JP3273647B2 - 配管の減肉深さの推定方法 - Google Patents

配管の減肉深さの推定方法

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JP3273647B2 JP03978693A JP3978693A JP3273647B2 JP 3273647 B2 JP3273647 B2 JP 3273647B2 JP 03978693 A JP03978693 A JP 03978693A JP 3978693 A JP3978693 A JP 3978693A JP 3273647 B2 JP3273647 B2 JP 3273647B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、配管の減肉深さの推定
方法に関し、石油プラント等の実機配管の保守検査など
に利用できる。
【0002】
【背景技術】一般に、石油プラント等は各種の流体を移
送するための配管設備を備えている。これらの配管は、
長時間の使用で内部の流体の流れにより腐食、壊食等を
起こしたり、あるいは配管振動等により亀裂が発生した
りして配管の内側に穴状、クラック状等の種々の形状で
局所的な減肉部が生じる。従って、これらの石油プラン
ト等の実機配管では、その機能面から、あるいは安全面
からもこのような減肉部を見つけるために保守検査が必
要とされている。このような配管の保守検査は、石油プ
ラント等の稼働時または定修時において行われるが、近
年では、主にγ線(イリジュウム192線源)による放
射線透過試験での保守検査が盛んに実施されている。
【0003】図9には、従来の放射線透過試験による配
管の保守検査方法の一例が示されている。配管80の外側
には、γ線を放射する線源としての放射線発生装置81が
取り付けられ、配管80を挟んでこの放射線発生装置81の
反対側には、放射線撮影用のフィルム82が取り付けられ
ている。放射線発生装置81から放射されたγ線は、配管
80を透過してフィルム82に至り、フィルム82上には、こ
の時の配管80の撮影痕が得られるようになっている。そ
して、このようにして撮影されたフィルム82の撮影痕の
状態から配管80の減肉深さを推定する。すなわち、配管
80の図中左右両側の端部83, 84に減肉部85(図中二点鎖
線)が生じている場合には、フィルム82上の図中Bの範
囲に幅Cの減肉部85の存在を示す濃淡が現れる。このフ
ィルム82上に現れた幅Cの濃淡は、通常、目視で確認で
きる程度の濃淡であるので、定規等を用いて幅Cを測定
することができ、この幅Cの値から放射線発生装置81、
配管80、フィルム82の配置状況を考慮し、計算により減
肉部85の減肉深さを推定することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の検査方法では、配管80の左右の端部83, 84
(フィルム82上で図中Bの範囲に照射される部分)に存
在する減肉部85の場合には、前述した方法でその減肉深
さを推定することができるが、配管80の中央部86(フィ
ルム82上で図中Aの範囲に照射される部分)に存在する
減肉部87(図中二点鎖線)の場合には、その存在自体は
撮影されたフィルム82の濃淡により確認できても、減肉
深さを推定することは困難であるという問題があった。
つまり、このような中央部86に生じた減肉部87の減肉深
さは、フィルム82上に現れた濃淡から経験的に深いか浅
いかを判断するに止まっていた。また、配管80の中央部
86に減肉部87の存在が確認された場合に、この減肉部87
の減肉深さをある程度正確に推定するためには、放射線
発生装置81およびフィルム82の取り付け位置を変更して
撮影する方向を変え、減肉部87の位置が左右の端部83,
84の位置にくるようにして再び撮影しなおさなければな
らず、手間がかかるという問題があった。
【0005】本発明の目的は、配管の両側端部の間に位
置する中央部に生じた減肉部の減肉深さを、撮影後のフ
ィルムから定量的に推定できる配管の減肉深さの推定方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の配管の減肉深さ
の推定方法は、予め実験で得られた減肉率の近似式を用
いて前記目的を達成しようとするものである。具体的に
は、本発明の配管の減肉深さの推定方法は、表面に深さ
の異なる人工減肉部が複数形成された一の鋼板試験片
と、この一の鋼板試験片の表面側に重ねられ、かつ一の
鋼板試験片と同じ厚さ寸法を有する他の鋼板試験片と、
この他の鋼板試験片の表面側に対向配置された前記放射
線発生装置と、前記一の鋼板試験片の裏面側に対向配置
された前記放射線撮影用のフィルムとを準備するステッ
プと、前記鋼板試験片の厚さ寸法が異なるものを複数組
み準備して、これらの厚さ寸法の異なる鋼板試験片の組
み毎に、この放射線発生装置から前記両鋼板試験片を透
して前記フィルムに向けて放射線を照射し、撮影後の前
記フィルムから前記一の鋼板試験片における健全部およ
び人工減肉部のフィルム濃度を測定するステップと、前
記一の鋼板試験片において、前記健全部のフィルム濃度
をDとし、この健全部のフィルム濃度と前記人工減肉部
のフィルム濃度との差をΔDとし、このΔDをDで除し
たものであるフィルム濃度差をΔD/Dとし、前記人工
減肉部の深さ寸法を前記一の鋼板試験片の厚さ寸法であ
るTで除したものである一の鋼板試験片の減肉率をPP
とし、係数をB,Cとして、前記ステップにおける測定
結果を数1として定義するステップと、
【数1】ΔD/D(PP)=B×PP+C×PP 2 係数をB1〜B3,C1〜C3として、前記係数B,C
を前記鋼板試験片の厚さ寸法Tの関数である数2,3と
して定義するステップと、
【数2】B(T)=B1+B2×T+B3×T 2
【数3】C(T)=C1+C2×T+C3×T 2 前記数1〜3に基づいて、前記一の鋼板試験片の減肉率
PPを、前記フィルム濃度差D/Dおよび前記鋼板試験
片の厚さ寸法Tを用いて数4として表すステッ プと、
【数4】PP(ΔD/D,T)=〔−B(T)+{B
(T) 2 +4C(T)・ΔD/D} 1/2 〕/2C(T) 所定の外形寸法および厚さ寸法を有する配管であるとと
もに、内側に所定深さの減肉部が形成された対比試験片
を準備して、この対比試験片を透して前記放射線発生装
置から前記フィルムに向けて放射線を照射し、撮影後の
フィルムから前記対比試験片における健全部および人工
減肉部のフィルム濃度を測定した後に、この測定結果お
よび前記所定の厚さ寸法を前記数4に代入して得られた
前記対比試験片の減肉率P2と、この対比試験片の実際
上の減肉率P1とに基づいて、較正定数Kを数5として
定義するステップと、
【数5】K=P1/P2 この較正定数Kを用いて、前記配管の減肉率Pと、前記
一の鋼板試験片の減肉率PPとの関係を数6として表す
ステップとを実際の測定に先立って行った後に、
【数6】P(ΔD/D,T)=PP(ΔD/D,T)×K 検査対象となる配管の外側に放射線発生装置および放射
線撮影用のフィルムを取り付け、この放射線発生装置か
ら前記配管を透して前記フィルムに向けて放射線を照射
し、撮影後の前記フィルムから前記配管の健全部および
減肉部のフィルム濃度を測定し、これらのフィルム濃度
差ΔD/Dおよびこの配管の厚さ寸法Tを用いて、予め
取得しておいた前記数6に基づいて、前記放射線発生装
置から照射された放射線が垂直に透過する配管壁のう
ち、前記フィルム側の配管壁における減肉部の 減肉深さ
を推定することを特徴とする
【0007】
【作用】このような本発明においては、放射線発生装置
から配管を透してフィルムに向けて放射線を照射し、配
管内部の減肉の状態をフィルムに撮影する。このように
して撮影されたフィルム上には、配管が正常な状態にあ
る部分(健全部)と、減肉による欠陥を生じている部分
(減肉部)とがフィルム濃度の差として現れる。これら
の健全部と減肉部とのフィルム濃度をそれぞれ測定し、
これらの測定値を用いて予め実験で得られた減肉率の近
似式である数6により配管の両側端部の間に位置する
中央部、すなわち、放射線発生装置から照射された放射
線が垂直に透過する部分のうちのフィルム側の部分に生
じた減肉部の減肉深さを推定する。具体的には、減肉部
と健全部とのフィルム濃度の差を健全部のフィルム濃度
で除した値および配管の肉厚をパラメータとして配管の
減肉率が定まる肉率の近似式(数6)を予め実験によ
り求めておき、この減肉率の近似式に測定した健全部と
減肉部とのフィルム濃度および配管の肉厚を代入して減
肉率を求め、減肉深さを推定する。また、配管の両側端
部に生じた減肉部の減肉深さは、前述した図9の従来方
法で推定することが可能であり、結局、減肉率の近似式
による配管の中央部の減肉深さの推定と合わせ、一回の
放射線照射で配管の両側端部および中央部の減肉深さの
推定が可能となり、これらにより前記目的が達成され
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1には、検査対象となる実機における配管10
の減肉深さを推定するためのγ線等の放射線による放射
線透過試験の実施状況が示されている。配管10の外側に
は、γ線等を放射する線源としての放射線発生装置20が
取り付けられ、配管10を挟んでこの放射線発生装置20の
反対側には、放射線撮影用のフィルム30が取り付けられ
ている。放射線発生装置20から放射されたγ線等は、配
管10を透過してフィルム30に至り、フィルム30上にはこ
の時の配管10の撮影痕が得られるようになっている。そ
して、詳細は後述するように、この図1の状態で撮影さ
れたフィルム30の濃度を測定することにより、配管10の
減肉深さを推定する。ここで、γ線等の線源としては、
例えば、イリジュウム192線源等が用いられ、また、
撮影距離(配管10と放射線発生装置20との間隔および配
管10とフィルム30との間隔)、撮影時間、線源強さ等の
撮影条件は、配管10の管径、配管10の周囲の状況等に応
じて適宜決定すればよい。
【0009】本実施例では、配管10の中央部11(フィル
ム30上で図中Aの範囲に照射される部分、すなわち、
放射線発生装置20から照射される放射線であるγ線が垂
直に透過する部分のうち、フィルム30側の部分である下
側の中央部13)の減肉深さを推定するにあたって、予め
別途の実験で配管10の減肉部の減肉率の近似式(述の
)を求めておき、図1の状態で撮影されたフィルム
30のフィルム濃度を測定し、この測定値を近似式(数
)に代入することにより減肉深さの推定を行う。フィ
ルム濃度の測定は、一般のデジタル式のフィルム濃度計
等により行うことができる。この際、配管10の減肉率の
近似式は、下の五つのステップ(1)〜(5)に示さ
れるような実験により求めておくことができる。先ず、
配管10の中央部11は、図1に示すように図中上側の中央
部12と図中下側の中央部13とによる二重壁構造となって
おり、γ線等はこれらの二重の中央部12, 13を透過する
ようになっている。従って、この二重になった中央部11
の状態を想定し、図2に示すような上下二枚の鋼板試験
片41, 42を用いた実験を行い、配管10の減肉率の近似式
を得るために、その基礎となる鋼板における基準減肉率
の近似式を後述する三つのステップ(1)〜(3)によ
り求める。
【0010】図2(A)には、γ線等を鋼板試験片41,
42に照射する撮影配置状況が示されており、図2(B)
は、下側の鋼板試験片42の平面図、図2(C)は、鋼板
試験片41,42の断面図である。図2(A)において、γ
線等の線源である放射線発生装置20および放射線撮影用
のフィルム30は、図1の実機における配管10を対象とし
た放射線透過試験におけるものと同一のものである。こ
の二枚の鋼板試験片41, 42を対象とした放射線透過試験
は、前述した図1の配管10を対象とした放射線透過試験
と同様に、放射線発生装置20から鋼板試験片41, 42を透
してフィルム30に向けてγ線等を照射して撮影を行い、
撮影後にフィルム30のフィルム濃度を測定する。図2
(B),(C)において、鋼板試験片41, 42は、ともに
横長さXが 300mm,縦長さYが90mmであり、検査対象と
なる配管10のサイズとして1B〜6Bの範囲の肉厚を想定し
て鋼板厚さTが 3.0mm,5.5mm,9.2mmの三種類の厚さのも
のを用意した。従って、透過厚さFとしては、それぞれ
6.0mm,11.0mm,18.4mmとなる。
【0011】また、下側の各鋼板試験片42には、鋼板試
験片42の鋼板厚さTに対し、計画深さが20%,40%,60%,80
%,100%の五種類の深さの人工減肉部43, 44, 45, 46, 47
が設けられている。なお、下側の鋼板試験片42だけに人
工減肉部43〜47が設けられているのは、下側の中央部13
に減肉部が生じた場合を想定しているためである。一般
に、このような放射線透過試験では、上側の中央部12に
減肉部が生じていても、放射線発生装置20からの距離が
近いため放射線強度が強く、健全部と減肉部とで放射線
の透過量があまり変化しない。従って、この部分の減肉
部の存在は下側の中央部13の測定に際し不都合を生じ
ず、上側の中央部12および内部の流体を透過した後の放
射線が当たる下側の中央部13に生じた減肉部の存在のみ
確認できる。撮影条件は、撮影距離(放射線発生装置20
から鋼板試験片41の上面までの距離H)が 600mmで一定
であり、撮影時間が各透過厚さF 6.0mm,11.0mm,18.4mm
(各鋼板厚さT 3.0mm,5.5mm,9.2mm)に対してそれぞれ
14, 17, 22分で異なっており、線源強さは 140GBq で一
定である。
【0012】このような二枚の鋼板試験片41, 42を対象
とした放射線透過試験を行い、その結果から以下の三つ
のステップ(1)〜(3)により鋼板における基準減肉
率の近似式を求める。ステップ(1)では、鋼板試験片
42の減肉率PPと、濃度差ΔD/Dとの関係を三つの各厚
さTの鋼板試験片42について二次曲線に近似した近似曲
線として求める。図2(A)の状態で撮影されたフィル
ム30に現れた人工減肉部43〜47のフィルム濃度と、この
人工減肉部43〜47以外の部分である健全部(母材部)の
フィルム濃度とを測定し、人工減肉部43〜47のフィルム
濃度から健全部のフィルム濃度(平均値)を引いた値Δ
Dを求め、さらにこの濃度差ΔDを健全部のフィルム濃
度(平均値)で除してΔD/Dを求める。また、各人工
減肉部43〜47の正確な加工深さを測定しておき、これら
の加工深さを各鋼板厚さTで除して各部分の正確な減肉
率PPを計算しておく(表1参照)。
【0013】
【表1】
【0014】こうして得られた鋼板試験片42の減肉率PP
の値と、濃度差ΔD/Dの値とを、グラフ化した結果が
図3に示されている。同図において、鋼板厚さTが 3.0
mmの場合には、減肉率PP−濃度差ΔD/D曲線は略直線
であり、鋼板厚さTが 5.5mm,9.2mmの場合には、若干の
曲線を呈するものとなっており、鋼板厚さTが増すにつ
れて勾配が急になっている。これらの各鋼板厚さTにつ
いての三本の曲線を二次曲線で近似し、その係数B,C
の値を最小二乗法により求める。三本の曲線は、次式の
ように定義する。
【数1】ΔD/D(PP)=B×PP+C×PP2 最小二乗法により求めた各鋼板厚さTについての三本の
曲線の係数B,Cの値が表2に示されている。
【0015】
【表2】
【0016】ステップ(2)では、ステップ(1)で求
めた減肉率PP−濃度差ΔD/D曲線の近似式(数1)の
係数B,Cは、表2に示すように各鋼板厚さT毎に異な
る値となっているが、これらを鋼板厚さTの関数として
捉え、二次曲線で近似する作業を行う。図4,5は、横
軸を鋼板厚さT、縦軸を係数B,Cとして表2をグラフ
化したものである。図4,5に現れた曲線は、次式のよ
うに定義して二次曲線で近似する。
【数2】B(T)=B1+B2×T+B3×T2
【数3】C(T)=C1+C2×T+C3×T2 最小二乗法によりこれらの近似式の各係数B1, B2, B3,
C1, C2, C3の値を求めた結果が表3に示されている。
【0017】
【表3】
【0018】ステップ(3)では、ステップ(1)で求
めた減肉率PP−濃度差ΔD/D曲線の近似式(数1)
と、ステップ(2)で求めたこの近似式(数1)の係数
B,Cの関数(数2,3)とにより、鋼板における基準
減肉率の近似式を求める。減肉率PP−濃度差ΔD/D曲
線の近似式(数1)を減肉率PPについて展開し、その
後、係数B,Cに関数(数2,3)を代入すると、次式
に示される鋼板における基準減肉率の近似式が得られ
る。
【数4】 PP(ΔD/D,T) =〔−B(T)+{B(T)2 +4C(T)ΔD/D}1/2 〕/2C(T) このように鋼板試験片42の減肉率PPは、濃度差ΔD/D
と、鋼板厚さTとの関数として得ることができる。
【0019】次に、ステップ(1)〜(3)の二枚の鋼
板試験片41, 42を対象とした放射線透過試験により得ら
れた鋼板における基準減肉率の近似式(数4)から、配
管10の減肉率の近似式を導くために、以下のステップ
(4)〜(5)に示すような対比試験片を用いた実験を
行い、鋼板と配管との間の較正を行う。図6には、外径
60.5mm,肉厚 3.8mmの配管材を用いた対比試験片50が示
されている。対比試験片50には、人工減肉部51が設けら
れており、その減肉率はP1%である。この人工減肉部51
の減肉率P1%は、図6では、加工深さが 2.2mmであるこ
とから、P1=57.9%( 2.2/3.8 =0.579 )とされてい
るが、50%等いずれの値を用いてもよい。このように人
工減肉部51が設けられた対比試験片50を、図1に示す配
管10の位置に、人工減肉部51が下側の中央部13になるよ
うに配置し、前述した図1の実機における配管10を対象
とした放射線透過試験の場合と同様に、放射線発生装置
20から対比試験片50を透してフィルム30に向けてγ線等
を照射して撮影を行い、撮影後にフィルム30のフィルム
濃度を測定する。
【0020】ステップ(4)では、鋼板の基準減肉率PP
から配管10の減肉率Pへの変換を行うための較正定数K
を求める。撮影されたフィルム30に現れた人工減肉部51
のフィルム濃度と、この人工減肉部51以外の部分である
健全部(母材部)のフィルム濃度とを測定し、人工減肉
部51のフィルム濃度から健全部のフィルム濃度(平均
値)を引いた値ΔDを求め、さらにこの濃度差ΔDを健
全部のフィルム濃度(平均値)で除してΔD/Dを求め
る。求めた濃度差ΔD/Dおよび配管材の肉厚 3.8mmを
前述した鋼板における基準減肉率の近似式(数4)のΔ
D/DおよびTに代入する。代入して計算で得られた値
をP2とすると、本来ならばP1%となるはずの減肉率がP2
%となったわけであるから、これらの実際の配管10の減
肉率Pと、鋼板における基準減肉率の近似式(数4)に
より計算で得られる値PPとの間に比例関係があるとすれ
ば、較正定数Kは、次式のように一定値として定めるこ
とができる。
【数5】K=P1/P2 この較正定数Kは、検査対象となる配管10の肉厚Tには
無関係な一定値とされるが、撮影距離、線源強さ等の撮
影条件が異なる場合には、各撮影条件についての較正定
数Kを求める必要がある。
【0021】ステップ(5)では、ステップ(4)で求
めた較正定数Kを用いて配管10の減肉率Pの近似式を求
める。実際の配管10の減肉率Pと、鋼板における基準減
肉率の近似式(数4)により計算で得られる値PPとの間
に比例関係があるものと仮定しているので、 P1:P2=減肉率P:基準減肉率PP という比例式が成立し、この比例式と較正定数Kの定義
式(数5)とにより、配管10の減肉率Pの近似式は、次
式のように求めることができる。
【数6】P(ΔD/D,T)=PP(ΔD/D,T)×K 従って、配管10の減肉率Pは、配管10の減肉部と健全部
とのフィルム濃度の差ΔD/Dと、配管10の肉厚Tとの
関数として得られる。以上のステップ(1)〜(5)に
より、実機における配管10の減肉深さを推定する際に使
用する配管10の減肉率の近似式を、前処理として予め求
めておくことができる。
【0022】また、このような本実施例においては、減
肉率の近似式(数6)による配管10の中央部13の減肉深
さの推定と合わせて、配管10の両側の端部14, 15(図1
参照)の位置に生じた減肉部の減肉深さの推定を前述し
た図9の従来例の方法で同時に行う。つまり、一回の放
射線照射で配管10の両側端部14, 15および中央部13の減
肉深さの推定を行う。ここで、配管10がその長手方向を
水平に配設されている場合等には、通常、配管10の上側
の中央部12(図1参照)に減肉部が生じることは稀であ
るが、検査の必要がある場合(例えば、外部から異常が
確認された場合等)には、放射線発生装置20およびフィ
ルム30の取り付け位置を変更して再度別方向から放射線
照射を行う。
【0023】このような本実施例によれば、次のような
効果がある。すなわち、予め実験で減肉率の近似式(数
6)を求めておくので、これを用いて配管10の中央部13
の減肉深さの推定を行うことができる。このため、従来
の経験に基づく中央部13の減肉深さの大まかな把握に比
べ、正確な推定を行うことができる。また、従来方法で
は、配管10の中央部13の減肉深さを正確に推定しようと
する場合、放射線発生装置20およびフィルム30の取り付
け位置を何度も変更して撮影する方向を変え、複数回の
撮影を行わなければならないが、本実施例の方法では、
一回の撮影で配管10の両側端部14, 15および中央部13の
減肉深さの推定を行うことができるため、検査にかかる
手間を省略することができる。
【0024】さらに、配管10の減肉率の近似式(数6)
は、ステップ(1)〜(3)の二枚の鋼板試験片41, 42
を用いた実験を行うことにより、この実験で得られた鋼
板における基準減肉率の近似式(数4)を基礎とした形
でかなり正確な近似式として確立することができる。そ
して、この鋼板における基準減肉率の近似式(数4)
は、ステップ(4)〜(5)の対比試験片50を用いた実
験で得られた較正定数Kにより較正されて配管10の減肉
率の近似式(数6)とされるため、鋼板と配管との間の
変換が精度よく行われ、さらに減肉深さの推定の信頼性
を向上させることができる。
【0025】また、鋼板における基準減肉率の近似式
(数4)は、複雑な高次曲線ではなく比較的単純な二次
曲線を用いて近似されているため展開が容易であり、さ
らにこの近似式(数4)の係数B,Cおよび係数B,C
の中の各係数B1〜B3, C1〜C3を求める際の最小二乗法に
よる処理も既存のソフト等を用いることができるため、
本実施例の方法は、計算のための新たな設備、ソフト等
を必要とせずに容易に実施することができる
【0026】なお、本発明の効果を確かめるために、以
下のような確認実験を行った。公称径1B,2B,4
B,6Bを有する各種の配管10に人工減肉部(加工深さ
および減肉率は表4参照)を三または五種類設け、これ
らの配管10を図7(A),(B)に示す配置の異なる二
条件につき、表5に示す各種撮影条件で合計五条件の放
射線透過試験を行った。また、同時に公称径2Bの対比
試験片により較正定数Kも求めた。図7(A)の配置条
件においては、線源強さおよび撮影距離の異なる二条件
について求め、図7(B)の配置条件においても、別途
に求め、合計三条件の較正定数Kを求めた。表6には、
この確認実験の結果が示されている。これによれば、得
られた推定減肉率とダイアルデプスゲージで測定した実
際の減肉率(表中()内の値)との差異はほとんどな
く、本発明の効果が顕著に現れている。
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】また、自然欠陥により生じた減肉部60につ
いても確認実験を行った。図8(A)には、フィルム30
に撮影された減肉部60の状態が示されており、図8
(B)には、この減肉部60が開孔してしまった後の断面
が示されている。撮影条件は、図7(A)の状態と同様
で、較正定数Kもこの状態の値を用いた。実験によれ
ば、減肉部60のフィルム濃度が1.76、その周囲の健全部
61, 62のフィルム濃度がそれぞれ1.54, 1.55となり、こ
れらにより減肉部60の推定減肉率は75%となっている。
表7には、この実験結果が示されている。減肉部60のう
ち開孔した部分の面積は微小なものであり、開孔した部
分近傍(開孔した部分を略中心として図8(B)中のL
の範囲)の平均残肉は、配管10の肉厚 3.9mmに対して
1.0mmとなっていてこれを減肉率にすると74%となるの
で、推定減肉率の75%という値は、平均残肉に対する減
肉率には良く一致しており、本発明の効果が顕著に現れ
ている。
【0031】
【表7】
【0032】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の目的を達成できる他の構成も含
み、例えば以下に示すような変形等も本発明に含まれる
ものである
【0033】
【0034】
【0035】また、撮影されたフィルム30の現像条件ま
たは現像時間が異なる場合には、その影響は減肉率とし
て3%程度の違いであることが調査の結果により明らか
にされているが、配管10の減肉率の近似式(数6)にこ
の分の補正を行ってもよく、あるいは実用上許容できる
範囲の違いであるため、この分を考慮しなくても不都合
はない。そして、検査対象となる配管10に保温材がある
場合には、対比試験片50に同じ材質、厚さの保温材を施
し、その撮影方法も配管10の撮影条件と同じ条件として
較正定数Kを求めればよい。
【0036】さらに、減肉部が酸化スケールで覆われて
いる場合には、見掛けの減肉深さが真の減肉深さよりも
小さい値となる。このため、酸化スケールを鋼に換算し
た厚さの分だけ減肉深さを補正する必要がある。求める
真の減肉深さをY、見掛けの減肉深さをY1、酸化スケー
ルを鋼に換算した厚さをY2、酸化スケールの比重をρS
(1700〜2100kg/m3,平均的に 1900kg/m3)、鋼の比重を
ρFe(7800kg/m3 )とすると、 Y1 =Y−Y2 =Y−Y×(ρS /ρFe) =Y×(1−ρS /ρFe) =Y×(1/1.32) となり、真の減肉深さYは、見掛けの減肉深さY1を1.32
倍して得られるので、減肉部が酸化スケールで覆われて
いる場合の真の減肉率の値は、見掛けの減肉率を1.32倍
して得ることができる。従って、このような場合には、
減肉率の近似式(数6)により得られた値に1.32を乗ず
る補正を行うことが望ましい。
【0037】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、配
管の健全部および減肉部のフィルム濃度を測定し、これ
らのフィルム濃度を用いて予め実験で得られた減肉率の
近似式により配管の減肉深さを推定するので、配管の両
側端部の間に位置する中央部、すなわち、放射線発生装
置から照射された放射線が垂直に透過する部分のうちの
フィルム側の部分に生じた減肉部の減肉深さを定量的に
推定することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図。
【図2】前記実施例の鋼板試験片を用いた実験の状態を
示す構成図。
【図3】前記実施例の鋼板の減肉率とフィルム濃度差と
の関係を示すグラフ。
【図4】前記実施例の近似式の係数と板厚との関係を示
すグラフ。
【図5】前記実施例の近似式の別の係数と板厚との関係
を示すグラフ。
【図6】前記実施例の対比試験片を示す断面図。
【図7】本発明の確認実験の状態を示す構成図。
【図8】本発明の別の確認実験に使用した配管の状態を
示す説明図。
【図9】従来例を示す構成図。
【符号の説明】
10 配管 11,12,13 中央部 14,15 端部 20 放射線発生装置 30 フィルム 41,42 鋼板試験片 43〜47 人工減肉部 50 対比試験片 51 人工減肉部 60 自然欠陥により生じた減肉部 61,62 健全部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に深さの異なる人工減肉部が複数形
    成された一の鋼板試験片と、この一の鋼板試験片の表面
    側に重ねられ、かつ一の鋼板試験片と同じ厚さ寸法を有
    する他の鋼板試験片と、この他の鋼板試験片の表面側に
    対向配置された放射線発生装置と、前記一の鋼板試験片
    の裏面側に対向配置された放射線撮影用のフィルムとを
    準備するステップと、前記鋼板試験片の厚さ寸法が異な
    るものを複数組み準備して、これらの厚さ寸法の異なる
    鋼板試験片の組み毎に、この放射線発生装置から前記両
    鋼板試験片を透して前記フィルムに向けて放射線を照射
    し、撮影後の前記フィルムから前記一の鋼板試験片にお
    ける健全部および人工減肉部のフィルム濃度を測定する
    ステップと、前記一の鋼板試験片において、前記健全部
    のフィルム濃度をDとし、この健全部のフィルム濃度と
    前記人工減肉部のフィルム濃度との差をΔDとし、この
    ΔDをDで除したものであるフィルム濃度差をΔD/D
    とし、前記人工減肉部の深さ寸法を前記一の鋼板試験片
    の厚さ寸法であるTで除したものである一の鋼板試験片
    の減肉率をPPとし、係数をB,Cとして、前記ステッ
    プにおける測定結果を数1として定義するステップと、 【数1】ΔD/D(PP)=B×PP+C×PP 2 係数をB1〜B3,C1〜C3として、前記係数B,C
    を前記鋼板試験片の厚さ寸法Tの関数である数2,3と
    して定義するステップと、 【数2】B(T)=B1+B2×T+B3×T 2 【数3】C(T)=C1+C2×T+C3×T 2 前記数1〜3に基づいて、前記一の鋼板試験片の減肉率
    PPを、前記フィルム濃度差ΔD/Dおよび前記鋼板試
    験片の厚さ寸法Tを用いて数4として表すステップと、 【数4】PP(ΔD/D,T)=〔−B(T)+{B
    (T) 2 +4C(T)・ΔD/D} 1/2 〕/2C(T) 所定の外形寸法および厚さ寸法を有する配管であるとと
    もに、内側に所定深さ の減肉部が形成された対比試験片
    を準備して、この対比試験片を透して前記放射線発生装
    置から前記フィルムに向けて放射線を照射し、撮影後の
    フィルムから前記対比試験片における健全部および人工
    減肉部のフィルム濃度を測定した後に、この測定結果お
    よび前記所定の厚さ寸法を前記数4に代入して得られた
    前記対比試験片の減肉率P2と、この対比試験片の実際
    上の減肉率P1とに基づいて、較正定数Kを数5として
    定義するステップと、 【数5】K=P1/P2 この較正定数Kを用いて、前記配管の減肉率Pと、前記
    一の鋼板試験片の減肉率PPとの関係を数6として表す
    ステップとを実際の測定に先立って行った後に、 【数6】P(ΔD/D,T)=PP(ΔD/D,T)×K 検査対象となる配管の外側に放射線発生装置および放射
    線撮影用のフィルムを取り付け、この放射線発生装置か
    ら前記配管を透して前記フィルムに向けて放射線を照射
    し、撮影後の前記フィルムから前記配管の健全部および
    減肉部のフィルム濃度を測定し、これらのフィルム濃度
    差ΔD/Dおよびこの配管の厚さ寸法Tを用いて、予め
    取得しておいた前記数6に基づいて、前記放射線発生装
    置から照射された放射線が垂直に透過する配管壁のう
    ち、前記フィルム側の配管壁における減肉部の減肉深さ
    を推定することを特徴とする配管の減肉深さの推定方
    法。
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