JP3288878B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP3288878B2
JP3288878B2 JP33300194A JP33300194A JP3288878B2 JP 3288878 B2 JP3288878 B2 JP 3288878B2 JP 33300194 A JP33300194 A JP 33300194A JP 33300194 A JP33300194 A JP 33300194A JP 3288878 B2 JP3288878 B2 JP 3288878B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置に係り、と
くに、トレンチゲート構造を有する高耐圧系の縦型絶縁
ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated
Gate BipolarTransistor)の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】IGBTは、図10に代表されるユニッ
トセル断面構造を有するトランジスタであり、上部にM
OSFET構造、下部にバイポーラトランジスタ構造部
を有する複合構造ととらえることができる。シリコンウ
ェーハに形成されたNチャネルIGBTを例にしてその
構造及び動作を説明する。このウェーハを構成するシリ
コン半導体基板20は、厚さ約150μm、不純物濃度
約1020cm-3のP型アノード領域8からなり、その第
1の主面上にNドレイン領域2が形成されたシリコン
半導体層がエピタキシャル成長により積層されている。
このNドレイン領域2中には、P型ベース領域3が、
さらに、このP型ベース領域3中には、Nソース領域
4が通常の不純物拡散により形成されている。このドレ
イン領域2が形成されている半導体層の表面には、薄い
ゲ−ト酸化膜6を介してポリシリコンゲ−ト電極7が設
けられている。ソース領域4とベース領域3とをこの半
導体層2の表面で短絡するような形でソース金属電極1
0が設けられている。またポリシリコンゲ−ト電極7に
接続してゲ−ト金属電極11が形成され、さらにP型ア
ノード領域8に接続して、半導体基板20の第2の主面
上にアノード金属電極12が設けられている。図10の
IGBTは、空乏層がアノード領域まで達することがな
いので、ノンパンチスルー型という。
【0003】このような半導体装置は、ソース金属電極
10を接地し、アノード金属電極12に正電圧が印加さ
れた状態でゲ−ト電極7を負電位に保てば、半導体装置
は、阻止状態になる。ゲ−ト電極7に正電圧を印加すれ
ば、一般のMOSFETと同様にP型ベース領域3の表
面に反転チャネル領域が形成され、ソース領域4からチ
ャネルを通してドレイン領域2の表面部分に電子が流入
し、電子の蓄積層が形成される。電子はさらにソース−
アノード間に印加されている電圧によってドレイン領域
2中をアノード金属電極12側へ走行し、P型アノード
領域8とNドレイン領域2の間を順バイアス状態に至
らしめる。これによりP型アノード領域8からNドレ
イン領域2へ正孔の注入が生じ、Nドレイン領域2中
の伝導度が変調されると共に素子は通電状態となる。こ
の状態でゲ−ト電極7を零もしくは負電位に戻せばチャ
ネルが閉じ、該素子は再び阻止状態に戻る。一般のMO
SFETではドレイン領域に電子しか注入されないた
め、このドレイン領域の濃度が低い場合や、ドレイン領
域が厚い場合には、ドレイン領域が電子の流れにとっ
て、極めて大きい抵抗となり、これがMOSFETのオ
ン抵抗の最大成分であった。一方、IGBTでは、前記
ドレイン領域が伝導度変調を受けるのでその抵抗成分は
極めて小さくなり、このドレイン領域の濃度が低くかつ
この領域が厚い場合でもオン抵抗の小さい半導体装置と
なる。
【0004】この様なIGBTはアノード領域からドレ
イン領域中に注入した少数キャリア(正孔)の一部が過
剰少数キャリアとしてドレイン領域中に蓄積されてしま
う。従って、このIGBTをオフするためにゲート電圧
を零にしてチャネルを閉じて電子の流れを止めても蓄積
された少数キャリア(正孔)が排出されるまで、このI
GBTはオフ状態にならない。さらに、このIGBTで
は、オフ時にドレイン領域に存在する電子がアノード領
域を通過する際にアノード領域から新たな正孔の注入を
誘起し、結果的にはターンオフ時間が極めて長くなる。
そのため、IGBTでは一般的なMOSFETと比べて
約10倍の電流を流すことができるが、ターンオフ時間
は逆に10倍以上長くなる。
【0005】一方、IGBTのMOSFET構造部分と
同じ構成を有する電力用縦型MOSFETはオン電圧を
改善するためにゲート長を縮小することのできるトレン
チゲート構造が採用されている。図11は従来の縦型M
OSFETの断面図である。シリコン半導体基板の第1
の主面にはNドレイン領域(N型ドレイン領域)2が
形成され、第2の主面(裏面)には、Nドレイン領域
(N型ドレイン領域)1が形成されている。Nドレイ
ン領域2内には第1の主面に露出するP型ベース領域3
が形成されており、このP型ベース領域3内に第1の主
面に露出してN型ソース領域4が複数領域形成されてい
る。このN型ソース領域4及びP型ベース領域3を貫通
してN型ドレイン領域2に達するトレンチ5がN型ソー
ス領域3の各領域毎に形成されており、その内壁には、
SiO2 などのゲート絶縁膜6が形成されている。ゲー
ト絶縁膜6が形成されたトレンチ5の内部にはポリシリ
コンゲート電極7が埋め込まれている。ポリシリコンゲ
ート電極7は、SiO2 などの絶縁膜15に被覆されて
いる。このドレイン領域2が形成されている第1の主面
にはソース領域4とベース領域3とを第1の主面で短絡
するような形でソース金属電極(S)10が設けられて
いる。
【0006】また、ポリシリコンのゲ−ト電極7に接続
してゲ−ト金属電極(G)11が形成され、さらにN型
ドレイン領域1に接続して第2の主面上にドレイン金属
電極(D)13が設けられている。各トレンチ毎にユニ
ットセルが形成されている。この電力用MOSFET
は、図11に示すように、ソース領域、ベース領域を貫
通して掘られたトレンチにゲートを形成するため、Nチ
ャネル型の場合オン状態でのキャリア(エレクトロン)
はソースからゲートに沿って形成されたチャネルを通
り、ドレインへと縦に流れていく。そのため、プレーナ
型のようにベース領域間でのキャリアの蓄積は起こりに
くい。IGBTは、縦型MOSFETとサイリスタの複
合構造となっているため、MOSFETの特性改善にな
ると考えられ、図12に示すように縦型MOSFETと
同様に微細化されたトレンチゲート構造が採用されてい
る。
【0007】図12は、従来のシリコンウェーハに形成
されたNチャネル型IGBTの断面図である。このウェ
ーハを構成するシリコン半導体基板20は、厚さ約15
0μm、不純物濃度約1020cm-3のP型アノード領域
8からなり、その表面にNドレイン領域2が形成され
たシリコン半導体層がエピタキシャル成長により積層さ
れている。このNドレイン領域2中には、P型ベース
領域3が、さらに、このP型ベース領域3中には、N
ソース領域4が通常の不純物拡散により複数領域形成さ
れている。このN型ソース領域4及びP型ベース領域3
を貫通してN型ドレイン領域2に達するトレンチ5がN
型ソース領域3の各領域毎に形成されており、その内壁
には、SiO2 などのゲート絶縁膜6が形成されてい
る。ゲート絶縁膜6が形成されたトレンチ5の内部に
は、ポリシリコンゲート電極7が埋め込まれている。ポ
リシリコンゲート電極7は、SiO2 などの絶縁膜15
に被覆されている。このドレイン領域2が露出している
ウェーハの第1の主面には、ソース領域4とベース領域
3とをこの第1の主面で短絡するような形でソース金属
電極(S)10が設けられている。また、ポリシリコン
ゲ−ト電極7に接続してゲ−ト金属電極(G)11が形
成され、さらにP型アノード領域8に接続して、ウェー
ハの第2の主面(裏面)上にアノード金属電極(A)1
2が設けられている。また、各トレンチ毎にユニットセ
ルが形成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述したようにMOS
FETではオン電圧に関係するキャリアが1つのため、
そのキャリアに対する抵抗を低減するとオン電圧が低減
できるため、トレンチゲート化によってゲート面積を縮
小し、チャネル幅を増やすことでオン電圧は低減でき
る。しかし、IGBTはバイポーラ素子であり、2つの
キャリアの分布を適正化する必要がある。微細化したト
レンチゲート構造ではプレーナ型において存在したベー
ス領域間での第1導電型キャリアの蓄積が少ないため、
当然第2導電型キャリアの蓄積も少なくなる。このこと
はベース領域近傍での伝導度変調効果の減少につなが
り、特に高速化のためキャリアライフタイムを短くした
場合にオン電圧の上昇をまねく。この問題を改善するに
はトレンチゲート幅を広げる、ベース領域からのトレン
チゲート突出量を増やすなどが考えられるが、両者とも
耐圧の低下及び電極埋込みが困難であるなどの問題があ
る。また、ソース電極との接続でユニットセル全体での
ソース領域への接続する比率をベース領域に対して増や
し過ぎると多数キャリアに対する抵抗分が大きくなりす
ぎて寄生サイリスタが動作してしまい、IGBTが破壊
されるという問題がある。本発明は、この様な事情によ
りなされたもので、トレンチゲート構造を有するIGB
Tにおいて、オン電圧を低減でき、高い量産性を得られ
る、新規な構造を提供することを目的にしている。
【0009】
【問題を解決するための手段】本発明は、複数のユニッ
トセルからなり、ソース金属電極が第1導電型ソース領
域に第2導電型ベース領域と短絡するように接続された
トレンチゲート構造を有するIGBTにおいて、一部の
ユニットセルの第2導電型ベース領域がソース金属電極
と接続されていないで第1導電型ソース領域とのみ接続
されていることに特徴がある。すなわち、本発明の半導
体装置は、半導体基板と、前記半導体基板に形成された
第1導電型ドレイン領域と、前記ドレイン領域内に形成
され、前記半導体基板の第1の主面に露出している第2
導電型のベ−ス領域と、前記ベ−ス領域内に選択的に形
成され、前記半導体基板の前記第1の主面に露出してい
る第1導電型のソ−ス領域と、前記ソース領域と前記ベ
ース領域とを貫通して前記ドレイン領域まで形成された
トレンチと、前記トレンチの内壁に形成されたゲ−ト絶
縁膜と、前記ゲ−ト絶縁膜に接するように前記トレンチ
に埋め込まれたゲ−ト電極と、前記第1の主面上に前記
ソ−ス領域及び前記ベ−ス領域を短絡するように形成さ
れたソ−ス金属電極と、前記ゲート電極に接続されるゲ
ート金属電極と、前記半導体基板の第2の主面に形成さ
れ、前記ドレイン領域と接している第2導電型のアノ−
ド領域と、前記アノード領域上に形成されたアノード電
極とを備え、隣接するトレンチ間の前記第1の主面の一
部の領域は、前記ソース領域のみが形成されていて、前
記ベース領域とは短絡しておらず、他の領域は、前記ベ
ース領域を短絡するように形成されていることを特徴と
する。前記ドレイン領域と前記アノ−ド領域との間には
このドレイン領域より不純物濃度の高い第1導電型高濃
度バッファ領域が形成されるようにしても良い。
【0010】前記半導体装置は複数のユニットセルから
なり、ソース金属電極がソ−ス領域のみに接続するユニ
ットセルの半導体基板表面に占める割合はこの複数のユ
ニットセルの全面積の1/2以下であるようにしても良
い。
【0011】
【作用】一部のユニットセルの第2導電型ベース領域が
ソース金属電極と接続されていないで第1導電型ソース
領域とのみ接続されていることにより、ホールに対する
抵抗分を大きくし、その結果この領域がキャリア蓄積領
域となり、ベース領域近傍での伝導度変調効果を増大さ
せる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。まず、図1を用いて第1の実施例を説明する。図
は、シリコンウェーハに形成されたNチャネル型IGB
Tの断面図である。このウェーハを構成するシリコン半
導体基板20は厚さ約150μm、不純物濃度約1020
cm-3のP型アノード領域8からなり、その表面にN
ドレイン領域2が形成されたシリコン半導体層がエピタ
キシャル成長により堆積されている。このNドレイン
領域2中には、P型ベース領域3がウェーハの第1の主
面に露出するように形成されている。さらに、このP型
ベース領域3中には、Nソース領域4がウェーハの第
1の主面に露出するように通常の不純物拡散法により複
数領域形成されている。このN型ソース領域4及びP型
ベース領域3を貫通してN型ドレイン領域2に達するト
レンチ5がN型ソース領域3の各領域毎に形成されてい
る。このトレンチ内壁には、SiO2 などのゲート絶縁
膜6が形成されている。ゲート絶縁膜6が形成されたト
レンチ5の内部には、ポリシリコンゲート電極7が埋め
込まれている。
【0013】ポリシリコンゲート電極7は、SiO2
どの絶縁膜15に被覆されている。このドレイン領域2
が露出しているウェーハの第1の主面には、ソース領域
4とベース領域3とをこの第1の主面で短絡するような
形でソース金属電極(S)10が設けられている。また
ポリシリコンゲ−ト電極7に接続してゲ−ト金属電極
(G)11が真空蒸着法により形成され、さらに、P型
アノード領域8に接続して、ウェーハの第2の主面(裏
面)、即ち、半導体基板20の裏面上にアノード金属電
極(A)12が真空蒸着法により設けられている。ま
た、各トレンチ毎にユニットセルは、各トレンチ毎に形
成されている。ベース領域3の底部からトレンチ5の底
部までの距離hは、1〜3μm程度が適当である。この
距離hが小さいと耐圧が大きくなるが、この距離を大き
くトレンチ5を深くすると、耐圧が小さくなって好まし
くない。
【0014】複数のユニットセルからなるトレンチゲー
ト構造を有するIGBTは、以上のような構成を有して
いるが、本発明では、本来ユニットセルは、ソース金属
電極がN型ソース領域とP型ベース領域とを短絡するよ
うに形成されるべきところ、一部のユニットセルは、ソ
ース金属電極がN型ソース領域とのみ接続されるように
形成されていることに特徴がある。この一部のユニット
セルのソース領域金属電極10の接続部分はN型ソース
領域41のみからなっている。つまり、半導体ウェーハ
の第1の主面のソース金属電極接続領域14は、従来の
ユニットセルではN型ソース領域とP型ベース領域とか
ら構成されているが、本発明の一部のユニットセルで
は、N型ソース領域のみから構成されている。この実施
例では、N型ソース領域のみが露出しているユニットセ
ル(Aセル)は、ソース領域とベース領域とがソース金
属電極に接続している通常構造のユニットセル(Bセ
ル)に対して1対4の面積比率になっている。ここで、
1ユニットセルとは、図に示すように、トレンチ間の領
域をいうものとする(以下、同様である)。
【0015】次に、図2を参照して第2の実施例を説明
する。図は、シリコンウェーハに形成されたNチャネル
型IGBTの断面図である。このウェーハを構成するシ
リコン半導体基板20は、厚さ約150μm、不純物濃
度約1020cm-3のP型アノード領域8からなり、その
表面にN半導体バッファ層9及びこのバッファ層9よ
り不純物濃度の低いNドレイン領域2が形成されたシ
リコン半導体層がエピタキシャル成長により堆積されて
いる。このNドレイン領域2中には、P型ベース領域
3がウェーハの第1の主面に露出するように形成されて
いる。さらにこのP型ベース領域3中には、Nソース
領域4がウェーハの第1の主面に露出するように通常の
不純物拡散法により複数領域形成されている。このN型
ソース領域4及びP型ベース領域3を貫通してN型ドレ
イン領域2に達するトレンチ5がN型ソース領域3の各
領域毎に形成されている。このトレンチ内壁には、Si
2 などのゲート絶縁膜6が形成されている。ゲート絶
縁膜6が形成されたトレンチ5の内部には、ポリシリコ
ンゲート電極7が埋め込まれている。
【0016】ポリシリコンゲート電極7は、SiO2
どの絶縁膜15に被覆されている。このドレイン領域2
が露出しているウェーハの第1の主面には、ソース領域
4とベース領域3とをこの第1の主面で短絡するような
形でソース金属電極(S)10が設けられている。また
ポリシリコンゲ−ト電極7に接続してゲ−ト金属電極
(G)11が真空蒸着法により形成され、さらに、P型
アノード領域8に接続して、ウェーハの第2の主面(裏
面)、即ち、半導体基板20の裏面上にアノード金属電
極(A)12が真空蒸着法により設けられている。ま
た、各トレンチ毎にユニットセルは、各トレンチ毎に形
成されている。
【0017】この実施例においても本来のものとは異な
る一部のユニットセルは、ソース金属電極がN型ソース
領域とのみ接続されるように形成されている。この一部
のユニットセルのソース領域金属電極10の接続部分は
N型ソース領域41のみからなっている。Nバッファ
層9は、アノ−ド領域からの正孔の流入を抑えると共に
ドレイン領域2の表面から拡がる空乏層を抑えるこ
とができるので、Nドレイン領域2を薄くする事がで
き、タ−ンオフ時間が改善される。また、アノード領域
8の不純物濃度を多少上げても素子の特性には格別の変
化は認められないので、製造上でも有利になる。このN
バッファ層9は、この実施例では、気相成長法を用い
たが、他の方法でも形成することができる。例えば、N
シリコン半導体基板1のP型ベ−ス領域やN型ソ−ス
領域が形成されていない他方の主面に不純物をイオン注
入し、その後、熱処理を行ってNバッファ層を形成す
ることもできる。
【0018】次に、図3を参照して第3の実施例を説明
する。図は、シリコンウェーハに形成されたNチャネル
型IGBTの断面図である。このウェーハを構成するシ
リコン半導体基板20は、厚さ約150μm、不純物濃
度約1020cm-3のP型アノード領域8からなり、その
表面にN半導体バッファ層9及びこのバッファ層9よ
り不純物濃度の低いNドレイン領域2が形成されたシ
リコン半導体層がエピタキシャル成長により堆積されて
いる。このNドレイン領域2中には、P型ベース領域
3がウェーハの第1の主面に露出するように形成されて
いる。さらにこのP型ベース領域3中には、Nソース
領域4がウェーハの第1の主面に露出するように通常の
不純物拡散法により複数領域形成されている。このN型
ソース領域4及びP型ベース領域3を貫通してN型ドレ
イン領域2に達するトレンチ5がN型ソース領域3の各
領域毎に形成されている。このトレンチ内壁には、Si
2 などのゲート絶縁膜6が形成されている。ゲート絶
縁膜6が形成されたトレンチ5の内部には、ポリシリコ
ンゲート電極7が埋め込まれている。
【0019】ポリシリコンゲート電極7は、SiO2
どの絶縁膜15に被覆されている。このドレイン領域2
が露出しているウェーハの第1の主面には、ソース領域
4とベース領域3とをこの第1の主面で短絡するような
形でソース金属電極(S)10が設けられている。また
ポリシリコンゲ−ト電極7に接続してゲ−ト金属電極
(G)11が真空蒸着法により形成され、さらに、P型
アノード領域8に接続して、ウェーハの第2の主面(裏
面)、すなわち、半導体基板20の裏面上にアノード金
属電極(A)12が真空蒸着法により設けられている。
また、ユニットセルは、各トレンチ毎に形成されてい
る。この実施例においても本来のものとは異なる一部の
ユニットセルは、ソース金属電極がN型ソース領域との
み接続されるように形成されている。この一部のユニッ
トセルのソース領域金属電極10の接続部分はN型ソー
ス領域41のみからなっている。
【0020】図3に示すように、ユニットセルの幅を変
えることで、N型ソース領域のみが露出しているユニッ
トセル(Aセル)と通常構造のN型ソース領域とP型ベ
ース領域が露出しているユニットセル(Bセル)の面積
比率を変化させることも可能である。例えば、図に示す
ように、Aセルのセル幅w1をBセルのセル幅w2より
小さくするとその面積比率が変えられる。例えば、図の
IGBTではAセルと通常構造のBセルとが交互に配置
されているのでユニットセルの個数比(Aセル/Bセ
ル)は1/1であるが、Aセルの幅w1がBセルの幅w
2の1/2なのでIGBTにおけるAセルとBセルの面
積比は1/2になっている。このように比率を変化させ
ることで耐圧系に応じた設計にすることが容易にでき
る。また、ユニットセルのセル幅を変えることをP型ア
ノード電極とN型ドレイン領域の間にN型高濃度バッフ
ァ層を形成しない第1の実施例の半導体装置にも適用す
ることができる。
【0021】次に図4乃至図6を参照して図3の半導体
装置の製造工程を説明する。図は、いづれも半導体装置
の製造工程断面図である。アノード領域8となるP型シ
リコン半導体基板20上にN型高濃度(N)バッファ
層9及び耐圧系に応じた濃度と厚さのN型低濃度ドレイ
ン領域2となる半導体層を順次気相成長させることによ
って半導体ウェーハを形成する(図4(a))。次に、
半導体ウエーハのN型ドレイン領域2表面に選択的にイ
オン注入法などにより、ボロン等の不純物を拡散し、P
型ベース領域3を形成する。次に、ベース領域3中に選
択的にイオン注入法などにより、砒素などの不純物を拡
散して複数領域のN型ソース領域4を形成する(図4
(b))。次に、酸化膜などをマスク材にして選択的に
RIE(Reactive Ion Etching) 等の等方性エッチング
によりN型ソース領域4及びP型ベース領域3を貫通し
てN型ドレイン領域に達するトレンチ5を形成する(図
5(a))。次に、厚さ100nm程度のゲート酸化膜
6を形成し、ゲート電極7となるポリシリコンをトレン
チ内を埋め込む(図5(b))。
【0022】その後、半導体ウェーハの全面にSiO2
などの絶縁膜15を形成する。そして、この絶縁膜15
のソース金属電極及びゲート金属電極と接続する部分を
選択的に除去する(図6(a))。次に、Al等の金属
をスパッタ等で形成し、パターニングして、ソース金属
電極10、ゲート金属電極11及びその他ドレイン金属
電極などの電極配線を形成する。次に、Au等の金属を
P型アノード領域8表面にスパッタ等で形成し、アノー
ド金属電極12を形成する(図6(b))。このウエー
ハを所定の大きさにカットしてIGBTチップが完成す
る。
【0023】図7及び図8を参照して第4の実施例を説
明する。図はいづれもIGBTの平面図であり、N型ソ
ース領域のみが露出しているユニットセルと通常構造の
N型ソース領域とP型ベース領域とが露出しているユニ
ットセルの面積比率は、セルの数やセルの幅を変えるこ
とで変化させている。図7の例ではソース領域のみと接
続されているユニットセル(Aセル)とN型ソース領域
とP型ベース領域とが露出している通常構造のユニット
セル(Bセル)の個数比を1対2にした場合(Aセルの
両側にBセルを配置する構造)を示し、図8の例ではA
セルとBセルの個数比は、1/1にしている。したがっ
て、図7のIGBTのAセルとBセルの面積比は1/2
であり、図8のAセルとBセルの面積比は、セル幅の比
率(w1/w2)が1/2なので、1/2になる。図8
においてAセルとBセルの個数比を1/2にすればその
面積比は、1/4になる。ユニットセルのセル幅は任意
の大きさに変えることができる。これらの図に示すよう
に半導体ウェーハの第1の主面のソース金属電極接続領
域14は、従来構造のユニットセル(Bセル)では、N
型ソース領域とP型ベース領域とから構成されているが
本発明の特徴であるユニットセル(Aセル)では、N型
ソース領域のみから構成されている。
【0024】また、この実施例ではNチャネル型IGB
Tについて述べたが、導電型を逆にすることでPチャネ
ル型IGBTにも適用することができるのは勿論であ
る。本発明では、多数の並列接続されたユニットセルの
一部をN型ソース領域のみがソース電極と接続されるよ
うに形成することで、アノード電極から供給される少数
キャリアに対する抵抗分を増大させ、ベース領域近傍で
のキャリアの蓄積効果が増大する。その結果伝導度変調
効果が増大しオン電圧が低減できる。図9を参照して本
発明と従来品とのオン電圧の比較を示す。図は本発明及
び従来のIGBTのターンオフ特性を示す電流−電圧特
性図である。横軸にオン電圧(V)、縦軸にアノード電
流の電流密度(A/cm2 ) を示す。本発明の第1の実
施例の半導体装置の電流−電圧特性を曲線Aに示し、従
来のIGBTの電流−電圧特性を曲線Bに示す。IGB
Tの正孔のキャリアライフタイムτpは0.2μsであ
り、素子耐圧は、900Vである。図に示すようにター
ンオン電圧は、従来より著しく低下していることが分か
る。
【0025】第1の実施例ではIGBTのユニットセル
のAセル/Bセルの面積比率は1/4であるが、第3や
第4の実施例のようにその面積比率が1/2になるとこ
の曲線Aは矢印のように左へ移動する。また、本発明で
は、トレンチゲート幅及び深さなどは従来通りでバター
ンのみの変更で対応可能であるため、現状の製造工程や
設備で安定して製造することが可能である。
【0026】
【発明の効果】本発明は、以上のような構造により、ア
ノード電極から供給される少数キャリアに対する抵抗分
を増大させ、ベース領域近傍でのキャリアの蓄積効果が
増大する。その結果伝導度変調効果が増大しオン電圧が
低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のトレンチゲート縦型I
GBTの断面図。
【図2】第2の実施例のトレンチゲート縦型IGBTの
断面図。
【図3】第3の実施例のトレンチゲート縦型IGBTの
断面図。
【図4】図3の縦型IGBTの製造工程断面図。
【図5】図3の縦型IGBTの製造工程断面図。
【図6】図3の縦型IGBTの製造工程断面図。
【図7】第4の実施例のトレンチゲート縦型IGBTの
断面図。
【図8】第4の実施例のトレンチゲート縦型IGBTの
断面図。
【図9】本発明と従来のトレンチゲート縦型IGBTの
オン電圧と電流の関係を示す電圧−電流特性図。
【図10】従来のプレーナ型IGBTの断面図。
【図11】従来のトレンチゲート縦型MOSFETの断
面図。
【図12】従来のトレンチゲート縦型IGBTの断面
図。
【符号の説明】
1 N型高濃度ドレイン領域 2 N型低濃度ドレイン領域 3 P型ベース領域 4、41 N型ソース領域 5 トレンチ 6 ゲート絶縁膜 7 埋め込みゲート電極 8 P型アノード領域 9 N型高濃度バッファ層 10 ソース金属電極 11 ゲート金属電極 12 アノード金属電極 13 ドレイン金属電極 14 ソース金属電極接続領域 15 絶縁膜 20 半導体基板

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、 前記半導体基板に形成された第1導電型ドレイン領域
    と、 前記ドレイン領域内に形成され、前記半導体基板の第1
    の主面に露出している第2導電型のベ−ス領域と、 前記ベ−ス領域内に選択的に形成され、前記半導体基板
    の前記第1の主面に露出している第1導電型のソ−ス領
    域と、 前記ソース領域と前記ベース領域とを貫通して前記ドレ
    イン領域まで形成されたトレンチと、 前記トレンチの内壁に形成されたゲ−ト絶縁膜と、 前記ゲ−ト絶縁膜に接するように前記トレンチに埋め込
    まれたゲ−ト電極と、 前記第1の主面上に前記ソ−ス領域及び前記ベ−ス領域
    を短絡するように形成されたソ−ス金属電極と、 前記ゲート電極に接続されるゲート金属電極と、 前記半導体基板の第2の主面に形成され、前記ドレイン
    領域と接している第2導電型のアノ−ド領域と、 前記アノード領域上に形成されたアノード電極とを備
    え、隣接するトレンチ間の前記第1の主面の一部の領域で
    は、前記ソース領域のみが形成されていて、前記ソース
    金属電極で前記ソース領域と前記ベース領域とは短絡し
    ておらず、他の領域は、前記ソース金属電極で前記ソー
    ス領域と前記ベース領域が短絡されている ことを特徴と
    する半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記ドレイン領域と前記アノ−ド領域と
    の間にはこのドレイン領域より不純物濃度の高い第1導
    電型高濃度バッファ領域が形成されていることを特徴と
    する請求項1に記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記半導体装置は複数のユニットセルか
    らなり、ソース金属電極がソ−ス領域のみに接続するユ
    ニットセルの半導体基板表面に占める割合はこの複数の
    ユニットセルの全面積の1/2以下であることを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
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