B2 JP 3290205 B2 JP3290205 B2 JP 3290205B2 JP 18992392 A JP18992392 A JP 18992392A JP 18992392 A JP18992392 A JP 18992392A JP 3290205 B2 JP3290205 B2 JP 3290205B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陸上、海洋または地下
に設置された石油タンク、もしくはタンカーのスロップ
オイルタンクに溜まるバラスト水等の排水装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】元々、原油中には若干の水分が混入して
おり、また、タンカーのスロップオイルタンク中にもバ
ラスト水が介在しているので、これらの水分は原油と共
に石油タンク中に荷揚げされる。この原油中に含まれて
いる水分またはバラスト水が原油と共に製油所に2次輸
送されると、製油装置における精製過程において塩分が
析出し、バルブや熱交換器等を閉塞する恐れがある。従
って、石油タンク中において充分に水切りをしておくこ
とが肝要である。このために、石油タンクには底板に近
い所に水切り用のドレンパイプが設けられており、この
ドレンパイプに設けられたバルブの開閉操作とドレンポ
ンプの作動・停止によって、石油タンク底部に溜まって
いるバラスト水等の排水を行っている。しかし、原油と
バラスト水等との境界を確実に検知したうえで排水を行
わないと、バラスト水等の排水が不充分であったり、ま
たは、原油までバラスト水等と一緒に排出してしまう恐
れもある。この原油とバラスト水等との境界面を探知す
る装置としては可搬油水界測定器等があり、電解液中で
石油タンクを構成する金属と異なる電位を示す金属、例
えばマグネシウム合金から成る電極にリード線とメジャ
ーを接続し、このリード線の端部を直流電流計のマイナ
ス端子に接続すると共に直流電流計のプラス端子と石油
タンクをリード線で接続しておき、前記電極を石油タン
ク中に降ろして直流電流計の指示値を読み、この指示値
によって前記電極が原油中にあるのかバラスト水中にあ
るのかを判定し、そのときの深さを前記メジャーによっ
て測るものである。また、バラスト水等により石油タン
クの底部が腐食されるのを防止するために、石油タンク
の底板に流電陽極特性を有する金属体により構成した電
気防食装置が取り付けられることがある。この場合にお
いてバラスト水等をほぼ完全に排出すると、流電陽極体
が抵抗率の高い原油で覆われることになり、流電陽極体
から発生する防食電流が制限されて防食効果を発揮でき
なくなるという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した可搬油水界測
定器等で原油とバラスト水との境界を検出しておいて
も、この境界値に基づいてバルブ、ポンプ等の排水設備
の運転を制御しないと、排出したバラスト水に原油が混
入することは避けられなかった。また、原油タンクの底
板に取り付けた流電陽極体が抵抗率の高い原油等に覆わ
れて流電陽極体から発生する防食電流が制限され、防食
効果を発揮できないという問題点を解決する手段として
は、実公平3−51335号公報に開示されているよう
に、流電陽極体が完全に浸漬されるように石油タンク側
面に設けられた貯蔵液出入口ノズルの下方まで電解液を
張り込む方法もあるが、この方法では電解液にバラスト
水等が多量に加わると防食範囲の増大を招き、防食電流
が不足して充分な防食効果が得られないという欠点があ
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
方法の欠点を解決するためになされたものであって、石
油タンク内面における所定の位置に流電陽極を取り付
け、前記石油タンク内面と流電陽極との接続部に石油タ
ンク内面と流電陽極とを流れる防食電流を検出する手段
を設け、前記手段により検出した電流値に基づいて前記
石油タンクの残留水をドレンノズルから自動的に排出さ
せ、前記残留水のレベルを所定のレベルに保持するよう
にしたものである。
【0005】
【作用】石油タンク内面に取り付けられた流電陽極と前
記石油タンクとの接続部に設けられた防食電流測定器に
よって石油タンク内面と流電陽極とを流れる防食電流を
検出し、この検出値に基づいて排水設備の制御を行う。
即ち、原油から分離したバラスト水のレベルが流電陽極
の設置点以上に上昇すると防食電流が流れることを防食
電流測定器によって検出して排水設備を運転させ、バラ
スト水のレベル低下に伴って前記流電陽極が原油によっ
て覆われるようになると防食電流が流れなくなることを
検出して排水設備の運転を停止させる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図1は本発明の一実施例を示す石油タンクに
おけるバラスト水の排水装置の構成を示す概略図であ
り、電流測定用流電陽極を石油タンク内面の1箇所に取
り付けたものである。図1において、石油タンク1の側
面下部にはドレンノズル2が石油タンク1の側面を貫通
して取り付けられており、このドレンノズル2の少し上
の石油タンク1の内面には亜鉛、アルミニウム、マグネ
シウムまたはこれらの合金から成る電流測定用流電陽極
31が取り付けられている。この電流測定用流電陽極3
1の芯金31aには防食電流計測用分流器またはホール
素子から構成される防食電流測定器4が取り付けられて
おり、前記電流計測用流電陽極31の芯金31aを流れ
る防食電流は前記防食電流測定器4によって検出されて
電流検出器6に入力される。この電流検出器6に入力さ
れた防食電流が予め設定した値と一致したときは、リレ
ー回路7が作動するように回路が構成されている。ま
た、ドレンノズル配管2′の途中に取り付けたドレンポ
ンプ10およびバルブ11の駆動制御部9,9′と電源
12′間の回路には、前記リレー回路7によって作動す
るスイッチ8,8′が組み込まれている。
【0007】図2は、本発明のもう一つの実施例であっ
て、石油タンク1の内面の上下2箇所に電流測定用流電
陽極31,32を取り付け、さらに、前記石油タンク1
の底板1aの内面に防食用流電陽極5を取り付けた石油
タンクにおけるバラスト水の排水装置の構成を示す概要
図である。前記電流測定用流電陽極31の上部における
所定の位置に電流測定用流電陽極31と同じ材質と形状
を備えた電流測定用流電陽極32が石油タンク1の内面
に取り付けられている。また、前記電流測定用流電陽極
32の芯金32aには防食電流計測用分流器またはホー
ル素子から構成される防食電流測定器4′が取り付けら
れており、石油タンク1の底板1aの内面には前記電流
測定用流電陽極31よりも低い位置に防食用流電陽極5
が設置されている。前記電流測定用流電陽極31の芯金
31aを流れる防食電流と前記電流測定用流電陽極32
の芯金32aを流れる防食電流は前記防食電流測定器4
と4′で検出されて電流検出器6に入力され、この電流
検出器6に入力された防食電流が予め設定した値と一致
したときはリレー回路7が作動するように回路が構成さ
れている。以上説明した構成要素より他の構成要素は図
1におけるものと同一であるので説明は省略する。
【0008】次に、本発明により石油タンクにおけるバ
ラスト水の排水装置の動作を簡単に説明する。図1にお
いて、石油タンク1に海水を張ると電流測定用流電陽極
31と石油タンク1の内面には電位差が生じ、電流測定
用流電陽極31と石油タンク1との間にある一定の防食
電流が流れる。また、石油タンク1に海水を僅か混入さ
せた原油を張ると、電流測定用流電陽極31の周囲の接
水抵抗率は高くなり、前記電流測定用流電陽極31と石
油タンク1との間には防食電流は殆ど流れなくなる。そ
こで、電流測定用流電陽極31の芯金31aを流れる防
食電流が電流検出器6に予め設定した値以上になったと
きにスイッチ8と8′がオンとなり、前記防食電流が電
流検出器6の設定値以下になったときは前記スイッチ8
と8′はオフとなるように電流検出器6の電流を設定し
ておく。石油タンク1に注入された海水を含んだ原油は
静置しておくと海水と原油とは分離し、原油は上に、海
水は下に溜まる。従って、電流測定用流電陽極31が海
水に覆われる状態になるとスイッチ8と8′はオンとな
り、駆動制御部9と9′の作動によってドレンポンプ1
0が作動し、バルブ11が開いて石油タンク1内の海水
がドレンノズル配管2′の出口から排出され、石油タン
ク1内の海水レベルが下がる。海水レベルの低下に伴っ
て電流測定用流電陽極31が原油で覆われるようになる
とスイッチ8と8′はオフとなり、ドレンポンプ10が
停止すると共にバルブ11も閉じて石油タンク1からの
排水が止まる。
【0009】図2において、石油タンク1に海水を張る
と電流測定用流電陽極31,32と石油タンク1の内面
には電位差が生じ、電流測定用流電陽極31,32と石
油タンク1との間にある一定の防食電流が流れる。ま
た、石油タンク1に海水を僅か混入させた原油を張る
と、電流測定用流電陽極31と32の周囲の接水抵抗率
は高くなり、前記電流測定用流電陽極31と32と石油
タンク1との間には防食電流は殆ど流れなくなる。そこ
で、電流測定用流電陽極32の芯金32aを流れる防食
電流が電流検出器6に予め設定した値以上になったとき
にスイッチ8,8′がオンとなり、電流測定用流電陽極
31の芯金31aを流れる防食電流が前記電流検出器6
に予め設定した値以下になったときにスイッチ8,8′
がオフとなるように電流検出器6の電流を設定してお
く。海水を含んだ原油を石油タンク1に注入して静置し
ておくと海水と原油は分離し、原油は上に、海水は下に
溜まる。この海水が電流測定用流電陽極32にまで上昇
するとスイッチ8,8′がオンとなり、駆動制御部9,
9′の作動に伴ってドレンポンプ10が作動し、バルブ
11が開いて石油タンク1内の海水がドレンノズル配管
2′の出口から排出され、石油タンク1内の海水レベル
が下がる。海水レベルの低下に伴って電流測定用流電陽
極31が原油に覆われるようになるとスイッチ8と8′
はオフとなり、ドレンポンプ10が停止すると共にバル
ブ11も閉じて石油タンク1からの排水が止まる。
【0010】以上の説明から明らかなように、図1に示
す実施例においては、海水レベルが電流測定用流電陽極
31の設置点以上に上昇すると排水を開始し、電流測定
用流電陽極31の設置点以下に低下すると排水を停止す
る。また、図2に示す実施例においては電流測定用流電
陽極32の設置点以上に海水レベルが上昇したときに排
水を開始し、電流測定用流電陽極31の設置点以下に海
水レベルが低下すると排水を停止する。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による石油
タンクにおけるバラスト水の排水装置は、石油タンク内
面における所定の位置に流電陽極を取り付け、前記石油
タンク内面と流電陽極とを流れる防食電流を検出する防
食電流測定器を石油タンク内面と流電陽極との接続部に
設け、検出した電流値によって排水設備の運転を制御
し、前記石油タンク内の油を排出することなく残留水の
みをドレンノズルから自動的に排出するものである。ま
た、石油タンク内のバラスト水等のレベルを一定範囲に
制御できるので、バラスト水等の増加に伴う防食範囲の
増大によって防食電流が不足して充分な防食効果を得ら
れないという問題点を解消でき、防食用流電陽極が抵抗
率の高い原油等に覆われて流電陽極から発生する防食電
流が制限され、防食効果を発揮できなくなる問題点もな
くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す石油タンクにおけるバ
ラスト水排水装置の構成を示す概略図。
【図2】本発明のもう一つの実施例を示す石油タンクに
おけるバラスト水排水装置の構成を示す概略図。
【符号の説明】
1 石油タンク 1a 石油タンク底板 2 ドレンノズル 2′ ドレンノズル配管 31,32 電流測定用流電陽極 32a,32b 電流測定用流電陽極の芯金 4,4′ 防食電流測定器 5 防食用流電陽極 6 電流検出器 7 リレー回路 8,8′ スイッチ 9,9′ 駆動制御部 10 ドレンポンプ 11 バルブ 12,12′ 電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C23F 13/00 C23F 13/00 (56)参考文献 特開 昭51−107858(JP,A) 特開 昭59−118889(JP,A) 実開 昭58−58802(JP,U) 実開 昭55−99709(JP,U) 特公 昭42−724(JP,B1) 実公 昭35−23364(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 9/12 B63B 25/08 B65D 90/22 C23F 13/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石油タンク内面の所定の位置に流電陽極
    を取り付けると共に前記石油タンク内面と流電陽極とを
    流れる防食電流を検出する手段を前記石油タンク内面と
    流電陽極との接続部に設け、前記手段により検出した電
    流値を予め電流検出器に設定した基準値と比較すること
    により前記石油タンクに付帯する排水設備の運転を制御
    し、前記石油タンクの残留水をドレンノズルから自動的
    に排水させることにより前記残留水のレベルを所定のレ
    ベルに制御することを特徴とする石油タンクにおけるバ
    ラスト水の排水装置。
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US11965818B1 (en) * 2020-05-28 2024-04-23 Mopeka Products Llc Corrosion monitor

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