JP3276334B2 - ラテックスの濃縮方法 - Google Patents

ラテックスの濃縮方法

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嘉雄 小西
一貴 高田
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神鋼パンテツク株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラテックスの濃縮
方法に関し、特に透過効率が高められた振動型の膜分離
装置を用いたラテックスの濃縮方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、ラテックスを濃縮する方法としては、微小孔を有す
る透過性膜を備えたクロスフロー型膜分離装置により濃
縮する方法が知られている。クロスフロー型膜分離装置
は透過性膜により被処理ラテックスを透過成分と非透過
成分とに分離し、この非透過成分を再び装置入側に供給
して同じく透過性膜により透過成分と非透過成分に分離
し、以降同様の操作を繰り返し行うことによって非透過
成分の濃度を高めていく方法である。この場合、非透過
成分による膜の目詰まりを避けて透過効率を低下させな
いようにするためには、被処理ラテックスの流速を上げ
て膜表面におけるせん断力を上げることにより膜表面か
ら異物を除去するしか方法はない。すなわち、膜分離に
おいて最も重要なことは膜表面に一様な処理液の流れが
形成されるように膜表面が異物で汚されないようにする
ことにあるが、膜表面には粘性の大きい境界層が形成さ
れて膜表面のせん断力が低下するため、いかに被処理ラ
テックスの流速を上げても膜の目詰まりが発生するのは
避けられず、全体として一定以上に透過流束を上げるこ
とはできない。この場合、膜表面に異常に濃度が高くな
る部分が生じ(濃度分極化)、ときにはラテックスがゲ
ル化することがある。こうなると透過流束が著しく低下
するので、濃縮操作を続けることはできない。
【0003】この濃度分極の問題を避けるため、膜間差
圧を小さくして透過速度を抑え、しかも一定以上のせん
断力を得るために循環流量を大きくして濾過を行う方法
が提案されている。しかし、膜間差圧を小さくして透過
速度を抑えてしかも所定の透過効率を得るためには、膜
面積を大きくしなければならない。また、循環流量を大
きくするためには、循環ポンプの容量を大きくする必要
があり、電力ランニングコストの増大を招くことにな
る。さらに、循環流量を上げても、粘着性の高いラテッ
クスの濃縮では、時間経過ととともにラテックスが膜表
面に付着し、膜の目詰まりが生じ、やがて透過処理が行
えなくなることがある。
【0004】本発明は従来の技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、透過
流束が大きく、膜表面の目詰まりを防止し、ラテックス
を高濃度まで濃縮することができる方法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の要旨は、透過性膜を配置した膜分離装置の一
方側に処理対象ラテックスを供給し、その透過性膜を振
動させつつ透過成分を他方側に透過させ、一方側から非
透過液を取り出し、他方側から透過液を取り出し、非透
過液の濃度を高めることによりラテックスを濃縮する方
法において、上記透過性膜を水平面内の円周方向に振幅
0.5cm以上で往復運動を行わせることを特徴とする
ラテックスの濃縮方法にある。
【0006】以上のように構成される本発明によれば、
透過性膜の振動によって発生するせん断力によって膜表
面近傍の高濃度成分は膜表面に接することなく濃縮側出
口より排出され、透過成分は透過性膜を高い透過流束で
透過する。また、膜表面には振動に伴って高せん断場が
形成されるため、膜表面はクリーンな状態に保たれ、目
詰まりが防止される。さらに粘性が大きいラテックスが
流れても、膜表面には振動に伴うせん断場が形成されて
いるため、粒子間に捕捉されている水分が自由水となっ
て流動性が改善される結果、みかけの粘性係数が低下す
るので、高濃度ラテックスの処理が可能になる。そし
て、膜表面を動かすエネルギーの大半が膜表面近傍の流
体にせん断力として変換され、高効率でラテックスを濃
縮することができる。
【0007】かくして、透過性膜の一方側に供給された
被処理ラテックスは、他方側から透過液として取り出さ
れ、一方側から濃縮液として取り出され、透過性膜を振
動させつつ行うこの透過処理を一定以上繰り返すことに
よって所定濃度までラテックス濃縮することができる。
【0008】本発明においてラテックスとは、塩化ビニ
ル樹脂、アルキルベンゼンスルホン酸、スチレン−ブタ
ジエンゴムその他の天然ゴム、合成ゴムまたは合成樹脂
のコロイド状分散物をいう。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい実施の形
態を図面を参照しながら説明する。振動型膜分離装置と
しては、例えば、図1に示すような構成のものを使用す
ることができる。図1を説明すると、1は被処理ラテッ
クスの供給タンク、2はラテックスを圧送するポンプ、
3は多数の平膜型の透過性膜を積層したフィルターパッ
ク、4はこのフィルターパック3内の透過性膜に水平面
内の円周方向に微小振幅の往復運動を与えるトーション
バー、5は濃縮液の貯槽、6は透過液の貯槽である。フ
ィルターパック3の内部には、図2に示すように、上下
の透過性膜7の間に2枚の不織布のドレインクロス8を
介して金属板9が積層されたものが水平方向に配置さ
れ、かつ鉛直方向に所定間隙を設けて多段に設置されて
いる。図中、上位の透過性膜7の上側が一方側であり、
ドレインクロス8側が他方側である。この一方側に処理
対象ラテックスを供給すると、一方側の内圧は他方側よ
り高圧(約1〜40kg/cm2) に設定されているた
め、処理対象ラテックス中の透過成分、すなわち、図3
に示すように、透過性膜7の微小孔より小さな粒子(透
過成分)が膜孔10を透過し、他方側へ達する。透過成
分が透過した後の濃縮液は、図2の次の段の透過性膜7
の一方側に供給され、透過成分が膜孔を透過する。
【0010】この透過処理の間、図1に示すフィルター
パック3内の透過性膜はトーションバー4の作用によ
り、水平面内の円周方向に微小振幅の往復運動を続ける
ため、透過性膜と処理対象ラテックスとの間にはせん断
力が働いて、膜が目詰まりを起こすことはなく、また、
ポンプ2により適正な圧力をラテックスに与えることに
より、高い透過流束を得ることができる。
【0011】このようにして順次透過処理が行われ、得
られた透過液は管路11を経て貯槽6に送られ、管路1
2内にある濃縮液は貯槽5に送られる。かくして、タン
ク1内の処理対象ラテックスを管路13を経てフィルタ
ーパック3に供給し、上記した振動型膜分離装置によっ
て効率的に透過液と濃縮液に分離して回収することがで
きる。振動型膜分離装置の透過性膜としては、逆浸透
膜、精密濾過膜、ナノフィルター、限外濾過膜等を好適
に用いることができる。
【0012】以下に、図1に示すように、透過性膜とし
て直径30cm以上の円形の平膜を配置した振動型膜分
離装置を用いて、濃度7%のラテックスの膜分離試験
(濃縮試験)を行ったので、従来のクロスフロー式膜分
離装置との比較をしながら説明する。なお、本明細書に
おいて、「振幅」とは、透過性膜の外周の円周方向への
移動距離をいう。
【0013】(1)膜間差圧と透過流束の関係 上記ラテックスを用いた場合の膜間差圧(一方側と他方
側の内圧の差)と透過流束の関係を図4に示す。図4に
おける各符号の意味は以下のとおりである。
【0014】 ●=膜振動あり、振幅2.5cm、振動周波数59Hz ■=膜振動あり、振幅2.2cm、振動周波数58.9
Hz ▲=膜振動あり、振幅1.9cm、振動周波数58.8
Hz ○=膜振動あり、振幅1.3cm、振動周波数58.5
Hz □=膜振動あり、振幅0.6cm、振動周波数57.6
Hz △=クロスフロー、膜振動なし 図4に示すように、クロスフローの場合、膜間差圧を大
きくしても透過流束はほとんど大きくならず、しかもそ
の値は約10リットル/m2/hr と小さい。これに対し
て、膜を振動させると、透過流束が大きくなるのは明ら
かであり、また、振幅が大きくなるほど膜間差圧の影響
が大きくなり、圧力150psiで振幅2.5cmの場
合の透過流束は約100リットル/m2/hr となり、ク
ロスフローの約10倍の値を示している。
【0015】(2)膜振動の有無と透過流束の関係 同上ラテックスを用いて、膜間差圧を150psiにし
た場合において、振幅2.5cmで振動周波数60Hz
で膜を振動させた場合と(■)、膜を振動させないクロ
スフローの場合について(●)、濃縮試験を行った結果
を図5に示す。図5に明らかなように、膜を振動させる
ことにより濃度60%までラテックスを濃縮することが
できたが、膜を振動させないクロスフローでは、濃度2
0%までしかラテックスを濃縮することができなかっ
た。
【0016】(3)振幅と透過流束の関係 同上ラテックスを用いて、膜間差圧を150psiに
し、振動周波数を55Hzとし、振幅を0.6cmから
段階的に増加させつつ膜を振動させて濃縮試験を行った
結果を図6に示す。図6に明らかなように、振幅が大き
くなると透過流束も増加しており、振幅0.5cm付近
から透過流束が急激に増加する様子が伺える。なお、透
過性膜の機械的強度の点から、水平面内の円周方向にお
ける振幅の上限は約5cm程度にするのが好ましい。
【0017】また、振動型膜分離装置によるラテックス
の濃縮においては、使用される膜の種類、処理対象ラテ
ックスの性状にもよるが、膜間差圧は2〜15kg/c
の範囲が好ましく、振動周波数は50〜60Hzが
好ましい。
【0018】
【発明の効果】本発明は上記のとおり構成されているの
で、次の効果を奏する。すなわち、透過性膜を水平面内
の円周方向に0.5cm以上の振幅で振動させることに
より、膜表面にクロスフロー方式の数倍のせん断力を与
えることができ、この高いせん断力により濃度分極が抑
えられ、膜表面の濃度が部分的に異常に高くなったり、
ゲル化しにくくなるので、高濃度まで濃縮することがで
きる。また、クロスフローよりも高い膜間差圧で透過が
行えるため、透過流束が大きく、膜面積が小さくてす
む。さらに、クロスフロー方式のように循環流量を大き
くすることでせん断力を増加させる必要がないため、循
環ポンプの容量を大きくする必要がなく、クロスフロー
方式に比べて消費電力を節減することができる。かくし
て、本発明によれば、ラテックスを、高い透過流束で膜
表面に目詰まりを起こすことなく、高濃度まで濃縮する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラテックスの濃縮方法を適用するに好
適である振動型膜分離装置の概略構成図である。
【図2】図1の振動型膜分離装置に使用するフィルター
パックの一部を示す断面図である。
【図3】振動型膜分離装置による透過処理の概念を示す
図である。
【図4】膜間差圧と透過流束の関係を示す図である。
【図5】膜振動の有無と透過流束の関係を示す図であ
る。
【図6】振幅と透過流束の関係を示す図である。
【符号の説明】
1…ラテックスの供給タンク 3…フィルターパック 5…濃縮液の貯槽 6…透過液の貯槽 7…透過性膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹尾 由重 兵庫県神戸市須磨区菅の台1−1−79 (56)参考文献 特開 平7−238102(JP,A) 特開 平11−123320(JP,A) 特開 平11−128702(JP,A) 特開 平8−100022(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08C 1/075

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透過性膜を配置した膜分離装置の一方側
    に処理対象ラテックスを供給し、その透過性膜を振動さ
    せつつ透過成分を他方側に透過させ、一方側から非透過
    液を取り出し、他方側から透過液を取り出し、非透過液
    の濃度を高めることによりラテックスを濃縮する方法に
    おいて、上記透過性膜を水平面内の円周方向に振幅0.
    5cm以上で往復運動を行わせることを特徴とするラテ
    ックスの濃縮方法。
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