JP3289255B2 - 自動作業車両の材料排土制御方法 - Google Patents

自動作業車両の材料排土制御方法

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JP3289255B2 JP06861493A JP6861493A JP3289255B2 JP 3289255 B2 JP3289255 B2 JP 3289255B2 JP 06861493 A JP06861493 A JP 06861493A JP 6861493 A JP6861493 A JP 6861493A JP 3289255 B2 JP3289255 B2 JP 3289255B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ホイールローダのよ
うな作業車両を所定の誘導経路に沿って自動走行させる
とともに作業機のサーボ制御も自動的に行うようにした
自動作業車両を用い、材料置き場に置かれた材料を積み
込んで他の材料置き場に移載して排土する横持ち作業を
自動的に実行する際の排土作業の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】アスファルトやコンクリートの合材工場
においては、オペレータは作業車両(ホイールローダや
ペイローダなど作業機としてブーム及びバケットを有す
るもの)を運転して様々な作業を実行する。
【0003】上記作業の一つに横持ち作業がある。この
作業は材料置き場に置かれた材料を他の材料置き場へ移
載するものであり、湿っている材料を晴天のとき屋根の
ついていない上屋に運んで乾かす時などに利用される。
【0004】本出願人はかかる横持ち作業を自動化した
技術を特願平3−260851号で既に提案している。
【0005】この先の出願では、作業車両は埋設された
誘導線に沿って所定の走行経路を走行するのであるが、
横持ち作業において材料を荷下ろしされる側の材料置き
場での材料の排土位置の決定は次のようにして行われ
る。
【0006】すなわち、荷下ろしされる側の材料置き場
の所定位置には上記走行路上に排土作業開始ステーショ
ン線が埋設されており、作業車両側でこの作業開始ステ
ーション線を検出することで、作業開始位置を決定す
る。そして、作業開始位置が検出されると、例えばこの
位置から所定距離走行した後排土動作を行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この手法では、材料置
き場に積載されている材料山が小さいうちはあまり問題
はない。しかし、材料山が大きくなるにつれて積み上げ
た材料は周囲に崩れ、材料山の裾野が広がるり、その際
の材料山の成長のしかたは一定ではないので、作業車両
の進入経路に対する材料山の頂上の位置や裾野の広がり
具合が様々に変化する。
【0008】このため、作業車両を一定位置から材料山
に向けて一定距離だけ前進させて材料を投下するという
単純な従来の制御では、材料山の成長に対応した適切な
位置で材料を排土することができないばかりか、作業車
両が材料山の裾野に乗り上げて傾いたり材料山に衝突し
たりするおそれがある。
【0009】この発明の目的は、排土山の形状が不明で
も常に適切な位置で材料排土動作を行うと共に、材料山
による車両の転倒を好適に防止するようにした自動作業
車両の材料排土制御方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこでこの発明では、バ
ケット及びブームを有し、材料置き場に置かれた材料を
積み込んで他の材料置き場に移載して排土する横持ち作
業を自動的に実行する自動作業車両の材料排土制御方法
において、前記排土作業を行うに際し、バケットを所定
の高さに構えて前記材料置き場の既存の材料山に向けて
車両を前進させ、この前進中前記バケット又はブームに
加わる負荷を検出し、該負荷が所定の設定値をこえるか
又は前記負荷の変化分が所定の設定値を超えた場合に前
記バケットを上昇させて所定距離だけさらに前進した後
停止し、その位置で前記材料を排土するとともに、前記
材料山に向けて車両を前進させている最中、車両の傾斜
角を検出し、車両の設定以上の傾斜を検出した場合に
は、その位置で停止して前記材料を排土するようにした
ことを特徴とする。
【0011】
【作用】前記材料山に向けて車両を前進させているとき
に、車両が材料山の裾野に乗り上げて一定以上傾くとい
う状態が発生しない場合は、所定の高さで構えたバケッ
トが材料山に衝突するのを検出するまで車両を前進さ
せ、そこからバケットを上昇させた状態で一定距離だけ
さらに前進させた位置を材料投下作業位置とする。ま
た、前進途中で車両が材料山の裾野に乗り上げて一定以
上の傾きが検出されると、その位置で材料を投下させ
る。
【0012】
【実施例】以下この発明を添付図面に示す実施例に従っ
て詳細に説明する。
【0013】まず、この発明の前提となる自動作業車両
システムについて説明する。この実施例の自動作業車両
は図2、図4に示すホイールローダであり、バケット1
とブーム2の作業機を備えている。ホイールローダには
図1に示す構成の制御システムが搭載されており、(1)
操舵制御機能、(2)車速制御機能、(3)作業機制御機
能、(4)位置検出機能、(5)通信機能、(6)安全機能な
どを有している。制御システムは制御部5とセンサ系お
よびアクチュエータ系に分れる。制御部5はCPU6と
メモリ7を中枢とし、入力インターフェースとしてA/
D変換器8、パラレル入力レシーバ9、カウンタ10を
有し、出力インターフェースとしてD/A変換器11、
パラレル出力ドライバ12を有している。CPU6は、
以下に順次説明する各種センサ系からの検出信号を取り
込み、所定の制御アルゴリズムに従って処理し、以下に
順次説明する各種アクチュエータ系に対する駆動信号を
出力する。
【0014】(1)操舵制御機能 所定の走行経路からのずれを検出するとともに、そのず
れを最小にするように車両のステアリング機構を自動制
御する機能である。図3に示すように地上に誘導線R
1、R2、R3が敷設されており、この誘導線から発せ
られる誘導信号を経路センサ24(図2に示すように車
体に取り付けられた8個のピックアップコイル FR,FL,M
R1,ML1,MR2,ML2,RR,RL)の検出信号を処理してコースず
れ量を求め、また屈曲角センサ18により車体の姿勢角
を求め、設定されたコースに沿って前記ずれ量を最小に
しながら車両を走行させるように操舵用比例弁28を制
御する。
【0015】(2)車速制御機能 プログラムに従って車両のパワートレインおよびブレー
キを制御して車両の前進・後退・停止および走行速度を
自動制御する機能である。距離センサ13と車速センサ
14とエンジン回転数センサ15の出力から車両の実車
速を求め、またブレーキ圧力センサ21の出力をフィー
ドバックしながら、アクセル用比例弁29、ブレーキ用
比例弁32、前後進バルブ33、変速用バルブ34を制
御して、所定の速度に保つ制御を行う。
【0016】(3)作業機制御機能 車両に搭載されているバケット1およびブーム2をプロ
グラムに従ってサーボ制御する機能である。ブーム2お
よびバケット1の角度をそれぞれセンサ16、17から
読み取るとともに、ブームシリンダおよびバケットシリ
ンダの圧力をセンサ19、20から読み取り、ブーム用
比例弁30およびバケット用比例弁31を制御してプロ
グラムされた作業パターンでバケット1およびブーム2
を作動させる。
【0017】(4)位置検出機能 車両が走行経路上の所定位置に達したことを認知する機
能である。図3に示すように、誘導線R1〜R3によっ
て規定された走行経路上の要所要所にステーション線P
1〜P5が敷設されており、これらステーション線から
誘導信号が発生している。車両側には位置センサ25と
して、前部および後部にピックアップコイルFSおよび
RSが取り付けられており、これによりステーション線
からの誘導信号を検出する。このピックアップコイルF
SとRSおよび前記経路センサ24の8個のピックアッ
プコイルの出力信号はフィルタを含むプリアンプ26を
経て整流回路27で整流されてディジタル化される。位
置センサ25がステーション線に近づくにつれて検出信
号のレベルが増加する。そのセンサ出力を適宜なしきい
値でレベル弁別することで、車両がステーション線によ
る設定位置に達したことを認知する。
【0018】(5)通信機能 地上の指令局と制御部5とを無線伝送路で結合し、作業
を指示するプログラムなどの情報を制御部5に伝えると
ともに、車両側の各種状態情報を指令局に伝える。な
お、この機能部分については図1には記載していない。
【0019】(6)安全機能 傾斜計22で車体の過大な傾斜状態を検出したり、超音
波センサ23で周囲の障害物を検出した場合などに、車
両を緊急停止させたりして安全を確保する機能である。
傾斜計22は車体のローリング角とピッチング角を夫々
検出する。
【0020】かかる構成において、横持ち作業は以下の
ような手順で行われる。この場合は、図3において、材
料置き場3に堆積されているコンクリート材料をホイー
ルローダのバケット1ですくい取り、それを隣の材料置
き場4まで運搬し、材料置き場4の所定位置に材料を排
土するものとする。この作業を次のシーケンスで繰り返
す。
【0021】(A)原点P1から車両を誘導線R1に沿っ
て高速前進走行させ、ステーション線P3を検出した時
点で減速する。
【0022】(B)円弧状の誘導線R2に沿って材料置き
場3に向けて車両を中速前進走行させ、ステーション線
P4を検出した時点でさらに減速する。
【0023】(C)低速前進走行で車両を材料置き場3内
に進入させると同時に、作業機を所定のパターンで動作
させ、バケット1に材料Wをすくい取る。
【0024】(D)車両を誘導線R2、R1に沿って中速
後退走行させ、ステーション線P2を検出した時点で走
行を停止する。
【0025】(E)ステーション線P2から円弧状の誘導
線R3に沿ってもう1つの材料置き場4に向けて車両を
中速前進走行させ、ステーション線P5を検出した時点
で減速して材料置き場4に進入し、以下に詳述する排土
動作を実行するようにする。
【0026】(F)材料排土動作が終了したなら、車両を
誘導線R3、R1に向けて中速後退走行させ、ステーシ
ョン線P2を検出した時点で走行を停止する。
【0027】つぎに、上記(E)の材料排土動作に図7
及び図8のフローチャートを参照して説明する。
【0028】誘導線R3に沿って材料置き場4に向けて
車両を前進させている過程で、位置センサ25の出力を
随時チェックし、ステーション線P5を検出した時点で
減速するとともに作業機を所定の高さに再設定する(ス
テップ701→702→703→704)。ここでは図
4(a)に示すように、材料Wを積み込んでいるチルト
状態のバケット1の最下部が路面から約50cmの高さ
になるように設定する。このバケット1の構えで車両
を、材料置き場4の材料山Mに向かって前進させる。
【0029】前記の前進状態において、ブーム2とバケ
ット1の圧力センサ19と20の出力を監視するととも
に、傾斜計22の出力を監視する(ステップ705→7
06→707→708)。前進中に一方の車輪が材料山
Mの裾野に乗り上げると車両が左右に大きく傾いて危険
であるので、傾斜計22の出力を監視して車両のローリ
ング角が設定値を超えたならば、車両を緊急停止させる
(ステップ708→709)。
【0030】車両が大きく傾くことなく前進していく
と、所定高さに構えたバケット1の前端が材料山Mに衝
突する。この衝突によって作業機に加わる力をブーム圧
力センサ19あるいはバケット圧力センサ20の出力か
ら検出することができる。つまり、バケット1が材料山
Mに衝突すると、圧力センサ19または20の出力値が
設定値を超えるか、またはこれら圧力センサ19または
20の出力の変化分が設定値を超える。このような状態
を検出したならば、ステップ710以降の処理に進む。
【0031】前記衝突検出後は、その後の前進距離のカ
ウントを開始すると同時に、ブーム2によりバケット1
を図4(b)のように上昇させる(ステップ710→7
11)。そして、走行距離が設定値に達したか否かを監
視するとともに、傾斜計22の出力を監視する(ステッ
プ712→713→714)。
【0032】衝突検出してから一定距離だけ走行する
と、その位置で車両を停止させ、図4(c)に示すよう
にバケット1をダンプさせて材料Wを材料山Mの上に投
下する(ステップ712→715→716)。前記一定
距離に達する前に車両が材料山Mの裾野に乗り上げて、
そのピッチング角が設定値を超えた場合には、その時点
で車両を停止し、材料Wを材料山Mの上に投下する(ス
テップ713→715→716)。なお、一定距離に達
する前に車両のローリング角が設定値を超えた場合は、
前記と同様に車両を緊急停止させる(ステップ714→
709)。
【0033】また、バケット1を低く構えて材料山Mに
向かって前進している状態で、車両が材料山Mの裾野に
乗り上げてピッチング角が設定値を超えた場合は、その
時点で車両を停止し、バケット1を材料投下位置まで上
昇させ、その場で材料Wを材料山Mの上に投下する(ス
テップ707→721→722→716)。
【0034】ステップ716の材料投下動作を終了した
なら、誘導線R3に沿って車両を後退させ、バケット1
をチルト状態に戻すとともにその高さを走行用に設定
し、メインの誘導線R1に達する(717→718→7
19→720)。
【0035】
【発明の効果】以上詳細に説明したようにこの発明によ
れば、横持ち作業を行う際、材料を積んだバケットを所
定の高さに構えて材料置き場の既存の材料山に向けて車
両を前進させ、バケットが材料山に衝突することをバケ
ットおよびブームに加わる負荷を監視することで検出す
るとともに、材料山の裾野に車両が乗り上げることを車
両の傾斜角を監視することで検出し、これにより材料山
の状態に合せて材料投下時の車両の位置を適切に制御す
るようにしたので、材料山が成長するのに伴って頂上の
位置が変化したり裾野の広がり具合が変化したりして
も、車両を安全に材料山に近づけて、材料山のできるだ
け頂上近くにバケットの材料を投下することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による自動作業車両システ
ムの制御系の概略構成図
【図2】この発明の一実施例によるホイールローダにお
ける経路センサと位置センサの配置を示す平面図
【図3】この発明の一実施例による材料移載作業を行う
コンクリート合材工場の概略を示す平面図
【図4】この発明の一実施例による排土作業の工程図
【図5】この発明の一実施例による制御方法の手順を示
すフローチャート(その1)
【図6】この発明の一実施例による制御方法の手順を示
すフローチャート(その2)
【符号の説明】
1 バケット 2 ブーム 4 ホッパー 25 位置センサ R1〜R3 誘導線 P1〜P6 ステーション線
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02F 3/43 E02F 9/20 - 9/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バケット及びブームを有し、材料置き場に
    置かれた材料を積み込んで他の材料置き場に移載して排
    土する横持ち作業を自動的に実行する自動作業車両の材
    料排土制御方法において、 前記排土作業を行うに際し、バケットを所定の高さに構
    えて前記材料置き場の既存の材料山に向けて車両を前進
    させ、この前進中前記バケット又はブームに加わる負荷
    を検出し、該負荷が所定の設定値をこえるか又は前記負
    荷の変化分が所定の設定値を超えた場合に前記バケット
    を上昇させて所定距離だけさらに前進した後停止し、そ
    の位置で前記材料を排土するとともに、 前記材料山に向けて車両を前進させている最中、車両の
    傾斜角を検出し、車両の設定以上の傾斜を検出した場合
    には、その位置で停止して前記材料を排土するようにし
    たことを特徴とする自動作業車両の材料排土制御方法。
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