JP3282271B2 - ε−ポリ−L−リジンの製造法 - Google Patents
ε−ポリ−L−リジンの製造法Info
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Description
ポリ−L−リジンの製造法に関するものである。
レプトマイセス・アルブラス・サプスピーシズ・リジノ
ポリメラス(Streptomyces albulus subsp.lysinopolym
erus)No.346を培養することによって得られるこ
とは、既に知られている(特開昭53−72896
号)。当該物質は、L−リジンのホモポリマーで、L−
リジンのε−位のアミノ基が隣り合うL−リジンのカル
ボキシル基とペプチド結合で直鎖上に結合した高分子化
合物である。当該物質は必須アミノ酸であるL−リジン
のポリマーであるので安全性が高くかつカチオン含量が
高いので特異な物性を有する。従ってそれらの性質を利
用して、トイレタリー用品、化粧品、飼料添加物、農
薬、食品添加物、電子材料等の用途が開発されている。
次のように行ってきた。すなわち、ε−ポリ−L−リジ
ン生産能を有するストレプトマイセス(Streptomyces)
属の菌体を好気条件下で培養し、菌体の生育が認められ
た後pHを4付近に調整し、培養を続ける。その後ε−
ポリ−L−リジンを含む培養液について菌体を遠心分離
またはろ過により分離した後、例えば、塩基性アニオン
交換樹脂処理(特開平2−20295)又はカチオン交
換樹脂処理(特開平2−92927)等により精製する
ことにより得ていた。
−L−リジン生産能を有するストレプトマイセス(Stre
ptomyces)属の菌体を好気条件下で培養し、ε−ポリ−
L−リジンを培養液中に蓄積させた場合、培養液の高粘
度化および菌体が溶菌するため、菌体の再利用はできな
い。また、菌体を分離するのに遠心分離またはろ過を行
う場合、菌体が溶菌しているため長時間必要となる。例
えば、ろ過面積10m2 のろ過装置を用いて10m3 の
培養液より菌体を除去するのに約32時間が必要にな
り、生産上大きな障害となっている。また、菌体が溶菌
するため培養液のみの回収が困難であり、新たな培地を
添加するような半連続的な培養が困難である。上記の要
因が、ε−ポリ−L−リジンの製造コストの低下を妨げ
ている。そこで菌体による培養液の高粘度化、菌体の溶
菌を抑制することができればε−ポリ−L−リジンの製
造コストの低減が可能となる。本目的を達成する為の手
段について鋭意検討を行った結果、ε−ポリ−L−リジ
ン生産能を有する微生物を固定化することにより、上記
の課題が解決されることを見いだし、本発明を完成し
た。
は、ε−ポリ−L−リジンを微生物を用いて製造する
際、固定化菌体を用いることにより培養液の高粘度化、
菌体の溶菌を抑制し、ε−ポリ−L−リジンを含む培養
液の回収および回収後の培養液からのε−ポリ−L−リ
ジンの精製を容易にし、さらに分離された固定化菌体を
繰り返し使用し、半連続的もしくは連続的にε−ポリ−
L−リジン生産用の触媒として用いる新規で効率のよい
ε−ポリ−L−リジンの製造法を提供するものである。
なお、本発明で言うところの半連続製造とは、固定化菌
体を含むリアクターに対して基質あるいは原料を含む培
地を添加し、一定時間ごとにこの培地の全量を新たな培
地と交換することによりε−ポリ−L−リジンを繰り返
し製造することでである。
(2)(3)(4)および(5)の構成を有する。 (1)ε−ポリ−L−リジン生産能を有する微生物を固
定化した固定化菌体を好気条件下で培養することを特徴
とするε−ポリ−L−リジンの製造法。 (2)前記(1)記載の固定化菌体を用いたε−ポリ−
L−リジンの製造法が半連続法または連続製造法である
事を特徴とするε−ポリ−L−リジンの製造法。 (3)ε−ポリ−L−リジン生産能を持つ微生物が、ス
トレプトマイセス属に属する菌である前記(1)および
前記(2)記載のε−ポリ−L−リジンの製造法。 (4)ε−ポリ−L−リジン生産能を持つ微生物の固定
化を吸着法、架橋法もしくは包括法で行う前記(1)お
よび前記(2)記載のε−ポリ−L−リジンの製造法。 (5)ε−ポリ−L−リジン生産能を有する微生物の固
定化を吸着法と架橋法もしくは吸着法と包括法を組み合
わせて行う前記(1)および前記(2)記載のε−ポリ
−L−リジンの製造法。
る。本発明に用いる微生物としては、ε−ポリ−L−リ
ジン生産能を有する微生物ならばいずれも用いることが
できる。例えばストレプトマイセス・アルブラス・サブ
スピーシーズ・リジノポリメラス(Streptomyces albul
us subsp. lysinopolymerus)No.346(特開昭53
−72896号)およびε−ポリ−L−リジン著量生産
変異株No.11011A−1(特開昭63−4907
5)、ストレプトマイセス・ノールセイ(Streptomyces
noursei)(特開平1−187090)等が知られてい
る。
ン生産菌の固定化は、一般的手法および一般的手法の応
用によって行うことができる。例えば吸着法、架橋法、
包括法、共有結合法などを単一の固定化法として固定化
菌体を作製することもできるし、それらのうちの2種類
の方法を組み合わせた固定化法を適用することができ
る。このうち、固定化が容易で安定した活性が得られ、
さらに活性の低下時においての再活性化が行える吸着法
および包括法が好適に使用できる。包括法には、ポリア
クリルアミドゲル、ポリウレタンゲル、光架橋性樹脂等
の高分子ゲル中に菌体を包括するのが一般的である。た
だし、本発明では、製造物であるε−ポリ−L−リジン
が塩基性物質であるため、本物質を吸着するような酸性
高分子ゲル、例えばカラギーナンゲル、アルギン酸ゲル
等は用いない方が好ましい。また、吸着法としては、特
に多孔性物質や不織布に固定化する方法がよい。多孔性
物質としては、例えば多孔性セラミック、多孔性ガラ
ス、セルロース発泡体、焼結金属多孔質体やポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
ポリウレタンなどから調整したものを用いることもでき
る。
は、例えばアクリルアミドモノマー、架橋剤としての
N,N’−メチレンビスアクリルアミドおよび生菌体を
緩衝液に懸濁し、該緩衝液に重合開始剤としての過硫酸
アンモニウムおよび重合促進剤としてのβ−ジメチルア
ミノプロピオニトリルを加えて、室温で30分前後重合
反応を行わせると固定化菌体が得られる。
250℃の温度で0.5〜5時間加熱することにより焼
結体となり、適当な金型を使用すれば種々の形状の焼結
多孔質体が得られる。しかも、空隙率、孔の大きさ、強
度等も焼結温度、焼結時間、樹脂の充填率、増粘剤ある
いは水分添加量等の条件を変えることで望ましい多孔質
体が得られる。他の上記多孔性物質としては、一般の市
販のものおよび加工品で本生産菌が吸着できるものはす
べて使用できる。多孔性物質は、生菌体を含む緩衝液中
に浸漬させ微生物を吸着させたり、培養開始時から微生
物と多孔性物質とを接触させ、培養の進行とともに吸着
させることができ、固定化菌体が得られる。
生産能を有する固定化菌体は、通常のε−ポリ−L−リ
ジン生産用培地、またはpHを適宜調整した緩衝液中に
グルコースおよび硫安または、L−リジンを加えた培地
中で好気条件下で培養することでε−ポリ−L−リジン
を含む培養液が得られる。本培養液より固定化菌体を除
去し、イオン交換樹脂をもちいてε−ポリ−L−リジン
を精製する。また、培養時のpHとしては、用いたε−
ポリ−L−リジン生産能を有する微生物が、ε−ポリ−
L−リジンを生産できる範囲であれば良く、好ましくは
pH4〜7の条件がよい。
溶菌がなく、固定化菌体の除去が容易に行え、菌体を含
まないε−ポリ−L−リジン溶液が短時間に回収でき、
効率的なε−ポリ−L−リジンの生産が可能となる。ま
た、固定化菌体と培養液の分離が容易である為、ε−ポ
リ−L−リジン生産の後、培養液を回収し、新たな培地
を固定化菌体に対して加えることで繰り返しε−ポリ−
L−リジンの生産を行うといった半連続的なε−ポリ−
L−リジン生産やあるいは連続的な培養液排出と新らた
な培地添加を行うことにより連続的なε−ポリ−L−リ
ジンの生産が行える。以上のことよりε−ポリ−L−リ
ジンを低コストで長時間にわたり効率的に工業生産し、
食品添加物、農薬、医薬品等の分野に供給できるように
したという点で極めて有益である。
本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 固定化には、グルコース50g/L、硫酸アンモニウム
10g/L、酵母エキス5g/L、リン酸二水素カリウ
ム1.36g/L、リン酸一水素二ナトリウム1.58
g/L、硫酸マグネシウム0.5g/L、硫酸亜鉛0.
04g/L、硫酸第一鉄0.03g/Lからなる培地
(pH6.8)50mlを500ml容坂口フラスコに
入れ、常法により滅菌後、ストレプトマイセス・アルブ
ラス(Streptomyces albulus)を植菌し、30℃で36
時間振とう培養し、前培養液とした。培養終了後、遠心
分離して菌体を集め、滅菌水で2回洗浄した菌体(湿菌
体重量4.2g)を用いた。
た。アクリルアミド1.68g、N,N’−メチレンビ
スアクリルアミド0.09g、L−リジン塩酸塩0.6
7gおよび上記の方法で取得した菌体を、トリス−塩酸
緩衝液(pH7.2)4.8mlに懸濁し、この混合液
に5%β−ジメチルアミノプロピオニトリル水溶液1.
1mlと1%過硫酸カリウム水溶液1.1mlを加え、
N2 飽和条件下室温で30分間静置し、ゲル化した後、
このゲルを5mm角に成型し、次いでトリス−塩酸緩衝
液でゲルを十分に洗浄し、ポリアクリルアミドゲル固定
化菌体11.2gを得た。
グルコース50g/L、L−リジン10g/L、クエン
酸20g/Lの培地(pH4)40ml中に添加、30
℃で振とう培養した。2日後、培養液中のε−ポリ−L
−リジン量を定量したところ、0.23g/Lであっ
た。
ドゲル固定化菌体75gを通常のε−ポリ−L−リジン
生産菌培養用の培地グルコース50g/L、硫酸アンモ
ニウム10g/L、酵母エキス5g/L、リン酸二水素
カリウム1.36g/L、リン酸一水素二ナトリウム
1.58g/L、硫酸マグネシウム0.5g/L、硫酸
亜鉛0.04g/L、硫酸第一鉄0.03g/L(pH
4.2)50mlに添加し、30℃で振とう培養を行っ
た。2日後の培養液中のε−ポリ−L−リジン量は、
0.20g/Lであった。
ド固定化菌体100gをグルコース50g/L、L−リ
ジン10g/L、クエン酸20g/Lの培地(pH4)
1L中に添加、1.5L容ミニジャーファーメンターを
用いpH4となるように調節しつつ30℃で通気撹拌培
養を行った。培養48時間後の培養液中のε−ポリ−L
−リジンの量は、1.5g/Lであった。その後グルコ
ース、L−リジンを逐次添加し培養を続けた。125時
間後ε−ポリ−L−リジンの量は10g/Lであった。
この培養液を遠心分離(3000G、20分)により菌
体の除去を行い、遠心分離上澄の透過度を660nmで
測定した。透過度は、0.008で菌体は完全に除去さ
れた。
酵母エキス5g/L、リン酸二水素カリウム1.36g
/L、リン酸一水素二ナトリウム1.58g/L、硫酸
マグネシウム0.5g/L、硫酸亜鉛0.04g/L、
硫酸第一鉄0.03g/Lからなる培地(pH6.8)
50mlを500ml容坂口フラスコに入れ、常法によ
り滅菌後、ストレプトマイセス・アルブラス(Streptom
yces albulus)を植菌し、30℃で36時間振とう培養
し、前培養液を調製した。この前培養液を上記と同じ培
地1Lの入った1.5L容ミニジャーファーメンターに
植菌し、30℃で通気撹拌培養を行った。培養後、培養
液がpH4程度に低下した後、水酸化ナトリウム水溶液
を用いてpH4.2に調節するとともにグルコース濃度
が50g/Lになるように逐次添加を行い、培養を続け
た。培養125時間後の培養液中のε−ポリ−L−リジ
ンの量は、12g/Lであった。この培養液を遠心分離
(3000G、20分)により菌体の除去を行い、遠心
分離上澄の透過度を660nmで測定した。透過度は、
0.282で菌体の除去は、不十分であった。以上の結
果より本発明の固定化菌体を用いることにより、菌体除
去を容易に行な得ることが認められた。
量2.0g)を0.1Mリン酸緩衝液2mlに懸濁さ
せ、[化1]に示した構造のウレタンプレポリマー(分
子量約3000)3gを撹拌下に添加混合しゲル化させ
た後、5mm角に成型し、ポリウレタンゲル固定化菌体
6.7gを得た。このポリウレタンゲル固定化菌体をグ
ルコース50g/L、L−リジン10g/L、クエン酸
20g/Lの培地(pH4)40ml中に添加、30℃
で振とう培養した。2日後および3日後に培養液中のε
−ポリ−L−リジン量を定量した。ε−ポリ−L−リジ
ン量は、それぞれ0.31g/L、0.47g/Lであ
った。
00G、20分間)により上澄を除去し、新たにグルコ
ース50g/L、L−リジン10g/L、クエン酸20
g/Lの培地(pH4)40mlを加え、30℃で振と
う培養を行った。新たな培地を添加した後2日経過後、
培養液中のε−ポリ−L−リジン量は、0.75g/L
であった。このことより、本発明の固定化菌体は、半連
続培養に用いることができることが確認された。
2.0g)を滅菌水5mlに懸濁し、オートクレーブに
より滅菌した光架橋性樹脂ENT−2000(関西ペイ
ント製)の15%水溶液40mlおよび重合開始剤0.
008gとを添加混合した。次いで該懸濁液に対して撹
拌下365nmの紫外線を30分間照射することにより
菌体固定化ゲルを作製した。この菌体固定化ゲルを5m
m角に成型し、53gの固定化菌体を得た。
0g/L、L−リジン10g/L、クエン酸20g/L
の培地(pH4)100ml中に添加し、30℃で振と
う培養した。2日後および3日後に培養液中のε−ポリ
−L−リジン量を定量した。ε−ポリ−L−リジンの量
は、各々0.44g/L、0.57g/Lであった。
収し、滅菌水で洗浄した(湿菌体重量4.0g)。この
菌体をグルコース50g/L、硫酸アンモニウム10g
/L、酵母エキス5g/L、リン酸二水素カリウム1.
36g/L、リン酸一水素二ナトリウム1.58g/
L、硫酸マグネシウム0.5g/L、硫酸亜鉛0.04
g/L、硫酸第一鉄0.03g/Lからなる培地(pH
6.8)30ml中に入れさらに直径5mmのポリウレ
タン焼結多孔質体2gを入れ、30℃で緩やかに振とう
培養を行った。30時間後遠心分離でポリウレタン焼結
多孔質体固定化菌体を回収した。この固定化菌体をグル
コース50g/L、L−リジン10g/L、クエン酸2
0g/Lを含む培地(pH4)50mlに懸濁させ、3
0℃で振とう培養を行った。培養2日後の培養液中のε
−ポリ−L−リジンの量は、0.62g/Lであった。
また、この培養液を遠心分離(3000G、20分間)
し、上澄の透過度を660nmで測定した。透過度は、
0.009で、菌体は完全に除去された。
g/L、硫酸アンモニウム10g/L、酵母エキス5g
/L、リン酸二水素カリウム1.36g/L、リン酸一
水素二ナトリウム1.58g/L、硫酸マグネシウム
0.5g/L、硫酸亜鉛0.04g/L、硫酸第一鉄
0.03g/Lからなる培地(pH6.8)100ml
とブロック状セラミック(日本ガイシ製)30gを入
れ、常法により滅菌後、ストレプトマイセス・アルブラ
ス(Streptomyces albulus)を菌保存用斜面培地より1
白金耳植菌し、30℃通気量0.5L/min.で50
時間通気培養を行った。50時間後の培養液中のε−ポ
リ−L−リジンの量は、0.3g/Lであった。その
後、該培養液のみを回収し、リアクター内の固定化菌体
に対して新たにグルコース50g/L、L−リジン塩酸
塩10g/L、クエン酸20g/L、リン酸二水素カリ
ウム1.36g/L、リン酸一水素ナトリウム1.58
g/L、硫酸マグネシウム0.5g/L、硫酸亜鉛0.
04g/L、硫酸第一鉄0.03g/L(pH4)の培
地100mlを添加し、30℃で48時間通気培養を行
った。48時間後の培養液中のε−ポリ−L−リジンの
量は3.7g/Lであった。さらに該培養液を回収し、
新たに培地を添加して30℃48時間の通気培養を行う
操作を3回繰り返して行った。その結果、繰り返し各回
のε−ポリ−L−リジンの生産量は、1回目4.5g/
L、2回目4.0g/L、3回目5.2g/Lであっ
た。このことより本発明の固定化菌体を用いて培地交換
を繰り返し行うことによりε−ポリ−L−リジンの半連
続生産が可能であることが確認された。
g/L、硫酸アンモニウム10g/L、酵母エキス5g
/L、リン酸二水素カリウム1.36g/L、リン酸一
水素二ナトリウム1.58g/L、硫酸マグネシウム
0.5g/L、硫酸亜鉛0.04g/L、硫酸第一鉄
0.03g/Lからなる培地(pH6.8)100ml
とセルロース発泡体マイクロキューブFN−S03(酒
伊エンジニヤリング製)1gを入れ、常法により滅菌
後、ストレプトマイセス・アルブラス(Streptomyces a
lbulus)を菌保存用斜面培地より1白金耳植菌し、30
℃通気量0.5L/min.で50時間通気培養を行っ
た。50時間後の培養液注のε−ポリ−L−リジンの量
は0.33g/Lであった。その後、該培養液のみを回
収し、リアクター内の固定化菌体に対して新たにグルコ
ース50g/L、L−リジン塩酸塩10g/L、クエン
酸20g/L、リン酸二水素カリウム1.36g/L、
リン酸一水素ナトリウム1.58g/L、硫酸マグネシ
ウム0.5g/L、硫酸亜鉛0.04g/L、硫酸第一
鉄0.03g/L(pH4)の培地100mlを添加
し、30℃で48時間通気を行った。48時間後の培養
液中のε−ポリ−L−リジンの量は2.9g/Lであっ
た。さらに該培養液を回収し、新たに培地を添加して3
0℃48時間の通気培養を行う操作を3回繰り返して行
った。その結果、繰り返し各回のε−ポリ−L−リジン
の生産量は、1回目3.0g/L、2回目2.5g/
L、3回目2.0g/Lであった。このことより本発明
の固定化菌体を用いて培地交換を繰り返し行うことによ
りε−ポリ−L−リジンの半連続生産の可能であること
が確認された。
菌の培養を行った。すなわち、400ml容の気泡通気
型リアクターにグルコース50g/L、硫酸アンモニウ
ム10g/L、酵母エキス5g/L、リン酸二水素カリ
ウム1.36g/L、リン酸一水素二ナトリウム1.5
8g/L、硫酸マグネシウム0.5g/L、硫酸亜鉛
0.04g/L、硫酸第一鉄0.03g/Lからなる培
地(pH6.8)100mlを入れ、常法により滅菌
後、ストレプトマイセス・アルブラス(Streptomyces a
lbulus)を菌保存用斜面培地より1白金耳植菌し、30
℃通気量0.5L/min.で50時間通気培養を行っ
た。50時間後の培養液中のε−ポリ−L−リジンの量
は、0.25g/Lであった。ついで該培養液を遠心分
離(6000G、15分間)により菌体を回収し、回収
した菌体に対して新たにグルコース50g/L、L−リ
ジン塩酸塩10g/L、クエン酸20g/L、リン酸二
水素カリウム1.36g/L、リン酸一水素ナトリウム
1.58g/L、硫酸マグネシウム0.5g/L、硫酸
亜鉛0.04g/L、硫酸第一鉄0.03g/L(pH
4)の培地100mlを添加し、30℃で48時間通気
を行った。48時間後の培養液中のε−ポリ−L−リジ
ンの量は1.3g/Lであった。さらに該培養液を遠心
分離(6000G、15分間)により菌体を回収し、再
び前述の新たな培地を添加して30℃48時間の通気培
養を行った。48時間後の培養液注のε−ポリ−L−リ
ジンの量は、0.7g/Lであった。この結果より固定
化菌体を用いずに菌体を回収し、培養を行うε−ポリ−
L−リジンの半連続生産では、回を重ねるごとにε−ポ
リ−L−リジンの生産性が低下し、半連続生産は困難で
あることが認められた。
g/L、硫酸アンモニウム10g/L、酵母エキス5g
/L、リン酸二水素カリウム1.36g/L、リン酸一
水素二ナトリウム1.58g/L、硫酸マグネシウム
0.5g/L、硫酸亜鉛0.04g/L、硫酸第一鉄
0.03g/Lからなる培地(pH6.8)100ml
とブロック状セラミック(日本ガイシ製)30gを入
れ、常法により滅菌後、ストレプトマイセス・アルブラ
ス(Streptomyces albulus) を菌保存用斜面培地より1
白金耳植菌し、30℃通気量0.5L/min.で50
時間通気培養を行った。50時間後の培養液中のε−ポ
リ−L−リジンの量は、0.3g/Lであった。その
後、リアクター内へ新たにグルコース50g/L、L−
リジン塩酸塩10g/L、クエン酸20g/L、リン酸
二水素カリウム1.36g/L、リン酸酸一水素ナトリ
ウム1.58g/L、硫酸マグネシウム0.5g/L、
硫酸亜鉛0.04g/L、硫酸第一鉄0.03g/L
(pH4)の培地の添加と培養液の抜き出しを2ml/
hrの速度で行う、ε−ポリ−L−リジンの連続的生産
を300時間行った。300時間でのε−ポリ−L−リ
ジンの総生産量は、2.2gであった。このことより本
発明の固定化菌体を用いて培地交換を連続的に行うこと
によりε−ポリ−L−リジンの連続生産が容易に行える
ことが確認された。
Claims (5)
- 【請求項1】ε−ポリ−L−リジン生産能を持つ微生物
を固定化した固定化菌体を好気的条件下で培養すること
を特徴とするε−ポリ−L−リジンの製造法。 - 【請求項2】請求項1記載の固定化菌体を用いたε−ポ
リ−L−リジンの製造法が半連続または連続製造法であ
ることを特徴とするε−ポリ−L−リジンの製造法。 - 【請求項3】ε−ポリ−L−リジン生産能を持つ微生物
が、ストレプトマイセス属に属する菌である請求項1ま
たは請求項2記載のε−ポリ−L−リジンの製造法。 - 【請求項4】ε−ポリ−L−リジン生産能を持つ微生物
の固定化を吸着法、架橋法もしくは包括法で行う請求項
1または請求項2記載のε−ポリ−L−リジンの製造
法。 - 【請求項5】ε−ポリ−L−リジン生産能を有する微生
物の固定化を吸着法と架橋法もしくは吸着法と包括法を
組み合わせて行う請求項1または請求項2記載のε−ポ
リ−L−リジンの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4570293A JP3282271B2 (ja) | 1992-02-26 | 1993-02-10 | ε−ポリ−L−リジンの製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7548492 | 1992-02-26 | ||
JP4-75484 | 1992-02-26 | ||
JP4570293A JP3282271B2 (ja) | 1992-02-26 | 1993-02-10 | ε−ポリ−L−リジンの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0686686A JPH0686686A (ja) | 1994-03-29 |
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