JP3289478B2 - ビットシリアルデジタル信号処理装置 - Google Patents

ビットシリアルデジタル信号処理装置

Info

Publication number
JP3289478B2
JP3289478B2 JP5826394A JP5826394A JP3289478B2 JP 3289478 B2 JP3289478 B2 JP 3289478B2 JP 5826394 A JP5826394 A JP 5826394A JP 5826394 A JP5826394 A JP 5826394A JP 3289478 B2 JP3289478 B2 JP 3289478B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bit
serial
data
circuit
conversion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5826394A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0722959A (ja
Inventor
亨 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Casio Computer Co Ltd filed Critical Casio Computer Co Ltd
Priority to JP5826394A priority Critical patent/JP3289478B2/ja
Publication of JPH0722959A publication Critical patent/JPH0722959A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3289478B2 publication Critical patent/JP3289478B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)
  • Complex Calculations (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Compression Of Band Width Or Redundancy In Fax (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビットシリアル演算を
行うビットシリアルデジタル信号処理装置に関する。特
に、本発明はビットシリアルデータ信号処理のための回
路規模縮小化技術に関する。特に、この発明はデータ圧
縮伸張装置に適用される。そしてそのひとつの具体例と
しては、画像データの圧縮伸張装置として実現できる。
この応用例としては、各種画像機器、例えば電子カメラ
やテレビ電話装置などとして実現できる。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種分野においてデジタル信
号処理技術が採用されてきている。例えば、音声処理分
野、画像処理分野においては、デジタルフィルタや、デ
ジタル圧縮伸張処理(直交変換処理)などが各種用途に
用いられている。ところで、このようなデジタル信号処
理をパラレル演算で行うと回路規模が大きくなってしま
うという欠点がある。そこで、ビットシリアル演算によ
りデジタル信号処理を行うものが開発されている。この
ビットシリアル演算によるデジタル信号処理装置におい
ては、任意の係数の2のべき乗の和による乗算が、シフ
トレジスタ(フリップフロップの連結)と加/減算器と
の組合せによって実現される。その結果パラレル演算で
必要であった乗算器が不要となる。このようなビットシ
リアル演算では、シフトレジスタ(フリップフロップ)
の段数が数値精度を決めることになる。
【0003】このようなデジタル信号処理の一分野に最
近注目されているディスクリートコサイン変換(DC
T)がある。これは、直交変換の一種であり、その定義
式は、数1、数2にあるとおりであり、数1は、フォワ
ード(順)ディスクリートコサイン変換(FDCT)、
数2はインバース(逆)ディスクリートコサイン変換
(IDCT)の定義式を示す。
【数1】
【数2】 そして、このDCTについては、高速アルゴリズムが種
々研究されている。例えばIEEE TRANSACTION ON COMMUN
ICAIONS.VOL.COM-25.NO.11 NOVEMBER 1977(Adaptive C
oding of Monochrome and Color Image,WEN-HSIUNG CHE
N,C. HARRISON SMITH)もその一つであり、これにおい
て示されているDCTフローに従い、これをビットシリ
アル演算により実行することについての提案が、特開平
3−145274号公報になされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、デジタ
ル信号処理分野において、ビットシリアル演算を採用す
ると、回路規模が相当小さくなるものの、シリアル演算
にかかる時間が比較的長くなり改善が求められていた。
また、上記公報に示されているように、高速アルゴリズ
ムを直接的にハードウェア化すると、回路規模はまだ大
きく、更に改善が求められていた。加えて、ビットシリ
アル演算を行う信号処理装置の前段にパラレル−シリア
ル変換装置を必要とし、ビットシリアル演算を施して得
られた結果データを受け、パラレルデータとするための
シリアル−パラレル変換装置を前記信号処理装置の後段
に設けねばならないが、そのような付属回路部分の規模
も大きく、更なる改善が求められていた。そこで、本発
明は、小さな回路規模でしかも比較的高速にデジタル信
号処理を行える回路規模縮小化技術を適用したビットシ
リアルデジタル信号処理装置を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成すべくなされたものであり、その一つの構成例に係
るビットシリアルデジタル信号処理装置によれば、デジ
タル化されたデータを供給する供給手段と、この供給手
段から供給されたデータに対して、ビットシリアル演算
操作にてデータ変換を行う演算手段とから成る。そし
て、この演算手段は、ビットシリアル演算操作を行うた
めのフリッフロフロップ、加/減算器の分散配置したス
トリングからなるビットシリアル手段を含み、このスト
リングは、前記データに対して、固定係数の真値を2の
べき乗によらない近似比率として乗じる演算を、ビット
シリアル演算操作にて、つまりビットパラレル乗算器を
用いることなく実行する。
【0006】ここでいう分散配置したストリングとは、
一実施例として後に開示するディスクリートコサイン変
換装置にあっては、入力fi(又はFi)と出力Fj
(fj)とをつなぐ複数の配線接続構造(ライン)のこ
とで、上述したとおり、複数のフリップフロップ、加/
減算器が各配線接続構造(ライン)に含まれる。従っ
て、このような構成をとることによって、演算手段は、
縮減された回路規模にて実現されることになる。
【0007】このような構成は、後に詳述する原理Iと
よぶ考え方に基づいている。つまり、固定係数の真値、
例えば一つの構成例としてディスクリートコサイン変換
を考えた場合、デジタル化されたデータに対して、cos
{πl(2k+1)/2N}を乗じるが、この値が、こ
こで言う固定係数の真値(この場合、本来無理数であ
る)である。そして、この固定係数を、2進表現で表わ
す場合に、2のべき乗を乗じて近似値を作らずに、整数
の、それも出来るだけ小さな整数の近似比率(又は近似
値)によることを特徴としている。
【0008】このような構成例にあっては、例えば画像
データを圧縮するフォワード(順)変換のモードをとる
ことができる。逆に、圧縮された例えば画像データを伸
張するインバース(逆)変換モードをとることもでき
る。つまり、変換されていない領域(例えば実画像デー
タ)から変換された領域(例えば空間周波数成分デー
タ)へとフォワード変換すること、またその逆に変換さ
れた領域から変換されていない領域へインバース変換す
ることができる。これは、夫々の装置が別々の変換を専
ら実行するようにしてもよく、又ひとつの装置がモード
切換で、フォワード変換とインバース変換との双方を、
切換えて実行するようにしてもよい。このようなデータ
変換は、その典型例としては、ディスクリートコサイン
変換に代表される直交変換である。その他の具体的な変
換技術としては、FFT(Fast Fourier Transform)、
LOT(Lapped Orthogonal Transform)等がある。そ
の他の例は、後述するとおりである。
【0009】さて、フォワード変換とインバース変換と
をひとつの演算手段が実行するようにしたとき、上記固
定係数の真値を2のべき乗でない近似比率として乗じる
ように回路構成をとったがゆえに、フォワード変換とイ
ンバース変換とで回路構成が非対称、つまり一方の変換
においてのみ使用する回路要素を必要とするようにな
る。従って、このような非対称ハードウェアを有する演
算手段は、具体的には、フォワード変換モードにおいて
のみ使用される第1の所定回路要素と、インバース変換
モードにおいてのみ使用される第2の所定回路要素とを
含むようになる。また、本発明の一構成例による演算手
段は、ビットシリアル演算操作にてデータ変換を行うた
め、パラレル−シリアル変換手段を含んで、ビットシリ
アルデジタル信号処理装置は構成される。具体的には、
前記供給手段が、データをストアする記憶手段と、この
記憶手段からビットパラレル形式で前記データを受け取
り、前記ビットシリアル手段に適合するように、ビット
シリアル列(つまりシリアル形式で表現されるデータの
セット)へ変換するパラレル−シリアル変換手段とを有
して成る。
【0010】また、本発明の一構成例による演算手段
は、上述のとおりビットシリアル演算操作にてデータ変
換を行うため、シリアル−パラレル変換手段を含んで、
ビットシリアルデジタル信号処理装置は構成される。具
体的には、前記ビットシリアル手段からデータ変換後の
データをビットシリアル列形式に変換するシリアル−パ
ラレル変換手段を更に有して成る。そして、このような
パラレル−シリアル変換手段とシリアル−パラレル変換
手段とを共通化する共通化手段を含み、両変換手段を共
通のハードウェアにて実現するように構成することも可
能である。これは、後に詳述する原理Vとよぶ考え方に
基づいている。さて、本発明は、上述したデータ変換を
行うほか、デジタルフィルタやデジタル音声処理、デジ
タル画像処理など一般のデジタル信号処理技術にも適用
出来る。このような構成にあっては、演算手段が、供給
手段から供給されたデータに対してビットシリアル演算
操作にてデジタル信号処理を行うようになる。
【0011】更に、本発明の一つの構成例に係るビット
シリアルデジタル信号処理装置にあっては、デジタル化
されたデータを記憶し、供給するビットパラレル形式で
アクセスされる第1の記憶手段と、この第1の記憶手段
からの前記データのビットシリアル列に対してビットシ
リアル演算操作を実行し、処理されたデータのビットシ
リアル列を供給するビットシリアル演算手段と、前記処
理されたデータを受け取り記憶するビットパラレル形式
でアクセスされる第2の記憶手段と、前記第1の記憶手
段からビットパラレル形式でデジタルデータを受け取
り、前記ビットシリアル演算手段に適合するようにビッ
トシリアル列へ変換する第1の変換手段と、前記ビット
シリアル演算手段から前記処理されたデータのビットシ
リアル列を受け取り、前記第2の記憶手段へ送るべくビ
ットパラレル形式に変換する第2の変換手段と、前記第
1の変換手段と前記第2の変換手段とを共通化する共通
化手段と、を有し、前記第1、第2の記憶手段は共通の
ハードウェアにより実現されて成る。
【0012】更に、この発明は、フォワード変換のみを
実行するビットシリアルデジタル信号処理装置として実
現することができ、このような装置にあっては、演算手
段は、供給手段から供給されたデータに対して、ビット
シリアル演算操作にてデータ圧縮のためのフォワード変
換を行う。同様に、この発明は、インバース変換のみを
実行するビットシリアルデジタル信号処理装置として実
現することができ、このような装置にあっては、演算手
段は、供給手段から供給されたデータに対して、ビット
シリアル演算操作にてデータ伸張のためのインバース変
換を行う。
【0013】また、ひとつのハードウェアで、フォワー
ド変換とインバース変換とをモード切換で選択的に実行
するビットシリアルデジタル信号処理装置を実現するこ
とが出来る。即ち、このような装置においては、ビット
シリアル演算手段のビットシリアル演算操作を実行する
回路要素の分散配置したストリングの相互連結の状態
を、第1の動作モードではフォワード変換を行ってデー
タ圧縮するよう設定し、第2の動作モードではインバー
ス変換を行ってデータ伸張するように設定するモード制
御手段を含んで成る。更に、本発明の別の構成例によれ
ば、デジタル化された信号を供給する供給手段と、この
供給された信号に対してビットシリアル演算操作にてデ
ジタル信号処理を行うビットシリアルタイプの回路規模
が縮減された演算手段とを有する。そして、この回路規
模が縮減された演算手段は、全体的な機能が本質的に等
しいビットシリアルタイプで、且つプロトタイプ(ある
いはベーシック)なアレンジメントより縮減された回路
規模を有する。
【0014】ここで、プロトタイプなアレンジメント
は、フリップフロップ、加/減算器の組合せから成る分
散配置したストリングを有し、且つ回路規模を縮減化可
能な部分を有する。そして、前記回路規模が縮減された
演算手段は、前記プロトタイプなアレンジメントに対し
て回路規模を縮減化する設計方式(デザイン)を適用し
て実現されて成る。例えば、前記プロトタイプなアレン
ジメントとは、基になるアルゴリズム(高速ディスクリ
ートコサイン変換アルゴリズム等)に従って直接的に形
成される信号処理装置又はそのシグナルフローである。
あるいは、後述するように、データ変換演算装置のバー
ジョンを改良してゆくことにより、順次回路規模を小さ
くすることになるが、その場合の直前のバージョンが、
当該バージョンに対するプロトタイプなアレンジメント
となる。このようにプロトタイプなアレンジメントに対
し、種々の回路規模を縮減する設計方式を適用すること
で、装置の回路規模が小さくなる。
【0015】この設計方式の一例としては、プロトタイ
プなアレンジメントの回路規模を縮減化可能な部分を発
見的に(ヒューリスティックに)見出す手段と、この部
分の回路規模を縮減することにより、前記回路規模が縮
減された演算手段を実現する手段とを有して成る。ま
た、本発明の一つの構成例によれば、プロトタイプなア
レンジメントから回路規模が縮減された演算手段を導く
にあたり、前記プロトタイプなアレンジメントは、直列
に相互接続されて信号をビットシリアル処理する複数の
ステージのハードウェアを含み、この夫々のステージ
は、回路要素のストリングを有し、所定のストリング
は、クロックパルスに同期動作するサンプルホールド要
素を備えたクロック同期の加/減算器を含んで成り、回
路規模が縮減された演算手段は、プロトタイプなアレン
ジメントから、クロック同期の加/減算器を、同期動作
するサンプルホールド要素を有しないクロック非同期の
加/減算器に代えることで達成される。つまり、これ
は、後に詳述する原理IIIとよばれる考え方に基づいて
いる。
【0016】また、本発明の別の構成例によれば、プロ
トタイプなアレンジメントから回路規模が縮減された演
算手段は導かれるものであって、プロトタイプなアレン
ジメントは、回路要素のストリングを含む第1、第2の
ハードウェアステージを有し、第1のハードウェアステ
ージは、制御手段の制御の下に、第2のハードウェアス
テージに機能的に接続され、第2のハードウェアステー
ジはプロトタイプなアレンジメントからの出力デジタル
信号を供給する複数の出力ポートを含んで成り、プロト
タイプなアレンジメントの機能は入力デジタル信号と出
力デジタル信号との間について、縮減できる2のべき乗
の乗数を含んで成る第1の関係式として表現されて成
る。そして、回路規模が縮減された演算手段は、プロト
タイプなアレンジメントの回路規模よりも小さい回路規
模をもち、入力デジタル信号と出力デジタル信号との間
について第2の関係式として表現されて成る。この第2
の関係式は、前記プロトタイプなアレンジメントの2の
べき乗の乗数よりも縮減された乗数を含んで成り、前記
回路規模が縮減された演算手段は、前記プロトタイプな
アレンジメントに要する回路要素の数よりも少ない数の
回路要素を有して成る。
【0017】これは、後述する原理Iとよぶ考え方に基
づきなされている。更に具体的に述べるならば、前記第
1の関係式は、 [IB]×2N×[T]=[OB] で与えられる。ここで、[IB]は、プロトタイプなア
レンジメントに対する入力デジタル信号を表現する入力
ベクトルであって、例えば、フォワードディスクリート
コサイン変換の際は、[IB]は(fo,f1,f2,
……)である。次に、2NはNを正の整数として、前記
縮減できる2のべき乗の乗数である。[T]は、変換マ
トリクスであり、前記フォワードディスクリートコサイ
ン変換などの直交変換の場合は、直交マトリクスとなっ
ていて、逆変換例えばインバースディスクリートコサイ
ン変換では、その転置マトリクスが逆変換マトリクスと
なる。そして、このマトリクスには、有限ビット長で近
似したディスクリートコサイン係数が含まれて成る。
[OB]は、プロトタイプなアレンジメントからの出力
デジタル信号を表現する出力ベクトルであって、例えば
フォワードディスクリートコサイン変換の際は、
[OB]は(F0,F1,F2,……)である。
【0018】そして、前記第2の関係式を具体的に述べ
るならば、 [I]×2M×[T]=[O] で与えられる。ここで、[I]は、前記[IB]に対応
し、[O]は、前記[OB]に対応し、回路規模が縮減
された演算手段の入、出力ベクトルである。そして、2
Mは、Mを整数として、0≦M<Nであって、前記2の
べき乗の乗数である。つまりMがNより小であることに
よって演算手段の回路規模は縮減される。ここで、2M
×[T]が、回路規模が縮減された演算手段の伝達関数
であって、例えばl番目の係数がKlで夫々与えられる
整数近似の係数を含んで成る。このKlは、2のべき乗
の整数の線型結合に(因数)分解して、 Kl=ΣCi×2ni と表記でき、niは整数、Ciは2のべき乗ではない整
数とすることができる。その結果、前記回路規模が縮減
された演算手段は、2のべき乗でない整数Ciに対応す
る第1の部分と、2niに対応し、第1の部分の出力信号
を受け取る第2の部分とを含んで成る構成とすることが
可能である。これは後述する原理IIとよぶ考え方に基づ
くものである。
【0019】更に、本発明の別の一構成例に係るビット
シリアルデジタル信号処理装置によれば、ビットシリア
ルの分散演算タイプの演算手段と、この演算手段に対し
周期性のクロックパルスを与えて、動作させるクロック
手段を含む制御手段とから構成される。そして、前記演
算手段は、その機能が本質的に等しいビットシリアル
で、且つ分散演算タイプのプロトタイプなアレンジメン
トから導かれる。そしてこのプロトタイプなアレンジメ
ントは、第1の所定要素が、前記クロックパルスで動作
し、第2の所定要素がクロックパルスでは動作しないク
ロック非同期である回路要素のストリングを含むハード
ウェアステージを複数有し、夫々のハードウェアステー
ジが夫々カスケード状態で連結されて構成されている。
そして、このプロトタイプなアレンジメントは、動作ス
ピードを制限してしまうところの、比較的大きなクロッ
クスキューをもつデジタル信号パスであるクリティカル
パスを含んでいる。これに対して、このプロトタイプな
アレンジメントから導かれる前記演算手段は、前記クリ
ティカルパスのクロックスキューを縮減するスキュー縮
減手段を含んで成ることを特徴とする。
【0020】これは、後述する原理IVとよぶ考え方に基
づいている。そして具体的には、このスキュー縮減手段
は、前記クリティカルパス上のクロック非同期の回路要
素の直後に、クロックにて動作するフリップフロップを
挿入接続して構成される。以上説明した本発明に係るビ
ットシリアル演算手段を有するデータ変換装置のひとつ
の応用例としては、画像機器がある。例えば、画像デー
タをデータ圧縮してから転送又は記録し、その再生時に
はデータ伸張して、元の画像データとする。具体例とし
ては、電子カメラやテレビ電話装置として、本発明を適
用し、構成することが可能である。
【0021】
【作用】本発明のビットシリアルデジタル信号処理装置
は、上述した種々の態様にて構成されて成ることによ
り、従来から考えられている、あるいは、プロトタイプ
な(ベーシックな)ビットシリアル演算による分散配置
した回路構成(フリップフロップや加/減算器が複数ラ
インに分布した構成)のタイプの信号処理装置の回路規
模を縮減又は最小化することになる。これは、とりもな
おさず、ビットシリアル演算による信号処理の高速化
(演算のスピードアップ)を意味する。そして、このよ
うなビットシリアルデジタル信号処理装置としては、好
適な実施例としてはディスクリートコサイン変換の如き
直交変換装置があるが、それに限らず、デジタルフィル
タ装置、デジタルオーディオ処理装置、デジタル画像処
理装置の各種信号処理装置として実現される。また、直
交変換装置として、本発明を実現したとき、固定係数の
真値の2のべき乗によらない近似比率(近似値)を用い
ることによって、フォワード変換とインバース変換と
で、ハードウェアの対称性を失う可能性があるが、その
ような場合は一方の変換においてのみ使用する回路要素
を付加することで、ひとつのハードウェアを、両変換に
おいてモード切替して使用することが可能となり、LS
I化する場合には、両変換に共用できる回路構成の実現
が可能となり、各変換毎に別々の専用回路を製造する場
合に比べてコストダウンが図れる。
【0022】更に、本発明の一構成例によれば、ビット
シリアル演算のための固定係数を(因数)分解すること
で、ビットシリアル演算手段の回路規模の縮減を図り得
ることになり、結果として高速演算(演算のスピードア
ップ)を実現する。加えて、本発明の一構成例によれ
ば、演算回路のなかのフリップフロップなどのクロック
に同期して動作する回路要素を省略する、つまりクロッ
クに非同期で動作する回路要素とすることにより、更に
高速演算を図り得ることになる。逆に、プロトタイプな
ビットシリアル演算装置において生ずるクリティカルパ
スの誤動作、つまりクロックスキューの問題を、未然に
防ぐべく同期用フリップフロップを挿入する構成とする
ことができる。このような構成をとることで、誤動作せ
ずに、しかも高速演算スピードのデジタル信号処理装置
を実現できる。更にまた、本発明の一構成例によれば、
ビットシリアル演算手段に対する周辺回路としてのパラ
レル−シリアル変換手段、シリアル−パラレル変換手段
を共通化する、つまり一つのハードウェアで両変換をモ
ード切替えにして実現してしまうことになり、全体回路
構成の縮減化を可能とする。
【0023】このように、本発明によれば、ビットシリ
アル演算処理タイプの演算手段を有するデジタル信号処
理装置において、プロトタイプな(ベーシックな)アレ
ンジメントに対して、回路規模を縮減できそうな部分を
見出して、縮減化する設計方式(デザイン)を適用し
て、回路規模を縮減化することを可能とする。そのひと
つの手法は発見的(ヒューリスティック)であり、別の
手法としてはコンピュータエイディッドデザインいわゆ
るCADによることも可能である。いずれにしても、従
来のあるいはプロトタイプな(ベーシックな)回路構成
から、回路規模が縮減された、いわゆるダウンサイジン
グな回路構成とすることが可能である。
【0024】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。 〈基本説明〉データ変換演算装置の説明先ず、本発明に
係るビットシリアルデジタル信号処理装置の前提となる
データ変換演算装置について説明する。それは、データ
変換をシリアル演算にて行う。これは、先に述べた特開
平3−145274号にて開示したディスクリートコサ
イン変換装置に基づくものである。図1は、シリアル演
算によるフォワード(順)ディスクリートコサイン変換
(FDCT)を行う回路図、図2は、シリアル演算によ
るインバース(逆)ディスクリートコサイン変換(ID
CT)を行う回路図を示している。この図1、図2が基
としているFDCT、IDCTの変換数式は数1、数2
にて先に定義したFDCT、IDCTの数式に基づいて
いるが、高速演算を実現するために、次に述べる高速ア
ルゴリズムに従っている。
【0025】即ち、N=8の場合、DCT行列[Ck
l]つまり、F0〜F7をf0〜f7について求めるF
DCTの変換行列は、図7のように定義され、各出力デ
ータF0、F4、F2、F6、F1、F7、F5、F3
の順にそれを書き下すと、数3〜数10のようになる。
【数3】
【数4】
【数5】
【数6】
【数7】
【数8】
【数9】
【数10】
【0026】ここで、各式の下にあるI、II、III、IV
は、図1に示すステージに対応する(後に、詳述す
る)。そして、このDCTの関係を行列で表現すると、
全体的には後述する図7の行列となり、それをステージ
I、II、III、IVに分解すると、数11のごとくなる。但
し、図7の行列全体にかかる1/2は無視している。
【数11】 ここで、[I*]、[II*]、[III*]、[IV*]は、
夫々次に定義する行列であり、図1に示す各ステージに
ついての回路構成(シグナルフロー)に相当する。な
お、図7の行列はF0〜F7の出力の順に、f0〜f7
の入力について示した行列であり、数11とは入力、出
力夫々の配列の順番が違っていることに注意されたい。
この図7の行列は後の説明でも明らかなように、直交行
列であって、f0〜f7をF0〜F7にて求めるIDC
Tの場合、図7の転置行列がその変換行列となる。
【0027】なお、図1を含め、図面で使用しているシ
ンボルのうちのいくつかの説明が、図3〜図5にあり、
図3の回路シンボルは、a入力を1ビットシフトする構
成で2倍する演算を行う要素である。具体的な構成とし
てはフリップフロップFFによる。図4の回路シンボル
は、a、b入力を加算してさらにその値を2倍する演算
を行う要素である。具体的な構成としては1ビットシリ
アルのフルアダーFAとフリップフロップFFである。
図5の回路シンボルは、水平方向から与えられるb入力
を、もう一方のa入力から引き、それを2倍する演算を
行う要素である。つまり出力は(a−b)×2となり、
具体的な構成としては、1ビットシリアルのフルサブト
ラクターFSとフリップフロップFFである。従って、
一例として図6のようにこれら回路シンボルを組合せて
構成すると、この要素は入力データを76倍する機能を
実現することになる。
【0028】さて、図1のFDCTの構成において、ま
ずステージIの演算は、行列[I*]の演算に相当する。
つまり、数12、数13の関係となっている。
【数12】
【数13】 ここで、図1のステージIの要素P10、P13、P1
1、P12、P17、P14、P16、P15の出力
が、a0、a3、a1、a2、b3、b0、b2、b1
となっている。次のステージIIについては、同様に行列
[II*]の演算に相当する演算が行われる。つまり数1
4、数15の関係となっている。
【数14】
【数15】
【0029】ここで、図1のステージIIの要素P20、
P21、P23、P22、P27、P24、P26、P
25の出力が、y0、y1、y2、y3、y4、y5、
y6、y7となっている。なお、P26、P25の要素
における演算つまり724を乗算することがα=cos
(4/16)πの乗算になることは、後述する。なお、
1.0の乗算が、この図1の構成では1024=210
することによって実現されるため、要素P20、P2
1、P23、P22、P27、P24では1024倍し
ている。
【0030】続くステージIIIにおいては、行列[III
*]の演算に相当する演算が行われる。つまり、数1
6、数17の関係となっている。
【数16】
【数17】 ここで、図1のステージIIIの要素P30、P31、P
33、P32、P37、P34、P36、P35の出力
がz0、z1、z2、z3、z4、z5、z6、z7、
z8となっている。
【0031】そして最後のステージIVにおいては、行列
[IV*]の演算に相当する演算が行われる。つまり、数
18、数19の関係となっている。
【数18】
【数19】 ここで、図1のステージIVの要素P40、P41、P4
3、P42、P47、P44、P46、P45の出力が
最終出力F0、F4、F2、F6、F1、F7、F5、
F3となっている。なお、数19に表われる行列要素の
演算に、上述した各要素の演算が対応していることにつ
いては、後述する。
【0032】このように、入力データfiに対して、数
11で定義した行列演算を施すと、出力データFjが得
られるが、各ステージの行列[I*]、[II*]、[III
*]、[IV*]は、実は、拡張された(Extendedな)直交
行列となっており(転置行列ともとの行列との積が、単
位行列となる行列のことを直交行列というが、ここでは
転置行列ともとの行列との積が単位行列の整数倍となる
行列のことを拡張された直交行列ということにする。)
その逆行列は、(整数倍の値をのぞいて)転置行列と等
しいことになる。更に、これらの行列[I*]、[II
*]、[III*]、[IV*]の転置行列は、自身の行列
と等しい対称行列であり、結局各逆行列[I*]-1、[I
I*]-1、[III*]-1、[IV*]-1は、数20の関係と
なる。ここでは、整数倍の値は、説明の便宜上のぞくこ
とにする。
【数20】 ゆえに、図1のFDCTの逆変換IDCTは、数11か
ら次の数21の関係が得られる。
【数21】 そして、最終的には、数22の関係となる。
【数22】
【0033】従って、逆変換IDCTを実行する回路構
成(シグナルフロー)は、図1に示すI、II、III、IVの
各ステージを逆に接続して、IV、III、II、Iのステージ
の演算を順に行わせることで実現でき、それは、図2に
示すとおりとなる。図2において図1と同じ要素には、
同じ番号を付してある。従って、FDCTとIDCTと
は、全く同じ構成の要素の接続をかえればよいことにな
る。これは、図8に示してあるとおりであり、FDCT
の場合は、入力fiに対してステージI、II、III、IVを
スイッチSW0〜SW4を上側にたおすことでシリアル
接続し、出力Fjを得る。IDCTの場合は、入力Fj
に対してステージIV、III、II、Iの順に接続するよう
に、スイッチSW0〜SW4を下向きにたおして接続す
る。
【0034】以上、図1、図2の構成を、元になるFD
CT、IDCTの高速演算の数式に対応づけて説明し
た。更に、詳細には、FDCTの場合、図1の出力F
0、F4、F2、F6、F1、F7、F5、F3と、入
力f0〜f7との関係は、数23〜数30に規定すると
おりとなる。
【数23】
【数24】
【数25】
【数26】
【数27】
【数28】
【数29】
【数30】
【0035】ここで、各式の下に示してあるのは、ステ
ージ番号と要素番号である。また、同様に、IDCTの
場合、図2の出力f0、f3、f1、f2、f7、f
4、f6、f5と入力F0〜F7との関係は数31〜数
38に規定されるとおりである。
【数31】
【数32】
【数33】
【数34】
【数35】
【数36】
【数37】
【数38】 ここで、各式の下に示してあるのは、図1同様、ステー
ジ番号と要素番号である。
【0036】そして、出力F0、F1、F2、F3、F
4、F5、F6、F7に対する入力f0、f1、f2、
f3、f4、f5、f6、f7の行列(数39)の各要
素の値は、図9のようになる。この図でかっこの中に書
いてある数値は、213=8192で実際の行列の要素を
割った値であり、このかっこの数と図10の値とを見比
べると、丁度図7で示したオリジナルの行列に図9の行
列は相当することが判明する。つまり、図9の行列は、
オリジナルの行列同様に直交行列であることがわかる。
従って、IDCTの際の出力f0、f1、f2、f3、
f4、f5、f6、f7に対する入力F0、F1、F
2、F3、F4、F5、F6、F7の行列は、この図9
の転置行列となる。
【数39】
【0037】次に、図1、図2に表われた乗算値がco
s(i/16)πの値に相当することを、図10を参照
して説明する。すなわち、図1、図2の回路構成(シグ
ナルフロー)にあっては、基になっている高速演算アル
ゴリズムのcos(i/16)πの値を、1024=2
10を1.0とおいて近似的に図10の近似値の欄の値と
したものであり、2進表現の上位10ビットをcos
(i/16)πとしたものである。例えば、先に図1に
関連して要素P26、P25が724を乗ずる演算を実
行することにより、cos(4/16)πを乗ずる演算
を実行することになると説明したが、そのことはこの図
10から明らかである。
【0038】図11は、図1のFDCTの入力と出力の
タイムチャート、換言すれば、FDCTに要する演算時
間を示しており、FDCTの演算開始の際に0を入れ
て、残っているデータをクリアする手法(いわゆるフラ
ッシングビットをパインプラインにいれること)をとっ
たとき、入力ビット数を8ビット(7ビット+符号ビッ
ト)として、各28クロックサイクル毎に1組の演算が
行え、入力のLSBから出力のMSBまでのクロック数
をラインサイクル数(パイプライン長)と言うことにす
ると、この例では図示のとおり34クロックサイクルと
なる。即ち、図1のF3の出力については、図9の行列
による行列係数の乗算が、各fiに対して行われるが、
そのとき、fiが最大値を全てとったと仮定すると、乗
算される結果としては、図9のl=3の行の係数(k=
0〜7)となり、その絶対値の和は(6979584+
1644928+8224640+4653056)×
2=43004416となり、これを2進数で表現する
と26ビット必要となる(226=67108864であ
るので)。
【0039】従って、入力を8ビットとし乗算する値が
26ビット表現なので、上記パイプライン長は34クロ
ックとなる。また、図1のF3出力をみると、入力が最
短で出力するのは、ステージIでフリップフロップ1個
つまり1クロック、ステージIIでフリップフロップ2個
つまり2クロック、ステージIIIでフリップフロップ1
個つまり1クロック、ステージIVでフリップフロップ3
個つまり3クロックかかり、結局入力から7クロック目
から出力開始する。これは図11の出力OUTの欄に−
17と示している位置である。そして、小数点位置(Bi
nary Point又はDecimal Point)を入力INについては
入力の0の左側の位置とすると、出力OUT(F3)に
ついては、図示の0で示す位置と−1で示す位置の間と
なる。
【0040】つまり、オリジナルのFDCTの行列にた
ちかえり、F3の出力については、fiが最大値をとっ
たとしたとき、乗算される値は、図7のl=3の行の係
数(k=0〜7)となり、その絶対値の和は{cos(3π/
16)+cos(7π/16)+cos(1π/16)+cos(5π/16)}×1/2
×2となり、約2.5であり、出力の小数点以上のビッ
ト数は入力に対して2ビット増加する。従って、入力ビ
ット数を8とすると、小数点以上は10ビットとなり、
上述した位置に小数点がくることになる。以上の説明で
明らかなように、入力データのビット数に依存して、出
力データのビット数は変化し、またパイプライン長も変
化することになる。詳細な説明は省略するが、出力ビッ
ト数(符号ビット入れて)が10までなら、フラッシン
グビットを使用するときは、28クロックサイクル毎の
演算が行え、それ以上ならば出力ビット数を(9+n)
として、27+nクロック数となる。以上はフラッシン
グビットを用いたときであるが、強制的に図1の全ての
フリップフロップのリセットがかけられる構成をとった
ときは、図11のフラッシングビットを不要として、つ
まり図11では1クロック分早めて、27クロック毎に
演算を行うことができる。
【0041】画像処理装置の説明 次に、上述したデータ変換演算装置(図1、図2、図8
参照)を用いて構成されるデータ圧縮伸張装置(本発明
に係るビットシリアルデジタル信号処理装置の前提とな
るもので、後述する図12B参照)を採用した画像処理
装置のひとつの構成例を説明する。図12Aは、その全
体構成を示し、供給される画像信号は、デコーダ1によ
り輝度信号Yと色差信号R−Y、B−Yとに分離され、
Y、R−Y、B−Yに分離された画像信号は、A/D変
換器2で3組のデジタル信号に変換されて、一たん画像
メモリ3に格納される。画像メモリ3に格納されたデー
タは、8×8画素毎にデータ圧縮伸張装置4により、F
DCTの処理がなされた後、適当な量子化テーブル(一
例は後述する)で量子化演算される。更に、符号化/復
号化装置5にて適当な符号化、例えばハフマン(Huf
fman)符号化されて圧縮画像信号となる。
【0042】この圧縮画像信号は、記憶されたり、伝送
されたりするが、その応用例は後述するとおりである。
逆に、このような圧縮画像信号を元の画像に復元する際
は、上述した圧縮時と逆ルートの信号処理が行われる。
つまり符号化/復号化装置5で復号化処理がなされ、デ
ータ圧縮伸張装置4において、逆量子化がなされた後、
IDCTの処理が施されて、デジタル画像信号となる。
そして、このデジタル画像信号は、画像メモリ3に格納
され、しかる後、D/A変換器6で3組のアナログ信号
Y、R−Y、B−Yとなり、エンコーダ7で画像信号に
復元される。
【0043】本発明の前提となるデータ圧縮伸張装置の
全体構成とこの装置に用いたパラレル−シリアル/シリ
アル−パラレル変換装置の説明 図12Bは、図12Aにおいて用いられるデータ圧縮伸
張装置4の全体構成を示しており、データの圧縮と伸張
とが動作切換えにて選択的に実現できるようになってい
る。即ち、Aはデータ記憶装置であり、データ圧縮の場
合は、圧縮すべきデータが、パラレル形式で記憶され
る。例えば、8ライン分のマルチビットのパラレルデー
タである。このパラレルデータは、パラレル−シリアル
変換装置Bにおいて、シリアルデータに変換される。即
ち、上述の例では、8ラインのマルチビットのシリアル
データとなる。この8ラインのマルチビットシリアルデ
ータは、データ変換演算装置Cに、シリアルに送られて
データ圧縮処理が行われる。このデータ変換演算装置C
の具体例は、図1、図2、図8などを参照して既に説明
したとおりであり、シリアル演算によるFDCTが実行
される。そして、その演算結果はシリアルのマルチビッ
トデータとして、8ライン分出力される。
【0044】次に、その演算結果データは、シリアル−
パラレル変換装置Dに与えられ、上記シリアルデータを
パラレルデータに変換して再びデータ記憶装置Aに供給
する。上述したのは、1次元データの場合であり、画像
データのような2次元データのときは、上述したFDC
Tの処理を最初に横方向のデータについて行い、次に縦
方向のデータについて行う(この逆に、縦方向のデータ
の処理を先に行い、横方向のデータの処理を後に行うこ
とでもよい。)即ち、画像データの場合、例えば8×8
ドットの原画像のマルチビットパラレルデータXijに
ついて、図20に示すように横方向(jを固定)につい
ての8サンプルのシリアルデータに変換した後、FDC
Tを行いその結果をパラレル形式に変換して記憶する。
これをjを順番に0〜7までインクリメントして8回繰
返して行えば、横方向のFDCTが完了である(yij
のデータとなる)。
【0045】続いて、このFDCTが実行されたパラレ
ルデータyijを、縦方向(iを固定)について8サン
プルのシリアルデータに変換した後、FDCTを行い、
その結果をパラレル形式に変換して記憶する。これをi
を順番に0〜7までインクリメントして8回繰返して行
えば、縦方向のFDCTが完了である(zijのデータ
となる)。そして、データ記憶装置に蓄えられた2次元
のFDCT処理が行われた画像データ(つまり2次元の
周波数成分のデータ)に対し、量子化装置Eで、量子化
テーブルを用いて線形量子化(割算)する。つまり、視
角的に感度が低い高周波成分を抑えることで、画質の劣
化を最小限にしながら情報圧縮をする。この量子化テー
ブルの一例は、図21に示されている。
【0046】また、逆にデータ伸張を行う場合は、伸張
すべきデータが、量子化装置Eを介して逆量子化された
後、データ記憶装置Aにパラレル形式で与えられるた
め、上記同様に、パラレル−シリアル変換を行った後、
データ変換演算装置CでIDCTを実行し、シリアル−
パラレル変換を行って、データ記憶装置Aへもどす。こ
の場合も、画像データのような2次元データについて
は、IDCTを、ジグザグに2回行うことになる。この
ような演算動作は、制御装置Fの制御のもとに実行され
る。図13は、上記データ圧縮伸張装置のパラレル−シ
リアル変換装置Bの構成図であり、入力データが12ビ
ットP0〜P11のパラレルデータで与えられ、出力ラ
インS0〜S7から8本のシリアルデータとして出力す
ることになる。なお、12ビットのうちの下位側の所定
数のビットが有効ビットであり、それ以上のビットはサ
インビットsignとなる。各セルには、図14に示す
ように、パラレルデータの入力端子P、シリアルデータ
の入力端子S、これらの入力データをホールドするため
のホールド信号HLDの制御端子、シリアルデータの取
込みを許可するイネーブル信号IE(実際には8ライン
分IE0〜IE7として独立制御される)の制御端子及
び出力端子Oが設けられており、各セルは入力セレクタ
付フリップフロップFFとなる(詳細は後述)。
【0047】従って、このセルが8ライン分×12ビッ
ト=96個、図13には設けられている。従って、各ラ
インを301〜308とし、夫々のセルを301a〜3
01l、302a〜302l……、308a〜308l
と名前をつけると、この各ラインがシフトレジスタ構成
となっていることがわかる。つまり、パラレルデータと
して与えられる8サンプル分のデータを、どのラインの
セルに記憶させるかイネーブル信号IE0〜IE7で選
択制御し、各ラインに全てのパラレルデータがセットさ
れた後(つまり8回、パラレルデータを順番にシフトレ
ジスタに取込んだ後)、8ラインのシリアルデータS0
〜S7として最下位ビット側からシフト出力する。つま
り1セルずつ図13の右方向へビットシフトしてゆく。
このような操作で、8ライン×12ビットのパラレルデ
ータが8ライン×12ビットのシリアルデータに変換さ
れる。
【0048】図15は、図14に示すセルの具体的な回
路構成を示し、上述した入力信号、制御信号が与えら
れ、パラレルデータもしくはシリアルデータをラッチし
て、後段のセルへ出力信号を送出する動作を行う。即
ち、Dタイプのフリップフロップ317に対しては、入
力端子Pのパラレルデータがアンドゲート314を介
し、入力端子Sのシリアルデータがアンドゲート315
を介し、そしてDフリップフロップ317のフィードバ
ックループの出力がアンドゲート313を介し、更にこ
れらアンドゲート313、314、315に接続された
オアゲート316を経て選択的にデータが供給される。
このアンドゲート313、314、315の開閉動作を
制御するために、ホールド信号HLD、イネーブル信号
IEがアンドゲート311、312を介して供給され
る。
【0049】つまり、図示の回路接続から明らかなよう
に、ホールド信号HLDが1のときは、フリップフロッ
プ317の出力がフィードバックしてクロックに同期し
てラッチされるためにデータホールド状態となる。ま
た、ホールド信号HLDが0のとき、イネーブル信号I
Eが0のときはパラレルデータがフリップフロップ31
7へクロックに同期してラッチされる。更に、ホールド
信号HLDが0であって、イネーブル信号IEが1のと
きは、シリアルデータがフリップフロップ317へクロ
ックに同期してラッチされることになる。
【0050】図16は、シリアル−パラレル変換装置D
の構成図であり、入力データが12ビットのシリアルデ
ータであり、入力ラインS0〜S7に8本のシリアルデ
ータとして与えられる。なお、12ビットデータのうち
何ビットを有効データとするかは、FDCT、IDCT
の演算に依存して決められる。そして、これらのシリア
ルデータが、8ラインの12ビットのパラレルデータP
0〜P11として出力することになる。
【0051】各セルには、図17に示すように、シリア
ルデータの入力端子S、データをホールドするためのホ
ールド信号HLDの制御端子HLD、パラレルデータの
出力を許可するイネーブル信号OE(実際には、8ライ
ン分OE0〜OE7として独立制御される)の制御端
子、パラレルのデータの出力端子P、シリアルのデータ
の出力端子Oが設けられており、各セルは3ステート
(トライステート)アウトプット付フリップフロップF
Fとなる(詳細は後述)。従って、このセルが8ライン
分×12ビット=96個、図16には設けられていて、
図13のパラレル−シリアル変換装置Bと同様各ライン
を401〜408とし、夫々のセルを401a〜401
l、402a〜402l、……408a〜408lと名
前をつけると、この各ラインがシフトレジスタ構成とな
っていることがわかる。
【0052】つまり、シリアルデータとして与えられる
8サンプル分のデータをこの8本のシフトレジスタが図
面の右方向へ順次シフトしながらセットしてゆき、12
ビット分セットされたら、どのラインの信号をパラレル
データとして出力するかをイネーブル信号OE0〜OE
7で順次選択制御しながら、8回くりかえす。このよう
な操作によって8ライン×12ビットのシリアルデータ
が、8ライン×12ビットのパラレルデータに変換され
る。図18は、図17に示すセルの具体的な回路構成を
示し、上述した入力信号、制御信号が与えられ、シリア
ルデータをラッチして、後段のセルへ出力信号として送
出するか、パラレルデータとして出力するか、選択的に
動作する。即ち、Dタイプのフリップフロップ416に
対しては、入力端子Sのシリアルデータがアンドゲート
414を介し、あるいはDフリップフロップ416のフ
ィードバックループの出力がアンドゲート413を介
し、更に、これらアンドゲート413、414に接続さ
れたオアゲート415を経て選択的にデータが供給され
る。
【0053】このアンドゲート413、414の開閉動
作を制御するために、ホールド信号HLD、イネーブル
信号OEがオアゲート411、アンドゲート412を介
して与えられる。つまり、図示の接続から明らかなよう
に、ホールド信号HLDまたはイネーブル信号OEが1
のときは、フリップフロップ416の出力がフィードバ
ックしてクロックに同期してラッチされるため、データ
ホールド状態となる。また、ホールド信号HLDが0の
とき、イネーブル信号OEが0のときに限り、シリアル
データを入力端子Sからクロックに同期してフリップフ
ロップ416はラッチする。そして、フリップフロップ
416の出力は、端子Oを介して後段のセルに与えられ
るとともに、トライステートバッファ417を介して、
パラレルデータとして送出されるが、それは、イネーブ
ル信号OEが1のときに限る。
【0054】図19は、パラレル−シリアル変換装置
B、シリアル−パラレル変換装置Dの動作タイミングを
示してある。この場合、図11で先に説明したように、
パイプライン長が34クロックの場合の演算をデータ変
換演算装置Cが行う場合のタイムチャートである。な
お、図13及び図16の各セルにはリセット端子が設け
られてはなかったが、動作開始時にその都度全セル内の
Dフリップフロップ317、416の内容をリセットす
ることで、以前のデータが残っていておかしな値を出力
しないようにすることができる。これは、既に説明した
データ変換演算装置Cの各フリップフロップについても
同様で、一斉に1セットのデータのパラレル−シリアル
変換動作開始時点(あるいは1セットのデータのシリア
ル−パラレル変換動作終了時点)でリセットをかける
(図19参照)構成とすることができる。
【0055】なお、各ラインの先頭に、0データをつけ
て各セルに対して必ず0を最初に通してから、意味のあ
る最下位ビットのデータからデータを送ってゆくこと
(いわゆるパイプライン処理のフラッシングビットの入
力)で、同様のリセット機能の実現が可能となること
は、既に説明したとおりである。以上本発明に係るビッ
トシリアルデジタル信号処理装置の前提となるデータ圧
縮伸張装置につき説明したが、シリアル演算にてFDC
T、IDCTを行うため、パラレル演算によるものに比
べて回路規模は格段に小さくなったが、後述するよう
に、従来から考えられていたDCTの高速アルゴリズム
を直接的にシリアル演算回路にて実現しているため、回
路規模は大きく改善の余地がある。
【0056】また、フリップフロップの段数に応じて、
演算時間が長くなり、上述したように相当程度の演算時
間を必要とする。更に、シリアル−パラレル変換とパラ
レル−シリアル変換とを別々の変換器で構成しており、
この部分においても改善が求められる。そこで、本発明
では、更にこれらの点をふまえて改良を重ね、以下に説
明するデータ変換演算装置について第1バージョン(V
er.1)、第2バージョン(Ver.2)、第3バー
ジョン(Ver.3)、第3.1バージョン(Ver.
3.1)、第4バージョン(Ver.4)を提供し、更
にパラレル−シリアル/シリアル−パラレル変換装置を
用いたデータ圧縮伸張装置も提供することとする。以
下、順にその説明を進める。まず、本発明に係るビット
シリアルデジタル信号処理装置の一実施例であるデータ
変換演算装置を構成するうえで、基礎になっている考え
方を原理Iとよぶことにし、この原理Iについて以下に
説明することにする。
【0057】原理Iの説明 図1、図2に示したFDCT、IDCTの構成は、従来
から考えられていたDCTの高速アルゴリズムに基づ
き、シリアル演算方式で直接的に実現したものである。
つまりcos(i/16)πの値を、図10に示したように2の
べき乗をかけて(図10では210=1024倍してい
る)、近似値を求め、この近似値を、直接的に2のべき
乗の和又は差の積に表現してシフト回路で実現した。具
体的に言うならば、要素P26ではcos(4/16)πに相当
する724を乗じなければならないことは、元々のDC
Tフローから自明である。そして、この724は、例え
ば次のように書くことができる。 724=[(25−21)×(22+21)×21+21]×21 従ってこの関係から724を乗じる要素P26の構成が
図1に示すようにフリップフロップによるシフト乗算器
(2のべき乗演算器)と加/減算器との組合せとなるこ
とは明らかである。(従って、乗算器は不要となる。)
【0058】この結果、ステージI〜IVについて、もと
のDCT高速アルゴリズムによるシグナルフローを直接
的に、実現する、つまり、上述したフリップフロップと
加/減算器の組合せでcos(i/16)πの係数の乗算をする
ことで実現し、またバタフライ演算の部分もそのまま残
すかたちで回路構成をしている。そのため、図1のFD
CT、図2のIDCTでは回路規模が相当大きくなって
しまっている。またフリップフロップを多く使ってお
り、FDCT又はIDCTの変換処理に、フリップフロ
ップの段数に依存した演算時間を必要とし、結果とし
て、演算に相当な時間がかかるということになる。そこ
で、従来から知られている高速アルゴリズムのことは、
いったん無視し、本来のDCTの演算式及び図1、図2
の具体的な計算式に注目する。
【0059】本来のDCTの演算式は、すでに数3〜数
10に定義してあるとおりであり、図1のFDCTの演
算式は、ステージIの2項和を数40のように定義する
と、数41のように書き下すことができる。
【数40】
【数41】 この数41を更に簡単な式に近似し、その係数、つまり
cos(i/16)πを出来るだけ少ない桁数の整数比で表現し
て、近似誤差が減少する数式を発見的に(ヒューリステ
ィックに)見つけることにする。その結果、数42を見
出すことに成功した。
【数42】 そして、更に、この数42を式変形して、数43のよう
にする。
【数43】 この数43に基づいて、後述するデータ変換演算装置の
第1バージョン(Ver.1)が構成される。ここで、
上述した数41と数42の対比をすることにする。
【0060】図1のFDCTのうちのF0の式(数4
1)では、(f0+f1+……+f7)を181×16
384×2=724×213倍している。ここで724は
(1/√2)×210の近似値であった。これは本来のF
DCTのF0の式(数3)について着目すれば、(f0
+……f7)を√2/4倍(=1/2・cos(4/16)π)
していることから明らかである。同様に数42のF0の
式については(f0+f1+……f7)を92×128
=23×512=23×29倍している。
【0061】そこで、図1のFDCTと、数42のFD
CTとの出力比相対ゲインGを考察すると、2のべき状
の項は、データの出力時の小数点位置の問題(データの
取込みのタイミングをずらすことで解消できる)である
ので、無視できる。従って、相対ゲインGは、23÷
(1/√2)=23√2となる。従ってDCT演算1回
あたりゲインの変化は数44となる。
【数44】 このため、画像処理のように2次元DCTを行う場合は
その2乗つまり4232/4096倍≒1.03320
31倍量子化テーブルを変更しておく必要がある。
【0062】このように変更された量子化テーブルを備
えた量子化装置E(図12B、図56参照)を、これ以
後の実施例では用いる。次に、数42のような式変更に
よって、cos(i/16)πがどのような値をとるようになる
か、以下に説明する。上述したように、相対ゲインGに
よって、図1、図2のようなFDCT、IDCTの場合
とちがい、1.0を2のべき乗で表現するのではなく、
1.0を2のべき乗×相対ゲインGで表現することにな
る。即ち、数42のように式変更することで、この場合
は1.0を28×G=260.2153で表現するよう
になる。そのため、cos(i/16)πは後に使用する図24
のように表現されることになる。なお、cos(i/16)πの
うち、i=奇数の場合、近似値を3で割った値、i=偶
数の場合、近似値を4で割った値を、後に説明するFD
CT、IDCTの各ステージの行列の演算のときに、対
応づけて使用する。ところで、このように原理Iによっ
てcos(i/16)πの値が図10の値から図24の値に変更
されたが、誤差%は、さほど変化なく、特に問題になら
ない近似であることが判明する。
【0062】さて、このようにcos(i/16)πの値を整数
値の比におきかえることにより、回路規模は、小さくな
り、また演算時間も早くなるものの、FDCTとIDC
Tの対称性が部分的に崩れてしまうことになる。つま
り、FDCTとIDCTとは複数のステージの結合で表
わした場合、特定のステージにおいては非対称となって
しまう。その為、FDCTとIDCTとを、同一のステ
ージ回路構成をとり、ステージの接続関係を切換えるこ
とで実現することは困難となる。そこで、FDCTの際
にのみ使用する固有回路部(又は専用回路部、後述のF
で示す部分)と、IDCTの際にのみ使用する固有回路
部(又は専用回路部、後述のIで示す部分)とを設ける
ことにより、この問題の解決を図る。つまり、前者は、
FDCTの際は使用し、IDCTの際はバイパスする。
後者は逆に、IDCTの際は使用し、FDCTの際はバ
イパスするのである。
【0063】〈データ変換演算装置Ver.1〉次に上
述した原理Iに基づき構成されるデータ変換演算装置の
具体的回路構成(シグナルフロー)の第1バージョン
(Ver.1)について説明する。図22がFDCTを
行う回路図、図23がIDCTを行う回路図である。図
22のアルゴリズムは、数43に基づいている。更に、
この数43を式変形するとともに、出力F0、F4、F
6、F2、F7、F3、F5、F1について入力f0、
f1、f2、f3、f4、f5、f6、f7で、直接的
に、そしてステージI、II(偶)、III(偶)、II&III
(奇)、IVとの関係、要素番号との関係を示しながら書
き下すと、数45〜数52のとおりとなる。
【数45】
【数46】
【数47】
【数48】
【数49】
【数50】
【数51】
【数52】
【0064】なお、図22において、各要素の表記は、
先に説明した図3〜図5によっているが、特に、フリッ
プフロップの中にFとあるのはすでに説明したFDCT
のときのみ使用する固有回路部である。また、図23に
おいてあらわれるIも同様にIDCTのときのみ使用す
る固有回路部である。その詳細は後述する。さて、この
FDCTの各ステージについて、行列を求め、その変換
特性を考察することにする。先ず、ステージIについて
は、先に説明した、数12、数13のとおりであり、直
交行列(拡張された意味での直交行列も、以下単に直交
行列と書くことにする。)となっている。
【0065】次に、ステージIVのF7、F3、F5、F
1について、つまり奇数側についての行列[IV(奇)]
は、数53で規定されるとおり、直交行列である。
【数53】 更に、ステージII&III(奇)についての行列[II&III
(奇)]は数54で規定される。
【数54】 これは、図24に従い、85がcos(1/16)πに、72がc
os(3/16)πに、48がcos(5/16)πに、17がcos(7/16)
πに対応するので、オリジナルの世界では、数55のよ
うになり、これも、計算によると直交行列であることが
判明する。
【数55】
【0066】次に、ステージII(偶)、III(偶)、IV
の偶数側(F0、F4、F6、F2)については、数5
6にて規定される行列[II・III・IV(偶)]となる。
【数56】 これも、図24に従い、60がcos(2/16)πに、46がc
os(4/16)πに、25がcos(6/16)πに対応するので、オ
リジナルの世界では、数57のようになり、これも、計
算によると直交行列であることが判明する。
【数57】 このように、本実施例においても、先に説明した図1、
図2の回路構成(シグナルフロー)による場合と同様
に、上述した回路単位での各行列の直交性の概念は保存
されている。しかし、各ステージ毎の直交性は、失われ
ている。
【0067】従って、便宜上以降の説明でもステージと
いう表記をするが、図1、図2の場合とは、意味が異な
っている。さて、今後のために、図22のII&III
(奇)のステージについての入力b0、b1、b2、b
3と出力X0、X1、X2、X3との関係を数58のと
おり書き下しておくことにする。
【数58】 これは、数54の行列を書き下したにすぎない。さて、
図22のFDCTに対して、IDCTは図23の如く構
成できる。
【0068】この図23の出力f0、f3、f2、f
1、f6、f5、f4、f7について入力F0、F2、
F6、F4、F5、F3、F7、F1で直接的に、そし
てステージI、II(偶)、III(偶)、II&III(奇)、I
Vとの関係、要素番号との関係を示しながら書き下す
と、数59から数66のとおりとなる。
【数59】
【数60】
【数61】
【数62】
【数63】
【数64】
【数65】
【数66】
【0069】この図23のIDCTにおいても、図22
のFDCTと同様に各回路単位の行列を計算すること
で、直交性の概念が保存されており、図22のFDCT
に対応するIDCTであることが理解できる。即ち、図
22については、a0、a1、a2、a3(数40参
照)に対しては、[II・III・IV(偶)]の行列の演算
がなされてF0、F4、F6、F2が得られたわけであ
り、その逆行列の関係からF0、F4、F6、F2に対
して、[II・III・IV(偶)]-1の行列の演算を施せば
よい。ここで、この行列は直交行列ゆえ、転置行列がそ
の逆行列となる。以上の関係を数67〜数69に示す。
【数67】
【数68】
【数69】
【0070】ここで、[II・III・IV(偶)]tは、図2
3のステージIV、III(偶)、II(偶)の行列[IV・III
・II(偶)]IDCTに相当し、数70となる。
【数70】 次に、図22についてはb0、b1、b2、b3(数4
0参照)に対しては、[II&III(奇)][IV(奇)]
の行列の演算がなされてF7、F3、F5、F1が得ら
れたわけであり、その逆行列の関係からF5、F3、F
7、F1に対して、[IV(奇)]-1[II&III(奇)]
-1の行列の演算を施せばよい。なお、図23では、図2
2に対してF7とF5とをいれかえる操作を必要とす
る。
【0071】そして、各行列は、直交行列ゆえ、転置行
列が夫々の逆行列となる。以上の関係を数71〜数73
に示す。
【数71】
【数72】
【数73】 そして、[IV(奇)]tの行列は[IV(奇)]の行列つ
まり数53の行列と等しい。また[II&III(奇)]t
行列は図23の行列[II&III(奇)]IDCTに相当
し、数74となる。
【数74】 以上の説明から理解されるとおり、図22のFDCTと
図23のIDCTとは完全な対応関係にあることが理解
される。
【0072】ここで、図23につき、II&III(奇)の
ステージの演算を具体的に書き下すと、次のようにな
る。なお、要素46、45、44、47の出力をX1、
X2、X0、X3とし、要素35、36、34、37の
出力をb2、b1、b0、b3として、数75のように
なる。
【数75】 ここで、数58で定義された式つまりFDCTでのステ
ージII&III(奇)の演算と、数75で定義されたステ
ージII&III(奇)の演算とを比較すると、b0をX0
に、b1をX2に、b2をX1に、b3をX3に読みか
えると、数75から数58となる。
【0073】従って、このことは、図23のIDCTに
おいては、F7の入力に対してFDCTのb0、F3の
入力に対してFDCTのb2、F5の入力に対してFD
CTのb1、F1の入力に対してFDCTのb3の夫々
の入力に相当する信号線を接続すればよいことが判明す
る。図25は、図22のFDCTの出力F0、F1、F
2、F3、F4、F5、F6、F7に対応する入力f
0、f1、f2、f3、f4、f5、f6、f7の行列
(数76)の各要素の値を示している。
【数76】 この図25の行列のなかで、かっこの中に書いてある数
値は、27=128で夫々の値を割った値であり、この
かっこの数値と図24のcos(i/16)πの近似値とを見比
べると、丁度図7で示したオリジナルの行列に図25の
行列は相当することが判明する。つまり、図25の行列
は、オリジナルの行列と同様に直交行列であることがわ
かる。従って、IDCTの際の出力f0、f1、f2、
f3、f4、f5、f6、f7に対する入力F0、F
1、F2、F3、F4、F5、F6、F7の行列は、こ
の図25の転置行列となる。
【0074】以上説明したデータ変換演算装置を、具体
的に構成することにつき以下に説明する。即ち、図22
のFDCT、図23のIDCTにおいては、先に説明し
たとおり、固有回路部(Fと図中のフリップフロップに
記してあるのが、FDCTにおいてのみ使用する固有回
路部、Iと図中のフリップフロップに記してあるのがI
DCTにおいてのみ使用する固有回路部である)をのぞ
き、各ステージI、II(偶)、III(偶)、II&III
(奇)、IVの回路構成は共通に使用できる。
【0075】具体的に言うならば、F0、F4、F6、
F2について、つまり偶数側は、FDCTのときは、ス
テージI、II(偶)、III(偶)、IVの順に信号処理を
行えばよい。IDCTのときは、ステージIV、III
(偶)、II(偶)、Iの順に信号処理を行う。これに対
し、F7、F3、F5、F1について、つまり奇数側
は、FDCTのときは、ステージI、II&III(奇)、I
Vの順に信号処理を行えばよい。そしてIDCTのとき
は、ステージIV、II&III(奇)、Iの順に信号処理を
行う。従って、各ステージを構成する回路部分の前段
に、信号ラインのセレクタを設け、FDCTとして機能
させるか、IDCTとして機能させるかに応じて、信号
ラインの接続関係を変更してやれば、ひとつの回路構成
で、FDCTもIDCTも実現できることになる。
【0076】このような考え方をもとに構成したのが図
26である。図26において、ステージIを構成する回
路62、ステージII(偶)を構成する回路64、ステー
ジIII(偶)を構成する回路66、ステージIVを構成す
る回路68、ステージII&III(奇)を構成する回路6
9は、夫々図27、図28、図29、図30、図31に
詳細に示されているとおりである。なお、図22、図2
3において、番号のあとにFまたはIとして表示してあ
る要素は、図26の詳細図つまり図27〜図31におい
ては、FやIをとった番号として示してある。例えば要
素22F(図22のステージII(偶)参照)と要素22
I(図23のステージII(偶)参照)とは、図28では
要素22として表示してある。
【0077】更に、図26において、FDCTとIDC
Tとを切換えて実現するためのバスセレクタ61、6
3、65、67がステージIの回路62、ステージII
(偶)の回路64とステージII&III(奇)の回路6
9、ステージIII(偶)の回路66、ステージIVの回路
68の夫々手前側に設けられている。またバスセレクタ
70が最終段に設けられている。この各バスセレクタ6
1、63、65、67、70の詳細構成が図32、図3
3と図36、図34、図35、図37に示されており、
白の三角マークがFDCTのときにオープンするゲート
であり、黒の三角マークがIDCTのときにオープンす
るゲートである。そして、各バスセレクタの入力ライン
のシンボルと、各ステージの出力ラインのシンボル及
び、各バスセレクタの出力ラインと、各ステージの出力
ラインの関係は、いずれも図示のとおりである。従っ
て、各ステージ間の接続関係は明らかであるので、詳細
に説明することは行わない。以上で、本発明のデータ変
換演算装置の第1バージョンの説明を終えるが、図38
において、FDCTのときの入力信号と、出力信号(特
にF1について)のタイムチャートを示しておく。
【0078】すなわち、図38は、図22の入力と出力
(F1)についてのタイムチャートを示し、先に説明し
た図1についてのタイムチャートである図11と対応す
るものである。図22にあっては、入力データを8ビッ
トとしたとき、例えば出力F1については、乗じられる
値は数42から明らかなように、全入力f0〜f7を最
大値としたとき、(85+72+48+17)×192
×2×2=170496となり、18ビット表現となる
(218=262144であるので)。従って、既に説明
したパイプライン長は、26クロックとなる。また図2
2のF1については、最短のコースは、入力してからフ
リップフロップ7個であり、図38で−9と示したとこ
ろからデータ出力がなされる。
【0079】また、小数点位置(Binary Point又はDeci
mal Point)は、出力については、元々のF3のFDC
Tの式より図7のl=1の行の係数(k=0〜7)の絶
対値の和が{cos(1π/16)+cos(3π/16)+cos(5π/16)
+cos(7π/16)}×1/2×2であり、約2.5であるの
で、入力に対して2ビット増加する。従って、上述した
ように入力ビット数を8として、小数点以上は10ビッ
トとなり、図38に示す位置、つまり0と−1との間に
くる。以上の説明から理解されるとおり、そして、図1
と図22の比較から明らかとなるように、相当程度の回
路規模の縮減が可能となり、演算速度も図11と図38
とにあるパイプライン長の比較から明らかなように相当
高速化が図れることになる。
【0080】〈データ変換演算装置Ver.2〉次に、
データ変換演算装置の具体的回路構成(シグナルフロ
ー)の第2バージョン(Ver.2)について説明す
る。この第2バージョンは、先に説明した図22、図2
3による第1バージョンを更に改良したものであり、ま
ずその考え方を説明する。以下この考え方を原理IIとよ
ぶことにする。
【0081】原理IIの説明 図22のFDCT、図23のIDCTの処理速度を、更
に速くすることを考える。そのために、図22のFDC
Tのなかで、複雑そうな部分を発見的(ヒューリスティ
ック)に見つけることにする。つまり、入力信号に対し
て、シリアルの演算処理に時間がかかる部分、換言する
とラインあたり(データワードあたり)のクロックサイ
クル数が大きい部分を見つける。そして、これは、図2
2のステージII&III(奇)の部分であることがわか
る。そこで、この部分の入出力関係を数式化してみる。
実は、これはすでに求めてある数58で与えられてい
る。そこで、この数式を次の数77のように書き直す
と、より考察しやすくなる。
【数77】
【0082】このb0〜b3の各係数をながめると、共
通に24があるので、フリップフロップ4段分まで減ら
すことが出来ることが予想される。次に、のこりの各係
数はK1=170、K2=144、K3=96、K4=
34となる。そこで、これらK1〜K4の係数を、数7
8に従い因数分解することを検討する。
【数78】 すると、K1〜K4は、次の数79に示すように書きあ
らわせる。
【数79】 このように分解するとbi×Cj(Cjは1、2、6、
18、42のいずれか)の乗算と、この乗算結果に対し
て2のべき乗をして加算する演算とに分離出来ること
が、容易に理解される。
【0083】具体的構成 次に、このデータ変換演算装置の具体的構成を以下に説
明する。図39は、改良されたFDCTの構成を示し、
図40は同じくIDCTの構成を示す。ここで、図2
2、図23の構成と同じ要素は、同一の符号をふること
にする。図22のステージII&III(奇)の構成に対応
する部分が図39では、シリアル回路100であり、こ
の具体的構成は図41にある。すなわち、上述した原理
IIに従い、各ライン毎に2つの演算ブロックにわかれ
る。つまり、入力b0、b1、b2、b3に対して、
1、2、6、18、42の乗算を夫々行う要素101e
〜101hと、出力X3、X2、X1、X0につなが
り、2のべき乗の計算と、上述した数77に従って行う
加減算とを実行する要素102e〜102hとである。
なお、このシリアル回路100での演算は、数80のと
おりであり、数77とは、23倍異なっている。言いか
えると、このF7、F3、F5、F1の奇数ラインにつ
いて、フリップフロップ3段分縮減したことになるの
で、F0、F4、F6、F2の偶数ラインについても同
様にフリップフロップ3段分とりのぞく必要がある。
【数80】
【0084】そこで、次にFDCTに関し図22と図3
9とを比較すると、図22のステージIと図39のステ
ージIとが対応し、図22のステージIVと図39のステ
ージIIIとが対応する(完全に等しい)。そして、上述
したように、奇数ライン側(F7、F3、F5、F1)
でフリップフロップを3段のぞいたので、偶数ライン側
(F0、F4、F6、F2)においてもフリップフロッ
プを3段とりのぞく。これは、図22の要素30、3
1、32F、33Fについて夫々4段のフリップフロッ
プ構成となっていたのを、1段のフリップフロップ構成
とすること、つまり図39のように、要素230、23
1、232、233とすることで、実現される。従っ
て、図22のステージII(偶)、III(偶)の直列接続
構成が図39のステージIIと対応することが判明する。
【0085】次にIDCTに関して図23と図40とを
比較すると、当然のことながら、図23のステージIと
図40のステージIとが対応し、図23のステージIVと
図40のステージIIIとが対応する(完全に等しい)。
そして、図23のステージII(偶)の要素20、23
I、22I、21の4段のフリップフロップ構成を1段
のフリップフロップ構成とする。このような変更を行う
ことで、図23のステージIII(偶)、II(偶)の直列
接続構成が、図40のステージIIと対応することがわか
る。ただし、図23の要素33Iは、2段構成フリップ
フロップであるので、図40の要素221Iの4段フリ
ップフロップのうち、IDCTのときは2段しか使用し
ないようにしなければならない。
【0086】このことを記憶して、図39のFDCTと
図40のIDCTとを比較すると、ステージIIについ
て、FDCTとIDCTとは、フリップフロップの中に
Fと記してあるFDCTの際にしか使用しない固有回路
部をのぞき全く等しい構成となる。従って、例えば図4
2に示すとおり、FDCTの要素221FとIDCTの
要素221Iとを、共通の要素221で構成し、2入力
1出力のマルチプレクサMPXで、FDCTの場合とI
DCTの場合とで出力を切換えるようにすればよい。従
って、図39のFDCTでは、図のとおりステージI、
II、IIIの順序で信号処理を行い、図40のIDCTで
は、図のとおりステージIII、II、Iの順序で、つまり
FDCTとは完全に逆の順序で信号処理を行えばよい。
従って、図43に示すように、図39、図40に示すス
テージIを構成する回路62A、ステージIIを構成する
回路64A、ステージIIIを構成する回路66Aの手前
側にバスセレクタ61A、63A、65A、最終段にバ
スセレクタ67Aを、上述した図26と同様にして設け
る。
【0087】そして、このバスセレクタ61A、63
A、65A、67A及び固有回路部の後段に設けたマル
チプレクサに対して、FDCTのときとIDCTのとき
とで接続関係を切り換えるようにすれば、同一の回路構
成でFDCTとIDCTとを切換えて実現できる。さ
て、図39のようにシリアル回路100を構成し、全体
的にフリップフロップの段数を、図22のものに比べて
3段分減少したので、そのタイムチャートは、図44の
如くなる。つまり、図38に示したものより3クロック
分入力から出力まで短縮することになる。パイプライン
長は23クロックである。
【0088】〈データ変換演算装置Ver.3〉次に、
データ変換演算装置の具体的回路構成(シグナルフロ
ー)の第3バージョン(Ver.3)について説明す
る。この第3バージョンは、既に説明した図39、図4
0の第2バージョンを更に改良したものであり、その考
え方を原理IIIとよんで、先ず説明する。
【0089】原理IIIの説明 これまでの構成では、図3〜図5の回路シンボルの要素
を用いていた。特に、図4のシンボルは、1ビットシリ
アルフルアダーFAとフリップフロップFFの組合せと
なっており、また図5のシンボルは、1ビットシリアル
フルサブトラクタFSとフリップフロップFFの組合せ
となっている。そしていずれもFA、FSの内部にキャ
リーやボローをラッチする回路が、後段のフリップフロ
ップFFの読込みクロックCLKに同期して動作するよ
うになっている。さて、このような回路シンボルの要素
を用いてたが故に、加減算を行うだけでも、フリップフ
ロップFFのクロックCLKの遅延分だけ時間おくれが
生ずる。そこで、タイミングあわせ用のフリップフロッ
プFFを省略して、高速演算を行うこととする。
【0090】具体的構成 次に、このデータ変換演算装置の具体的回路構成を、以
下に説明する。図45は、改良されたFDCTの構成を
示し、図46は同じくIDCTの構成を示す。そして図
47は、シリアル回路100Aの構成を示す。ここで、
第2バージョンのFDCTを示す図39、IDCTを示
す図40、シリアル回路100の内部構成を示す図41
と同じ要素には同一符号を付すことにする。先ず、シリ
アル回路100Aの演算について説明する。なお、新た
に使用する回路シンボルは、図48、図49に示すとお
りとなっている。即ち、1ビットシリアルフルアダーと
して図48のシンボルを用いる。この内部に1ビットデ
ィレイのキャリーフィードバックループがある。同様に
1ビットシリアルフルサブトラクターとして図49の内
部に1ビットディレイのポローフィードバックループが
ある。夫々の回路出力はa+bとa−bである。
【0091】さて、図47の構成によれば、A、B、
C、Dの入力(これはこの順に、図41のb0、b1、
b2、b3に対応する。)に対し、O1、O3、O5、
O7の出力(これはこの順に、図41のX3、X1、X
2、X0に対応する。)は数81の関係になっている。
【数81】 この数81と数80と比較すると、4(=22)倍だけ
小さくなっており、フリップフロップが2段分省略でき
て、演算の高速化がはかられる。更に詳細に述べるなら
ば、既に説明した原理IIに従い、各ライン毎に2つのブ
ロックに分けて数81の演算を行っている。つまり、入
力A、B、C、Dに対して、1、8、12、18、42
の乗算を行う要素161e〜161hと、出力O1、O
3、O5、O7につながり、2のべき乗の計算と、数8
1の加減算を行う要素162e、162g、162f、
162hとを含んで、シリアル回路100Aは成る。
【0092】この場合、数81の各係数K1´=85、
K2´=72、K3´=48、K4´=17は数78に
従って因数分解することができる。つまり、数82のよ
うになる。
【数82】 従って、要素161e〜161hは、夫々対応する入力
データを1、8、12、18、42倍する構成となって
いる。以上のことから判明するように、数81は、数8
0に比べて2-2倍されている関係であり、回路構成的に
はシリアル回路100Aは各信号ラインで2個のフリッ
プフロップが図39のシリアル回路100に比べて削減
できている。つまり2クロックサイクル数分だけ高速演
算ができる。
【0093】このように、各奇数ラインでは、シリアル
回路100Aで、フリップフロップ2個ずつ削減してい
るために、それとタイミングをあわせるべくステージII
の偶数ラインについても、フリップフロップを2個ずつ
削減する必要がある。図45のFDCTにおいては、図
39のFDCTと比較して要素420、421F、42
2F、423Fが夫々要素20、221F、222F、
223Fに比べてフリップフロップ1個ずつ少ない関係
となっており、更に、要素230、231、232、2
33に対し要素430、431、432、433が、ア
ダー又はサブトラクタと、フリップフロップとの組合せ
からアダー又はサブトラクタへと変更されている関係と
なっている。従って、図45のFDCTの奇数ラインに
おいても、偶数ラインと同じように、2クロックサイク
ル数分だけ図39のFDCTに比べて高速の演算処理が
可能となる。
【0094】次に、図45のFDCTに対応するIDC
Tを検討する。このIDCTは図46に示されていると
おりである。この場合も、図40のIDCTから、各ラ
イン毎にフリップフロップ2個分ステージIIにおいて削
減しておればよい。このことは、図40の要素20、2
21I、222I、223Iが、図46の要素420、
421I、422I、423Iに変更され、図40の要
素230、231、232、233が図46の要素43
0、431、432、433に変更されていることから
わかる。この関係は、FDCTの場合と同様である。図
50は、図45の入力に対する出力の関係を示すタイム
チャートである。図40に示されたFDCTの場合のタ
イムチャート(図44)に比較して2クロック数分だけ
高速演算が行われることが表現されている。
【0095】〈データ変換演算装置Ver.3.1〉次
にデータ変換演算装置の具体的回路構成(シグナルフロ
ー)のバージョン3.1(Ver.3.1)について説
明する。これは、先に説明した第3バージョン(Ve
r.3)の図45のFDCT、図46のIDCTを、わ
ずかに改良したものにすぎない。すなわち、図45のF
DCT、図46のIDCTにあってはステージIIの演算
速度を速くすることについてのみ改良がなされていた
が、この実施例においては、ステージI、ステージIII
についてもフリップフロップとアダー又はサブトラクタ
の組合わせ構成をフルアダー又はフルサブトラクタ単独
の構成にすることを検討する。
【0096】即ち、図45と図51とを比較すると理解
出来るとおり、FDCTにおいては、ステージIにおい
て、要素10〜17が、要素410〜417に変更さ
れ、1クロックサイクル分高速化がはかられている。ま
た、ステージIIIにおいては、要素40、41、42
F、43F、44〜47が要素440、441、442
F、443F、444〜447に変更され、ここでも1
クロックサイクル分高速化がはかられている。このFD
CTのタイムチャートは省略するが、図50にて示した
ものに比べて、更に2クロックサイクル分高速演算が行
なえる。図52は、IDCTを示すが、これも図46の
IDCTからの変更がなされており、2クロックサイク
ル分高速演算が行なえる。図52と図46との関係は、
既に説明した図51と図45との関係と同じである。従
って、図52の説明はこれ以上する必要はないであろ
う。
【0097】〈データ変換演算装置Ver.4〉以上の
ように、データ変換演算装置は、フリップフロップを削
減したり、フルアダーまたはフルサブトラクタとフリッ
プフロップの組合せから、フルアダーまたはフルサブト
ラクタ単独の構成に変更することで、バージョン3.1
(Ver.3.1)のFDCT、IDCTを構成するこ
とができた。しかし、このように回路変更してゆくと、
演算速度の向上は図れるものの、データ入力から出力ま
でに、クロック数が少なくなることに起因して、各ステ
ージの間できわどいところが出てきた。つまり、クリテ
ィカルパスが発生するおそれが生じた。つまり、FDC
TとIDCTとを、図43に示したように、バスセレク
タの動作によって、同一回路の入出力関係を切換えて選
択的に実現する場合、特にステージ間の配線遅延の問題
が生じる。このような場合、クリティカルパスの発生
で、誤ったデータを取込んでしまう不具合がおこる。こ
のような不具合が改良された第4バージョン(Ver.
4)のデータ変換演算装置を実現する考え方を原理IVと
よんで、先ず説明する。
【0098】原理IVの説明 即ち、上述したように高速演算をめざした場合にクリテ
ィカルパスが生じるおそれがある。そこで、クリティカ
ルパスの部分に遅延用素子、例えばフリップフロップを
挿入し、クロックスキューを減らして、クリティカルパ
スを解消し安定した動作をすることをめざす。
【0099】具体的構成 次に、このデータ変換演算装置の具体的回路構成を以下
に説明する。図53は、改良されたFDCTの構成を示
し、図54は同じくIDCTの構成を示す。また図55
は、改良されたシリアル回路100Bを示す。なお、こ
れまで説明した要素と同一箇所には、同一符号を付し
て、その説明は省略する。さて、まずシリアル回路10
0Bと、シリアル回路100Aとの関係を対比してみ
る。このシリアル回路100Bにおいても、既に説明し
た原理IIによっており、各ライン毎に2つのブロックに
分けて数83の演算をしている。
【数83】
【0100】つまり、図47のシリアル回路100Aと
比較してみると、要素161e〜161hは、全く同一
であるが、要素162e、162g、162f、162
hが、222e、222g、222f、222hに変更
されている。この変更点は、上述した原理IVによってお
り、フルアダーまたはフルサブトラクタを、フリップフ
ロップ付のフルアダーまたはフルサブトラクタに変更し
ているのである。従って、図47のシリアル回路100
Aに比較して、図55のシリアル回路100Bの出力は
2倍するだけ(数83と数81とを比較するとわか
る)、1クロックサイクル分おそくなる。このように、
シリアル回路100Bを構成したこと、及び上記原理IV
に従って、先ずステージIIの偶数ライン側の要素430
〜433(図51参照)は、230〜233(図53参
照)に変更される。これは、図39の要素230〜23
3にもどされたことと同じである。
【0101】従って、ステージIIについては、ステージ
の最終出力段が全てクロックで同期して信号を読み込む
フリップフロップとなったことがわかる。更に、ステー
ジIについて、図53をみればわかるように、図51で
はフルアダーまたはフルサブトラクタ410〜417で
あったが、元の(図45参照)フリップフロップ付のフ
ルアダーまたはフルサブトラクタ10〜17と変更され
ている。これも、上述した原理IVによっていることは明
らかである。続いて、ステージIIIについても、図53
と図51とを対比してみれば理解されるとおり、要素4
40、441、442F、443F、444〜447が
元の(図45参照)要素40、41、42F、43F、
44〜47に変更されている。これを上述した原理IVに
よっていることは明らかである。以上は、FDCTの場
合であったが、IDCTについても対応して変更がなさ
れており、図52と図54とを対比すれば、変更点は明
らかであるので、その詳細な説明は省略する。
【0102】〈パラレル−シリアル/シリアル−パラレ
ル変換装置を用いた構成〉以上、データ変換演算装置に
ついての各種バージョンの構成例を説明したが、このほ
かにもデータ圧縮伸張装置の回路規模を大きくしている
要素として、パラレル−シリアル変換装置とシリアル−
パラレル変換装置とがある。そこで、これらの変換装置
の規模を縮減する考え方を原理Vとよんで、先ずそれを
説明する。
【0103】原理Vの説明 即ち、パラレル−シリアル変換装置(図13)とシリア
ル−パラレル変換装置(図16)とは、各セルの中にD
フリップフロップを含む点で非常に似ており、入出力ゲ
ートの開閉及び与える制御信号をパラレル−シリアル変
換のときと、シリアル−パラレル変換のときとで適宜切
換えてやることにより回路の共通化がはかれることが予
測される。つまり、データのシリアル−パラレル、パラ
レル−シリアルの両変換を可能とする変換回路を構成
し、この変換回路をデータ変換演算装置とリング状に接
続することで、データ圧縮伸張処理の全体回路規模を縮
減する。
【0104】具体的構成 図56は、パラレル−シリアル/シリアル−パラレル変
換装置Gを用い、かつ本発明に係るビットシリアルデジ
タル信号処理装置を適用したデータ圧縮伸張装置の全体
構成を示し、この変換装置Gがデータ変換演算装置Cに
接続されている。上述したように、データ記憶装置Aの
パラレルデータが、先ず変換装置Gによって順次シリア
ルデータに変換されて、データ変換装置Cに与えられ、
データ変換装置Cにてシリアル演算によるデジタル信号
処理が施された後供給されるシリアルデータを、今度は
変換装置Gによってパラレルデータに変換されて、再び
データ記憶装置Aに格納されることになる。図56のそ
の他の構成は、図12Bのそれと同様であり、特に説明
は必要でないであろう。図57は、パラレル−シリアル
/シリアル−パラレル変換装置Gの詳細を示しており、
8ライン×12ビット=96個のセルが設けられてい
る。この各ライン501〜508は、シフトレジスタ構
成となっていることは、図13、図16において説明し
たのと同じである。
【0105】そして、各セルに対して、パラレル−シリ
アル変換を行わせる際には、パラレルデータP0〜P1
1が、8組分各セルに読み込まれた後、クロックに同期
して、図面の右方向へ順次ビットシフトしてゆく。最終
段のセル501l、502l、……508lからの出力
がシリアル出力SO1〜SO7となる。なお、後述する
説明から明らかになるとおり、パラレルデータP0〜P
11の対応するセルへの取込みはイネーブル信号B(B
0〜B7)が0となり、イネーブル信号A(A0〜A
7)も0となることで実行される。そして、一旦ラッチ
されたデータをビットシフトしてゆくときは、イネーブ
ル信号Aが1で、イネーブル信号Bが0とセットされ
る。また、各セルに対して、シリアル−パラレル変換を
行わせる際には、シリアルデータSI0〜SI7が最下
位ビットから順次8ライン分供給され、12ビット分の
データが図面の右方向へビットシフトしながら、各セル
にラッチされた後、パラレルデータP0〜P11とし
て、8組分順次パラレル出力されることになる。
【0106】これも、後述する説明から明らかになると
おり、シリアルデータSI0〜SI7の入力時は、イネ
ーブル信号Aが1でイネーブル信号Bも1であるように
セットされる。そして、全ビットのデータが対応するセ
ルにシフト動作しながらラッチされた後、パラレルデー
タP0〜P8として出力する際は、イネーブル信号Aが
1、イネーブル信号Bも1としてセットされる。図58
は、イネーブル信号A、Bと、各セルの動作の関係を示
している。また、図59は各セルの入出力関係を示し、
パラレルの入出力I/O端子がPで示され、シリアル入
力端子がIで示され、シリアル出力端子がOで示され、
イネーブル信号A、Bの端子が夫々A、Bで示されてい
る。この各セルの具体的構成が、図60にあり、Dのタ
イプフリップフリップ518に対して入出力ゲートが設
けられている。具体的には、フリップフリップ518の
入力端子Iには、アンドゲート514、515、516
の出力がオアゲート517を介して与えられるようにな
っている。アンドゲート514には、パラレルデータの
入出力端子Pからの信号が入力している。
【0107】次のアンドゲート515には、フリップフ
リップ518の出力端子Oからの信号がフィードバック
して与えられている。アンドゲート516には、シリア
ル信号の入力端子Iからの信号が与えられている。この
アンドゲート514、515、516には、ゲート開閉
制御信号として、アンドゲート512出力、イネーブル
信号B、アンドゲート513出力が夫々与えられてい
る。このアンドゲート512、513は図示のとおりイ
ネーブル信号A、Bが論理レベルを制御された後、夫々
与えられている。また、フリップフリップ518の出力
端子Oは、トライステートバッファ519を介して、パ
ラレルの入出力端子Pへ接続されており、このトライス
テートバッファ519の開閉制御は、イネーブル信号
A、Bがともに与えられるアンドゲート511の出力に
基づいてなされる。
【0108】以上の説明及び図58の動作状態図から、
このパラレル−シリアル/シリアル−パラレル変換装置
Gが、パラレル−シリアル変換と、シリアル−パラレル
変換との双方を行うことが可能であることが理解され
る。図61は、8ライン分のパラレルデータP0〜P1
1が、順次シフトレジスタ501〜508へイネーブル
信号B0〜B7が順次0となるときに、ラッチしてゆく
動作状態を示している。このように全ライン分のデータ
がシフトレジスタ501〜508にセットされた後、ク
ロックCLKに同期して、1ビットずつ最下位ビットか
らシリアル出力することになる。図62は、各シフトレ
ジスタ501〜508にシフトされながら記憶された8
ライン分のシリアルデータが、イネーブル信号A0〜A
7が1となるタイミングで順次パラレルデータP0〜P
11として出力する動作を示している。図63は、パラ
レル−シリアル、シリアル−パラレル変換の連続動作を
示すタイムチャートである。
【0109】つまり、パラレル−シリアル/シリアル−
パラレル変換装置Gからシリアル入力が、例えば8ビッ
トで下位ビット側から入ってくると、そのシリアル入力
に対し、データ変換演算装置Cにおいてデータ変換演算
がなされる。つまり、上述した種々のバージョンのデー
タ変換演算装置によって異なるが、いずれにしてもパイ
プライン長分のクロック数の時間をかけて、シリアル変
換出力が下位ビット側からデータ変換演算装置Cから出
力してくることになり、それが再びパラレル−シリアル
/シリアル−パラレル変換装置Gに与えられる。そし
て、パラレル変換データとしてデータ記憶装置Cに格納
される。そして、図13、図16に関連して説明したよ
うに、一連の動作の後に、全フリップフリップのリセッ
トを、データ変換装置Cについて行なう。あるいは、リ
セット動作を行わないならば、パインプライン処理のフ
ラッシングビットの入力で、同様に各フリップフリップ
の内容がおかしなものとはならないようにすることが出
来る。このように、パラレル−シリアル変換と、シリア
ル−パラレル変換とを一つの回路で行う(図60)た
め、別々にこれらの2つの変換器を設けた場合(図1
5、図18)に比べて、フリップフリップ1個といくつ
かのゲートが、セル1個について減るので全体では、そ
のセルの個数(96)倍だけ、回路規模の削減ができ
る。
【0110】〈応用例〉次に本発明に係るビットシリア
ルデジタル信号処理装置が適用されたデータ圧縮伸張装
置を適用した応用例を説明する。デジタルスチルカメラの例の説明 まず、第1の応用例として、デジタルスチルカメラに本
発明を適用した実施例につき説明する。図64は電子カ
メラの外観図、図65は図64の電子カメラの正面図、
図66は図64に示した電子カメラの概略構成を示すブ
ロック図である。図64及び図65において、電子カメ
ラ700は、携帯しての利用が可能な軽量小型の電子カ
メラであり、その筐体700aが奥行きの薄い直方体に
形成され、筐体700aは横方向に細長い薄型の直方体
の形状に形成されている。筐体700aの左側には、カ
メラ部710が取り付けられ、そのカメラ部710前面
にはレンズ711(図65)が、その側面にはレンズ切
り替えスイッチ710aが夫々取り付けられている。
【0111】また、筐体700aの裏面には液晶表示部
750が、筐体700aの上面にはシャッターボタンを
有するキー入力部720が設けられており、液晶表示部
750は、図66で後述するようにDD(Display Driv
er)、LCD(LiquidCrystal Display)とから構成さ
れ、キー入力部720は、電子カメラ700における各
種処理の選択に際してオペレータが指示するための複数
のキースイッチから構成されている。すなわち、キー入
力部720は、シャッターボタン721、画像データを
切り替えるプラス/マイナスキー722、各種モード等
を切り替えるモードキー723、ディスプレイキー72
4、ズームキー725、セルフタイマーキー726から
構成される。また、上記液晶表示部750は、例えば画
面サイズが1.4インチのTFT方式のアクティブマト
リクス型液晶表示装置を用いる。さらに、筐体700a
の上面には、電子カメラ700のメイン電源のオン/オ
フを行なう電源スイッチ727、ファンクションスイッ
チ728が設けられている。
【0112】図66において、電子カメラ(画像機器)
700は、カメラ部710、キー入力部720、制御部
730、画像処理部740、液晶表示部750から構成
されており、制御部730、画像処理部740は、バス
760に接続されている。カメラ部710は、レンズ7
11、CCD(Charge Coupled Device)712とから
構成されている。レンズ711は、電子カメラ700本
体に設けられた、ガラスまたはプラスチックからなる光
学レンズであり、CCD712はレンズ711によって
結像された光の強度に基づいて電気信号を発生し、この
電気信号(アナログ信号)を画像処理部740に出力す
るものである。キー入力部720は、シャッターボタン
や複数のキースイッチから構成され、シャッタ、記録、
再生などの指示を行なう。
【0113】制御部730は、CPU(Central Proces
sing Unit)、RAM(RandomAccess Memory)、ROM
(Read Only Memory)から構成されている。制御部73
0は、キー入力部720からの指示に従って各種プログ
ラムを実行しバス760を介して各種制御信号を各部に
出力して電子カメラ700内の各部を制御する。画像処
理部740は、画像データ圧縮伸張回路741、A/D
変換回路742、CCDドライバ743、ワークRAM
744、745、フラッシュメモリ746、信号処理回
路747から構成されている。CCDドライバ743
は、タイミング発生器(図示略)からの動作タイミング
によりカメラ部710の撮像動作を制御(例えば、CC
D712のタイミング制御、シャッタ制御、A/D変換
のサンプリング制御等)する。CCD712により撮像
された画像信号はCCDドライバ743及びワークRA
M744に出力され、ここで入力された画像信号は輝度
信号YHと色差信号Cに分離されて画像データ圧縮伸張
回路741に出力される。
【0114】A/D変換回路742は、カメラ部710
から入力される画像信号(アナログ信号)を画像処理部
740内で処理可能な信号(ディジタル信号)に変換し
てワークRAM744、745、画像データ圧縮伸張回
路741等に出力するものである。画像データ圧縮伸張
回路741は、すでに詳述した各データ変換演算装置
(第1バージョン〜第4バージョン)を用いて構成し、
ワークRAM744、745に格納された画像データ
を、シリアルデータに変換してシリアル演算により圧縮
する、または、フラッシュメモリ746に格納された圧
縮画像データをシリアル演算により伸張し、その伸張さ
れた画像データをワークRAM744、745に出力す
る。ワークRAM744、745は、処理途中の撮像デ
ータや圧縮時画像データを一時的に格納する半導体メモ
リであり、ワークRAM744は撮像データを画像デー
タに変換する処理時、ワークRAM745は圧縮伸張処
理の途中で用いるワークRAMである。
【0115】フラッシュメモリ746は、ワード単位や
セル単位で一括消去が可能な不揮発性メモリであり、画
像データ圧縮伸張回路741により圧縮・伸張された画
像データを格納するための画像メモリである。信号処理
回路747は、画像データ圧縮伸張回路741により圧
縮・伸張された画像データを液晶表示部750で表示で
きるように処理する。液晶表示部750は、例えば液晶
ドライバ(DD(Display Driver))を内蔵したTFT
液晶表示モジュールから構成されている。
【0116】次に、本実施例の動作を説明する。キー入
力部720によるシャッターボタン721や複数のキー
スイッチ操作により、シャッタ、記録、再生などの制御
が行われる。レンズ711、CCD712で撮像された
データは、画像処理部740に入力されてA/D変換回
路742でA/D変換され、CCDドライバ743を介
してフラッシュメモリからなる画像メモリ746に記憶
される。CCDドライバ743はこの動作を制御するも
ので、CCD712のタイミング制御、シャッタ制御、
A/D変換のサンプリング制御等を行ない、ワークRA
M744を用いて撮像データを画像データに変換する。
すなわち、撮像時、CCD712からの生の撮像データ
はワークRAM744に一旦記憶され、ここでCPU7
30の制御により輝度信号YHと色差信号Cの形にされ
て、画像データ圧縮伸張回路741に送られて圧縮処理
がなされた後、画像メモリとしてのフラッシュメモリ7
46に記録される。
【0117】ビデオスルー時(ビューファインダでCC
Dからの画像を見る場合等の撮影時以外の常時)は、C
CD712、CCDドライバ743、ワークRAM74
4を介して映像信号の形にされた撮像データが、画像デ
ータ圧縮伸張回路741を介さずに信号処理回路747
を通って表示部750で表示されている。上記画像デー
タ圧縮伸張回路741には、パラレルデータが入力さ
れ、画像データ圧縮伸張回路741からはパラレルデー
タが出力されるが、内部では、前述したとおり、シリア
ルデータに変換されてシリアル処理がなされる。再生時
は、フラッシュメモリ746(画像メモリ)から読み出
したデータを画像データ圧縮伸張回路741で伸張し、
信号処理回路747で表示用の映像信号の形に変換し、
図示しない内部のD/A変換器によってD/A変換を行
なって表示部750で表示する。表示部750は、例え
ば液晶ドライバを内蔵したTFT液晶表示モジュールが
使用できるが、単純マトリクス型液晶表示装置の場合は
D/A変換回路は必要ない。
【0118】以上説明したように、本実施例では画像デ
ータの圧縮・伸張を上記画像データ圧縮伸張回路741
を用いてシリアル処理で実行するようにしているので、
画像データの圧縮伸張回路の回路規模を大幅に小さくす
ることができ、かつ高速に処理を行なうことが可能にな
る。このように高い演算精度を持ちかつ回路規模の小さ
なデータ圧縮伸張装置が実現できることから、画像処理
部740を含む電子カメラ全体を大幅に小型化でき、低
コストを図ることができる。なお、本実施例では、本発
明に係るデータ圧縮伸張装置及び画像機器を電子カメラ
に適用した例を述べたが、ビデオカメラなどにも適用す
ることができることは言うまでもない。また、本実施例
では圧縮された画像データをフラッシュメモリ746に
記憶するようにしているが、画像データの圧縮・伸張に
上記画像データ圧縮伸張回路741を用いるものであれ
ば何でもよい。また、画像データの記録手段としてフラ
ッシュメモリに限らず、他の半導体メモリや光磁気(M
O)ディスク、フロッピーディスク等であってもよいこ
とは勿論である。
【0119】テレビ電話装置の例の説明 次に、本発明を適用した第2の応用例として、テレビ電
話装置を説明する。まず、その構成を説明する。図67
はテレビ電話装置800を示す外観図、図68は図67
に示した電子カメラの概略構成を示すブロック図であ
る。なお、以下、通信回線としてアナログ電話一般加入
者回線を使用する場合について説明する。図67におい
て、テレビ電話装置800は、画面サイズが3インチで
110×160画素のカラー液晶表示パネルを備え、ま
た、背面には、後述する入出力端子1L、1Tを備えて
いる。このテレビ電話装置800は、入出力端子モジュ
ラージャック式コンセント801と電話機802との間
に設置され、両端にモジュラーフラグ803を有するモ
ジュラーケーブル804によって、モジュラージャック
式コンセント801と入出力端子1Lとをそれぞれ接続
し、また、入出力端子1Tと電話機802とをそれぞれ
接続している。
【0120】図67において、テレビ電話装置800の
筐体800aの上部中央には、カメラ部810が取り付
けられており、カメラ部102は、筐体800aの上端
部に設けられている。また、筐体800aの前面には、
液晶表示部870及びキー入力部820が設けられてお
り、液晶表示部870は、図68で後述するようにDD
(Display Driver)871、LCD(Liquid Crystal D
isplay)872とから構成され、キー入力部820は、
テレビ電話装置800における各種処理の選択に際して
オペレータが指示するための複数のキースイッチから構
成されている。上記液晶表示部870は、例えば画面サ
イズが1.4インチのTFT方式のアクティブマトリク
ス型液晶表示装置であり、色の三原色となるR(Re
d)、G(Green)、B(Blue)に対応する各
画素をデルタ状に配設した220×279=61380
画素の高解像度カラー液晶表示パネルを備えている。さ
らに、筐体800aの前面には、電源スイッチ821が
設けられており、電源スイッチ821は、テレビ電話装
置800のメイン電源のオン/オフを行なうものであ
る。
【0121】本実施例のテレビ電話装置800は、内部
にモデム(MODEM:MOdulation andDEModulation)及びN
CU(Network Control Unit)を備えた電話機能を有
し、図67に示すように電話回線801と電話機802
との間に接続され、内蔵した電話機能によって画像デー
タと音声データを電話回線801を介して送・受信す
る。図68は、図67に示したテレビ電話装置800の
概略構成を示すブロック図である。図68において、テ
レビ電話装置800は、カメラ部810、キー入力部8
20、制御部830、画像処理部840、音声処理部8
50、変復調部860、液晶表示部870から構成され
ており、キー入力部820、制御部830、画像処理部
840、音声処理部850、変復調部860は、バス8
80に接続されている。
【0122】カメラ部810は、レンズ811、CCD
(Charge Coupled Device)812とから構成されてい
る。レンズ811は、テレビ電話装置800本体に設け
られた、ガラスまたはプラスチックからなる光学レンズ
であり、CCD812はレンズ811によって結像され
た光の強度に基づいて電気信号を発生し、この電気信号
(アナログ信号)を画像処理部840に出力する。キー
入力部820は、複数のキースイッチから構成されてお
り、テレビ電話装置800における各種処理の選択に際
してオペレータが指示するためのものである。制御部8
30は、CPU831、RAM832、ROM833か
ら構成されている。CPU831は、テレビ電話装置8
00内の各部を制御する各種制御信号を、バス880を
介して各部に出力すると共に、接続される通信回線種に
応じた通信制御プログラムを実行するものであり、ま
た、CPU831は、相手先のテレビ電話装置から多重
化して送信される画像・音声データを受信し、変復調部
860により復調されて入力されると、復調された画像
・音声データを分離処理し、圧縮画像データをバス88
0を介して画像データ圧縮伸張回路841に出力すると
ともに、圧縮音声データをバス880を介して音声圧縮
・伸張回路851に出力するものである。さらに、CP
U831は、画像データ圧縮伸張回路841からバス8
80を介して入力される圧縮画像データと音声圧縮・伸
張回路851からバス880を介して入力される圧縮音
声データとを多重化し、画像・音声データとしてバス8
80を介して変復調部860に出力するものである。
【0123】RAM832は、CPU831により実行
されるプログラム処理において利用されるプログラムデ
ータや、圧縮した画像データ及び音声データ等を格納す
る半導体メモリである。ROM833は、テレビ電話装
置800内で利用されるプログラムやデータ等を格納す
る半導体メモリである。画像処理部840は、画像デー
タ圧縮伸張回路841、A/D変換回路842、ビデオ
メモリ(VRAM)843、D/A変換回路844から
構成されている。なお、845は画像入力端子である。
画像データ圧縮伸張回路841は、すでに詳述した各デ
ータ変換演算装置(第1バージョン〜第4バージョン)
を用いて構成し、ビデオメモリ843に格納された画像
データを、シリアルデータに変換してシリアル演算によ
り圧縮する、または、ビデオメモリ843に格納された
圧縮画像データをシリアル演算により伸張し、その伸張
された画像データを外部に出力する。
【0124】A/D変換回路842は、カメラ部810
から入力される画像信号(アナログ信号)を画像処理部
840内で処理可能な信号(ディジタル信号)に変換し
てビデオメモリ843に出力する。ビデオメモリ843
は、VRAM(Video RAM)から構成され、A/D
変換回路842から出力される画像データ(ディジタル
データ)、または、画像データ圧縮伸張回路841によ
り圧縮・伸張された画像データ(ディジタルデータ)を
格納するための半導体画像メモリである。D/A変換回
路844は、ビデオメモリ843に格納された画像デー
タの画像信号(ディジタル信号)を液晶表示部870に
よって表示可能な信号(アナログ信号)に変換して出力
するものである。なお、本実施例では、後述するLCD
872のデータドライバにアナログデータドライバを使
用しているために、D/A変換回路を必要としている
が、データドライバにデジタルデータドライバを用いて
いる場合には、このD/A変換回路844は不要とな
る。音声処理部850は、A/D変換回路852、音声
圧縮・伸張回路851、D/A変換回路853から構成
されている。A/D変換回路852は、変復調部860
から入力される音声信号(アナログ信号)を音声処理部
850内で処理可能な信号(ディジタル信号)に変換し
て音声圧縮・伸張回路851に出力するものである。
【0125】音声圧縮・伸張回路851は、A/D変換
回路852から入力されるデジタル音声データを、例え
ば、CELP(Code-Excited Linear Prediction)アル
ゴリズムにより、一定時間の入力データに対して分析す
る手段、分析されたパラメータにより波形合成する手
段、入力波形及び合成波形の誤差算出手段等による所定
の符号化方式によって圧縮(符号化)処理を実行し、そ
の圧縮音声データをD/A変換回路853に出力した
り、また、変復調部860によって復調された受信圧縮
音声データの伸張(復号化)処理を実行し、その伸張音
声データをD/A変換回路853に出力するものであ
る。変復調部860は、モデム(MODEM,MOdulation and
DEModulation)861、NCU(Network Control Uni
t)862とから構成されている。なお、1L、1T
は、通信回線(この場合、一般加入者回線)に対する入
出力端子であり、1Lはモジュラージャック式コンセン
ト側に、また、1Tは電話機側に、それぞれモジュラー
ケーブルを介して接続されている。
【0126】モデム861及びNCU862は、コンピ
ュータや端末装置から出力される直列のディジタル信号
を、通信回線で伝送可能な伝送信号(アナログ信号)に
変換・送信する「変調器(modulator)」としての機能
と、逆に通信回線を介して送られてきた伝送信号(アナ
ログ信号)を、再びコンピュータや端末装置の解読可能
なディジタル信号に戻す「復調器(demodulator)」と
しての機能とを備えたものであり、NCU862によっ
て、利用する通信回線として一般加入者回線での使用が
可能となっている。また、本実施例におけるモデム86
1及びNCU862は、アナログ公衆回線で利用できる
最大の伝送速度14400bpsによる信号伝送が可能
であり、処理単位となる1フレーム中に映像符号と音声
符号とを組み込むことにより画像データと音声データと
を同時に伝送し、1画面分の画像データを3秒に1コマ
の割合で間欠画像として伝送する。液晶表示部870
は、DD(Display Driver)871、LCD(Liquid C
rystal Display)872とから構成されている。なお、
873は映像入力端子、874は映像出力端子である。
【0127】DD871は、画像処理部840から入力
される映像信号または映像入力端子873から入力され
る映像信号に基づいて、LCD872によって画像表示
を行なうためにLCD872を駆動するものである。L
CD872は、アクティブマトリクス方式の1つである
TFT(Thin FilmTransistor)型液晶表示パネルを有
するカラー液晶表示装置から構成され、DD871の駆
動によって、最大4096色(12ビット)のカラー映
像信号を表示するものである。バス880は、キー入力
部820、制御部830、画像処理部840、音声処理
部850、変復調部860をそれぞれ接続する共通の信
号路であり、番地を指示するためのアドレスバスと、デ
ータを転送するためのデータバスとから構成されてい
る。
【0128】次に、本実施例の動作を説明する。まず、
制御部830による動作について説明する。なお、制御
部830内のCPU831の処理動作に対応するプログ
ラムは、同じく制御部830内のROM833に格納さ
れている。まず、オペレータにより電話機の受話器が持
ち上げられてオフフック状態とし、通信相手の電話番号
が入力されることによりNCU862によりダイアル発
呼が行われる。そして、通信回線が接続されたかどうか
が判別され、通信回線が接続されなかった場合は、通信
回線が接続されるまでリダイヤルが実行される。通信回
線が接続された場合、以下に述べるような送信処理と受
信処理とが実行される。
【0129】なお、本実施例のテレビ電話装置800
は、送信処理及び受信処理において、画像データ処理と
音声処理とを同時に並列して実行するため、以下では、
送信処理を画像送信処理と音声送信処理とにそれぞれ分
け、また、受信処理を画像受信処理と音声受信処理とに
それぞれ分けて説明する。画像送信処理では、カメラ部
810によって撮像された画像データがA/D変換回路
842を介してビデオメモリ843に格納され、画像デ
ータ圧縮伸張回路841によってビデオメモリ843内
に格納された画像データが所定の圧縮処理により圧縮さ
れる。そして、圧縮された画像データはバス880を介
して変復調部860に出力され、変復調部860によっ
て通信相手に伝送される。
【0130】音声送信処理では、電話機における受話器
から入力される音声データが変復調部860を介してA
/D変換回路852に出力され、音声圧縮・伸張回路8
51によって音声データが所定の圧縮処理により圧縮さ
れる。そして、圧縮された音声データはバス880を介
して変復調部860内のモデム861に出力され、NC
U862及び入出力端子1Lを介して通信相手に伝送さ
れる。画像受信処理では、変復調部860によって画像
受信信号の有無が判別され、画像受信信号がある場合、
復調された画像データがバス880を介して画像処理部
840に出力され、受信された画像データが画像データ
圧縮伸張回路841により伸張される。そして、伸張さ
れた画像データがビデオメモリ843に格納されるとと
もに、D/A変換回路844を介して液晶表示部870
に出力され、LCD872に表示される。
【0131】音声受信処理では、変復調部860によっ
て音声受信信号の有無が判別され、音声受信信号がある
場合、復調された音声信号が音声処理部850に出力さ
れ、受信された音声データがバス880を介して音声圧
縮・伸張回路851に出力されて音声圧縮・伸張回路8
51により伸張される。そして、伸張された音声データ
がD/A変換回路853を介して変復調部860内のN
CU862に出力され、入出力端子1Tを介して電話機
に音声が出力される。以上の送信・受信処理が、電話機
の受話器が置かれたオンフック状態とされるまで繰り返
し実行される。
【0132】以上説明したように、本実施例では、相手
の顔を見ながら電話することができるというテレビ電話
装置本来の特長を生かしつつ、高品位な画像伝送が実現
できる。特に、ビデオメモリ843に格納された画像デ
ータを圧縮・伸張するデータ圧縮伸張回路として、すで
に説明したシリアル処理で画像データの圧縮・伸張を実
行する画像データ圧縮伸張回路841を用いているの
で、画像データの圧縮伸張回路841の回路規模を大幅
に小さくすることができ、かつ高速に処理を行なうこと
が可能になる。その結果、回路規模の小さなデータ圧縮
伸張装置が実現できることから、画像処理部840を含
むテレビ電話装置全体を大幅に小型化でき、低コスト化
を図ることができる。なお、音声データの圧縮方式とし
ては、本実施例におけるCELPアルゴリズムに限ら
ず、例えば、AD−PCM(Adaptive Differential Pu
lse CodeModulation)方式、VSELP(Vector Sum E
xcited Linear Prediction)方式等であってもよい。以
上、本発明のいくつかの実施例とその応用例につき詳述
した。この発明は、これらの実施例に限るものではな
い。
【0133】即ち、本発明は、DCTのほかに、種々の
変換処理に適用できる。具体的には、FFT(fast Fou
rier transform)、LOT(Lapped Orthogonal Transf
orm:重合直交変換)、ハール変換(Haar transfor
m)、スラント変換(slanttransform)、DST(discr
ete sine transform:離散サイン変換)、などに適用で
きる。つまり、各種の直交変換処理などの変換処理をビ
ットシリアル演算処理にて実現するタイプのものに本発
明は、適用できる。更に、本発明はビットシリアル演算
処理によるディジタルフィルタにも適用できる。そし
て、本発明において、信号処理の対象となる信号は上記
したような画像信号のほか、音声信号など各種の信号で
ある。更に上述した原理Iについては、基になるアルゴ
リズムに従って、固定係数を出来るだけ小さい整数比率
にて近似したことにより、回路規模の縮小化及び演算処
理時間の短縮化を図った。この固定係数の整数比近似
は、種々の係数値の組合せにより実現される。従って、
試行錯誤的に、係数値の組(セット)を発見すればよ
い。最適な係数値のセットは、基になるアルゴリズムに
従って決定される。
【0134】また、このような係数値を整数値で近似す
ることにより生ずるゲインの変化は、量子化部で上述し
たように吸収することができる。この場合の量子化部の
変更は、対応する係数値近似に応じて一意的に決定され
る。更に、この原理Iを適用することで、変換と逆変換
とで、ハードウェアのすくなくとも一部のブロックの対
称性がくずれることになる。そこで、特定のブロックに
おいて、変換のみに使用する固有(専用)回路要素、逆
変換のみに使用する固有(専用)回路要素を設けること
で、この問題を解消できる。このような専用回路要素に
より、変換と逆変換との双方に用いることのできる変換
回路を構成することができる。このような固有(専用)
回路要素は、基になるアルゴリズムに従って決定される
ことになり、種々の変換及びそれに対応する逆変換と、
近似した係数の組(セット)との関係で、一意的に決定
される。
【0135】次に、原理IIについては、上記実施例にお
いては、図22、図23のステージII&III(奇)につ
いて適用し、係数を因数分解して、前段部分(bi×C
jの演算)と後段部分(2のべき乗を乗じた後加算す
る)とに分離する構成(図41、図47、図55)をと
った。これは、基になるアルゴリズムに従い、どのステ
ージの演算に、この原理IIの考え方を適用するか検討す
ればよい。そして、係数の因数分解も、種々の組合せが
出来るが、最適な因数分解を試行錯誤的に発見すればよ
い。
【0136】更に、原理III、IVについては、1ビット
シリアルフルアダー、1ビットシリアルサブトラクター
の後段に同期用のフリップフロップを設けてあったのを
除去すれば、その分高速演算がはかれる。しかし、いく
つかの回路ブロックを夫々の単位として配線接続の変更
で複数のアルゴリズムを実現するような場合、つまり図
26、図43のようにステージの配線接続をかえること
でFDCTとIDCTとを実現するような場合、ひとつ
の回路ブロックと別の回路ブロックとの間の信号伝送に
時間遅れが生じる危険性がある。回路ブロック(ステー
ジ)内での上記同期用フリップフロップを除去し、回路
ブロック(ステージ)の最終段においては同期用フリッ
プフロップを残すようにすることで、クリティカルパス
の発生による誤動作を未然に防げる。高速演算を目ざし
ながら、なおかつ回路動作の安定性を図ることが、この
原理III、IVを適用することで実現できる。
【0137】最後に、原理Vについては、ビットシリア
ル演算処理の前処理としてのパラレル−シリアル変換と
後処理としてのシリアル−パラレル変換とがひとつの回
路構成で実現できる。このようなパラレル−シリアル/
シリアル−パラレル変換装置のビット数などは、デジタ
ル信号処理の精度にあわせて種々変更できる。この発明
は、更なる種々の変形、応用が可能であることは、勿論
である。
【0138】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によれ
ば、ビットシリアル演算操作によるデジタル信号処理装
置の回路規模の縮減(いわゆるダウンサイジング)が可
能となる。即ち、請求項1〜6のビットシリアルデジタ
ル信号処理装置によれば、ビットシリアル演算操作によ
りデータ変換を行う演算手段の回路規模を縮減、又は最
小化することが可能となる。特に、請求項2によれば、
夫々回路規模が縮減されたフォワード変換のための装
置、インバース変換のための装置、フォワード変換とイ
ンバース変換との双法を選択的に実行する装置が提供さ
れる。また、特に、請求項3によれば、第1、第2の所
定回路要素を付加することで、フォワード変換とインベ
ース変換との非対称の問題を解決して、ひとつのハード
ウェアで、両変換に対応し得る装置が提供できる。更
に、特に、請求項6によれば、ビットシリアル演算操作
による演算手段の周辺回路であるパラレル−シリアル変
換手段、シリアル−パラレル変換手段の共通化により装
置の全体回路構成の縮減できる。次に、請求項7のビッ
トシリアルデジタル信号処理装置によれば、ビットシリ
アル演算操作によりデジタル信号処理を行う演算手段の
回路規模の縮減、又は最小化することが可能になる。請
求項8のビットシリアルデジタル信号処理装置によれ
ば、請求項12と同様に演算手段の周辺回路を縮減する
ことで、装置全体の回路構成を縮減できる。請求項9、
10、11の夫々のビットシリアルデジタル信号処理装
置によれば、データ圧縮のためのフォワード変換、デー
タ伸張のためのインバース変換、その両変換を夫々実行
する演算手段の回路規模が縮減又は最小化される。請求
項12、13のビットシリアルデジタル信号処理装置に
よれば、プロトタイプな(ベーシックな)アレンジメン
トの回路規模を縮減可能な部分に対して、縮減化の設計
方式(デザイン)を適用して実現した回路規模が縮減さ
れた演算手段をもつ構成とすることができる。請求項1
4のビットシリアルデジタル信号処理装置によれば、プ
ロトタイプな(ベーシックな)アレンジメントより、回
路規模が縮減された演算手段を、クロック同期の加/減
算器を、クロック非同期の加/減算器に代えることで導
くことができる。請求項15〜19のビットシリアルデ
ジタル信号処理装置によれば、プロトタイプな(ベーシ
ックな)アレンジメントより、回路規模が縮減された演
算手段を、入出力デジタル信号の関係を規定する関係式
のなかの2のべき乗の部分を縮減化することで、実現す
る。特に、請求項19によれば、伝達関数の係数を2の
べき乗の整数の線型結合に(因数)分解して、回路規模
の縮減、又は最小化を図る。最後に、請求項20、21
のビットシリアルデジタル信号処理装置によれば、クロ
ックスキューの問題を解消し、高速で且つ安定化したデ
ジタル信号処理を行う演算手段の実現を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るビットシリアルデジタル信号処理
装置の前提となるデータ変換演算装置のFDCTを行う
回路構成図である。
【図2】本発明に係るビットシリアルデジタル信号処理
装置の前提となるデータ変換演算装置のIDCTを行う
回路構成図である。
【図3】本発明の図面で用いる1ビットシフトを行う要
素の回路シンボルを示す図である。
【図4】本発明の図面で用いる2入力加算後に1ビット
シフトを行う要素の回路シンボルを示す図である。
【図5】本発明の図面で用いる2入力減算後に1ビット
シフトを行う要素の回路シンボルを示す図である。
【図6】回路シンボルの組合せでひとつの演算を行う要
素の回路シンボルを示す図である。
【図7】DCTの変換行列を示す図である。
【図8】FDCTとIDCTとを各ステージの配列順序
をかえて、両方とも実現するシグナルフローを示す図で
ある。
【図9】図1、図2によるDCTの変換行列を示す図で
ある。
【図10】図1、図2にて表現されているcos(i/
16)π、i=0〜7の値を示す図である。
【図11】図1のFDCTの入力と出力とのタイムチャ
ートを示す図である。
【図12】(A)は本発明の前提となる画像処理装置の
一構成例を示す図、(B)は(A)において用いられる
データ圧縮伸張装置の全体構成を示す図である。
【図13】図12Bの中のパラレル−シリアル変換装置
Bの構成例を示す図である。
【図14】図13の各セルの入出力端子を示す図であ
る。
【図15】図14のセルの具体的構成を示す図である。
【図16】図12Bのシリアル−パラレル変換装置Dの
構成例を示す図である。
【図17】図16の各セルの入出力端子を示す図であ
る。
【図18】図17のセルの具体的構成を示す図である。
【図19】図12Bの中のパラレル−シリアル変換装置
B、シリアル−パラレル変換装置Dの動作タイムチャー
トを示す図である。
【図20】2次元の画像データをFDCT処理して、2
次元の周波数成分データに変換する流れ図である。
【図21】図12Bの量子化装置において用いる量子化
テーブルを示す図である。
【図22】本発明に係るビットシリアルデジタル信号処
理装置の一実施例であるデータ変換演算装置の第1バー
ジョン(Ver.1)のFDCTの回路構成図である。
【図23】同第1バージョンのIDCTの回路構成図で
ある。
【図24】本発明の一実施例であるデータ変換演算装置
において表現されているcos(i/16)π、i=0
〜7の値を示す図である。
【図25】図22、図23によるDCTの変換行列を示
す図である。
【図26】FDCTとIDCTとを各ステージの配列順
序をかえて、両方とも実現するシグナルフローを示す図
である。
【図27】図26のステージIの回路62の構成を示す
図である。
【図28】図26のステージII(偶)の回路64の構成
を示す図である。
【図29】図26のステージIII(偶)の回路66の構
成を示す図である。
【図30】図26のステージIVの回路68の構成を示す
図である。
【図31】図26のステージII&III(奇)の回路69
の構成を示す図である。
【図32】図26のバスセレクタ61とステージIの回
路62の構成を示す図である。
【図33】図26のバスセレクタ63とステージII
(偶)の回路64の構成を示す図である。
【図34】図26のバスセレクタ65とステージIII
(偶)の回路66の構成を示す図である。
【図35】図26のバスセレクタ67とステージIVの回
路68の構成を示す図である。
【図36】図26のバスセレクタ63とステージII&II
I(奇)の回路69の構成を示す図である。
【図37】図26のバスセレクタ70の構成を示す図で
ある。
【図38】図22のFDCTの入力と出力とのタイムチ
ャートを示す図である。
【図39】本発明のデータ変換演算装置の第2バージョ
ン(Ver.2)のFDCTの回路構成図である。
【図40】同第2バージョンのIDCTの回路構成図で
ある。
【図41】図40、図41のシリアル回路100の回路
構成図である。
【図42】図40、図41に現われる固有回路部を含む
回路接続を示す図である。
【図43】FDCTとIDCTとを、ステージI、II、I
IIの配列順序をかえて両方とも実現するシグナルフロー
を示す図である。
【図44】図39のFDCTの入力と出力とのタイムチ
ャートを示す図である。
【図45】本発明のデータ変換演算装置の第3バージョ
ン(Ver.3)のFDCTの回路構成図である。
【図46】同第3バージョンのIDCTの回路構成図で
ある。
【図47】図45、図46のシリアル回路100Aの回
路構成図である。
【図48】本発明の図面で用いる2入力加算を実行する
要素(1ビットシリアルフルアダー)の回路シンボルを
示す図である。
【図49】本発明の図面で用いる2入力減算を実行する
要素(1ビットシリアルフルサブトラクター)の回路シ
ンボルを示す図である。
【図50】図45のFDCTの入力と出力とのタイムチ
ャートを示す図である。
【図51】本発明のデータ変換演算装置の第3.1バー
ジョン(Ver.3.1のFDCTの回路構成図であ
る。
【図52】同第3.1バージョンのIDCTの回路構成
図である。
【図53】本発明のデータ変換演算装置の第4バージョ
ン(Ver,4)FDCTの回路構成図である。
【図54】同第4バージョンのIDCTの回路構成図で
ある。
【図55】図53、図54のシリアル回路100Bの回
路構成図である。
【図56】本発明に係るビットシリアルデジタル信号処
理装置を適用したデータ圧縮伸張装置の全体構成を示す
図である。
【図57】図56のパラレル−シリアル/シリアル−パ
ラレル変換装置Gの具体的な回路構成を示す図である。
【図58】図57の1つのセルに対するイネーブル信号
A、Bと動作状態を示す図である。
【図59】図57の各セルの入出力端子を示す図であ
る。
【図60】図57のセルの具体的構成を示す図である。
【図61】図56のパラレル−シリアル/シリアル−パ
ラレル変換装置Gにおいて、パラレルデータが順次ラッ
チされていく状態を示すタイムチャートである。
【図62】図56のパラレル−シリアル/シリアル−パ
ラレル変換装置Gにおいて、ラッチされているシリアル
データが順次パラレルデータとして出力されていく状態
を示すタイムチャートである。
【図63】図56のパラレル−シリアル/シリアル−パ
ラレル変換装置Gにおいて、パラレル−シリアル変換、
シリアル−パラレル変換の連続動作に係るタイムチャー
トを示す図である。
【図64】本発明に係るビットシリアルデジタル信号処
理装置が適用されたデータ圧縮伸張装置を適用した第1
応用例としてのデジタルスチルカメラの外観図である。
【図65】同デジタルスチルカメラの正面図である。
【図66】同デジタルスチルカメラの内部回路構成図で
ある。
【図67】本発明に係るビットシリアルデジタル信号処
理装置が適用されたデータ圧縮伸張装置を適用した第2
応用例としてのテレビ電話装置のシステムの外観図であ
る。
【図68】同テレビ電話装置の内部回路構成図である。
【符号の説明】
61、63、65、67、70 バスセレクタ 62 ステージIの回路 64 ステージII(偶)の回路 66 ステージIII(偶)の回路 68 ステージIV(偶)の回路 69 ステージII&III(奇)の回路 61A、63A、65A、67A バスセレクタ 62A ステージIの回路 64A ステージIIの回路 66A ステージIIIの回路 100、100A、100B シリアル回路 A データ記憶装置 C データ変換演算装置 E 量子化装置 G パラレル−シリアル/シリアル−パラレル変換装置 700 電子カメラ 800 テレビ電話装置
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−276980(JP,A) 特開 平2−105792(JP,A) 特開 平3−145274(JP,A) 特開 平4−222121(JP,A) 特開 平4−222122(JP,A) 特開 平6−204885(JP,A) 特開 平7−193814(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 7/30 G06F 17/14 G06T 9/00 H04N 1/41 H04N 7/30

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】デジタル化されたデータを供給する供給手
    段と、 この供給手段から供給されたデータに対して、ビットシ
    リアル演算操作にてデータ変換を行う演算手段と、 を具備し、 前記演算手段は、前記ビットシリアル演算操作を行うた
    めのフリップフロップ、加/減算器の分散配置したスト
    リングからなるビットシリアル手段を含んで成り、 前記ストリングは、前記データに対して、固定係数の真
    値を2のべき乗によらない近似比率として乗じる演算
    を、ビットパラレル乗算器を用いることなくビットシリ
    アル演算操作で実行することによって、前記演算手段
    は、縮減された回路規模にて実現されることを特徴とす
    るビットシリアルデジタル信号処理装置。
  2. 【請求項2】前記演算手段が実行するデータ変換は、フ
    ォワード変換とインバース変換との双方であり、 前記フォワード変換の際には、圧縮されていないデータ
    から変換領域のデータにデータ圧縮する変換を行い、 前記インバース変換の際には、前記変換領域のデータを
    圧縮されていない領域のデータにデータ伸張する変換を
    行うことを特徴とする請求項1記載のビットシリアルデ
    ジタル信号処理装置。
  3. 【請求項3】前記演算手段が実行するデータ変換とし
    て、フォワード変換とインバース変換との双方のモード
    を有し、 前記演算手段は、前記フォワード変換モードにおける回
    路構成が前記インバース変換モードにおける回路構成と
    は非対称となる非対称ハードウェアを有して成り、 前記演算手段の第1の所定回路要素は、フォワード変換
    モードにおいてのみ使用され、前記演算手段の第2の所
    定回路要素は、インバース変換モードにおいてのみ使用
    されることを特徴とする請求項1記載のビットシリアル
    デジタル信号処理装置。
  4. 【請求項4】前記供給手段は、 前記データをストアする記憶手段と、 前記記憶手段からビットパラレル形式で前記データを受
    け取り、前記ビットシリアル手段に適合するように、ビ
    ットシリアル列へ変換するパラレル−シリアル変換手段
    と、 を具備することを特徴とする請求項1記載のビットシリ
    アルデジタル信号処理装置。
  5. 【請求項5】前記ビットシリアル手段からデータ変換後
    のデータをビットシリアル列形式で受け取り、ビットパ
    ラレル形式に変換するシリアル−パラレル変換手段を更
    に有して成ることを特徴とする請求項4記載のビットシ
    リアルデジタル信号処理装置。
  6. 【請求項6】前記パラレル−シリアル変換手段と前記シ
    リアル−パラレル変換手段とを共通化する共通化手段を
    含み、前記両変換手段は共通のハードウェアにより実現
    されて成ることを特徴とする請求項5記載のビットシリ
    アルデジタル信号処理装置。
  7. 【請求項7】デジタル化されたデータを供給する供給手
    段と、 この供給手段から供給されたデータに対して、ビットシ
    リアル演算操作にてデジタル信号処理を行う演算手段
    と、 を具備し、 前記演算手段は、前記ビットシリアル演算操作を行うた
    めのフリップフロップ、加/減算器の分散配置したスト
    リングからなるビットシリアル演算手段を含んで成り、 前記ストリングは、前記データに対して、固定係数の真
    値を2のべき乗によらない近似比率として乗じる演算
    を、ビットパラレル乗算器を用いることなくビットシリ
    アル演算操作で実行することによって、前記演算手段
    は、縮減された回路規模にて実現されることを特徴とす
    るビットシリアルデジタル信号処理装置。
  8. 【請求項8】デジタル化されたデータを記憶し供給す
    る、ビットパラレル形式でアクセスされる第1の記憶手
    段と、 この第1の記憶手段からの前記データのビットシリアル
    列に対してビットシリアル演算操作を実行し、処理され
    たデータのビットシリアル列を供給するビットシリアル
    演算手段と、 前記処理されたデータを受け取り記憶するビットパラレ
    ル形式でアクセスされる第2の記憶手段と、 前記第1の記憶手段からビットパラレル形式でデジタル
    データを受け取り、前記ビットシリアル演算手段に適合
    するようにビットシリアル列へ変換する第1の変換手段
    と、 前記ビットシリアル演算手段から前記処理されたデータ
    のビットシリ列を受け取り、前記第2の記憶手段へ送る
    べくビットパラレル形式に変換する第2の変換手段と、 前記第1の変換手段と前記第2の変換手段とを共通化す
    る共通化手段と、 を具備し、前記第1、第2の変換手段は共通のハードウ
    ェアにより縮減された回路規模にて実現されて成ること
    を特徴とするビットシリアルデジタル信号処理装置。
  9. 【請求項9】デジタル化されたデータを供給する供給手
    段と、 この供給されたデータに対して、ビットシリアル演算操
    作にてデータ圧縮のためのフォワード変換を行う演算手
    段と、 を具備し、 前記演算手段は、前記ビットシリアル演算操作を行うた
    めのフリップフロップ、加/減算器の分散配置したスト
    リングからなるビットシリアル手段を含んで成り、 前記ストリングは、前記データに対して、固定係数の真
    値を2のべき乗によらない近似比率として乗じる演算
    を、ビットパラレル乗算器を用いることなくビットシリ
    アル演算操作で実行することによって、前記演算手段
    は、縮減された回路規模にて実現されることを特徴とす
    るビットシリアルデジタル信号処理装置。
  10. 【請求項10】デジタル化されたデータを供給する供給
    手段と、 この供給されたデータに対して、ビットシリアル演算操
    作にてデータ伸張のためのインバース変換を行う演算手
    段と、 を具備し、 前記演算手段は、前記ビットシリアル演算操作を行うた
    めのフリップフロップ、加/減算器の分散配置したスト
    リングからなるビットシリアル手段を含んで成り、 前記ストリングは、前記データに対して、固定係数の真
    値を2のべき乗によらない近似比率として乗じる演算
    を、ビットパラレル乗算器を用いることなくビットシリ
    アル演算操作で実行することによって、前記演算手段
    は、縮減された回路規模にて実現されることを特徴とす
    るビットシリアルデジタル信号処理装置。
  11. 【請求項11】デジタル化されたデータが変換領域にお
    けるデータにフォワード変換されてデータ圧縮される第
    1の動作モードと、前記変換領域におけるデータがイン
    バース変換されてデータ伸張される第2の動作モードと
    を有するビットシリアルデジタル信号処理装置におい
    て、 前記デジタル化されたデータを供給する供給手段と、 この供給されたデータに対して、ビットシリアル演算操
    作を実行する回路要素の分散配置したストリングを含ん
    で成るビットシリアル演算手段と、 このビットシリアル演算手段の前記ストリングの相互連
    結の状態を、前記第1の動作モードでは、フォワード変
    換を行ってデータ圧縮するように設定し、前記第2の動
    作モードでは、インバース変換を行ってデータ伸張する
    ように設定するモード制御手段と、 を具備し、 前記ストリングは、処理すべきデータに対して、固定係
    数の真値を2のべき乗によらない近似比率として乗じる
    演算を、ビットパラレル乗算器を用いることなくビット
    シリアル演算操作で実行することによって、前記ビット
    シリアル演算手段は、縮減された回路規模にて実現され
    ることを特徴とするビットシリアルデジタル信号処理装
    置。
  12. 【請求項12】デジタル化された信号を供給する供給手
    段と、 この供給手段から供給された信号に対して、ビットシリ
    アル演算操作にてデジタル信号処理を行うビットシリア
    ルタイプの回路規模が縮減された演算手段と、 を具備し、 前記回路規模が縮減された演算手段は、全体的な機能が
    本質的に等しいビットシリアルタイプで、且つプロトタ
    イプなアレンジメントより縮減された回路規模を有し、 前記プロトタイプなアレンジメントは、フリップフロッ
    プ、加/減算器の組合せから成る分散配置したストリン
    グを有し、且つ回路規模を縮減化可能な部分を有し、 前記回路規模が縮減された演算手段は、前記プロトタイ
    プなアレンジメントに対して回路規模を縮減化する設計
    方式を適用して実現されて成ることを特徴とするビット
    シリアルデジタル信号処理装置。
  13. 【請求項13】前記プロトタイプなアレンジメントの前
    記回路規模を縮減化可能な部分を発見的に見出す手段
    と、 この部分の回路規模を縮減することにより、前記回路規
    模が縮減された演算手段を実現する手段と、 を有してなる設計方式を適用して構成されることを特徴
    とする請求項12記載のビットシリアルデジタル信号処
    理装置。
  14. 【請求項14】デジタル化された信号を供給する供給手
    段と、 この供給された信号に対して、ビットシリアル演算操作
    にてデジタル信号処理を行うビットシリアルタイプの回
    路規模が縮減された演算手段と、 を具備し、 前記回路規模が縮減された演算手段は、全体的な機能が
    本質的に等しいビットシリアルタイプで、且つプロトタ
    イプなアレンジメントより縮減された回路規模を有し、 前記プロトタイプなアレンジメントは、直列に相互接続
    されて前記信号をビットシリアル処理する複数ステージ
    のハードウェアを含み、 夫々のステージは、回路要素のストリングを有し、所定
    のストリングは、クロックパルスに同期動作するサンプ
    ルホールド要素を備えたクロック同期の加/減算器を含
    んで成り、 前記回路規模が縮減された演算手段は、前記プロトタイ
    プなアレンジメントから、前記クロック同期の加/減算
    器を、同期動作するサンプルホールド要素を有しないク
    ロック非同期の加/減算器に代えることで導かれること
    を特徴とするビットシリアルデジタル信号処理装置。
  15. 【請求項15】ビットシリアル演算操作によりデジタル
    信号を処理する回路規模が縮減された演算手段と、 この回路規模が縮減された演算手段の操作のために、ク
    ロックパルスを供給する手段を含む制御手段と、 を具備し、 前記回路規模が縮減された演算手段は、ビットシリアル
    の分散演算タイプのプロトタイプなアレンジメントから
    導かれ、このプロトタイプなアレンジメントは、回路要
    素のストリングを含む第1、第2のハードウェアステー
    ジを有し、この第1のハードウェアステージは、前記制
    御手段の制御の下に第2のハードウェアステージに機能
    的に接続され、この第2のハードウェアステージは、前
    記プロトタイプなアレンジメントからの出力デジタル信
    号を供給する複数の出力ポートを含んで成り、前記プロ
    トタイプなアレンジメントの機能は、入力デジタル信号
    と出力デジタル信号との間について、縮減できる2のべ
    き乗の乗数を含んでなる第1の関係式として表現されて
    成り、 前記回路規模が縮減された演算手段は、前記プロトタイ
    プなアレンジメントの回路規模よりも小さい回路規模を
    もち、入力デジタル信号と出力デジタル信号との間につ
    いて、第2の関係式として表現されて成り、 前記第2の関係式は前記プロトタイプなアレンジメント
    の2のべき乗の乗数よりも縮減された乗数を含んで成
    り、前記回路規模が縮減された演算手段は、前記プロト
    タイプなアレンジメントに要する回路要素の数よりも少
    ない数の回路要素を有して成ることを特徴とするビット
    シリアルデジタル信号処理装置。
  16. 【請求項16】前記第1の関係式は、 [I]×2×[T]=[O] で与えられ、 ここで、[I]は、前記プロトタイプなアレンジメン
    トに対する前記入力デジタル信号を表現する入力ベクト
    ルであり、 2は、Nを正の整数として、前記縮減できる2のべき
    乗の乗数であり、 [T]は、変換マトリクスを表わし、 [O]は、前記プロトタイプなアレンジメントからの
    前記出力デジタル信号を表現する出力ベクトルであり、 前記第2の関係式は、 [I]×2×[T]=[O] で与えられ、 ここで、[I]は、[I]に対応し、前記回路規模が
    縮減された演算手段の入力ベクトルであり、 2は、Mを整数とし、0≦M<Nとして、前記2のべ
    き乗の乗数であり、 [O]は、[O]に対応し、前記回路規模が縮減され
    た演算手段の出力ベクトルであることを特徴とする請求
    項15記載のビットシリアルデジタル信号処理装置。
  17. 【請求項17】前記[T]は、直交マトリクスを表わす
    ことを特徴とする請求項16記載のビットシリアルデジ
    タル信号処理装置。
  18. 【請求項18】前記回路規模が縮減された演算手段の伝
    達関数である2×[T]は、l番目の係数がKlにて
    夫々与えられる整数近似の係数を含んで成ることを特徴
    とする請求項16記載のビットシリアルデジタル信号処
    理装置。
  19. 【請求項19】前記整数Klは、2のべき乗の整数の線
    型結合に分解して Kl=ΣCi×2ni として成り、 ここで、niは整数、Ciは2のべき乗ではない整数で
    あり、 前記回路規模が縮減された演算手段は、前記2のべき乗
    ではない整数Ciに対応する第1の部分と、2niに対
    応し、前記第1の部分の出力信号を受け取る第2の部分
    とを含んで成ることを特徴とする請求項18記載のビッ
    トシリアルデジタル信号処理装置。
  20. 【請求項20】デジタル信号に対しビットシリアル演算
    操作を実行することによりデジタル信号処理された信号
    を供給するビットシリアルの分散演算タイプの演算手段
    と、 前記演算手段に対しその動作のために周期性のクロック
    パルスを供給するクロック手段を含む制御手段と、 を具備し、 前記演算手段は、その機能が本質的に等しいビットシリ
    アルで、且つ分散演算タイプのプロトタイプなアレンジ
    メントから導かれ、このプロトタイプなアレンジメント
    は、第1の所定要素が前記クロックパルスで動作し、第
    2の所定要素がクロックパルスでは動作しないクロック
    非同期である回路要素のストリングを含むハードウェア
    ステージを複数有し、夫々のハードウェアステージが夫
    々カスケード状態で連結されて構成されており、 前記プロトタイプなアレンジメントは、動作スピードを
    制限してしまうところの、比較的大きなクロックスキュ
    ーをもつデジタル信号パスであるクリティカルパスを含
    み、 前記演算手段は、前記クリティカルパスのクロックスキ
    ューを縮減するスキュー縮減手段を含んで成ることを特
    徴とするビットシリアルデジタル信号処理装置。
  21. 【請求項21】前記スキュー縮減手段は、前記クリティ
    カルパス上の、クロック非同期の回路要素の直後に、1
    クロックにて動作するフリップフロップを挿入接続して
    成ることを特徴とするビットシリアルデジタル信号処理
    装置。
JP5826394A 1993-03-05 1994-03-04 ビットシリアルデジタル信号処理装置 Expired - Fee Related JP3289478B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5826394A JP3289478B2 (ja) 1993-03-05 1994-03-04 ビットシリアルデジタル信号処理装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7122193 1993-03-05
JP5-71221 1993-03-05
JP5826394A JP3289478B2 (ja) 1993-03-05 1994-03-04 ビットシリアルデジタル信号処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0722959A JPH0722959A (ja) 1995-01-24
JP3289478B2 true JP3289478B2 (ja) 2002-06-04

Family

ID=26399314

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5826394A Expired - Fee Related JP3289478B2 (ja) 1993-03-05 1994-03-04 ビットシリアルデジタル信号処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3289478B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7082450B2 (en) 2001-08-30 2006-07-25 Nokia Corporation Implementation of a transform and of a subsequent quantization

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0722959A (ja) 1995-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100246878B1 (ko) 역이산 코사인변환 프로세서, 이산 코사인 변환계수의 매트릭스를 역변환하기 위한 방법 및 그 장치
CN100418358C (zh) 像素插值装置及照相机装置
JPH03180965A (ja) 単一のマルチプライヤ/アキュムレータと単一のランダムアクセスメモリを用いてdct/idct演算を繰り返す集積回路装置
KR100331136B1 (ko) 멀티미디어정보용역코사인변환함수를수행하는컴퓨터시스템
JPH0373689A (ja) 画像シーケンスの低速伝送のための、使用コストの低い数学的変換による画像データの圧縮方法及び装置
US20060227225A1 (en) Digital camera with electronic zooming function
US4747154A (en) Image data expanding and/or contracting method and apparatus
JP3615241B2 (ja) ビデオデータデコーダのアーキテクチャ
US5636152A (en) Two-dimensional inverse discrete cosine transform processor
JP4688988B2 (ja) ビデオデータの圧縮方法並びに装置、及び伸張方法並びに装置
AU9030298A (en) Variable block size 2-dimensional inverse discrete cosine transform engine
US5544091A (en) Circuit scale reduction for bit-serial digital signal processing
WO2005122590A1 (ja) 画像符号化装置および画像復号化装置、ならびにそれらで用いられる集積回路
JP3289478B2 (ja) ビットシリアルデジタル信号処理装置
JP2004120439A (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
US5359549A (en) Orthogonal transformation processor for compressing information
JP3155383B2 (ja) 2モード処理装置、2次元変換装置及び静止画像データの圧縮システム
US5671169A (en) Apparatus for two-dimensional inverse discrete cosine transform
JP4740992B2 (ja) オーバーラップフィルタリングとコア変換を行うための方法及び装置
Jalloh et al. A 3D DCT architecture for compression of integral 3D images
JP3052516B2 (ja) 符号化データ処理装置
JPH07177515A (ja) データ圧縮伸張装置、画像機器、電子カメラ及びテレビ電話装置
KR100236972B1 (ko) 저전송율 압축/복원을 위한 이차원 이산여현 변환기
KR100248082B1 (ko) 이차원이산여현변환장치
JP4217408B2 (ja) フィルタ処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees