JP3282142B2 - 靴の中敷およびその製造方法ならびに該中敷を一体化した重量靴 - Google Patents

靴の中敷およびその製造方法ならびに該中敷を一体化した重量靴

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JP3282142B2 JP21147897A JP21147897A JP3282142B2 JP 3282142 B2 JP3282142 B2 JP 3282142B2 JP 21147897 A JP21147897 A JP 21147897A JP 21147897 A JP21147897 A JP 21147897A JP 3282142 B2 JP3282142 B2 JP 3282142B2
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、靴の中敷および重
量靴に関し、特に、重量があり、かつ柔軟性および強靭
性を有し、体力増強に好適な靴の中敷およびその製造方
法ならびにこの中敷を靴底部につくり込んだ重量靴に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、健康の維持や向上、体力、特に脚
力・背筋力・腹筋力の維持や向上のために、鉛などの重
量のある金属(以下、重量金属という)を使用して重く
した靴の中敷(以下、重量中敷という)あるいは同様の
工夫を施した靴(以下、重量靴という)を用いて、歩
行,走行,各種の運動あるいは競技形式の練習を行うこ
とが考えられ、これに伴って各種の発明や考案が提出さ
れている(実開昭61−116503号公報(従来技術
1という)、特開平8−238107号公報(従来技術
2という、実開平1−119502号公報(従来技術3
という)、実開昭62−134405号公報(従来技術
4という)参照)。
【0003】そもそも、歩行,走行,各種の運動あるい
は競技形式の練習を行っている人が着用する靴の底面
は、特に土踏まずからつま先にかけて、体重そのものに
よる加重やジャンプなどによる加重などによって、上方
から恒常的あるいは瞬間的に大きな圧力をかけられた状
態で、前後左右あらゆる角度に、ゆっくりあるいは急速
に、強くあるいは弱く、小さくあるいは大きく、曲げら
れ、そしてまた同様の変化を伴って元の平面に戻される
(以下、これらを総称して「自由な曲がり・戻り」とい
う)という動きを極めて多数回繰り返している。従っ
て、歩行,走行,各種の運動,競技形式の練習に使用さ
れる中敷や重量靴は、この動きに十分対応することが要
求されるが、上述した従来技術は何れもこれらに対して
不十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】まず、第一の問題点
は、十分な重量を確保しようとすると、使用される鉛な
どは当然厚くせざるを得ないが、そうすると厚くなった
分、必然的に大きな圧力の下での自由な曲がり・戻りは
期待できなくなる点である。重さ(即ち厚さ)と自由な曲
がり・戻りの容易さは互いに相反する。
【0005】それに対して、鉛などを主な曲げるべき部
分で予め分割しておくという発明も見られるが、分割が
一方向だけ(進行方向に向かって直角方向)、かつ分割
の数も限られているもの(上記従来技術1および従来技
術2参照)、あるいは分割が極少ない特定の部位に限ら
れているもの(上記従来技術3参照;これは足指/つま
先/土踏まず/踝などの足型に形成するものに限定)な
どあるが、これらにおいては大きな圧力の下での自由な
曲がり・戻りが可能な中敷は実現されていない。特に重
量金属として、鉛ではなく可撓性の少ない金属などを用
いた場合はなおさらである(上述した従来技術2参
照)。
【0006】また、薄い鉛などを重ねて曲がり・戻りの
自由さを獲得しようとした発明もあるが、問題は解決さ
れていない(上述した従来技術3参照)。更に、自由な
曲がり・戻りを得るために、ゴムまたはプラスチックな
どの可撓性素材に金属鉛の粉粒体を混在させて中敷を形
成する発明もあるが、この場合は十分な重量を得ること
ができない(上述した従来技術4参照)。
【0007】第二の問題点は、鉛などの可撓性を有する
重量金属を用いる場合、繰り返しの曲がり・戻りによっ
て、その金属が疲労破壊して、最終的には粒粉状に分離
してしまうことである。しかも、この疲労破壊は、体重
そのものによる加重やジャンプなどによる加重など、上
方からの大きな繰り返し加重によっても発生し、これに
曲がり・戻りが加わった場合には双方が影響し合って、
極めて短時間(状況によっては数時間)で発生すること
が知られている。
【0008】そして、この疲労破壊が発生した場合は、 1.中敷自体が破壊される 2.破壊された部分々々が相互に移動し合って、ある部
分は膨らんで凸になり、ある部分はへこんで凹となっ
て、中敷としては使用できなくなってしまうばかりでは
なく、無理に使用を続ければ足を痛めてしまうという2
次的な問題点が生じる。
【0009】鉛などの可撓性を有する重量金属自体を用
いる場合は、従来技術のいずれでもこの疲労破壊を避け
ることはできず、その結果として、上述した中敷自体の
破壊,中敷の凹凸が発生せざるを得ない(上述の従来技
術1および従来技術3参照)。また、これは、鉛などの
金属を布やプラスチックで覆ったりコーティングしただ
けでは解決しない(同上)。
【0010】第三の問題点は、上述した疲労破壊によ
り、特に粒状,粉末状となった鉛が、中敷の破壊によっ
て靴の中に洩れだし、人体に付着する。鉛は人体に有害
であり、人体に付着した場合には経口摂取などにより健
康を害する恐れがあるが、従来の技術ではこの点が考慮
されていない(上述の従来技術1および従来技術3参
照)。このような鉛の有害性に起因する問題点は、ゴム
もしくはプラスチックなどの可撓性素材に金属鉛の粉末
体を混在させた場合でも同様に存在する(上述の従来技
術4参照)。
【0011】本発明の目的は、上述した従来技術の問題
点を解決し、次の1〜5の条件を満足する靴の中敷や重
量靴および6の条件を満たす靴の重量中敷の製造方法を
提供することである。 1.必要にして十分な重さが確保されるとともに、靴の
重量中敷(これをつくり込んだ重量靴の底部を含む。以
下同じ)としての大きさ・厚さが適切であること。 2.大きな圧力の下での自由な曲がり・戻りが確保され
ること。 3.大きな圧力の下での自由な曲がり・戻りが多数回繰
り返されても、鉛などの可撓性重量金属が疲労破壊しに
くいこと。 4.同じく、疲労破壊しても、それが靴の重量中敷自体
の破壊やその中での凹凸の発生を起こしにくいこと。 5.同じく、健康に有害な粒体・粉体を発生しにくく、
かつそれらが容易に重量中敷の外部に漏れ出さないこ
と。 6.上記条件を満たす靴の重量中敷を、手間を掛けずに
簡単に製造できること。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明の靴の中敷は、板状重量金属の少なくとも
一方の面に溝を設け、かつ使用することを通して加えら
れる力により前記溝部分の底部を構成する重量金属が破
壊を生じる板状重量金属を、可撓性部材の中に封じ込め
たこと、あるいは、鎖状や鎖かたびら状あるいは数珠状
や玉簾状に互いに連結した重量金属を、可撓性部材を流
し込むか、可撓性部材を両側から塗布するか、あるいは
内側に粘着剤または接着剤を塗布した2枚の可撓性部材
で挟んで可撓性部材の中に封じ込めたことを特徴とす
る。この構成により、必要にして十分な重さを確保し、
かつ自由な曲がり・戻りに強い体力増強や健康増進に好
適な靴の中敷が得られる。
【0013】また、本発明の靴中敷の製造方法は、可
撓性部材の表面に、隔壁間の切れ目で連結したセルを形
成するとともに、その形状に合わせて相互に連結した複
数の重量金属を形成し、それらを重ね合わせるようにし
たものである。この方法によれば、複数のセルと複数の
重量金属を一度に合体させることが可能になり、製造の
手間が大幅に減少する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
例を詳細に説明する。 (第1実施例)本発明の靴の重量中敷の第1実施例を説
明する。本実施例における靴の重量中敷は、鉄や鉛など
の粒粉状重量金属を、中敷内に設けられたセルの中に、
セル毎に分離して配置した場合の例である。なお、鉄や
鉛などの粒粉状重量金属の代わりに金属以外の材質から
なる重量部材を用いてもよいが、本発明においては金属
が適しているので、本明細書においては主として「粒粉
状重量金属」を用いた例で説明する。以下、本発明の靴
の重量中敷の製造方法の一例を示す。
【0015】(1)まず、図1に示すように、靴の中敷
の形状を有し、適切な厚さを有する強靭かつ可撓性のあ
るプラスチックなどの第1の可撓性部材1の表面に、凹
部で構成された多数の小部屋(2:以下セルという)を
形成する。図1の(a)は斜視図、(b)は上面図、
(c)は上面図(b)のA−A’における断面図、
(d)はセルの拡大図を示している。 (2)次に、図2に示すように、その各々のセルの中
に、鉄や鉛などの粒粉状重量金属3を納める。図2の
(a)には、拡大したセル2と、その中に鉄や鉛などの
粒粉状重量金属3を納める様子を、図2(b)には、セ
ル2内に粒粉状重量金属3を納めた状態を示している。 (3)次に、多数のセル2の各々に粒粉状重量金属3を
納めたプラスチックなどの第1の可撓性部材1の上を、
同じく第2の可撓性部材4(例えば、強靭かつ可撓性の
あるプラスチックなど)で覆い、接着,溶着,圧着ある
いは縫着などにより密封する。その状態を図3に示す。
図3(a)は第2の可撓性部材4を接着,溶着,圧着あ
るいは縫着などした状態を、図3(b)はその拡大図を
示している。
【0016】上述の如く製造された本実施例における靴
の重量中敷は、次のような特徴(効果)を有している。 (4)セルの大きさを細かく設定し、かつ、可撓性のあ
るプラスチックなどの材料と、多数の粒状または粉状の
鉄や鉛などの重量金属とを組み合わせるので、必要にし
て十分な重さと、自由な曲がり・戻りの双方が実現でき
る。
【0017】(5)また、図4に示すように、セル間の
隔壁A,B,C,Dは、体重そのものによる加重や、ジ
ャンプしたときに生じる上方からの大きな圧力を受けと
める支柱となり、内側に納められた鉛などの粒粉状重量
金属3がそれらの圧力を直接受けて疲労破壊するのを防
止する役割を果たしている。また、セルの中に閉じこめ
られた空気がクッションの役割を果たし、さらに粒粉状
重量金属の破壊を防止する効果がある。
【0018】(6)更に、セルの隔壁A,B,C,D
は、内部に納められた鉄や鉛などの粒粉状重量金属が他
のセルに移動して凸を作ったり、移動した後のセルが凹
になったりするのを防止する役割も行っている。また、
セルが十分小さく、かつ、隔壁A,B,C,D、および
その上面,下面の合わせて6面とも密封されており、し
かも、下面は靴の底面と密着、上面は足裏で押さえられ
ているため、各々のセルの中で粒粉状重量金属が移動し
て凹凸を生じることは殆どない。以上により、自由な曲
がり・戻りの頻繁な繰り返しがあっても、重量中敷の原
型は保たれる。
【0019】(7)セルの形状、セルの大きさ(全体の
セルの数)、セルの高さ(中敷の厚さ)、セルの全体へ
の配置(例えば、つま先、踝などの部位によって粗密を
変える)、セルの隔壁の厚さ、粒粉状重量金属の比重な
どにより、中敷の任意の厚さ、重さ、曲がり易さ、重さ
のバランス(例えば、つま先側を軽く、踝側を重く)を
設定することができる。これにより、歩行用,走行用,
各種のトレーニング用、各種の競技の試合形式の練習用
など、様々な用途に応じた最適の重量中敷や重量靴を自
由に作ることができる。
【0020】(第1実施例の変形例) (a)上述した実施例においては、セルは四方が隔壁
A,B,C,Dで完全に囲まれており、各セルが完全に
分離しているものであったが、本変形例では、図5に示
すように、四方が完全に囲まれておらず、隔壁A,B,
C,Dの接続部になる角部に切れ目が設けられた構成を
有する。この切れ目を十分狭くした場合には、完全に囲
まれている上記実施例と同様の効果を得ることができ
る。その上、本変形例では、上方から加重がかかったと
き空気が隣接するセルに逃げ込むことができるため、加
重を多数のセルに分散させることができ、耐久性が増す
とともに足にフィットしやすくなるという別の効果が生
じる。
【0021】(b)また、上記図1〜5に示された実施
例では、各セルの形状,大きさ,および厚さは概略同じ
であるが、これらの形状,大きさ,厚さは、自由な曲が
り・戻りが得られ、粒粉状重量金属の移動や片寄りを防
ぐことができるものであればどのようなものであっても
よい。また、各セルは、それぞれが全部同じ形状,大き
さ,厚さである必要はなく、曲がり・戻りの頻度,上か
らの圧力の加わり方などを考慮して自由に決めることが
できる。
【0022】(c)粒粉状重量金属は、その一個一個が
全部同じ材質である必要はなく、また全部同じ形状や重
さである必要もない。かつその一個一個が各々互いに独
立でバラバラであっても、その一部または全部が各種の
材料や接着剤や磁力などでつなぎ合わされていても、成
形されて一体化していても、いずれでもかまわない。
【0023】また、粒粉状重量金属は、その一個一個が
金属疲労などによって破壊されにくいものでも、破壊さ
れやすいものでも、どちらでもかまわない。破壊されて
も一個分の大きさが小さくなるだけであり、性能に大き
な変わりはない。粒粉状重量金属の一部または全部がつ
なぎ合わされていたり、成形されて一体化しているもの
についても同様である。また、鉛などのように、使用当
初は全体で一つにまとまっているが、使用していくに従
って疲労破壊して粒粉状になるものは、成形して一体化
された粒粉状重量金属と考えることができる。
【0024】(d)粒粉状重量金属自体およびこれを一
部または全部つなぎ合わせたもの、あるいは成形されて
一体化したものは、いずれも可撓性を有していてもいな
くてもよい。セルの大きさを十分小さくすることによ
り、靴の中敷としての可撓性は、プラスチックなどの材
料のみによって得ることができる。
【0025】 (e)各セルの内側(上面・下面および側面A,B,
C,D)に粘着剤または接着剤を塗り付けておく構成も
考えられる。この構成によると、万一、上面・下面が破
壊されても有害な鉛粉などが中敷の外部に飛び出しにく
い。 (f)上記(e)の考えをさらに推し進めれば、別の変
形例として、図6に示すように、粘着剤または接着剤
十分に塗った可撓性のあるプラスチック2枚の間に一部
または全部をつなぎ合わせた粒粉状重量金属3(図6
(a)参照:直方体の例,以下同じ)あるいは成形され
て一体化した粒粉状重量金属3(鉛などの疲労破壊性重
量金属を含む)(図6(b)参照:直方体の例,以下同
)を多数挟んだ構成が考えられる。この場合、重量金
属と重量金属との間に存在する粘着剤または接着剤が隔
壁の一部の働きをする。
【0026】(g)これらの中敷本体の上面または下
面、あるいは両面に、更に摩擦に強いプラスチックや皮
などを張って、強度を上げたり、足触りを良くすること
も可能である。 (h)プラスチックに透明な材料を使うことにより、内
部の粒粉状重量金属や鉛などの変化を容易に目視で確認
でき、劣化した場合の交換タイミングを的確に判断する
ことが可能になる。
【0027】(i)上記実施例では、プラスチックなど
の材料に多数のセルを作り込み、そのセルに粒粉状重量
金属や鉛などの疲労破壊性重量金属を各々納め、その上
をプラスチックなどで覆う構造としているが、「セルに
粒粉状重量金属を納めてその上をプラスチックなどで覆
う」代わりに、図7に示すように、「溶けたプラスチッ
クを上から流し込んで板状に固める」か、あるいは「溶
けたプラスチックを両面から塗布して板状に固める」と
いう方法をとってもよい。
【0028】(第2実施例)次に、本発明の靴の重量中
敷の第2の実施例を説明する。 (イ)まず、図8に示すように、靴の中敷の形をした粒
粉状重量金属(全部をつなぎ合わせるか、成形して一体
化したもの。鉛などの疲労破壊性重量金属を含む)5の
全面または一部に、縦横にV字型溝6を切り込む。図8
において、(a)は斜視図、(b)はその一部の拡大
図、(c)は断面図を示している。
【0029】 (ロ)次に、図9に示すように、上述したV字型溝6を
有する重量金属5をプラスチックなどの可撓性素材7,
8の間に挟む。この場合、重量金属5に対面するプラス
チックなどの可撓性素材7の面の形状を重量金属5に設
けられたV字型溝6に合致するように形成しておき、こ
れと下面となる平坦なプラスチックなどの可撓性素材8
とで重量金属5を挟み、粘着剤や接着剤で貼り合わせ
る。または、別の方法として、重量金属の平坦な面にプ
ラスチックを貼り合わせ、V字型溝を有する面を上にし
た重量金属に、溶けたプラスチックを流し込むことによ
って同様な構成を形成することも可能である。 (ハ)上記(ロ)のようにして製造した靴の重量中敷を
使用するときには、図10のように上下を逆にする。こ
のようにして使用すれば、重量金属5は、使用中にV字
型溝6のところで破断し、自由な曲がり・戻りが確保さ
れることになる。この構成によっても、上述した効果
(4),(5)の一部,(6)の一部,(7)がほぼ達
成される。さらに、図11に示すように、上記V字型溝
6の一部は突き抜けていてもよい。この構成は結果的に
上記第1実施例の変形例(f)(i)の構成と類似した
ものになる。
【0030】(第3実施例)本発明の靴の重量中敷の第
3実施例を説明する。上述した第1実施例では、靴の中
敷面内に複数のセルが形成され、その各々に粒粉状重量
金属(粒粉状のままであるか、一部または全部がつなぎ
合わされているか、成形されるなどして一体化している
か、鉛などのように使用中に疲労破壊して粒粉状になる
部材であるかいずれかを問わない。以下同じ)が分離し
て納められている。このような構造の重量中敷を製造す
るのには、まず、靴の中敷面内に形成された複数のセル
の各々に、重量金属を各々納める必要があるが、そのと
き、複数のセルが、全部同じ形状,大きさであれば作業
そのものは単純であるが、各セル毎に各々重量金属を入
れていくのに多大の手間がかかってしまう。もし、複数
のセルの各々が、全部または一部が異なった形状,異な
った大きさを有し、その上、重量金属がばらばらになっ
ていた場合には、作業は複雑になり、さらに膨大な手間
がかかってしまう。
【0031】本第3実施例における靴の重量中敷は、こ
のような問題点を解消するものである。すなわち、、粒
粉状重量金属を各々のセルの形状に合わせてつなぎ合わ
せるか、成形して一体化(鉛などの疲労破壊性重量金属
を含む。以下同じ)し、さらに各々の一部を相互に連結
した状態で中敷面内に配置するようにしたものであり、
その製造方法の一例を次に示す。 (1)まず、靴の中敷の形をして適切な厚さを持った強
靭かつ可撓性のあるプラスチックなどの材料に多数の小
部屋(セル)を作り込む(以下、これを「下型」とい
う)。但し、この場合、セルを構成する隔壁A,B,
C,Dの接続角部には切れ目が設けられる(前述した図
5と同様の構成)。
【0032】(2)一方、粒粉状重量金属の方は、図1
2に示すように、各々のセルの形状に合わせてつなぎ合
わせるか、成形して一体化し、さらに前記セルの切れ目
に対応する部分において連結されているものを用意する
(以下、これを「上型」という)。この場合、セルと重
量金属は、全部同じ形状であっても一部または全部が異
なった形状でもよいことはいうまでもなく、作業の複雑
さや手間数は形状には無関係である。 (3)上記下型の上に上記上型を載せることにより、多
数のセルのそれぞれに、対応する重量金属(それぞれの
重量金属はセルの前記角部で連結している)を一度に納
めることができる。
【0033】(4)なお、本構成を靴の中敷として使用
した場合、各重量金属の連結している部分(連結部)は
疲労破壊により破断してしまうが、この破断によって重
量中敷の自由な曲がり・戻りが確保されることになり、
第1実施例で述べた効果がそのまま期待できる。別の変
形例として、図6に示すように、粘着剤または接着剤
十分に塗った可撓性のあるプラスチック2枚の間に、図
12のような連結した重量金属を挟んだ構成が考えられ
る。この場合、重量金属と重量金属との間に存在する
着剤または接着剤が隔壁の一部の働きをする。
【0034】(第3実施例の変形例) (a)各々のセルの形状に合わせて一体化した重量金属
をさらに前記セルの切れ目に対応する部分において連結
する方法としては、打ち抜きなどで作る方法、針金・糸
・ビニール・紐などを連結部材として繋ぐ方法などが考
えられる。また、後者の場合においては、重量金属は必
ずしも粒粉状に疲労破壊する部材である必要はなく(以
下同じ)、また連結部材は、中敷としての使用中に切断
してしまってもかまわないが(この場合は切断以降第1
実施例と同様になる)、切断した結果、鋭い突起やシャ
ープなエッジができて足に突き刺さるようなものは避け
る必要がある。 (b)全部または一部の重量金属を、1枚あるいは数枚
のビニールなどの被覆となるものに各々のセルの位置と
合致するように貼り付けておくことにより、それらの重
量金属を一度で対応するセルに納めることが可能にな
る。 (c)上記(a)における後者の方法または上記(b)
の場合、重量金属は、全部または一部が異なる材質であ
ってもよい。
【0035】(第4実施例) 次に、本発明の靴の重量中敷の第4実施例を説明する。
本実施例では、図13に示すように、繊維状にして織物
布状(a)または不織布状(b)にした重量金属を、可
撓性部材を流し込むか可撓性部材を両面から塗布するな
どして板状に加工するか、あるいは内側に粘着剤または
接着剤を塗布した2枚の可撓性部材で挟んで構成する
(c)。
【0036】(第5実施例) 次に、本発明の靴の重量中敷の第5実施例を説明する。
本実施例では、図14に示すように、リング状またはこ
れに類する形状の重量金属を互いに組み合わせたり、つ
なぎ合わせて鎖状(a)または鎖かたびら状(b)にし
たもの、あるいは球状またはこれに類する形状の重量金
属を互いにつなぎ合わせて数珠または玉簾状にしたもの
を、可撓性部材を流し込むか可撓性部材を両側から塗布
するなどして板状に加工するか、あるいは内側に粘着剤
または接着剤を塗布した2枚の可撓性部材で挟んで構成
する(c)。
【0037】(第6実施例)次に、本発明の重量靴の実
施例を説明する。本実施例では、上記実施例の靴の中敷
を、接着,溶着,圧着,あるいは縫着などにより、予め
靴底部全体またはその一部につくり込み、靴と重量中敷
とを一体化し、重量靴として構成する。本実施例におい
て、重量中敷を靴底全体につくり込んだ場合の重量靴の
全体像を図15(a)に、靴底部の構造を同(b)に示
す。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、必要にして十分な重さ
と自由な曲がり・戻りに強い、体力増強や健康増進に好
適な靴の重量中敷や重量靴が得られ、また、その製造の
手間を大幅に削減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における、複数の小部屋(セル)が中敷
面内に分離されて配置される場合の実施例を示す図であ
る。
【図2】図1の実施例における、セルに粒粉状重量金属
を納める様子を示す図である。
【図3】図1の実施例における、セルに粒粉状重量金属
を納めた後に可撓性部材で覆う様子を示す図である。
【図4】セルを構成する隔壁を説明するための図であ
る。
【図5】セルの隔壁に切れ目を設けた様子を示す図であ
る。
【図6】粘着剤または接着剤を塗布した二枚の可撓性部
材で粒粉状重量金属または鉛などの疲労破壊性重量金属
を挟んだ簡易形の靴の重量中敷を説明するための図であ
る。
【図7】鉛などの疲労破壊性重量金属を覆う可撓性部材
を溶けたプラスチックを流し込んで形成する方法を説明
するための図である。
【図8】V字型溝を設けた重量金属の形状を説明するた
めの図である。
【図9】V字型溝を設けた重量金属を二枚の可撓性部材
で挟んだ構成の中敷を示す図である。
【図10】図9の中敷を使用する場合の状態を示す図で
ある。
【図11】図10の変形例であり、V字型溝の一部が突
き抜けている場合の実施例を示す図である。
【図12】隔壁の切れ目の部分で相互に連結している重
量金属を示す図である。
【図13】重量金属を、繊維状にして織物布状または不
織布状にして構成した中敷を示す図である。
【図14】重量金属を、リング状またはこれに類する形
状にして鎖状または鎖かたびら状にして構成した中敷を
示す図である。
【図15】重量中敷を予め靴底部につくり込み、靴と重
量中敷を一体化して重量靴とした図である。
【符号の説明】
1:可撓性部材、2:小部屋(セル)、3:粒粉状重量
金属、4:可撓性部材、5:重量金属、6:V字型溝、
7,8:可撓性部材、A,B,C,D:隔壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A43B 17/04 A43B 13/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状重量金属の少なくとも一方の面に溝
    を設け、かつ使用することを通して加えられる力により
    前記溝部分の底部を構成する重量金属が破壊を生じる板
    状重量金属を、可撓性部材の中に封じ込めたことを特徴
    とする靴の中敷。
  2. 【請求項2】 鎖状や鎖かたびら状あるいは数珠状や玉
    簾状に互いに連結した重量金属を、可撓性部材を流し込
    むか、可撓性部材を両側から塗布するか、あるいは内側
    に粘着剤または接着剤を塗布した2枚の可撓性部材で挟
    んで可撓性部材の中に封じ込めたことを特徴とする靴の
    中敷。
  3. 【請求項3】 可撓性部材の表面上に二次元的に設けら
    れた隔壁によって形成された複数の小部屋(セル)を有
    する靴の中敷の製造方法であって、前記隔壁間に切れ目
    を設けておくことによって前記複数のセルを連結した状
    態で形成する第1のステップと、それぞれが該複数のセ
    ルの位置に対応するとともに該セルに納まる形状および
    大きさを有し、前記切れ目に対応する部分で相互に連結
    された複数の重量金属を形成する第2のステップと、前
    記第1のステップによって複数のセルが相互に連結され
    た状態で形成された可撓性部材と前記第2のステップに
    よって相互に連結された状態で形成された前記複数の重
    量金属とを重ね合わせる第3のステップを有することを
    特徴とする靴の中敷の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の中敷を予め靴底
    部につくり込み、靴と中敷とを一体化したことを特徴と
    する重量靴。
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