JP3285890B2 - プラスミノーゲン活性化因子−多孔質体複合体 - Google Patents
プラスミノーゲン活性化因子−多孔質体複合体Info
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Description
化因子−多孔質体複合体に関する。
因子は、プラスミノーゲンに作用してこれを活性化し、
血液成分の抗凝固因子の一つであるプラスミンに変換す
る因子である。このようなプラスミノーゲン活性化因子
は、例えば、血栓溶解剤として、脳血栓患者等に血中投
与されている。
性化因子を投与した場合には、血液中のプラスミノーゲ
ン活性化因子阻害物質によって急速に活性を失う。ま
た、プラスミノーゲン活性化因子によって活性化された
プラスミンに対しても、血液中のプラスミン阻害物質の
作用により、血栓溶解活性が失われてしまう。従って、
十分な血栓溶解作用を得るためには、多量のプラスミノ
ーゲン活性化因子を投与する必要がある。しかし、プラ
スミノーゲンを多量に投与した場合、プラスミノーゲン
活性化因子の精製が完全に行われていないと、プラスミ
ノーゲン以外の異種たんぱく質やペプチド鎖のような不
純物質が混入して、重篤な副作用を起こす危険性が高ま
る等の問題があった。
ーゲン活性化因子の活性を長期間にわたって維持するこ
とができるプラスミノーゲン活性化因子−多孔質体複合
体を提供することを目的とする。
ウムからなる多孔質体にプラスミノーゲン活性化因子を
共有結合したことを特徴とするプラスミノーゲン活性化
因子−多孔質体複合体である。
体としては、α−リン酸三カルシウム、β−リン酸三カ
ルシウム、水酸化アパタイトのうち少なくとも1種から
なる多孔質体を使用することができる。
は、ウロキナーゼ、又は、組織プラスミノーゲン活性化
因子を使用することができる。
体複合体によれば、プラスミノーゲン活性化因子が、生
体適合性に優れたリン酸カルシウムからなる多孔質体に
固定化されている。これにより、この複合体を、血液中
に投与したり、生体内に埋入したり、バイオリアクター
として利用した場合に長期間安定にプラスミノーゲン活
性化因子活性を維持する。
としてウロキナーゼを、β−リン酸三カルシウム多孔質
体に保持させたプラスミノーゲン活性化因子多孔体複合
体について説明する。
ム多孔質体からなる担体(β−TCP担体)の生体適合
性について、次のようにして、ヒト胎児腎由来細胞によ
る組織培養試験を行った。
EM培地において、β−TCP担体に付着させたヒト胎
児腎由来細胞(細胞名:293細胞、大日本製薬)を、
37℃の炭酸ガス恒温器中(5%炭酸ガス濃度)で培養
する。シャーレから培地を吸引した後、リン酸緩衝液で
細胞が付着しているβ−TCP担体を洗浄して、浮遊細
胞を除去する。次に、トリプシン溶液を加え、3分間反
応させた後、軽くピペティングすることにより、β−T
CP担体から細胞を剥離する。全細胞数は、血球計算盤
及びコールターカウンターで算定する。また、生細胞数
は、トリパンブルー染色法により求めた。さらに、比増
殖速度(μ)は、培養2日目から5日目にかけての対数
増殖における細胞数から、次の式(1)から算定され
る。
数を示す。
質量は、β−TCP担体をリン酸緩衝液で洗浄した後、
0.5NNaOH2mlを添加し、付着細胞を溶解させ
た。この溶解液中のたんぱく質濃度を、牛血清アルブミ
ンを標準たんぱく質としてLowly 法で測定する。
殖速度及び細胞たんぱく質質量を測定した結果、プラス
チック培養皿(Lux)で培養した場合と比較して、い
ずれの点でも10%以内の差異にとどまり、β−TCP
担体が生体適合性に優れた担体であることが確認され
た。
ド法により、β−TCP担体に共有結合する例について
説明する。
CP担体2〜5g(乾燥重量)を秤量し、500ml容量
の三角フラスコに入れる。この三角フラスコ中に、2容
量%のアミノプロピルトリエトキシシラン/トルエン溶
液100mlを加える。次いで、この三角フラスコにリー
ビッヒ冷却管を装着して、油浴中で110℃、6時間還
流加熱する。
スコを使用して、β−TCPを担体約50mlのトルエン
で洗浄した後、60〜100℃で乾燥する。
カラムに充填する。このガラスカラムには、パスツール
ピペット(内径5mm)を用いて、水晶ガラスウールをβ
−TCP担体の上下に充填して、β−TCP担体を保持
させる。
重量%のグルタルアルデヒドを含む0.01Mリン酸緩
衝液(pH7)10mlを、ベリスタポンプを用いて4℃
で循環させる。さらに、0.01Mリン酸緩衝液50ml
を24時間循環させて洗浄する。この際のポンプ流量は
6ml/分である。
を含む0.01Mリン酸緩衝液10mlを、4℃で24時
間、カラム内を循環させて、ウロキナーゼをβ−TCP
担体に固定化する。
担体を、0.5M塩化ナトリウム/1Mリン酸緩衝液1
0ml及び0.01Mリン酸緩衝液20mlで順次洗浄し
て、未結合のウロキナーゼを除去する。
ド法によるプラスミノーゲン活性化因子の固定化方法に
ついて説明したが、この他に、臭化シアン法、ジアゾ化
法、過ヨウ素酸法や、二官能試薬による担体と酵素の架
橋法としてグルタルアルデヒドの他にビスマレインイミ
ド類、ジハロゲン化アリール類、ジイソシアノート類を
使用することによっても行うことができる。
β−TCP複合体を、カラムに充填し、10%血清を含
む疑似生体液を連続的に供給したところ、流出液中のプ
ラスミン活性は100時間以上高い活性を示した。
P複合体を血液中に投与して、血栓または血栓前駆体を
分解して除去することができる。この際に、ウロキナー
ゼは、β−TCPに固定化されているため、血液中のプ
ラスミノーゲン活性化因子阻害物質による失活を受け難
い。これにより、長期間にわたって血液中で血栓溶解作
用を維持することができる。さらに、β−TCPは、生
体適合性に優れているので、血液中に投与しても生体に
与える影響が少ない。
所定形状に成形したものを、生体内に埋入してウロキナ
ーゼを徐放させることもできる。
らなる担体(HAP担体)について、実施例1と同様
に、ヒト胎児腎由来細胞による組織培養試験を行った結
果、プラスチック培養皿(Lux)で培養した場合と比
較して、生育細胞数、細胞比増殖速度及び細胞たんぱく
質質量の点でいずれも10%以内の差異にとどまり、H
AP担体が生体適合性に優れた担体であることが確認さ
れた。
ウロキナーゼをグルタルアルデヒド法で共有結合し、ウ
ロキナーゼ−HAP複合体を調製した。
に充填して、10%血清を含む疑似生体液を連続的に供
給したところ、流出液中のプラスミン活性は、200時
間以上高い活性を示した。
含有したリン酸三カルシウム多孔質体からなる担体(H
AP/β−TCP担体)について、実施例1と同様に、
ヒト胎児腎由来細胞による組織培養試験を行った結果、
プラスチック培養皿(Lux)で培養した場合と比較し
て、生育細胞数、細胞比増殖速度及び細胞たんぱく質質
量の点でいずれも10%以内の差異にとどまり、HAP
/β−TCP担体が生体適合性に優れた担体であること
が確認された。
1と同様に、ウロキナーゼをグルタルアルデヒド法で共
有結合し、ウロキナーゼ−HAP/β−TCP複合体を
調製した。
合体をカラムに充填して、10%血清を含む疑似生体液
を連続的に供給したところ、流出液中のプラスミン活性
は、140時間以上高い活性を示した。
ーゼを多孔質体に固定化した場合について説明したが、
組織プラスミノーゲン活性化因子を同様に固定化するこ
ともできる。
多孔質体複合体によれば、プラスミノーゲン活性化因子
を生体適合性に優れたリン酸カルシウムからなる多孔質
体に固定化することにより、プラスミノーゲン活性化因
子の活性を長期間にわたって維持することができると共
に、プラスミノーゲン活性化因子−多孔質体複合体をカ
ラム充填したバイオリアクターや細粒化したプラスミノ
ーゲン活性化因子−多孔質体複合体を血液中に投与する
等の新規な適用を可能にする等の効果を奏するものであ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 リン酸カルシウム系化合物からなるリン
酸カルシウム多孔質体と、 アミノ基を有し、前記リン酸カルシウム多孔質体の表面
に共有結合するシラン系化合物と、 前記リン酸カルシウム多孔質体の表面に共有結合した前
記シラン系化合物のアミノ基に対して共有結合する中間
体と、 前記リン酸カルシウム多孔質体に前記シラン系化合物を
介して共有結合で固定化された前記中間体に対して共有
結合するプラスミノーゲン活性化因子と、 を備えたことを特徴とするプラスミノーゲン活性化因子
−多孔質複合体。 - 【請求項2】 リン酸カルシウム系化合物からなるリン
酸カルシウム多孔質体と、 アミノ基を有し、前記リン酸カルシウム多孔質体の表面
に共有結合するシラン系化合物と、 前記リン酸カルシウム多孔質体の表面に共有結合した前
記シラン系化合物のアミノ基に対して共有結合するグル
タルアルデヒドと、 前記リン酸カルシウム多孔質体に前記シラン系化合物を
介して共有結合で固定化されたグルタルアルデヒドに対
して共有結合するプラスミノーゲン活性化因子と、 を備えたことを特徴とするプラスミノーゲン活性化因子
−多孔質複合体。 - 【請求項3】 リン酸カルシウム系化合物からなるリン
酸カルシウム多孔質体の表面にアミノ基を有するシラン
系化合物を共有結合するシラン系化合物結合工程と、 前記シラン系化合物結合工程により前記リン酸カルシウ
ム多孔質体の表面に共有結合した前記シラン系化合物の
アミノ基に対してグルタルアルデヒドを共有結合するグ
ルタルアルデヒド結合工程と、 前記グルタルアルデヒド結合工程により共有結合したグ
ルタルアルデヒドに対してプラスミノーゲン活性化因子
を共有結合するプラスミノーゲン活性化因子結合工程
と、 を備えたことを特徴とするプラスミノーゲン活性化因子
固定化方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07720291A JP3285890B2 (ja) | 1991-03-18 | 1991-03-18 | プラスミノーゲン活性化因子−多孔質体複合体 |
US08/246,940 US5491082A (en) | 1991-03-18 | 1994-05-20 | Plasminogen activator covalently bonded to a porous body of β-tricalcium phosphate |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07720291A JP3285890B2 (ja) | 1991-03-18 | 1991-03-18 | プラスミノーゲン活性化因子−多孔質体複合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05310595A JPH05310595A (ja) | 1993-11-22 |
JP3285890B2 true JP3285890B2 (ja) | 2002-05-27 |
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ID=13627245
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP07720291A Expired - Fee Related JP3285890B2 (ja) | 1991-03-18 | 1991-03-18 | プラスミノーゲン活性化因子−多孔質体複合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3285890B2 (ja) |
-
1991
- 1991-03-18 JP JP07720291A patent/JP3285890B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05310595A (ja) | 1993-11-22 |
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