JP3282700B2 - コーティング膜の形成法 - Google Patents

コーティング膜の形成法

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孝志 杉田
昭宏 岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コーティング膜の形
成法に関し、母材とコーティング膜との間に熱膨張率差
があっても剥離などを生じさせること無く強固にコーテ
ィングできるようにしたものであり、特に耐酸化性のセ
ラミックコーティング等に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】金属やセラミックス等の母材表面にコー
ティング膜を形成することは母材の耐熱性、耐酸化性、
耐摩耗性、断熱性、電気絶縁性などの改善を目的として
行われている。
【0003】たとえば高温高強度材のカーボン(C)、
窒化ケイ素(Si3N4 )、炭化ケイ素(Si C)、ニッ
ケル基合金、コバルト系合金などを母材として、その耐
酸化性などを向上させるため炭化ケイ素などのコーティ
ング膜を化学蒸着法(CVD)、物理蒸着法(PVD)
で形成することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなコーティン
グ膜を形成する場合、母材とコーティング膜との熱膨張
率に差があると、高温状態で形成したコーティング膜が
冷却されたときに収縮し、クラックが発生する。
【0005】このクラックの発生はコーティング膜の厚
さによって異なり、薄いコーティング膜の場合には、亀
裂が微細で網の目のように細かく発達した状態になって
剥離も生じ難いのに対し、厚いコーティング膜の場合に
は、大きい亀裂が粗い組織で形成され、場合によっては
母材から剥離してしまう。
【0006】通常、母材の耐酸化性などの向上を目的と
するコーティング膜の形成の場合には、厚いコーティン
グ膜が必要であり、粗いクラックの発生によって所定の
性質の改善を図ることができないという問題がある。
【0007】この発明はかかる従来技術の問題点に鑑み
てなされたもので、母材とコーティング膜とに熱膨張率
の差があっても粗いクラックや剥離を生じさせること無
く強固なコーティング膜を形成することができるコーテ
ィング膜の形成法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めこの発明のコーテイング膜の形成法は、母材表面に熱
膨張率に差があるコーティング膜を高温状態で形成する
に際し、母材表面に薄いコーティング膜を形成して冷却
させ微細なクラックを発生させた後、この微細なクラッ
ク表面に所定厚さまでコーテイング膜を成形するように
したことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】このコーティング膜の形成法によれば、母材と
コーティング膜との熱膨張率に差がある場合に、コーテ
ィングを2段階に分けて行い、まず、母材表面に薄いコ
ーティング膜を形成して冷却させ、このコーティング膜
に微細なクラックを発生させた後、この微細なクラック
表面に所定厚さまでコーティング膜を形成するようにし
ており、厚いコーティング膜が熱収縮する場合に薄いコ
ーティング膜のマイクロクラックを転写させるようにし
ている。
【0010】これにより、母材表面に形成されるコーテ
ィング膜のクラックの微細化と熱応力の分散化をはかる
ことができ、強固なコーティング膜として耐酸化性等の
向上を図ることができるようにしている。
【0011】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面を参照しな
がら詳細に説明する。図1はこの発明のコーティング膜
の形成法の一実施例の工程図である。
【0012】このコーティング膜の形成法は、母材とコ
ーティング膜との熱膨張率に差がある場合に適用するも
のであり、たとえば炭素を母材とし、この表面に炭化ケ
イ素をコーティングする場合に適用される。
【0013】この場合には、母材である炭素の熱膨張率
がほとんど0に近いのに比べてコーティング膜の炭化ケ
イ素の熱膨張率が大きく、CVD等でコーティングして
冷却すると、コーティング膜の熱収縮によって大きなク
ラックが発生し、剥離する場合もある。
【0014】そこで、このコーティング膜の形成法で
は、まず、炭素で構成された母材1の表面にコーティン
グ膜2をCVDやPVDによって薄く形成する。
【0015】この場合のコーティング膜2の厚さは、冷
却した場合に、あまり薄いと熱収縮が生じてもクラック
が発生しないことおよびあまり厚いと熱収縮によって粗
いクラックが発生することから、冷却した場合に微細な
クラック3が発生する程度に選定し、たとえば0.1〜
10μm 範囲にする。
【0016】こののち、薄いコーティング膜2を形成し
た状態で母材1とともに冷却すると、母材1とコーティ
ング膜2との熱収縮によってコーティング膜2に微細ク
ラック3が発生する。
【0017】この微細クラック3は母材1と強固に付着
した状態であり、クラックの空隙も極小さい状態になっ
ている。
【0018】次に、微細化されたクラック3が形成され
た薄いコーティング膜2の表面にさらに必要厚さとなる
までCVDやPVDによって厚いコーティング膜4を形
成する。
【0019】こうして所定厚さまで母材1の表面にコー
ティング膜2,4を2段階に分けて形成したのち母材1
とともに冷却すると、コーティング膜4が厚いため熱収
縮も大きくなって厚いコーティング膜4の下側に薄いコ
ーティング膜2から引張応力が作用するが、既に薄いコ
ーティング膜2に微細なクラック3が形成されているの
で、この微細クラック3が転写されるようにクラック5
が発生し、多くの微細クラック5によって応力が分散化
されて集中が防止されたコーティング膜2,4となり、
強固なコーティング膜2,4となる。
【0020】なお、母材1の表面にコーティング膜2,
4が形成された後、コーティング膜2,4の微細クラッ
クが製品の品質上問題となる場合には、さらに微細クラ
ックを目止するようにシールコートを形成するようにす
ることも可能である。
【0021】このように厚いコーティング膜2,4を形
成する場合に、薄いコーティング膜2を形成し、これを
冷却して微細クラック3を生じさせた後、この表面に厚
くコーティング膜4を形成し、薄いコーティング膜2の
微細クラック3を転写させるようにしたので、厚いコー
ティング膜4には、粗く大きなクラックや剥離の発生を
防止して、発生するクラックを制御しながら、厚いコー
ティング膜4を強固に形成することができる。
【0022】また、厚いコーテイング膜4には、粗く大
きなクラックがないので、ガラスコーティング等でさら
にシールする場合にも容易にガラスコーティングを行う
ことができる。
【0023】なお、上記実施例では、母材として炭素を
用い、その表面にコーティング膜として耐酸化性を向上
するため炭化ケイ素の膜を形成する場合を例に説明した
が、これに限らず、母材としては、たとえば高温高強度
材の窒化ケイ素(Si3N4 )、炭化ケイ素(Si C)、
ニッケル基合金、コバルト系合金などを用いることがで
き、コーティング膜としてはコーティングとして必要な
耐酸化性など機能や性質に応じて適宜選択すれば良く、
その形成法も化学蒸着法(CVD)、物理蒸着法(PV
D)による気相法、液相法、固体溶射法等のいずれでも
良く、母材との間に熱膨張率に差があるものに広く適用
することができる。
【0024】さらに、この発明は、上記実施例に限定す
るものでなく、この発明の要旨を変更しない範囲で各構
成要素に変更を加えるようにしても良い。
【0025】
【発明の効果】以上、一実施例とともに具体的に説明し
たようにこの発明のコーティング膜の形成法によれば、
母材とコーティング膜との熱膨張率に差がある場合に、
コーティングを2段階に分けて行い、まず、母材表面に
薄いコーティング膜を形成して冷却させ、このコーティ
ング膜に微細なクラックを発生させた後、この微細なク
ラック表面に所定厚さまでコーティング膜を形成するよ
うにしたので、厚いコーティング膜が熱収縮する場合に
薄いコーティング膜のマイクロクラックを転写させるよ
うにして、母材表面に形成されるコーティング膜のクラ
ックの微細化と熱応力の分散化をはかることができ、強
固なコーティング膜として耐酸化性等の向上を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のコーティング膜の形成法の一実施例
の工程図である。
【符号の説明】
1 母材(炭素) 2 薄いコーティング膜(炭化ケイ素) 3 微細クラック 4 厚いコーティング膜(炭化ケイ素) 5 微細クラック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 28/00 C23C 14/06 C23C 16/30 C23C 28/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材表面に熱膨張率に差があるコーティ
    ング膜を高温状態で形成するに際し、母材表面に薄いコ
    ーティング膜を形成して冷却させ微細なクラックを発生
    させた後、この微細なクラック表面に所定厚さまでコー
    テイング膜を成形するようにしたことを特徴とするコー
    テイング膜の形成法。
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