JP3284638B2 - 接合フェライトの製造方法 - Google Patents

接合フェライトの製造方法

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JP3284638B2 JP02044293A JP2044293A JP3284638B2 JP 3284638 B2 JP3284638 B2 JP 3284638B2 JP 02044293 A JP02044293 A JP 02044293A JP 2044293 A JP2044293 A JP 2044293A JP 3284638 B2 JP3284638 B2 JP 3284638B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/34Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites
    • H01F1/342Oxides
    • H01F1/344Ferrites, e.g. having a cubic spinel structure (X2+O)(Y23+O3), e.g. magnetite Fe3O4

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  • Dispersion Chemistry (AREA)
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  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高性能VTR等に使わ
れる複合型磁気ヘッド等に用いられる接合フェライトの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高性能なビデオヘッド等の磁気ヘ
ッドの磁気コアとして、Mn−Znフェライト単結晶に
替わり、フロントギャプ側にMn−Znフェライト単結
晶、バックギャプ側にMn−Znフェライト多結晶を配
して構成される接合フェライトが採用されている。前記
接合フェライトを磁気コアとして採用した磁気ヘッド
は、Mn−Znフェライト単結晶を磁気コアとした磁気
ヘッドと比較し、摺動ノイズが低く、S/N比が高い特
徴がある。
【0003】このような接合フェライトは、Mn−Zn
フェライト単結晶とMn−Znフェライト多結晶をそれ
ぞれ作製し、続いて加圧しながら熱処理し接合する方法
により製造されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
接合フェライトの製造方法では、十分にMn−Znフェ
ライト単結晶とMn−Znフェライト多結晶の固相熱拡
散をおこさせるため、Mn−Znフェライト単結晶とM
n−Znフェライト多結晶を直接接触させ、数MPaで
加圧しながら1200℃以上の高温で処理することが必
要である。このため、接合界面でMn−Znフェライト
多結晶の粒成長が起こり、接合界面が数μm〜数十μm
乱れている。この結果、前記製造方法で作製した接合フ
ェライトを磁気コアとした磁気ヘッドの摺動ノイズは、
Mn−Znフェライト単結晶を磁気コアとした磁気ヘッ
ドと比較し、十分に低いものの、バラツキが大きくなる
問題が生じている。
【0005】また、Mn−Znフェライト多結晶として
加工性に優れた熱間等方圧プレス処理を施した高性能な
Mn−Znフェライト多結晶(以下、HIP材とす
る。)を用いて従来の接合フェライトの製造方法で接合
した場合、HIP材の気孔が戻るため、ヘッドチップの
加工時における寸法精度及びHIP材の特性が劣化して
しまう。そのため、従来の接合フェライトの製造方法で
は、HIP材を適用することはできない。
【0006】そこで、本発明は接合界面を平坦に制御す
るとともに、低温で接合が可能な接合フェライトの製造
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、Mn−Znフ
ェライト単結晶とMn−Znフェライト多結晶とを接合
してなる接合フェライトの製造方法において、接合面に
Zrのナフテン酸塩または2−エチルヘキサン酸塩を混
合した溶液を配し接合することを特徴とするものであ
る。
【0008】
【作用】かかる本発明において、Mn−Znフェライト
単結晶とMn−Znフェライト多結晶の接合面に、接合
面にZrのナフテン酸塩または2−エチルヘキサン酸塩
を混合した溶液を配することにより、従来の接合フェラ
イトの製造方法の接合温度よりも低い温度で接合するこ
とが可能となるとともに、接合界面を非常に平坦に制御
することも可能となる。このため、本発明の製造方法に
より作製した接合フェライトを採用した磁気ヘッドは、
従来の製造方法で作製した接合フェライトを磁気コアと
した磁気ヘッドと比較し、摺動ノイズをより低減でき、
かつバラツキを小さくすることが可能となる。また、H
IP材の気孔が戻らない温度で接合が可能になるため、
Mn−Znフェライト多結晶としてHIP材を高性能な
まま適用することが可能となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により説明す
るが、本発明がこの実施例に限定されるものではないこ
とは言うまでもない。 〔実施例1〕先ず、Mn−Znフェライト多結晶を作製
した。
【0010】即ち、Fe2 3 52.5モル%、ZnO
19.0モル%、MnO 28.5モル%からなるフ
ェライト原料粉を湿式混合し、これらを乾燥させた後、
所定のサイズのブロックにプレス成形し、続いて130
0℃の温度のもとで5時間かけて焼結し、Mn−Znフ
ェライト多結晶を得た。次に、Mn−Znフェライト単
結晶を作製した。
【0011】即ち、上述のMn−Znフェライト多結晶
の作製方法と同様にMn−Znフェライト多結晶を作製
し、得られたMn−Znフェライト多結晶を公知のブリ
ッジマン法により白金ルツボ中で溶解させた後、先端部
より単結晶化させMn−Znフェライト単結晶を得た。
続いて、得られたMn−Znフェライト多結晶とMn−
Znフェライト単結晶よりおのおの30mm×10mm
×3mmの平板に加工し、30mm×10mmの接合面
を鏡面に加工した。
【0012】その後、Mn−Znフェライト単結晶の接
合面にナフテン酸ZrをZrに勘算して4重量%含んだ
ブタノール溶液を数ml滴下し、Mn−Znフェライト
多結晶の接合面を接触させ、接触面の法線方向より1M
Paの圧力を加えながら、1体積%O2 −99体積%N
2 雰囲気のもと800℃で2hr熱処理を行い接合フェ
ライトを得た。
【0013】このようにして得られた接合フェライトの
剥がれ率及び平均拡散層を測定し従来の製造方法で作製
した接合フェライト(以後、従来材とする。)と比較し
た結果を表1に示す。
【0014】即ち表1は接合面にナフテン酸ZrをZr
に勘算して4重量%含んだブタノール溶液を配し接合し
た接合フェライトの剥がれ率及び平均拡散層を従来材と
比較する表である。
【0015】ここで、剥がれ率とは、測定した接合界面
の長さに対する剥がれている部分の長さの割合とした。
また、拡散層を接合後接合界面より法線方向にMn−Z
nフェライト多結晶が単結晶化した長さと定義し、10
点の平均を平均拡散層とした。
【0016】
【表1】
【0017】表1より明らかなように、従来の製造方法
よりも400℃以上低い接合温度で、剥がれが無く、し
かも、従来材と比較し平均拡散層が1μm以下と小さく
接合界面が非常に平坦であり乱れがない接合フェライト
が得られた。
【0018】〔実施例2〕実施例1と同様な組成及び作
製法で、Mn−Znフェライト多結晶及びMn−Znフ
ェライト単結晶を作製した。
【0019】その後、Mn−Znフェライト多結晶をA
rにより100MPaで加圧しながら、1200℃で2
hrHIP処理を行いHIP材を作製した。続いて、得
られたHIP材とMn−Znフェライト単結晶よりおの
おの30mm×10mm×3mmの平板に加工し、30
mm×10mmの接合面を鏡面に加工した。
【0020】そして、得られたHIP材及びMn−Zn
フェライト単結晶を用いて、2−エチルヘキサン酸Zr
をZrに勘算して10重量%及び2−2-エチルヘキサン
酸CaをCaに勘算して0.4重量%含んだブタノール
溶液を配した接合フェライトの作製における接合温度と
接合の良否及びHIP材の気孔率の関係を検討するた
め、接合温度を400℃〜1100℃と変化させ、他の
条件及び作製法は実施例1と同様にして接合を行った。
この結果を表2に示す。
【0021】即ち表2は接合面に2−エチルヘキサン酸
ZrをZrに勘算して10重量%及び2−エチルヘキサ
ン酸CaをCaに勘算して0.4重量%含んだブタノー
ル溶液を配し接合した接合フェライトの作製における接
合温度と接合の良否及びHIP材の気孔率の関係を示す
表である。
【0022】
【表2】
【0023】表2に示すように、本発明を適用した場
合、500〜1000℃の温度で接合することにより、
HIP材の気孔が戻らなく、しかも、剥がれが無く、接
合界面が非常に平坦であり乱れがない良好な接合状態の
接合フェライトが得られることが判明した。
【0024】〔実施例3〕実施例1及び実施例2と同様
な組成及び作製法で、接合面を鏡面加工した30mm×
10mm×3mmのHIP材及びMn−Znフェライト
単結晶の平板を作製した。
【0025】そして、得られたHIP材及びMn−Zn
フェライト単結晶を用いて、ナフテン酸ZrをZrに勘
算して5重量%及びナフテン酸YをYに勘算して0.3
重量%含んだトルエン溶液を配した接合フェライトの作
製における接合温度と接合の良否及びHIP材の気孔率
の関係を検討するため、接合温度を400℃〜1100
℃と変化させ、他の条件及び作製法は実施例2と同様に
して接合を行った。この結果を表3に示す。
【0026】即ち、表3は接合面にナフテン酸ZrをZ
rに勘算して5重量%及びナフテン酸YをYに勘算して
0.3重量%含んだトルエン溶液を配し接合した接合フ
ェライトの作製における接合温度と接合の良否及びHI
P材の気孔率の関係を示す表である。
【0027】
【表3】
【0028】表3に示すように、本発明を適用した場
合、500〜1000℃の温度で接合することにより、
HIP材の気孔が戻らなく、しかも、剥がれが無く、接
合界面が非常に平坦であり乱れがない良好な接合状態の
接合フェライトが得られることが判明した。
【0029】以上述べてきたように、Mn−Znフェラ
イト単結晶とMn−Znフェライト多結晶とを接合して
なる接合フェライトの製造方法において、接合面にZr
のナフテン酸塩または2−エチルヘキサン酸塩を混合し
た溶液を配し接合することにより、接合温度を低くで
き、しかも、接合界面を非常に平坦に制御することがで
きた。
【0030】尚、上述実施例においては、Mn−Znフ
ェライト多結晶及びMn−Znフェライト単結晶の作製
時の原料粉の混合割合を、Fe2 3 を52.5モル
%、ZnOを19.0モル%、MnOを28.5モル%
とした場合について述べたが、この混合割合はFe2
3 が50.0〜65.0モル%、ZnOが5.0〜3
0.0モル%、MnOが5.0〜45.0モル%の範囲
で任意に設定することができ、この場合にも上述同様の
作用 効果を得ることができる。
【0031】また、必要に応じて前記混合割合の組成
に、Fe2 3 、ZnO、MnO以外の酸化物の中、1
種類以上を0.010.01重量%以上1重量%以下添加し
た場合でも上述同様の作用効果を得ることができる。
【0032】また、Zrのナフテン酸塩または2−エチ
ルヘキサン酸塩を混合した溶液の塗布方法として、滴下
する方法について述べたが、デッピング法及びスピンコ
ート法等の他の方法で塗布しても上述同様の作用効果を
得ることができる。
【0033】
【発明の効果】本発明に依れば、Mn−Znフェライト
単結晶とMn−Znフェライト多結晶の接合面に、Zr
のナフテン酸塩または2−エチルヘキサン酸塩を混合し
た溶液を配することにより、従来の接合フェライトの製
造方法の接合温度よりも低い温度で接合することが可能
となるとともに、接合界面を非常に平坦に制御すること
も可能となる。
【0034】このため、本発明の製造方法により作製し
た接合フェライトを採用した磁気ヘッドは、従来の製造
方法で作製した接合フェライトを磁気コアとした磁気ヘ
ッドと比較し、摺動ノイズをより低減でき、かつバラツ
キを小さくすることが可能となる。また、HIP材の気
孔が戻らない温度で接合が可能になるため、Mn−Zn
フェライト多結晶として、HIP材を高性能なまま適用
することが可能となる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mn−Znフェライト単結晶とMn−Z
    nフェライト多結晶とを接合してなる接合フェライトの
    製造方法において、 接合面にZrのナフテン酸塩または2−エチルヘキサン
    酸塩を混合した溶液を配し接合することを特徴とする接
    合フェライトの製造方法。
  2. 【請求項2】 Zrのナフテン酸塩または2−エチルヘ
    キサン酸塩を混合した溶液にCaまたはYが添加してあ
    ることを特徴とする請求項1記載の接合フェライトの製
    造方法。
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