JP3287340B2 - 食器洗い機 - Google Patents

食器洗い機

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄ノズルより食
器に向けて洗浄水を噴射して食器を洗浄する食器洗い機
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、洗浄槽内で回転する洗浄ノズルか
ら噴射される洗浄水によって食器かごに収納された食器
を洗浄する食器洗い機が主流となっている。
【0003】従来、この種の食器洗い機は図4に示すよ
うに構成していた。以下、その構成について説明する。
【0004】図4に示すように、外箱1は前方に開口部
を有するとともに、レール2を介して洗浄槽3を前後方
向に動作可能に支持している。洗浄槽3の前方には扉4
が取り付けられており、外箱1の開口部を開閉する。洗
浄槽3は、上方に開口部5を有し、この開口部5の外周
にパッキング6を設け、このパッキング6へ空気を圧送
する加圧ポンプ7を有している。
【0005】洗浄槽3内には洗浄水を噴射する洗浄ノズ
ル8を回転自在に設けるとともに、食器9を収納する食
器かご10を配置している。洗浄槽3内の洗浄水はヒー
タ11によって温水化され、洗浄ポンプ12にて排水口
13から吸い込まれ、洗浄ノズル8に圧送される。洗浄
ノズル8より勢いよく噴射される洗浄水によって、食器
かご10に収納された食器9を洗浄するように構成して
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の食器
洗い機においては、洗浄槽3を前方へ引き出し、食器9
を食器かご10にセットし、洗浄槽3を外箱1内へ押し
込むとともに、扉4で外箱1の前方の開口部を閉じる。
つぎに、運転を開始すると、加圧ポンプ7よりパッキン
グ6へ空気が圧送され、パッキング6が膨張し、外箱1
の内面に圧接して、洗浄槽3の開口部5を閉塞し、運転
中の洗浄水や蒸気の漏れを防止する。運転終了後は、加
圧ポンプ7が停止し、パッキング6内の空気が抜けて、
洗浄槽3が引き出せる状態となる。
【0007】この構成の場合、パッキング6には膨張や
収縮に対応するための伸縮性や耐久性とともに、空気を
漏らさないための気密性が求められる。また、加圧ポン
プ7やこれを制御するための制御手段、パッキング6へ
空気を圧送する機構的手段が必要であり、煩雑かつ高価
な構成となる。また、洗浄槽3の上部にパッキング6が
装着されているため、パッキング6の周辺に汚物がたま
りやすい上に、メンテナンス性が悪い。さらに、大きい
食器が入ることによって洗浄槽と蓋部との閉塞性が失わ
れ、食器が損傷する。
【0008】本発明は上記課題を解決するもので、大
い食器が入ることによって洗浄槽と蓋部との閉塞性が失
われることを防止するとともに食器の損傷を防ぎ、使用
勝手がよく、信頼性の高い食器洗い機を提供すること
的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、上方に開口部を有する洗浄槽を外箱に前後
方向に移動可能に支持し、この外箱に蓋部を少なくとも
上下方向に移動可能に支持し、蓋部は前方下側に下方向
に突出した食器規制壁を設け、前記蓋部が最上位置に位
置したときの前記食器規制壁の下端の高さが、前記蓋部
が最下位置に位置したときの前記蓋部の下面の高さ以下
になるように設定したものである。
【0010】これにより、大きい食器が入ることによっ
て洗浄槽と蓋部との閉塞性が失われることを防止できる
とともに、食器の損傷を防ぐことができ、使用勝手がよ
く、信頼性の高い食器洗い機を提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、上方に開口部を有する洗浄槽と、この洗浄槽を前後
方向に移動可能に支持する外箱と、この外箱に少なくと
も上下方向に移動可能に支持した蓋部とを備え、前記蓋
部は前方下側に下方向に突出した食器規制壁を設け、前
記蓋部が最上位置に位置したときの前記食器規制壁の下
端の高さが、前記蓋部が最下位置に位置したときの前記
蓋部の下面の高さ以下になるように設定したものであ
り、扉を閉じる動作によって洗浄槽と蓋部との間の閉塞
性を確保できて、洗浄水や蒸気が漏れるのを防止でき、
洗浄槽にセットした食器が所定の大きさよりも大きい場
合に、洗浄槽を外箱に挿入し始める時点で、食器が食器
規制壁に接触し、洗浄槽の移動を停止させるため、大き
い食器が入ることによって洗浄槽と蓋部との閉塞性が失
われることを防止できるとともに、食器の損傷を防ぐこ
とができるため、使用勝手がよく、信頼性の高い食器洗
い機を提供することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同
一符号を付して説明を省略する。
【0013】(実施例1) 図1に示すように、洗浄槽14は、その左右両外面に第
1のレール15を設け、この第1のレール15と係合す
る第2のレール16を外箱1の左右両内面に固定してお
り、洗浄槽14は外箱1に対して前後方向に移動可能と
している。外箱1内の上方には4個のリンク17を介し
て蓋部18を取り付けている。蓋部18の下側にはパッ
キング19を装着している。
【0014】リンク17は前後左右に各1個ずつ設けて
あり、その回転中心軸側の穴20を外箱1に設けた軸に
摺動自在に係合しており、回転側の穴21を蓋部18に
設けた軸に摺動自在に係合している。また、蓋部18は
弾性体22によって外箱1と連結されており、上方前方
に付勢されている。
【0015】洗浄槽14は後方中央に押圧部23を有
し、この押圧部23は蓋部18の後方の下側に設けた突
出部24と当接可能な位置関係にある。なお、図面の左
側を前方とし、右側を後方とする。また、図2に示すよ
うに、蓋部18の下側にはパッキング19の内周に沿っ
て下方向に突出した防水壁25を設けている。
【0016】上記構成において作用を説明すると、洗浄
槽14を外箱1内に収容するとき、洗浄槽14は後方に
移動し、やがて、押圧部23が突出部24と当接し、押
圧部23が突出部24を後方へ押すことによって、蓋部
18が後方へ押される。このとき、リンク17が回転
し、蓋部18はリンク17の回転軌跡上を移動するた
め、後方に移動しながら下方向へ移動する。
【0017】さらに洗浄槽14が後方へ移動すると、洗
浄槽14の開口部26の高さまで蓋部18が下降し、洗
浄槽14の収容が完了すると同時に蓋部18がパッキン
グ19を介して洗浄槽14の開口部5を閉塞する。ま
た、洗浄槽14を外箱1より引き出すと、蓋部18は弾
性体22によって上方向へ持ち上げられ、リンク17の
回転作用により前方へも移動する。
【0018】つぎに、運転開始後、洗浄ノズル8が洗浄
水を噴射しながら回転すると、その洗浄水が、蓋部18
の下面や洗浄槽14の内壁に沿って洗浄槽14と蓋部1
8の閉塞面へ向かって、矢印方向に流れる。このとき、
防水壁25がその流れの方向を変え、洗浄水が洗浄槽1
4と蓋部18の閉塞面、すなわちパッキング19まで到
達するのを防止する。
【0019】したがって、蓋部18の下側にパッキング
19を設けることにより、メンテナンス性が向上すると
ともに、蓋部18の下側にパッキング19の内周面に沿
って下方向に突出した防水壁25を設けることにより、
洗浄水がパッキング19へ直接到達するのを防止するこ
とができるため、使用勝手がよく、信頼性の高い食器洗
い機を提供することができる。
【0020】(実施例2) 図3に示すように、蓋部18aは、その下側にパッキン
グ19aの内周に沿って下方向に突出した防水壁25a
を設けており、その前方側には下方向への突出寸法が大
きい食器規制壁27を一体に形成している。蓋部18が
最上位置に位置したときの食器規制壁27の下端の高さ
h1は、蓋部18が最下位置に位置したときの蓋部18
の下面の高さh2以下になるように設定している。他の
構成は上記実施例1と同じである。
【0021】上記構成において作用を説明すると、洗浄
槽14を外箱1内に収容するとき、洗浄槽14にセット
した食器9の最上位置が所定の高さhよりも高い場合、
食器規制壁27に食器9が接触し、洗浄槽14が外箱1
内へ収容できない。したがって、所定よりも大きい食器
9がセットされたまま運転することができないため、蓋
部18が確実に所定の位置に下降し、洗浄槽14との閉
塞性を確保することができるとともに、食器9の損傷を
防ぐことができる。
【0022】また、この食器規制壁27は防水壁25a
と一体に形成しているため、洗浄水がパッキング19a
へ直接到達するのを防止することができるため、簡潔か
つ廉価な構成で使用勝手がよく、信頼性の高い食器洗い
機を提供することができる。
【0023】なお、本実施例では、防水壁25aの前方
側に食器規制壁27を一体に形成しているが、食器規制
壁27を防水壁25aとは別に設けてもよく、この場合
にも、所定よりも大きい食器9がセットされたまま運転
することができないようにでき、蓋体18aと洗浄槽1
4との閉塞性を確保することができるとともに、食器9
の損傷を防ぐことができる。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1に記載の
発明によれば、上方に開口部を有する洗浄槽と、この洗
浄槽を前後方向に移動可能に支持する外箱と、この外箱
に少なくとも上下方向に移動可能に支持した蓋部とを
え、前記蓋部は前方下側に下方向に突出した食器規制壁
を設け、前記蓋部が最上位置に位置したときの前記食器
規制壁の下端の高さが、前記蓋部が最下位置に位置した
ときの前記蓋部の下面の高さ以下になるように設定し
から、扉を閉じる動作によって洗浄槽と蓋部との間の閉
塞性を確保できて、洗浄水や蒸気が漏れるのを防止で
き、大きい食器が入ることによって洗浄槽と蓋部との閉
塞性が失われることを防止できるとともに、食器の損傷
を防ぐことができるため、使用勝手がよく、信頼性の高
い食器洗い機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の食器洗い機の縦断面図
【図2】同食器洗い機の要部拡大断面図
【図3】本発明の第2の実施例の食器洗い機の洗浄槽を
引き出した状態の縦断面図
【図4】従来の食器洗い機の縦断面図
【符号の説明】
1 外箱 14 洗浄槽 18 蓋部 19 パッキング 25 防水壁 26 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−103401(JP,A) 特表 平7−502183(JP,A) 米国特許2668091(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47L 15/00 - 15/42 A47B 77/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方に開口部を有する洗浄槽と、この洗
    浄槽を前後方向に移動可能に支持する外箱と、この外箱
    に少なくとも上下方向に移動可能に支持した蓋部とを備
    え、前記蓋部は前方下側に下方向に突出した食器規制壁
    を設け、前記蓋部が最上位置に位置したときの前記食器
    規制壁の下端の高さが、前記蓋部が最下位置に位置した
    ときの前記蓋部の下面の高さ以下になるように設定し
    食器洗い機。
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