JP3281603B2 - 波長可変フィルタ - Google Patents

波長可変フィルタ

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JP3281603B2 JP21102998A JP21102998A JP3281603B2 JP 3281603 B2 JP3281603 B2 JP 3281603B2 JP 21102998 A JP21102998 A JP 21102998A JP 21102998 A JP21102998 A JP 21102998A JP 3281603 B2 JP3281603 B2 JP 3281603B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長可変フィルタ
に係わり、特に、波長多重光の中から特定波長の光を選
択的に分離する技術に適用して有効な技術に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】光ファイバによる光通信は大容量の情報
を高速に伝送することができるために、最近急速に実用
化されつつある。しかし現時点では、ある特定の波長の
光パルスを伝送しているのみである。多数の異なった周
波数の光パルスを伝送することができれば、さらに大容
量の情報を伝送することができる。これを波長多重(W
DM)と呼び、現在活発に研究されている。波長多重通
信においては多数の波長の光パルスの中から選択的に任
意の波長の光のみを選び出す波長可変フィルタが必要と
なる。従来この種のフィルタとして、モータで角度を制
御するグレーティングフィルタ、モータで誘電体フィル
タを移動させる波長可変フィルタ、ピエゾ素子で共振器
長を制御するエタロンフィルタがあるが、機械式制御の
ため、応答速度が遅く、モジュールが大型となり、また
価格が高いという欠点があった。上記の波長可変フィル
タの欠点を解決するため、本出願人は、ファブリーペロ
ーエタロン内にネマチック液晶を充填し、電圧を印加す
ることによりエタロンの光学的ギャップを可変するよう
にしたフィルタを考案している(特願平2−41273
6号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ネマチ
ック液晶を用いたフィルタは、ネマチック液晶が最高数
ミリ秒の応答速度しか持っていないため、これ以上のチ
ューニング速度を実現できないという問題がある。高速
なチューニング速度は、高速LANにおける波長分割多
重(WDM)を実現させるには欠かせない特性である。
また、液晶を用いたフィルタは電圧による液晶の配向を
利用するために、入射する光の偏光状態や偏光面の方向
によっては、屈折率の変化が一様でない。したがって、
チューニング特性が偏波面によって変化する、いわゆる
偏波依存性が生じることになり、実用的な問題が生じ
る。応答速度をあげるため、カイラルスメチックA液晶
を用いた波長可変フィルタで応答速度10μsecの高
速な応答を示すことが報告されている。しかしながら、
可変幅が狭く、偏波依存性は依然として改善されていな
い(A.Sneh and K.Johnson,”High-speed continuously
tunable liquid crystal filter for WDMnetwork, ”J.
Lightwave.Technol.vol.14,pp.1067,1996.参照)。
【0004】高速光LANでのWDMの実現のために
は、これら2つの欠点を改良した、すなわち高速性と偏
波依存性のない実用性の高い波長可変フィルタの開発が
望まれており、さらに、アレイ化による高密度化、小型
化、および低コスト化が望まれている。本発明は、前記
従来技術の問題点を解決するためになされたものであ
り、本発明の目的は、波長可変フィルタにおいて、光透
過性媒体中に液晶ドロップレットが分散した材料をキャ
ビティーとして用いることにより、偏波依存性がなく、
かつ応答速度が速く、高速チューニングが可能となる技
術を提供することにある。また、本発明の他の目的は、
波長可変フィルタにおいて、液晶ドロップレットのサイ
ズが小さくなると、液晶ドロップレットの駆動に必要と
なる電圧が大きくなる傾向にあるが、液晶ドロップレッ
トを分散するポリマーにプラスチックの可塑化に効果の
ある可塑剤を添加することにより、液晶ドロップレット
を低電圧で駆動し、電圧あたりの波長可変フィルタの可
変幅を大きくすることが可能となる技術を提供すること
にある。また、本発明の他の目的は、波長可変フィルタ
において、従来の波長可変フィルタよりも安価であると
ともに、アレイ化した光ファイバ等と組み合わせること
により、高密度化、小型化を図ることが可能となる技術
を提供することにある。また、本発明の他の目的は、波
長可変フィルタにおいて、波長可変フィルタを多数枚積
層することにより、あるいは、平面ミラー、プリズムミ
ラーを用いることにより、スペクトルの改善を図るとと
もに、波長可変域を全波長域にまで拡大することが可能
となる技術を提供することにある。また、本発明の他の
目的は、波長可変フィルタにおいて、平面ミラーを用い
ることにより、簡単に、合・分波器を構成することが可
能となる技術を提供することにある。本発明の前記なら
びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び
添付図面によって明らかにする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、電圧印加により屈折率が変化する媒体と
して、光透過性のよいポリマーやガラス中に、粒径サイ
ズが150nm以下と極めて小さな液晶ドロップレット
を分散させた媒体を用いたことを特徴とする。この小さ
な液晶ドロップレットはバルク液晶に比べて極めて高速
な応答を示す。またこの大きさの液晶ドロップレット
は、光通信システムで通常用いられる光の波長に比べて
非常に小さいため、散乱体としては働かず、透過ロスが
小さい。150nm以下の液晶ドロップレットのこれら
の高速性と低透過損失性は、散乱を利用した表示用デバ
イスとして以前から検討されてきたμmオーダの液晶粒
子には見られない特性である。
【0006】図2は、本発明における、電圧印加により
屈折率が変化する媒体の構造と動作原理を説明するため
の図であり、ナノサイズの液晶ドロップレット201に
光の入射と同じ方向に電圧を印加したときの液晶ドロッ
プレットのディレクターの向きを誘電異方性が正のネマ
チック液晶を例にとって摸式的に示したものである。な
お、図2において、202は高分子層、203は電極、
204は駆動電源である。電圧を印加しないときは、液
晶ドロップレット201の向きはそれぞれランダムであ
り、かつ、液晶ドロップレット201の大きさは光の波
長よりずっと小さいので、光の波長のオーダでは面内で
の異方性はない。したがって、入射光のどの偏波に対し
ても媒体は等価と見なされ、入射光のどの偏波に対して
も媒体の屈折率は等しいと見なされる。また、電圧を印
加したときは、液晶ドロップレット201のディレクタ
ーの向きは面に対して垂直になろうとするが、この場合
にも、入射光のどの偏波に対しても液晶ドロップレット
201のディレクターの向きは同じように変化するた
め、入射光のどの偏波に対しても媒体の屈折率変化は
等しくなる。したがって、電圧による媒体の屈折率の変
化には偏波依存性はなく、波長可変フィルタの特性にも
偏波依存性は生じない。
【0007】図1は、本発明の波長可変フィルタの基本
構造を説明するための図である。同図において、101
は第2の層、102は第1の層、103は第3の層、1
04は光学ミラー(誘電体ミラー)膜、105は透明電
極、106は透明基板、107はARコート膜(無反射
コート膜)である。透明基板106は通常合成石英の表
面荒さ精度λ/10以下のものが用いられる。この第2
の層101は、電場により屈折率が変化する材料であ
り、ポリマー(高分子)あるいは石英ガラス等の光透過
性媒体中に直径が150nm以下の液晶ドロップレット
が分散されてなる材料である。この場合に、第2の層1
01は、使用波長帯で透明である必要がある。図1に示
す本発明の波長可変フィルタによれば、第2の層101
に電圧を印加しない時、および電圧を印加した時に、第
2の層101の屈折率の変化には偏波依存性がないの
で、本発明の波長可変フィルタの特性にも偏波依存性は
生じない。この液晶ドロップレットが分散されるマトリ
クス媒体は、光透過性の材料であればよく、特に、限定
されるものではないが、光透過性がよく光学的に異方性
のないポリマー、例えば、PMMA系ポリマー、ポリス
チレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、熱硬
化あるいは光硬化性のアクリル系ポリマー、エポキシ系
ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、ポリイソシアネー
ト系、ポリエンポリチオール系、またはガラスなどがあ
げられる。
【0008】この第2の層101を製作する方法として
は、マトリクス媒体がポリマーである場合には、例え
ば、マトリクスポリマーと液晶を有機溶媒に溶解し、溶
媒を除くことによって、液晶ドロップレットをマトリク
スポリマーから分離させる方法、あるいは、熱硬化性あ
るいは光硬化性のプレポリマーに液晶を溶解させてお
き、熱あるいは光照射によって、液晶ドロップレットを
硬化したマトリクスポリマーから分離させる方法等のよ
うに、ポリマーあるいはポリマー前駆体と液晶の混合物
から、液晶を層分離させて得る方法が一般的であるが、
光硬化性のポリマーが作製上好ましい。また、いずれの
方法にしても、本発明で規定した大きさの液晶ドロップ
レットを得るには、急速な溶媒の除去あるいは急速なプ
レポリマーの硬化によって、相分離を急速に行わせる必
要がある。一方、マトリクス媒体がガラスの場合は、本
発明で規定した液晶ドロップレットの大きさに相当した
孔径を有する多孔性のガラスを液晶中に浸漬することに
よって、作製することができる。
【0009】液晶としては、ネマチック液晶、コレステ
リック液晶、強誘電性液晶などがあげられるが、配向の
変化により屈折率変化の大きいネマチック液晶が望まし
い。また、粒状の液晶ドロップレットの大きさは150
nm以下が適当である。これは、150nmより大きい
場合には液晶ドロップレットと媒体との屈折率差による
散乱が大きく、光透過率が十分ではないからであり、ま
た100nm以下ならば散乱ロスがきわめて小さくなる
からである。また、液晶ドロップレットサイズが小さく
なると、応答速度は速くなる傾向にあるが、液晶の駆動
に必要な電圧が大きくなるので、液晶ドロップレットサ
イズは実用的な印加電圧が保てる数nm以上であること
が望ましい。この小さな液晶ドロップレットはバルク液
晶に比べて極めて高速な応答(10μsec以下)を示
す。またこの大きさの液晶ドロップレットは、光通信シ
ステムで通常用いられる光の波長に比べて非常に小さい
ため、散乱体としては働かず、透過ロスが小さい(1か
ら2dB/cm)。
【0010】第1の層102および第3の層103にお
ける、透明電極105と光学ミラー膜104との積層順
序は、どちらが前後でも構わないが、望ましくは、光学
ミラー膜104が、第2の層101に近いほう、すなわ
ち内側にあることが好ましい。これは、光学ミラー膜1
04から光学ミラー膜104までの共振部の透過損失を
少なくしたほうが性能の良い波長可変フィルタが得られ
るからである。また、第1の層102および第3の層1
03の一部を構成する透明電極105は、同じものでも
別種のものでも構わず、特に限定されるものではない。
透明電極105の材質としては、酸化スズをドープした
酸化インジウムや酸化スズの薄膜を用いることができ
る。これは、蒸着やスパッタリングにより作製される。
さらに、第1の層102および第3の層103の一部を
構成する光学ミラー膜104は、同じものでも別種のも
のでも構わず、所定の波長において所望の反射率が得ら
れるものであればよく、その場合に、反射率として95
%程度以上が好ましい。赤外領域用のものとしては、T
e−KBr,Al−Ge−SiO,Cu−Ge−Si
O,Au−Ge−SiO,TiO2−SiO2の多層膜が
例としてあげられる。これらは、蒸着やスパッタリング
により作製される。
【0011】図1に示す本発明の波長可変フィルタは、
例えば、次のような手順で作製される。始めに、使用波
長帯で透明な基板106、例えば、ガラス基板、あるい
はPMMAやポリカーボネート等のプラスチック基板を
用意し、この基板106上に、透明電極105、光学ミ
ラー膜104膜を積層し、第1の層102(あるいは第
3の層103)を形成する。次に、第1の層102(あ
るいは第3の層103)が形成された基板106上に、
光重合あるいは熱重合が可能なプレポリマーと液晶の混
合液の膜をスピンコート等の方法により形成する。この
状態で、熱あるいは光によりプレポリマーを重合固化さ
せ、相分離により、極小の液晶ドロップレットをポリマ
ー中に生成させる。次に、第1の層102(あるいは第
3の層103)上に形成された液晶ドロップレット分散
ポリマー膜に、第3の層103(あるいは第1の層10
2)、即ち、光学ミラー膜104、透明電極105が積
層された基板106を重ね密着させて、本実施の形態の
波長可変フィルタが作製される。なお、基板106の外
側の表面は、ここでの反射を小さくする意味からARコ
ート膜107で覆われていることが望ましい。
【0012】また、透明電極105と光学ミラー膜10
4が積層された2枚の基板106を所定の厚さのスペー
サを挟んで張り合わせ、スペーサによりつくられた空隙
部に光重合あるいは熱重合が可能なプレポリマーと液晶
の混合液を満たした後、熱あるいは光によりプレポリマ
ーを重合させ、相分離により、極小の液晶ドロップレッ
トをポリマー中に生成させる方法を用いることもでき
る。さらに、孔径が150nm以下の多孔性のガラス基
板を液晶に浸漬し細孔部を液晶で満たしたものを、光学
ミラー膜104、透明電極105が積層された2枚の基
板106で挟み、密着固定することによって作製するこ
とも可能である。
【0013】図1に示す本発明の波長可変フィルタを構
成するそれぞれの膜の界面荒さや厚さ、大きさについて
は、実用的な範囲内であれば、特に限定されるものでは
ない。しかし、第2の層101の膜厚(キャビティー
長)は、共振する光の波長の間隔(以下、FSRと称す
る。)を決定する重要なファクターであると同時に、分
離できる光のスペクトルの半値幅にも影響を与える。し
たがって、この厚さは、フィルタの可変幅等を考慮して
決定されるものであり、普通は、数μm〜100μmで
ある。
【0014】図3は、本発明の波長可変フィルタの構造
と動作原理を説明するための図である。図3に示す本発
明の波長可変フィルタ基本構造は、マトリクス媒体とし
て高分子を使用し、微小な液晶ドロップレット分散ポリ
マーを、そのキャビティの中に挟んだファブリーペロー
エタロン型の波長可変フィルタである。同図において、
301は150nm以下の粒径を持つネマチック液晶ド
ロップレット、302は液晶を閉じこめる高分子層、3
03は光学ミラー(誘電体ミラー)膜、304は透明電
極、305は透明基板、306は交流電源である。ま
た、307は電圧無印加時の透過スペクトル、308は
電圧印加時の透過スペクトルを示す。図3(a)に示す
ように、電圧を印加しない場合には、液晶ドロップレッ
ト301内の液晶分子はランダムの方向を向き、微小な
液晶ドロップレット分散ポリマー層に入射した光の感じ
る屈折率は、ネマチック液晶の屈折率(ne、no)の平
均の屈折率である。また、図3(b)に示すように、電
圧を印加すると印加電界方向に液晶分子が揃い、屈折率
はnoに近づいていく。
【0015】通常、波長633nmで、ne、noの値
は、1.7174,1.532,平均の屈折率は1.5
55程度である。したがって、ファブリーペローエタロ
ンの共振波長である透過光の波長は、図3の下側に示す
ように、電圧を印加しない時の透過光の波長(図3の3
07)から、短波側の波長(図3の308)にシフトす
る。微小な液晶ドロップレット分散ポリマーの屈折率変
化は、下記(1)式で表わされる(S.Matsumoto,M.Houl
bert,T.Hayashi and K.Kubodera,”Fine dropletsof LC
s in a transparent polymer and their response to a
n electric field,”Appl.phys.Lett.,vol.69(8),pp.10
44,1996, および,S.Matsumoto et al;Organic Thin Fil
ms for Photonic Applications,Technical Digest,P90
(1997)参照)。
【0016】
【数1】 Δn=kE2 (Eの単位はV/μm) ・・・・・・・ (1) 但し、kは比例定数で、液晶ドロップレットの大きさ、
液晶ドロップレットの密度に依存する。kは通常1×1
0~5〜2×10~4程度である。また、屈折率変化と波長
シフト量Δλの関係は以下の式で表わされる。
【0017】
【数2】 Δλ=1550×Δn/n(nm) ・・・・・・・・・・・・ (2) 例えば、k=4×10−5の時、20μmの厚さの微小
な液晶ドロップレット分散ポリマー層に600Vの電圧
を印加した場合、30V/μmの電界がかかり、屈折率
変化Δnは0.036であり、37nmの波長可変が期
待できる。但し、この電界は絶縁破壊限界であり、実際
には可変幅は400V印加で最大15nm程度が期待で
きる。即ち、本発明は、透明電極と光学ミラー層とから
なる第1の層と、電場により屈折率が変化する第2の層
と、透明電極と光学ミラー層とからなる第3の層とがこ
の順番で積層されてなる多層膜を含むファブリーペロー
エタロン型波長可変フィルタであって、前記第2の層
が、光透過性媒体(例えば、ポリマーあるいは石英ガラ
ス)中に直径が150nm以下の液晶ドロップレットが
分散されている材料で構成されることを特徴とする。ま
た、本発明は、前記第2の層と第1の層との界面、ある
いは前記第2の層と第3の層との界面に、前記第2の層
の屈折率とほぼ等しい透明層を含むことを特徴とする。
また、本発明は、前記液晶ドロップレットがネマチック
液晶ドロップレットであることを特徴とする。また、本
発明は、前記ポリマーが、可塑剤を含むことを特徴とす
る。また、本発明は、前記ポリマーが、光硬化性ポリマ
ーであることを特徴とする。また、本発明は、前記光硬
化性ポリマーが、ポリエンポリチオール系ポリマーであ
ることを特徴とする。また、本発明は、キャビティギャ
ップがそれぞれ異なる2枚以上の前記波長可変フィルタ
が積層されていることを特徴とする。
【0018】また、本発明は、前記波長可変フィルタの
他方の側に設置されるプリズムミラーあるいは平面ミラ
ーを備え、前記波長可変フィルタの一方の側から入射さ
れる光ビームまたは光ビームアレイが、前記波長可変フ
ィルタを通過した後、前記プリズムミラーまたは平面ミ
ラーで反射されて前記波長可変フィルタに入射され、前
記波長可変フィルタを再び通過した後、前記波長可変フ
ィルタの一方の側から出射されることを特徴とする。ま
た、本発明は、前記波長可変フィルタの両側に、互いに
位置がずれて設置される2個の平面ミラーを備え、前記
波長可変フィルタの一方の側から斜めに入射される光ビ
ームまたは光ビームアレイが、前記波長可変フィルタを
通過した後、前記第1の平面ミラーで反射されて前記波
長可変フィルタに入射され、前記波長可変フィルタを再
度通過した後、前記第2の平面ミラーで反射されて前記
波長可変フィルタに入射され、前記波長可変フィルタを
再び通過した後、前記波長可変フィルタの他方の側から
出射されることを特徴とする。また、本発明は、前記波
長可変フィルタの一方の側に設置される平面ミラーを備
え、前記波長可変フィルタの一方あるいは他方の側から
斜めに入射される光ビームあるいは光ビームアレイが、
前記平面ミラーと、前記液晶波長可変フィルタの光学ミ
ラー層との間で多重反射して進行し、その間に、前記波
長可変フィルタの透過波長に相当する光ビームあるいは
光ビームアレイが、前記波長可変フィルタの他方の側か
ら出射されることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。なお、実施の形態を説明す
るための全図において、同一機能を有するものは同一符
号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0020】[実施の形態1]本発明の実施の形態1の
波長可変フィルタは、図3と同様の構造のファブリーペ
ローエタロン型の波長可変フィルタであり、以下の方法
により作成される。まず、石英ガラス等の基板(図3の
305)上に、ITOからなる透明電極(図3の30
4)と、光学ミラー膜(図3の303)とを蒸着により
積層した基板を用意する。なお、光学ミラー膜は、波長
1.5μmの光の反射率が97%の誘電体多層膜ミラー
膜であり、また、基板の表面研摩精度はλ/10以下が
望ましい。この基板上に、液状の紫外線硬化型のプレポ
リマー(例えば、ノーランド社製NOA81)と、ネマ
チック液晶(メルク社製BL24)との混合物の膜をス
ピンコート法により形成する。ここで、プレポリマーと
ネマチック液晶との混合割合は、樹脂100gに対して
液晶50gであり、また、膜厚は約20μmである。こ
れに、メタルハライドランプを照射し、樹脂を重合硬化
させるとともに、樹脂中に液晶ドロップレットを形成さ
せる。これに同種の基板を重ね合わせて、図3と同様の
構造のファブリーペローエタロン型の波長可変フィルタ
を作成する。
【0021】本実施の形態の波長可変フィルタにおい
て、基板に垂直にバンド幅の広い1.5μm帯のレーザ
ー光を入射したときの透過スペクトルを図4に示す。こ
の透過スペクトルは、入射光の偏光方向を回転しても変
化しないことを確認した。透過光のFSRは37.4n
mで半値幅0.6nmであった。また、透過ロスは2.
37dBであった。
【0022】次に、本実施の形態の波長可変フィルタに
電圧を印加し、透過する光の波長の変化を観察した。図
5は、本実施の形態の波長可変フィルタの透過する光の
波長の電圧依存性を示すグラフである。図5から明らか
なように、本実施の形態の波長可変フィルタでは、50
0Vの印加により、透過する光の波長が12.7nmだ
け変化することがわかる。また、入射光の偏光方向を回
転しても、透過光の波長の変化量は全く変わらなかっ
た。これらの結果は、液晶ドロップレットが分散した材
料をキャビティーとして用いたファブリーペローエタロ
ンが偏波依存性のない波長可変フィルタとして機能して
いることを示している。このフィルタに400Vの矩形
パルスを印加し、フィルタの応答波形を観察したとこ
ろ、立ち上がり時間、立ち下がり時間は、数十〜数百μ
secと高速な応答を示した。
【0023】[実施の形態2]本発明の実施の形態2の
波長可変フィルタも、図3と同様の構造のファブリーペ
ローエタロン型の波長可変フィルタであり、以下の方法
により作成される。図6は、本実施の形態の波長可変フ
ィルタの製造方法を説明するための図である。始めに、
図6(a)に示すように、石英ガラス等の基板601上
に、ITOからなる透明電極602と、光学ミラー膜6
03とを蒸着により積層した基板を用意する。なお、光
学ミラー膜603は、波長1.5μmの光の反射率が9
7%の誘電体多層膜ミラー膜であり、また、基板601
の表面研摩精度はλ/10以下が望ましい。この基板上
に、紫外線硬化型樹脂にネマチック液晶を混合したもの
を、スピナーで回転塗布し、膜厚が約20μmの、紫外
線硬化型樹脂とネマチック液晶との混合物の膜を形成す
る。ここで、紫外線硬化型樹脂とネマチック液晶との混
合割合は樹脂100gに対して液晶50gである。これ
に、メタルハライドランプを用いて均一な紫外線606
を照射し、樹脂を重合硬化させるとともに、樹脂(高分
子)層605中に液晶ドロップレット604を形成さ
せ、微小な液晶ドロップレット分散ポリマー層を形成す
る。次に、図6(b)に示すように、微小な液晶ドロッ
プレット分散ポリマー層の基板の緑の部分(図に示す6
07の部分)を削り取る。
【0024】次に、図6(c)に示すように、微小な液
晶ドロップレット分散ポリマー層が削除された部分の一
部に接着剤608を塗布し、さらに、その上に対となる
基板を、光学ミラー膜603が平行になるように、対向
する光学ミラー膜603間で発生する干渉縞を観測しな
がら、干渉縞が少なくなるように接着する。この対とな
る基板は、石英ガラス等の基板601上に、ITOから
なる透明電極602と、光学ミラー膜603とが蒸着に
より積層された基板である。この時場合によっては、上
側の基板と微小な液晶ドロップレット分散ポリマー層の
間に空隙ができ、さらに微小な液晶ドロップレット分散
ポリマーを削り取った部分607は空隙になる。そのた
め、図6(d)に示すように、微小な液晶ドロップレッ
ト分散ポリマー層と光学ミラー膜603面の隙間に、微
小な液晶ドロップレット分散ポリマーと屈折率の一致し
た接着剤(またはマッチングオイル)609を毛細管減
少で流しこむ。最後に、図6(e)に示すように、周囲
を封止剤610で封止する。このように、本実施の形態
では、微小な液晶ドロップレット分散ポリマー層と光学
ミラー膜603との一方の界面に、微小な液晶ドロップ
レット分散ポリマーの屈折率とほぼ等しい透明層(接着
剤またはマッチングオイル609)を挿入するようにし
たので、不要な光反射を防止して特性の改善を図ること
が可能となる。
【0025】[実施の形態3]前記実施の形態1の波長
可変フィルタ、即ち、ナノサイズの液晶ドロップレット
を分散させたポリマーをキャビティ材料に用いたファブ
リペローエタロン型波長可変フィルタにおいては、液晶
ドロップレットのサイズが小さくなると、液晶ドロップ
レットの駆動に必要となる電圧が大きくなる傾向にあ
る。そのため、本実施の形態の波長可変フィルタでは、
液晶ドロップレットを分散するポリマーにプラスチック
の可塑化に効果のある物質(可塑剤)を添加することに
より、液晶ドロップレットを低電圧で駆動し、電圧あた
りの波長可変フィルタの可変幅を大きくするようにした
ものである。この可塑剤としては、例えば、ジブチルフ
タレート、ジーnーオクチルフタレート、ジー(2ーエ
チルヘキシル)フタレート、ジノニルフレート、ジラウ
リルフタレート、ブチルベンジルフレート、アジピン酸
ジ(2ーエチルヘキシル)、セバシン酸ジ(2ーエチル
ヘキシル)、リン酸トリクレジル、リン酸トリ(2ーエ
チルヘキシル)、ポリエチレングリコールエステル、エ
ポキシ脂肪酸エステルン等があげられる。
【0026】本実施の形態の波長可変フィルタは、以下
の方法により作成される。まず、石英ガラス等の基板
(図3の305)上に、ITOからなる透明電極(図3
の304)と、光学ミラー膜(図3の303)とを蒸着
により積層した基板を用意する。なお、光学ミラー膜
は、波長1.5μmの光の反射率が97%の誘電体多層
膜ミラー膜であり、また、基板の表面研摩精度はλ/1
0以下が望ましい。この基板上に、液状の紫外線硬化型
のポリエンポリチオール系プレポリマー(例えば、ノー
ランド社製NOA81)、ネマチック液晶(例えば、メ
ルク社製BL24)、および可塑剤から成る混合物の膜
をスピンコート法により形成する。これに、メタルハラ
イドランプを照射し、樹脂を重合硬化させるとともに、
樹脂中に液晶ドロップレットを形成させる。これに同種
の基板を重ね合わせて、図3と同様の構造のファブリー
ペローエタロン型の波長可変フィルタを作成する。
【0027】本実施の形態の波長可変フィルタを実際に
作成し、この作成した波長可変フィルタに電圧を印加
し、透過する光の波長シフト量を測定した。測定結果を
図7に示す。この図7は、本実施の形態の波長可変フィ
ルタの透過する光の波長シフト量の電圧依存性を示すグ
ラフである。図7において、―●―で示すグラフは、可
塑剤としてアジピン酸ジ(2ーエチルヘキシル)を添加
した本実施の形態の波長可変フィルタ、―□―で示すグ
ラフは、可塑剤としてリン酸トリクレジルを添加した本
実施の形態の波長可変フィルタ、―▲―で示すグラフ
は、可塑剤の添加のない波長可変フィルタ(前記実施の
形態1の波長可変フィルタ)である。ここで、可塑剤と
してアジピン酸ジ(2ーエチルヘキシル)を添加した本
実施の形態の波長可変フィルタにおいて、ポリエンポリ
チオール系のプレポリマーとネマチック液晶との混合割
合は、樹脂100gに対して液晶60g、ポリエンポリ
チオール系のプレポリマーとアジピン酸ジ(2ーエチル
ヘキシル)との混合割合は、樹脂100gに対して液晶
7gであり、また、膜厚は約20μmである。同様に、
可塑剤としてリン酸トリクレジルを添加した本実施の形
態の波長可変フィルタにおいて、ポリエンポリチオール
系のプレポリマーとネマチック液晶との混合割合は、樹
脂100gに対して液晶60g、ポリエンポリチオール
系のプレポリマーとリン酸トリクレジルとの混合割合
は、樹脂100gに対して液晶7gであり、また、膜厚
は約20μmである。また、可塑剤の添加のない前記実
施の形態1の波長可変フィルタにおいて、ポリエンポリ
チオール系のプレポリマーとネマチック液晶との混合割
合は、樹脂100gに対して液晶60gであり、また、
膜厚は約20μmである。この図7から明らかなよう
に、アジピン酸ジ(2ーエチルヘキシル)、およびリン
酸トリクレジルのような可塑剤を添加した本実施の形態
の波長可変フィルタでは、可塑剤を加えない前記実施の
形態1の波長可変フィルタに比べて、低電圧で大きな波
長シフト量を得ることができる。
【0028】[実施の形態4]図8は、本発明の他の実
施の形態である波長可変フィルタの構成を示す斜視図で
ある。本実施の形態の波長可変フィルタは、本発明の波
長可変フィルタが面型デバイスであることを利用したア
レイ構成の波長可変フィルタである。同図において、7
01はアレイ構成の波長可変フィルタ、702,703
は光ビームアレイが入出力される光コリメータアレイ、
704は入力側ファイバアレイ、705は出力側ファイ
バアレイである。本実施の形態のアレイ構成の波長可変
フィルタ701は、それぞれ透明電極、光学ミラー膜が
形成された一対の透明基板間に、電場により屈折率が変
化する材料(前記各実施の形態に記載した微小な液晶ド
ロップレット分散ポリマー層等)が挟み込まれて構成さ
れる。
【0029】図9は、本実施の形態のアレイ構成の波長
可変フィルタ701における、一対の透明基板に形成さ
れる透明電極パターン例を示す図である。同図におい
て、801は一対の透明基板、802はストライプ状の
透明電極、803はマトリクス状に配置された四角形状
(以下、□状と称す。)の透明電極、804は基板全面
に形成された透明電極、806は□状の透明電極803
の端面までの引き出し電極、807は薄膜抵抗、808
は個々の□状の透明電極803に印加する電圧を調整す
る薄膜トランジスタである。図9(a)に示す透明電極
パターンでは、ストライプ状の透明電極802が互いに
直交するように形成され、当該ストライプ状の透明電極
802をマトリクス駆動することにより、当該ストライ
プ状の透明電極802が交差する点のそれぞれに、独立
に電圧を印加することができる。図9(b)に示す透明
電極パターンでは、各□状の透明電極803からそれぞ
れ引き出し電極806が基板端面まで引き出されてお
り、各□状の透明電極803にそれぞれ独立に電圧を印
加することができる。
【0030】図9(c)に示す透明電極パターンでは、
各□状の透明電極803が薄膜抵抗807で直列に接続
されており、先端部の□状の透明電極803と終端部の
□状の透明電極803とに印加する電圧が決定される
と、各□状の透明電極803に印加される電圧は、各薄
膜抵抗807の抵抗値によって決定される。図9(d)
に示す透明電極パターンでは、各□状の透明電極803
のそれぞれに薄膜トランジスタ808が形成され、行
(あるいは列)方向の薄膜トランジスタ808をオンと
し、それに合わせて、列(あるいは行)方向の薄膜トラ
ンジスタ808のソース(あるいはドレイン)に電圧を
印加することにより、各□状の透明電極803に独立に
電圧を印加することができる。図9(e)に示す透明電
極パターンでは、一方の透明基板801にストライプ状
の透明電極802が形成され、各ストライプ状の透明電
極802毎に独立に電圧を印加することができる。図9
(f)に示す透明電極パターンでは、一方の透明基板8
01にストライプ状の透明電極802が形成され、この
ストライプ状の透明電極802は薄膜抵抗807で直列
に接続される。したがって、先端部のストライプ状の透
明電極802と終端部のストライプ状の透明電極802
とに印加する電圧が決定されると、各ストライプ状の透
明電極802に印加される電圧は、各薄膜抵抗807の
抵抗値によって決定される。
【0031】図10は、本実施の形態の光コリメータア
レイ(702,703)の一例の概略構成を示す斜視図
である。図10(a)は、1次元の光コリメータアレイ
を示し、901はファイバアレイ、902は等間隔で形
成されたV溝アレイを備えるV溝基板、903はマイク
ロレンズアレイ、904は出力光ビームアレイである。
この光コリメータアレイでは、V溝基板902内のV溝
に光ファイバを並べ、平面マイクロレンズアレイ903
をその先端に取り付け、コリメータアレイ化している。
また、図10(b)は、2次元の光コリメータアレイを
示し、901はファイバアレイ、903はマイクロレン
ズアレイ、904は出力光ビームアレイ、905はマイ
クロフェルールを納める枠、906はマイクロフェルー
ル、907は光ファイバである。この光コリメータアレ
イでは、マイクロフェルール906内に光ファイバ90
7を挿入し、マイクロフェルール906を2次元状に並
べたものに、平面マイクロレンズアレイ903を装着
し、2次元コリメータアレイ化している。このように、
本実施の形態では、1枚の波長可変フィルタをアレイ化
でき、チャンネル当たりのコストを大幅に削減すること
が可能である。また従来の液晶波長可変フィルタは、偏
波依存性があり応答速度が遅く、実用性に欠けたのに対
し、微小な液晶ドロップレット分散ポリマーを用いる液
晶波長可変フィルタは偏波無依存、高速応答である等の
優れた特徴を有する。
【0032】[実施の形態5]図11は、本発明の他の
実施の形態である波長可変フィルタの構成を示す要部断
面図である。同図において、1001は150nm以下
の粒径を持つネマチック液晶ドロップレット、1002
は高分子層、1003は光学ミラー(誘電体ミラー)
膜、1004は透明電極、1005は透明ガラス基板、
1006はARコート膜(無反射コート膜)である。前
記各実施の形態で説明した波長可変フィルタは、そのま
までは可変幅が10nm程度と小さく、また駆動電圧が
500Vと高いという欠点を有している。本実施の形態
の波長可変フィルタは、上記欠点を改善するものであ
る。図11(a)に示すように、本実施の形態の波長可
変フィルタは、第1の波長可変フィルタ1020と、第
2の波長可変フィルタ1021との2枚の波長可変フィ
ルタを重ね合わせたものである。この2枚の波長可変フ
ィルタ(1020,1021)のキャビティギャップは
少し異なっている。図11(b)は、積層した波長可変
フィルタの個々の1本のスペクトルと積層されたフィル
タの1本のスペクトルを示したものである。1007は
第1の波長可変フィルタ1020の一本の透過スペクト
ルの一本を示したものであり、また、1008は第2の
波長可変フィルタ1021の一本の透過スペクトルを示
したものであり、さらに、1009は2枚のフィルタを
通過した一本の透過スペクトルを示したものである。図
11から明らかなように、2つの透過スペクトルが重な
った場合、出力の透過スペクトルは、急峻になり、クロ
ストークが低減でき、さらにピークの先端部が平坦にな
ることが分かる。この効果は、波長可変フィルタの枚数
を多くするほど、スペクトルが急峻になり、クロストー
クの低減を図ることができる。また、同じ半値幅を持つ
1枚のフィルタと比較するとスペクトルの先端部が平坦
になり、波長選択のトレランスが大きくなるという利点
がある。
【0033】図11(c)は、キャビティギャップが若
干異なる2枚の液晶波長可変フィルタ(1020,10
21)毎の複数の透過スペクトル、その波長可変の様
子、およびキャビティギャップが若干異なる2つの液晶
波長可変フィルタを2枚積層した波長可変フィルタの1
本の透過スペクトルの波長可変の様子を示している。1
011は第1の波長可変フィルタ1020の等間隔で現
われる透過スペクトル群を示したものであり、また、1
012は第2の波長可変フィルタ1021の等間隔で現
われる透過スペクトル群を示したものであり、さらに、
1013は2枚の波長可変フィルタを重ねた場合の1本
の透過スペクトルを示したものである。ファブリーペロ
ーエタロン型フィルタでは、図11(c)の上の2つに
示すように等間隔の透過波長ピークが現われる。キャビ
ティギャップが大きい方が、ピーク間隔(FSR)が狭
い。従って、キャビティギャップが異なる2つの波長可
変フィルタ(1020,1021)は、そのピーク間隔
(FSR)が異なる。
【0034】2つの波長可変フィルタ(1020,10
21)の中の1本のピークを同じ波長に合わせると、他
の透過ピークは一致しないため、2枚積層した場合、1
本の透過ピークのみが現われる。第1波長帯で、2つの
透過波長ピークを一致させて可変すると第1波長帯全域
に渡って透過波長ピークを可変できる。次に、第2波長
帯で同様のことを行うと、第2波長帯全波長域を可変で
きることになる。同様に第3、第4波長帯でも、可変さ
せることができる。個々の波長可変フィルタは、高々1
0nmしか可変できないが、キャビティギャップの若干
異なる2つの波長可変フィルタを積層することにより、
見かけ上数10nmの波長域を可変できる。なお、本実
施の形態では、キャビティギャップが異なる2つの波長
可変フィルタ(1020,1021)を2枚積層した例
を示したが、3枚以上でも、同様の効果がある。このよ
うに、本実施の形態では、波長可変フィルタを多数枚を
積層することにより、スペクトルを急峻にしてクロスト
ークの低減を図るとともに、スペクトル先端部の平坦化
を図ることが可能となる。また、それぞれのフィルタの
透過波長の組み合わせを制御することにより、波長可変
幅を大幅に増大することが可能となる。
【0035】[実施の形態6] 図12は、本発明の他の実施の形態である波長可変フィ
ルタの構成を示す分解斜視図である。本実施の形態の波
長可変フィルタは、前記実施の形態4のファイバアレイ
コリメータの代わりに、入出力部にコア拡大(TEC)
ファイバを用いたものである。同図において、1101
は光ファイバのコア、1102は透明電極、1103は
光学ミラー(誘電体ミラー)膜、1105は微小な液晶
ドロップレット分散ポリマー層、1106はSCコネク
タのスリーブ、1107は入力側光ファイバ、1108
は出力側光ファイバ、1109は取り出し電極、111
0はフェルール、1111はフェルール1110後部の
金属部分、1112は微小な液晶ドロップレット分散ポ
リマーを充填するためにスリーブ1106にあけた穴で
ある。この透明電極1102はフェルール1110全体
を覆い金属部1111につながっている。コア拡大ファ
イバをギャップを設けて対向させた場合、そのギャップ
が数10μmから100μm程度の場合には、非常に低
いカップリングロスで、レンズなしで、フリースペース
に光を伝搬させて、光ファイバ間の光のカップリングが
可能である。この特性を利用し、TECファイバとSC
コネクタのスリーブ1106を用いて超小型波長可変フ
ィルタを実現できる。
【0036】本実施の形態の波長可変フィルタは、以下
のようにして作成される。まず、TECファイバ(11
07,1108)をフェルール1110に挿入し先端を
研磨する。次に、スパッタ装置内でフェルール1110
全体及びフェルール1110後部の金属部分1111を
覆うように、ITOからなる透明電極1102を形成す
る。次に、フェルール1110およびTECファイバ
(1107,1108)の先端に光学ミラー膜1103
をコートする。次に、SCコネクタのスリーブ1106
の両側から、入力側光ファイバ1107および出力側光
ファイバ1108のフェルール1110を挿入し、その
ギャップが平行で数μmから数10μmになるように調
整する。次に、SCコネクタのスリーブ1106の上の
液晶挿入用の穴1112から、紫外線硬化型樹脂に液晶
を混合したものを挿入し、紫外線照射によって樹脂を硬
化させるとともに液晶ドロップレットを分散させる。さ
らに、フェルール1110後部の金属部分1111に取
り出し電極1109を取り付ける。このように、本実施
の形態では、コア拡大ファイバとSCコネクタを用い
て、構造が単純な偏波無依存、高速変調可変フィルタ
を、簡単に、かつ低コストで製作することが可能とな
る。
【0037】[実施の形態7]本発明の他の実施の形態
である波長可変フィルタは、TECファイバで構成され
るファイバアレイを用いたアレイ構成の波長可変フィル
タである。図13は、本実施の形態のアレイ構成の波長
可変フィルタの製造方法を説明するための図である。以
下、図13を用いて、本実施の形態の波長可変フィルタ
の製造方法を説明する。始めに、図13(a)に示すよ
うに、TECファイバ1201を用意し、そのコア拡大
部で切断し、その端面を研磨する。次に、スパッタ法に
より、コア拡大ファイバの先端部およびそこから数cm
に渡った部分を覆うようにITOからなる透明電極12
02を形成する。さらに、TECファイバ1201の先
端部分に光学ミラー(誘電体ミラー)膜1203を形成
する。次に、図13(b)に示すように、等間隔で形成
されたV溝アレイを備えるV溝基板1204を用意し、
V溝基板1204のV溝に、TECファイバ1201
を、TECファイバ1201とV溝基板1204の端面
とが同じ面になるように配列し、接着剤で接着・固定す
る。次に、図13(c)に示すように、V溝基板120
4のV溝にTECファイバ1201が配列・固定された
ファイバアレイを2個用意し、当該2個のファイバアレ
イを、スペーサ1205を挟んで対向させ、TECファ
イバ1201の軸が一致し、対向面が平行になるように
調整し、固定する。その際のギャップは20から30μ
mとする。次に、図13(d)に示すように、スペーサ
1205により形成されるギャップの中に紫外線硬化型
樹脂とネマチック液晶を混合したものを流し込み、紫外
線を照射して、固化させ、微小な液晶ドロップレット分
散ポリマー層1206を形成する。また、TECファイ
バ1201の側面に取り出し電極1207を取り付け
る。このように、本実施の形態では、コア拡大ファイバ
で構成されるファイバアレイを用いて、構造が単純で、
アレイ構成の偏波無依存、高速変調可変フィルタを、簡
単に、かつ低コストで製作することが可能となる。
【0038】[実施の形態8]図14は、本発明の他の
実施の形態である波長可変フィルタの構成を示す要部断
面図である。本実施の形態の波長可変フィルタは、1枚
の波長可変フィルタとミラー膜とを組み合わせて、前記
実施の形態5と同様、スペクトルの急峻化、クロストー
クの低減化、ピーク先端部の平坦化を図ったものであ
る。同図において、1301は150nm以下の液晶ド
ロップレットを持つ微小な液晶ドロップレット分散ポリ
マー層を備える波長可変フィルタ、1302はプリズム
ミラー、1303は入力側コリーメートファイバ、13
04は出力側コリメートファイバ、1305は平面ミラ
ーである。図14(a)はプリズムミラー1304を用
いた場合を示し、図14(b)は平面ミラー1305を
用いた場合を示している。両者とも入射した光ビームは
ミラー(1304,1305)によって反射されて、2
枚積層したのと同じ効果がある。但し、図14(b)で
は、光ビームが波長可変フィルタ1301に対して斜め
に入射するため、若干の偏波依存性(0.数dB以下)
が生じるが、これは大きな問題とはならない。また、斜
め入射のため微小な液晶ドロップレット分散ポリマー層
の屈折率変化に伴って屈折角が変化し、出射ビームの位
置ずれが生ずるが、波長可変フィルタの厚み約5mmに
対しビーム径は200μmあり、角度として約2度の余
裕があり、図14(b)において、入射角は88度から
89度で組むためビームの位置ずれはほとんど問題にな
らない。
【0039】図14(c)は、2枚の位置を若干ずらし
た平面ミラー1305で、波長可変フィルタ1301を
挟み、光ビームが、若干傾いて波長可変フィルタ130
1に入射され、2枚の位置を若干ずらした平面ミラー1
305で2回反射されて、計3回波長可変フィルタ13
01を通過する構造となっている。これにより、1枚の
波長可変フィルタ1301で3枚の波長可変フィルタ1
301にフィルタを重ねた効果がある。ここでは、コリ
メートファイバは1本のみを示したが、フィルタアレイ
とコリメートファイバアレイを用いて、アレイ化しても
同様の効果がある。このように、本実施の形態では、平
面ミラー、プリズムミラーを用いることにより、入射光
が波長可変フィルタを通過する回数を2回以上として、
スペクトルを急峻にしてクロストークの低減を図るとと
もに、スペクトル先端部の平坦化を図ることが可能とな
る。
【0040】[実施の形態9]図15は、本発明の他の
実施の形態である波長可変フィルタの構成を示す要部断
面図である。本実施の形態は、微小な液晶ドロップレッ
ト分散ポリマー層を備える波長可変フィルタを用いて、
可変の合・分波器を作成したものである。同図におい
て、1401はアレイ化された微小な液晶ドロップレッ
ト分散ポリマー層を備える波長可変フィルタ、1402
は入力側コリメートファイバ、1403は出力側コリメ
ートファイバアレイ、1404は波長可変フィルタ14
01を通過した光ビーム、1405は平面ミラーであ
る。本実施の形態では、アレイ構成の波長可変フィルタ
1401に、入力側コリメートファイバ1402から若
干斜めに光ビームが入射する。波長可変フィルタ140
1の透過ピークに一致した波長の光は波長可変フィルタ
1401を通過して、出力側コリメートファイバアレイ
1403に入る。
【0041】一致しなかった光は、該波長可変フィルタ
1401で反射され、さらに平面ミラー1405で再度
反射されて、波長可変フィルタ1401に入る。同様
に、2番目の波長可変フィルタ1401の波長に一致し
た波長の光のみが通過し、残りは反射される。同様のこ
とが繰り返される。このようにして、入射光は出射側の
コリメートファイバアレイ1403に分波される。微小
な液晶ドロップレット分散ポリマー層を備えるアレイ構
成の波長可変フィルタ1401の個々の電極には、独立
に電圧を印加できるので、該合・分波器は可変に波長を
設定できる。なお、本実施の形態では、入射側に、コリ
メートファイバを用いることを示したが、コリメートフ
ァイバアレイであっても同様の効果が得られる。
【0042】[実施の形態10]図16は、本発明の他
の実施の形態である波長可変フィルタの概略構成を示す
要部断面図である。同図において、1501は薄膜抵
抗、1502は電流源、1503はヒータ、1504は
液晶ドロップレット、1505は高分子層、1506は
光学ミラー膜、1507は透明電極、1508は基板で
ある。前記各実施の形態では、透明電極間に高電圧を印
加することにより、透過波長を変化させていた。しかし
ながら、この高電圧として、数100Vと高い電圧が必
要である。本実施の形態の波長可変フィルタは、温度を
変化させることにより、透過波長を可変するようにした
ものである。図16(a)に示す波長可変フィルタは、
通常の構造の微小な液晶ドロップレット分散ポリマー層
を備える波長可変フィルタの片方または両方の透明電極
1507に電流を流すことにより、微小な液晶ドロップ
レット分散ポリマー層の温度を上げ、これにより、微小
な液晶ドロップレット分散ポリマー層の屈折率を変化さ
せて、透過波長を変化させるようにしたものである。図
16(b)に示す波長可変フィルタは、通常の構造の微
小な液晶ドロップレット分散ポリマー層を備える波長可
変フィルタにおいて、透明電極の変わりに、窓を開けた
薄膜抵抗1501を蒸着し、この薄膜抵抗1501に電
流を流すことにより、微小な液晶ドロップレット分散ポ
リマー層の温度を上げ、これにより、微小な液晶ドロッ
プレット分散ポリマー層の屈折率を変化させて、透過波
長を変化させるようにしたものである。図16(c)に
示す波長可変フィルタは、透明電極を持たない微小な液
晶ドロップレット分散ポリマー層を備える波長可変フィ
ルタの外側にヒータ1503を取り付け、このヒータ1
503に電流を流すことにより、微小な液晶ドロップレ
ット分散ポリマー層の温度を上げ、これにより、微小な
液晶ドロップレット分散ポリマー層の屈折率を変化させ
て、透過波長を変化させるようにしたものである。以
上、本発明者によってなされた発明を、前記実施の形態
に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形
態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0043】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。 (1)本発明によれば、光透過性媒体中に液晶ドロップ
レットが分散した材料をキャビティーとして用いること
により、偏波依存性がなく、かつ応答速度が速く、高速
チューニングが可能となる。 (2)本発明によれば、液晶ドロップレットを分散する
ポリマーに可塑剤を添加するようにしたので、液晶ドロ
ップレットを低電圧で駆動でき、電圧あたりの波長可変
フィルタの可変幅を大きくすることができる。 (3)本発明によれば、従来の波長可変フィルタよりも
安価であるとともに、アレイ化した光ファイバ等と組み
合わせることにより、高密度化、小型化を図ることが可
能となる。 (4)本発明によれば、波長可変フィルタを多数枚積層
することにより、あるいは、平面ミラー、プリズムミラ
ーを用いることにより、スペクトルの改善を図るととも
に、波長可変域を全波長域にまで拡大することが可能と
なる。 (5)本発明によれば、平面ミラーを用いることによ
り、簡単に、合・分波器を構成することが可能となる。 (6)本発明によれば、高速RANの波長多重伝送シス
テムを構築することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の波長可変フィルタの基本構造を説明す
るための図である。
【図2】本発明における、電圧印加により屈折率が変化
する媒体の構造と動作原理を説明するための図である。
【図3】本発明の波長可変フィルタの構造と動作原理を
説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態1の波長可変フィルタの透
過スペクトルを示すグラフである。
【図5】本実施の形態1の波長可変フィルタの透過する
光の波長の電圧依存性を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態2の波長可変フィルタの製
造方法を説明するための図である。
【図7】本発明の実施の形態3の波長可変フィルタの一
例の透過する光の波長シフト量の電圧依存性を示すグラ
フである。
【図8】本発明の実施の形態4の波長可変フィルタの構
成を示す斜視図である。
【図9】本実施の形態4のアレイ構成の波長可変フィル
タにおける、一対の透明基板に形成される透明電極パタ
ーン例を示す図である。
【図10】本実施の形態4の光コリメータアレイの一例
の概略構成を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態5の波長可変フィルタの
構成を示す要部断面図である。
【図12】本発明の実施の形態6の波長可変フィルタの
構成を示す分解斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態7のアレイ構成の波長可
変フィルタの製造方法を説明するための図である。
【図14】本発明の実施の形態8の波長可変フィルタの
構成を示す要部断面図である。
【図15】本発明の実施の形態9の波長可変フィルタの
構成を示す要部断面図である。
【図16】本発明の実施の形態10の波長可変フィルタ
の概略構成を示す要部断面図である。
【符号の説明】
101…第2の層、102…第1の層、103…第3の
層、104,303,603,1003,1103,1
203,1506…光学ミラー(誘電体ミラー)膜、1
05,203,304,602,802,803,80
4,1004,1102,1202,1507…透明電
極、106,305,601,801,1005,15
08…基板、107,1006…ARコート膜(無反射
コート膜)、201,301,604,1001,15
04…液晶ドロップレット、202,302,605,
1002,1505…液晶ドロップレットを閉じ込める
高分子層、204…駆動電源、606…紫外線、607
…微小な液晶ドロップレット分散ポリマー層が削除され
た部分、608…接着剤、609…マッチングオイル、
610…封止剤、701,1020,1021,130
1,1401…波長可変フィルタ、702,703…光
コリメータアレイ、704,705,901…ファイバ
アレイ、806…引き出し電極、807…薄膜抵抗、8
08…薄膜トランジスタ、902,1204…V溝基
板、903…マイクロレンズアレイ、904…光ビーム
アレイ、905…マイクロフェルールを納める枠、90
6…マイクロフェルール、907,1107,1108
…光ファイバ、1101…光ファイバのコア、110
5,1206…微小な液晶ドロップレット分散ポリマー
層、1106…SCコネクタのスリーブ、1109,1
207…取り出し電極、1110…フェルール、111
1…フェルール1110後部の金属部分、1112…ス
リーブ1106にあけた穴、1201…TECファイ
バ、1205…スペーサ、1302…プリズムミラー、
1303,1304,1402…コリーメートファイ
バ、1305、1405…平面ミラー,1403…コリ
ーメートファイバアレイ、1501…薄膜抵抗、150
2…電流源、1503…ヒータ。
フロントページの続き (72)発明者 林 孝好 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 平林 克彦 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−95164(JP,A) 特開 平6−148587(JP,A) 特開 平9−33878(JP,A) 特開 平7−325281(JP,A) 特開 昭63−29737(JP,A) 特開 平5−19227(JP,A) 特開 平4−248516(JP,A) 特開 平7−209623(JP,A) 特開 平8−62563(JP,A) 特開 平4−220618(JP,A) 特開 昭62−2231(JP,A) 特開 平6−250153(JP,A) 特開 平8−262415(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/13 G02B 5/28

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明電極と光学ミラー層とからなる第1
    の層と、電場により屈折率が変化する第2の層と、透明
    電極と光学ミラー層とからなる第3の層とがこの順番で
    積層されてなる多層膜を含むファブリーペローエタロン
    型波長可変フィルタであって、前記第2の層は、 光透過性媒体中に直径が150nm以
    下の液晶ドロップレットが分散されている材料で構成さ
    れることを特徴とする波長可変フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記第2の層と第1の層との界面、ある
    いは前記第2の層と第3の層との界面に、前記第2の層
    の屈折率とほぼ等しい透明層を含むことを特徴とする請
    求項1に記載波長可変フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記液晶ドロップレットは、ネマチック
    液晶ドロップレットであることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載波長可変フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記光透過性媒体は、ポリマーあるいは
    石英ガラスであることを特徴とする請求項1ないし請求
    項3のいずれか1項に記載波長可変フィルタ。
  5. 【請求項5】 前記ポリマーは、光硬化性ポリマーであ
    ることを特徴とする請求項に記載波長可変フィル
    タ。
  6. 【請求項6】 前記光硬化性ポリマーは、ポリエンポリ
    チオール系ポリマーであることを特徴とする請求項5に
    記載波長可変フィルタ。
  7. 【請求項7】 前記ポリマーは、可塑剤を含むことを特
    徴とする請求項ないし請求項6のいずれか1項に記載
    波長可変フィルタ。
  8. 【請求項8】 前記透明電極の少なくも一方は、ストラ
    イプ状またはドット状にパターニングされていることを
    特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記
    載の波長可変フィルタ。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8に記載された波
    長可変フィルタであって、キャビティギャップがそれぞ
    れ異なる2枚以上の波長可変フィルタを積層したことを
    特徴とする波長可変フィルタ。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項9に記載された
    波長可変フィルタをコア拡大ファイバ、またはコア拡大
    ファイバアレイで挟んだことを特徴とする波長可変フィ
    ルタ。
  11. 【請求項11】 前記波長可変フィルタの他方の側に設
    置されるプリズムミラーあるいは平面ミラーを備え、前
    記波長可変フィルタの一方の側から入射される光ビーム
    または光ビームアレイが、前記波長可変フィルタを通過
    した後、前記プリズムミラーまたは平面ミラーで反射さ
    れて前記波長可変フィルタに入射され、前記波長可変フ
    ィルタを再度通過した後、前記波長可変フィルタの一方
    の側から出射されることを特徴とする請求項1ないし請
    求項のいずれか1項に記載波長可変フィルタ。
  12. 【請求項12】 前記波長可変フィルタの両側に、互い
    に位置がずれて設置される2個の平面ミラーを備え、前
    記波長可変フィルタの一方の側から斜めに入射される光
    ビームまたは光ビームアレイが、前記波長可変フィルタ
    を通過した後、前記第1の平面ミラーで反射されて前記
    波長可変フィルタに入射され、前記波長可変フィルタを
    再度通過した後、前記第2の平面ミラーで反射されて前
    記波長可変フィルタに入射され、前記波長可変フィルタ
    を再び通過した後、前記波長可変フィルタの他方の側か
    ら出射されることを特徴とする請求項1ないし請求項
    のいずれか1項に記載波長可変フィルタ。
  13. 【請求項13】 前記波長可変フィルタの一方の側に設
    置される平面ミラーを備え、前記波長可変フィルタの一
    方あるいは他方の側から斜めに入射される光ビームある
    いは光ビームアレイが、前記平面ミラーと、前記波長可
    変フィルタの光学ミラー層との間で多重反射して進行
    し、その間に、前記波長可変フィルタの透過波長に相当
    する光ビームあるいは光ビームアレイが、前記波長可変
    フィルタの他方の側から出射されることを特徴とする請
    求項ないし請求項のいずれか1項に記載波長可変
    フィルタ。
  14. 【請求項14】 前記波長可変フィルタに、前記光ビー
    ムあるいは光ビームアレイを出射する入力側コリメート
    ファイバあるいはコリメートファイバアレイと、前記波
    長可変フィルタからの光ビームあるいは光ビームアレイ
    が入射される出力側コリメートファイバあるいはコリメ
    ートファイバアレイとを、さらに備えることを特徴とす
    る請求項11ないし請求項13のいずれか1項に記載
    波長可変フィルタ。
  15. 【請求項15】 前記透明電極に、前記第2の層を加熱
    する電流を流す電流供給手段を備えることを特徴とする
    請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載波長
    可変フィルタ。
  16. 【請求項16】 前記透明電極に代えて、前記第2の層
    を加熱する加熱手段を備えることを特徴とする請求項1
    ないし請求項14のいずれか1項に記載の波長可変フィ
    ルタ。
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