JP3275387B2 - 金属薄帯の加工方法 - Google Patents

金属薄帯の加工方法

Info

Publication number
JP3275387B2
JP3275387B2 JP25954992A JP25954992A JP3275387B2 JP 3275387 B2 JP3275387 B2 JP 3275387B2 JP 25954992 A JP25954992 A JP 25954992A JP 25954992 A JP25954992 A JP 25954992A JP 3275387 B2 JP3275387 B2 JP 3275387B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat treatment
amorphous alloy
cylindrical
metal ribbon
gap
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25954992A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06106245A (ja
Inventor
裕之 長谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP25954992A priority Critical patent/JP3275387B2/ja
Publication of JPH06106245A publication Critical patent/JPH06106245A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3275387B2 publication Critical patent/JP3275387B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Articles (AREA)
  • Wire Processing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属薄帯を円筒形状に熱
処理加工する加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁歪を有する非晶質磁性合金や鉄
系合金を応用したトルクセンサや圧力センサ等の力学量
センサの開発が活発である。例えば特開昭59−617
31号公報では、軸の表面に非晶質合金を接着した構成
で、トルクにより軸表面に発生する応力を非晶質合金の
応力による磁気特性変化に変換し、磁気的な検出手段で
トルクを検出するトルクセンサの報告がある。この場
合、非晶質合金を熱処理により軸径と同じ曲率の円筒形
状としたのち軸に加圧接着している。
【0003】非晶質合金を円筒形状に加工する方法とし
ては、一般に、同一材質で、所定の外径を有する内部円
筒体と前記外径より大きな径の内部円筒面を有する外部
構造体からなる熱処理治具を用い、内部円筒体の外周部
分に薄帯を巻き付け、その外側に同心に外部円筒体を配
置し、内部円筒体の外周と外部円筒体の内周に形成され
る隙間部分に金属薄帯を固定して熱処理する加工や、円
筒外周に非晶質合金を巻き付け、その外側をワイヤ−で
締め付けて円筒状に固定し熱処理する加工方法があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】力学量センサに用いる
非晶質磁性合金は、歪や力に超高感度なため、熱処理に
より非晶質合金を円柱状の形状に熱処理して用いる。し
かしながら、熱処理により円柱状(軸と相似形)でな
く、多角柱のような形状に熱処理された非晶質合金を軸
表面に接着した場合には、局所的な曲げ応力が不均一に
発生し特性バラツキの原因や局所応力による破損の原因
となり問題となっていた。
【0005】従来の熱処理治具では、同一金属材ででき
た外部構造体と内部構造体の隙間部分に非晶質合金薄帯
を取り付けて熱処理するが、隙間部分と非晶質合金の厚
みの差が15μm以下では作業性が悪く、大体5μm以
下では取付が不可能であった。特に、隙間が5μm以下
の場合は、治具と非晶質合金の間の摩擦力のために、非
晶質合金が破損するなどの問題が発生していた。このた
め、従来の熱処理治具では、薄帯を所定の直径の円筒形
状に熱処理加工する場合、真円に近い加工を実施しよう
としても、外部円筒体(外部構造体)と内部円筒体(内
部構造体)の形成する隙間を、金属薄体の厚みより広く
とる必要があるため、真円でなく多角形柱形状に熱処理
される問題であった。
【0006】また、金属円柱の外周に非晶質合金を巻き
付け、その外側から金属ワイヤ−等で締め付ける工法を
もちいる場合は、ワイヤ−の両端の加工処理、締め付け
治具などが必要で作業性、再現性が悪く問題になってい
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、所定直径の円筒状内周面を有する外部構造体と、
前記所定直径より小さい外径を有する円柱状外周面を有
する内部構造体からなり、室温から熱処理温度までの温
度範囲で、前記内部構造体の平均熱膨張係数が前記外部
構造体の熱膨張係数より大きい材料から作製され、前記
円筒状内周面と前記円筒状の外周面が同心に配置され、
両者の隙間に金属薄帯を保持して熱処理し、合金薄帯を
円筒形状に加工することを特徴とする熱処理治具とし
た。
【0008】
【作用】内部構造体の熱膨張係数を外部構造体の熱膨張
係数より大きくすることで、室温では内部構造体の外周
面と外部構造体の内周面の作る隙間を金属薄帯の厚みよ
り十分に大きくでき、薄帯の取付が簡単で、昇温すると
熱膨張差により隙間が小さくなるため、多角柱形状でな
く真円に近い加工が可能となる。
【0009】このような熱処理を行うことで、力学量セ
ンサの再現性が大幅に改善されるほか、多角柱に加工さ
れたことに起因した接着時の非晶質合金の破損も大幅に
低減できる他、作業性が飛躍的に向上するなどの作用が
ある。
【0010】
【実施例】以下具体例について詳細に述べる。図1は本
発明による一実施例の熱処理治具の構造である。図中1
は、内部構造体で、シンチュウ製の円柱である。外周
は、室温約20℃で、11.870mmに加工してあ
る。図中2は、チタン製の外部構造体であり内周は、室
温で12.000mmである。高さは1、2とも25.
1mmであった。シンチュウ、チタンの熱膨張係数は、
室温〜430℃で平均23×10-6(1/℃)、9.4
×10-6(1/℃)であった。
【0011】図2において、非晶質合金3は、超急冷片
ロ−ル法により作製後、図2の形状にエッチングで加工
した。組成はFe70Cr4Si1610で、飽和磁歪定数
22ppmあった。縦は、前述の外部構造体2の内周長
より0.4mm程度短い37.3mm、横幅は、前述の
治具の高さと同じ25.1mmである。厚みは、最大で
32μm、最小30μmであった。非晶質合金3には、
複数個の孔やスリット3aが形成してある。
【0012】図3(a)は、非晶質磁性合金3を、内部
構造体1に巻き付ける様子を示したものである。(b)
のように内部構造体1と外部構造体2の隙間に非晶質合
金を保持し熱処理を行うことで非晶質合金を円筒形の巻
き癖を付与できる。
【0013】熱処理温度は、高いほど短時間で済むが、
結晶化温度以下で行う必要がある。今回の非晶質合金の
結晶化温度は480℃であるため、熱処理温度を430
℃とした。
【0014】本実施例による熱処理治具は、内部構造体
の外周面と外部構造体の内周面の形成する隙間部分に非
晶質合金を保持する構成となっている。隙間部分の寸法
を図4のdと定義する。上述の寸法を用いると室温でd
=65μmである。アモルファスの厚み30μmの約2
倍の隙間があり、取付が容易である。取り付けたときの
様子を図5(a)に示した。室温では、図に示したごと
く真円から大きくずれた形状で保持される。430℃に
加熱した場合、内部構造体1の熱膨張が外部構造体2の
それより大きいため、隙間dは非晶質合金の厚みと、全
く同じ32μmとなる。この様子を図5(b)に示し
た。図から明かなように、隙間部分dの大きさと非晶質
合金の厚みを同一にすることが可能となる。結果、真円
形状の巻き癖を与えることができる。
【0015】これに対し、従来構成の熱処理治具では、
内部構造体1と外部構造体2を同一材料で作製するた
め、真円に近い熱処理を実行しようとすると、隙間部分
の寸法dを非晶質合金の厚みと同じに加工する必要があ
る。しかしながら、隙間dと非晶質合金の厚みの差を1
5μm程度にすると、図3に示したような取付が困難
で、5μm以下では摩擦力のため事実上取付が不可能
で、無理に取り付けると非晶質合金を破損してしまう。
このため、隙間dを非晶質合金の厚みより15μm以上
に加工すると作業性は向上するが、この場合、図5
(a)に示したように、非晶質合金が真円からずれた形
状で保持される。温度を430℃に昇温した場合にも同
様の状態のままである。従って、熱処理後の真円度が悪
かった。
【0016】また、外周が12mmの円柱外周に非晶質
合金を巻き付け、0.1mmのワイヤ−でその外から巻
き付け固定する方法を用い熱処理を行った。ワイヤ−を
巻くため作業性が悪い。円柱状に熱処理されたアモルフ
ァス磁性合金の両端部分の直径が広がったツズミ形状に
熱処理される傾向があった。
【0017】熱処理後、顕微鏡とX−Yテ−ブル(1μ
mオ−ダ−での移動が可能)を用いて、非晶質合金の巻
癖直径測定した。本実施例の熱処理治具を用いた場合の
直径ばらつきは約1μmであったのに対し、従来の熱処
理治具は、9μmであった。1桁以上の改善ができた。
ワイヤ−で固定する方法の場合、40μmと極端に悪か
った。
【0018】各々の熱処理で得た非晶質合金を円柱に接
着固定し、その外側に同心円状に円筒形状のコイルを配
置して、インダクタンス値のバラツキを測定した。バラ
ツキは、非晶質合金薄帯が作製工法が原因で、厚みの1
%程度の厚みむらがあることに起因している。すなわ
ち、接着されたときに非晶質合金が真円からズレている
と、曲げ応力を受け、この応力の大きさが厚みむらに起
因するためである。本実施例による熱処理治具を用いた
場合、従来の熱処理治具の場合とワイヤ−を用いる場合
のバラツキは、各々4%、14%、24%であった。本
実施例による熱処理治具をもちいれば、真円に近いた
め、接着時の内部応力のバラツキに起因したインダクタ
ンス値バラツキを低減できる。
【0019】力学量センサ(トルクセンサ)に用いる非
晶質合金の場合、軸に取り付け時に曲げ応力を受ける場
合が多い。曲げ応力に対する強度の評価を実施した。2
枚の平行板の間に熱処理加工した非晶質合金を取り付
け、平行板の間隔を段々と狭め、破壊する最小径を測定
した。測定方法を図6に示した。図中4は押さえ板であ
る。4rは、破壊する最小径を示している。
【0020】Fe70Cr4Si1610非晶質合金の場
合、本発明による熱処理治具の場合4r=0.3mm
で、従来構成の治具の場合、4r=0.5mm、ワイヤ
−を用いる方式の場合4r=1.5mmで破損した。こ
のことから、真円に近い熱処理加工を実施すると破損し
にくくなることが分かった。原因は明確でないが、直径
の不均一に起因して局所的応力集中が生じるためと思わ
れる。
【0021】同様の実験を他の組成の非晶質合金につい
ても実施し、従来治具、ワイヤ−を用いる方式との比較
を行った。結果を(表1)、(表2)、(表3)に示し
た。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】(表1)は、各種組成の非晶質合金につい
て、本実施例による熱処理治具を用いた場合のインダク
タンス値バラツキ、破損に至る最小径4r、直径のバラ
ツキを示した。(表2)、(表3)は、従来の熱処理治
具、ワイヤ−を用いる方式についての同種の測定結果を
示す。測定は各組成について、5個の平均を示した。破
損に至る最小径4rは小さい程強度が良好なことを表
し、直径バラツキは小さいほど真円に近いことを示す。
インダクタンス値バラツキと直径バラツキには、相関が
あるようである。
【0026】本実施例によれば、真円に近い熱処理が可
能となるため、力学量センサに使用するために接着固定
した場合の磁気特性の再現性が向上し、また、破壊強度
が向上するなどの効果がある。
【0027】上述の実施例では、チタンと真鍮を用いた
場合の熱処理治具を例に説明したが、材質は別に問わな
い。長期の使用に際しては、熱処理にともなう材料の熱
膨張係数の変化の問題があるため予め高温で熱処理した
治具を用いるのが好ましい。
【0028】また、熱処理中に地磁気や電気炉の発生す
る磁気の影響を受ける磁性合金を熱処理する場合には、
治具を鉄−ニッケル合金等の軟磁性体で形成すると影響
を低減できることがわかっている。直径等が変化した場
合も同様の効果があることは明白である。
【0029】このような熱処理治具を用いれば、円柱等
に非晶質合金を接着する構成のトルクセンサ、圧力セン
サ、荷重センサ等の再現性の向上に大きな効果が期待で
きる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、内部構造体の熱膨張係
数を外部構造体のそれより大きくする熱処理治具を使用
することで、金属薄帯を熱処理により円筒状に加工する
場合に真円に近い加工が可能となるほか、曲げ応力に対
する破壊強度が改善できるほか、接着した場合の磁気特
性の再現性を大きく改善できる、また薄帯の熱処理治具
への取付が容易で作業効率が大幅に改善できる等の効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の熱処理治具の構造図
【図2】同実施例の非晶質合金のエッチングパタ−ンを
示す図
【図3】同実施例の熱処理治具の使用方法を示す図
【図4】同実施例の隙間部分の寸法を定義する図
【図5】同実施例の非晶質合金の取付状態を表す図
【図6】同実施例の曲げ応力に対する強度測定を示す図
【符号の説明】 1 内部構造体 2 外部構造体 3 非晶質合金 4 押さえ板 4r 破壊する幅 d すきま
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 3/14 B21D 5/01 B21D 51/00 - 51/54 C21D 9/08 G01L 3/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属薄帯を円筒形状に加工するための加工
    方法において、所定直径の円筒状内周面を有する外部構
    造体と、前記所定直径より小さい外径の円筒状外周面を
    有する内部構造体からなり、室温から熱処理温度までの
    温度範囲で、前記内部構造体の熱膨張係数が前記外部構
    造体の平均熱膨張係数より大きい材料からなる治具を用
    いて、前記円筒状内周面と前記円筒状外周面を同心に配
    置し、両者の隙間に前記金属薄帯を保持して熱処理し、
    前記金属薄帯を円筒形状に加工することを特徴とする金
    属薄帯の加工方法。
  2. 【請求項2】金属薄帯が非晶質合金であることを特徴と
    する請求項1記載の金属薄帯の加工方法。
JP25954992A 1992-09-29 1992-09-29 金属薄帯の加工方法 Expired - Fee Related JP3275387B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25954992A JP3275387B2 (ja) 1992-09-29 1992-09-29 金属薄帯の加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25954992A JP3275387B2 (ja) 1992-09-29 1992-09-29 金属薄帯の加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06106245A JPH06106245A (ja) 1994-04-19
JP3275387B2 true JP3275387B2 (ja) 2002-04-15

Family

ID=17335659

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25954992A Expired - Fee Related JP3275387B2 (ja) 1992-09-29 1992-09-29 金属薄帯の加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3275387B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100534083B1 (ko) * 2003-08-29 2005-12-07 일진전기 주식회사 분리형 지그를 이용한 전기히터 제작방법
KR100534082B1 (ko) * 2003-08-29 2005-12-07 일진전기 주식회사 전기히터 제작방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06106245A (ja) 1994-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2811980B2 (ja) トルクセンサ
KR0151747B1 (ko) 토크센서
JP4992031B2 (ja) 金属リボンを連続焼鈍する方法および装置
US4166384A (en) Semiconductor transducer
JP3275387B2 (ja) 金属薄帯の加工方法
JP2002082000A (ja) 磁歪式応力センサおよびその製造方法
US4053332A (en) Enhancing magnetic properties of amorphous alloys by rolling
JPH08269562A (ja) 磁歪の低い方向性珪素鋼板およびその製造方法
JP3231955B2 (ja) 磁歪を有する金属薄帯を用いたトルクセンサ及びその製造方法
JPH0354429A (ja) 磁気ひずみセンサおよびその製造方法
US6595073B1 (en) Magnetostrictive device for torque sensor and method of manufacture of the same
JPH0424530A (ja) 磁歪トルクセンサ
JPH09166506A (ja) 磁歪式歪センサー
JPS5961732A (ja) トルクセンサの製造方法
JPS6115942A (ja) トルクセンサ
JPH11183278A (ja) トルクセンサ用高感度磁歪材料,並びにセンサシャフト及びその製造方法
JPH04221726A (ja) トルクセンサ用磁歪検出体の製造方法
JPS62148821A (ja) トルクセンサ
JP4462611B2 (ja) 力学量センサーユニットおよび力学量センサー
JPH02104624A (ja) リードフレーム材料の製造方法
JPH053959Y2 (ja)
JP3338615B2 (ja) 部品用光ファイバ
JP3403272B2 (ja) 鋼帯の巻き取り方法
JPH0634460A (ja) 磁歪式トルクセンサ用磁歪検出体の製造方法
JP2544256B2 (ja) 磁性構造体

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees