JP3280286B2 - ゴルフクラブヘッド及びその製法 - Google Patents
ゴルフクラブヘッド及びその製法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属ガラス製フェ
イスを有するクラブヘッドを備えたゴルフクラブ及びそ
の製法に関する。
イスを有するクラブヘッドを備えたゴルフクラブ及びそ
の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、金属ガラスを製造するために
金属材料を溶融し、液体状態から急冷凝固させて急冷金
属(合金)粉末を得、得られた急冷金属粉末を結晶化温
度以下で所定形状に固化して真密度化する方法や、溶融
金属や合金を急冷凝固させて直接所定形状の金属ガラス
を得る方法などが種々提案されている。
金属材料を溶融し、液体状態から急冷凝固させて急冷金
属(合金)粉末を得、得られた急冷金属粉末を結晶化温
度以下で所定形状に固化して真密度化する方法や、溶融
金属や合金を急冷凝固させて直接所定形状の金属ガラス
を得る方法などが種々提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の方法によって得られる金属ガラスは、小さい質量
のものがほとんどであり、ゴルフクラブのヘッドのフェ
イスに用いることのできるバルク材を得ることは困難で
あった。そのため、急冷粉の固化によってバルク状の金
属ガラスを得る方法も試みられているが、ゴルフクラブ
のフェイスに要求される高強度や高靱性などの特性を十
分備えたバルク材が得られなかった。
従来の方法によって得られる金属ガラスは、小さい質量
のものがほとんどであり、ゴルフクラブのヘッドのフェ
イスに用いることのできるバルク材を得ることは困難で
あった。そのため、急冷粉の固化によってバルク状の金
属ガラスを得る方法も試みられているが、ゴルフクラブ
のフェイスに要求される高強度や高靱性などの特性を十
分備えたバルク材が得られなかった。
【0004】そこで、本発明は、上述の問題点を解決
し、強度特性に優れ、かつ、耐久性に優れたフェイス体
を有するゴルフクラブヘッド、及び、このゴルフクラブ
ヘッドを容易に作製する製法を提供することを目的とす
る。
し、強度特性に優れ、かつ、耐久性に優れたフェイス体
を有するゴルフクラブヘッド、及び、このゴルフクラブ
ヘッドを容易に作製する製法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係るゴルフクラブヘッドは、フェイス体
が、フェイス面側に分布した金属ガラス相と、フェイス
面と反対の裏面側に分布した結晶相の混成にて構成さ
れ、金属ガラス相の厚みが、全面積を平均化すると、フ
ェイス体の厚みの50%以上とし、結晶相の面積は、フェ
イス体の直交方向から見て、全体の10%以上を占め、か
つ、結晶相の厚みが、全面積を平均化する と、0.01mm以
上である。
めに、本発明に係るゴルフクラブヘッドは、フェイス体
が、フェイス面側に分布した金属ガラス相と、フェイス
面と反対の裏面側に分布した結晶相の混成にて構成さ
れ、金属ガラス相の厚みが、全面積を平均化すると、フ
ェイス体の厚みの50%以上とし、結晶相の面積は、フェ
イス体の直交方向から見て、全体の10%以上を占め、か
つ、結晶相の厚みが、全面積を平均化する と、0.01mm以
上である。
【0006】また、フェイス体が、フェイス面側に配置
した金属ガラス相層と、フェイス面と反対の裏面側に配
置した結晶相層の混成にて構成され、金属ガラス相層の
厚みが、全面積を平均化すると、フェイス体の厚みの50
%以上とし、フェイス体の厚みが0.5mm 〜5.0mm で、結
晶相層の厚みが0.01mm〜3.0mm である。また、結晶相の
面積が、フェイス体と直交方向から見て、全体の10%以
上を占めているものである。
した金属ガラス相層と、フェイス面と反対の裏面側に配
置した結晶相層の混成にて構成され、金属ガラス相層の
厚みが、全面積を平均化すると、フェイス体の厚みの50
%以上とし、フェイス体の厚みが0.5mm 〜5.0mm で、結
晶相層の厚みが0.01mm〜3.0mm である。また、結晶相の
面積が、フェイス体と直交方向から見て、全体の10%以
上を占めているものである。
【0007】また、フェイス体を有するゴルフクラブヘ
ッドに於て、該フェイス体が、上型と下型から成るプレ
ス金型の該下型上に、金属材料を設置し、この金属材料
を溶解し、得られた融点以上の溶融金属を上記上型・下
型にて押圧して所定の形状に変形し、変形後もしくは変
形と同時に上記溶融金属の一部を臨界冷却速度以上で冷
却した金属ガラス相と、上記溶融金属と下型の間に存在
する下型に接することにより上記溶融金属より温度が低
い溶融金属他部を冷却及び変形した結晶相とから、混成
されているものである。
ッドに於て、該フェイス体が、上型と下型から成るプレ
ス金型の該下型上に、金属材料を設置し、この金属材料
を溶解し、得られた融点以上の溶融金属を上記上型・下
型にて押圧して所定の形状に変形し、変形後もしくは変
形と同時に上記溶融金属の一部を臨界冷却速度以上で冷
却した金属ガラス相と、上記溶融金属と下型の間に存在
する下型に接することにより上記溶融金属より温度が低
い溶融金属他部を冷却及び変形した結晶相とから、混成
されているものである。
【0008】また、本発明に係るゴルフクラブヘッドの
製法は、フェイス体を有するゴルフクラブヘッドの製法
であって、上型・下型から成るプレス金型の上記下型上
に、金属材料を設置し、この金属材料を溶融可能な高エ
ネルギー熱源を用いて該金属材料を溶解し、得られた融
点以上の溶融金属を上記上型・下型にて押圧して所定の
形状に変形し、変形後もしくは変形と同時に上記溶融金
属の一部を臨界冷却速度以上で冷却してなる金属ガラス
相を形成し、かつ、上記溶融金属と下型の間に存在する
下型に接することにより上記溶融金属より温度が低い溶
融金属他部を冷却及び変形して上記金属ガラス相と混成
する結晶相を形成して所定形状の上記フェイス体を作製
するものである。
製法は、フェイス体を有するゴルフクラブヘッドの製法
であって、上型・下型から成るプレス金型の上記下型上
に、金属材料を設置し、この金属材料を溶融可能な高エ
ネルギー熱源を用いて該金属材料を溶解し、得られた融
点以上の溶融金属を上記上型・下型にて押圧して所定の
形状に変形し、変形後もしくは変形と同時に上記溶融金
属の一部を臨界冷却速度以上で冷却してなる金属ガラス
相を形成し、かつ、上記溶融金属と下型の間に存在する
下型に接することにより上記溶融金属より温度が低い溶
融金属他部を冷却及び変形して上記金属ガラス相と混成
する結晶相を形成して所定形状の上記フェイス体を作製
するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示す図面に基
づき、本発明を詳説する。
づき、本発明を詳説する。
【0010】図1は、本発明のゴルフクラブヘッドのフ
ェイス体1を作製する製造装置Fを示し、この製造装置
Fにて作製されたフェイス体1は、金属ガラス相と結晶
相の混成にて構成されたものであり、図4〜図7等に示
すようなウッド型ゴルフクラブヘッド2やアイアン型ゴ
ルフクラブヘッド3などに用いられる。そして、本発明
のゴルフクラブヘッドは、以下に述べるフェイス体1の
製造方法によって作製されたものであることを特徴とし
ている。
ェイス体1を作製する製造装置Fを示し、この製造装置
Fにて作製されたフェイス体1は、金属ガラス相と結晶
相の混成にて構成されたものであり、図4〜図7等に示
すようなウッド型ゴルフクラブヘッド2やアイアン型ゴ
ルフクラブヘッド3などに用いられる。そして、本発明
のゴルフクラブヘッドは、以下に述べるフェイス体1の
製造方法によって作製されたものであることを特徴とし
ている。
【0011】先ず、製造装置Fについて説明すると、図
1に示すように、この製造装置Fは、上型4・下型5か
ら成るプレス金型6と、下型5のキャビティ部7に設置
した金属材料をアーク溶解するためのアーク電極(タン
グステン電極)8と、プレス金型6の上型4・下型5及
びアーク電極8に冷水を循環供給する冷却水供給装置9
と、プレス金型6及びアーク電極8等を収納する真空チ
ャンバー10と、モータ13にて駆動されると共に下型5を
水平方向へ移動させる下型移動機構11と、モータ14にて
駆動されると共に上型4を上下方向に移動させる上型移
動機構12と、を備えている。
1に示すように、この製造装置Fは、上型4・下型5か
ら成るプレス金型6と、下型5のキャビティ部7に設置
した金属材料をアーク溶解するためのアーク電極(タン
グステン電極)8と、プレス金型6の上型4・下型5及
びアーク電極8に冷水を循環供給する冷却水供給装置9
と、プレス金型6及びアーク電極8等を収納する真空チ
ャンバー10と、モータ13にて駆動されると共に下型5を
水平方向へ移動させる下型移動機構11と、モータ14にて
駆動されると共に上型4を上下方向に移動させる上型移
動機構12と、を備えている。
【0012】なお、下型移動機構11は特に制限的でな
く、従来公知の並進機構や往復動機構等を用いることが
でき、例えば、ボールねじを用いたドライブスクリュー
とトラベリングナットやエアシリンダなどの空気圧機構
や油圧シリンダなどの油圧機構などを好適に用いること
ができる。また、上型移動機構12としても特に制限はな
く、従来公知のプレス金型機構であればよく、例えば油
圧機構、空気圧機構を用いることができる。さらに、冷
却水以外に他の冷却媒体(例えば冷媒ガス)を用いても
よい。
く、従来公知の並進機構や往復動機構等を用いることが
でき、例えば、ボールねじを用いたドライブスクリュー
とトラベリングナットやエアシリンダなどの空気圧機構
や油圧シリンダなどの油圧機構などを好適に用いること
ができる。また、上型移動機構12としても特に制限はな
く、従来公知のプレス金型機構であればよく、例えば油
圧機構、空気圧機構を用いることができる。さらに、冷
却水以外に他の冷却媒体(例えば冷媒ガス)を用いても
よい。
【0013】また、アーク電極8は、アーク電源15に接
続されると共に、下型5のキャビティ部7の深さに対し
僅かに傾斜させて配置され、ステッピングモータ16によ
ってX軸、Y軸及びZ軸方向に調整可能に構成されてい
る。さらに、下型5上の金属材料とアーク電極8との間
の間隔(Z軸方向)を一定に保つために金属材料の位置
を半導体レーザセンサ17によって測定し、ステッピング
モータ16によってアーク電極8の移動が自動制御される
ようにしてもよい。これは、アーク電極8と金属材料と
の間の間隙が一定でないと、アークが不安定になり、溶
融温度にばらつきが生じるからである。また、アーク電
極8のアーク発生部近傍に冷却用ガス(例えばArガ
ス)噴出口を設け、ガス供給源(ガスボンベ)18から冷
却用ガスを噴出させ、加熱後の急速冷却を促進してもよ
い。
続されると共に、下型5のキャビティ部7の深さに対し
僅かに傾斜させて配置され、ステッピングモータ16によ
ってX軸、Y軸及びZ軸方向に調整可能に構成されてい
る。さらに、下型5上の金属材料とアーク電極8との間
の間隔(Z軸方向)を一定に保つために金属材料の位置
を半導体レーザセンサ17によって測定し、ステッピング
モータ16によってアーク電極8の移動が自動制御される
ようにしてもよい。これは、アーク電極8と金属材料と
の間の間隙が一定でないと、アークが不安定になり、溶
融温度にばらつきが生じるからである。また、アーク電
極8のアーク発生部近傍に冷却用ガス(例えばArガ
ス)噴出口を設け、ガス供給源(ガスボンベ)18から冷
却用ガスを噴出させ、加熱後の急速冷却を促進してもよ
い。
【0014】真空チャンバー10は、SUS製水冷ジャケ
ット構造で、真空引きするために真空排気口によって油
拡散真空ポンプ(ディフュージョンポンプ)19及び油回
転真空ポンプ(ロータリポンプ)20が連結され、真空引
後、不活性ガスによる置換が可能なようにアルゴンガス
導入口によってガス供給源(ガスボンベ)21と連結され
る。また、冷却水供給装置9は循環戻り冷却水をクーラ
ントにより冷却した後に、再び冷却水として上型4、下
型5及びアーク電極8に供給する。
ット構造で、真空引きするために真空排気口によって油
拡散真空ポンプ(ディフュージョンポンプ)19及び油回
転真空ポンプ(ロータリポンプ)20が連結され、真空引
後、不活性ガスによる置換が可能なようにアルゴンガス
導入口によってガス供給源(ガスボンベ)21と連結され
る。また、冷却水供給装置9は循環戻り冷却水をクーラ
ントにより冷却した後に、再び冷却水として上型4、下
型5及びアーク電極8に供給する。
【0015】また、図2に示すように、プレス金型6は
嵌合部を有さない形状である。具体的に説明すると、上
型4は平滑な凹曲面23を有し、この凹曲面23の一部をパ
ーティング面22としている。
嵌合部を有さない形状である。具体的に説明すると、上
型4は平滑な凹曲面23を有し、この凹曲面23の一部をパ
ーティング面22としている。
【0016】下型5は、上型4のパーティング面22に重
なり合う凸曲面状のパーティング面24を有すると共に、
平面状のキャビティ部7を備えている。また、下型5の
パーティング面24に沿った部位には、溝状の空隙部25が
設けられていると共に、型閉め状態(図2(ハ)参照)
に於て、この溝状の空隙部25がキャビティ部7に連通す
るための隙間部41が設けられている。成型時の余分な溶
融金属は、この隙間部41を通って空隙部25にて吸収され
る。
なり合う凸曲面状のパーティング面24を有すると共に、
平面状のキャビティ部7を備えている。また、下型5の
パーティング面24に沿った部位には、溝状の空隙部25が
設けられていると共に、型閉め状態(図2(ハ)参照)
に於て、この溝状の空隙部25がキャビティ部7に連通す
るための隙間部41が設けられている。成型時の余分な溶
融金属は、この隙間部41を通って空隙部25にて吸収され
る。
【0017】しかして、金属ガラス製フェイスの製造方
法を説明すると、図1と図2(イ)に示すように、先
ず、下型5のキャビティ部7に、金属材料26を設置す
る。なお、この金属材料26としては、Ln−Al−T
M、Mg−Ln−TM、Zr−Al−TM等の三元系合
金、Zr−Al−Ni−Cu、Zr−Ti−Al−Ni
−Cu、Zr−Nb−Al−Ni−Cu等のZr系合金
を始めとして4元系以上の多元系合金を含めほとんどあ
らゆる元素の組み合わせから成る合金について適用で
き、高エネルギー熱源(図例ではアーク電極8及びアー
ク電源15)による急激な溶融がより容易なように、合金
を粉末状やペレット状にして用いるのが好ましいが、急
激な溶融が可能であれば線状や帯状や棒状や塊状などの
形状の金属材料を用いてもよい。
法を説明すると、図1と図2(イ)に示すように、先
ず、下型5のキャビティ部7に、金属材料26を設置す
る。なお、この金属材料26としては、Ln−Al−T
M、Mg−Ln−TM、Zr−Al−TM等の三元系合
金、Zr−Al−Ni−Cu、Zr−Ti−Al−Ni
−Cu、Zr−Nb−Al−Ni−Cu等のZr系合金
を始めとして4元系以上の多元系合金を含めほとんどあ
らゆる元素の組み合わせから成る合金について適用で
き、高エネルギー熱源(図例ではアーク電極8及びアー
ク電源15)による急激な溶融がより容易なように、合金
を粉末状やペレット状にして用いるのが好ましいが、急
激な溶融が可能であれば線状や帯状や棒状や塊状などの
形状の金属材料を用いてもよい。
【0018】一方、アーク電極8は、レーザセンサ17及
びステッピングモータ16によってアダプタ8aを介して
X軸、Y軸及びZ軸方向の位置調整がなされ、金属材料
26との間の間隔(Z軸方向)が所定値にセットされる。
びステッピングモータ16によってアダプタ8aを介して
X軸、Y軸及びZ軸方向の位置調整がなされ、金属材料
26との間の間隔(Z軸方向)が所定値にセットされる。
【0019】また、油拡散真空ポンプ19及び油回転真空
ポンプ20を用い、チャンバー10内を高真空、例えば5×
10-4Pa(液体窒素トラップ使用)にした後、Arガス
供給源21からArガスを供給してチャンバー10内をAr
ガスにて置換する。また、上型4、下型5及びアーク電
極8は、冷却水供給装置9から供給される冷却水によっ
て冷却されている。
ポンプ20を用い、チャンバー10内を高真空、例えば5×
10-4Pa(液体窒素トラップ使用)にした後、Arガス
供給源21からArガスを供給してチャンバー10内をAr
ガスにて置換する。また、上型4、下型5及びアーク電
極8は、冷却水供給装置9から供給される冷却水によっ
て冷却されている。
【0020】以上の準備が終了した後、図1と図2
(ロ)に示す如く、モータ13にて下型移動機構11を駆動
して下型5を水平方向(矢印A方向)に移動させ、アー
ク電極8の下方位置にて停止させる。そして、アーク電
源15をONにしてアーク電極8の先端から金属材料26と
の間にプラズマアーク27を発生させ、金属材料26を完全
に溶解して溶融金属28を形成させる。
(ロ)に示す如く、モータ13にて下型移動機構11を駆動
して下型5を水平方向(矢印A方向)に移動させ、アー
ク電極8の下方位置にて停止させる。そして、アーク電
源15をONにしてアーク電極8の先端から金属材料26と
の間にプラズマアーク27を発生させ、金属材料26を完全
に溶解して溶融金属28を形成させる。
【0021】その後、図1と図2(ロ)(ハ)に示す如
く、アーク電源15をOFFにしてプラズマアーク27を消
す。そして、速やかに下型5を上型4の下方位置(矢印
B方向)に移動させると共に、モータ14及び上型移動機
構12にて上型4を下降(矢印C方向)させて、得られた
融点以上の溶融金属28を上型4・下型5にて押圧(プレ
ス成型)して所定の形状に変形し、冷却固化させて所定
形状のフェイス体1を作製する。
く、アーク電源15をOFFにしてプラズマアーク27を消
す。そして、速やかに下型5を上型4の下方位置(矢印
B方向)に移動させると共に、モータ14及び上型移動機
構12にて上型4を下降(矢印C方向)させて、得られた
融点以上の溶融金属28を上型4・下型5にて押圧(プレ
ス成型)して所定の形状に変形し、冷却固化させて所定
形状のフェイス体1を作製する。
【0022】このとき、キャビティ部7に接触している
金属材料26の底面側は、下型5に熱に奪われて完全には
溶解せず、キャビティ部7に接している部位(上記底面
側)は、プレス成型(変形)後もアモルファス相を形成
せず、結晶相として残り、また、他の完全に溶解したキ
ャビティ部7上に盛り上がった部分の溶融金属28は、プ
レス成型による変形後もしくは変形と同時に、臨界冷却
速度以上で冷却されて金属ガラス相となる。これによっ
て、金属ガラス相と結晶相とが混成したフェイス体1が
形成される。
金属材料26の底面側は、下型5に熱に奪われて完全には
溶解せず、キャビティ部7に接している部位(上記底面
側)は、プレス成型(変形)後もアモルファス相を形成
せず、結晶相として残り、また、他の完全に溶解したキ
ャビティ部7上に盛り上がった部分の溶融金属28は、プ
レス成型による変形後もしくは変形と同時に、臨界冷却
速度以上で冷却されて金属ガラス相となる。これによっ
て、金属ガラス相と結晶相とが混成したフェイス体1が
形成される。
【0023】図3(イ)は、プレス金型6から型抜きさ
れた状態のフェイス体1(半製品)を示し、このものは
その外周端縁43に、余分な溶融金属が冷却固化して成る
バリ部29を有しているため、同図(ロ)に示す如く、こ
のバリ部29を除去する切断・切削加工等を行って製品に
仕上げる。
れた状態のフェイス体1(半製品)を示し、このものは
その外周端縁43に、余分な溶融金属が冷却固化して成る
バリ部29を有しているため、同図(ロ)に示す如く、こ
のバリ部29を除去する切断・切削加工等を行って製品に
仕上げる。
【0024】製品化されたこの最終形状のフェイス体1
は、その金属ガラス相層G側に平滑な凸曲面を有し、こ
の凸曲面がフェイス面1aとされ、フェイス面1aと反
対側の平面状の裏面1b側に結晶相層Kが配置されてい
る。また、結晶相の面積は、フェイス体1と直交方向か
ら見て、全体の10%以上を占めている。つまり、フェイ
ス体1の裏面1b全面の内の10%以上が結晶相層Kであ
り、図3(ロ)に示すフェイス体1の場合、裏面1bの
100%を結晶相層Kが占めている。さらに、金属ガラス
相層Gの厚み(厚さ寸法T1 )は、全面積を平均化する
と、フェイス体1の厚み(厚さ寸法T)の50%以上であ
って、かつ、結晶相層Kの厚み(厚さ寸法T2 )が0.01
mm〜3.0mm に設定されている。より好ましくは、0.05mm
〜3.0mmとする。フェイス体1はこれらの条件を備える
ことによって強度特性と耐久性に優れたものとなるが、
詳しくは後述する。
は、その金属ガラス相層G側に平滑な凸曲面を有し、こ
の凸曲面がフェイス面1aとされ、フェイス面1aと反
対側の平面状の裏面1b側に結晶相層Kが配置されてい
る。また、結晶相の面積は、フェイス体1と直交方向か
ら見て、全体の10%以上を占めている。つまり、フェイ
ス体1の裏面1b全面の内の10%以上が結晶相層Kであ
り、図3(ロ)に示すフェイス体1の場合、裏面1bの
100%を結晶相層Kが占めている。さらに、金属ガラス
相層Gの厚み(厚さ寸法T1 )は、全面積を平均化する
と、フェイス体1の厚み(厚さ寸法T)の50%以上であ
って、かつ、結晶相層Kの厚み(厚さ寸法T2 )が0.01
mm〜3.0mm に設定されている。より好ましくは、0.05mm
〜3.0mmとする。フェイス体1はこれらの条件を備える
ことによって強度特性と耐久性に優れたものとなるが、
詳しくは後述する。
【0025】しかして、図4と図5は、製品化された最
終形状のフェイス体1を用いて作製した中空のウッド型
(メタルヘッド)ゴルフクラブヘッド2(第1の実施の
形態)を示している。具体的に説明すると、このクラブ
ヘッド2は、チタンやチタン合金やステンレス鋼等から
成るへッド本体30と、ヘッド本体30のフェイス面1a側
に設けられた嵌合用凹部31に嵌着された上記フェイス体
1とから成り、32はソール、33はサイド部、34はクラウ
ン部、35はネック部である。なお、金属ガラス製フェイ
ス1はヘッド本体30の嵌合用凹部31に嵌合され、接着剤
や溶接やカシメや(嵌合時の)圧入等にて固着されてい
る。
終形状のフェイス体1を用いて作製した中空のウッド型
(メタルヘッド)ゴルフクラブヘッド2(第1の実施の
形態)を示している。具体的に説明すると、このクラブ
ヘッド2は、チタンやチタン合金やステンレス鋼等から
成るへッド本体30と、ヘッド本体30のフェイス面1a側
に設けられた嵌合用凹部31に嵌着された上記フェイス体
1とから成り、32はソール、33はサイド部、34はクラウ
ン部、35はネック部である。なお、金属ガラス製フェイ
ス1はヘッド本体30の嵌合用凹部31に嵌合され、接着剤
や溶接やカシメや(嵌合時の)圧入等にて固着されてい
る。
【0026】また、図6と図7は、製品化された最終形
状のフェイス体1を用いて作製した金属製のアイアン型
ゴルフクラブヘッド3(第2の実施の形態)を示してい
る。このクラブヘッド3は、チタンやチタン合金やステ
ンレス鋼等から成るへッド本体36と、ヘッド本体36のフ
ェイス面1a側に設けられた嵌合用凹部37に嵌着された
フェイス体1とから成り、38はソール、39はバックフェ
イス、40はネック部である。なお(上述と同様に)、フ
ェイス体1はヘッド本体30の嵌合用凹部31に嵌合され、
接着剤や溶接カシメや(嵌合時の)圧入等にて固着され
ている。
状のフェイス体1を用いて作製した金属製のアイアン型
ゴルフクラブヘッド3(第2の実施の形態)を示してい
る。このクラブヘッド3は、チタンやチタン合金やステ
ンレス鋼等から成るへッド本体36と、ヘッド本体36のフ
ェイス面1a側に設けられた嵌合用凹部37に嵌着された
フェイス体1とから成り、38はソール、39はバックフェ
イス、40はネック部である。なお(上述と同様に)、フ
ェイス体1はヘッド本体30の嵌合用凹部31に嵌合され、
接着剤や溶接カシメや(嵌合時の)圧入等にて固着され
ている。
【0027】このようにして得られたフェイス体1(図
3で説明した設定条件を備えたフェイス体1)によっ
て、本発明のゴルフクラブヘッドは、ゴルフボールとフ
ェイスとの衝突においても安定して再現性を維持でき、
その結果、飛距離、方向性、衝撃特性、強度、靱性など
の優れた特性を発揮することができる。また、結晶相が
金属ガラス相に比べて弾性率が高いことを利用し、か
つ、この結晶相を意図的にフェイス体1の裏面1b側に
配置することによって、フェイス体1の剛性を増大させ
変形量を減少させるようにしている。
3で説明した設定条件を備えたフェイス体1)によっ
て、本発明のゴルフクラブヘッドは、ゴルフボールとフ
ェイスとの衝突においても安定して再現性を維持でき、
その結果、飛距離、方向性、衝撃特性、強度、靱性など
の優れた特性を発揮することができる。また、結晶相が
金属ガラス相に比べて弾性率が高いことを利用し、か
つ、この結晶相を意図的にフェイス体1の裏面1b側に
配置することによって、フェイス体1の剛性を増大させ
変形量を減少させるようにしている。
【0028】なお、フェイス体1の設定条件に於て、結
晶相の面積が裏面1bの全面積の10%未満であり、又
は、結晶相層Kの厚みが0.05mm未満であると、フェイス
体1の変形防止効果が認められない。また、結晶相層K
の厚みが3.0mm を越えると、フェイス体1自体の厚みが
大きくなり過ぎて製作が困難乃至不可能となる。また、
金属ガラス相層Gの厚みがフェイス体1の厚みの50%未
満になると、強度特性に問題を生じる。
晶相の面積が裏面1bの全面積の10%未満であり、又
は、結晶相層Kの厚みが0.05mm未満であると、フェイス
体1の変形防止効果が認められない。また、結晶相層K
の厚みが3.0mm を越えると、フェイス体1自体の厚みが
大きくなり過ぎて製作が困難乃至不可能となる。また、
金属ガラス相層Gの厚みがフェイス体1の厚みの50%未
満になると、強度特性に問題を生じる。
【0029】次に、図10と図11に示すものは、金属ガラ
ス相層Gと結晶相層Kが混成するフェイス体1であっ
て、フェイス体1の裏面1b側の一部に結晶相層Kを配
置したものである。そして、このフェイス体1は、図8
に示すように、凹曲面23を有する上型4とキャビティ部
7を有しかつキャビティ部7に円形状の凹部7aを有す
る下型5とから成るプレス金型6にて成型されたもので
ある。なお、25は下型5のパーティング面24に沿って設
けられた空隙部である。
ス相層Gと結晶相層Kが混成するフェイス体1であっ
て、フェイス体1の裏面1b側の一部に結晶相層Kを配
置したものである。そして、このフェイス体1は、図8
に示すように、凹曲面23を有する上型4とキャビティ部
7を有しかつキャビティ部7に円形状の凹部7aを有す
る下型5とから成るプレス金型6にて成型されたもので
ある。なお、25は下型5のパーティング面24に沿って設
けられた空隙部である。
【0030】しかして、このプレス金型6の場合、キャ
ビティ部7の凹部7aに(図2で説明したように)金属
材料を設置して溶解する。すると、図8に示す如く、得
られた融点以上の溶融金属28は(表面張力によって球状
になろうとして)凹部7aに溜まる。そして、図8と図
9に示すように、上型4を下降させて押圧すると、溶融
金属28が所定形状に変形し冷却固化してフェイス体1が
成型される。このとき、キャビティ部7の凹部7aから
盛り上がった部分の(完全に溶解された)溶融金属28
は、臨界冷却速度以上で急冷されて金属ガラス相層Gと
なり、凹部7aに接していた(凹部7a内に溜まってい
た)溶融金属28の下部は下型5に熱を奪われて完全には
溶解していないので結晶相層Kとなる。なお、下型5に
よって十分に熱を奪うためには、下型5を50°C以下に
水冷装置等によって冷却することが好ましい。
ビティ部7の凹部7aに(図2で説明したように)金属
材料を設置して溶解する。すると、図8に示す如く、得
られた融点以上の溶融金属28は(表面張力によって球状
になろうとして)凹部7aに溜まる。そして、図8と図
9に示すように、上型4を下降させて押圧すると、溶融
金属28が所定形状に変形し冷却固化してフェイス体1が
成型される。このとき、キャビティ部7の凹部7aから
盛り上がった部分の(完全に溶解された)溶融金属28
は、臨界冷却速度以上で急冷されて金属ガラス相層Gと
なり、凹部7aに接していた(凹部7a内に溜まってい
た)溶融金属28の下部は下型5に熱を奪われて完全には
溶解していないので結晶相層Kとなる。なお、下型5に
よって十分に熱を奪うためには、下型5を50°C以下に
水冷装置等によって冷却することが好ましい。
【0031】そして成型後型抜きし、バリ部29を除去す
ると、図10と図11に示す如く、板状の金属ガラス相層G
と、金属ガラス相層Gの裏面1b側から突出した円形状
の結晶相層Kとが混成した最終形状のフェイス体1が得
られる。つまり、打撃のインパクトで最も変形が大きく
なるフェィス面1aの中央付近を補強するように、結晶
相層Kを配置している。なお、このフェイス体1の場合
も、結晶相(結晶相層K)の面積は、フェイス体1の直
交方向から見て、全体の10%以上を占めている。また、
金属ガラス相層Gの厚さ寸法T1 は、全面積を平均化し
て、フェイス体1の厚さ寸法Tの50%以上であり、か
つ、結晶相層Kの厚さ寸法T2 は0.05mm〜3.0mm とされ
ている。
ると、図10と図11に示す如く、板状の金属ガラス相層G
と、金属ガラス相層Gの裏面1b側から突出した円形状
の結晶相層Kとが混成した最終形状のフェイス体1が得
られる。つまり、打撃のインパクトで最も変形が大きく
なるフェィス面1aの中央付近を補強するように、結晶
相層Kを配置している。なお、このフェイス体1の場合
も、結晶相(結晶相層K)の面積は、フェイス体1の直
交方向から見て、全体の10%以上を占めている。また、
金属ガラス相層Gの厚さ寸法T1 は、全面積を平均化し
て、フェイス体1の厚さ寸法Tの50%以上であり、か
つ、結晶相層Kの厚さ寸法T2 は0.05mm〜3.0mm とされ
ている。
【0032】しかして、図11と図12は、製品化された最
終形状のフェイス体1を用いて作製したウッド型ゴルフ
クラブヘッド2(第3の実施の形態)を示している。こ
のクラブヘッド2の場合、フェイス体1は、ヘッド本体
30の孔部を有する嵌合用凹部31に嵌合され、接着剤や溶
接やカシメや(嵌合時の)圧入等にて固着されている。
終形状のフェイス体1を用いて作製したウッド型ゴルフ
クラブヘッド2(第3の実施の形態)を示している。こ
のクラブヘッド2の場合、フェイス体1は、ヘッド本体
30の孔部を有する嵌合用凹部31に嵌合され、接着剤や溶
接やカシメや(嵌合時の)圧入等にて固着されている。
【0033】また、図13と図14は、製品化された最終形
状のフェイス体1を用いて作製したアイアン型ゴルフク
ラブヘッド3(第4の実施の形態)を示している。この
クラブヘッド3の場合も、フェイス体1は、孔部を有す
る嵌合用凹部37に嵌合され、接着剤や溶接やカシメや
(嵌合時の)圧入等にて固着されている。なお、バック
フェイスは省略されている。
状のフェイス体1を用いて作製したアイアン型ゴルフク
ラブヘッド3(第4の実施の形態)を示している。この
クラブヘッド3の場合も、フェイス体1は、孔部を有す
る嵌合用凹部37に嵌合され、接着剤や溶接やカシメや
(嵌合時の)圧入等にて固着されている。なお、バック
フェイスは省略されている。
【0034】次に、図17と図18に示すものは、金属ガラ
ス相層Gと結晶相層Kが混成するフェイス体1であっ
て、フェイス体1の裏面1b側に縦帯状に結晶相層K…
を配置し、この複数本の結晶相層K…をリブとしてい
る。
ス相層Gと結晶相層Kが混成するフェイス体1であっ
て、フェイス体1の裏面1b側に縦帯状に結晶相層K…
を配置し、この複数本の結晶相層K…をリブとしてい
る。
【0035】しかして、図15に示すように、このフェイ
ス体1を作製する下型5のキャビティ部7には、同じ深
さ寸法でかつ同じ幅寸法の複数本の凹溝7b…が所定の
間隔で設けられており、このキャビティ部7の各凹溝7
b…に金属材料を設置して溶解すると、得られた溶融金
属28は各凹溝7b…から盛り上がった状態となる。そし
て、図15と図16に示すように、上型4を下降させて押圧
すると、溶融金属28が所定形状に変形し冷却固化してフ
ェイス体1が成型される。このとき、キャビティ部7の
各凹溝7b…から盛り上がった部分の溶融金属28は、臨
界冷却速度以上で急冷されて金属ガラス相層Gとなり、
凹溝7b…に接していた(各凹溝7b…内に溜まってい
た)溶融金属28の下部(底面側)は下型5に熱を奪われ
て完全には溶解しないので、成型後も結晶相層Kとな
る。
ス体1を作製する下型5のキャビティ部7には、同じ深
さ寸法でかつ同じ幅寸法の複数本の凹溝7b…が所定の
間隔で設けられており、このキャビティ部7の各凹溝7
b…に金属材料を設置して溶解すると、得られた溶融金
属28は各凹溝7b…から盛り上がった状態となる。そし
て、図15と図16に示すように、上型4を下降させて押圧
すると、溶融金属28が所定形状に変形し冷却固化してフ
ェイス体1が成型される。このとき、キャビティ部7の
各凹溝7b…から盛り上がった部分の溶融金属28は、臨
界冷却速度以上で急冷されて金属ガラス相層Gとなり、
凹溝7b…に接していた(各凹溝7b…内に溜まってい
た)溶融金属28の下部(底面側)は下型5に熱を奪われ
て完全には溶解しないので、成型後も結晶相層Kとな
る。
【0036】そして成型後型抜きし、バリ部29を除去す
ると、図17と図18に示す如く、板状の金属ガラス相層G
と、金属ガラス相層Gの裏面1b側に突出した縦帯状の
複数本の結晶相層K…とが混成した最終形状のフェイス
体1が得られる。このフェイス体1の場合、結晶相層K
…を複数本のリブ構造として配置してフェィス体1の剛
性アップを図っている。なお、このフェイス体1の場合
も、各結晶相層K…の面積の合計は、フェイス体1の直
交方向から見て、全体の10%以上を占めている。また、
金属ガラス相層Gの厚さ寸法T1 は、全面積を平均化し
て、フェイス体1の厚さ寸法Tの50%以上であり、か
つ、各結晶相層K…の厚さ寸法T2 は0.05mm〜3.0mm と
されている。
ると、図17と図18に示す如く、板状の金属ガラス相層G
と、金属ガラス相層Gの裏面1b側に突出した縦帯状の
複数本の結晶相層K…とが混成した最終形状のフェイス
体1が得られる。このフェイス体1の場合、結晶相層K
…を複数本のリブ構造として配置してフェィス体1の剛
性アップを図っている。なお、このフェイス体1の場合
も、各結晶相層K…の面積の合計は、フェイス体1の直
交方向から見て、全体の10%以上を占めている。また、
金属ガラス相層Gの厚さ寸法T1 は、全面積を平均化し
て、フェイス体1の厚さ寸法Tの50%以上であり、か
つ、各結晶相層K…の厚さ寸法T2 は0.05mm〜3.0mm と
されている。
【0037】しかして、図18と図19は、製品化された最
終形状のフェイス体1を用いて作製したウッド型ゴルフ
クラブヘッド2(第5の実施の形態)を示している。こ
のクラブヘッド2の場合、フェイス体1は、ヘッド本体
30に設けられた嵌合孔部45に嵌合されると共に、孔部45
の外周縁に設けられた取付片46…にフェイス体1の裏面
1b(金属ガラス相層Gの裏面1b)が接着剤や溶接や
カシメや(嵌合時の)圧入等にて固着されている。
終形状のフェイス体1を用いて作製したウッド型ゴルフ
クラブヘッド2(第5の実施の形態)を示している。こ
のクラブヘッド2の場合、フェイス体1は、ヘッド本体
30に設けられた嵌合孔部45に嵌合されると共に、孔部45
の外周縁に設けられた取付片46…にフェイス体1の裏面
1b(金属ガラス相層Gの裏面1b)が接着剤や溶接や
カシメや(嵌合時の)圧入等にて固着されている。
【0038】また、図20と図21は、製品化された最終形
状のフェイス体1を用いて作製したアイアン型ゴルフク
ラブヘッド3(第6の実施の形態)を示している。この
クラブヘッド3の場合、フェイス体1は、孔部を有する
嵌合用凹部37に嵌合され、接着剤や溶接やカシメや(嵌
合時の)圧入等にて固着されている。なお、嵌合用凹部
37の結晶相層Kと嵌合する部分には溝部を有している。
状のフェイス体1を用いて作製したアイアン型ゴルフク
ラブヘッド3(第6の実施の形態)を示している。この
クラブヘッド3の場合、フェイス体1は、孔部を有する
嵌合用凹部37に嵌合され、接着剤や溶接やカシメや(嵌
合時の)圧入等にて固着されている。なお、嵌合用凹部
37の結晶相層Kと嵌合する部分には溝部を有している。
【0039】なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ
れず、例えば、金属ガラス製フェイス1が一度に製造さ
れる個数は1個以外にも複数個であってもよく、また、
本発明における所定形状とは、1個であっても、複数個
連なったものであってもよい。
れず、例えば、金属ガラス製フェイス1が一度に製造さ
れる個数は1個以外にも複数個であってもよく、また、
本発明における所定形状とは、1個であっても、複数個
連なったものであってもよい。
【0040】また、金属材料を溶解する高エネルギー熱
源としては、特に制限はなく、例えば、代表的なものと
して、高周波熱源、アーク熱源、プラズマ熱源、電子ビ
ーム、レーザービームなどを挙げることができる。ま
た、これらの熱源は、プレス金型6の下型5に対し、1
個であっても、複数個であってもよい。
源としては、特に制限はなく、例えば、代表的なものと
して、高周波熱源、アーク熱源、プラズマ熱源、電子ビ
ーム、レーザービームなどを挙げることができる。ま
た、これらの熱源は、プレス金型6の下型5に対し、1
個であっても、複数個であってもよい。
【0041】
【発明の効果】本発明は上述の如く構成されるので、次
に記載する効果を奏する。
に記載する効果を奏する。
【0042】(請求項1、2又は4によれば)結晶相は
金属ガラス相に比べて弾性率が高く、インパクトの衝撃
による変形は金属ガラス相よりも小さいことを利用して
作製したフェイス体1を用いることによって、(本発明
の)クラブヘッドは、金属ガラス相によって高耐衝撃
性、高靱性等に優れた強度特性を有し、かつ、結晶相に
よってフェイス体1の剛性(耐久性)が増加して、フェ
イス体1としての変形量を最適値に設計し易い。
金属ガラス相に比べて弾性率が高く、インパクトの衝撃
による変形は金属ガラス相よりも小さいことを利用して
作製したフェイス体1を用いることによって、(本発明
の)クラブヘッドは、金属ガラス相によって高耐衝撃
性、高靱性等に優れた強度特性を有し、かつ、結晶相に
よってフェイス体1の剛性(耐久性)が増加して、フェ
イス体1としての変形量を最適値に設計し易い。
【0043】(請求項2によれば)高い強度特性を維持
しつつ大きな剛性をもったフェイス体1となる。即ち、
飛距離、方向性、衝撃特性、強度、靱性などの優れた特
性を長期間の使用後も維持することができ、クラブヘッ
ドとしての寿命が延びる。
しつつ大きな剛性をもったフェイス体1となる。即ち、
飛距離、方向性、衝撃特性、強度、靱性などの優れた特
性を長期間の使用後も維持することができ、クラブヘッ
ドとしての寿命が延びる。
【0044】(請求項3によれば)インパクトの衝撃で
最も変形が大きくなるフェイス面1aの中央付近のみに
結晶相を配置して局部的に剛性アップ(補強)したり、
フェイス面1aの裏面1b全面に結晶相を配置して全体
的な剛性アップ(補強)を行うことができる。
最も変形が大きくなるフェイス面1aの中央付近のみに
結晶相を配置して局部的に剛性アップ(補強)したり、
フェイス面1aの裏面1b全面に結晶相を配置して全体
的な剛性アップ(補強)を行うことができる。
【0045】(請求項1によれば)フェイス体1の裏面
1b側に結晶相層Kを配置することによって、金属ガラ
ス相層Gとの間に残る境界線などの外観上好ましくない
部分が隠れて好都合となる。
1b側に結晶相層Kを配置することによって、金属ガラ
ス相層Gとの間に残る境界線などの外観上好ましくない
部分が隠れて好都合となる。
【0046】(請求項5によれば)金属ガラス相によっ
て高耐衝撃性、高靱性等に優れた強度特性を有し、か
つ、結晶相によって大きな剛性(耐久性)を有するフェ
イス体1を得ることができる。また、簡単な工程で再現
性よく一気にフェイス体1を作製することができる。
て高耐衝撃性、高靱性等に優れた強度特性を有し、か
つ、結晶相によって大きな剛性(耐久性)を有するフェ
イス体1を得ることができる。また、簡単な工程で再現
性よく一気にフェイス体1を作製することができる。
【図1】本発明のゴルフクラブヘッドに用いられるフェ
イス体を作製する製造装置の構成説明図である。
イス体を作製する製造装置の構成説明図である。
【図2】製造装置によるフェイス体の製造工程を示す説
明図である。
明図である。
【図3】成型された所定形状のフェイス体を示す断面図
である。
である。
【図4】本発明のゴルフクラブヘッドの第1の実施の形
態を示す正面図である。
態を示す正面図である。
【図5】断面側面図である。
【図6】ゴルフクラブヘッドの第2の実施の形態を示す
正面図である。
正面図である。
【図7】断面側面図である。
【図8】プレス金型の型閉め前状態を示す断面正面図で
ある。
ある。
【図9】型閉め状態を示す断面正面図である。
【図10】最終形状のフェイス体を示す断面図である。
【図11】ゴルフクラブヘッドの第3の実施の形態を示す
正面図である。
正面図である。
【図12】断面側面図である。
【図13】ゴルフクラブヘッドの第4の実施の形態を示す
正面図である。
正面図である。
【図14】断面側面図である。
【図15】プレス金型の型閉め前状態を示す断面正面図で
ある。
ある。
【図16】型閉め状態を示す断面正面図である。
【図17】最終形状のフェイス体を示す断面図である。
【図18】ゴルフクラブヘッドの第5の実施の形態を示す
正面図である。
正面図である。
【図19】断面側面図である。
【図20】ゴルフクラブヘッドの第6の実施の形態を示す
正面図である。
正面図である。
【図21】断面側面図である。
1 フェイス体 1a フェイス面 1b 裏面 4 上型 5 下型 6 プレス金型 26 金属材料 28 溶融金属 G 金属ガラス相層 K 結晶相層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南口 治義 兵庫県西宮市仁川百合野町9−36 (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内元支倉35番地 川内住宅11−806 (56)参考文献 特開 平11−76475(JP,A) 特開 平11−9741(JP,A) 特開 平9−187534(JP,A) 登録実用新案3041663(JP,U)
Claims (5)
- 【請求項1】 フェイス体1が、フェイス面1a側に分
布した金属ガラス相と、フェイス面1aと反対の裏面1
b側に分布した結晶相の混成にて構成され、金属ガラス
相の厚みが、全面積を平均化すると、フェイス体1の厚
みの50%以上とし、結晶相の面積は、フェイス体1の直
交方向から見て、全体の10%以上を占め、かつ、結晶相
の厚みが、全面積を平均化すると、0.01mm以上であるこ
とを特徴とするゴルフクラブヘッド。 - 【請求項2】 フェイス体1が、フェイス面1a側に配
置した金属ガラス相層Gと、フェイス面1aと反対の裏
面1b側に配置した結晶相層Kの混成にて構成され、金
属ガラス相層Gの厚みが、全面積を平均化すると、フェ
イス体1の厚みの50%以上とし、フェイス体1の厚みが
0.5mm 〜5.0mm で、結晶相層Kの厚みが0.01mm〜3.0mm
であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。 - 【請求項3】 結晶相の面積が、フェイス体1と直交方
向から見て、全体の10%以上を占めている請求項2記載
のゴルフクラブヘッド。 - 【請求項4】 フェイス体1を有するゴルフクラブヘッ
ドに於て、該フェイス体1が、上型4と下型5から成る
プレス金型6の該下型5上に、金属材料26を設置し、こ
の金属材料26を溶解し、得られた融点以上の溶融金属28
を上記上型4・下型5にて押圧して所定の形状に変形
し、変形後もしくは変形と同時に上記溶融金属28の一部
を臨界冷却速度以上で冷却した金属ガラス相と、上記溶
融金属28と下型5の間に存在する下型に接することによ
り上記溶融金属28より温度が低い溶融金属他部を冷却及
び変形した結晶相とから、混成されていることを特徴と
するゴルフクラブヘッド。 - 【請求項5】 フェイス体1を有するゴルフクラブヘッ
ドの製法であって、上型4・下型5から成るプレス金型
6の上記下型5上に、金属材料26を設置し、この金属材
料26を溶融可能な高エネルギー熱源を用いて該金属材料
26を溶解し、得られた融点以上の溶融金属28を上記上型
4・下型5にて押圧して所定の形状に変形し、変形後も
しくは変形と同時に上記溶融金属28の一部を臨界冷却速
度以上で冷却してなる金属ガラス相を形成し、かつ、上
記溶融金属28と下型5の間に存在する下型に接すること
により上記溶融金属28より温度が低い溶融金属他部を冷
却及び変形して上記金属ガラス相と混成する結晶相を形
成して所定形状の上記フェイス体1を作製することを特
徴とするゴルフクラブヘッドの製法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22736397A JP3280286B2 (ja) | 1997-08-08 | 1997-08-08 | ゴルフクラブヘッド及びその製法 |
DE69818374T DE69818374T2 (de) | 1997-08-08 | 1998-07-23 | Golfschlägerkopf und Verfahren zu seiner Herstellung |
EP98113814A EP0895795B1 (en) | 1997-08-08 | 1998-07-23 | Golf club head and manufacturing method for the same |
TW087112438A TW393327B (en) | 1997-08-08 | 1998-07-29 | Golf club head and its manufacturing |
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KR1019980032298A KR100293876B1 (ko) | 1997-08-08 | 1998-08-08 | 골프클럽헤드및그제조법 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22736397A JP3280286B2 (ja) | 1997-08-08 | 1997-08-08 | ゴルフクラブヘッド及びその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1147321A JPH1147321A (ja) | 1999-02-23 |
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ID=16859636
Family Applications (1)
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JP (1) | JP3280286B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP2001000603A (ja) * | 1999-06-17 | 2001-01-09 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ゴルフパター |
JP2001223145A (ja) * | 2000-02-07 | 2001-08-17 | Komatsu Ltd | 特異な形態のドットマークを有する半導体ウェハとそのドットマークの形成方法 |
JP2011056099A (ja) * | 2009-09-11 | 2011-03-24 | Sakae Nishiyama | ゴルフクラブ |
SG10201805971SA (en) * | 2018-07-11 | 2020-02-27 | Attometal Tech Pte Ltd | Iron-based amorphous alloy powder |
-
1997
- 1997-08-08 JP JP22736397A patent/JP3280286B2/ja not_active Expired - Fee Related
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