JP3281036B2 - ポリアルキレンポリアミンの脱色方法 - Google Patents

ポリアルキレンポリアミンの脱色方法

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JP3281036B2
JP3281036B2 JP18266792A JP18266792A JP3281036B2 JP 3281036 B2 JP3281036 B2 JP 3281036B2 JP 18266792 A JP18266792 A JP 18266792A JP 18266792 A JP18266792 A JP 18266792A JP 3281036 B2 JP3281036 B2 JP 3281036B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアルキレンポリア
ミンの脱色方法に関する。
【0002】ポリアルキレンポリアミンは、紙力増強
剤、エポキシ硬化剤、潤滑油添加剤、界面活性剤等に大
量に用いられる有用なアミン化合物である。
【0003】
【従来技術】ポリアルキレンポリアミンとは、エチレン
アミン類、プロピレンアミン類等の、アルキレンアミン
類である。エチレンアミン類は、例えば、ピペラジン
(以下PIPと略す)、ジエチレントリアミン(以下D
ETAと略す)、N−アミノエチルピペラジン(以下N
−AEPと略す)、トリエチレンテトラミン(以下TE
TAと略す)、テトラエチレンペンタミン(以下TEP
Aと略す)およびペンタエチレンヘキサミン(以下PE
HAと略す)等であり、エチレンジクロライド(以下E
DCと略す)と、アンモニアまたは/およびエチレンア
ミン類との反応、あるいはエタノールアミン類とアンモ
ニアまたは/およびエチレンアミン類との反応で製造さ
れている。これらの製造法で得られるポリアルキレンポ
リアミン類(以下ポリアミンと略す)は、通常、混合物
であり、蒸留分別される。しかしながら、その蒸留分別
品は、黄褐色ないし茶褐色の色を呈しており、着色面及
び色に由来する不純物等の品質面よりそのまま商品とす
ることができない。
【0004】そこで、この問題点の解決策としてポリア
ミンの脱色方法が数多く提案されている。
【0005】例えば、エチレンアミン類を、塩酸存在
下、200〜230℃で加熱処理する方法、水酸化カリ
ウムにて処理する方法、エチレンアミン類塩酸塩または
EDC等で処理する方法等があげられる。
【0006】これらの方法は、確かに効果はあるもの
の、満足できるものではなく、加えて、脱色処理後、酸
またはアルカリによる中和が必要であり、さらには中和
によって生成する塩の除去工程が必要となる。したがっ
て、その操作は煩雑となり、さらに塩による装置腐蝕も
発生する。
【0007】また、エチレンアミン類に亜鉛・錫・アル
ミニウム等の還元性金属と、水酸化ナトリウムまたは水
酸化カリウムを加え加熱処理する方法、室温〜150℃
でエチレンアミン類に亜鉛と水を加え処理する方法、単
に亜鉛のみを加え加熱処理する方法、エチレンアミン類
を高温下活性炭で処理する方法、スルホン酸系陽イオン
交換樹脂で処理する方法、酸性ゼオライトにより処理す
る方法等がある。
【0008】これらの方法においても、その脱色効果は
満足できるものではない。さらには、金属を用いる方法
では、金属費用が嵩む上、金属またはその塩がエチレン
アミン類に随伴し、その除去工程が必要となる。また、
溶出した金属によりエチレンアミン類が汚染され、別の
品質問題が発生する等、効果的、効率的方法とは言えな
い。活性炭、イオン交換樹脂を用いる方法では、それら
の劣化が大きく、大量に必要となり、経済的ではない。
【0009】また特開昭48−52708号では、ニッ
ケル,コバルト等を触媒とする水素化処理脱色方法が、
また、特開昭63−101421号では、カーボンを担
体としたパラジウムまたはルテニウム触媒による水素化
処理脱色方法が開示されている。
【0010】いずれも、触媒法であることから、基本的
には脱色処理によるエチレンアミン類の二次的汚染はな
い。しかしながら、ニッケル,コバルト等を触媒とする
方法では、脱色効果が充分でなく、満足できる域には達
しない。脱色処理を高温高水素圧下で行った場合、脱色
効果は幾分向上するものの、エチレンアミン類の分解が
すこぶる大きくなり、現実的には対応できない。さらに
は、触媒を多量用いたり、触媒の比表面積を高めたりし
て、脱色効果の向上を図った場合には、これら金属の溶
出問題が発生する。
【0011】一方、カーボンを担体とするパラジウムま
たはルテニウム触媒を用いる方法は、これら金属のエチ
レンアミン類への溶出はほとんどない。しかし、脱色効
果は前述のニッケル,コバルト等を触媒に用いた方法に
比べ、幾分向上するものの、未だ満足できる域には達し
ない。
【0012】さらには、担体に由来すると思われるが、
触媒の強度は充分ではなく、長期間使用時、その崩壊が
大きくなり、分離除去が必要な場合もある。また、カー
ボンに由来する不純物の混入を生ずる場合もある。
【0013】以上のように、従来の技術は、いずれもポ
リアミンを効率的、効果的に脱色できる方法ではなく、
満足できるものではない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、こ
れまでに提案されたいずれの方法においても、ポリアミ
ンを効率的、効果的に脱色できる方法はなく、脱色効果
が大きく、高品質のポリアミンが得られ、操作が容易
で、装置のコンパクト化が期待でき、環境対策上有用で
あり、且つ経済性の高い脱色方法の開発が強く望まれて
いる。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ポリアミ
ンの脱色方法について、鋭意検討した結果、ポリアミン
を、限定された比表面積を有する金属パラジウムを触媒
とし、該触媒を水素雰囲気下でポリアミンと加熱接触さ
せることで、前述の効果を達成できる処理方法を見いだ
し、遂に、本発明を完成するに至った。
【0016】即ち、本発明は、ポリアミンを、パラジウ
ム金属の比表面積が100m2 /g以上を有するパラジ
ウム触媒であって、且つ支持体がアルミナ、チタニア及
びジルコニアからなる群より選ばれるパラジウム触媒
と、水素雰囲気下で加熱接触処理することを特徴とする
ポリアルキレンポリアミンの脱色方法である。
【0017】本発明者等は、先ず、従来の脱色方法につ
いて追試を行なった。
【0018】その結果、酸、アルカリによる化学法は、
とても工業的に実施することは出来ないことが分った。
【0019】一方、脱色効果の面、後処理の面から、基
本的には金属系の水素化触媒による処理が工業的に適し
ており、中でもパラジウム系が好適であることが分っ
た。
【0020】しかしながら、このパラジウム系において
も、ポリアミンの脱色効果は十分でなく、更には、パラ
ジウム金属が高価であり、経済的にも難しいことが分っ
た。そこで本発明者等は、このパラジウムを触媒として
用いる方法について、更に広く、深く、根気強く、研究
を重ねた。
【0021】その結果、一つの興味深い貴重な新しい事
実に出くわした。それは、パラジウム金属の比表面積で
あり、この金属比表面積が、触媒金属について100m
2 /g以上である時初めて本発明の目的を全て達成でき
ることを見いだしたのである。当然、ポリアミンの水素
化脱色において、このような触媒は見いだされていな
い。
【0022】当初、この様に、金属比表面積の大きい触
媒は熱によるパラジウム金属のシンタリングが起き、活
性は急激に低下し、効果は急減すると考えられたが、実
際にはその問題はなく、活性は維持された。
【0023】また金属比表面積が大きい故に、活性が強
すぎ、ポリアミンの分解が促進されることも懸念された
が、そうではなく、ポリアミンの分解はほとんど起こら
なかった。
【0024】また、金属比表面積が大きい故に、ポリア
ミンと錯体を形成し、金属が溶出し、触媒の消耗が大き
く、且つ、ポリアミンの汚染が起こることが懸念された
が、そうではなく、触媒の減少はなく、また、ポリアミ
ンの汚染もなく処理することができた。
【0025】即ち、本発明の触媒でポリアミンの水素化
脱色することで、着色のない、分解のない高品質のポリ
アミンを得ることができ、触媒の消耗のない、触媒活性
の持続する、且つ、操作が簡便で装置がコンパクトな経
済的処理方法を提供することができる。
【0026】以下、本発明を更に詳しく説明する。
【0027】本発明でいうポリアミンとは、エチレンア
ミン類、プロピレンアミン類等の、アルキレンアミン類
である。エチレンアミン類は、例えば、PIP,DET
A,N−AEP,TETA,TEPA,およびPEHA
等であり、EDCと、アンモニアまたは/およびエチレ
ンアミン類との反応(EDC法)、エタノールアミン類
とアンモニアまたは/およびエチレンアミン類との反応
(EO法)、ホルマリン、青酸とアンモニアまたは/お
よびエチレンアミン類との反応で製造されている。さら
に、その他のポリアミンとしては、エチレングリコール
とアンモニアまたは/およびエチレンアミン類との反応
生成物、プロピレングリコールとアンモニアまたは/お
よびプロピレンアミン類との反応生成物、アミノプロパ
ノールとアンモニアまたは/およびプロピレンアミン類
との反応生成物、プロピレンジクロライドとアンモニア
または/およびプロピレンアミン類との反応生成物等の
ポリアルキレンポリアミン類が、本発明の方法により脱
色することができる。
【0028】中でも、EDC法、EO法で製造された、
DETA以上の分子量を有するエチレンアミン類が好適
である。分子量がDETA未満のエチレンアミン類は、
もともと着色が小さく、脱色処理を必要としない場合が
多い。一方、分子量がDETA以上のエチレンアミン類
は、着色が大きく、脱色が必要不可欠である。脱色が不
十分な場合、色の面、及び着色不純物により、各種の化
学薬品として用いることができなくなる。
【0029】しかしながら、本発明によれば、これら着
色の大きいポリアミンにおいても、効果的に脱色でき、
高品質のポリアミンが得られる。
【0030】また、ポリアミンは、上記反応によって得
られた各種エチレンアミン類の混合物、その反応生成混
合物よりエチレンジアミン(EDA)あるいはEDAか
らN−AEPまでの比較的低沸点アミンを蒸留除去した
TETA,TEPA,PEHA,HEPA等のポリエチ
レンポリアミン混合物であってもよい。あるいは、蒸留
TETA,TEPA,PEHA等の各留分,またはそれ
らの混合物等、いずれでも本発明方法により脱色するこ
とができる。
【0031】この際、水、あるいは塩化ナトリウム等の
成分が、ポリアミン中に共存していても、本発明の方法
においては脱色効果が低減するものではなく、効果的に
脱色することができる。また、アルコール性OH基ある
いはアルキルアミンを含有したポリアミンであっても効
果的、効率的に脱色することができる。
【0032】本発明の触媒は、パラジウム金属の比表面
積が100m2 /g以上のパラジウム触媒であることが
必要である。
【0033】このことについては、前述したように、触
媒がパラジウム金属であり、且つ、その金属比表面積が
100m2 /g以上であって初めて、本発明の目的を達
成することができる。パラジウム以外の触媒では、金属
であっても、酸化物であっても、本発明の目的を達成す
ることができない。
【0034】また、金属は、基本的にはパラジウム単独
で用いることができるが、ニッケル,クロム,テルル
等、他の金属との合金、あるいは混合物であっても差し
支えない。ただしこの場合、他の金属の含有率は、全金
属量に対して、20重量%以下が望ましい。
【0035】これらの場合の金属比表面積は、パラジウ
ムのみではなく、他金属をも含めて上記の数値範囲であ
る必要がある。
【0036】このパラジウム金属の比表面積の数値は、
ただ単に脱色効果と量的に相関があるという性質のもの
ではなく、50m2 /gのパラジウム触媒を2倍量使用
したからといって、100m2 /gのパラジウム触媒と
同等の効果を示すものではない。100m2 /g未満の
パラジウム触媒は、活性が小さい上に、特に、触媒寿命
の面で、差が見られ、満足のいく触媒寿命は得られな
い。これは、パラジウムの金属比表面積が100m2
g以上と大きくなると、触媒表面の水素吸着量が急激に
増大し、被毒物質の生成及び吸着を抑制するためと推測
される。
【0037】この効果は、パラジウムの金属比表面積が
大きければ大きいほど大きくなる。しかしながら、金属
比表面積が大きすぎる場合、調製が煩雑となる上、パラ
ジウムの溶出も若干起こる。従って、通常は500m
/g以下が望ましい。
【0038】パラジウムの金属比表面積は、一般に、一
酸化炭素、または、水素の気体吸着法により測定される
が、本発明の上記比表面積は、一酸化炭素の気体吸着法
により測定した。
【0039】ラジウム金属使用量をより少なくする、
触媒としての取扱性を向上させる、ポリアミンと触媒の
分離を簡便にする、触媒としての活性をより強く長く保
持させる、特に重要なこととしてパラジウム金属の比表
面積を高める等のことから、担体を用いることが好まし
い。
【0040】担体としては、アルミナ、チタニア、ジル
コニア等が、脱色活性、耐久性、耐摩耗性、成型体の場
合の形状保持性等の面で優れており、より好適に用いる
ことができる。
【0041】シリカ、シリカアルミナ、ゼオライトは、
長時間使用により、その耐久性は若干低下する。
【0042】カーボンは、その強度が低く、摩耗、崩壊
が起き易く、その対策上、対応が必要となる場合があ
る。またパラジウム金属の比表面積を大きくする場合、
その調製条件が厳しくなる。
【0043】担体として、アルミナを用いる場合、その
効果は顕著になり、最も望ましい担体である。
【0044】即ち、金属比表面積の大きなパラジウム触
媒が容易に得られ、より少ないパラジウム金属量で大き
な脱色効果が得られる。その理由は必ずしも明らかでは
ないが、パラジウム金属とアルミナの相互作用によるも
のと推測される。
【0045】また、大きな金属比表面積を有しているに
もかかわらず、アルミナの場合、熱によるパラジウム金
属のシンタリングはほとんどなく、高活性を長く維持さ
せることができる。
【0046】またポリアミンの分解も抑制することがで
きる。
【0047】触媒の強度は大きく、長時間、高温、高流
速下においても、摩耗および崩壊はなく、工業的且つ経
済的に使用することができる。
【0048】さらには、ポリアミンに対する耐薬品性は
大きく、その溶出はなく、触媒の消耗、そして、ポリア
ミン品質の低下を招く虞れはない。
【0049】本発明で用いられる触媒の調製法として
は、担体にパラジウム塩の溶液を含浸させ、パラジウム
化合物を担持し還元処理する方法(含浸法)、パラジウ
ム塩の溶液に担体を加え、撹拌しながらアルカリ等の沈
澱剤を加えることにより、パラジウム化合物を沈澱担持
させ、次に還元処理する方法(沈澱法)、パラジウム塩
の溶液に担体を加え、溶液を蒸発、濃縮、乾固させ担持
し、次に還元処理する方法(蒸発乾固法)等、基本的に
従来の調製法を適用できる。例えば、塩化パラジウムや
硝酸パラジウムの水溶液に担体を含浸させ、乾燥後、水
素気流中加熱還元する方法が挙げられる。
【0050】この時の担持条件、還元条件等によって、
パラジウム金属の比表面積を調節することができる。
【0051】触媒の形状には制限はなく、粉体、顆粒、
ペレット、タブレット等、いずれも適用できる。成型体
の成型方法に関しても、打錠成型、押し出し成型、成型
/粉砕法等、いずれの成型方法によって成型された触媒
であってもかまわない。また、あらかじめ担体を成型
し、パラジウムを担持した場合、そのまま成型体触媒と
して使用でき、後に成型処理を必要としない。
【0052】担体へのパラジウム金属の担持量は、特に
制限されないが、少なすぎると脱色効果を十分得ること
ができず、触媒量を多く必要とする。またパラジウム金
属の担持量を増すと、脱色効果は増大し、触媒量は少な
く出来る。しかしながら、多すぎると、その脱色効果の
増大率はやや鈍り、パラジウム金属量のわりには、大き
な脱色効果は得られにくい。好ましいパラジウム金属の
担持量は、0.05〜10重量%である。
【0053】ポリアミンの脱色に用いる触媒の量は、ポ
リアミンの種類、水、塩化ナトリウム等の他成分含量、
温度や水素圧力等の反応条件等によって異なり、一律に
限定することはできないが、ポリアミン分子量が大きく
なる程、あるいは温度、水素圧力が小さくなる程、多く
必要とする。回分式で脱色する場合、ポリアミンに対し
て、パラジウム金属として0.001〜1重量%であれ
ば十分脱色できる。好ましくは0.005〜0.1重量
%である。少なすぎると、脱色効果が小さくなり、より
長時間の処理が必要となる。一方、多すぎると、短時間
のうちに処理できるものの、触媒量が多いため、経済性
は低下し、また、ポリアミンの分解も若干起こる。
【0054】連続式においては、通常、1時間あたりの
ポリアミン処理量に対して、パラジウム金属として0.
005〜5重量%であれば十分脱色でき、好ましくは
0.02〜2.5重量%である。この場合も回分式と同
様、少なすぎると、脱色効果が小さくなり、より長時間
の処理が必要となる。多すぎると、短時間のうちに処理
できるものの、触媒量が多いため、経済性は低下し、ま
た、ポリアミンの分解も若干起こる。
【0055】この時の処理時間としては、回分式の場
合、0.1〜10時間で実施されるが、好ましくは0.
5〜5時間である。一方、固定床流通式装置の場合、空
間速度(LHSV)が0.01〜10h-1で実施される
が、好ましくは0.1〜5h-1である。
【0056】脱色時の温度は、通常、30〜200℃で
実施されるが、好ましくは50〜180℃である。温度
が低すぎると、脱色に長時間を要する。また、温度が高
すぎると、短時間で脱色できるものの、装置材質面、熱
エネルギーの面等から、経済性が低下する。
【0057】脱色時の水素圧力は、1kg/cm2
(0.098MPa)以上の範囲で実施されるが、好ま
しくは5〜30kg/cm2 (0.49〜2.94MP
a)である。水素圧力が低すぎると、脱色速度が遅く長
時間の処理が必要である。また高温で且つ水素圧力が低
すぎると、分解反応が若干起こる。一方、水素圧力が高
すぎると、ポリアミンの分解は抑制できるものの、耐圧
装置を必要とし、設備費が上昇する。
【0058】脱色は、前述したように、回分式、連続
式、いずれでもよく、また、半回分式でもよい。装置と
しては、固定床流通式装置、懸濁床式装置、流動床式装
置のいずれでもよい。中でも、固定床流通式装置が装置
費用、触媒の形状保持等の面より好ましい。
【0059】また、本発明の脱色処理後、得られたポリ
アミンの蒸留操作を行なう場合、さらに効果的に効率的
に脱色でき、高品質のポリアミンを得ることができる。
例えば、本発明の水素化脱色により、その脱色が不十分
であっても、後の蒸留により、完全に脱色することがで
きる。これは、本触媒での処理により着色成分がさらに
高分子量化し、蒸留により分離されるためと推測され
る。
【0060】即ち、各種ポリアミン混合物を、本発明の
水素化脱色処理後、各ポリアミンに蒸留分離し、DET
A、TETA、TEPA、PEHA等のポリアミンを分
別してもよい。
【0061】この場合、少量ではあるが生成するポリア
ミンの分解成分とも分離できるため、効果的である。
【0062】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0063】(触媒調製法)塩化パラジウム水溶液に、
所定量の担体(アルミナ、チタニア等)を加え、パラジ
ウムを十分に含浸させ濾過し110℃で乾燥した。担持
量を増やす場合、この操作を繰り返した。水素気流下で
加熱還元処理を行ない、パラジウム担持の触媒を得た。
【0064】さらに、アルミナ担体の触媒については、
種々の温度(400〜900℃)で焼成処理を行なうこ
とにより、種々の金属比表面積をもつパラジウム担持触
媒を得た。
【0065】(パラジウム金属の比表面積測定法)触媒
に、一酸化炭素(以下COと略す)を一定量づつパルス
的に供給し、吸着されずに出てくるCO量をガスクロマ
トグラフィーで測定し、その結果求められる吸着CO総
量に、CO1分子の占有面積(13×10-202 )を
乗じて、パラジウム1gあたりの比表面積を算出した
(COパルス吸着法)。
【0066】具体的には、まずガスクロマトグラフィー
(TCD検出器)に直接ラインでつながれたサンプル管
に所定量の触媒を充填し、キャリヤガスとして、十分乾
燥、脱酸素されたヘリウム(約40cc/min)を流
し、次ぎにその状態で、前処理として、300℃、30
分間、水素を約20cc/minの流速で流し、水素化
還元処理を行なった。更に15分間、300℃のまま、
ヘリウムのみを流し、水素を完全に溶出させた後、25
℃まで冷却し、25℃と成った後、直ちにCOガス(5
%CO/He)を一定量(0.53ml)づつ、ほぼ一
定間隔(2.5分間隔)で供給し、吸着されずに出てく
るCO量をガスクロマトグラフィーにより測定した。C
Oのパルス的供給は、COのピークが定常値となるまで
行ない、その間に吸着されたトータルCO量からパラジ
ウム金属の比表面積を求めた。
【0067】実施例1〜9、および比較例1〜4 500ccSUS316製オートクレーブに、トリエチ
レンテトラミン(TETA)またはテトラエチレンペン
タミン(TEPA)を、200g充填した。
【0068】本実施例に用いたTETA、TEPAは、
EDC法より得られたポリアミン混合物を、蒸留分離し
て得られた粗TETA、粗TEPAである。
【0069】前記オートクレーブに、水添触媒を所定量
添加した(下記第1表及び第2表参照)。水素で十分オ
ートクレーブ気相部を置換した後に、所定圧まで加圧
し、撹拌しながら加熱して所定温度で所要時間反応させ
た(反応圧力、温度、時間は下記第2表参照)。所定時
間経過後、冷却し、触媒を濾別分離した。こうして得ら
れた反応液の色相を評価、比較した結果を下記第2表に
示した。
【0070】さらに、反応後の蒸留処理効果をみるため
に、反応液を窒素雰囲気下で減圧蒸留し、98%留出回
収した液の色相についても、その色相を評価し比較し
た。
【0071】色相評価としては、ASTM D1544
に基づくガードナー比色計測定によるガードナー表示
法、及び、ASTM D1209−62に基づくPt−
Co色相標準を用いたAPHA表示法を使用した。
【0072】ガードナー色度は、0→0+→1−→1→
1+→2−・・・となるに従って、黄褐色が濃くなるも
のである。
【0073】尚、反応による液組成の変化を、ガスクロ
マトグラフィーを用いて調べたが、本発明による反応に
おいては、ポリアミンの分解等による組成の変化は見ら
れなかった。
【0074】即ち、100m2 /g以上のパラジウム触
媒を用いた場合は、脱色効果が大きく且つ高品質のポリ
アミンが得られた。一方100m2 /g以下の場合は、
十分な脱色効果が得られなかった。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】比較例3〜4 実施例1〜9と同様の反応装置および原料ポリアミンを
使用し、市販Ni系水添触媒(粉末)、ラネーNi、N
i/珪藻土を用いて、水素化還元を行ない、触媒濾別後
の反応液色相、および反応液を98%蒸留回収後の回収
液色相を評価した(下記第3表参照)。
【0078】
【表3】
【0079】尚、ラネーNi、Ni/珪藻土を用いた場
合、ポリアミンの分解反応が起こり、反応液の組成に変
化が見られた(下記第4表参照)。
【0080】
【表4】
【0081】実施例10〜11、および比較例5〜8 更に、ペレット、球状、あるいは粒状の成型触媒を、オ
ートクレーブ中、金網状の籠に充填し、実施例1〜9と
同様に、所定温度、所定水素圧力において、EDC法に
より製造された粗ポリアミン混合物から蒸留分離した粗
TEPAを反応させ、その反応液の色相を評価した。
【0082】各種成型触媒のパラジウム金属表面積を下
記第5表に、反応条件および反応液の色相を下記第6表
に示した。
【0083】比較例7のカーボン担体の場合、触媒の破
砕が起こり、反応液が懸濁状となった。さらに、その反
応液を濾過し、懸濁物を分析したところ、触媒の摩耗粉
であることが確認された。一方、アルミナ担体の場合、
反応液の濾過も行ない調べたが、触媒の摩耗等は全く見
られなかった。
【0084】
【表5】
【0085】
【表6】
【0086】実施例12〜17 ペレット触媒aについては、管型反応器に充填し、ED
C法により製造された粗ポリアミン混合物から蒸留分離
した粗TETA、及び粗ポリアミン混合物を水素と共に
フィードし、所定温度、所定圧力において、連続反応を
行ない、その反応液の色相を評価した。尚、粗ポリアミ
ン混合物に関しては脱色反応後に蒸留し、TETA、T
EPA各留分の色相評価も行なった。
【0087】粗ポリアミン混合物の組成を下記第7表
に、反応条件および反応液の色相を下記第8表に示し
た。
【0088】また、実施例13は、連続運転30日間行
なったが、この間、脱色効果の低下は見られず、触媒寿
命が大であることが判った。
【0089】
【表7】
【0090】
【表8】
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアミンを効果的、
効率的、且つ、経済的に脱色処理することができる。
【0092】以下本発明の効果を列記する。
【0093】(1)着色したポリアミンを効率的に脱色
でき、また脱色時のポリアミンの分解がほとんどなく、
高品質のポリアミンを得ることができる。
【0094】(2)触媒活性が大きく、触媒量が少な
く、且つ、短時間で脱色でき、装置のコンパクト化が図
れる。
【0095】(3)脱色条件が比較的温和であり、運転
管理、操作が容易である。
【0096】(4)触媒活性が長時間持続でき、触媒コ
ストの面からも、経済的である。
【0097】(5)触媒の溶出がなく、また、他の薬剤
が不要であり、脱色後の処理が必要ない。また、そのた
め、脱色ポリアミン収率が高い。更には、環境上問題と
なる廃棄物が出ない。
【0098】また、これらの効果は、触媒担体としてア
ルミナを用いた場合、更に大きなものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 雲井 貞勝 山口県光市虹ケ丘六丁目11番28号 (72)発明者 水井 規雅 山口県徳山市大字上村564 (56)参考文献 特開 昭63−101421(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 73/00 - 73/02 C07C 209/82 - 209/84

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアルキレンポリアミンを、パラジウ
    ム金属の比表面積が100m2/g以上を有するパラジ
    ウム触媒であって、且つ支持体がアルミナ、チタニア、
    及びジルコニアからなる群より選ばれるパラジウム触媒
    、水素雰囲気下で加熱接触処理することを特徴とする
    ポリアルキレンポリアミンの脱色方法。
  2. 【請求項2】 パラジウム触媒の支持体がアルミナ又は
    チタニアである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 パラジウム触媒の支持体がアルミナであ
    る請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 ポリアルキレンポリアミンが、ジエチレ
    ントリアミン以上の分子量を有するエチレンアミン類で
    ある請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
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