JP3287217B2 - 油中溶存ガス検出装置 - Google Patents

油中溶存ガス検出装置

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JP3287217B2
JP3287217B2 JP9134496A JP9134496A JP3287217B2 JP 3287217 B2 JP3287217 B2 JP 3287217B2 JP 9134496 A JP9134496 A JP 9134496A JP 9134496 A JP9134496 A JP 9134496A JP 3287217 B2 JP3287217 B2 JP 3287217B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油中に溶存するガ
スを分離すると共に、採取したガスを光ファイバを用い
て光学的に検出する油中溶存ガス検出装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、電力設備の高信頼性の要求から設
備診断の重要性が高まっている。変圧器、OFケーブル
といった油入り電気機器の診断については、内部の部分
放電、局部加熱などの劣化現象を油中ガス分析によって
行う方法が広く用いられている。
【0003】この分析手順は、電気設備を一時的に運転
を停止させた後、電気機器より油を採り出し、その油よ
りガスを分離抽出し、専用のガス分析装置で測定する方
法をとっている。しかし、この方法では測定手順が複雑
で、ほとんどが手作業であり、停電させなければならな
いため多くの費用と労力を要する。
【0004】そこで、本発明者らは、特開平4−640
39号公報に示すような、高分子膜により油中からガス
のみを透過させ、採取したガスを、電磁誘導障害に強
く、遠隔測定も可能な光ファイバを用いて検出すること
ができる油中溶存ガス検出装置を提案した。
【0005】図9はこの油中溶存ガス検出装置を示した
断面図である。図示するように、採光効率を高めるため
の光ファイバ成端部1(光ファイバ2,レセプタクル
3,コリメートレンズ4)と、油中よりガスを抽出する
ため検出部5のケース全周に設けられた焼結金属と高分
子膜とからなるフィルタ6と、検出部5の外周に油槽あ
るいは油入り電気ケーブル接続箱等に接続された導管7
で連結された採油チャンバ8とを検出部5の同軸上に配
置して構成したものである。
【0006】しかし、この装置では次のような問題点が
あった。
【0007】(1)透過膜を用いて油中ガスを抽出する
場合、採取する気相側のガス分圧は油中ガスの分圧にバ
ランスするまで透過する。一般にヘンリーの法則から油
中ガス濃度は式1に示すように圧力換算できる。
【0008】P=k×v…(1) ここで、Pは油中ガスの分圧換算値、kは定数(ガスの
種類による固有の値)、vは油中ガス濃度(20℃大気
圧下での油の容量に対するガスの容量の割合)を表す。
【0009】従って、気相側に抽出したガスより油中溶
存ガスの濃度を求めるためには、まず気相側に抽出した
ガスの濃度を求めると共に、気相側の全圧も測定し、求
めた二つの値から検出ガスの分圧を求め、その値から式
1を用いて油中ガス濃度の換算を行う。このような測定
を可能とするためには、気相側が完全に密封されていな
ければならない。密封されていなければ、油中ガス濃度
の換算ができないだけでなく、逆に気相側から油中への
ガスの逆流も生じてしまう。例えば、気相が開放系でか
つ窒素、酸素の分圧が油中に比べて気相の方が高い場合
には、これらのガスが油中に溶存し信頼性を損なうこと
になる。
【0010】(2)光ファイバを用いたガス検出におい
て、検出原理としてガスが特定の波長の光をよく吸収す
る性質がありその吸収量はガスの濃度と空間伝達距離に
依存する性質を利用している。光源としては、単色光の
レーザ光が適している。ガス濃度として数ppmまで検
出するような微量測定では光ファイバとしてシングルモ
ードファイバを用いる必要性がある。この場合、先に提
案した検出装置の光学系は、採油チャンバと一体構造と
なっているためチャンバ内の油圧変動による歪みが光学
系にも影響し、光の伝送損失が大きく変動するため油中
溶存ガスを安定して検出することができない。
【0011】そこで、本発明者らは気相側が完全に密封
されると共に、油圧の変動や衝撃の影響を受けることな
く正確に油中溶存ガスを検出できる装置を、さらに提案
した(特開平6−148067号公報)。
【0012】図10はこの改良された油中溶存ガス検出
装置を示した断面図である。図示するように、この装置
は油中よりガスのみを透過させる円筒型のフィルタ9
(高分子膜9a,焼結金属9b)と、そのフィルタ9の
周囲に設けられフィルタ9の周りを油で満たすための採
油チャンバ10と、フィルタ9の両端面に設けられフィ
ルタ9内を密閉するための蓋板11,12と、両蓋板1
1,12を貫通すると共に同軸かつ端面が対向する一対
の光ファイバ13,14と、フィルタ9内に設けられ両
光ファイバ13,14を保持すると共に、両端が蓋板1
1,12にバネ18,19を介して取り付けられた光学
ベース15とを備えたものであり、光ファイバ13,1
4は蓋板11,12に低融点ガラスにより封止されるよ
うに構成されている。
【0013】以上の構成によれば、光学ベース15と採
油チャンバ10とは一体的に形成されていないので、光
学ベース15上の光ファイバ13,14は振動や油圧の
影響を受けない。また、フィルタ9内を気密状態にでき
るので、外界からフィルタ9内にガスが混入して油側に
逆流することがない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
装置では次のような問題点がある。
【0015】(1)光学ベース15は円柱を軸方向に二
分した形状となっており、ここに、光ファイバ13,1
4と集光レンズとを固定したV溝が設けられたブロック
16,17を取り付ける構造となっている。このため、
向い合ったブロック16,17を平行に保ちながら光軸
を調整することになるが、この調整は非常に困難であ
り、完成した光学系は精度が悪く光の損失量が大きくな
り、検出感度が悪くなってしまうことがある。
【0016】(2)光軸調整された光学ベース15を、
採油チャンバ10と一体となったフィルタ9内部に挿入
し、バネを介して蓋板11,12に固定しているので、
取付け作業性が悪い。
【0017】(3)光軸調整された光学ベース15から
引き出された光ファイバ13,14を蓋板11,12に
低融点ガラスにて固定しているので、蓋板11,12を
取り外す時に、光学ベース15も一緒に取り外さなくて
はならず手間がかかる。また、取り外した蓋板11,1
2は再使用不可能となってしまう。
【0018】(4)透過したガスを閉じこめる空間であ
る気相がフィルタ9内で両端の蓋板11,12間にわた
り、気相側体積が大きく、ガス飽和状態に達してガス検
出可能となるまでに時間がかかる。
【0019】そこで、本発明の課題は、上記の問題を解
決し、光軸調整を容易にして油中ガス検出感度を向上で
きると共に、気相側体積を小さくし、より早くガス検出
可能とすることができ、かつ光学系の取り外しが容易に
行える油中溶存ガス検出装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決すべく本
発明は、油中に溶存するガスを分離すると共に、採取し
たガスを光ファイバを用いて光学的に検出する油中溶存
ガス検出装置において、油中よりガスのみを抽出する円
筒型フィルタと、このフィルタを囲繞して設けられた外
筒及びこの外筒と円筒型フィルタの両端部を固定するフ
ランジとからなり、フィルタの周りを油で満たすための
採油チャンバと、円筒型フィルタに挿入され、両端もし
くは片端に光ファイバ成端部が固定され、かつ軸方向に
円筒型フィルタ内のガスを導入する測定空間が形成され
ると共に、この測定空間と光ファイバ成端部とを気密に
仕切る窓部を有する円筒型光学ベースと、この円筒型光
学ベースを両フランジに密閉固定する保持手段とを備え
たものである。
【0021】そして、上記フランジの両端に設けられ、
上記光ファイバ成端部から延びた光ファイバケーブルを
囲繞する中空フランジと、その中空フランジを貫通する
上記光ファイバケーブルを密閉固定する固定手段とを備
えたものが好ましい。
【0022】上記構成によれば、予め円筒型光学ベース
に光ファイバ成端部を固定しておくので光軸調整が容易
である。また、光学ベースを円筒型としたので気相側体
積を小さくすることができる。さらに、保持手段と固定
手段とを外すことにより光学系の取り外しが容易に行う
ことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って説明する。
【0024】図1は、本発明を適用した油中溶存ガス検
出装置を示した断面図である。
【0025】まず、本発明の全体の構成を説明する。図
示するように、油中よりガスのみを抽出する円筒型フィ
ルタ20が設けられ、このフィルタ20を外周に採油チ
ャンバ21が形成されている。この採油チャンバ21は
フィルタ20を囲繞して設けられた外筒32と、この外
筒32と円筒型フィルタ20の両端部を固定するフラン
ジ22,23とを有し、フィルタ20の周りを油で満た
すように構成されている。円筒型光学ベース49が円筒
型フィルタ20に挿入され設けられている。円筒型光学
ベース49は、その両端に光ファイバ成端部34,35
が固定され、かつ軸方向に円筒型フィルタ20内のガス
を導入する測定空間43が形成されると共に、この測定
空間43と光ファイバ成端部34,35とを気密に仕切
る窓部41,42を有している。そして、この円筒型光
学ベース49を両フランジ22,23に密閉固定する保
持手段である固定板36,37及びOリング47,48
が設けられている。
【0026】そしてフランジ22,23の両端には光フ
ァイバ成端部34,35からそれぞれ延びた光ファイバ
ケーブル30,31を囲繞する中空フランジ24,25
が設けられている。これら中空フランジ24,25を光
ファイバケーブル30,31が貫通するが、光ファイバ
ケーブル30,31を密閉固定する固定手段であるナッ
ト26,27とパッキン28,29とが設けられてい
る。
【0027】次に、これらの構成を詳述する。
【0028】フィルタ20は、表面に高分子膜20aを
静電塗装方式によりコーティングした焼結金属20b
(またはセラミックス等)より成形され、ガス透過面積
を増やし、かつ高い油圧に対して強度向上を図るため円
筒型となっている。
【0029】外筒32は、フィルタ20を囲繞して円筒
型に形成され、その下部において油を注入するための導
管を接続するコネクタ座50が設けられている。
【0030】上記フィルタ20と外筒32との間に油を
満たす採油チャンバ21を形成すべく、フィルタ20と
外筒32には、その両端部において金属製のフランジ2
2,23が溶接接続されている。これらフランジ22,
23はフィルタ20側から軸方向に沿って外側に貫通し
た円柱状の穴が形成されており、その径はフィルタ20
側からフランジ22,23のほぼ中間部となる所定の位
置までは、円筒型光学ベース49の外径よりも少し大き
い寸法で形成され、そこより外側へは、さらに大きい寸
法で形成され二段に構成されている。
【0031】また、片方のフランジ23には、フィルタ
20の内側の気相部から上部へ向かって開けられたエア
抜き穴45が形成され、その上端部においてエア抜き用
のコネクタ座51が設けられている。これらのコネクタ
座50,51にはそれぞれ開閉自在の封止弁(図示せ
ず)が設けられている。
【0032】光学ベース49は円筒型に形成され、その
両端面に二本の光ファイバの先端である光ファイバ成端
部34,35が予め工場等で機械により光軸調整され溶
接等によって固定されている。円筒型光学ベース49は
外径を光ファイバケーブル30,31の外径よりも大き
くすると共に、フランジ22,23の内径よりも少し小
さく形成されているので、光ファイバケーブル30,3
1の外径はフランジ22,23の内径よりも小さくな
り、この完成した光学系をフランジ22,23により外
筒32と一体となったフィルタ20の内部に挿入するこ
とができる。フランジ22,23の内部空間において、
光学ベース49を囲繞して密閉固定して着脱自在の固定
板36,37及びOリング47,48が設けられてい
る。このOリング47,48は、光学ベースの固定と、
フィルタ20より透過してきたガスが外側へ漏れるのを
防止するために密閉封止を行うことの二つの役目を果た
している。
【0033】さらに、光学ベース49にはフィルタ20
より透過してきたガスをその中心の測定空間43である
貫通穴44に通すための穴46が側面に複数個形成され
ている。そして、貫通穴44の両端部の光ファイバ成端
部34,35の内側には、ガスが光ファイバ成端部3
4,35から漏れるのを防止するために、測定空間43
と光ファイバ成端部34,35とを気密に仕切る窓部4
1,42が形成されている。この窓部41,42は石英
等により構成されており、光学系の組み立て、調整の前
に予め形成しておく。また、この窓部41,42は光の
反射防止のために斜めに形成されている。
【0034】中空フランジ24,25は、上記フランジ
22,23の両端にボルト等で固定して設けられ、各光
ファイバ成端部34,35から延びた光ファイバケーブ
ル30,31が貫通する穴がフランジ22,23側から
外側に向かって設けられている。この穴の内径は光ファ
イバケーブル30,31よりも太く形成されている。
【0035】そして、中空フランジ24,25の外側端
部には、光ファイバケーブル30,31を密閉固定する
ためのナット26,27とパッキン28,29とが着脱
自在に設けられている。これらナット26,27及びパ
ッキン28,29には光ファイバケーブル30,31が
貫通する穴が設けられており、パッキン28,29を中
空フランジ24,25の端部とナット26,27とで挟
持・固定し、光ファイバ成端部34,35と外界を密閉
するように構成されている。
【0036】なお、図2に示すように、採油チャンバ2
1の側面部には、油注入用のコネクタ座52,53がそ
れぞれ設けられ、開閉自在の封止弁(図示せず)が設け
られている。
【0037】以上の構成から本発明の実施の形態の作用
を、上述の油中溶存ガス検出装置の使用方法に基づい
て、図3から図7により説明する。
【0038】図3は油中溶存ガス検出装置内に油を充填
する手順を示した図、図4は油中溶存ガス検出装置のO
Fケーブル絶縁接続箱への取付けの手順を示した図、図
5は図4中、A方向矢視図、図6は従来の装置でのノイ
ズを示すグラフ、図7は本発明の装置でのノイズを示す
グラフである。
【0039】まず、油中溶存ガス検出装置内に油を充填
する手順を説明する。
【0040】図3に示すように、油中溶存ガス検出装置
側面のコネクタ座52に、導管55を接続し、その先端
に絶縁コネクタ56を接続する。そして、絶縁コネクタ
56にコネクタ57を介して真空ポンプ58を接続し、
その中間部に開閉自在のバルブ61を設ける。また、別
のコネクタ座53に、バルブ60を介して油圧タンク5
9を接続する。
【0041】このとき、油中溶存ガス検出装置のコネク
タ座50,51は封止弁で密閉して、バルブ60は閉
じ、バルブ61は開く。そして、真空ポンプ58で油中
溶存ガス検出装置内の採油チャンバ21、配管55内及
び絶縁コネクタ56内を真空状態にする。その後、バル
ブ61を閉じ、真空ポンプ58を停止し取り外し、バル
ブ60を開き、油圧タンク59から油を注入し充満させ
る。
【0042】なお、配管55を接続するのは、油が循環
する経路を設け、劣化部で発生したガスが油中溶存ガス
検出装置に到達する時間を短縮するためである。また、
絶縁コネクタ56は、使用例を絶縁接続箱としたためで
あり、それを必要としない他の電気機器への取付けの際
には、除外されるものである。
【0043】次に、OFケーブル絶縁接続箱への取付け
に移る。図4及び図5に示すように、コネクタ57から
バルブ61にかけての配管を外し、コネクタ57から油
を溢れさせると共に、絶縁接続箱54の下口62を開
き、こちらからも油を溢れさせ、空気の混入のないよう
にコネクタ57と絶縁接続箱54の下口62とを接続す
る。その後、コネクタ座50に接続したコネクタ64か
ら油を溢れさせると共に、絶縁接続箱54の上口63を
開き、こちらからも油を溢れさせ、空気の混入のないよ
うにコネクタ64と絶縁接続箱54の上口63とを接続
する。そして、バルブ60を閉じ、油圧タンク59を取
り外し、コネクタ座53からバルブ60にかけての配管
を取り外し、コネクタ座53を封止弁で閉じ、油中溶存
ガス検出装置の取付けを完了する。
【0044】取付け完了後、油内にメタンやアセチレン
等のガスが、部分放電や局部加熱等の何等かの原因で発
生した場合、これらのガスが高分子膜20a及び焼結金
属20bからなるフィルタ20を透過する。このとき、
エア抜き用のコネクタ座51に真空ポンプを接続して、
気相部を真空引きすると効率的である。そして、フィル
タ20内の円筒型光学ベース49の穴46を通り、内部
の測定空間43である貫通穴44にガスが充填される。
【0045】ここで、光学ベースを従来の半円筒型から
円筒型にしたことと、窓部で円筒型ベースを密閉したこ
とにより、フィルタ20内の気相体積が従来のものより
小さくなり(約半分)、高分子膜20aの油中ガス透過
時定数が小さく、早くガス飽和状態に達することができ
る。よって、早くガスが検出可能となる。ここで、油中
ガス透過時定数の式を式2に示す。
【0046】 τ(63%)=V/(101325×A×α)…(2) ここで、Vは気相側体積、τは油中ガス透過時定数、α
は油中ガス透過係数、Aは膜の面積を表す。油中ガス透
過係数αは、ガスの種類によって異なるが、既知の値で
ある。従来の検出装置と本発明の検出装置の比較におい
て、膜の面積が一定であれば、気相側体積Vが約半分に
なれば、式2より油中ガス透過時定数τも比例して約半
分になる。
【0047】検出対象とするガスの吸収線と同じ波長を
持つレーザ光(例えば、アセチレンでは1.5μm近
辺)を光ファイバケーブル30,31中に伝達させる
と、ガス検出器の気相部で光の減衰が生じる。ガス吸収
線の中心での吸収量と光源の波長をややシフトしたとき
の減衰量の差と吸収線の線幅とからガス濃度と全圧とが
求まる。ここで求めた濃度と全圧とから検出ガスの分圧
が求まる。なお、詳細な測定系を、本発明者提案の特願
平6−235453号のものを用いてガス濃度とフィル
タ20内の全圧とを求める。そして、求めた圧力から式
1の式を用いて検出対象ガスの油中ガス濃度を算出でき
る。
【0048】上記のガス検出作業において、光ファイバ
成端部34,35を円筒型光学ベース49の両端に固定
することによって、光学ベース49の両端面の平行度や
中心軸に対する直行度を予め工場等で機械加工で出して
おけば、光ファイバ成端部34,35を取り付けるだけ
で光軸を容易に調整でき、光の結合効率を2dB程度
(従来3〜4dB)におさめることができ、ノイズを抑
制し検出感度が向上する。図6,図7に示すように、従
来のノイズ5ppm相当を2ppmに改善した。
【0049】また、完成した光学系(光ファイバ成端部
34,35,円筒型光学ベース49)は、採油チャンバ
21内の円筒型フィルタ20内に、Oリング47,48
と固定板36,37とからなる着脱自在の保持手段によ
り密閉固定する構成となっているため、組立て作業製が
よく、光学系の組み込み後も容易に光学系を取り外すこ
とができる。
【0050】さらに、中空フランジを貫通する上記光フ
ァイバケーブル30,31をナット26,27とパッキ
ン28,29とからなる着脱自在の固定手段により密閉
固定するようにしたので、フランジ22,23及び中空
フランジ24,25を無駄にすることがなく、これらの
フランジ22,23及び中空フランジ24,25を用い
て、再度新たな光学系の挿入が可能となる。
【0051】また、ナット26,27とパッキン28,
29とにより、光ファイバ成端部34,35と外界を密
閉するように構成されているので、埃や水から光学系を
保護することができる。
【0052】なお、本実施の形態では、円筒型光学ベー
ス49の両側に光ファイバ成端部を設けるようにした
が、図8に示すように、円筒型光学ベース49の片端
に、往路用及び復路用の二本のファイバを備えた光ファ
イバ成端部39を固定し、他端には反射板38を固定す
るようにしてもよい。これにより、光ファイバ引き出し
部が片側だけになるので装着の手間が少なくなる。
【0053】また、本発明の油中溶存ガス検出装置はO
Fケーブルのみならず、他の油入り電気機器への取付け
も可能である。
【0054】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、以下のよ
うな優れた効果を発揮する。
【0055】(1)容易に光軸調整ができ精度の高い光
学系を提供することができる。
【0056】(2)光の損失量を約2dBに低減し、油
中ガス検出感度を向上(従来10ppmを3ppmに改
善)させる。
【0057】(3)光学系の取付けが容易であり、交換
後もフランジを再利用することができる。
【0058】(4)フィルタ内の気相側体積が小さくな
り、高分子膜の油中ガス透過時定数が小さくなるので、
ガス透過時間を短くでき早くガス飽和状態に達して、早
くガスが検出可能となり、時間の短縮を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した油中溶存ガス検出装置を示す
断面図である。
【図2】図1中、A方向矢視図である。
【図3】油中溶存ガス検出装置内に油を充填する手順を
示した図である。
【図4】油中溶存ガス検出装置のOFケーブル絶縁接続
箱への取付けの手順を示した図である。
【図5】図4中、A方向矢視図である。
【図6】従来の装置でのノイズを示すグラフである。
【図7】本発明の装置でのノイズを示すグラフである。
【図8】他の実施の形態を示す断面図である。
【図9】従来の油中溶存ガス検出装置を示す断面図であ
る。
【図10】改良された従来の油中溶存ガス検出装置を示
す断面図である。
【符号の説明】
20 円筒型フィルタ 21 採油チャンバ 22,23 フランジ 24,25 中空フランジ 26,27 ナット(固定手段) 28,29 パッキン(固定手段) 30,31 光ファイバケーブル 32 外筒 36,37 固定板(保持手段) 39,40 光ファイバ成端部 41,42 窓部 43 測定空間 47,48 Oリング(保持手段) 49 円筒型光学ベース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/61 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油中に溶存するガスを分離すると共に、
    採取したガスを光ファイバを用いて光学的に検出する油
    中溶存ガス検出装置において、油中よりガスのみを抽出
    する円筒型フィルタと、該フィルタを囲繞して設けられ
    た外筒を有し、該外筒と上記円筒型フィルタの両端部を
    固定するフランジを有する上記フィルタの周りを油で満
    たすための採油チャンバと、上記円筒型フィルタに挿入
    され、両端もしくは片端に光ファイバ成端部が固定さ
    れ、かつ軸方向に円筒型フィルタ内のガスを導入する測
    定空間が形成されると共に、該測定空間と光ファイバ成
    端部とを気密に仕切る窓部を有する円筒型光学ベース
    と、該円筒型光学ベースを上記両フランジに密閉固定す
    る保持手段とを備えたことを特徴とする油中溶存ガス検
    出装置。
  2. 【請求項2】 上記フランジの両端に設けられ、上記光
    ファイバ成端部から延びた光ファイバケーブルを囲繞す
    る中空フランジと、その中空フランジを貫通する上記光
    ファイバケーブルを密閉固定する固定手段とを備えた請
    求項1記載の油中溶存ガス検出装置。
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