JP3275268B2 - 位置検出方法及び装置、並びに露光方法及び装置 - Google Patents

位置検出方法及び装置、並びに露光方法及び装置

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JP3275268B2
JP3275268B2 JP15434792A JP15434792A JP3275268B2 JP 3275268 B2 JP3275268 B2 JP 3275268B2 JP 15434792 A JP15434792 A JP 15434792A JP 15434792 A JP15434792 A JP 15434792A JP 3275268 B2 JP3275268 B2 JP 3275268B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、位置検出装置に関し、
特に半導体ウエハや液晶ディスプレイ用プレート等の基
板をアライメントする際、基板上に形成されたアライメ
ントマークを光電検出する位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体ウエハや液晶ディスプレイ
用プレート等の基板の位置合わせ(アライメント)にお
いては、それら基板上の所定位置に形成されたアライメ
ントマークを、顕微鏡対物レンズを介して光電検出する
方式が一般的であった。この光電検出方式には大別し
て、レーザビーム等の光スポットでアライメントマーク
を相対走査し、アライメントマークで生じる散乱光や回
折光をフォトマルチプライヤやフォトダイオード等で受
光する光ビーム走査方式と、一様に照明されたアライメ
ントマークの拡大像をテレビカメラ(ビジコン管やCC
D等)で撮像し、その画像信号を利用する方式との2種
類がある。いずれの場合にも、得られる光電信号は、波
形処理され、アライメントマークの中心位置が求められ
る。
【0003】これらのマーク位置を検出する方法として
は、特開昭61−128106号公報、特開昭57−1
42612号公報等に開示された技術が知られている。
これらの従来技術では、主に以下の2つの理由で走査ビ
ーム又はマーク照明光として単色光を使っている。投
影型露光装置(ステッパー)において、投影光学系を介
してウエハマーク(ウエハ側のアライメントマーク)を
検出する形式では、投影光学系の大きい色収差を避ける
ために単一波長の照明光又はレーザビームを使う。高
輝度、高分解能の検出を行うべく微小スポットに集光す
るために単色のレーザビームを使う。
【0004】このように、単色照明光(又はレーザービ
ーム)を使うと、比較的S/N比が大きくとれるが、露
光装置で扱うウエハでは、通常ウエハ全面に0.5μm
〜2μm程度の厚みでフォトレジスト層が形成されてい
るため、ここに干渉縞が生じ、マーク位置検出時に誤検
出が発生する原因の一つになっていた。そこで近年、レ
ジストによる干渉現象を低減させるために、照明光の多
波長化、あるいは広帯域化が提案されるようになった。
【0005】例えば、撮像方式の走査装置において照明
光源にハロゲンランプ等を用いて、その照明光の波長帯
域幅を300nm程度(レジストへの感光域を除く)に
すると、レジストの表面とウエハの表面とで反射した光
同士の干渉性がほとんどなくなり、鮮明な画像検出が可
能になる。従って、撮像方式では照明光を白色化(広帯
域化)するとともに、結像光学系を色消ししておくだけ
で、レジストに影響されない極めて高精度な位置検出装
置が得られることになる。
【0006】このような装置を備えた投影露光装置の一
例を図9を参照して説明する。この図9において、11
はレチクルホルダーを示し、レチクルホルダー11に固
定されているレチクルR上のパターン領域PAが、投影
光学系10を介してウエハW(又はガラスプレート)上
に投影露光される。そして、露光の際には、パターン領
域PAの中心とウエハW上の各ショット領域の中心とを
重ね合わせ(アライメント)する必要がある。
【0007】このため、ウエハWはウエハステージ5上
に載置され、ウエハステージ5を2次元的に移動させる
ことによって、レチクルRとウエハWとの重ねあわせを
行う。このウエハステージ5の移動は、ウエハW上に設
けられたウエハマークMXnの基準座標系上での位置を
検出し、その位置情報に基づいて行われる。このウエハ
マークMXnは、図10(A)に示すように、それぞれ
複数本の線状パターンを並べたマルチパターンとなって
いる。これらのマルチパターンは、ウエハW上のショッ
ト領域Snのまわりに設けられたスクライブラインSC
L上に設けられている。
【0008】そのウエハマークMXnを検出するのが位
置検出装置の光学系であり、図9では一例としてオフア
クシス方式のアライメント系を簡略化して示している。
図9において、ハロゲンランプ1からの照明光はファイ
バー2を透過後、レンズ系3、ビームスプリッター4、
レンズ7を経てプリズム9で反射されてウエハWをほぼ
垂直に照射する。ウエハWからの反射光は、同じ経路を
戻ってプリズム9、レンズ7を経てビームスプリッター
4で反射された後、レンズ8によって指標板13上に集
束され、この指標板13上にウエハマークの像が結像さ
れる。また、この指標板13には指標マーク30a,3
0bが形成されている。この指標マーク30a,30b
は、それぞれ図10(A)に示すようにY方向に伸びた
直線状パターンがX方向に所定の間隔で並設された2本
のパターンより構成されている。
【0009】この指標板13は、レンズ7及びレンズ8
に関してウエハWとほぼ共役な位置に配置されている。
従って、ウエハW上のウエハマークMXnの像は、指標
板13上に結像され、このウエハマークMXnの像と指
標マーク30a,30bの像とが、リレー系14、リレ
ー系15及びビームスプリッター16を介してCCDカ
メラ等の撮像素子17の撮像面上に再結像される。そし
て撮像素子17からの画像信号に基づいて、指標板13
上の指標マーク30a,30bとウエハマークMXnと
の位置関係(位置ずれ)を主制御系100が検出する。
指標マークを用いるのは、撮像素子17における画像の
スキャン開始位置のドリフトを補償する為である。な
お、ここでは図示していないが、レンズ系3内のウエハ
Wとほぼ共役な位置に照明視野絞りが設けられており、
この照明視野絞りはウエハW上での照明領域を規定す
る。
【0010】ここで、撮像素子17で観察されるその照
明領域に相当する部分の様子を図10(A)に示す。ウ
エハW上の照明領域は、ウエハマークMXnに対応する
領域SA2とウエハマークMXn近傍での指標板13上
の指標マーク30a,30bに実質的に対応する領域S
A1,SA3とで構成されている。これら領域SA1,
SA3にまで広げてその照明領域を規定しているのは、
これら領域SA1,SA3のウエハWからの戻り光を利
用してそれぞれ指標板13上のマーク30a,30bを
透過照明しているからである。
【0011】従って、指標マーク30a,30bを照明
する光に他のマークや回路パターンからのノイズ成分が
混入しないように、領域SA1,SA3は回路パターン
もマークも形成されていない領域となっており、通常は
鏡面状に加工されている。以下、領域SA1及びSA3
のような回路パターンもマークも形成されていない領域
を「禁止帯」と呼ぶことにする。
【0012】次に、このときのウエハマークMXn、指
標マーク30a,30bに対応する撮像素子17からの
撮像信号を、図10(B)に示す。図10(B)の縦軸
は撮像信号の強度を表し、横軸は走査位置を表してい
る。図10(B)に示すように、撮像素子17からの撮
像信号は、指標マーク30a,30bの位置やウエハマ
ークMXnのエッジに対応する位置(画素位置)でボト
ム(谷部)となる信号波形となる。また、図9におい
て、ビームスプリッター16に対して撮像素子17と対
称に撮像素子18が配置されている。そして、Y方向に
もウエハマーク及び指標マークが設けられているものと
して、撮像素子18はY方向のマークを検出する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来の技術
においては、指標板13上の指標マーク30a,30b
の照明光にウエハ表面からの戻り光を用いている。この
ため、フレア等によりウエハW上の表面が荒れている
と、指標マーク30a,30bからの検出光にウエハ表
面の荒れによるノイズ成分が含まれることになる。例え
ば、図11に示すように、指標マーク30a,30bに
対応する撮像素子17からの撮像信号成分にノイズ成分
が混入するとすると、撮像信号中の指標マーク30a,
30bの位置の判断が難しく、正確な位置検出ができな
い場合がある。
【0014】この場合、ウエハマークMXnはマルチパ
ターンにより構成されているので、ウエハマークMXn
に対応する信号は、平均化処理を行うことで検出精度の
劣化を抑えることができる。しかしながら、ウエハW上
における指標マーク30a,30bに対応する禁止帯
(AS1、AS3)は、ウエハW上の有効利用面積を制
限するため、できるだけ小さくしたいという制約があ
る。このため、指標マークをあまり多くのパターンから
構成することができず、その結果、平均化効果が小さく
なり指標マーク30a,30bに対応する信号波形部分
は、ウエハ表面の光学特性の影響をうけて、ノイズ成分
に埋もれてしまうことがある。この結果、指標マーク3
0a,30bの検出精度が劣化することより、ウエハマ
ークMXnの位置検出精度が劣化するという不都合があ
った。
【0015】また、ウエハ上のウエハマークMXn近傍
を指標マークに対応した禁止帯にしなければならないの
で、ウエハ上のマーク領域SA(ウエハマークMXnの
形成領域及び禁止帯)が必然的に大きくなり、ウエハの
有効利用面積が小さくなるという不都合があった。
【0016】本発明は、斯かる点に鑑み、ウエハ表面が
荒れている場合にも良好な位置検出精度を得ることがで
きると共に、ウエハ上のマーク領域を小さくしてウエハ
の有効面積を大きくできるようにすることを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、被検物(W)の位置に関する情報を求める位置検出
装置であって、その被検物上に検知ビームを照射する照
射手段(1,2,3,GA,GB,GC,4,21,2
5,19,7,9)と、その検知ビームの照射によりそ
の被検物から発生したビームを受光し、その受光結果に
応じた信号を発生する受光手段(17,18)と、その
被検物の位置情報を、その信号に基づいて決定する位置
決定手段(9,7,19,25,21,4,15〜1
8,100,50)とを備え、その位置決定手段は、そ
の受光手段で発生した信号のレベルが所定範囲になるよ
うにその信号を調節する調節手段(40)と、その被検
物の位置情報の、その信号の調節によって発生する変動
分を補正する補正手段(100)とを有するものであ
る。また、請求項8に記載の本発明の露光装置は、本発
明の位置検出装置で検出された被検物の位置情報に基づ
いて、その被検物の位置合わせを行う位置合わせ手段
と、その位置合わせされた被検物上に、所定パターンを
転写する露光手段とを有するものである。次に、請求項
9に記載の発明は、被検物の位置に関する情報を求める
位置検出方法であって、その被検物上に検知ビームを照
射し、その検知ビームの照射によりその被検物から発生
したビームを受光部(17,18)で受光し、その受光
部での受光結果に応じた信号を発生し、発生したその信
のレベルが所定範囲になるように調節し、その被検物
の位置情報の、その信号の調節によって発生する変動分
を補正し、その変動分を補正された信号に基づいてその
被検物の位置情報を決定するものである。また、請求項
13に記載の本発明の露光方法は、その被検物は基板で
あって、本発明の位置検出方法によって検出されたその
基板の位置情報に基づいて、その基板の位置合わせを行
い、その位置合わせされた基板上に、所定パターンを転
写するものである。
【0018】
【0019】
【0020】
【作用】受光手段で発生した信号を調節手段によって調
節すると、信号に基づいて決定される被検物の位置情報
自体が変化してしまう場合があるが、本発明によれば、
受光部で発生した信号を調節した際に発生する被検物位
置情報の変動分が補正される。このため撮像素子(1
7,18)のオートゲインコントロール時のゲインによ
って感度特性が変化し、それにより像信号(検出信号)
におけるマーク像の位置関係の変化が発生したとして
も、その変化分を補正して被検物の正確な位置を検出す
ることができる。また、本実施例によれば、指標板(2
0)に形成された指標マーク(第2マーク)の照明に、
基板Wの表面からの反射光や、その基板上のウエハマー
ク(第1マーク)を照明する第1照明系(1,2,3,
GA,GB,GC,4,21,25,19,7,9)を
用いずに、指標マーク用の第2照明系(1,2,3,G
A,GB,GC,4,26,28)を設けて独自にその
指標マークに照明光を供給する構成としているため、そ
の基板の表面の荒れ等の影響を受けない。
【0021】また、第1マークの像を所定の検出面上に
形成する第1対物光学系(9,7,19,25,21,
4,15,16)は、基板Wの表面から戻ってくる光
を、例えば絞り等によってその第1マークの像を含む一
定領域に制限し、第2マークの像を所定の検出面上に形
成する第2対物光学系(28,26,4,15,16)
はその指標板(20)から戻ってくる光をその第2マー
クの像を含む一定領域に制限すると共に、その第1マー
クからの戻り光を妨げない領域に規定する。この場合、
基板Wの第1マークの像及び指標板(20)の第2マー
クの像の結像位置は撮像素子(17)の撮像面である。
従って、その撮像面上に結像された2つのマークの合成
像からその第1マークとその第2マークとの相対位置が
検出され、これによりその基板Wの位置検出が行われ
る。
【0022】
【0023】
【0024】なお、指標板(20)の第2マーク用の第
2照明系は、第1照明系とは別個独自に構成されたもの
でも良いが、基板Wの第1マークを照明するための光源
から射出された照明光を、その光路中で分離することで
第1照明系と第2照明系とを構成し、この第2照明系の
照明光を直接用いる構成としてもよい。この場合、反射
型又は透過型の指標板(20)を基板Wからの戻り光の
光路から外れた位置に配置し、基板Wへの照明光の光路
上に設けたビームスプリッター等を使って第2照明系用
の照明光を分離することにより、単一の光源で指標板
(20)をも照明することができる。
【0025】また、その第2照明系を特に独立に構成す
ることなく、第1照明系により照明されたその第1マー
クの近傍のその基板Wからの反射光を用いてその指標板
(20)のその第2マークを照明してもよい。この場合
には、基板Wの表面の荒れの影響があるが、その撮像手
段(17)のゲインをその第2マークに対応する検出信
号の強度より或程度推定できるので、その撮像手段(1
7)の感度特性の補正をも行うことができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の一実施例につき図1〜図7を
参照して説明する。本実施例は、投影露光装置のアライ
メント系に本発明を適用したものであり、図1において
図9に対応する部分には同一符号を付してその詳細説明
を省略する。
【0027】図1において、レチクルR上のパターン領
域PAの像は、投影光学系10を介してウエハW上のシ
ョット領域に結像投影される。ウエハWは、X方向及び
Y方向にステップアンドリピート方式で移動するウエハ
ステージ5上に載置され、ウエハステージ5の座標位置
はレーザ干渉計IFX及びIFYで計測される。レチク
ルR上のパターン領域PAの対向する辺の近傍に設けら
れたレチクルマークRM1及びRM2を、それぞれレチ
クルアライメント用の顕微鏡RA1及びRA2に対して
位置決めすることで、レチクルRが装置(投影光学系1
0の光軸AX)に対してアライメントされる。
【0028】さて、本実施例の装置は、ウエハW上のウ
エハマークMXn,MYnをオフ・アクシス方式で検出
するウエハアライメントセンサーに対して適用されてい
る。このウエハアライメントセンサーは、投影光学系1
0の下部直近に配置されたプリズム状のミラー9、対物
レンズ7、リレーレンズ19、絞り25、リレーレンズ
21、ビームスプリッター4、レンズ系26、回転偏光
板28、反射型指標板20、結像レンズ15、ビームス
プリッター16及びCCDカメラよりなる2次元撮像素
子17,18等より構成される。
【0029】更に、照明光学系は、ハロゲンランプ又は
高輝度多色LED等の白色光源より構成される光源1
と、この光源1からの広波長域の光(ただし、例えば干
渉フィルター等によってウエハWの感光域はほぼ除去さ
れている。)を導く光ファイバー2、コンデンサレンズ
3、照明視野絞りGA、全反射ミラーGB、レンズ系G
C等より構成されている。ここで、光源1からの照明光
はビームスプリッター4で分割されてウエハW及び反射
型指標板20に導かれると共に、これらからの戻り光
(反射光)もビームスプリッター4で同一光路上に合成
されて撮像素子17,18等に導かれる。従って、ウエ
ハW(のウエハマーク)及び反射型指標板20(の指標
マーク)を照明する個々の照明光は、ビームスプリッタ
ー4で分割された後は各々独自の照明光であり、他方の
影響を受けることはない。
【0030】以上の構成において、反射型指標板20、
絞り25及び撮像素子17,18の撮像面の各々は、ウ
エハWと略共役に配置されている。ここで、図2は反射
型指標板20を示し、この図2において矩形の反射型指
標板20の各辺の近傍にはそれぞれ、窓枠状にクローム
蒸着部23a,23b,23c,23dが形成され、そ
れら窓枠の中にクローム未蒸着部としての指標マーク2
2a,22b,22c,22dが形成されている。そし
て、撮像素子17,18では、ウエハW上のウエハマー
クMXn,MYnの像と指標板20上の指標マーク22
a〜22dの像を同時に撮像する。
【0031】また、図1において、照明光学系の光ファ
イバー2の射出端面は、2次光源像として対物レンズ7
とレンズ系GCとの間の瞳面(開口絞り位置)にリレー
され、ウエハWに対してケーラー照明が行われる。更
に、視野絞りGAは、対物レンズ7とレンズ系GCとの
合成系によってウエハWと共役になっており、視野絞り
GAのアパーチャ像がウエハW上に投影される。なお、
本実施例では、少なくとも対物レンズ7、結像レンズ1
5の夫々に対して色消しがなされており、色収差による
結像特性の劣化を抑えている。
【0032】さて、ウエハW(のウエハマークMXn,
MYn)からの戻り光は、同じ光路を戻ってビームスプ
リッター4で反射された後、ビームスプリッター16に
よってX軸アライメント用の撮像素子17とY軸アライ
メント用の撮像素子18の撮像面上に投影される。従っ
て、ウエハマークMXn,MYnのマーク像は、それぞ
れ撮像素子17,18の撮像面上に結像される。また、
撮像素子17と撮像素子18とは水平走査線方向が互い
に90゜で交差するように設定されている。
【0033】前述のマーク検出用の光学系は、焦点深度
を深くするため、及び信号波形の処理を容易にするため
に、撮像素子17までの光学系の開口数(N.A.)を
小さくしてある。またウエハWの荒れ部分の影響を小さ
くするために、即ちグレイン等によるウエハ表面の荒れ
部分からのノイズ信号成分を小さくし、マークエッジ部
分からの信号を良好に検出するために、照明系の射出側
の開口数と対物系の入射側の開口数との比の値であるσ
値を大きくしている。このσ値は、0.8〜1.0程度
が望ましく、マークの段差やマーク形状、或いはウエハ
表面の荒れ具合に応じて可変としてもよい。
【0034】一例としてウエハW上の低段差マークを検
出する場合について説明する。この場合、σ値が大きす
ぎるとマークそのものも良好に検出できなくなってしま
う。このため、例えばσ値を0.8程度に調整して、ウ
エハ表面の荒れ部分からのノイズ成分を小さくすると共
に、低段差マークに対しても良好にマークを検出できる
ようにすればよい。なお、σ値の可変幅は0.8〜1.
0に限定されるものではなく、マークやウエハWの荒れ
の状態により定められる。
【0035】また、本実施例の装置では、ウエハステー
ジ5上に基準マークFMが設けられ、ウエハアライメン
トセンサー内の反射型指標板20上の指標マークのウエ
ハWへの投影点と、レチクルR上のレチクルマークRM
1,RM2の投影点との間の距離(ベースライン)を計
測するのにその基準マークFMが使用される。更に、主
制御系100は、装置全体を統括的に制御しており、主
制御系100はステージコントローラ52(図3参照)
を介してウエハステージ5の動作を制御する。
【0036】次に、図3を参照して、撮像素子17,1
8からのビデオ信号の処理回路について説明する。2次
元撮像素子17,18は、水平走査方向と垂直走査方向
とに画素(ピクセル)が配列されているが、本実施例の
撮像素子17,18では、ウエハW上のマークのエッジ
を横切る方向を水平走査方向に一致させるものとする。
【0037】さて、撮像素子17,18からは、水平同
期信号と垂直同期信号とが混合したコンポジットビデオ
信号が得られる。このビデオ信号は、周波数フィルター
やオートゲインコントロール(AGC)用の回路等を含
む前処理回路40を介してアナログ/デジタル変換器
(ADC)42に送られる。撮像素子17,18からの
ビデオ信号は、同期信号分離回路やクロック発生回路等
を含む制御回路44にも送られる。この制御回路44
は、撮像素子17,18の水平同期信号に基づいて、1
画素の電気走査(読み出し走査)当りに1つのクロック
パルスとなるようなクロック信号CLを出力する。この
クロック信号SCLは、撮像素子17,18の電気的走
査が1フレーム中でのサンプリング範囲(水平走査線の
垂直方向の本数)になったか否かを検出する比較部46
と、ADC42の出力データを記憶するためのランダム
アクセスメモリ(RAM)43に対してアドレス値を出
力するアドレスカウンタ48とに送られる。
【0038】従って、RAM43内には、撮像素子1
7,18の所定の水平走査線から指定された本数分だけ
のデジタル波形データが記憶される。RAM43内の波
形データは、プロセッサー50によって管理されるアド
レスバスA−BUSとデータバスD−BUSとによって
プロセッサー50に読み込まれ、所定の波形処理演算が
行われる。以上により主制御系100が構成される。そ
して、プロセッサー50のアドレスバスA−BUSとデ
ータバスD−BUSには、ウエハステージ5を制御する
ためのステージコントローラ52が接続され、このステ
ージコントローラ52は干渉計IFX,IFYの座標計
測値を入力してウエハステージ5の駆動モータ54を制
御する。
【0039】図1に示したマーク位置検出手段としての
主制御系100は、図3に示した部材40〜50を含む
ものであり、図1の符号WSCはコントローラ52への
制御ラインを表し、これは図3のA−BUS、D−BU
Sに対応している。また、図1中の符号RSCは、不図
示のレチクルステージをコントロールするためのバスラ
インを表している。
【0040】さて、図4はウエハW上の1つのショット
領域Snと、ウエハマークMXn,MYnとの関係を示
し、1つのショット領域Snの4辺はスクライブライン
SCLで囲まれ、スクライブラインSCLの直交する2
辺の夫々の中心部分にマークMXn及びMYnが形成さ
れている。また、露光時にはショット領域Snの中心点
SCを投影光学系PLの光軸AXが通る。そして、ウエ
ハマークMXn,MYnは、それぞれ中心SCからX方
向及びY方向に伸びた直線CX及びCY上に位置する。
【0041】上記のように形成されたウエハマークMX
nは、X方向の位置検出に使用され、このウエハマーク
MXnはY方向に伸びた5本の線状パターンP1,P
2,P3,P4,P5がX方向にほぼ一定のピッチP
(デューティ1:1)で配列された格子状のマルチパタ
ーンである。同様に、ウエハマークMYnは、X方向に
伸びた線状パターンがY方向にほぼ一定のピッチPで配
列された格子状のマルチパターンである。
【0042】次に、図2の反射型指標板20について詳
しく説明する。指標板20はガラス等の光透過性部材か
らなる平板であって、この平板にクローム蒸着部23a
〜23dが形成されている。クローム蒸着部23a〜2
3dは、ガラス面等の上にクロームを蒸着して形成され
たものであり、それぞれの中に、3本の細いクローム未
蒸着部よりなる指標マーク22a〜dが形成されてい
る。ここで、指標マーク22aと22bとはX方向の対
辺の近傍に形成され、指標マーク22cと22dとはY
方向の対辺の近傍に形成されている。そして、X方向の
アライメントの際には、2つの指標マーク22a,22
bの像の間にウエハマークMXnの像を挟み込んだ状態
で位置検出が行われ、同様にY方向のアライメントの際
には、2つの指標マーク22c,22dの像の間にウエ
ハマークMYnの像を挟み込んだ後に位置検出が行われ
る。
【0043】この指標板20では、ハロゲンランプ等の
光源1からの照明光が、クローム蒸着部23a〜23d
で反射されるので、指標マーク22a〜22dの画像信
号をこの反射光から得ることとなり、ウエハWからの戻
り光を使う必要がない。また、図1の回転偏光板28に
よって指標板20への照明光量を適切な値に調整可能と
なっている。即ち、一例として回転偏向板28は2枚の
直線偏光板よりなり、これら2枚の直線偏光板の相対的
な回転角を調整することにより、指標板20への照明光
量を調整することができる。そして、絞り25を通過し
たウエハWからの戻り光と反射型指標板20からの戻り
光とは、ビームスプリッター4、結像レンズ15を経て
ビームスプリッター16によってX軸アライメント用の
撮像素子17とY軸アライメント用の撮像素子18上に
再投影される。
【0044】従って、指標マーク22a〜22dのマー
ク像は、それぞれ撮像素子17,18上に投影される。
なお、クローム蒸着部23a〜23dは照明光を反射す
るものであればよく、クロームで形成されているものに
限らない。また、絞り25は、指標マーク22a〜22
d及びクローム蒸着部23a〜23dに対応する部分の
照明光のみを選択し、その他の部分からの反射光を吸収
して遮光する絞りである。
【0045】図5に、こうして得られるビデオ信号波形
の一例を示す。図5(A)は、指標マーク22a,22
b(実際にはその像)にウエハマークMXn(実際には
その像)を挟み込んだ様子を示し、ウエハマークMXn
の中心Xmと指標マーク22a,22bの中心Xcとが
わずかにずれている状態を示している。図5(B)は、
そのときのビデオ信号の波形を示す。ここで、縦軸はビ
デオ信号強度を表し、横軸は走査位置を表す。
【0046】この状態で、ウエハマークMXnの中心X
mと指標マーク22a,22bの中心Xcとのずれ量Δ
Xを算出するのが図1の主制御系100である。この
際、図5(A)に示すように、検出すべきウエハマーク
MXnを指標板20の指標マーク22a,22bの間に
位置決めし、そのときのウエハステージ5の精密な位置
XAの情報を主制御系100内のRAM43に記憶して
おく。
【0047】さて、撮像素子17では、図5(A)に示
すように、ウエハマークMXnの5本の線状パターンP
1〜P5及び指標マーク22a,22bの像を水平走査
線SLに沿って電気的に走査する。そして、図5(B)
に示すように、撮像素子17の水平走査線SLに沿って
得られるビデオ信号波形は、広帯域照明光を使ってレジ
スト層での干渉現象を低減させているため、パターンP
1〜P5の各エッジ位置でのみボトム(最小値)にな
る。図5(B)で、指標マーク22a,22bはそれぞ
れ微細な3本のバーマークであるため、そのバーマーク
1本について1つのボトム波形になる。このため、ウエ
ハマークMXn(マルチパターンP1〜P5)の各エッ
ジ位置で、計10個のボトム波形が得られる。
【0048】ここで、図3のプロセッサー50は、この
ような原信号波形をRAM43内に一時的に取り込む。
このときプロセッサー50は、例えば1本の走査線だけ
ではS/N比の点で不利なので、前述の如くビデオサン
プリング領域VSAx内に入る複数の水平走査線によっ
て得られるビデオ信号のレベルを、水平方向の各画素毎
に加算平均して平均波形データを作る。さらに、プロセ
ッサー50ではこの平均波形データにスムージング処理
を施す。このスムージング処理は、平均波形データを数
値フィルターを通すことによって行われる。
【0049】次に、プロセッサー50では、この平均波
形データを適当なスライスレベルで画素単位に2値化
し、2値化波形の走査方向(X方向)の中心から、指標
マーク22a,22bの中心位置Xc及びウエハマーク
MXn(パターンP1〜P5)のX方向の中心位置Xm
を計算する。ここで、スライスレベルは各エッジに対応
する信号部分ごとに求められ、波形処理上の各サンプリ
ングポイントは、CCDカメラの水平画素番地に対応し
ているとともに、RAM43のアドレスとも一義的に対
応している。
【0050】この際、指標板20の指標マーク22a〜
22dは、ウエハWからの戻り光とは無関係に照明され
ているので、指標マーク22a,22bに対する信号波
形は常に安定して良好なもの(コントラストが一定)と
なる。このため、高精度に指標マーク位置を検出するこ
とが可能となる。また、ウエハマークMXnからの信号
については、ウエハWの表面の荒れによるノイズ成分の
影響を平均化処理により低減させている。ここで、指標
マーク22a〜22dは、ウエハW上に禁止帯等を設け
る必要がなく存在する為、個々の本数を増やすことも可
能であり、指標マークの検出に際しても平均化処理を行
うことで検出精度の向上を図ることが可能である。
【0051】そして、プロセッサー50は、位置Xcと
位置Xmとの差ΔX=Xc−Xmを算出し、前述のウエ
ハステージ5が位置決めされたときの位置XAと差ΔX
とを加えた値をマーク位置情報(アライメント情報)と
して算出する。さらに、ステージコントローラ54は、
このマーク位置情報とベースライン量とに基づいてモー
タ54を制御し、ウエハステージ5を所定位置に移動さ
せる(アライメントする)。
【0052】一方、ウエハマークMYnについても同様
にして、指標マーク22c,22dの間にマークMYn
を挟み込み、プロセッサー50では指標マーク22c,
22dの中心YcとウエハマークMYnの中心Ymとの
差ΔY、及びマーク位置情報を算出し、ウエハステージ
5の移動を制御する。ここで、上記の説明では、指標板
20上にX方向用とY方向用の2組の指標マーク群が形
成され、夫々からの結像光束を2つの撮像素子17,1
8で受光するものであったが、X方向用とY方向用のア
ライメント光学系を対物レンズから別個に配置し、指標
板20もX方向用とY方向用とで別体としてもよい。
【0053】また、高コントラストを得ようとしてマー
クのL/S(ライン・アンド・スペース)幅を細くして
いくと、マークが解像の限界を越えてしまい、コントラ
ストが低下してくる。逆に、L/S幅が大きいと、マー
クが大きくなり平均化効果も小さくなる。そこで、図6
(A)に示すように、マークのピッチは変えずにL/S
のデューティ比を変えていったパターンを、マークMX
n,MYnとして用いてもよい。
【0054】先に示したデューティ1:1のパターンで
は、立ち上がりと立ち下がりのエッジが暗部として検出
されるので、図5(B)に示すように1つのマークから
2つのボトム部が得られる。しかし、デューティ1:1
のままL/Sを狭くしてマークのライン部とスペース部
を解像限界以下にすると、両エッジ部からの信号波形上
のボトム部がほとんど接触してしまう。そこで、ピッチ
は変えずにL/Sのデューティ比を変えると、図6
(B)に示すように、1本のバーマークに対して1つの
ボトム波形が得られる信号となり、コントラストの高い
マーク信号が得られる。なお、図6(A)のパターン
は、デューティを1:3にした場合を示し、図6(B)
の縦軸はビデオ信号強度を表し、横軸は走査位置を表
す。
【0055】また、図6では通常のX軸用とY軸用とが
独立したマークを用いているが、図7(A)に示すよう
な、マス目状のX軸,Y軸共用のウエハマークMXDを
用い、X軸,Y軸共用のウエハマークが撮像素子17の
撮像領域VSAxと撮像素子18の撮像領域VSAyと
で同時に計測できるようにして、スループットの向上を
図ることも可能である。このように、図6に示すような
デューティの異なるパターンでX軸,Y軸共用のウエハ
マークMXDをつくると、図5に示すようなデューティ
1:1の幅の広いマルチパターンでX軸,Y軸共用のウ
エハマークを作る場合に比べてスペース的に有利であ
る。このときの信号波形を図7(B)及び(C)に示
す。ここで、図7(B)及び(C)の縦軸はビデオ信号
強度を表し、横軸は走査位置を表す。
【0056】また、図1において、本実施例の撮像素子
17及び18から出力されるビデオ信号はそれぞれオー
トゲインコントロールにより平均的なレベルが所定範囲
に収まるように調整されている。そして、ウエハWの照
射光量が一定である場合、ウエハWの反射率が変わる
と、ウエハWからの反射光量が変化する。そして、撮像
素子17の撮像面上で、反射型指標板20のクローム蒸
着部23a〜23dからの反射光が入射する領域に比べ
て、ウエハWからの戻り光が入射する領域の方が水平走
査方向に広いと、撮像素子17のオートゲインコントロ
ールは、主にウエハWからの戻り光に対応するビデオ信
号のレベルを所定範囲にするように作用する。
【0057】そのため指標板20を一定光量で照明して
いると、撮像素子17から出力されるビデオ信号では、
ウエハWの反射率が低いときには、指標マーク22a,
22bに対応するビデオ信号が大きくなり、ウエハWの
反射率が高いと指標マーク22a,22bに対応するビ
デオ信号は小さくなる。そこで、指標マーク22a,2
2bに対応するビデオ信号が飽和してしまったり、逆に
小さくなり過ぎるのを防ぐため、回転偏光板28等を使
って、適切な照明光量で指標板20を照明している。な
お、指標板20の適切な照明光量の基準には、指標マー
ク22a,22bに対応するビデオ信号のマーク幅、マ
ーク振幅又は指標マーク領域の信号の平均レベルを使
う。
【0058】また、指標板20の照明光量を適切にして
いたとしても、何等かの要因で、アライメント結果が、
ウエハWの戻り光量に応じてずれることがある。撮像素
子17,18上でウエハWの位置Xmと指標マークの位
置Xcとが同じにずれるのであれば、アライメント結果
ΔXは変わらない。しかし、ウエハWの戻り光量や指標
板20の照明光量によってウエハWの位置Xmや指標マ
ークの位置Xcが互いに違って変化すると、アライメン
ト結果ΔXが様々に変化するので、オフセット変動の要
因になる。そこで、ウエハWからの戻り光量、指標板2
0の照明光量、ウエハマークに対応するビデオ信号のマ
ーク振幅、指標マークに対応するビデオ信号のマーク
幅、指標マークに対応するビデオ信号のマーク振幅若し
くはマーク領域の信号の平均レベル等の何れか、又はそ
れらの様々な組み合わせについて、ある基準(例えば、
基準マークFMを用いてベースライン計測を行ったとき
のΔX)に対する変動量を装置定数として記憶してお
き、実際に使用するときに、上記パラメータ値に応じた
変動量をオフセットとして加えるとよい。
【0059】一例として、図5において、撮像素子17
から出力されるビデオ信号の指標マーク22a,22b
に対応する部分の振幅よりアライメント結果ΔXの補正
を行う方法について説明する。撮像素子17のオートゲ
インコントロールにより撮像素子17から出力されるビ
デオ信号のレベルはほぼウエハマークMXnに対応する
部分のレベルが所定範囲になるように調整される。この
場合、指標板20の照明光の強度が一定であるとする
と、その撮像素子17のゲインは指標マーク22a,2
2bに対応するビデオ信号の振幅にほぼ比例している。
従って、その振幅より図1の主制御系100は撮像素子
17のゲインを知ることができる。
【0060】一般に撮像素子17は、ゲインにより各画
素の検出感度が変化する場合があり、ウエハマークMX
nの像の照度分布及び指標マーク22a,22bの像の
照度分布が変化していないにも拘らず、ゲインの変化に
よりビデオ信号上でウエハマークMXnの像の位置と指
標マーク22a,22bの像の位置との差ΔXが変化す
る場合がある。そこで、主制御系100は、指標マーク
22a,22bの像に対応する撮像素子17のビデオ信
号の振幅よりその撮像素子17のゲインを知り、このゲ
インに応じて予め記憶されている補正テーブルに基づい
てその差ΔXを補正する。これにより、より高精度にウ
エハWの位置検出を行うことができる。
【0061】また、指標板20に対する照明光の強度
(照度)が変化した場合には、その指標マーク22a,
22bに対応するビデオ信号の振幅及びその指標板20
に対する照明光の強度からその撮像素子17のゲインを
知ることができる。これにより同様に差ΔXを補正する
ことができる。また、指標板20に対する照明光の強度
により撮像素子17の撮像面での照度も変化し、これに
より撮像素子17の感度分布が変化してその差ΔXが変
化するような場合には、その指標板20の照明光の強度
のみをパラメータとしてその差ΔXを補正するようにす
ればよい。
【0062】また、指標マークの形状とウエハマークの
形状との違いによつても、照明光量変化に対する位置X
mや位置Xcの変動量が違うことがある。この場合、何
種類かの指標マークを用意しておき、ウエハマーク形状
と同じ形状の指標マークを使って、両マークの照明光量
の変化を同じにすれば、XmやXcの位置変動量を同じ
にすることができる。なお、同一形状のマークを使わな
くとも、撮像素子17,18から得られる信号の中でウ
エハ領域の信号の平均レベルを求め、指標領域の信号の
平均レベルを連続的に変えて、常に指標領域の信号の平
均レベルをウエハ領域の信号の平均レベルに一致させる
と、XmやXcの位置変動量の差を小さくできる。更
に、指標領域の信号の平均レベルを段階的に変えて、ウ
エハ領域の信号の平均レベルに大まかに合わせてもよ
い。
【0063】次に、図8を参照して本発明の他の実施例
につき説明する。図8に示すように、この実施例では、
反射型指標板20を照明する光源29が、ウエハWを照
明する光ファイバー2とは別個に設けられており、各々
の照明系が独立して設けられている。ここでは、説明を
簡単にするため、指標マーク22a,22bについての
み説明する。
【0064】図8において、LED等からなる光源29
から射出された光は、レンズ系26a,ビームスプリッ
ター4b及びレンズ系26を通り、反射型指標板20を
照明する。また、反射型指標板20からの戻り光を、ビ
ームスプリッター4aを介して、撮像素子17が撮像す
ることにより、ウエハWからの戻り光に影響されること
なく、指標マーク22a,22bに対応したビデオ信号
を得ることができる。この場合、光源29にLED等を
用いているので、図1の回転偏光板28を使うことな
く、照明光量の調整ができる。他の構成は図1の例と同
様である。
【0065】なお、上述実施例は、ウエハWのウエハマ
ークの位置検出を行う場合に本発明を適用したものであ
るが、レチクルRのレチクルマークの位置検出を行う場
合にも同様に本発明を適用することができる。この場合
には、レチクルRとは別体の指標板に形成した指標マー
クとそのレチクルRのレチクルマークとの位置関係より
そのレチクルRの位置を検出することができる。
【0066】また、上述実施例では指標板20はウエハ
Wとは別の照明系により独立に照明されているが、指標
板20をウエハWからの反射光により照明してもよい。
この場合でも、撮像素子17,18のゲイン等に応じて
補正を行うことにより、より高精度に位置検出を行うこ
とができる。更に、指標板20を透過型としてもよい。
また、本発明はTTL(スルー・ザ・レンズ)方式のア
ライメント系にも全く同様に適用できる。同様に、TT
R(スルー・ザ・レチクル)方式のアライメント系にも
適用でき、この場合レチクル上のアライメントマークが
上記実施例の指標マークに相当する。この際にウエハか
らの反射光がレチクルマークを照明しないように反射光
をカットするか、又はレチクルマークを反射型とするよ
うにしても良い。このように、本発明は上述実施例に限
定されず本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を
取り得る。
【0067】
【発明の効果】受光手段で発生した信号を調節手段によ
って調節すると、信号に基づいて決定される被検物の位
置情報自体が変化してしまう場合があるが、本発明によ
れば、受光部で発生した信号を調節した際に発生する被
検物位置情報の変動分が補正される。このため撮像素子
(17,18)のオートゲインコントロール時のゲイン
によって感度特性が変化し、それにより像信号(検出信
号)におけるマーク像の位置関係の変化が発生したとし
ても、その変化分を補正して被検物の正確な位置を検出
することができる。また、本実施例によれば、指標板
(20)に形成されたマークを、第2照明系(1,2,
3,GA,GB,GC,4,26,28)を用いて独自
に照明するため、指標マークの検出に際し、基板の表面
からの反射光に影響されることが無い。このため基板表
面が荒れている場合でも指標マークの検出精度を劣化さ
せることなく、良好な位置検出及びこれに基づくアライ
メントを行うことができる。更に、撮像素子の撮像面に
形成される各々のマークの像が別個の照明系に基づくも
のであるため、個々の像を鮮明な状態を保ったまま合成
像の検出を行えるので、更に検出精度の向上を図ること
ができる。
【0068】また、基板上に指標板の第2マークを照明
するための禁止帯を設ける必要がないので、基板上のマ
ーク領域を小さくすることができる。この為、基板上の
有効利用面積を拡張することができる利点がある。逆
に、基板表面が荒れている場合には、基板上の第1マー
ク自体の検出精度も劣化する。そこで、従来指標板の第
2マークの照明用に設けていた禁止帯の部分も基板のマ
ーク領域として利用して、例えば基板側の第1マークの
本数を増やすことにより、計測時のマルチマークの平均
化効果が増大し、検出精度が向上する。
【0069】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が適用された投影露光装置の
概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1の反射型指標板20上の指標マークを示す
斜視図である。
【図3】図1の主制御系100等の構成を示すブロック
図である。
【図4】ウエハ上のショット領域とウエハマークとの位
置関係を示す説明図である。
【図5】図1の投影露光装置におけるウエハマークと指
標マークとの合成像とその検出状態を説明するものであ
り、(A)は撮像素子の撮像面におけるマーク検出の様
子を示す説明図、(B)は撮像素子から得られるビデオ
信号の一例を示す波形図である。
【図6】ウエハマークの変形例と指標マークとの合成像
とその検出状態を説明するものであり、(A)は撮像素
子の撮像面におけるマーク検出の様子を示す説明図、
(B)は撮像素子から得られるビデオ信号の一例を示す
波形図である。
【図7】ウエハマークの他の変形例と指標マークとの合
成像とその検出状態を説明するものであり、(A)は撮
像素子によるマーク検出の様子を示す説明図、(B)及
び(C)はそれぞれ撮像素子から得られるビデオ信号の
一例を示す波形図である。
【図8】本発明の他の実施例の投影露光装置の要部を示
す概略構成図である。
【図9】従来の位置検出系を備えた投影露光装置の概略
構成を示す説明図である。
【図10】図9の位置検出系における位置検出を説明す
るものであり、(A)は撮像素子によるマーク検出の様
子を示す説明図、(B)は撮像素子から得られる信号の
波形を示す線図である。
【図11】ウエハ表面が荒れていた場合に従来の位置検
出系における撮像素子から得られる信号の波形を示す線
図である。
【符号の説明】
1 光源 4,4a,4b ビームスプリッター 5 ウエハステージ 10 投影光学系 7,19,21 レンズ系 17,18 撮像素子 20 反射型指標板 22a,22b,22c,22d 指標マーク 23a,23b,23c,23d クローム蒸着部 R レチクル W ウエハ PA パターン領域 MXn,MYn ウエハマーク

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検物の位置に関する情報を求める位置
    検出装置であって、 前記被検物上に検知ビームを照射する照射手段と、 前記検知ビームの照射により前記被検物から発生したビ
    ームを受光し、該受光結果に応じた信号を発生する受光
    手段と、 前記被検物の位置情報を、前記信号に基づいて決定する
    位置決定手段とを備え、 前記位置決定手段は、 前記受光手段で発生した信号のレベルが所定範囲になる
    ように前記信号を調節する調節手段と、 前記被検物の位置情報の、前記信号の調節によって発生
    する変動分を補正する補正手段とを有することを特徴と
    する位置検出装置。
  2. 【請求項2】 前記調節手段が、前記受光手段で発生し
    た前記信号のレベルが所定範囲になるように、利得調節
    を行うことを特徴とする請求項1に記載の位置検出装
    置。
  3. 【請求項3】 前記位置決定手段は、前記信号の強度の
    成分に基づいて前記被検物の位置情報を決定する手段で
    あって、 前記信号の調節によって発生する変動は、前記信号の調
    節によって前記信号の強度の分布にもたらされた変化で
    ある ことを特徴とする請求項1又は2に記載の位置検出
    装置。
  4. 【請求項4】 前記受光手段は複数の画素を有する撮像
    手段であって、 前記信号の調節によって発生する変動は、前記信号の調
    節によって前記複数の各画素の検出感度が変化すること
    によってもたらされる ことを特徴とする請求項1又は2
    に記載の位置検出装置。
  5. 【請求項5】 前記補正手段が、前記信号の調節によっ
    て発生する変動分を、前記信号の振幅、又は前記受光手
    段で受光されたビームの強度に基づいて決定することを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の位置検
    出装置。
  6. 【請求項6】 さらに、前記調節手段による前記信号の
    調節量と、前記信号の調節によって発生する変動量との
    関係情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  7. 【請求項7】 前記被検物は、基板上に形成されたアラ
    イメントマークであって、 前記照射手段は、前記アライメントマーク、及び所定位
    置に設けられた指標部材上に形成された基準マークへ前
    記検知ビームを照射可能であり、 前記アライメントマークに対して検知ビームを照射する
    ための第1照明系と、 前記アライメントマークとは独立に、前記基準マークに
    対して検知ビームを照射するための第2照明系とを有す
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載
    の位置検出装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか一項に記載の位
    置検出装置で検出された被検物の位置情報に基づいて、
    前記被検物の位置合わせを行う位置合わせ手段と、 前記位置合わせされた被検物上に、所定パターンを転写
    する露光手段とを有することを特徴とする露光装置。
  9. 【請求項9】 被検物の位置に関する情報を求める位置
    検出方法であって、 前記被検物上に検知ビームを照射し、 前記検知ビームの照射により前記被検物から発生したビ
    ームを受光部で受光し、 前記受光部での受光結果に応じた信号を発生し、 発生した前記信号のレベルが所定範囲になるように調節
    し、前記被検物の位置情報の、 前記信号の調節によって発生
    する変動分を補正し、 前記変動分を補正された信号に基づいて前記被検物の位
    置情報を決定することを特徴とする位置決定方法。
  10. 【請求項10】 前記信号を調節する工程は、前記信号
    のレベルが所定範囲になるように、利得調節を行うこと
    を特徴とする請求項9に記載の位置検出方法。
  11. 【請求項11】 前記信号の調節によって発生する変動
    分を補正する工程では、前記信号の調節によって発生す
    る変動分を、前記信号の振幅、又は前記受光部で受光さ
    れたビームの強度に基づいて決定することを特徴とする
    請求項9又は10に記載の位置検出方法。
  12. 【請求項12】 前記信号の調節によって発生する変動
    分を補正する工程では、予め記憶された、前記調節手段
    による前記信号の調節量と前記信号の調節によって発生
    する変動量との関係情報に基づいて、前記信号の調節に
    よって発生する変動分を決定することを特徴とする請求
    項9、10、又は11に記載の位置検出方法。
  13. 【請求項13】 前記被検物は基板であって、 請求項9〜12のいずれか一項に記載の位置検出方法に
    よって検出された前記基板の位置情報に基づいて、前記
    基板の位置合わせを行い、 前記位置合わせされた基板上に、所定パターンを転写す
    ることを特徴とする露光方法。
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