JP3280757B2 - 機械式過給機付エンジンの吸気装置 - Google Patents

機械式過給機付エンジンの吸気装置

Info

Publication number
JP3280757B2
JP3280757B2 JP16702493A JP16702493A JP3280757B2 JP 3280757 B2 JP3280757 B2 JP 3280757B2 JP 16702493 A JP16702493 A JP 16702493A JP 16702493 A JP16702493 A JP 16702493A JP 3280757 B2 JP3280757 B2 JP 3280757B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intake
opening
port
air
region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16702493A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0726993A (ja
Inventor
潤三 佐々木
幹公 藤井
剛 高山
達也 上杉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP16702493A priority Critical patent/JP3280757B2/ja
Publication of JPH0726993A publication Critical patent/JPH0726993A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3280757B2 publication Critical patent/JP3280757B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/0002Controlling intake air
    • F02D41/0007Controlling intake air for control of turbo-charged or super-charged engines
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/0002Controlling intake air
    • F02D2041/001Controlling intake air for engines with variable valve actuation
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/30Controlling fuel injection
    • F02D41/3094Controlling fuel injection the fuel injection being effected by at least two different injectors, e.g. one in the intake manifold and one in the cylinder
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械式過給機付エンジ
ンの吸気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】機械式過給機で吸入空気を加圧(過給)し
て吸気充填効率を高め、出力の向上を図るようにした機
械式過給機付エンジンは従来より知られている。しかし
ながら、このように機械式過給機で過給を行うと高負荷
時にノッキングが起こりやすくなるといった問題があ
る。このため、従来の機械式過給機付エンジンでは、一
般に排気行程終期から吸気行程始期にかけて、吸気ポー
トの開口期間と排気ポートの開口期間とをオーバラップ
させて吸入空気で燃焼室内の掃気を行い、ノッキングの
発生を抑制ないしは防止するようにしている。ここで、
開口オーバラップ量が大きいときほど掃気性が高められ
るのはもちろんである。
【0003】なお、各気筒に第1,第2の2つの吸気ポ
ートを設けたエンジンにおいて、第1吸気ポートをスワ
ールポートとする一方第2吸気ポートを開閉する開閉弁
を設け、所定の低吸入空気量領域では開閉弁を閉じて第
1吸気ポートからのみ燃焼室にエアを供給してスワール
を強め、かかるスワールによって混合気の燃焼性を高め
てノッキングの発生を抑制するようにしたものも提案さ
れている(例えば、特開昭62−159728号公報参
照)。
【0004】しかしながら、このように吸気ポートの開
口期間と排気ポートの開口期間とをオーバラップさせる
場合、開口オーバラップ量が大きすぎると燃焼室内に吸
入された混合気がそのまま排気ポートから排出されると
いった現象いわゆる吹き抜けが生じ、HC排出量の増加
によりエミッション性能が低下するといった問題があ
る。
【0005】そして、かかる吹き抜けを生じさせないよ
うな開口オーバラップ量の最大値(以下、これを限界オ
ーバラップ量という)は一定ではなく、エンジン回転数
の上昇に伴って大きくなる。例えば、エンジン回転数が
1000r.p.m.では限界オーバラップ量はおよそ10°
C.A.(クランク角)であるが、6000r.p.m.では限界オ
ーバラップ量はおよそ80°C.A.となる。したがって、
開口オーバラップ量を一定としたのでは、全運転領域で
吹き抜けを防止しつつ掃気性を最大限に高めることはむ
ずかしい。
【0006】ところで、近年、動弁の開閉タイミングを
変えることができる機構いわゆるバルブタイミング可変
手段を設けた過給機付エンジンが提案されている(例え
ば、特開昭63−239312号公報参照)。そこで、
かかるエンジンにおいては、エンジン回転数に応じて動
弁の開閉タイミングを変え、これによって開口オーバラ
ップ量を変えてエンジン回転数に適応する開口オーバラ
ップ量とし、吹き抜けを防止しつつ掃気性(耐ノッキン
グ性)を高めるといった手法が考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そして、この場合、開
口オーバラップ量をエンジン回転数に応じてリニアに変
化させるようにすれば、全回転領域で吹き抜けを防止し
つつ掃気性を最大限に高めることができるのはもちろん
である。しかしながら、吸気弁あるいは排気弁の開閉タ
イミングをリニアに変化させるには、バルブタイミング
可変手段を非常に複雑な構造とせざるを得ず、かかる手
法は実用上は採用が困難である。
【0008】したがって、開閉タイミングを2段で切り
替えるようにした普通のバルブタイミング可変手段を用
いて開口オーバラップ量を切り替えるのが実用的である
が、この場合吸気弁と排気弁のうちのいずれか一方にの
みバルブタイミング可変手段を設けるだけでは、開口オ
ーバラップ量を2段階でしか切り替えることができず、
全運転領域にわたってエンジン回転数に応じた適切な開
口オーバラップ量とするのは困難である。
【0009】そこで、吸気弁と排気弁の両方に対してバ
ルブタイミング可変手段を設け、エンジン回転数に応じ
て開口オーバラップ量を4段階で切り替えるといった手
法が考えられる。しかしながら、この場合、バルブタイ
ミング可変手段を2組設けなければならないので、エン
ジンが大型化し、そのコストアップを招くといった問題
がある。
【0010】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、全運転領域で吹き抜けの発
生を防止しつつ掃気性を十分に高めることができる、安
価でかつ簡素な構造の機械式過給機付エンジンの吸気装
置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、第1の発明は、吸気ポートが、全運転領域で燃焼室
にエアを供給する第1吸気ポートと、所定の高吸入空気
量領域でのみ燃焼室にエアを供給する第2吸気ポートと
で構成されている機械式過給機付エンジンの吸気装置に
おいて、吸気弁と排気弁のうちのいずれか一方の開閉タ
イミングを変更することにより、クランク角でみて吸気
ポートと排気ポートとの間の開口オーバラップ期間を大
・小2段に切り替えることができるバルブタイミング可
変手段が設けられ、該バルブタイミング可変手段によっ
て開口オーバラップ期間が小とされている状態におけ
る、第1吸気ポートと排気ポートとの間の開口オーバラ
ップ量と、第2吸気ポートと排気ポートとの間の開口オ
ーバラップ量の合計が、バルブタイミング可変手段によ
って開口オーバラップ期間が大とされている状態におけ
る、第1吸気ポートと排気ポートとの間の開口オーバラ
ップ量よりも大きくなるように、第1,第2吸気ポート
及び排気ポートの開閉タイミングが設定され、少なくと
も高負荷領域において、第2吸気ポートからのエアの供
給が停止される運転領域中の低吸入空気量側の領域では
開口オーバラップ期間が小となり、高吸入空気量側の領
域では開口オーバラップ期間が大となり、かつ第2吸気
ポートからもエアが供給される運転領域では開口オーバ
ラップ期間が小となるようバルブタイミング可変手段を
制御するオーバラップ量制御手段が設けられていること
を特徴とする機械式過給機付エンジンの吸気装置を提供
する。
【0012】第2の発明は、第1の発明にかかる機械式
過給機付エンジンの吸気装置において、オーバラップ量
制御手段が、第2吸気ポートからもエアが供給される運
転領域中の低吸入空気量側の領域では開口オーバラップ
期間が小となり、高吸入空気量側の領域では開口オーバ
ラップ期間が大となるようバルブタイミング可変手段を
制御するようになっていることを特徴とする機械式過給
機付エンジンの吸気装置を提供する。
【0013】第3の発明は、第1又は第2の発明にかか
る機械式過給機付エンジンの吸気装置において、第2吸
気ポートと排気ポートとの間の開口オーバラップの大部
分が排気上死点よりも前に生じるよう第2吸気ポート及
び排気ポートの開閉タイミングが設定されていることを
特徴とする機械式過給機付エンジンの吸気装置を提供す
る。
【0014】第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれ
か1つにかかる機械式過給機付エンジンの吸気装置にお
いて、第1吸気ポートと排気ポートとの間の開口オーバ
ラップの大部分が排気上死点よりも後に生じるよう第1
吸気ポート及び排気ポートの開閉タイミングが設定され
ていることを特徴とする機械式過給機付エンジンの吸気
装置を提供する。
【0015】第5の発明は、第1〜第4の発明のいずれ
か1つにかかる機械式過給機付エンジンの吸気装置にお
いて、開口オーバラップ量が、吸気ポートと排気ポート
との間に開口オーバラップが生じている期間内におい
て、開口面積が小さい方のポートの開口面積のクランク
角についての積分値でもってあらわされるようになって
いることを特徴とする機械式過給機付エンジンの吸気装
置を提供する。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。 <第1実施例>図1と図2とに示すように、第1〜第6
気筒#1〜#6を備えた6気筒V形エンジンVEにおい
ては、第1バンクP側に第1,第3,第5気筒#1,#3,
#5が配置され、第2バンクQ側に第2,第4,第6気筒
#2,#4,#6が配置されている。ここで、各気筒#1
〜#6は、#1→#2→#3→#4→#5→#6の順に
点火されるようになっている。したがって、第1バンク
P側の各気筒#1,#3,#5は互いに吸気行程が重複せ
ず、また第2バンクQ側の各気筒#2,#4,#6もまた
互いに吸気行程が重複しない。なお、以下では便宜上、
エンジン本体近傍においては、エンジンVEの長手方向
(図1では左右方向)にみて第5気筒#5側を「左」とい
い、第1気筒#1側を「右」ということにする。
【0017】各気筒#1〜#6においては、夫々、第
1,第2吸気弁1a,1bが開かれたときに第1,第2吸気
ポート2a,2bから燃焼室3内に混合気が吸入され、こ
の混合気がピストン(図示せず)で圧縮された後点火プラ
グ(図示せず)で着火・燃焼させられ、排気弁(図示せず)
が開かれたときに燃焼ガス(排気ガス)が排気ポート4に
排出されるようになっている。なお、以下では便宜上、
第1吸気ポート2aをPポート2aと略称し、第2吸気ポ
ート2bをSポート2bと略称することにする。また、
P,Sポート2a,2bに臨んで夫々、ポート内の吸入空気
中に燃料を噴射して混合気を形成する第1,第2燃料噴
射弁5a,5bが設けられている。なお、図1中の第3〜
第6気筒#3〜#6については、第1,第2気筒#1,#
2と同一構成であるので紙面の都合上個々の部材への付
番を省略している。
【0018】そして、第1,第2バンクP,Qにおいては
いずれも、各気筒#1〜#6の第1,第2吸気弁1a,1b
が夫々、吸気弁用カムシャフト7に取り付けられた第
1,第2吸気弁用カム6a,6bによって、後で説明するよ
うに所定のタイミングで開閉されるようになっている。
ここで、第1,第2バンクP,Qの各吸気弁用カムシャフ
ト7の左端部には夫々カムシャフトプーリ8が取り付け
られている。そして、図示していないが、両カムシャフ
トプーリ8,8と、クランク軸に取り付けられたクラン
ク軸プーリとにまたがって1本のタイミングベルトが巻
きかけられ、両吸気弁用カムシャフト7,7はクランク
軸によって、該クランク軸と同期して回転駆動されるよ
うになっている。ここで、両吸気弁用カムシャフト7,
7に対して夫々、これらの回転位相を変えて第1,第2
吸気弁1a,1bの開閉タイミングを2段で変化させるこ
とができるバルブタイミング可変手段9(以下、これを
便宜上VVT9と略称する)が設けられ、これらのVV
T9は夫々コントロールユニット10によって制御され
るようになっている。なお、VVT9は、第1,第2吸
気弁1a,1bの開閉タイミングを進角方向又は遅角方向
に2段でずらせるだけであるので、開閉タイミングを変
化させた場合でも開弁期間(クランク角でみて)は変化し
ない。
【0019】図示していないが、排気弁もまた吸気弁1
a,1bとほぼ同様の機構により、後で説明するように所
定のタイミングで開閉されるようになっている。ただ
し、この第1実施例では排気弁に対してはVVTは設け
られていないので、クランク角でみれば排気弁(排気ポ
ート4)の開閉タイミングは固定されている。
【0020】VVT9はコントロールユニット10によ
ってオン・オフ制御され、第1,第2吸気弁1a,1bの開
閉タイミングを進角側(クランク角が小さい側)と遅角側
(クランク角が大きい側)とにセットできるようになって
いる。具体的には、VVT9がオフ状態にあるときに
は、第1,第2吸気弁1a,1bの開閉タイミングが遅角側
にセットされるようになっている。このとき、第1吸気
弁1a(Pポート2a)は図3中の曲線I1で示すタイミン
グで開閉され、第2吸気弁1b(Sポート2b)は図3中の
曲線I2で示すタイミングで開閉される。
【0021】他方、VVT9がオン状態にあるときに
は、第1,第2吸気弁1a,1bの開閉タイミングが進角側
にセットされるようになっている。このとき、第1吸気
弁1a(Pポート2a)は図3中の曲線I1'で示すタイミン
グで開閉され、第2吸気弁1b(Sポート2b)は図3中の
曲線I2'で示すタイミングで開閉される。なお、排気弁
(排気ポート4)は、常時図3中の曲線Eで示すタイミン
グで開閉される。
【0022】図3から明らかなように、両吸気弁1a,1
bの開閉タイミングは、第2吸気弁1b(Sポート2b)の
方が第1吸気弁1a(Pポート2a)よりも所定のクランク
角だけ前に開かれるようにして設定されている。なお、
VVT9は、第1,第2吸気弁1a,1bを同一の位相だけ
進角方向又は遅角方向に一律にずらせるだけであるの
で、VVT9のオン・オフにかかわりなく第1吸気弁1
aと第2吸気弁1bとの間の開弁タイミングのずれが一定
であるのはもちろんである。
【0023】したがって、VVT9がオフ状態にあると
きには、クランク角でみてP,Sポート2a,2bと排気ポ
ート4との間の開口オーバラップ期間(あるいは開口オ
ーバラップ量)が小さくなり、他方VVT9がオン状態
にあるときにはP,Sポート2a,2bと排気ポート4との
間の開口オーバラップ期間(あるいは開口オーバラップ
量)が大きくなる。
【0024】ここで、P,Sポート2a,2b及び排気ポー
ト4の開閉タイミング並びにVVT9による開閉タイミ
ング変更量は、次の式1を満たすように設定されてい
る。
【数1】 θ1+θ2>θ3……………………………………………………式1 なお、式1において、θ1はVVT9がオフ状態にある
ときのPポート2aと排気ポート4との間の開口オーバ
ラップ量であり、θ2はVVT9がオフ状態にあるとき
のSポート2bと排気ポート4との間の開口オーバラッ
プ量であり、θ3はVVT9がオン状態にあるときのP
ポート2aと排気ポート4との間の開口オーバラップ量
である。
【0025】ここで、オーバラップ量θ1〜θ3は、開口
オーバラップが生じている期間内において、開口面積が
小さい方のポートの開口面積のクランク角についての積
分値に対応する値でもってあらわすようにしている。す
なわち、θ1は、図3においてクランク角がT1〜T3
期間内で曲線I1と曲線Eと横軸とによって囲まれた領
域に対応する値である。θ2は、図3においてクランク
角がT2〜T3の期間内で曲線I2と曲線Eと横軸とによ
って囲まれた領域に対応する値である。また、θ3は、
図3においてクランク角がT1'〜T3の期間内で曲線
1'と曲線Eと横軸とによって囲まれた領域に対応する
値である。なお、開口オーバラップ量を単純に開口オー
バラップ期間(クランク角)であらわすようにしてもよ
い。
【0026】図3から明らかなように、Pポート2a、
Sポート2b及び排気ポート4の開閉タイミングは、P
ポート2aと排気ポート4との間の開口オーバラップの
大部分が排気上死点TDCよりも後に生じるように設定
されている。このため、下降するピストンによる負圧に
よって、Pポート2aから燃焼室3内に流入した空気の
排気ポート4方向への移動が抑制され、Pポート2aの
みから燃焼室3内に空気が供給される運転領域における
吹き抜けが抑制される。かつ、Sポート2bと排気ポー
ト4との間の開口オーバラップの大部分が排気上死点T
DCよりも前に生じるように設定されている。このた
め、燃焼室3内の空気が上昇するピストンによって排気
ポート4側に押しやられ、Sポート2bからも燃焼室3
内に空気が供給される運転領域における掃気性が高めら
れる。
【0027】エンジンVEの各気筒#1〜#6に燃料燃
焼用の空気を供給するために共通吸気通路12が設けら
れ、この共通吸気通路12には吸入空気の流れ方向にみ
て上流側から順に、吸入空気中のダストを除去するエア
クリーナ13と、吸入空気量を検出するエアフローセン
サ14と、アクセルペダル(図示せず)と連動して開閉さ
れるスロットル弁15と、クランク軸(図示せず)によっ
て駆動される機械式過給機16(スーパーチャージャ)
と、該機械式過給機16によって断熱圧縮されて温度が
上昇した吸入空気を冷却するインタクーラ17とが介設
されている。ここで、スロットル弁15より下流側にお
いて、共通吸気通路12の、機械式過給機16より上流
側の部分とインタクーラ17より下流側の部分とを連通
させるバイパス吸気通路18が設けられ、このバイパス
吸気通路18にアクチュエータ19によって開閉される
リリーフバルブ20が介設されている。そして、機械式
過給機16の吐出圧すなわち過給圧が設定値(限界過給
圧)に近付くと、アクチュエータ19によってリリーフ
バルブ20が開かれてインタクーラ下流の吸入空気が過
給機上流に戻され、過給圧が設定値(限界過給圧)以下に
保持されるようになっている。このように、過給圧を限
界過給圧以下にとどめるのは、過給圧が限界過給圧を超
えると機械式過給機16が高温化してその信頼性が低下
するからである。
【0028】共通吸気通路12は、インタクーラ17よ
り下流側で第1分岐吸気通路21と第2分岐吸気通路2
2とに分岐し、第1分岐吸気通路21の下流端は第1バ
ンクP用の第1サージタンク23に接続され、第2分岐
吸気通路22の下流端は第2バンクQ用の第2サージタ
ンク24に接続されている。ここで、第1サージタンク
23の左端部と第2サージタンク24の左端部とを連通
させる第1連通路25が設けられ、この第1連通路25
にはこれを開閉する連通路開閉弁26が介設されてい
る。また、第1サージタンク23の右端部と第2サージ
タンク24の右端部とを連通させる第2連通路27が設
けられ、この第2連通路27にはこれを開閉する2つの
連通路シャッタ弁28a,28bが介設されている。
【0029】これらの第1,第2連通路25,27、連通
路開閉弁26及び連通路シャッタ弁28a,28bは、エ
ンジン回転数に応じて共鳴効果ないしは慣性効果を有効
に利用して、吸気充填効率を高めるために設けられてい
る。すなわち、低回転時には連通路開閉弁26と連通路
シャッタ弁28a,28bとを閉じて、共通吸気通路12
から第1,第2分岐吸気通路21,22への分岐部を圧力
波反転部とする共鳴効果を利用して吸気充填効率を高
め、中回転時には連通路シャッタ弁28a,28bのみを
開いて第2連通路27の中央部を圧力波反転部とする共
鳴効果を利用して吸気充填効率を高め、高回転時には連
通路開閉弁26と連通路シャッタ弁28a,28bとを開
き慣性効果を利用して吸気充填効率を高めるようにして
いる。
【0030】そして、第1サージタンク23には第1,
第3,第5気筒#1,#3,#5用の3組の第1,第2独立
吸気通路29a,29bの上流端が接続され、これらの第
1,第2独立吸気通路29a,29bの下流端は夫々対応す
る気筒のP,Sポート2a,2bに接続されている。他方、
第2サージタンク24には第2,第4,第6気筒#2,#
4,#6用の3組の第1,第2独立吸気通路29a,29b
の上流端が接続され、これらの第1,第2独立吸気通路
29a,29bの下流端は夫々対応する気筒のP,Sポート
2a,2bに接続されている。なお、詳しくは図示してい
ないが、Pポート2aはタンジェンシャルタイプあるい
はヘリカルタイプのスワールポートであって、全運転領
域で燃焼室3に空気を供給するようになっている。
【0031】各気筒#1〜#6の第2独立吸気通路29
bには夫々、これらを開閉する吸気通路開閉弁30(以
下、これを便宜上S弁30と略称する)が設けられてい
る。そして、各S弁30は、コントロールユニット10
からの信号に従って、開閉弁アクチュエータ40によっ
て開閉されるようになっている。ここで、各S弁30が
閉じられたときには、スワールポートであるPポート2
aからのみ燃焼室3内に空気(混合気)が供給され、燃焼
室3内に強いスワールが生成され、混合気の着火性・燃
焼性が高められるようになっている。他方、S弁30が
開かれたときには、両ポート2a,2bから燃焼室3内に
空気が供給され、吸気充填効率が高められるようになっ
ている。なお、各S弁30は、後で説明するように、所
定の低吸入空気量領域で閉じられるようになっている。
したがって、Sポート2bは、所定の高吸入空気量領域
でのみ燃焼室3に空気を供給することになる。
【0032】なお、このようなS弁30を設けるかわり
に第2吸気弁1bに対して弁停止機構を設け、所定の低
吸入空気量領域では弁停止機構によって第2吸気弁1b
を常時閉弁させてPポート2aからのみ燃焼室3内に空
気を供給するようにしてもよい。
【0033】各気筒#1〜#6の第1,第2燃料噴射弁
5a,5bに、燃料の気化・霧化を促進するためのアシス
トエアを供給するアシストエア供給通路31が設けら
れ、このアシストエア供給通路31の上流端は、スロッ
トル弁15より上流側の共通吸気通路12に開口してい
る。そして、アシストエア供給通路31には三方弁であ
るアシストエアコントロールバルブ32が介設され、こ
のアシストエアコントロールバルブ32の第3の端子に
は、上流端が機械式過給機16より下流側の共通吸気通
路12に開口するアシストエア導入通路33が接続され
ている。ここで、アシストエアコントロールバルブ32
は、過給時には加圧された吸入空気をアシストエアとし
てアシスアシストエア導入通路33を通して導入する一
方、非過給時にはアシストエア供給通路31を通して大
気圧の吸入空気をアシストエアとして導入するようにな
っている。
【0034】そして、アシストエア供給通路31は途中
で第1,第2分岐アシストエア供給通路31a,31bに分
岐し、第1分岐アシストエア通路31aを通して第1バ
ンクP側の各燃料噴射弁5a,5bにアシストエアが供給
される一方、第2分岐アシストエア供給通路31bを通
して第2バンクQ側の各燃料噴射弁5a,5bにアシスト
エアが供給されるようになっている。なお、第1,第2
分岐アシストエア供給通路31a,31bには夫々逆止弁
34,35が介設されている。
【0035】各気筒#1〜#6の燃焼室3から排気ポー
ト4に排出された排気ガスは、排気通路36を通して大
気中に排出されるようになっている。なお、排気通路3
6には排気ガスを浄化するための触媒コンバータ37が
介設されている。
【0036】NOx発生量を低減するために、あるいは
低負荷時におけるポンピングロスを低減するために、非
過給時において触媒コンバータ37より上流側の排気通
路36内の排気ガスをEGRとしてインタクーラ17よ
り下流側の共通吸気通路12に還流させる第1EGR通
路38が設けられ、この第1EGR通路38にはEGR
量を調節するための第1EGR弁39が介設されてい
る。さらに、過給時に触媒コンバータ37より下流側の
排気通路36内の排気ガスをEGRとして、機械式過給
機16より上流側の共通吸気通路12に還流させる第2
EGR通路41が設けられ、この第2EGR通路41に
はEGR量を調節するための第2EGR弁42が介設さ
れている。
【0037】コントロールユニット10は、特許請求の
範囲に記載された「オーバラップ量制御手段」を含むエン
ジンVEの総合的な制御装置であって、エアフローセン
サ14によって検出される吸入空気量、第1吸気温セン
サ45によって検出される吸入空気温度、スロットルセ
ンサ46によって検出されるスロットル開度(エンジン
負荷)、第2吸気温センサ47によって検出される過給
機下流の吸入空気温度、第3,第4吸気温センサ48,4
9によって検出されるインタクーラ下流の吸入空気温
度、回転数センサ(図示せず)によって検出されるエンジ
ン回転数等を制御情報として、エンジンVEの各種制御
を行うようになっている。
【0038】しかしながら、コントロールユニット10
による一般的なエンジン制御はよく知られた普通の制御
手法で行われ、また本願発明の要旨とするところでもな
いのでその説明を省略し、以下では本願発明の要旨にか
かわる第1,第2吸気弁1a,1bの開閉タイミング制御、
及びS弁30の開閉制御についてのみ、適宜図1〜図3
を参照しつつ説明する。すなわち、エンジンVEにおい
てコントロールユニット10は、エンジン回転数及びエ
ンジン負荷(スロットル開度)に応じて、第1,第2吸気
弁1a,1bの開閉タイミングすなわちP,Sポート2a,2
bと排気ポート4との間の開口オーバーラップ状態、及
びS弁30の開閉状態を制御し、全運転領域で吹き抜け
の発生を防止しつつ掃気性を十分に高めてノッキングの
発生を防止ないし抑制するようになっている。
【0039】(1)低吸入空気量領域 図5に示すように、全負荷状態を示す曲線G1よりも低
負荷側において、直線G2よりも低吸入空気量側(低回転
・低負荷側)の領域1すなわち低吸入空気量領域ではS
弁30が閉じられ、Pポート2aからのみ燃焼室3内に
空気(混合気)が供給される。この場合、燃焼室3内に強
いスワールが生成され、これによって混合気の燃焼性が
高められ、ノッキングの発生が抑制される。
【0040】かかる低吸入空気量領域(領域1)内におい
てエンジン回転数が所定値N1以下の領域では、VVT
9がオフされ開口オーバラップ期間が小とされる。この
とき、P,Sポート2a,2bの開閉タイミングは夫々図3
中の曲線I1,I2のように設定される。この場合、S弁
30が閉じられ、したがってSポート2bは実質的には
閉止されているので、開口オーバラップはPポート2a
と排気ポート4との間でのみ生じる。したがって、この
場合の開口オーバラップ量θ1は、図3中において曲線
1と曲線Eと横軸とで囲まれた部分(T1〜T3)の面積
に対応する値となる。したがって、開口オーバラップ量
θ1がかなり小さくなり、このため吹き抜けが確実に防
止される。反面、掃気性が若干悪くなり、一見耐ノック
性が低下するようにもみえるが、この場合は前記したと
おり燃焼室3内に強いスワールが生成されているので混
合気の燃焼性が高められ、これによって耐ノック性が十
分に高められる。したがって、ノッキングの発生が防止
ないし抑制される。
【0041】なお、領域1内のエンジン回転数がN1
下の領域において開口オーバラップ期間を小とする領域
を、曲線G1と曲線G3と縦軸とで囲まれた領域3(斜線
を付した領域)、すなわち低吸入空気量領域(領域1)内
の高負荷領域の低吸入空気量側の領域に限定するように
してもよい。すなわち、低負荷領域では燃焼室3内の負
圧が強くなり、比較的吹き抜けが生じにくくなるので、
低負荷領域では開口オーバラップ量を大きくして掃気性
を高める方が好ましいからである。
【0042】他方、低吸入空気量領域(領域1)内におい
てエンジン回転数がN1を超える領域では、VVT9が
オンされ開口オーバラップ期間が大とされる。すなわ
ち、P,Sポート2a,2bの開閉タイミングは夫々図3中
の曲線I1',I2'のように設定される。この場合もSポ
ート2bは実質的には閉止されているので、開口オーバ
ラップはPポート2aと排気ポート4との間でのみ生じ
る。したがって、この場合の開口オーバラップ量θ
3は、図3中において曲線I1'と曲線Eと横軸とで囲ま
れた部分(T1'〜T3)の面積に対応する値となる。ここ
で、開口オーバラップ量θ3は上記のθ1よりも大きいの
で、掃気性が高められ、耐ノック性が高められる。この
場合、開口オーバラップ量が大きくなるので、一見吹き
抜けが生じるようにもみえるが、前記したとおり限界オ
ーバラップ量はエンジン回転数の上昇に伴って大きくな
るので吹き抜けは生じない。したがって、吹き抜けの発
生を防止しつつ、高い掃気性と強いスワールとによっ
て、耐ノック性を高めてノッキングの発生を防止ないし
抑制することができる。
【0043】なお、開口オーバラップ期間を小とする領
域を領域3に限定した場合は、低吸入空気量領域(領域
1)内において領域3以外の領域ではすべてVVT9が
オンされ開口オーバラップ期間が大とされるのはもちろ
んである。
【0044】(2)高吸入空気量領域 曲線G1よりも低負荷側において、直線G2よりも高吸入
空気量側(高回転・高負荷側)の領域2すなわち高吸入空
気量領域ではS弁30が開かれ、両ポート2a,2bから
燃焼室3内に空気(混合気)が供給される。この場合、吸
気充填効率が高められ、エンジン出力が十分に高められ
る。
【0045】かかる高吸入空気量領域(領域2)内におい
て、エンジン回転数が所定値N3以下の領域では、VV
T9がオフされ開口オーバラップ期間が小とされる。す
なわち、P,Sポート2a,2bの開閉タイミングは夫々図
3中の曲線I1,I2のように設定される。このとき、S
弁30が開かれているので、開口オーバラップは両ポー
ト2a,2bと排気ポート4との間で生じることになる。
したがって、この場合の開口オーバラップ量は、図3中
において曲線I1と曲線Eと横軸とで囲まれた部分(T1
〜T3)の面積に対応する開口オーバラップ量θ1と、曲
線I2と曲線Eと横軸とで囲まれた部分(T2〜T3)の面
積に対応する開口オーバラップ量θ2の合計(θ1+θ2)
となる。
【0046】前記したとおり、θ1+θ2>θ3とされて
いるので(式1参照)、この場合の開口オーバラップ量
1+θ2)は、領域1内のエンジン回転数がN1を超え
る領域での開口オーバラップ量θ3よりも大きくなり、
掃気性がさらに高められて耐ノック性が高められる。な
お、限界オーバラップ量がエンジン回転数の上昇に伴っ
て大きくなるので、この場合も吹き抜けが生じないのは
もちろんである。
【0047】なお、領域2内のエンジン回転数がN3
下の領域において開口オーバラップ期間を小とする領域
を、曲線G1と直線G2と曲線G4とで囲まれた領域4(斜
線を付した領域)、すなわち高吸入空気量領域(領域2)
内の高負荷領域の低吸入空気量側の領域に限定するよう
にしてもよい。前記したとおり、低負荷領域では比較的
吹き抜けが生じにくくなるので、低負荷領域では開口オ
ーバラップ量を大きくして掃気性を高める方が好ましい
からである。
【0048】他方、高吸入空気量領域(領域2)内におい
てエンジン回転数がN3を超える領域では、VVT9が
オンされ開口オーバラップ期間が大とされる。すなわ
ち、P,Sポート2a,2bの開閉タイミングは夫々図3中
の曲線I1',I2'のように設定される。この場合もS弁
30が開かれているので、開口オーバラップは両ポート
2a,2bと排気ポート4との間で生じる。この場合の開
口オーバラップ量は、図3中で曲線I1'と曲線Eと横軸
とで囲まれた部分(T1'〜T3)の面積に対応する開口オ
ーバラップ量θ3と、曲線I2'と曲線Eと横軸とで囲ま
れた部分(T2'〜T3)の面積に対応する開口オーバラッ
プ量θ4の合計(θ3+θ4)となる。
【0049】図3から明らかなとおり、θ3>θ1かつθ
4>θ2であるので、この場合の開口オーバラップ量(θ3
+θ4)は、領域2内のエンジン回転数がN3以下の領域
での開口オーバラップ量(θ1+θ2)よりも大きくなり、
掃気性がさらに高められて耐ノック性が高められる。な
お、限界オーバラップがエンジン回転数の上昇に伴って
大きくなるので、この場合も吹き抜けが生じないのはも
ちろんである。
【0050】なお、開口オーバラップ期間を小とする領
域を領域4に限定した場合は、高吸入空気量領域(領域
2)内において領域4以外の領域ではすべてVVT9が
オンされ開口オーバラップ期間が大とされるのはもちろ
んである。
【0051】つまり、この第1実施例によれば、オン・
オフ式のVVT9を吸気弁1a,1bに対して設けるだけ
で、吸気ポート2a,2bと排気ポート4との間の開口オ
ーバラップ量を、概ねエンジン回転数の上昇に伴って、
順にθ1→θ3→(θ1+θ2)→(θ3+θ4)と4段階で増加
させることができる。したがって、簡素な構成でもっ
て、したがって低コストでもって、全運転領域で、開口
オーバラップ量をほぼ限界オーバラップ量(吹き抜けが
生じない最大オーバラップ量)に設定することができ、
吹き抜けの発生を防止しつつ、掃気性を最大限に高めて
耐ノック性を大幅に高めることができる。なお、低吸入
空気量領域(領域1)では、スワールによって混合気の燃
焼性が高められ、これによっても耐ノック性が高められ
るのは前記したとおりである。
【0052】<第2実施例>詳しくは図示していない
が、吸気弁ではなく排気弁に対してオン・オフ式のVV
Tを設け、排気弁(排気ポート)の開閉タイミングを変化
させることにより開口オーバラップ量を4段階に切り替
えるようにしてもよい。この場合は、図4に示すよう
に、第1,第2吸気弁1a,1b(P,Sポート2a,2b)の開
閉タイミングは夫々曲線I1,I2のように固定される。
他方、排気弁(排気ポート4)の開閉タイミングは、VV
Tがオフのときは曲線Eのように設定され、他方VVT
がオンのときは曲線E'のように設定される。
【0053】したがって、VVTがオフのときはP,S
ポート2a,2bと排気ポート4との間の開口オーバラッ
プ期間が小となり、他方VVTがオンのときは開口オー
バラップ期間が大となる。このため、この第2実施例に
おいても、第1実施例と同様の手法で運転状態に応じて
VVTをオン・オフするとともにS弁30を開閉するこ
とにより、全運転領域で吹き抜けの発生を防止しつつ掃
気性をほぼ最大限に高めて耐ノック性を大幅に高めるこ
とができる。
【0054】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、第2吸気ポ
ートからのエアの供給が停止される領域すなわち低吸入
空気量領域(概ね低回転領域)において、低吸入空気量側
の領域(ね低回転側の領域)では開口オーバラップ期間
(クランク角)が小とされる。したがって、この領域では
第1吸気ポートと排気ポートとの間でのみ開口オーバラ
ップが生じ、かつその開口オーバラップ期間が小とされ
るので開口オーバラップ量が小さくなり、吹き抜けの発
生が防止され、エミッション性能が高められる。そし
て、このとき第1吸気ポートのみから燃焼室内にエアが
供給されるので燃焼室内にスワール生成され、このスワ
ールによって耐ノック性が高められ、ノッキングの発生
が防止ないし抑制される。第2吸気ポートからのエアの
供給が停止される領域において、高吸入空気量側の領域
(概ね高回転側の領域)では開口オーバラップ期間が大と
される。したがって、上記の低吸入空気量側の領域の場
合よりも開口オーバラップ量が大きくなるので掃気性が
高められ、耐ノック性が一層高められる。なお、吹き抜
けが発生する開口オーバラップ量はエンジン回転数の上
昇に伴って大きくなるので、この場合吹き抜けは発生し
ない。第2吸気ポートからもエアが供給される領域すな
わち高吸入空気量領域(概ね高回転領域)では開口オーバ
ラップ期間が小とされるが、この場合は第1,第2吸気
ポートと排気ポートとの間で開口オーバラップが生じる
ため開口オーバラップ量は、第2吸気ポートからのエア
の供給が停止される領域中の高吸入空気量側の領域の場
合よりも大きくなる。したがって、掃気性をさらに高め
ることができ、耐ノック性が高められる。なお、この領
域ではエンジン回転数が高いので開口オーバラップ量が
大きいのにもかかわらず吹き抜けが生じない。したがっ
て、吸気弁又は排気弁のいずれか一方にのみバルブタイ
ミング可変手段を設けるだけの簡単な構造で、すなわち
低コストで、開口オーバラップ量をエンジン回転数の上
昇に応じて3段で段階的に増加させることができる。こ
のため、吹き抜けの発生を防止しつつ掃気性をほぼ最大
限に高めることができ、耐ノック性を大幅に高めること
ができる。
【0055】第2の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、第2吸気ポ
ートからもエアが供給される領域中の、低吸入空気量側
の領域(概ね低回転側の領域)では開口オーバラップ期間
が小とされる一方、高吸入空気量側の領域(概ね高回転
側の領域)では開口オーバラップ期間が大とされる。し
たがって、第2吸気ポートからもエアが供給される領域
では、開口オーバラップ量をエンジン回転数の上昇に応
じて2段で段階的に増加させることができる。したがっ
て、全運転領域では、開口オーバラップ量をエンジン回
転数の上昇に応じて4段で段階的に増加させることがで
きる。このため、吹き抜けの発生を防止しつつ掃気性を
さらに高めることができる。
【0056】第3の発明によれば、基本的には第1又は
第2の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、第
2吸気ポートと排気ポートとの間の開口オーバラップの
大部分が排気上死点よりも前に生じるので、燃焼室に流
入したエアが上昇するピストンによって排気ポート側に
押しやられる。このため、第2吸気ポートからも燃焼室
にエアが供給される運転領域における掃気性が一層高め
られる。
【0057】第4の発明によれば、基本的には第1〜第
3の発明のいずれか1つと同様の作用・効果が得られ
る。さらに、第1吸気ポートと排気ポートとの間の開口
オーバラップの大部分が排気上死点よりも後に生じるの
で、下降するピストンによる負圧によって、第1吸気ポ
ートから燃焼室内に流入したエアの排気ポートへの流出
が妨げられ、吹き抜けの発生がより確実に防止される。
【0058】第5の発明によれば、基本的には第1〜第
4の発明のいずれか1つと同様の作用・効果が得られ
る。さらに、開口オーバラップ量が、開口オーバラップ
が生じている期間内において開口面積が小さい方のポー
トの開口面積のクランク角についての積分値でもってあ
らわされるので、単純に開口オーバラップ期間(クラン
ク角)でもって開口オーバラップ量をあらわす場合に比
べて、掃気特性あるいは吹き抜け特性を正確に把握する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる吸気装置を備えた機械式過給
機付エンジンのエンジン本体まわりのシステム構成図で
ある。
【図2】 図1に示すエンジンの吸気系統のシステム構
成図である。
【図3】 図1に示すエンジンの、吸気ポート及び排気
ポートの開閉タイミングを示す図である。
【図4】 第2実施例にかかるエンジンの、吸気ポート
及び排気ポートの開閉タイミングを示す図である。
【図5】 図1に示すエンジンの、バルブタイミング可
変手段(VVT)及び吸気通路開閉弁(S弁)の作動特性
を、エンジン回転数及びエンジン負荷に対してあらわし
た図である。
【符号の説明】 VE…エンジン #1〜#6…第1〜第6気筒 1a,1b…第1,第2吸気弁 2a…第1吸気ポート(Pポート) 2b…第2吸気ポート(Sポート) 3…燃焼室 4…排気ポート 9…バルブタイミング可変手段(VVT) 10…コントロールユニット 16…機械式過給機 30…吸気通路開閉弁(S弁)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02M 69/00 F02M 69/00 310E 310 360C 360 360G 350K (72)発明者 上杉 達也 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 13/02 F01L 1/34 F02B 29/08 F02B 31/02 F02D 23/00 F02M 69/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気ポートが、全運転領域で燃焼室にエ
    アを供給する第1吸気ポートと、所定の高吸入空気量領
    域でのみ燃焼室にエアを供給する第2吸気ポートとで構
    成されている機械式過給機付エンジンの吸気装置におい
    て、 吸気弁と排気弁のうちのいずれか一方の開閉タイミング
    を変更することにより、クランク角でみて吸気ポートと
    排気ポートとの間の開口オーバラップ期間を大・小2段
    に切り替えることができるバルブタイミング可変手段が
    設けられ、 該バルブタイミング可変手段によって開口オーバラップ
    期間が小とされている状態における、第1吸気ポートと
    排気ポートとの間の開口オーバラップ量と、第2吸気ポ
    ートと排気ポートとの間の開口オーバラップ量の合計
    が、バルブタイミング可変手段によって開口オーバラッ
    プ期間が大とされている状態における、第1吸気ポート
    と排気ポートとの間の開口オーバラップ量よりも大きく
    なるように、第1,第2吸気ポート及び排気ポートの開
    閉タイミングが設定され、 少なくとも高負荷領域において、第2吸気ポートからの
    エアの供給が停止される運転領域中の低吸入空気量側の
    領域では開口オーバラップ期間が小となり、高吸入空気
    量側の領域では開口オーバラップ期間が大となり、かつ
    第2吸気ポートからもエアが供給される運転領域では開
    口オーバラップ期間が小となるようバルブタイミング可
    変手段を制御するオーバラップ量制御手段が設けられて
    いることを特徴とする機械式過給機付エンジンの吸気装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された機械式過給機付エ
    ンジンの吸気装置において、 オーバラップ量制御手段が、第2吸気ポートからもエア
    が供給される運転領域中の低吸入空気量側の領域では開
    口オーバラップ期間が小となり、高吸入空気量側の領域
    では開口オーバラップ期間が大となるようバルブタイミ
    ング可変手段を制御するようになっていることを特徴と
    する機械式過給機付エンジンの吸気装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載された機械
    式過給機付エンジンの吸気装置において、 第2吸気ポートと排気ポートとの間の開口オーバラップ
    の大部分が排気上死点よりも前に生じるよう第2吸気ポ
    ート及び排気ポートの開閉タイミングが設定されている
    ことを特徴とする機械式過給機付エンジンの吸気装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記
    載された機械式過給機付エンジンの吸気装置において、 第1吸気ポートと排気ポートとの間の開口オーバラップ
    の大部分が排気上死点よりも後に生じるよう第1吸気ポ
    ート及び排気ポートの開閉タイミングが設定されている
    ことを特徴とする機械式過給機付エンジンの吸気装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれか1つに記
    載された機械式過給機付エンジンの吸気装置において、 開口オーバラップ量が、吸気ポートと排気ポートとの間
    に開口オーバラップが生じている期間内において、開口
    面積が小さい方のポートの開口面積のクランク角につい
    ての積分値でもってあらわされるようになっていること
    を特徴とする機械式過給機付エンジンの吸気装置。
JP16702493A 1993-07-06 1993-07-06 機械式過給機付エンジンの吸気装置 Expired - Fee Related JP3280757B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16702493A JP3280757B2 (ja) 1993-07-06 1993-07-06 機械式過給機付エンジンの吸気装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16702493A JP3280757B2 (ja) 1993-07-06 1993-07-06 機械式過給機付エンジンの吸気装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0726993A JPH0726993A (ja) 1995-01-27
JP3280757B2 true JP3280757B2 (ja) 2002-05-13

Family

ID=15841981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16702493A Expired - Fee Related JP3280757B2 (ja) 1993-07-06 1993-07-06 機械式過給機付エンジンの吸気装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3280757B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE543460C2 (en) * 2019-02-05 2021-02-23 Scania Cv Ab Method of Controlling a Combustion Engine, Combustion Engine, and Related Devices

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0726993A (ja) 1995-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1089106A (ja) ターボ過給機付エンジン及びターボ過給機付エンジン搭載車のパワーユニット
JP3280758B2 (ja) 機械式過給機付エンジンの吸気装置
JP3153283B2 (ja) 機械式過給機付きエンジン
CN109595085B (zh) 内燃机的控制装置
JP3436313B2 (ja) 火花点火式エンジン
EP1291507B1 (en) Two-cycle self-ignition gasoline engine
JP2013130121A (ja) 火花点火式内燃機関の排気還流装置
JP3280757B2 (ja) 機械式過給機付エンジンの吸気装置
JP3377828B2 (ja) 機械式過給機付エンジンの吸気装置
JP3807473B2 (ja) 内燃機関
JP3119925B2 (ja) エンジンの制御装置
JP3195380B2 (ja) 機械式過給機付エンジンの吸気装置
JP2566232B2 (ja) 過給機付エンジンのバルブタイミング制御装置
JP3384579B2 (ja) 過給機付エンジン
JPH10274069A (ja) 機械式過給機付筒内噴射式エンジン
JP6835655B2 (ja) Egr装置
JPH0717787Y2 (ja) 過給機付エンジン
JP2601655B2 (ja) 過給機付エンジンの吸気装置
JPH10274072A (ja) 過給機付筒内噴射型エンジン
JPH08291713A (ja) 機械式過給機付きエンジン
JP2007177656A (ja) 内燃機関
JPH05187327A (ja) エンジンの燃焼制御装置
JP2647131B2 (ja) 過給機付ディーゼルエンジンの吸気装置
JPS60147534A (ja) 内燃機関の吸気装置
JP2022136516A (ja) エンジン

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees