JP3282177B2 - 紙のベッセルピックの低減方法 - Google Patents

紙のベッセルピックの低減方法

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JP3282177B2
JP3282177B2 JP00539898A JP539898A JP3282177B2 JP 3282177 B2 JP3282177 B2 JP 3282177B2 JP 00539898 A JP00539898 A JP 00539898A JP 539898 A JP539898 A JP 539898A JP 3282177 B2 JP3282177 B2 JP 3282177B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷用紙等で問題
となるベッセルピックの低減方法に関する。更に詳しく
は、広葉樹パルプを配合した紙について、紙力、サイ
ズ、寸法安定性を保ちながら印刷時に生じるベッセルピ
ックトラブルの発生を低減する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パルプ用材として針葉樹が用いら
れていたが、針葉樹資源の減少、抄紙技術の進歩に伴
い、現在では広葉樹の利用が進んでいる。また、我が国
では原木資源が少ないため、北米、中国、南半球諸国か
らの広葉樹の輸入材が占める割合が大幅に増加してお
り、今後も増加傾向にあると考えられる。このように、
集材対象地域が地球規模で広範囲にわたるため、粗大導
管を実質的に含まない樹種のみを継続的に選択し、使用
することが困難な状況である。
【0003】広葉樹を原料とする木材パルプは製紙工程
で通常の叩解を行っても粗大なベッセルは破壊されず、
該パルプを用いて作った紙に印刷する際、印刷インキの
粘着性に起因するベッセルピックが発生する。即ち、紙
の表面或いは表面近傍に散在する粗大ベッセルが紙面か
ら剥離されて印刷物に白い斑点(白点)を生じ、印刷品
質を極端に悪化させる。また、紙面から剥離されたベッ
セルは印刷機上に堆積するため、累積的な印刷品質の低
下と同時に、印刷機の洗浄作業の増加による印刷作業性
の低下を生じる。この様なベッセルピックは上質紙等の
非塗工紙のみならず、紙の表面に顔料等を塗工した塗工
紙に於いても発生し、特に印刷時に水を使用するオフセ
ット印刷の場合に顕著に認められる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ベッセルピックを低減
する方法としては、1)表面強度増強剤の使用量を増大
し、紙表面からのベッセル剥離を抑制する、2)パルプ
を酵素処理し、叩解性を高めたり、酵素自体による生化
学的叩解により木繊維−ベッセル間の接着面積及び接着
強度を向上させる、3)叩解を進め、ベッセルを破壊
し、枝状化して木繊維−ベッセル間の結合力を高める、
等の対策が提案されている。
【0005】1)の対策はベッセル対策に有効な手段と
して知られ、一般に実施されているが、薬剤の使用の増
加により、サイズ度、印刷品質(インキ乾燥性が遅く、
高速印刷に不適となる)の低下という問題を生じるため
完全な対策とは言えない。2)の対策では酵素を使用す
るが、酵素の回収使用が困難であり、また、処理設備の
新設を余儀なくされる。3)の対策ではベッセルの破
壊、枝状化以外に他の繊維も損傷をきたし、過度なフリ
ーネスの低下、不透明性の低下、寸法安定性の悪化等、
得られる紙の品質上種々の問題を引き起こす。
【0006】従って、上述したようにベッセルピックを
低減するための種々の方法が提案されているが、現行で
は印刷に際しベッセルピックトラブルが発生しており問
題解決に至っていない。
【0007】本発明の課題は、従来方法のベッセルピッ
ク対策に伴われる紙品質の低下等の不利益、即ちサイズ
度の低下、不透明度の低下、寸法安定性の悪化、等の欠
点を克服しベッセルピックを低減できる工業的に有利な
製造方法を提供するためのものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】 本発明者は、紙のベッ
セルピックの防止について鋭意検討を重ねた結果、ロー
ル間隙が0.1mmから8mmで、いぼ状突起若しくは溝を
有する金属製ロールの間隙を通過させることによって機
械的圧縮処理を施した広葉樹チップを蒸解して得られる
パルプを用いて抄造することにより紙のベッセルピック
を低減できることを見出し、この知見に基づいて本発明
を成すに至った。本発明の方法は前記機械的圧縮処理を
施された広葉樹チップを含むチップを原料とすることに
より、いずれも通常条件で蒸解、漂白してパルプを製造
した後、通常条件で抄造して得られた紙の印刷時におけ
るベッセルピックを低減できるのである。また、得られ
た紙を更に塗工紙に加工しても、印刷時にベッセルピッ
クを低減できることに変わりはない。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、印刷時にベッセルピッ
クの原因となる導管(ベッセル)、例えば正方形に近い
角形粗大導管要素を多く含む広葉樹チップを原料として
用いても、蒸解前処理として、チップを機械的な圧縮処
理に付して、ベッセルピックの原因となる角形粗大導管
要素を破壊し、そして、ベッセルピックの原因となる粗
大な導管要素数が少ないパルプを提供することにより、
印刷時にベッセルピックトラブルを起こさない印刷用紙
が製造できることを見出し、完成させたものである。
【0010】本発明は、機械的作用により導管要素を破
壊する事によりその効果を発現するものであるが、従来
技術のようにパルプに対して機械的作用を加えるのでは
なく、チップに対して機械的作用を加える点に於いて画
期的である。即ち、パルプに対して機械的処理を施す方
法では、導管要素以外の木繊維などの損傷が原因となっ
て紙品質上種々の問題を引き起こすが、本発明の方法に
依れば、導管要素以外の木繊維などの損傷を最小限にと
どめることが出来る。また、導管破壊後にパルプ化が行
われるため、ポンプのランナー、スクリーン設備等によ
る機械的作用を多く受け、破壊された導管要素はより小
片化し、パルプを機械的処理した場合よりもベッセルピ
ックが少ない印刷用紙を提供できる。
【0011】ベッセルピックの原因となる導管要素を有
する全ての広葉樹チップが本発明の機械的圧縮処理の対
象となる。蒸解に供されるチップ全量が機械的圧縮処理
を受けた場合に最も大きなベッセルピックの低減効果が
得られる。しかし、実用上有効なベッセルピック対策と
しては、この様な広葉樹チップの全量に対し20重量%以
上が蒸解前に機械的圧縮処理を施される必要がある。ま
た、処理に付されるチップの全量に対する比率が低くて
も導管要素を含むチップが本発明の機械的圧縮処理に付
されれば必ず導管要素の破壊が起こるため、ベッセルピ
ックの原因となる導管要素は必ず減少するが、これがベ
ッセルピック低減効果として有意にとらえられる下限の
処理率は、全チップ量に対し20重量%である。
【0012】圧縮処理装置の規模、操業性、蒸解時の歩
留まりの点で、チップを篩い分け又は厚みスクリーンで
分級し、サイズ的に大きな性状の部分20〜50重量%程度
を処理対象としてもよい。若しくは、チップを樹種毎に
分別し、角形導管要素を多く含有するチップを中心に20
〜50重量%程度を処理対象としてもよい。
【0013】本発明に使用する圧縮装置は、いぼ状突起
若しくは溝を有する金属製ロールを構成要素とするロー
ルプレスである。チップ圧縮時に導管要素を選択的に破
壊でき、供給されたチップを均一に、効率よく食い込
み、ロール表面にチップが張り付くことなく効率的にチ
ップが排出できる。いぼ状突起を有する金属製ロールと
しては、たとえば、特公昭60-59353号公報記載の金属ロ
ールを構成要素とする圧縮装置を用いた場合、特に良好
な結果が効果が得られる。
【0014】本発明の機械的な圧縮処理において、いぼ
状突起を有する金属ロールを用いる場合、ロール周面に
その円周方向に50mmから250mm間隔でかつ回転軸方
向に10mmから100mm間隔で、高さがロール間隙の50
%を超えかつ100%未満であってロール回転方向側がロ
ール周面に対しほぼ直角か鋭角でかつ回転軸方向に平行
な5mmから25mm幅の側面を有するいぼ状突起が固設
せしめられている金属製ロールを使用することが好まし
い。
【0015】また、溝を有する金属ロールを用いる場
合、ロール方向に 3mmから20mm間隔で、深さが 1m
mから 5mmであってかつ幅 1mmから 5mmのテーバ
ー形状の溝を有する金属製ロールを使用することが好ま
しい。
【0016】機械的な圧縮処理に用いる圧縮装置の例と
しては、2本以上の金属ロール、金属ロールを押さえつ
ける油圧装置、チップが重ならないようにチップをロー
ルに供給する振動フィーダ、及び駆動装置から成るもの
が挙げられる。ロール表面に張り付いたチップを効率的
にはぎ取る機構を有しても良い。
【0017】ロールの表面にはチップが効率よく食い込
むように配置されたいぼ状突起、又は溝が配置されてお
り、振動フィーダから重ならないようにロール上に供給
されたチップは、ロール表面のいぼ状突起又は溝に導か
れてロール間隙を通過する。油圧装置はロール間隙より
厚いチップが供給されたとき最大数百kg/cmの線圧
を与えられる様に設定されている。
【0018】本発明における機械的な圧縮処理時のロー
ル間隙は、0.1mm〜8mmである。ロール間隙が小さけ
れば小さいほどベッセルピック低減の効果は大きくなる
が、ロール間隙が0.1mm未満の場合、チップが過度に
粉砕され、チップを構成する繊維が切断するため、パル
プ化時の操業性、歩留まりを損なう上に、紙力の低下を
招く場合がある。また、ロール間隙が8mmを越える
と、処理時の圧縮作用が低くなり、目的とするベッセル
ピックの低減の効果が得られなくなる。
【0019】非常に大きなチップが供給されると、チッ
プが急激に圧縮されるため、チップやロールへの張り付
きを生じる。非常に大きなチップを除去した場合には問
題ないが、実操業等において一定サイズのふるいを通過
しなかったチップを処理する様な場合には、非常に大き
なチップがロールに張り付き操業に支障を来す場合があ
る。このことを避けるために、チップを機械的な圧縮処
理を施す前に予めロール間隙が2mmから35mmの金属
ロールの間隙を通過させてもよい。例えば、1段目のロ
ール間隙を2mmから35mmの広めの間隙に設定してあ
らかじめチップを緩和に圧縮し、引き続きこれより狭い
2段目の0.1mmから8mmのロール間隙で本発明の機械
的な圧縮処理をすることでチップのロールへの張り付き
や粉砕を防止することが出来る。
【0020】チップは機械的な圧縮処理によって、性状
に変化を来す。巨視的に見た場合には、繊維軸方向と平
行(放射方向、接線方向)に多くの亀裂が入り、チップ
が簾状に破壊される。一方、微視的に見た場合には、導
管要素が選択的に破壊され、環孔材など導管要素が集中
する部位を有する材では、この部分が集中的に破壊す
る。
【0021】尚、本発明におけるロール間隙とは、溝付
きロールの場合には、対を成す平行な2本のロールの表
面間の距離が最小となる部分の目開きをいうが、ロール
がいぼ状突起を有する場合のロール間隙は、いぼ状突起
が固設されている基底面となるロール表面間の距離で規
定される。即ち、いぼ状突起を有するロールであって
も、いぼ状突起がない物としてロール間隙が規定され
る。
【0022】この様にして機械的圧縮処理に付したチッ
プを用い、通常の蒸解、漂白、抄紙を行うことで、本発
明の効果を得る事が出来、さらに通常の塗工を行った塗
工紙でも同様の効果を得ることが出来る。
【0023】通常の蒸解とは、ポリサルファイド蒸解、
クラフト蒸解をいうが、これ以外の亜硫酸蒸解や、オル
ガノソルブ蒸解等のケミカルパルプ化法、あるいはセミ
ケミカルパルプ化法に於いても同様の効果が期待でき
る。
【0024】通常の漂白とは、酸素−塩素−アルカリ−
ハイポ−二酸化塩素の多段漂白が一般的であるが、これ
以外の漂白段を含む他の漂白シーケンスでも同様の効果
が得られる。
【0025】通常の抄紙とは、長網抄紙機などの抄紙機
を用いる場合をいい、紙の坪量に制約はない。抄紙時の
パルプのろ水度は目的とする坪量により異なるが、CS
F 200 から 500mlが通常である。本発明の方法では
このろ水度も含め通常条件で十分な効果が得られる。
【0026】通常の塗工とは、塗工層の坪量として両面
で10から50g/m2 の塗料(絶乾ベース)を紙に塗被す
る事を言うが、塗工量がこの範囲外である場合や、塗工
層が多層を成す場合にも、ベッセルピックの低減効果は
同様に得られる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】[実施例1]豪州産樹種混合ユーカリチッ
プを、円周方向に 100mm間隔で、回転軸方向に30mm
間隔で、縦×横×高さ= 7mm× 7mm× 1.2mmのい
ぼ状突起が固設せしめられているステンレス製ロールを
用い 8mmのロール間隙で1段目の機械的な圧縮処理を
行った。続いて、表面にロール方向に 5mm間隔で、深
さが 4mm、溝基底部幅 4mmのテーバー形状の溝を有
するステンレス製ロールを用いて 1.5mmのロール間隙
で2段目の機械的な圧縮処理を行った。これをクラフト
蒸解法にて、カッパー価18となるようにパルプ化した。
次に、パルプを酸素−塩素−アルカリ−ハイポ−二酸化
塩素の漂白シーケンスにて漂白した。酸素漂白はパルプ
濃度10%、酸素圧 7kg/cm2 、水酸化ナトリウム添
加率対パルプ 1.5%、温度 100℃で60分行った。塩素漂
白はパルプ濃度3%、塩素添加率対パルプ 2%、温度45
℃で30分行った。アルカリ抽出はパルプ濃度10%、水酸
化ナトリウム添加率対パルプ 1%、温度60℃で60分行っ
た。ハイポ漂白はパルプ濃度10%、温度45℃で、パルプ
白色度が80%なるように次亜塩素酸ナトリウムの添加率
を調整し、 120分行った。二酸化塩素漂白はパルプ濃度
10%、二酸化塩素漂白添加率対パルプ 0.4%、温度75℃
で 180分行い、パルプの白色度を87%となるようにし
た。漂白後のパルプはPFIミルにてフリーネス 400m
lまで叩解した。このパルプにロジンサイズ剤(荒川化
学社製) 0.3%、硫酸バンド 2.0%(何れも対パルプ重
量%)を加え、TAPPI型標準手抄装置で 200cm2
の手抄紙を調製(坪量64g/m2 )した。2ロールのテ
ストサイズプレッサー(ワンステッププロセッサー S
−III 型)により 5.0%濃度の酸化澱粉から成るサイズ
プレス液(日本食品製、商品名:MS-3600 )を塗布し表
面サイジングを行い、ベッセルピック数測定に供した。
RI印刷機(明製作所製)を用いて印刷し、ベッセルピ
ック数を測定した。各手抄紙はスピード30rpm、イン
キタック15の黒インキ(東洋インキ製造社製)で印刷
し、紙表面に発生したベッセルによる紙ムケの度合いを
100cm2 あたりの白点数として評価し、ベッセルピッ
ク数(印刷強度)として表した。また、機械的な圧縮処
理を行っていないものを対照として、ベッセルピックの
減少率を求めた。
【0029】[実施例2]実施例1で用いた豪州南部産
樹種混合ユーカリチップを、実施例1で使用した表面に
溝を有するステンレス製ロールを用いて、 1.5mmのロ
ール間隙で機械的な圧縮処理を行い、これを実施例1と
同様の条件で蒸解、漂白、抄紙及びベッセルピックの測
定を行った。
【0030】[実施例3]南米産樹種混合ユーカリチッ
プを、実施例1で使用したいぼ状突起を有するステンレ
ス製ロールを用いて、 3mmのロール間隙で機械的な圧
縮処理を行い、これを実施例1と同様に蒸解、漂白、抄
紙及びベッセルピックの測定を行った。
【0031】[実施例4]豪州産樹種混合ユーカリチッ
プを、実施例1で使用した表面に溝を有するステンレス
製ロールを用いて、 1.5mmのロール間隙で機械的な圧
縮処理を行い、これを実施例1と同様に蒸解、漂白、抄
紙及びベッセルピックの測定を行った。
【0032】[実施例5]北米産樺材樹種混合チップ
を、実施例1で使用した表面に溝を有するステンレス製
ロールを用いて、 1.5mmのロール間隙で機械的な圧縮
処理を行い、これを実施例1と同様に蒸解、漂白、抄紙
及びベッセルピックの測定を行った。
【0033】[実施例6]マングローブ材チップを、実
施例1で使用したいぼ状突起を有するステンレス製ロー
ルを用いて、 2mmのロール間隙で機械的な圧縮処理を
行い、これを実施例1と同様に蒸解、漂白、抄紙及びベ
ッセルピックの測定を行った。
【0034】[実施例7]アフリカ産アカシア材チップ
を、実施例1で使用したいぼ状突起を有するステンレス
製ロールを用いて、 2mmのロール間隙で機械的な圧縮
処理を行い、これを実施例1と同様に蒸解、漂白、抄紙
及びベッセルピックの測定を行った。
【0035】[実施例8]北米産樹種混合広葉樹材チッ
プを、実施例1で使用した表面に溝を有するステンレス
製ロールを用いて、 1.5mmのロール間隙で機械的な圧
縮処理を行い、これを実施例1と同様に蒸解、漂白、抄
紙及びベッセルピックの測定を行った。
【0036】[比較例1]実施例1で用いた豪州産樹種
混合ユーカリチップに対し、機械的な圧縮処理を行わな
い点を除き実施例1と同条件で実験を行った。
【0037】[比較例2]実施例2で用いた豪州南部産
樹種混合ユーカリチップに対し、機械的な圧縮処理を行
わない点を除き実施例2と同条件で実験を行った。
【0038】[比較例3]実施例3で用いた南米産樹種
混合ユーカリチップに対し、機械的な圧縮処理を行わな
い点を除き実施例3と同条件で実験を行った。
【0039】[比較例4]実施例4で用いた豪州産樹種
混合ユーカリチップに対し、機械的な圧縮処理を行わな
い点を除き実施例4と同条件で実験を行った。
【0040】[比較例5]実施例5で用いた北米産樹種
混合樺材チップに対し、機械的な圧縮処理を行わない点
を除き実施例5と同条件で実験を行った。
【0041】[比較例6]実施例6で用いたマングロー
ブ材チップに対し、機械的な圧縮処理を行わない点を除
き実施例6と同条件で実験を行った。
【0042】[比較例7]実施例7で用いたアフリカ産
アカシア材チップに対し、機械的な圧縮処理を行わない
点を除き実施例7と同条件で実験を行った。
【0043】[比較例8]実施例8で用いた北米産樹種
混合広葉樹材チップに対し、機械的な圧縮処理を行わな
い点を除き実施例8と同条件で実験を行った。実施例1
〜8、比較例1〜8の結果を表1に示す。
【0044】
【表1】 [実施例9]国産ナラ材チップを、実施例1で使用した
いぼ状突起を有するステンレス製ロールを用いロール間
隙20mmで1段目の機械的な圧縮処理を行った。続い
て、実施例1で使用した表面に溝を有するステンレス製
ロールを用いロール間隙 0.5mmで2段目機械的な圧縮
処理を行った。これを実施例1と同様に蒸解、漂白、抄
紙及びベッセルピックの測定を行った。
【0045】[実施例10]実施例9で用いた国産ナラ
材チップを、実施例1で使用したいぼ状突起を有するス
テンレス製ロールを用いロール間隙20mmで1段目の機
械的な圧縮処理を行った。続いて、実施例1で使用した
表面に溝を有するステンレス製ロールを用いロール間隙
1.5 mmで2段目の機械的な圧縮処理を行った。これを
実施例1と同様に蒸解、漂白、抄紙及びベッセルピック
の測定を行った。
【0046】[実施例11]実施例9で用いた国産ナラ
材チップを、実施例1で使用したいぼ状突起を有するス
テンレス製ロールを用いロール間隙 8mmで1段目の機
械的な圧縮処理を行った。続いて、実施例1で使用した
表面に溝を有するステンレス製ロールを用いてロール間
隙 2.5mmで2段目の機械的な圧縮処理を行った。これ
を実施例1と同様に蒸解、漂白、抄紙及びベッセルピッ
クの測定を行った。
【0047】[実施例12]実施例9で用いた国産ナラ
材チップを、実施例1で使用したいぼ状突起を有するス
テンレス製ロールを用いロール間隙20mmで1段目の機
械的な圧縮処理を行った。続いて、実施例1で使用した
表面に溝を有するステンレス製ロールを用いてロール間
隙 3.5mmで2段目の機械的な圧縮処理を行った。これ
を実施例1と同様に蒸解、漂白、抄紙及びベッセルピッ
クの測定を行った。
【0048】[実施例13]カバ材チップを、実施例1
で使用した表面に溝を有するステンレス製ロールを用い
て、 0.5mmのロール間隙で機械的な圧縮処理を行っ
た。これを実施例1と同様に蒸解、漂白、抄紙及びベッ
セルピックの測定を行った。
【0049】[実施例14]実施例13で用いたカバ材
チップを、実施例1で使用した表面に溝を有するステン
レス製ロールを用いて、 1.5mmのロール間隙で機械的
な圧縮処理を行った。これを実施例1と同様に蒸解、漂
白、抄紙及びベッセルピックの測定を行った。
【0050】[実施例15]実施例13で用いたカバ材
チップを、実施例1で使用したいぼ状突起を有するステ
ンレス製ロールを用いて、 2.5mmのロール間隙で機械
的な圧縮処理を行った。これを実施例1と同様に蒸解、
漂白、抄紙及びベッセルピックの測定を行った。
【0051】[実施例16]実施例13で用いたカバ材
チップを、実施例1で使用したいぼ状突起を有するステ
ンレス製ロールを用いて、 3.5mmのロール間隙で機械
的な圧縮処理を行った。これを実施例1と同様に蒸解、
漂白、抄紙及びベッセルピックの測定を行った。
【0052】
【0053】[比較例9]実施例9で用いた国産ナラ材
チップを、機械的な圧縮処理を行っていない他は、実施
例1と同様に蒸解、漂白、抄紙及びベッセルピックの測
定を行った。
【0054】[比較例10]実施例13で用いた国産カ
バ材チップを、機械的な圧縮処理を行っていない他は、
実施例1と同様に蒸解、漂白、抄紙及びベッセルピック
の測定を行った。実施例9〜17、比較例9〜10で得
られた結果を表2に示す。
【0055】
【表2】 表1から明らかなように、本発明の方法によりチップに
機械的圧縮処理を施すことで、多くの種類の広葉樹を用
いた場合のベッセルピックが著しく低減しており、最も
減少率が小さい場合でも43%の減少が認められた。ま
た、表2に示した結果でもベッセルピックの大きな低減
効果が得られている。
【0056】
【発明の効果】 本発明は、広葉樹チップをパルプ化す
る前にロール間隙が0.1mmから8mmで、いぼ状突起若
しくは溝を有する金属製ロールの間隙を通過させること
によって機械的な圧縮処理を行うことにより、如何なる
チップ原料を用いた場合でも、紙品質を損なうことな
く、ベッセルピックトラブルの少ない高品質な印刷用紙
を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−143591(JP,A) 特開 昭63−85194(JP,A) 特開 昭59−199890(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21B 1/02 D21H 11/00 - 11/14 D21H 15/00 - 15/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロール間隙が0.1mmから8mmであり、
    いぼ状突起若しくは溝を有する金属製ロールの間隙を通
    過させることによって機械的な圧縮処理を施された広葉
    樹チップを含むチップを蒸解して得られるパルプを用い
    て抄造することを特徴とする紙のベッセルピックの低減
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の機械的な圧縮処理を施さ
    れた広葉樹チップを20重量%以上含むチップを蒸解して
    得られるパルプを用いて抄造することを特徴とする紙の
    ベッセルピックの低減方法。
  3. 【請求項3】 前記機械的な圧縮処理が、広葉樹チップ
    をロール周面にその円周方向に50mmから250mm間隔
    でかつ回転軸方向に10mmから100mm間隔で、高さが
    ロール間隙の50%を超えかつ100%未満であってロール
    回転方向側がロール周面に対しほぼ直角か鋭角でかつ回
    転軸方向に平行な5mmから25mm幅の側面を有するい
    ぼ状突起が固設せしめられている金属製ロールの間隙を
    通過させることを特徴とする請求項1ないし請求項2記
    載の紙のベッセルピックの低減方法。
  4. 【請求項4】 前記機械的な圧縮処理が、広葉樹チップ
    をロール方向に3mmから20mm間隔で、深さが1mmか
    ら5mmであってかつ幅1mmから5mmのテーバー形状
    の溝を有する金属製ロールの間隙を通過させることを特
    徴とする請求項1ないし請求項2記載の紙のベッセルピ
    ックの低減方法。
  5. 【請求項5】 広葉樹チップを含むチップをロール間隙
    が0.1mmから8mmであり、いぼ状突起若しくは溝を有
    する金属製ロールの間隙を通過させることによって機械
    的な圧縮処理を施す前に、予めロール間隙が2mmから3
    5mmの金属製ロールの間隙を通過させることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか一項に記載の紙のベッセル
    ピックの低減方法。
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