JP3280776B2 - Nrdガイド回路およびその製造方法 - Google Patents

Nrdガイド回路およびその製造方法

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JP3280776B2
JP3280776B2 JP25471093A JP25471093A JP3280776B2 JP 3280776 B2 JP3280776 B2 JP 3280776B2 JP 25471093 A JP25471093 A JP 25471093A JP 25471093 A JP25471093 A JP 25471093A JP 3280776 B2 JP3280776 B2 JP 3280776B2
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梅生 河西
順久 平山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,NRDガイド(No
n Radiative Dielectric Wa
ve Guide:非放射性誘電体線路)を用いたNR
Dガイド回路およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来,NRDガイド回路およびその製造
方法として図26および図27に示すようなものが知ら
れている。また,図28はNRDガイドの原理を示す説
明図である。図28において,上側導体板2801と下
側導体板2802の間に,断面が高さaの信号伝送用の
誘電体線路2803を設ける。このとき上側導体板28
01と下側導体板2802との間隔(高さa)を,誘電
体線路2803外の上側導体板2801と下側導体板2
802間部分における使用周波数の1/2波長以下とし
たNRDガイドを構成する。
【0003】また,図26および図27に示す従来例
は,誘電体線路として方向性結合器を構成する場合を例
にとっている。図26および図27において,2601
は2本のベンド(誘電体線路2803のベンド),27
01は上側導体板2801と下側導体板2802との間
隔を一定に保持するためのスペーサ,2702はネジ等
の締結手段である。なお,図27(a)は,図26にス
ペーサ2701を追加して,矢印A方向から見た場合の
側面図を示し,図27(b)は,下側導体板2802上
におけるベンド2601およびスペーサ2701の配置
を示している。
【0004】この従来例では,上側導体板2801,下
側導体板2802,2本のベンド2601,スペーサ2
701を単品のパーツとして用意し,図27(b)に示
すように下側導体板2802上にベンド2601および
スペーザ2701を配置し,図27(a)に示すよう
に,上側導体板2801と下側導体板2802とにより
2本のベンド(誘電体線路)2601を挟み,これをネ
ジ等の締結手段2702により共締めし,NRDガイド
回路を構成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記に
示されるような従来におけるNRDガイド回路およびそ
の製造方法にあっては,上下導体板や誘電体線路等のパ
ーツをそれぞれ別個に製作し,回路組立時にこれらのパ
ーツを,位置決め冶具等により高精度に配置した後,そ
の位置ズレがないようにネジ等で締結しているため,組
立作業において位置合わせのために高い技術が要求され
るという問題点があった。
【0006】すなわち,NRDガイドを使用するために
有利なミリ波帯にあっては,誘電体線路内の波長は数ミ
リ程度となり,回路素子や整合部分,特に,従来例に示
すような方向性結合器の2本のベンド間の間隔g(図2
6および図27参照)を1〜3mm以下の寸法で高精度
に配置しないと,回路の電気特性がばらつき,さらに,
結合特性や通過損失の均一再現性が得られないため,回
路の組立作業における位置精度の要求が厳しくなる。
【0007】また,ネジ締結に代えて接着剤等により誘
電体線路を固定する場合にあっては,接着剤の使用量に
より高周波特性の不均一化を招来させ,回路を量産する
上での高い生産歩留りが得られないという問題点があっ
た。
【0008】この発明は,上記に鑑みてなされたもので
あって,上下導体板,誘電体線路,回路素子等の位置決
めを簡単,かつ,高精度に行うことができると共に,高
い生産歩留りを得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は,上記の目的
を達成するために,上下導体板と,該上下導体板間に信
号伝送用の誘電体線路材を設け,前記上下導体板の間隔
を前記誘電体線路材外の上下導体板間部分における使用
周波数の半波長以下としたNRDガイドを用いるNRD
ガイド回路において,予め前記上下導体板の片面に誘電
体回路を構成する線路断面の一部および(あるいは)回
路素子を固着形成した上下導体板組立体と,前記上下導
体板間を一定距離に保持するスペーサとからなり,前記
スペーサにより前記上下導体板組立体を一体化してなる
NRDガイド回路を提供するものである。
【0010】また,上下導体板間に信号伝送用誘電体線
路を含む誘電体回路素子を介在させたNRDガイド回路
の製造方法において,前記誘電体線路の線路断面の一部
分を構成する誘電体樹脂フィルムを何れか一方の導体板
面に固着形成し,前記誘電体線路の主部分を構成する誘
電体樹脂ブロックを他方の導体板に固着形成する第1の
工程と,前記誘電体樹脂ブロックを所望の形状寸法に加
工し,NRDガイド回路部を形成する第2の工程と,前
記NRDガイド回路部を含む導体板と前記誘電体樹脂フ
ィルムが固着形成された導体板とを,上下導体板間を一
定距離に保持するスペーサを介して一体化する第3の工
程とを含むNRDガイド回路の製造方法を提供するもの
である。
【0011】また,上下導体板間に信号伝送用誘電体線
路を含む誘電体回路素子を介在させたNRDガイド回路
の製造方法において,回路素子の形状寸法に対応する貫
通穴を設けた位置合わせ用の金型を用い,何れか一方の
導体板上の所定位置に回路素子をはめ込む第1の工程
と,前記回路素子のはめ込み後,熱膨張圧により固着成
形する第2の工程とを含むNRDガイド回路の製造方法
を提供するものである。
【0012】また,上下導体板間に信号伝送用誘電体線
路を含む誘電体回路素子を介在させたNRDガイド回路
の製造方法において,誘電体線路の断面の一部を構成す
る誘電体樹脂フィルムを何れか一方の導体上に導体板と
の同時一体成形により固着形成し,前記誘電体線路を他
方の導体板に固着形成する第1の工程と,前記誘電体線
路および回路素子の形状寸法に対応する貫通穴を設けた
位置合わせ用の金型を用い,前記第1の工程により形成
された誘電体線路のある導体板上に回路素子をはめ込ん
でNRDガイド回路部を形成する第2の工程と,前記N
RDガイド回路部を形成した導体板と前記誘電体フィル
ムが固着形成された導体板とを,上下導体間の距離を一
定にするスペーサを挿入して一体化する第3の工程とを
含むNRDガイド回路の製造方法を提供するものであ
る。
【0013】また,上下導体板間に信号伝送用誘電体線
路を含む誘電体回路素子を介在させたNRDガイド回路
の製造方法において,誘電体線路断面の一部を構成する
誘電体樹脂フィルムを何れか一方の導体上に導体板との
同時一体成形により固着形成し,他方の導体板に予め作
製してある誘電体線路および(あるいは)誘電体NRD
ガイド素子を誘電体樹脂フィルムを介して(あるいは介
さずに),回路および回路素子の形状に対応する貫通穴
を設けた位置合わせ用の金型を用い,前記導体板との同
時一体成形によりNRDガイド回路部を形成する第1の
工程と,前記第1の工程において形成された線路および
回路素子を含む導体板と前記誘電体フィルムが固着形成
された導体板とを,上下導体間の距離を一定にするスペ
ーサを挿入して一体化する第2の工程とを含むNRDガ
イド回路の製造方法を提供するものである。
【0014】また,前記金型は,基本回路パターン毎に
小ブロックに分割し,該小分割ブロックの組み合わせパ
ターンを変えることにより回路構成を変更可能にするも
のである。
【0015】また,上下導体板間に信号伝送用誘電体線
路を含む誘電体回路素子を介在させたNRDガイド回路
の製造方法において,誘電体線路断面の一部を構成する
誘電体樹脂フィルムを何れか一方の導体上に導体板との
同時一体成形により固着形成し,他方の導体板に予め製
作しておいた最終仕上がり断面積より10%程度小さい
断面積の誘電体線路および(あるいは)誘電体NRDガ
イド素子を誘電体樹脂フィルムを介して(あるいは介さ
ずに),回路および回路素子の形状に対応する貫通穴を
設けた位置合わせ用の金型を用いて導体板と同時一体成
形にて固着する第1の工程と,機械加工により所定の位
置に形状寸法のNRDガイド回路部を形成する第2の工
程と,前記第2の工程により形成された線路および回路
素子を含む導体板と前記誘電体フィルムが固着形成され
た導体板とを,上下導体間の距離を一定にするスペーサ
を挿入して一体化する第3の工程を含むNRDガイド回
路の製造方法を提供するものである。
【0016】
【作用】この発明に係るNRDガイド回路は,予め上下
導体板の片面に誘電体回路を構成する線路断面の一部お
よび(あるいは)回路素子を固着形成した上下導体板組
立体と,上下導体板間を一定距離に保持するスペーサと
を設け,スペーサを上下導体板組立体の間に介在させて
一体化する。
【0017】また,この発明に係るNRDガイド回路の
製造方法は,第1の工程により誘電体線路の線路断面に
一部分を構成する誘電体樹脂フィルムを何れか一方の導
体板面に固着形成し,さらに,第2の工程により誘電体
線路の主部分を構成する誘電体樹脂ブロックを他方の導
体板に固着形成し,第3の工程により誘電体樹脂ブロッ
クを所望の形状寸法に加工し,NRDガイド回路部を形
成し,NRDガイド回路部を含む導体板と誘電体樹脂フ
ィルムが固着形成された導体板とを,上下導体板間を一
定距離に保持するスペーサを介して一体化する。
【0018】また,回路素子の形状寸法に対応する貫通
穴を設けた位置合わせ用の金型を用い,何れか一方の導
体板上の所定位置に回路素子をはめ込み,回路素子のは
め込み後,熱膨張圧により固着成形する。
【0019】また,この発明に係るNRDガイド回路の
製造方法は,第1の工程により誘電体線路の断面の一部
を構成する誘電体樹脂フィルムを何れか一方の導体上に
導体板との同時一体成形により固着形成し,誘電体線路
を他方の導体板に固着形成し,第2の工程により誘電体
線路および回路素子の形状寸法に対応する貫通穴を設け
た位置合わせ用の金型を用い,形成した誘電体線路のあ
る導体板上に回路素子をはめ込んでNRDガイド回路部
を形成し,第3の工程によりNRDガイド回路部を形成
した導体板と誘電体フィルムが固着形成された導体板と
を,上下導体間の距離を一定にするスペーサを挿入して
一体化する。
【0020】また,この発明に係るNRDガイド回路の
製造方法は,第1の工程により誘電体線路断面の一部を
構成する誘電体樹脂フィルムを何れか一方の導体上に導
体板との同時一体成形により固着形成し,他方の導体板
に予め製作してある誘電体線路および(あるいは)誘電
体NRDガイド素子を誘電体樹脂フィルムを介して(あ
るいは介さずに),回路および回路素子の形状に対応す
る貫通穴を設けた位置合わせ用の金型を用い,導体板と
の同時一体成形によりNRDガイド回路部を形成し,第
2の工程により形成された線路および回路素子を含む導
体板と誘電体フィルムが固着形成された導体板とを,上
下導体間の距離を一定にするスペーサを挿入して一体化
する。
【0021】また,上記において使用する位置合わせ用
の金型を,基本回路パターン毎に小ブロックに分割し,
該小分割ブロックの組み合わせパターンを変えることに
より回路構成を変更する。
【0022】また,この発明に係るNRDガイド回路の
製造方法は,第1の工程により誘電体線路断面の一部を
構成する誘電体樹脂フィルムを何れか一方の導体上に導
体板との同時一体成形により固着形成し,他方の導体板
に予め製作しておいた最終仕上がり断面積より10%程
度小さい断面積の誘電体線路および(あるいは)誘電体
NRDガイド素子を誘電体樹脂フィルムを介して(ある
いは介さずに),回路および回路素子の形状に対応する
貫通穴を設けた位置合わせ用の金型を用いて導体板と同
時一体成形にて固着し,次に,第2の工程により機械加
工により所定の位置に形状寸法のNRDガイド回路部を
形成し,第3の工程により第1の工程により形成された
線路および回路素子を含む導体板と誘電体フィルムが固
着形成された導体板とを,上下導体間の距離を一定にす
るスペーサを挿入して一体化する。
【0023】
【実施例】以下,この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1は,この発明に係るNRDガイド回路
の構成および実装手順を示す説明図である。先ず,図に
おいて,基本となる各パーツについて説明する。101
は上側導体板,102は誘電体樹脂を用いたフィルムで
あり,本実施例では,素材として,特に,超高周波特性
に優れるフッ素樹脂のうちPTFE(ポリテトラフルオ
ロエチレン)樹脂を用いている。したがって,以下,1
02をPTFE樹脂フィルムという。また,103はP
TFE樹脂ブロック,104は下側導体板,105は上
側導体板101と下側導体板104との間隔aを一定精
度に保持するためのスペーサである。
【0024】上記のパーツ構成において,先ず,上側導
体板101とPTFE樹脂フィルム102とをPTFE
樹脂の融点以上の温度で加熱および加圧することによ
り,一体接合させる。なお,この状態が図1(a)にお
けるサブ組立106である。このとき,各パーツは高周
波特性悪化の原因となる化学接着剤等の物質を使用せず
に,融着によって接合される。
【0025】さらに,下側導体板104には上記と同様
の接合方法により,PTFE樹脂ブロック103を固着
する。次に,下側導体板104にPTFE樹脂ブロック
103を固着した後,該PTFE樹脂ブロック103の
部分に対して,図1(c)に示すように誘電体回路線路
部(本実施例では,方向性結合器用の2本のベンド部)
103a,103bを,例えば,切削加工および精密加
工により形成し,線路部分以外の不要部分103cは,
上側導体板101のPTFE樹脂フィルム102と同等
の厚さに切削加工にて除去する。この状態が図1(b)
におけるサブ組立107である。なお,このとき,2本
のベンド部103a,103bの間の間隔gは,切削加
工および精密加工によって1〜3mm以下の寸法で高精
度に形成される。
【0026】次に,図1(d)に示すように,上側導体
板101と下側導体板104との間に,間隔aを一定に
保持するためスペーサ105を配置し,この状態でネジ
等の締結手段108により固定し,NRDガイド構造を
得る。
【0027】また,上記サブ組立106とサブ組立10
7の接合をネジ等の締結手段によらず,上記サブ組立と
同様にPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体)樹脂等を使用した一
体融着により固定することもできる。
【0028】図2は,この発明に係るNRDガイド回路
の他の構成および実装手順を示す説明図であり,上記図
1に示したものと比較して製造工程が異なる。図におい
て,201は機械的切削加工あるいは成形加工して形成
されたPTFE線路である。また,図3は,このNRD
ガイド回路に実装される回路素子を示す説明図である。
図において,301はPTFE樹脂と充填剤入りPTF
E樹脂でなる無反射終端器,302はPTFE樹脂に金
属を埋設した不要モードサプレッサ,303は円柱形の
PTFE樹脂の両側にフェライトを設けたサーキュレー
タ用フェライト共振器,304は円柱形のPTFE樹脂
の中央部分にセラミックスを設けたセラミックス共振器
である。
【0029】図2(a)に示すように,図1(a)と同
様にして上側導体板101にPTFE樹脂フィルム10
2を固着する。
【0030】次に,図2(b)に示すように,下側導体
板104にPTFE線路201および回路素子301〜
304(図3参照)を金型中の規定位置に配置し,下側
導体板104と同時一体の状態でPTFE樹脂の融点以
上の温度で加熱および加圧することにより固着する。な
お,この状態がサブ組立202である。
【0031】さらに,図2(c)に示すように,上側導
体板101と下側導体板104との間に,間隔aを一定
に保持するためスペーサ105を挿入し,サブ組立10
6とサブ組立202とを重ね合わせた状態でネジ等の締
結手段108により固定し,NRDガイド構造を得る。
【0032】また,上記サブ組立106とサブ組立20
2の接合をネジ等の締結手段によらず,上記サブ組立と
同様にPFA樹脂等を使用した一体融着により固定する
こともできる。
【0033】なお,本実施例においては,高周波特性へ
の影響を考慮し,上側導体板101,下側導体板104
の何れかの固着線路断面積は全線路断面積の90%以上
とし,また,回路素子は固着線路断面積が90%の導体
板側に固着する。さらに,シート厚さtをt×2<10
%とする。
【0034】このように従来の構成に対して,図1およ
び図2に示した構造の製造方法によりNRDガイドを構
成するため,線路や回路素子の位置合わせ精度は,精密
機械加工あるいは固着成形用金型の寸法精度によって一
意的に決まる。さらに,線路や回路素子のほとんどの部
分は下側導体板104上にあるため,上側導体板101
と下側導体板104との高精度な位置合わせが不要とな
る。
【0035】次に,上記構成の具体的な製造方法1〜7
について詳述する。 〔製造方法1〕製造方法1について説明する。ここで
は,上側導体板の片側にPTFE樹脂フィルムを張りつ
ける場合について説明する。図4は,この発明によるP
TFE樹脂張付フィルム製造に使用される金型と素材の
状態を示す説明図である。図において,401は上側導
体板用アルミ板,402は焼成PTFEフィルム,40
3は金型本体403aと底型403bと押し型403c
とから構成される金型である。以下,工程毎に順を追っ
て説明する。
【0036】第1の工程として,まず,金型本体403
aの底型403bに,所定寸法に裁断された上側導体板
用アルミ板401のPTFE樹脂張り付け側の表面を,
一般的に知られているサンドブラスト加工,ヘアーライ
ン加工,あるいはサンドペーパー等により,高周波電気
特性を著しく損なわない程度,例えば,線路の通過損失
0.2dB/mm以下等に粗面加工する。その後,上側
導体板用アルミ板401の粗面側を上にして金型403
にセットし,その上に0.1mm厚さの焼成PTFEフ
ィルム402を重ねる。
【0037】第2の工程として,次に,押し型403c
を被せ,面圧0.1Kgf/cm2以上(好ましくは1
Kgf/cm2 以上)の圧力で加圧した状態で,PTF
E樹脂の融点327°C(好ましくは340°C)以上
の温度で加熱することにより,上側導体板用アルミ板4
01に焼成PTFEフィルム402を一体融着する。こ
れにより図5に示すようなPTFE樹脂張付フィルム5
01が得られる。
【0038】第3の工程として,上記PTFE樹脂張付
フィルム501を機械加工により,焼成PTFEフィル
ム402端部を所定寸法に仕上げ,さらに,上側導体板
用アルミ板401を所定寸法にカットする。これにより
図1に示したサブ組立106の構成,すなわち,上側導
体板101にPTFE樹脂フィルム102を張り付けた
板が得られる。
【0039】また,上記加工では,上導体板用アルミ板
401を粗面加工し,その上に焼成PTFEフィルム4
02を重ね,加圧および加熱処理により一体融着するた
め,上導体板用アルミ板401の凹凸部分にPTFE樹
脂が食い込んで接合され,アンカー効果が生じることに
より,少なくとも0.4Kgf/cmのピール強度が得
られる。
【0040】なお,上記において,焼成PTFEフィル
ム402の代わりに未焼成PTFEフィルムを使用して
もよい。また,粗面化したアルミ板表面にディスパーシ
ョンを所定回数塗布し乾燥したアルミ板,あるいはPT
FE粉を静電塗装したアルミ板をそれぞれ用い,上記製
造方法と同様に加圧および加熱処理することにより,P
TFEフィルム張付アルミ板を作製することもできる。
【0041】また,上側導体板用アルミ板401と張り
付けられる0.1mm厚さのPTFE樹脂フィルム40
2のピール強度をさらに強めるためには,焼成あるいは
未焼成PTFEフィルム402と上導体板用アルミ板4
01の間に,PTFE樹脂とほぼ同等の特性を有し,か
つ,PTFE樹脂よりも溶融温度が極端に小さい,例え
ば,PFA樹脂フィルムを介し,上記製造方法と同様に
加圧および加熱処理することにより,PTFEフィルム
張付アルミ板を製作してもよい。
【0042】〔製造方法2〕製造方法2について説明す
る。ここでは,下側導体板の片側にPTFE樹脂ブロッ
クを張りつける場合について説明する。図6は,この発
明によるPTFE樹脂シート張付製造に使用される金型
と素材の状態を示す説明図である。図において,601
は下側導体板用アルミ板,602は焼成PTFEシー
ト,603はPFAフィルムである。以下,工程毎に順
を追って説明する。
【0043】第1の工程として,まず,金型本体403
aの底型403bに,所定寸法に裁断された下側導体板
用アルミ板601のPTFE樹脂張り付け側の表面を,
製造実施例1と同様にして粗面加工する。その後,下側
導体板用アルミ板601の粗面側を上にして金型403
にセットし,その上に25μm厚さのPFAフィルム6
03を重ね,さらに,3mm厚さの焼成PTFEシート
602を重ねる。
【0044】第2の工程として,次に,押し型403c
を被せ,面圧0.1Kgf/cm2以上(好ましくは1
Kgf/cm2 以上)の圧力で加圧した状態で,PTF
E樹脂の融点327°C(好ましくは340°C)以上
の温度で加熱することにより,下側導体板用アルミ板6
01と焼成PTFEシート602とはPFAフィルム6
03を介して一体融着する。
【0045】第3の工程として,次に,上記図6に示し
たようにして一体融着した後,NC工作機械等を用い
て,図7に示すような2本のベンド線路形状に加工す
る。これにより,図1(c)に示したような,PTFE
樹脂性の方向性結合器張付アルミ板が得られる。
【0046】このように誘電体PTFE樹脂シートある
いはブロックを導体板状に高周波特性悪化と製造バラツ
キの原因となる接着剤等を使用することなく一体に固着
し,その後,精密機械加工等により線路や回路部分を切
削形成するため,別々に製作した回路部品を手や製作冶
具により再配置する手間や精度が不要となる。また,線
路や回路相互の位置精度不良による電気特性の不均一や
再現性不足および製造歩留り低下も解消することができ
る。
【0047】さらに,NRDガイドにおいては線路や回
路断面の上下対称性の確保が,原理上主な伝送モード
(LSMモード)を安定に使用するための大きな条件で
あり,図1(b)に示すように線路や回路断面のほとん
どの部分を下側導体板104上の誘電体PTFE樹脂側
で担うこととし,これを図1(a)のように構成するこ
とにより線路や回路断面の上下対称性が保持され,か
つ,上下導体板相互の高精度の位置合わせ手段も不要と
なる。
【0048】なお,図1に示した例では,(b)の上側
導体板101上のPTFE樹脂フィルム102,および
下側導体板104上のPTFE樹脂ブロック103の厚
さは,線路設計原理に対して大きくずれることがなく,
しかも製作上の簡素さを考慮すると,図1(d)に示し
た線路断面高さaに対して,PTFE樹脂フィルム10
2,PTFE樹脂ブロック103共に高さaの1%〜5
%(すなわち,シート状部外の線路部98%〜90%)
近辺が妥当である。
【0049】〔製造方法3〕製造方法3について説明す
る。上記の製造方法1(図1(a)の101および10
2に相当)とは異なる製造方法3について図8および図
9を用いて説明する。図において,801は金属スペー
サである。
【0050】第1の工程として,まず,金型本体403
aの底型403bに,所定寸法に裁断された上側導体板
用アルミ板401のPTFE樹脂張り付け側の表面を,
一般的に知られているサンドブラスト加工,ヘアーライ
ン加工,あるいはサンドペーパー等により,高周波電気
特性を著しく損なわない程度,例えば,線路の通過損失
0.2dB/mm以下等に粗面加工する。その後,上側
導体板用アルミ板401の粗面側を上にして金型403
にセットし,金属スペーサ801をセットする。
【0051】第2の工程として,次に,金属スペーサ8
01の間に0.1mm厚さの焼成PTFEフィルム40
2を入れ,押し型403cを被せ,面圧0.1Kgf/
cm2 以上(好ましくは1Kgf/cm2 以上)の圧力
で加圧した状態で,PTFE樹脂の融点327°C(好
ましくは340°C)以上の温度で加熱することによ
り,上側導体板用アルミ板401に焼成PTFEフィル
ム402を一体融着する。その後,金属スペーサ801
を外すことにより図9に示すようなPTFE樹脂張付フ
ィルム901が得られる。
【0052】また,上記加工では,上導体板用アルミ板
401を粗面加工し,その上に焼成PTFEフィルム4
02を重ね,加圧および加熱処理により一体融着するた
め,製造方法1と同様に,上導体板用アルミ板401の
凹凸部分にPTFE樹脂が食い込んで接合され,アンカ
ー効果が生じることにより,少なくとも0.4Kgf/
cmのピール強度が得られた。
【0053】〔製造方法4〕製造方法4について説明す
る。上記製造方法2(図1(c)に相当)とは異なる製
造方法4について図10および図11を用いて説明す
る。なお,図11は,図10における断面XX’を示し
ている。図において,1001はシート状の金属スペー
サ,1002は焼成PTFE角形ロッド,1003は金
型本体1003aと底型1003bと押し型1003c
とからなる金型である。また,1101はベンド部形状
に合わせた金属スペーサ,1102は焼成PTFEフィ
ルム,1103はPFAフィルムである。
【0054】第1の工程として,まず,金型本体100
3aの底型1003bに,所定寸法に裁断された下側導
体板用アルミ板601のPTFE樹脂張り付け側の表面
を,製造実施例1と同様にして粗面加工する。その後,
下側導体板用アルミ板601の粗面側を上にして金型1
003にセットし,その上に25μm厚さのPFAフィ
ルム1103を重ね,さらに,0.1mm厚さの焼成P
TFEフィルム1102を重ねる。
【0055】第2の工程として,次に,金属スペーサ1
001をセットし,該金属スペーサ1001と金属スペ
ーサ1001の間に25μm厚さのPFAフィルム11
03を入れ,さらに,焼成PTFE角形ロッド1002
を金属スペーサ1001の曲率に合わせてセットする。
【0056】第3の工程として,押し型1003cを被
せ,面圧0.1Kgf/cm2 以上(好ましくは1Kg
f/cm2 以上)の圧力で加圧した状態で,PTFE樹
脂の融点327°C(好ましくは340°C)以上の温
度で加熱することにより,図1(b)および図1(c)
に示すような下側導体板104にPTFE樹脂の方向性
結合器張付アルミ板が得られる。
【0057】〔製造方法5〕製造方法5について説明す
る。次に,上記製造方法とは異なる図1(c)に相当す
る製造方法5について説明する。なお,ここではツバの
ない(図1における不要部分103cがない)NRDガ
イド用誘電体線路(例として,方向性結合器用の2本の
ベンド線路)を製作する場合を例にとり,図12および
図13に基づいて説明する。なお,図13は図12にお
ける断面XX’を示している。
【0058】第1の工程として,図12に示すようなツ
バのないNRDガイド用誘電体線路として,例えば,方
向性結合器用の2本のベント線路を製作する場合,図1
3に示すように,金型1003に前述と同様に粗面化し
た下側導体板用アルミ板601をセットし,次に,金属
スペーサ1001をセットする。
【0059】第2の工程として,上記金属スペーサ10
01の間に25μmのPFAフィルム1103を入れ,
さらに,焼成PTFE角形ロッド1002を金属スペー
サ1001の曲率半径に合わせてセットする。
【0060】第3の工程として,次に,押し型1003
cを被せ,面圧0.1Kgf/cm2 以上(好ましくは
1Kgf/cm2 以上)の圧力で加圧した状態で,PT
FE樹脂の融点327°C(好ましくは340°C)以
上の温度で加熱することにより,図12に示すようなツ
バのない方向性結合器用のベンド線路が製作される。
【0061】〔製造方法6〕製造方法6について説明す
る。次に,上記に対してツバ有の場合における製造方法
6について図14および図15を用いて説明する。図1
4において,1401は下側導体板用アルミ板601に
PTFEフィルム603を張りつけたPTFEフィルム
張付アルミ板,1402は貫通穴を所定位置および所定
寸法に設けた位置合わせ用の金属スペーサ(図15参
照)である。
【0062】第1の工程として,図14に示すように,
金型本体403aと底型403bとで形成する金型40
3内に,前述と同様の方法で下側導体板601に所定寸
法のPTFEフィルム603を所定位置に張り付けたP
TFEフィルム張付アルミ板1401をセットする。
【0063】第2の工程として,所定の線路形状,寸
法,および図3に示す各回路素子の所定形状寸法に基づ
いて貫通穴が穿設された図15に示すような金属スペー
サ1402を,上記PTFEフィルム張付アルミ板14
01上に置く。
【0064】第3の工程として,所定の仕上がり寸法に
成形加工された各線路および各回路素子を,金属スペー
サ1402の中の所定位置にはめ込む。なお,この場
合,各線路および各回路素子とPTFEフィルム張付ア
ルミ板1401との間に各線路および各回路素子の平面
寸法通りにカットした,例えば,25μm厚さのPFA
フィルムを介在してもよい。
【0065】第4の工程として,各線路および各回路素
子がはめ込まれた金属スペーサ1402の上に,押し型
403cを被せ,面圧0.1Kgf/cm2 以上(好ま
しくは1Kgf/cm2 以上)の圧力で加圧した状態
で,PTFE樹脂の融点327°C(好ましくは340
°C)以上の温度で加熱することにより,図2(b)に
示すように下側導体板104に不要部分(ツバ)103
c,カプラ用ベンド線路および図3に示す回路素子30
1〜304を固着する。
【0066】なお,下側導体板104に特定の回路素子
を選択して固着させる場合は,固着させない回路素子に
相当する図16に示すような金属スペーサ1601〜1
604を上記金属スペーサ1402の該当する穴にはめ
込んで固着成形することにより,所望とする回路素子と
線路のみを下側導体板用アルミ板601上に固着するこ
とができる。
【0067】ここで,図16に示す金属スペーサについ
て説明する。図において,1601は無反射終端器30
1の形状に対応する金属スペーサ,1602は不要モー
ドサプレッサ302の形状に対応する金属スペーサ,1
603はサーキュレータ用フェライト共振器303の形
状に対応する金属スペーサ,1604はセラミックス共
振器304の形状に対応する金属スペーサである。
【0068】また,上記位置合わせ用としての金属スペ
ーサ1402を細かく分割し,該細分割した金属スペー
サ1402片を所定の形状寸法,配置に組み合わせるこ
とにより,貫通穴の位置,形状,寸法をフレキシブルに
変更することが可能な組み合わせ型金属スペーサを上記
固定型の金属スペーサ1402の代用としてもよい。こ
れについて以下詳細に説明する。
【0069】図19は,複数パーツにより回路を構成す
るコンポーネント組立例を示す説明図である。図におい
て,1901a〜bはそれぞれ大きさが異なる外枠,1
902は型の相互の位置固定のための分割スペーサ(斜
線部分),〜で示される各部分は,基本回路パター
ンを細分化した共通のエレメントである。
【0070】以上において,外枠1901aにエレメン
ト〜および分割スペーサ1902をパズルのように
して組み立てる(図19(a))。同様に,外枠190
1bにエレメント〜および分割スペーサ1902を
パズルのようにして組み立てる(図19(b))。この
ように基本回路を細分化した共通のエレメント〜の
組み合わせを変えて組み立てることにより,図19
(a)や図19(b)のように全く別の回路(例えば,
規約のあるパターン上のユニバーサル基板上に,L,
C,R,IC等を任意に組むことによる自由な回路が構
成されるマイクロ波,ミリ波回路版イメージ)を構成す
ることができる。
【0071】〔製造方法7〕製造方法7について説明す
る。次に,上記製造方法6に対してツバ(不要部分10
3c)がない場合における製造方法7について図17を
用いて説明する。図17において,1701は所定位置
に所定の貫通穴が穿設された位置合わせ用としての金属
スペーサ(図18参照)である。
【0072】第1の工程として,図17に示すように,
金型本体403aと底型403bとにより形成する金型
403内に,固着面を高周波電気特性を著しく阻害しな
い程度に,サンドブラスト加工,ヘアーライン加工,あ
るいはサンドペーパ等で粗面化した下側導体板用アルミ
板601をセットする。
【0073】第2の工程として,所定の線路形状,寸法
および図3に示す各回路素子に対応する形状寸法に基づ
いて貫通穴が穿設された金属スペーサ1701を上記下
側導体板用アルミ板601にセットする。
【0074】第3の工程として,各線路および各回路素
子の平面寸法通りにカットされた25μm厚さのPFA
フィルムを金属スペーサ1701の所定の貫通穴を通し
て,上記下側導体板用アルミ板601にセットする。
【0075】第4の工程として,所定の仕上がり寸法に
成形加工された各線路および各回路素子を金属スペーサ
1701の中の所定位置にはめ込む。
【0076】第5の工程として,各線路および各回路素
子がはめ込まれた金属スペーサ1701の上に,押し型
403cを被せ,面圧0.1Kgf/cm2 以上(好ま
しくは1Kgf/cm2 以上)の圧力で加圧した状態
で,PTFE樹脂の融点327°C(好ましくは340
°C)以上の温度で加熱することにより,カプラ用ベン
ド線路および図3に示す回路素子301〜304を固着
する。
【0077】なお,下側導体板104に特定の回路素子
を選択して固着させる場合は,固着させない回路素子に
相当する図16に示すような埋め込み用の金属スペーサ
を上記金属スペーサ1701の該当する穴にはめ込んで
固着成形することにより,所望とする回路素子と線路の
みを下側導体板用アルミ板601上に固着することがで
きる。
【0078】また,上記各製造方法を用い,特定回路コ
ンポーネントパーツ(回路素子の集合体),例えば,磁
性メーカが供給するサーキュレータやセラミックメーカ
が供給するフィルタ等を外部メーカから調達する場合を
考慮し,出荷メーカは,出荷特性検査,納入時は納品検
査をした上で,そのパーツを組み込むことができる。図
20は,この場合における説明図であり,2001は特
定回路コンポーネントパーツである。図20(a)で
は,下面PFAシート等の上に特定回路コンポーネント
パーツ2001を融着し,出荷検査時に各パーツを融着
せずにサンドイッチし,入出力特性を検査し,検査合格
のものを,次の図20(b)のように配置した上で一体
融着する。
【0079】図21は,この発明による回路構成例およ
びその製法を適用した例を示す説明図である。(a)は
曲線路パーツによる曲・線路例であり,(b)は曲線路
パーツ2本によるカプラ例であり,(c)は線路パーツ
2本および共振素子(円柱)2個によるフィルタ例であ
り,(d)は線路パーツ3本,フェライト共振素子,不
要モードサプレッサによるサーキュレータ例である。な
お,(d’)は(d)におけるフェライト共振素子の側
面拡大図であり,フェライトとスペーサを一体化したも
のである。
【0080】また,上記図21において,(b)では特
性のバラツキを抑えるために,ギャップgを一定に保持
する。同様に,(c)においても特性のバラツキを抑え
るために,ギャップg1 ≠g2 ≠g3 を一定に保持す
る。さらに,(d)においても,特性上,3本の線路と
該線路間の角度θを一定に配置する。
【0081】次に,上記各実施例についてまとめて説明
する。図22および図23は,この発明を適用したNR
Dガイド組立構造例を示す説明図である。まず,図22
に示すように,上記製造方法に基づいて,下側導体板1
04上(下側導体板用アルミ601)に各線路を形成す
る。次に,図23に示すように,各回路素子(例えば,
図3の301〜304)を配置し,融着一体化する。な
お,本回路は,P1,P2からの入力信号をカプラ10
3a,103bにて混ぜ合わせ,サーキュレータを経
て,フィルタを通してP3に出力する機能を有するもの
である。
【0082】図24は,サーキュレータ素子を構成・実
装する例を示す説明図である。図24(a)において,
PFAフィルム603上にサーキュレータ用フェライト
共振器303を配置し,予め融着一体化する。次に,図
24(a)に示すように,上下メタル冶具2401で挟
んだ状態とし,この状態にて出荷検査,納品検査,個別
選定等の工程を入れる。例えば,P1→P2における通
過特性やP1→P3におけるアイソレーション特性を測
る。その後,図24(c)に示すように,サブシステム
回路の所定位置に配置し,全体線路と同時,あるいは後
付けにより融着固定する。なお,この場合,上側導体板
101は省略してある。
【0083】図25は,フィルタを構成・実装する例を
示す説明図である。図25(a)において,PFAフィ
ルム603上に構成部品を配置し,予め融着一体化す
る。次に,図25(a)に示すように,出荷時や納品時
にフィルタの入出力通過特性を測定し,さらに,図25
(c)に示すように,サブシステム回路の所定位置に配
置し,全体線路と同時,あるいは後付けにより融着固定
する。なお,この場合,上側導体板101は省略してあ
る。
【0084】すなわち,上記の実施例では,その構成を
上側導体板101および下側導体板104上に誘電体特
性を有するPTFE樹脂を予め接着剤なしで固着し,そ
の片方の導体板側のPTFE樹脂により線路や回路断面
のほとんどの部分を精密機械加工等により形状加工し,
上記上側導体板101および下側導体板104を高精度
の組立手段を用いずに合体させるのみでNRDガイドが
組み立てられる。したがって,従来は導体板や線路,回
路の位置合わせに手間がかかり,かつ,生産特性のバラ
ツキや歩留り悪化が生じていた等の問題点を解消するこ
とができ,量産性の向上や特性に均一化が得られ,コス
ト低減を図ることができる。
【0085】また,PFAシート等を用いて,上下導体
板に誘電体線路をサンドイッチ的に構成し,これを一体
的に融着するため,融着後における回路の解体が不可と
なり,無線機などに不可欠な第三者による悪用加工を未
然に防止することもできる。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように,この発明に係るN
RDガイド回路およびその製造方法によれば,上下導体
板上に誘電体特性を有す樹脂を予め接着剤なしで固着
し,その片方の導体板側の樹脂により線路や回路断面の
ほとんどの部分を精密機械加工等により形状加工し,上
記上下側導体板を高精度の組立手段を用いずに組み合わ
せて一体化するため,上下導体板,誘電体線路,回路素
子等の位置決めを簡単,かつ,高精度に行うことができ
ると共に,高い生産歩留りを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るNRDガイド回路の構成および
実装手順を示す説明図である。
【図2】この発明に係るNRDガイド回路の構成および
実装手順を示す説明図である。
【図3】この発明に係るNRDガイド回路に実装される
回路素子を示す説明図である。
【図4】この発明に係るPTFE樹脂張付フィルム製造
に使用される金型と素材の状態を示す説明図である。
【図5】この発明に係るPTFE樹脂張付フィルムを示
す説明図である。
【図6】この発明に係るPTFE樹脂シート張付製造に
使用される金型と素材の状態を示す説明図である。
【図7】図6に示した製造方法により作製されるベンド
線路形状例を示す説明図である。
【図8】この発明に係る製造方法3の構成を示す説明図
である。
【図9】この発明に係る製造方法3により作製される試
料を示す説明図である。
【図10】この発明に係る製造方法4の構成を示す平面
図である。
【図11】この発明に係る製造方法4の構成を示す断面
図である。
【図12】この発明に係る製造方法5の構成を示す平面
図である。
【図13】この発明に係る製造方法5の構成を示す断面
図である。
【図14】この発明に係る製造方法6の構成を示す断面
図である。
【図15】この発明に係る製造方法6に使用する金属ス
ペーサの構成を示す説明図である。
【図16】この発明に使用される埋め込み用スペーサの
形状を示す説明図である。
【図17】この発明に係る製造方法7の構成を示す断面
図である。
【図18】この発明に係る製造方法7に使用する金属ス
ペーサの構成を示す説明図である。
【図19】この発明に係る複数パーツにより回路を構成
するコンポーネント組立例を示す説明図である。
【図20】この発明に係るコンポーネント部品の後付け
例を示す説明図である。
【図21】この発明に係る回路構成例およびその製造方
法を適用した例を示す説明図である。
【図22】この発明を適用したNRDガイド組立構造例
を示す説明図である。
【図23】この発明を適用したNRDガイド組立構造例
を示す説明図である。
【図24】この発明に係るサーキュレータ素子を構成・
実装する例を示す説明図である。
【図25】この発明に係るフィルタを構成・実装する例
を示す説明図である。
【図26】従来におけるNRDガイド組立構造およびそ
の製造方法を示す説明図である。
【図27】従来におけるNRDガイド組立構造およびそ
の製造方法を示す説明図である。
【図28】NRDガイドの原理を示す説明図である。
【符号の説明】
101 上側導体板 102 PTFE
樹脂フィルム 103 PTFE樹脂ブロック 104 下側導体
板 105 スペーサ 201 PTFE
線路(誘電体線路) 301〜304 回路素子 1402 金属ス
ペーサ 1701 金属スペーサ 1902 分割ス
ペーサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−215804(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 3/16 H01P 11/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下導体板と,該上下導体板間に信号伝
    送用の誘電体線路材を設け,前記上下導体板の間隔を前
    記誘電体線路材外の上下導体板間部分における使用周波
    数の半波長以下としたNRDガイドを用いるNRDガイ
    ド回路において,予め前記上下導体板の片面に誘電体回
    路を構成する線路断面の一部および(あるいは)回路素
    子を固着形成した上下導体板組立体と,前記上下導体板
    間を一定距離に保持するスペーサとからなり,前記スペ
    ーサにより前記上下導体板組立体を一体化してなること
    を特徴とするNRDガイド回路。
  2. 【請求項2】 上下導体板間に信号伝送用誘電体線路を
    含む誘電体回路素子を介在させたNRDガイド回路の製
    造方法において,前記誘電体線路の線路断面の一部分を
    構成する誘電体樹脂フィルムを何れか一方の導体板面に
    固着形成し,前記誘電体線路の主部分を構成する誘電体
    樹脂ブロックを他方の導体板に固着形成する第1の工程
    と,前記誘電体樹脂ブロックを所望の形状寸法に加工
    し,NRDガイド回路部を形成する第2の工程と,前記
    NRDガイド回路部を含む導体板と前記誘電体樹脂フィ
    ルムが固着形成された導体板とを,上下導体板間を一定
    距離に保持するスペーサを介して一体化する第3の工程
    とを含むことを特徴とするNRDガイド回路の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 上下導体板間に信号伝送用誘電体線路を
    含む誘電体回路素子を介在させたNRDガイド回路の製
    造方法において,回路素子の形状寸法に対応する貫通穴
    を設けた位置合わせ用の金型を用い,何れか一方の導体
    板上の所定位置に回路素子をはめ込む第1の工程と,前
    記回路素子のはめ込み後,熱膨張圧により固着成形する
    第2の工程とを含むことを特徴とするNRDガイド回路
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 上下導体板間に信号伝送用誘電体線路を
    含む誘電体回路素子を介在させたNRDガイド回路の製
    造方法において,誘電体線路の断面の一部を構成する誘
    電体樹脂フィルムを何れか一方の導体上に導体板との同
    時一体成形により固着形成し,前記誘電体線路を他方の
    導体板に固着形成する第1の工程と,前記誘電体線路お
    よび回路素子の形状寸法に対応する貫通穴を設けた位置
    合わせ用の金型を用い,前記第1の工程により形成され
    た誘電体線路のある導体板上に回路素子をはめ込んでN
    RDガイド回路部を形成する第2の工程と,前記NRD
    ガイド回路部を形成した導体板と前記誘電体フィルムが
    固着形成された導体板とを,上下導体間の距離を一定に
    するスペーサを挿入して一体化する第3の工程とを含む
    ことを特徴とするNRDガイド回路の製造方法。
  5. 【請求項5】 上下導体板間に信号伝送用誘電体線路を
    含む誘電体回路素子を介在させたNRDガイド回路の製
    造方法において,誘電体線路断面の一部を構成する誘電
    体樹脂フィルムを何れか一方の導体上に導体板との同時
    一体成形により固着形成し,他方の導体板に予め作製し
    てある誘電体線路および(あるいは)誘電体NRDガイ
    ド素子を誘電体樹脂フィルムを介して(あるいは介さず
    に),回路および回路素子の形状に対応する貫通穴を設
    けた位置合わせ用の金型を用い,前記導体板との同時一
    体成形によりNRDガイド回路部を形成する第1の工程
    と,前記第1の工程において形成された線路および回路
    素子を含む導体板と前記誘電体フィルムが固着形成され
    た導体板とを,上下導体間の距離を一定にするスペーサ
    を挿入して一体化する第2の工程とを含むことを特徴と
    するNRDガイド回路の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記金型は,基本回路パターン毎に小ブ
    ロックに分割し,該小分割ブロックの組み合わせパター
    ンを変えることにより回路構成を変更可能にすることを
    特徴とする請求項5記載のNRDガイド回路の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 上下導体板間に信号伝送用誘電体線路を
    含む誘電体回路素子を介在させたNRDガイド回路の製
    造方法において,誘電体線路断面の一部を構成する誘電
    体樹脂フィルムを何れか一方の導体上に導体板との同時
    一体成形により固着形成し,他方の導体板に予め製作し
    ておいた最終仕上がり断面積より10%程度小さい断面
    積の誘電体線路および(あるいは)誘電体NRDガイド
    素子を誘電体樹脂フィルムを介して(あるいは介さず
    に),回路および回路素子の形状に対応する貫通穴を設
    けた位置合わせ用の金型を用いて導体板と同時一体成形
    にて固着する第1の工程と,機械加工により所定の位置
    に形状寸法のNRDガイド回路部を形成する第2の工程
    と,前記第2の工程により形成された線路および回路素
    子を含む導体板と前記誘電体フィルムが固着形成された
    導体板とを,上下導体間の距離を一定にするスペーサを
    挿入して一体化する第3の工程を含むことを特徴とする
    NRDガイド回路の製造方法。
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