JP3272431B2 - 多層ブロー成形方法及びその装置並びにこの方法で得られた中空成形品 - Google Patents
多層ブロー成形方法及びその装置並びにこの方法で得られた中空成形品Info
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- JP3272431B2 JP3272431B2 JP34377592A JP34377592A JP3272431B2 JP 3272431 B2 JP3272431 B2 JP 3272431B2 JP 34377592 A JP34377592 A JP 34377592A JP 34377592 A JP34377592 A JP 34377592A JP 3272431 B2 JP3272431 B2 JP 3272431B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、新規な多層ブロー成
形方法及びこの方法を実施するための装置並びにこの方
法で得られた中空成形品に関する。より詳細には、肉厚
方向に少なくとも2層以上の多層構造を有すると共に、
この多層構造を構成する何れかの層においてその周壁に
沿って少なくとも2種以上の互いに異なる樹脂領域を有
する中空成形品を成形するための多層ブロー成形方法で
あり、また、この方法を実施するために使用する多層ブ
ロー成形装置であり、更に、この方法によって成形され
る中空成形品に関する。
形方法及びこの方法を実施するための装置並びにこの方
法で得られた中空成形品に関する。より詳細には、肉厚
方向に少なくとも2層以上の多層構造を有すると共に、
この多層構造を構成する何れかの層においてその周壁に
沿って少なくとも2種以上の互いに異なる樹脂領域を有
する中空成形品を成形するための多層ブロー成形方法で
あり、また、この方法を実施するために使用する多層ブ
ロー成形装置であり、更に、この方法によって成形され
る中空成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ブロー成形によって複数の種
類の熱可塑性樹脂からなる複数の層を有する中空成形品
を製造するための方法や装置あるいは得られた中空成形
品に関して種々の提案がされており、具体的には形成さ
れる多層パリソンの形態から次のようなものが挙げられ
る。すなわち、特公昭52−37,026号公報、特公
昭57−53,175号公報等には、例えば図41に示
すように、横断面形状において樹脂種A、Bによりそれ
ぞれ同心円状に形成された樹脂層1、2を有し、しか
も、これら各樹脂層1、2の肉厚比がその全体、すなわ
ち、長手方向(押出時の吐出方向)及び円周方向に亘っ
て均一であるような形状の多層パリソンPが開示されて
おり、この様な多層パリソンPを用いて多層ブロー成形
を行うことにより、自動車のガソリンタンク、一般家庭
で消費されるマヨネーズやケチャップの容器等をブロー
成形することが実際に行われている。
類の熱可塑性樹脂からなる複数の層を有する中空成形品
を製造するための方法や装置あるいは得られた中空成形
品に関して種々の提案がされており、具体的には形成さ
れる多層パリソンの形態から次のようなものが挙げられ
る。すなわち、特公昭52−37,026号公報、特公
昭57−53,175号公報等には、例えば図41に示
すように、横断面形状において樹脂種A、Bによりそれ
ぞれ同心円状に形成された樹脂層1、2を有し、しか
も、これら各樹脂層1、2の肉厚比がその全体、すなわ
ち、長手方向(押出時の吐出方向)及び円周方向に亘っ
て均一であるような形状の多層パリソンPが開示されて
おり、この様な多層パリソンPを用いて多層ブロー成形
を行うことにより、自動車のガソリンタンク、一般家庭
で消費されるマヨネーズやケチャップの容器等をブロー
成形することが実際に行われている。
【0003】また、特開昭62−138,227号公
報、特開平2−113,908号公報等には、重点多層
ブロー方式と呼ばれているもので、例えば図42に示す
ように、上記図41の場合と同様に樹脂種A、Cにより
それぞれ同心円状に形成された樹脂層1、2を有し、こ
れら各樹脂層1、2の間にはパリソン長手方向の所定の
領域に他の樹脂種Bによる樹脂層3が設けられている多
層パリソンPが開示されており、この様な多層パリソン
Pをブロー成形して主として自動車のガソリンタンクを
成形することが記載されている。
報、特開平2−113,908号公報等には、重点多層
ブロー方式と呼ばれているもので、例えば図42に示す
ように、上記図41の場合と同様に樹脂種A、Cにより
それぞれ同心円状に形成された樹脂層1、2を有し、こ
れら各樹脂層1、2の間にはパリソン長手方向の所定の
領域に他の樹脂種Bによる樹脂層3が設けられている多
層パリソンPが開示されており、この様な多層パリソン
Pをブロー成形して主として自動車のガソリンタンクを
成形することが記載されている。
【0004】更に、実開昭63−101,512号公
報、実開昭63−106,984号公報には、コネクシ
ョン・ブロー方式と呼ばれるもので、例えば図43に示
すように、上記図41の場合と同様に樹脂種A、Bによ
りそれぞれ同心円状に形成された樹脂層1、2を有する
ものであって、これら樹脂層1、2の肉厚比がパリソン
長手方向に沿って変化している多層パリソンPが開示さ
れており、この様な多層パリソンPをブロー成形して主
として自動車のエンジンルーム内に配設される吸気系ダ
クト類を成形したことが記載されている。そして、この
図43では、パリソンの上下両端部で樹脂層1の肉厚が
樹脂層2の肉厚より厚くなっており、また、中央部分で
樹脂層2の肉厚が樹脂層1の肉厚より厚くなっている多
層パリソンの例が示されているが、樹脂層の肉厚比の変
化のパターンは、勿論これに限定されているものではな
い。
報、実開昭63−106,984号公報には、コネクシ
ョン・ブロー方式と呼ばれるもので、例えば図43に示
すように、上記図41の場合と同様に樹脂種A、Bによ
りそれぞれ同心円状に形成された樹脂層1、2を有する
ものであって、これら樹脂層1、2の肉厚比がパリソン
長手方向に沿って変化している多層パリソンPが開示さ
れており、この様な多層パリソンPをブロー成形して主
として自動車のエンジンルーム内に配設される吸気系ダ
クト類を成形したことが記載されている。そして、この
図43では、パリソンの上下両端部で樹脂層1の肉厚が
樹脂層2の肉厚より厚くなっており、また、中央部分で
樹脂層2の肉厚が樹脂層1の肉厚より厚くなっている多
層パリソンの例が示されているが、樹脂層の肉厚比の変
化のパターンは、勿論これに限定されているものではな
い。
【0005】また、特公平2−15,373号公報等に
はエクスチェンジ・ブロー方式と呼ばれるブロー成形法
が記載されており、上記図43の場合と同様に、主とし
て自動車のエンジンルーム内に配設される吸気系ダクト
類の成形を目的に、例えば図44に示すように、パリソ
ン長手方向においてその一端から順次樹脂種A、樹脂種
B及び樹脂種Aと変化させて形成した多層パリソンPが
開示されている。更にまた、本願発明の発明者のうちの
一人の発明に係る実開平3−57,020号公報には、
パリソンをその横断面中央部で長手方向に沿って縦割り
した片側半分を2種類の樹脂が積層された2層構造と
し、残りの半分を1種類の樹脂で構成された単層構造と
し、これらの層構成をパリソン長手方向全長に亘って同
じにしている多層パリソンが開示されており、各種物品
を入れて運搬するためのコンテナを成形するのに好都合
である旨が記載されている。
はエクスチェンジ・ブロー方式と呼ばれるブロー成形法
が記載されており、上記図43の場合と同様に、主とし
て自動車のエンジンルーム内に配設される吸気系ダクト
類の成形を目的に、例えば図44に示すように、パリソ
ン長手方向においてその一端から順次樹脂種A、樹脂種
B及び樹脂種Aと変化させて形成した多層パリソンPが
開示されている。更にまた、本願発明の発明者のうちの
一人の発明に係る実開平3−57,020号公報には、
パリソンをその横断面中央部で長手方向に沿って縦割り
した片側半分を2種類の樹脂が積層された2層構造と
し、残りの半分を1種類の樹脂で構成された単層構造と
し、これらの層構成をパリソン長手方向全長に亘って同
じにしている多層パリソンが開示されており、各種物品
を入れて運搬するためのコンテナを成形するのに好都合
である旨が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな層構成のパリソンでは、後述するように、ダイヘッ
ドから出たとたんに単層側に縮れて皺皺になり、図29
に示すように、とても成形に値するパリソンにはなり得
ない。また、この方法は、7個の部分に分割された金型
を使用するブロー成形であって極めて特異な方法であ
り、また、その成形品についても深絞り二重壁構造を有
する非常に特殊なものに限られており、他の形状のもの
をブロー成形する場合に応用できないという問題があ
る。しかも、この実開平3−57,020号公報には、
実際にこの様な多層パリソンを形成するための具体的な
方法やメカニズムは何ら示されていない。
うな層構成のパリソンでは、後述するように、ダイヘッ
ドから出たとたんに単層側に縮れて皺皺になり、図29
に示すように、とても成形に値するパリソンにはなり得
ない。また、この方法は、7個の部分に分割された金型
を使用するブロー成形であって極めて特異な方法であ
り、また、その成形品についても深絞り二重壁構造を有
する非常に特殊なものに限られており、他の形状のもの
をブロー成形する場合に応用できないという問題があ
る。しかも、この実開平3−57,020号公報には、
実際にこの様な多層パリソンを形成するための具体的な
方法やメカニズムは何ら示されていない。
【0007】ところで、ブロー成形により得られた中空
成形品の物性は、主としてそこで使用されている熱可塑
性樹脂の性質に依存している。このため、成形品の用途
や使用場所等に応じて、この成形品がその部分部分の各
領域で異なる物性を有し、その各領域に要求される物性
を満足することは、成形品の品質を向上させるうえで極
めて重要なことである。
成形品の物性は、主としてそこで使用されている熱可塑
性樹脂の性質に依存している。このため、成形品の用途
や使用場所等に応じて、この成形品がその部分部分の各
領域で異なる物性を有し、その各領域に要求される物性
を満足することは、成形品の品質を向上させるうえで極
めて重要なことである。
【0008】例えば、自動車用バンパーの場合には、そ
のフェイシャ部では見た目に綺麗であることが要求さ
れ、また、そのビーム部では衝突等による衝撃に耐え得
る強度が要求される。また、椅子の座部や背もたれ部の
場合には、その表面側の部分は、人が直接接触する部分
であるから、弾力性に富むと共にソフト感のある肌触り
を有し、しかも、滑り難い材質であることが要求され、
また、それらの裏面側の部分については、椅子の脚等の
骨組みに固定されて座る人の体重を支えるものであるか
ら、優れた強度や剛性を有することが必須である。
のフェイシャ部では見た目に綺麗であることが要求さ
れ、また、そのビーム部では衝突等による衝撃に耐え得
る強度が要求される。また、椅子の座部や背もたれ部の
場合には、その表面側の部分は、人が直接接触する部分
であるから、弾力性に富むと共にソフト感のある肌触り
を有し、しかも、滑り難い材質であることが要求され、
また、それらの裏面側の部分については、椅子の脚等の
骨組みに固定されて座る人の体重を支えるものであるか
ら、優れた強度や剛性を有することが必須である。
【0009】更に、ボイラー室のドアのような場合に
は、その表面側は外部に露出するものであるから外観に
優れていることが要求され、その裏面側は高温の水蒸気
や湯気が充満し、油滴等も浮遊しているような雰囲気を
遮蔽するものであるから、耐熱性、耐熱水性、耐油性等
が要求され、更に、その上下端面の部分については、そ
れらが敷居や鴨居に取り付けられたレール上と接触しな
がら開閉されるものであるから、優れた耐摩擦性、耐熱
性等が要求される。このため、これらの成形品において
は、それぞれその部分部分が有する役割やその部分部分
に要求される物性に応じて、これらを満足するのに適し
た樹脂を選択し、全体を一体的に成形するのが望まし
い。
は、その表面側は外部に露出するものであるから外観に
優れていることが要求され、その裏面側は高温の水蒸気
や湯気が充満し、油滴等も浮遊しているような雰囲気を
遮蔽するものであるから、耐熱性、耐熱水性、耐油性等
が要求され、更に、その上下端面の部分については、そ
れらが敷居や鴨居に取り付けられたレール上と接触しな
がら開閉されるものであるから、優れた耐摩擦性、耐熱
性等が要求される。このため、これらの成形品において
は、それぞれその部分部分が有する役割やその部分部分
に要求される物性に応じて、これらを満足するのに適し
た樹脂を選択し、全体を一体的に成形するのが望まし
い。
【0010】そして、この様な成形品をブロー成形で製
造する場合には、多層パリソンに関して、単にその肉厚
方向に多層化するだけでは対応することができず、どう
してもパリソン円周方向において樹脂種の異なる複数の
区画領域を形成することが必須になり、また、パリソン
肉厚方向での多層化とパリソン円周方向での異種樹脂に
よる区画化が必要になる。しかしながら、上述した従来
の多層ブロー成形方法では、パリソン肉厚方向での多層
化は可能であっても、パリソン円周方向での異種樹脂に
よる区画化が不可能であり、中空成形品の部分部分が有
する役割に応じて要求される物性を備えた複数の樹脂を
使用し、これらの成形品を成形することはできなかっ
た。
造する場合には、多層パリソンに関して、単にその肉厚
方向に多層化するだけでは対応することができず、どう
してもパリソン円周方向において樹脂種の異なる複数の
区画領域を形成することが必須になり、また、パリソン
肉厚方向での多層化とパリソン円周方向での異種樹脂に
よる区画化が必要になる。しかしながら、上述した従来
の多層ブロー成形方法では、パリソン肉厚方向での多層
化は可能であっても、パリソン円周方向での異種樹脂に
よる区画化が不可能であり、中空成形品の部分部分が有
する役割に応じて要求される物性を備えた複数の樹脂を
使用し、これらの成形品を成形することはできなかっ
た。
【0011】このため、従来においては、例えば自動車
用バンパーについてみれば、そのフェイシャ部とビーム
部とを別々の部品として別々に製造する以外に方法がな
く、これらを単一部品として一体に製造し、コストダウ
ン等を図ることができないという問題があった。また、
椅子の座部や背もたれ部についてみても、その表面側の
部分と裏面側の部分とを別個に成形し、後でこれらを組
み合わせて製造する以外になく、単一工程で一体に製造
できないので製造コストが嵩み、また、強度的にも問題
があった。
用バンパーについてみれば、そのフェイシャ部とビーム
部とを別々の部品として別々に製造する以外に方法がな
く、これらを単一部品として一体に製造し、コストダウ
ン等を図ることができないという問題があった。また、
椅子の座部や背もたれ部についてみても、その表面側の
部分と裏面側の部分とを別個に成形し、後でこれらを組
み合わせて製造する以外になく、単一工程で一体に製造
できないので製造コストが嵩み、また、強度的にも問題
があった。
【0012】従って、本発明の目的は、成形品横断面周
壁に沿ってその樹脂種、層数及び層厚の何れか1以上に
関して互いに異なる区画領域を有し、形成された区画領
域の中で最小幅のものが何れか1つの樹脂層において成
形品横断面周壁にその全周の1/8以上の幅を有して成
形品縦断面壁に沿って延びる樹脂種の異なる区画領域で
あり、上記各区画領域は中空成形品が有すべき各領域の
各々の役割に対応しているような多層ブロー成形品を製
造するための方法、装置及びそのような中空成形品を提
供することにある。
壁に沿ってその樹脂種、層数及び層厚の何れか1以上に
関して互いに異なる区画領域を有し、形成された区画領
域の中で最小幅のものが何れか1つの樹脂層において成
形品横断面周壁にその全周の1/8以上の幅を有して成
形品縦断面壁に沿って延びる樹脂種の異なる区画領域で
あり、上記各区画領域は中空成形品が有すべき各領域の
各々の役割に対応しているような多層ブロー成形品を製
造するための方法、装置及びそのような中空成形品を提
供することにある。
【0013】更に、本発明の他の目的は、成形品横断面
周壁に沿ってその樹脂種、層数及び層厚の何れか1以上
に関して互いに異なる区画領域を有すると共に、各樹脂
層において区画された各区画領域の区画幅が成形品縦断
面壁に沿って変化しており、上記各区画領域は中空成形
品が有すべき各領域の各々の役割に対応している多層ブ
ロー成形品を製造するための方法、装置及びそのような
中空成形品を提供することにある。
周壁に沿ってその樹脂種、層数及び層厚の何れか1以上
に関して互いに異なる区画領域を有すると共に、各樹脂
層において区画された各区画領域の区画幅が成形品縦断
面壁に沿って変化しており、上記各区画領域は中空成形
品が有すべき各領域の各々の役割に対応している多層ブ
ロー成形品を製造するための方法、装置及びそのような
中空成形品を提供することにある。
【0014】更にまた、本発明の他の目的は、例えば自
動車用バンパー、椅子の座部や背もたれ部、ボイラー室
のドア等の中空成形品において、それらが樹脂種の異な
る複数の区画領域を有し、その各区画領域が製品として
の中空成形品が有すべき各領域の各々の役割に対応して
いる多層ブロー成形品を提供することにある。
動車用バンパー、椅子の座部や背もたれ部、ボイラー室
のドア等の中空成形品において、それらが樹脂種の異な
る複数の区画領域を有し、その各区画領域が製品として
の中空成形品が有すべき各領域の各々の役割に対応して
いる多層ブロー成形品を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、第一に、本発
明は、ダイヘッドから複数の熱可塑性樹脂を円筒状に押
し出してその全周に亘って複層であり、かつ、その全体
の肉厚が実質的に均一である複層パリソンを形成し、こ
の押し出された複層パリソンを複数に分割されてパリソ
ン受入可能な開放状態の金型内に導き、この金型を型締
めしてブロー成形を行うに際し、上記複層パリソンにつ
いて、パリソン円周方向に沿ってその樹脂種、層数及び
層厚の何れか1以上に関して互いに異なる区画領域を形
成すると共に、形成された区画領域の中で最小幅のもの
が何れか1つの樹脂層においてパリソン円周方向に45
°以上の角度の区画幅を有してパリソン長手方向に延び
る樹脂種の異なる区画領域であることに特徴を有する多
層ブロー成形方法である。
明は、ダイヘッドから複数の熱可塑性樹脂を円筒状に押
し出してその全周に亘って複層であり、かつ、その全体
の肉厚が実質的に均一である複層パリソンを形成し、こ
の押し出された複層パリソンを複数に分割されてパリソ
ン受入可能な開放状態の金型内に導き、この金型を型締
めしてブロー成形を行うに際し、上記複層パリソンにつ
いて、パリソン円周方向に沿ってその樹脂種、層数及び
層厚の何れか1以上に関して互いに異なる区画領域を形
成すると共に、形成された区画領域の中で最小幅のもの
が何れか1つの樹脂層においてパリソン円周方向に45
°以上の角度の区画幅を有してパリソン長手方向に延び
る樹脂種の異なる区画領域であることに特徴を有する多
層ブロー成形方法である。
【0016】そして、この方法において、複層パリソン
の最外層が樹脂種の異なる区画領域を第一義的に画定す
る層になっており、また、金型が上記樹脂種の異なる区
画領域に対応して複数の金型構成体に分割されており、
これら金型構成体を型締めしてブロー成形を行うに際
し、これら各金型構成体の突き合わせ部分により上記樹
脂種の異なる区画領域の境界部分を切除して成形品角部
の稜線に沿って樹脂種の異なる区画領域の境界線を一致
させることにより、樹脂種の異なる区画領域の境界線が
成形品角部の稜線から外れて美観を損なうのを確実に防
止することができる。
の最外層が樹脂種の異なる区画領域を第一義的に画定す
る層になっており、また、金型が上記樹脂種の異なる区
画領域に対応して複数の金型構成体に分割されており、
これら金型構成体を型締めしてブロー成形を行うに際
し、これら各金型構成体の突き合わせ部分により上記樹
脂種の異なる区画領域の境界部分を切除して成形品角部
の稜線に沿って樹脂種の異なる区画領域の境界線を一致
させることにより、樹脂種の異なる区画領域の境界線が
成形品角部の稜線から外れて美観を損なうのを確実に防
止することができる。
【0017】そして、この第一の方法を実施するための
多層ブロー成形装置については、ダイヘッドから複数の
熱可塑性樹脂を円筒状に押し出してその全周に亘って複
層でありかつその全体の肉厚が実質的に均一である複層
パリソンを形成し、この押し出された複層パリソンを複
数に分割されてパリソン受入可能な開放状態の金型内に
導き、この金型を型締めしてブロー成形を行う装置であ
り、上記ダイヘッドが、押出装置から押し出される複数
の溶融樹脂を同心円環状の流路に展開するマルチトーラ
ス部と、複層パリソンを構成する各樹脂層についてその
パリソン円周方向に沿って互いに樹脂種の異なる区画領
域を形成するための流路を構成するロタスルート部と、
上記マルチトーラス部とロタスルート部との間を接続す
る流路を形成するオクトパス部と、上記ロタスルート部
の下方に位置して複層パリソンを吐出するノズル部とで
構成され、複層パリソン押出時に使用される樹脂種の数
をm(但し、8≧m≧2の整数)とし、押し出された複
層パリソンの層数をn(但し、n≧2の整数)とし、及
び、上記複層パリソンについてその樹脂種、層数及び層
厚の何れか1以上に関してパリソン円周方向に沿って形
成される区画領域の数をp(但し、p≧2の整数)とし
たとき、上記マルチトーラス部がm個の流入口から流入
した溶融樹脂をm重の同心円環状に展開する流路を有
し、上記ロタスルート部が各溶融樹脂を予め設定された
m種n層p区画のパターンに分配する流路を有し、か
つ、上記オクトパス部がマルチトーラス部でm重の同心
円環状流路に展開した溶融樹脂をその樹脂種に応じてロ
タスルート部により区画されたm種n層p区画のパター
ン流路に方向付けして導く流路を有するような装置とし
て構成することができる。
多層ブロー成形装置については、ダイヘッドから複数の
熱可塑性樹脂を円筒状に押し出してその全周に亘って複
層でありかつその全体の肉厚が実質的に均一である複層
パリソンを形成し、この押し出された複層パリソンを複
数に分割されてパリソン受入可能な開放状態の金型内に
導き、この金型を型締めしてブロー成形を行う装置であ
り、上記ダイヘッドが、押出装置から押し出される複数
の溶融樹脂を同心円環状の流路に展開するマルチトーラ
ス部と、複層パリソンを構成する各樹脂層についてその
パリソン円周方向に沿って互いに樹脂種の異なる区画領
域を形成するための流路を構成するロタスルート部と、
上記マルチトーラス部とロタスルート部との間を接続す
る流路を形成するオクトパス部と、上記ロタスルート部
の下方に位置して複層パリソンを吐出するノズル部とで
構成され、複層パリソン押出時に使用される樹脂種の数
をm(但し、8≧m≧2の整数)とし、押し出された複
層パリソンの層数をn(但し、n≧2の整数)とし、及
び、上記複層パリソンについてその樹脂種、層数及び層
厚の何れか1以上に関してパリソン円周方向に沿って形
成される区画領域の数をp(但し、p≧2の整数)とし
たとき、上記マルチトーラス部がm個の流入口から流入
した溶融樹脂をm重の同心円環状に展開する流路を有
し、上記ロタスルート部が各溶融樹脂を予め設定された
m種n層p区画のパターンに分配する流路を有し、か
つ、上記オクトパス部がマルチトーラス部でm重の同心
円環状流路に展開した溶融樹脂をその樹脂種に応じてロ
タスルート部により区画されたm種n層p区画のパター
ン流路に方向付けして導く流路を有するような装置とし
て構成することができる。
【0018】そして、この多層ブロー成形装置におい
て、上記ダイヘッドを構成するマルチトーラス部、ロタ
スルート部、オクトパス部及びノズル部をそれぞれ独立
した部品で構成し、これら各部品を容易に分解・組立可
能にし、これによってロタスルート部について種々の形
状のものを選択し、また、マルチトーラス部に供給され
る溶融樹脂の樹脂種とその数を適宜選択することによ
り、樹脂種の数m、層数n及び区画数pについて種々の
層構成を有する複層パリソンを形成し、これを用いて種
々の中空成形品に対して要求されるニーズに適切に対応
することができる。
て、上記ダイヘッドを構成するマルチトーラス部、ロタ
スルート部、オクトパス部及びノズル部をそれぞれ独立
した部品で構成し、これら各部品を容易に分解・組立可
能にし、これによってロタスルート部について種々の形
状のものを選択し、また、マルチトーラス部に供給され
る溶融樹脂の樹脂種とその数を適宜選択することによ
り、樹脂種の数m、層数n及び区画数pについて種々の
層構成を有する複層パリソンを形成し、これを用いて種
々の中空成形品に対して要求されるニーズに適切に対応
することができる。
【0019】また、この多層ブロー成形装置において、
そのm種n層(但し、この場合はn≧3以上の整数)p
区画の複層パリソンを吐出するためのダイヘッドを用い
てm’種n’層p’区画(但し、m’、n’及びp’は
何れも2以上であって、m≧m’、n>n’及びp≧
p’の条件を満たす整数)の複層パリソンを形成する場
合に使用するロタスルート部について、そのn層分ある
パターン流路の外側からn−n’層分の流路下端開口を
閉塞するための着脱可能なブラインドリングを用意する
ことにより、同じマルチトーラス部、ロタスルート部、
オクトパス部及びノズル部を備えたダイヘッドを用いて
より少ない層数の複層パリソンを形成することができ、
多目的用途の多層ブロー成形装置を構成することができ
る。
そのm種n層(但し、この場合はn≧3以上の整数)p
区画の複層パリソンを吐出するためのダイヘッドを用い
てm’種n’層p’区画(但し、m’、n’及びp’は
何れも2以上であって、m≧m’、n>n’及びp≧
p’の条件を満たす整数)の複層パリソンを形成する場
合に使用するロタスルート部について、そのn層分ある
パターン流路の外側からn−n’層分の流路下端開口を
閉塞するための着脱可能なブラインドリングを用意する
ことにより、同じマルチトーラス部、ロタスルート部、
オクトパス部及びノズル部を備えたダイヘッドを用いて
より少ない層数の複層パリソンを形成することができ、
多目的用途の多層ブロー成形装置を構成することができ
る。
【0020】従って、このように構成された多層ブロー
成形装置によれば、それぞれ別個に加熱溶融された複数
の熱可塑性合成樹脂をダイヘッド部分の中で合流させ、
ダイヘッド先端に位置するノズル部の通常円形又は楕円
形あるいは円弧と直線の組み合わせ等の円を変形した形
を有するスリットを通して、樹脂種の数m、層数n及び
パリソン円周方向区画数pの種々のパターンを有する複
層パリソンを押し出し、この複層パリソンから中空成形
品が樹脂種の異なる複数の区画領域を有し、これら各区
画領域を構成する樹脂が中空成形品においてその各領域
が担う役割に応じた物性を発揮するような種々の多層ブ
ロー成形品を生産することができる。
成形装置によれば、それぞれ別個に加熱溶融された複数
の熱可塑性合成樹脂をダイヘッド部分の中で合流させ、
ダイヘッド先端に位置するノズル部の通常円形又は楕円
形あるいは円弧と直線の組み合わせ等の円を変形した形
を有するスリットを通して、樹脂種の数m、層数n及び
パリソン円周方向区画数pの種々のパターンを有する複
層パリソンを押し出し、この複層パリソンから中空成形
品が樹脂種の異なる複数の区画領域を有し、これら各区
画領域を構成する樹脂が中空成形品においてその各領域
が担う役割に応じた物性を発揮するような種々の多層ブ
ロー成形品を生産することができる。
【0021】すなわち、この様な第一の方法及び装置に
よって成形される多層ブロー成形品は、ダイヘッドから
複数の熱可塑性樹脂を円筒状に押し出してその全周に亘
って複層でありかつその全体の肉厚が実質的に均一であ
る複層パリソンを形成し、この複層パリソンをブロー成
形して形成される中空成形品であり、この中空成形品に
ついては、成形品横断面周壁に沿ってその樹脂種、層数
及び層厚の何れか1以上に関して互いに異なる区画領域
を有すると共に、形成された区画領域の中で最小幅のも
のが何れか1つの樹脂層において成形品横断面周壁にそ
の全周の少なくとも1/8以上の幅を有して成形品縦断
面壁に沿って延びる樹脂種の異なる区画領域であり、上
記各区画領域は中空成形品が有すべき各領域の各々の役
割に対応した構造となっている。
よって成形される多層ブロー成形品は、ダイヘッドから
複数の熱可塑性樹脂を円筒状に押し出してその全周に亘
って複層でありかつその全体の肉厚が実質的に均一であ
る複層パリソンを形成し、この複層パリソンをブロー成
形して形成される中空成形品であり、この中空成形品に
ついては、成形品横断面周壁に沿ってその樹脂種、層数
及び層厚の何れか1以上に関して互いに異なる区画領域
を有すると共に、形成された区画領域の中で最小幅のも
のが何れか1つの樹脂層において成形品横断面周壁にそ
の全周の少なくとも1/8以上の幅を有して成形品縦断
面壁に沿って延びる樹脂種の異なる区画領域であり、上
記各区画領域は中空成形品が有すべき各領域の各々の役
割に対応した構造となっている。
【0022】このため、この方法及び装置で成形される
多層ブロー成形品については、例えば自動車用バンパー
があり、その外表面に相当するフェイシャ部については
外観が綺麗であるという物性を付与するために、例えば
ABS樹脂等の樹脂を選択し、また、その内部に相当す
るビーム部については衝突等の衝撃に耐え得る強度を有
し、かつ、なるべく安価であるという性質を併せ付与す
るために、例えばPP−GF樹脂等の樹脂を選択するの
がよい。また、他の例としては、例えばボイラー室のド
アのようなものについては、その表面側は外観に優れて
いるABS樹脂等の樹脂を選択し、また、その裏面側は
耐熱性、耐油性、耐熱水性等に優れているPPS−GF
樹脂等の樹脂を選択し、更に、その上下端面の部分につ
いては耐摩擦性、耐熱性等に優れているPOM樹脂等の
樹脂を選択するのがよい。
多層ブロー成形品については、例えば自動車用バンパー
があり、その外表面に相当するフェイシャ部については
外観が綺麗であるという物性を付与するために、例えば
ABS樹脂等の樹脂を選択し、また、その内部に相当す
るビーム部については衝突等の衝撃に耐え得る強度を有
し、かつ、なるべく安価であるという性質を併せ付与す
るために、例えばPP−GF樹脂等の樹脂を選択するの
がよい。また、他の例としては、例えばボイラー室のド
アのようなものについては、その表面側は外観に優れて
いるABS樹脂等の樹脂を選択し、また、その裏面側は
耐熱性、耐油性、耐熱水性等に優れているPPS−GF
樹脂等の樹脂を選択し、更に、その上下端面の部分につ
いては耐摩擦性、耐熱性等に優れているPOM樹脂等の
樹脂を選択するのがよい。
【0023】また、第二に、本発明は、ダイヘッドから
m種(但し、m≧2の整数)の熱可塑性樹脂を円筒状に
押し出して複層パリソンを形成し、この押し出された複
層パリソンを複数に分割されてパリソン受入可能な開放
状態の金型内に導き、この金型を型締めしてブロー成形
を行うに際し、パリソン円周方向に所定の角度の区画幅
を有してパリソン長手方向に延びる樹脂種の異なるp区
画(但し、p≧2の整数)の区画領域を有し、かつ、こ
れら各区画領域の層数がn(但し、nは1以上の整数で
あり、何れか1以上の区画領域の層数が2以上である)
である複層パリソンを形成し、各区画領域の層数をそれ
ぞれ第1区画がn1 、第2区画がn2 、……、第p区画
がnp とし、また、その中の最大層数を第k区画のnk
層(1≦k≦p)としたとき、ダイヘッド内にはこの最
大層数nk に対応した数の溶融樹脂の流路を形成し、上
記第k区画以外の区画領域においてはその区画領域を形
成する樹脂の何れかを複数の流路に流して最大層数nk
に対応した数の流路全体に溶融樹脂を流し、各区画領域
での層数nの差に関係なく全体の肉厚が実質的に均一で
ある複層パリソンを形成することにその特徴を有する多
層ブロー成形方法である。
m種(但し、m≧2の整数)の熱可塑性樹脂を円筒状に
押し出して複層パリソンを形成し、この押し出された複
層パリソンを複数に分割されてパリソン受入可能な開放
状態の金型内に導き、この金型を型締めしてブロー成形
を行うに際し、パリソン円周方向に所定の角度の区画幅
を有してパリソン長手方向に延びる樹脂種の異なるp区
画(但し、p≧2の整数)の区画領域を有し、かつ、こ
れら各区画領域の層数がn(但し、nは1以上の整数で
あり、何れか1以上の区画領域の層数が2以上である)
である複層パリソンを形成し、各区画領域の層数をそれ
ぞれ第1区画がn1 、第2区画がn2 、……、第p区画
がnp とし、また、その中の最大層数を第k区画のnk
層(1≦k≦p)としたとき、ダイヘッド内にはこの最
大層数nk に対応した数の溶融樹脂の流路を形成し、上
記第k区画以外の区画領域においてはその区画領域を形
成する樹脂の何れかを複数の流路に流して最大層数nk
に対応した数の流路全体に溶融樹脂を流し、各区画領域
での層数nの差に関係なく全体の肉厚が実質的に均一で
ある複層パリソンを形成することにその特徴を有する多
層ブロー成形方法である。
【0024】この多層ブロー成形方法において、本発明
者らの実験によれば、例えば実開平3−57,020号
公報に開示されているような区画幅180°を有して互
いに等しい2つの区画領域(区画数p=2)を有し、そ
の一方の区画領域が複数の樹脂層からなる複層区画領域
であり、かつ、他方の区画領域が単一の樹脂層からなる
単層区画領域である複層パリソンを形成して多層ブロー
成形するような場合においては、一般に複層区画領域側
を流れる溶融樹脂の樹脂流量が単層区画領域側を流れる
溶融樹脂の樹脂流量よりも多くなり、これによって形成
される多層パリソンが樹脂流量の少ない側に縮れて皺皺
になって湾曲し、成形できなくなるような事態が発生し
易いが、かかる場合には、単層区画領域においても複層
区画領域と同数の流路に同じ溶融樹脂を流し、見かけ上
単層ではあるが実際は同一樹脂による複層になるように
して、形成される複層パリソンの全体の肉厚を実質的に
均一にすることにより、複層区画領域と見かけ上単層区
画領域とを流れる溶融樹脂の樹脂流量のバランスを保つ
ことができ、これによって上記事態の発生を未然に防止
することができる。
者らの実験によれば、例えば実開平3−57,020号
公報に開示されているような区画幅180°を有して互
いに等しい2つの区画領域(区画数p=2)を有し、そ
の一方の区画領域が複数の樹脂層からなる複層区画領域
であり、かつ、他方の区画領域が単一の樹脂層からなる
単層区画領域である複層パリソンを形成して多層ブロー
成形するような場合においては、一般に複層区画領域側
を流れる溶融樹脂の樹脂流量が単層区画領域側を流れる
溶融樹脂の樹脂流量よりも多くなり、これによって形成
される多層パリソンが樹脂流量の少ない側に縮れて皺皺
になって湾曲し、成形できなくなるような事態が発生し
易いが、かかる場合には、単層区画領域においても複層
区画領域と同数の流路に同じ溶融樹脂を流し、見かけ上
単層ではあるが実際は同一樹脂による複層になるように
して、形成される複層パリソンの全体の肉厚を実質的に
均一にすることにより、複層区画領域と見かけ上単層区
画領域とを流れる溶融樹脂の樹脂流量のバランスを保つ
ことができ、これによって上記事態の発生を未然に防止
することができる。
【0025】本発明者らの実験によれば、複層区画領域
側に流れる溶融樹脂の合計流量を見かけ上単層区画領域
側に流れる溶融樹脂の流量の0.7〜1.3重量倍の範
囲、好ましくは0.8〜1.2重量倍の範囲、より好ま
しくは0.9〜1.1重量倍の範囲に調整するのがよ
く、この様に溶融樹脂の樹脂流量を調整することによ
り、形成される複層パリソンにおいて、その各区画領域
での層数nの差に関係なく全体の肉厚を実質的に均一に
することができる。
側に流れる溶融樹脂の合計流量を見かけ上単層区画領域
側に流れる溶融樹脂の流量の0.7〜1.3重量倍の範
囲、好ましくは0.8〜1.2重量倍の範囲、より好ま
しくは0.9〜1.1重量倍の範囲に調整するのがよ
く、この様に溶融樹脂の樹脂流量を調整することによ
り、形成される複層パリソンにおいて、その各区画領域
での層数nの差に関係なく全体の肉厚を実質的に均一に
することができる。
【0026】そして、この第二の方法を実施するための
多層ブロー成形装置については、ダイヘッドから複数の
熱可塑性樹脂を円筒状に押し出してその全体の肉厚が実
質的に均一である複層パリソンを形成し、この押し出さ
れた複層パリソンを複数に分割されてパリソン受入可能
な開放状態の金型内に導き、この金型を型締めしてブロ
ー成形を行う装置であり、複層パリソン押出時に使用さ
れる樹脂種の数をm(但し、8≧m≧2の整数)とし、
押し出された複層パリソンの層数をn(但し、nは1以
上の整数であり、何れか1以上の区画領域の層数が2以
上である)とし、及び、上記複層パリソンについてその
樹脂種、層数及び層厚の何れか1以上に関してパリソン
円周方向に沿って形成される区画領域の数をp(但し、
p≧2の整数)としたとき、上記ダイヘッドが層数nに
対応した数の円筒状の流路形成用筒体を多重円筒状に互
いに組み立てて外殻流路形成用筒体内に組み込んで構成
された多重円筒状流路形成部とこの多重円筒状流路形成
部の下端に取り付けられて複層パリソンを吐出するノズ
ル部とで構成されており、上記各流路形成用筒体の外壁
面には形成される各樹脂層の区画数pに対応し、かつ、
その外側に隣接する流路形成用筒体の内壁面と相俟って
溶融樹脂の流路を構成する溝部が形成されており、少な
くとも上記樹脂種の数mに対応する数の押出装置の先端
部と上記多重円筒状流路形成部に形成された各流路の上
端との間が樹脂分配管で接続されているような装置とし
て構成することができる。
多層ブロー成形装置については、ダイヘッドから複数の
熱可塑性樹脂を円筒状に押し出してその全体の肉厚が実
質的に均一である複層パリソンを形成し、この押し出さ
れた複層パリソンを複数に分割されてパリソン受入可能
な開放状態の金型内に導き、この金型を型締めしてブロ
ー成形を行う装置であり、複層パリソン押出時に使用さ
れる樹脂種の数をm(但し、8≧m≧2の整数)とし、
押し出された複層パリソンの層数をn(但し、nは1以
上の整数であり、何れか1以上の区画領域の層数が2以
上である)とし、及び、上記複層パリソンについてその
樹脂種、層数及び層厚の何れか1以上に関してパリソン
円周方向に沿って形成される区画領域の数をp(但し、
p≧2の整数)としたとき、上記ダイヘッドが層数nに
対応した数の円筒状の流路形成用筒体を多重円筒状に互
いに組み立てて外殻流路形成用筒体内に組み込んで構成
された多重円筒状流路形成部とこの多重円筒状流路形成
部の下端に取り付けられて複層パリソンを吐出するノズ
ル部とで構成されており、上記各流路形成用筒体の外壁
面には形成される各樹脂層の区画数pに対応し、かつ、
その外側に隣接する流路形成用筒体の内壁面と相俟って
溶融樹脂の流路を構成する溝部が形成されており、少な
くとも上記樹脂種の数mに対応する数の押出装置の先端
部と上記多重円筒状流路形成部に形成された各流路の上
端との間が樹脂分配管で接続されているような装置とし
て構成することができる。
【0027】この多層ブロー成形装置において、押出装
置の数が樹脂種の数mと同じであり、樹脂分配管には少
なくとも1か所の分岐路と少なくとも1か所の合流路と
を設けると共にこれら分岐路又は合流路の何れか一方又
は双方に流路切替弁を設けるのがよい。この様に樹脂分
配管に分岐路と合流路とを設け、流路切替弁より樹脂分
配管を流れて押出装置の先端部から多重円筒状流路形成
部に供給される溶融樹脂を制御することにより、ダイヘ
ッド内や樹脂流路に関する部品を交換する等の手間を要
することなく、形成される複層パリソンの樹脂種の数
m、層数n及び区画数pを変化させ、種々の中空成形品
に要求される種々のパターンの複層パリソンを調製する
ことができる。
置の数が樹脂種の数mと同じであり、樹脂分配管には少
なくとも1か所の分岐路と少なくとも1か所の合流路と
を設けると共にこれら分岐路又は合流路の何れか一方又
は双方に流路切替弁を設けるのがよい。この様に樹脂分
配管に分岐路と合流路とを設け、流路切替弁より樹脂分
配管を流れて押出装置の先端部から多重円筒状流路形成
部に供給される溶融樹脂を制御することにより、ダイヘ
ッド内や樹脂流路に関する部品を交換する等の手間を要
することなく、形成される複層パリソンの樹脂種の数
m、層数n及び区画数pを変化させ、種々の中空成形品
に要求される種々のパターンの複層パリソンを調製する
ことができる。
【0028】従って、この様な第二の多層ブロー成形方
法及びその装置によれば、上記第一の方法及び装置の場
合と同様に、それぞれ別個に加熱溶融された複数の熱可
塑性合成樹脂をダイヘッド部分の中で合流させ、ダイヘ
ッド先端に位置するノズル部のスリットを通して、樹脂
種の数m、層数n及びパリソン円周方向区画数pの種々
のパターンを有する複層パリソンを押し出し、この複層
パリソンから中空成形品が樹脂種の異なる複数の区画領
域を有し、これら各区画領域を構成する樹脂が中空成形
品においてその各領域が担う役割に応じた物性を発揮す
るような種々の多層ブロー成形品を生産することができ
る。
法及びその装置によれば、上記第一の方法及び装置の場
合と同様に、それぞれ別個に加熱溶融された複数の熱可
塑性合成樹脂をダイヘッド部分の中で合流させ、ダイヘ
ッド先端に位置するノズル部のスリットを通して、樹脂
種の数m、層数n及びパリソン円周方向区画数pの種々
のパターンを有する複層パリソンを押し出し、この複層
パリソンから中空成形品が樹脂種の異なる複数の区画領
域を有し、これら各区画領域を構成する樹脂が中空成形
品においてその各領域が担う役割に応じた物性を発揮す
るような種々の多層ブロー成形品を生産することができ
る。
【0029】この第二の方法及び装置でブロー成形する
ことができる特に好ましいものとして、座部及び/又は
背もたれ部が熱可塑性樹脂製の中空成形品からなる椅子
や各種のテーブルがある。具体的には表面側を構成する
樹脂の層数をnf とし、その裏面側を構成する樹脂の層
数をnb としたとき、nf ≠nb であると共に、外部に
露出する最外樹脂層が表面側及び裏面側を構成する2つ
の領域に区画されており、これら各区画領域が互いに異
なる複数の樹脂で形成されているものであって、好まし
くは表面側を構成する樹脂の層数nf が3であり、ま
た、裏面側を構成する樹脂の層数nb が見かけ上1であ
る熱可塑性樹脂製椅子やテーブルである。
ことができる特に好ましいものとして、座部及び/又は
背もたれ部が熱可塑性樹脂製の中空成形品からなる椅子
や各種のテーブルがある。具体的には表面側を構成する
樹脂の層数をnf とし、その裏面側を構成する樹脂の層
数をnb としたとき、nf ≠nb であると共に、外部に
露出する最外樹脂層が表面側及び裏面側を構成する2つ
の領域に区画されており、これら各区画領域が互いに異
なる複数の樹脂で形成されているものであって、好まし
くは表面側を構成する樹脂の層数nf が3であり、ま
た、裏面側を構成する樹脂の層数nb が見かけ上1であ
る熱可塑性樹脂製椅子やテーブルである。
【0030】そして、椅子についてみれば、その座部及
び/又は背もたれ部において、表面側の3つの樹脂層の
うちその外表面に露出して人体に直接触れる最外樹脂層
が曲げ弾性率5,000kgf/cm2 以下及びショア
A硬度80以下の軟質樹脂で形成され、中間樹脂層が接
着性樹脂で形成され、かつ、内側樹脂層が曲げ弾性率1
0,000kgf/cm2 以上及びロックウェル硬度6
0以上の硬質樹脂で形成されており、また、裏面側を構
成する樹脂層が上記表面側の内側樹脂層を構成する樹脂
と同じ硬質樹脂で形成されているものが好ましい。ま
た、テーブルについてみれば、表面側の3つの樹脂層の
うち外表面に露出する最外樹脂層がABS系樹脂で形成
され、中間樹脂層が接着性樹脂で形成され、かつ、内側
樹脂層がオレフィン系エラストマー樹脂で形成されてお
り、また、裏面側を構成する樹脂層が上記表面側の内層
を構成する樹脂と同系統の樹脂で形成されているものが
好ましい。この様にして成形される熱可塑性樹脂製の椅
子やテーブルの特に好ましいものとして、例えば背もた
れ部の背面に格納された開閉式の簡易テーブルを有する
ような電車、飛行機あるいは劇場等に備えつけられる椅
子が例示される。
び/又は背もたれ部において、表面側の3つの樹脂層の
うちその外表面に露出して人体に直接触れる最外樹脂層
が曲げ弾性率5,000kgf/cm2 以下及びショア
A硬度80以下の軟質樹脂で形成され、中間樹脂層が接
着性樹脂で形成され、かつ、内側樹脂層が曲げ弾性率1
0,000kgf/cm2 以上及びロックウェル硬度6
0以上の硬質樹脂で形成されており、また、裏面側を構
成する樹脂層が上記表面側の内側樹脂層を構成する樹脂
と同じ硬質樹脂で形成されているものが好ましい。ま
た、テーブルについてみれば、表面側の3つの樹脂層の
うち外表面に露出する最外樹脂層がABS系樹脂で形成
され、中間樹脂層が接着性樹脂で形成され、かつ、内側
樹脂層がオレフィン系エラストマー樹脂で形成されてお
り、また、裏面側を構成する樹脂層が上記表面側の内層
を構成する樹脂と同系統の樹脂で形成されているものが
好ましい。この様にして成形される熱可塑性樹脂製の椅
子やテーブルの特に好ましいものとして、例えば背もた
れ部の背面に格納された開閉式の簡易テーブルを有する
ような電車、飛行機あるいは劇場等に備えつけられる椅
子が例示される。
【0031】更にまた、第三に、本発明は、ダイヘッド
から複数の熱可塑性樹脂を円筒状に押し出してその全体
の肉厚が実質的に均一である複層パリソンを形成し、こ
の押し出された複層パリソンを複数に分割されてパリソ
ン受入可能な開放状態の金型内に導き、この金型を型締
めしてブロー成形を行うに際し、上記複層パリソンを構
成する少なくとも1つの樹脂層について、パリソン円周
方向に沿ってその樹脂種、層数及び層厚の何れか1以上
に関して互いに異なる区画領域を形成すると共に、区画
された各区画領域の区画幅をパリソン吐出方向に沿って
変化させる多層ブロー成形方法である。
から複数の熱可塑性樹脂を円筒状に押し出してその全体
の肉厚が実質的に均一である複層パリソンを形成し、こ
の押し出された複層パリソンを複数に分割されてパリソ
ン受入可能な開放状態の金型内に導き、この金型を型締
めしてブロー成形を行うに際し、上記複層パリソンを構
成する少なくとも1つの樹脂層について、パリソン円周
方向に沿ってその樹脂種、層数及び層厚の何れか1以上
に関して互いに異なる区画領域を形成すると共に、区画
された各区画領域の区画幅をパリソン吐出方向に沿って
変化させる多層ブロー成形方法である。
【0032】そして、この多層ブロー成形方法におい
て、m種n層p区画の複層パリソンを形成するに際し、
各区画領域における区画幅のパリソン吐出方向に沿う変
化のパターンを何れかの樹脂層で互いに異なるように形
成するのが望ましい。複層パリソンをこの様に形成する
ことで、例えば、成形品の形状が複雑な曲線を稜線とす
る曲面で囲まれた多面体であって、各面にそれぞれ独自
の物性を必要とする製品であるような場合に、パリソン
を構成する樹脂の種類を求められる物性に適合するよう
に選ぶことによって、そうした要求に応えることができ
るという利点がある。
て、m種n層p区画の複層パリソンを形成するに際し、
各区画領域における区画幅のパリソン吐出方向に沿う変
化のパターンを何れかの樹脂層で互いに異なるように形
成するのが望ましい。複層パリソンをこの様に形成する
ことで、例えば、成形品の形状が複雑な曲線を稜線とす
る曲面で囲まれた多面体であって、各面にそれぞれ独自
の物性を必要とする製品であるような場合に、パリソン
を構成する樹脂の種類を求められる物性に適合するよう
に選ぶことによって、そうした要求に応えることができ
るという利点がある。
【0033】そして、この第三の方法を実施するための
多層ブロー成形装置については、上記第二の方法を実施
するための多層ブロー成形装置において、多重円筒状流
路形成部について多重円筒状流路を形成する多重流路部
とこの多重流路部を流下した複数の樹脂を合流させる樹
脂合流部とに分割し、これら多重流路部と樹脂合流部と
の間には各樹脂層において各区画領域のパリソン円周方
向の区画幅を変化させる区画幅制御部を設け、この区画
幅制御部については層数nに対応した数の略々半球形状
のロート状半球殻部とこれら各半球殻部の球状外面上に
揺動可能に取り付けられ、上記多重流路部に形成された
各区画領域の境界を構成する隔壁下端に対応する位置に
設けられ、形成される複層パリソンの各区画領域の区画
幅を変化させる舌片状のフラッピングネイルとで構成
し、各樹脂層において区画された各区画領域の区画幅が
パリソン吐出方向に沿って変化する複層パリソンを形成
できるようにすることで構成することができる。
多層ブロー成形装置については、上記第二の方法を実施
するための多層ブロー成形装置において、多重円筒状流
路形成部について多重円筒状流路を形成する多重流路部
とこの多重流路部を流下した複数の樹脂を合流させる樹
脂合流部とに分割し、これら多重流路部と樹脂合流部と
の間には各樹脂層において各区画領域のパリソン円周方
向の区画幅を変化させる区画幅制御部を設け、この区画
幅制御部については層数nに対応した数の略々半球形状
のロート状半球殻部とこれら各半球殻部の球状外面上に
揺動可能に取り付けられ、上記多重流路部に形成された
各区画領域の境界を構成する隔壁下端に対応する位置に
設けられ、形成される複層パリソンの各区画領域の区画
幅を変化させる舌片状のフラッピングネイルとで構成
し、各樹脂層において区画された各区画領域の区画幅が
パリソン吐出方向に沿って変化する複層パリソンを形成
できるようにすることで構成することができる。
【0034】なお、上記多重流路部と樹脂合流部との間
には設けられる区画幅制御部については、多重流路部側
又は樹脂合流部側と一体に形成することもでき、また、
これら多重流路部や樹脂合流部と別体に形成することも
できる。従って、この様に構成された多層ブロー成形装
置によれば、ダイヘッドから複数の熱可塑性樹脂を円筒
状に押し出してその全体の肉厚が実質的に均一である複
層パリソンを形成し、この複層パリソンをブロー成形し
て形成される中空成形品であり、この中空成形品につい
て、成形品横断面周壁に沿ってその樹脂種、層数及び層
厚の何れか1以上に関して互いに異なる区画領域を有す
ると共に、各樹脂層において区画された各区画領域の区
画幅が成形品縦断面壁に沿って変化しており、上記各区
画領域は中空成形品が有すべき各領域の役割に対応して
いる多層ブロー成形品を製造することができる。
には設けられる区画幅制御部については、多重流路部側
又は樹脂合流部側と一体に形成することもでき、また、
これら多重流路部や樹脂合流部と別体に形成することも
できる。従って、この様に構成された多層ブロー成形装
置によれば、ダイヘッドから複数の熱可塑性樹脂を円筒
状に押し出してその全体の肉厚が実質的に均一である複
層パリソンを形成し、この複層パリソンをブロー成形し
て形成される中空成形品であり、この中空成形品につい
て、成形品横断面周壁に沿ってその樹脂種、層数及び層
厚の何れか1以上に関して互いに異なる区画領域を有す
ると共に、各樹脂層において区画された各区画領域の区
画幅が成形品縦断面壁に沿って変化しており、上記各区
画領域は中空成形品が有すべき各領域の役割に対応して
いる多層ブロー成形品を製造することができる。
【0035】それ故、この第三の多層ブロー成形の方法
及び装置によれば、上記第一の方法及び装置の場合と同
様に、樹脂種の数m、層数n及びパリソン円周方向区画
数pの種々のパターンを有する複層パリソンを押し出
し、この複層パリソンから種々の多層ブロー成形品を生
産することができるだけでなく、ダイヘッド内に配置さ
れた区画幅制御部により、各区画領域についてパリソン
長手方向に沿ってその区画幅を変化させることが可能に
なり、中空成形品の横断面方向及び縦断面方向の両方向
で著しい物性変化のパターンを有するブロー成形品を生
産することができ、用途に応じて樹脂の耐熱性、耐水
性、断熱性、遮音性、耐摩耗性等の性能を中空成形品の
部分部分で充分に引き出すことができ、中空成形品の製
品性能を容易に向上させることができる。
及び装置によれば、上記第一の方法及び装置の場合と同
様に、樹脂種の数m、層数n及びパリソン円周方向区画
数pの種々のパターンを有する複層パリソンを押し出
し、この複層パリソンから種々の多層ブロー成形品を生
産することができるだけでなく、ダイヘッド内に配置さ
れた区画幅制御部により、各区画領域についてパリソン
長手方向に沿ってその区画幅を変化させることが可能に
なり、中空成形品の横断面方向及び縦断面方向の両方向
で著しい物性変化のパターンを有するブロー成形品を生
産することができ、用途に応じて樹脂の耐熱性、耐水
性、断熱性、遮音性、耐摩耗性等の性能を中空成形品の
部分部分で充分に引き出すことができ、中空成形品の製
品性能を容易に向上させることができる。
【0036】以下、添付図面に基づいて、本発明の多層
ブロー成形方法、及びその装置並びにこの方法で得られ
た中空成形品について具体的に説明する。本発明の第一
の多層ブロー成形方法、及びその装置並びにこの方法で
得られた中空成形品に係るものであり、この方法及び装
置で得られる多層パリソンP1 の横断面形状が図1に概
念的に示されている。この多層パリソンP1 は、多数の
種類の樹脂R1 、R2 、……、Rm を使用し、パリソン
肉厚方向に複数の樹脂層L 1 、L2 、……、Ln を構成
すると共に、パリソン円周方向に複数の区画領域S 1 、
S2 、……、Sp が形成されるように区画されており、
m種n層p区画(但し、m:樹脂種の数、n:層数、
p:パリソン円周方向の区画領域の数)の層構成を有し
ている。
ブロー成形方法、及びその装置並びにこの方法で得られ
た中空成形品について具体的に説明する。本発明の第一
の多層ブロー成形方法、及びその装置並びにこの方法で
得られた中空成形品に係るものであり、この方法及び装
置で得られる多層パリソンP1 の横断面形状が図1に概
念的に示されている。この多層パリソンP1 は、多数の
種類の樹脂R1 、R2 、……、Rm を使用し、パリソン
肉厚方向に複数の樹脂層L 1 、L2 、……、Ln を構成
すると共に、パリソン円周方向に複数の区画領域S 1 、
S2 、……、Sp が形成されるように区画されており、
m種n層p区画(但し、m:樹脂種の数、n:層数、
p:パリソン円周方向の区画領域の数)の層構成を有し
ている。
【0037】この図1においては、横断面をp個の区画
に区分し、それぞれの区画での層数の最大をn層とし、
n以下の範囲内で樹脂種の最大数mを組み合わせてい
る。なお、この図1では、複層パリソンP1 の横断面円
周方向全周に亘って均一な厚さにしているが、必要によ
り何れかの1又は2以上の区画領域S1 、S2 、……、
Sp においてその厚さを変化させてもよく、また、各区
画領域S1 、S2 、……、Sp においてその樹脂層
L1 、L2 、……、Ln の数nを変化させているが、パ
リソン円周方向全周に亘って同心円を描く樹脂層L1 、
L2 、……、Ln を形成し、各樹脂層L1 、L2 、…
…、Ln において必要な数の区画領域S1 、S2、…
…、Sp を形成してもよい。
に区分し、それぞれの区画での層数の最大をn層とし、
n以下の範囲内で樹脂種の最大数mを組み合わせてい
る。なお、この図1では、複層パリソンP1 の横断面円
周方向全周に亘って均一な厚さにしているが、必要によ
り何れかの1又は2以上の区画領域S1 、S2 、……、
Sp においてその厚さを変化させてもよく、また、各区
画領域S1 、S2 、……、Sp においてその樹脂層
L1 、L2 、……、Ln の数nを変化させているが、パ
リソン円周方向全周に亘って同心円を描く樹脂層L1 、
L2 、……、Ln を形成し、各樹脂層L1 、L2 、…
…、Ln において必要な数の区画領域S1 、S2、…
…、Sp を形成してもよい。
【0038】そして、この様にしてパリソン円周方向に
沿って形成された区画領域S1 、S 2 、……、Sp の全
ては何れか1つの樹脂層L1 、L2 、……、Ln におい
てパリソン円周方向に少なくとも45°以上の角度の区
画幅を有してパリソン長手方向に延びる樹脂種の異なる
区画領域であることが必要であり、これによって該パリ
ソンを金型で型締めしてブロー成形する際に、ある1つ
の区画領域がそっくり金型キャビティ外に出てしまい、
その区画のパリソン部分が全くブロー成形品のどの部分
をも構成しなくなってしまうということがなくなる、と
いう利点が生じる。
沿って形成された区画領域S1 、S 2 、……、Sp の全
ては何れか1つの樹脂層L1 、L2 、……、Ln におい
てパリソン円周方向に少なくとも45°以上の角度の区
画幅を有してパリソン長手方向に延びる樹脂種の異なる
区画領域であることが必要であり、これによって該パリ
ソンを金型で型締めしてブロー成形する際に、ある1つ
の区画領域がそっくり金型キャビティ外に出てしまい、
その区画のパリソン部分が全くブロー成形品のどの部分
をも構成しなくなってしまうということがなくなる、と
いう利点が生じる。
【0039】そして、図2に上記第一の多層ブロー成形
方法を実施するに当たって使用される多層ブロー成形装
置の断面説明図が示されており、また、図3にこの成形
装置おける溶融樹脂の流れを取り出して示した説明図が
示されている。この成形装置は、基本的には、そのダイ
ヘッドHが、図示外の5基の押出装置から押し出された
5種類の溶融樹脂A、B、C、D及びEを樹脂導入路1
bを介して同心円環状の流路1aに展開するマルチトー
ラス部1と、複層パリソンを構成する各樹脂層について
そのパリソン円周方向に沿って互いに樹脂種の異なる区
画領域を形成するための流路2aを構成するロタスルー
ト部2と、これらマルチトーラス部1とロタスルート部
2との間を接続し、マルチトラース部1で5重の同心円
環状流路1aに展開した溶融樹脂A、B、C、D及びE
をその樹脂種に応じてロタスルート部2により区画され
たm種n槽p区画のパターン流路2aにそれぞれ方向付
けして導く流路3aを形成するオクトパス部3と、上記
ロタスルート部2の下方に位置し、ロタスルート部2の
m種n槽p区画のパターン流路2aを通過し、その下方
で合流した溶融樹脂A、B、C、D及びEを円筒形状の
複層パリソンP1 として吐出するスリット4aを有する
ノズル部4とで構成されている。
方法を実施するに当たって使用される多層ブロー成形装
置の断面説明図が示されており、また、図3にこの成形
装置おける溶融樹脂の流れを取り出して示した説明図が
示されている。この成形装置は、基本的には、そのダイ
ヘッドHが、図示外の5基の押出装置から押し出された
5種類の溶融樹脂A、B、C、D及びEを樹脂導入路1
bを介して同心円環状の流路1aに展開するマルチトー
ラス部1と、複層パリソンを構成する各樹脂層について
そのパリソン円周方向に沿って互いに樹脂種の異なる区
画領域を形成するための流路2aを構成するロタスルー
ト部2と、これらマルチトーラス部1とロタスルート部
2との間を接続し、マルチトラース部1で5重の同心円
環状流路1aに展開した溶融樹脂A、B、C、D及びE
をその樹脂種に応じてロタスルート部2により区画され
たm種n槽p区画のパターン流路2aにそれぞれ方向付
けして導く流路3aを形成するオクトパス部3と、上記
ロタスルート部2の下方に位置し、ロタスルート部2の
m種n槽p区画のパターン流路2aを通過し、その下方
で合流した溶融樹脂A、B、C、D及びEを円筒形状の
複層パリソンP1 として吐出するスリット4aを有する
ノズル部4とで構成されている。
【0040】上記ロタスルート部2は、図2のIV−I
V線断面図及びV−V線断面図である図4及び図5に示
すように(反対に、図2におけるロタスルート部の断面
はこれら図4及び図5のII-II 線断面図である)、溶融
樹脂が流れる複数の円弧状及びスリット状の流路2aを
有し、これらのうちの同じ円周上に位置する各流路2a
端部の間をつなぐブリッジ部2b、2cについてはその
役割に応じて2種類のものがある。すなわち、ブリッジ
部2bは、複数の円弧状及びスリット状の流路2aを形
成するロタスルート部2がバラバラにならないように各
部分を単に機械的に繋ぐ目的で設けられているものであ
り、図2においては樹脂A及びEの流路2aに形成され
ており、成形品においてこのブリッジ部2bによる樹脂
流路分断の痕跡をなるべく少なくするために、幅も長さ
もなるべく狭くまた短くなければならず、従って、図2
のV−V断面図である図5には最早このブリッジ部2b
は存在しない。また、他方のブリッジ部2cは、本質的
に樹脂の流れを防ぐためのものであり、図2では樹脂
B、C及びDの流路2aに設けられており、図4に破線
で示すように、確実に樹脂の流れを防止できるように円
弧状に展開し、その長さも図2に示すようにロタスルー
ト部2の縦方向長さのほぼ全長に及んでいる。
V線断面図及びV−V線断面図である図4及び図5に示
すように(反対に、図2におけるロタスルート部の断面
はこれら図4及び図5のII-II 線断面図である)、溶融
樹脂が流れる複数の円弧状及びスリット状の流路2aを
有し、これらのうちの同じ円周上に位置する各流路2a
端部の間をつなぐブリッジ部2b、2cについてはその
役割に応じて2種類のものがある。すなわち、ブリッジ
部2bは、複数の円弧状及びスリット状の流路2aを形
成するロタスルート部2がバラバラにならないように各
部分を単に機械的に繋ぐ目的で設けられているものであ
り、図2においては樹脂A及びEの流路2aに形成され
ており、成形品においてこのブリッジ部2bによる樹脂
流路分断の痕跡をなるべく少なくするために、幅も長さ
もなるべく狭くまた短くなければならず、従って、図2
のV−V断面図である図5には最早このブリッジ部2b
は存在しない。また、他方のブリッジ部2cは、本質的
に樹脂の流れを防ぐためのものであり、図2では樹脂
B、C及びDの流路2aに設けられており、図4に破線
で示すように、確実に樹脂の流れを防止できるように円
弧状に展開し、その長さも図2に示すようにロタスルー
ト部2の縦方向長さのほぼ全長に及んでいる。
【0041】なお、図2中符号29は油圧シリンダー3
0によって駆動されるパリソンコントローラシャフトで
あり、このパリソンコントローラシャフト29を上下動
させることにより、ノズル部4のダイコア4bを上下動
させて複層パリソンが吐出するダイのスリット4aを調
整できるようになっている。また、上記ダイヘッドHを
構成するマルチトーラス部1、ロタスルート部2、オク
トパス部3及びノズル部4は、それぞれ分解・組立可能
な独立した部品として構成されており、オクトパス部3
を挟んでマルチトーラス部1とロタスルート部2との間
を結合するボルト5a及びノズル部4をロタスルート部
2に結合するボルト5bとで全体が一体的に組み付けら
れている。
0によって駆動されるパリソンコントローラシャフトで
あり、このパリソンコントローラシャフト29を上下動
させることにより、ノズル部4のダイコア4bを上下動
させて複層パリソンが吐出するダイのスリット4aを調
整できるようになっている。また、上記ダイヘッドHを
構成するマルチトーラス部1、ロタスルート部2、オク
トパス部3及びノズル部4は、それぞれ分解・組立可能
な独立した部品として構成されており、オクトパス部3
を挟んでマルチトーラス部1とロタスルート部2との間
を結合するボルト5a及びノズル部4をロタスルート部
2に結合するボルト5bとで全体が一体的に組み付けら
れている。
【0042】従って、多層ブロー成形装置によれば、ロ
タスルート部2及び場合によってはオクトパス部3も含
めて種々の形状のものを用意しておき、m種n層p区画
の層構成を有する複層パリソンP1 を形成する際に必要
とするロタスルート部2及び場合によってはオクトパス
部3を選択し、これをダイヘッドHに組み込んで所望の
複層パリソンP1 を形成することにより、種々の中空成
形品に対して要求されるニーズに適切に対応することが
できる。
タスルート部2及び場合によってはオクトパス部3も含
めて種々の形状のものを用意しておき、m種n層p区画
の層構成を有する複層パリソンP1 を形成する際に必要
とするロタスルート部2及び場合によってはオクトパス
部3を選択し、これをダイヘッドHに組み込んで所望の
複層パリソンP1 を形成することにより、種々の中空成
形品に対して要求されるニーズに適切に対応することが
できる。
【0043】多層ブロー成形品G1 として、図6に示す
ような構造を有し、かつ、断熱、保温、遮音等の高機能
を有するボイラー室のドアをブロー成形することを試み
た。すなわち、ドアの構造母材となる樹脂Aとして、ブ
ロー成形性が極めて良好で、かつ、各種強度も比較的高
水準であり、同時に経済的なガラス繊維強化ポリプロピ
レン(PP−GF)を使用し、また、高温の水蒸気、湯
気、油滴等を含む雰囲気に直接晒されるドアの内面を形
成する樹脂Bとして、耐熱性、耐熱水性、耐薬品性及び
耐油性に優れたガラス繊維強化ポリフェニレンサルファ
イド(PPS−GF)を使用し、更に、人目に晒される
ドアの外面を形成する樹脂Cとして、表面が滑らかで美
しく、光沢等に優れたアクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン共重合体(ABS)を使用し、そして、ドアレ
ールと接触するドアの上下両端面を形成する樹脂Dとし
て、耐摩擦性、表面滑性等に優れたポリアセタール(P
OM)を使用し、また、2種の樹脂間に位置する樹脂E
として、互いに接着しずらい樹脂同士を接着し得る接着
性樹脂を使用し、図示外の押出装置から図2に示すダイ
ヘッドHを介して複層パリソンP1 を押し出した。この
押し出された複層パリソンP1 は、図7にその横断面形
状を示すように、5種(樹脂A、B、C、D及びE)3
層(内層、中間層及び外層)4区画(外層において、4
5°の区画幅を有する樹脂Dの2つの区画領域、135
°の区画幅を有する樹脂Bの区画領域及び135°の区
画幅を有する樹脂Cの区画領域)を有するものである。
ような構造を有し、かつ、断熱、保温、遮音等の高機能
を有するボイラー室のドアをブロー成形することを試み
た。すなわち、ドアの構造母材となる樹脂Aとして、ブ
ロー成形性が極めて良好で、かつ、各種強度も比較的高
水準であり、同時に経済的なガラス繊維強化ポリプロピ
レン(PP−GF)を使用し、また、高温の水蒸気、湯
気、油滴等を含む雰囲気に直接晒されるドアの内面を形
成する樹脂Bとして、耐熱性、耐熱水性、耐薬品性及び
耐油性に優れたガラス繊維強化ポリフェニレンサルファ
イド(PPS−GF)を使用し、更に、人目に晒される
ドアの外面を形成する樹脂Cとして、表面が滑らかで美
しく、光沢等に優れたアクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン共重合体(ABS)を使用し、そして、ドアレ
ールと接触するドアの上下両端面を形成する樹脂Dとし
て、耐摩擦性、表面滑性等に優れたポリアセタール(P
OM)を使用し、また、2種の樹脂間に位置する樹脂E
として、互いに接着しずらい樹脂同士を接着し得る接着
性樹脂を使用し、図示外の押出装置から図2に示すダイ
ヘッドHを介して複層パリソンP1 を押し出した。この
押し出された複層パリソンP1 は、図7にその横断面形
状を示すように、5種(樹脂A、B、C、D及びE)3
層(内層、中間層及び外層)4区画(外層において、4
5°の区画幅を有する樹脂Dの2つの区画領域、135
°の区画幅を有する樹脂Bの区画領域及び135°の区
画幅を有する樹脂Cの区画領域)を有するものである。
【0044】次に、この複層パリソンP1 について、ダ
イヘッドHの直下に配設された金型を使用し、常法に従
って多層ブロー成形品G1 (ボイラー室のドア)をブロ
ー成形した。この際に用いた金型6は、図8及び図9に
示すように、上記樹脂種の異なる4つの区画領域に対応
して4つの金型構成体6a、6b、6cに分割されてお
り、これら金型構成体6a、6b、6cを型締めしてブ
ロー成形を行うに際し、これら各金型構成体6a、6
b、6cの突き合わせ部分7により上記樹脂種の異なる
区画領域の境界部分8を切除し、これによって成形品角
部の稜線に沿って樹脂種の異なる区画領域の境界線を一
致させるようになっている。
イヘッドHの直下に配設された金型を使用し、常法に従
って多層ブロー成形品G1 (ボイラー室のドア)をブロ
ー成形した。この際に用いた金型6は、図8及び図9に
示すように、上記樹脂種の異なる4つの区画領域に対応
して4つの金型構成体6a、6b、6cに分割されてお
り、これら金型構成体6a、6b、6cを型締めしてブ
ロー成形を行うに際し、これら各金型構成体6a、6
b、6cの突き合わせ部分7により上記樹脂種の異なる
区画領域の境界部分8を切除し、これによって成形品角
部の稜線に沿って樹脂種の異なる区画領域の境界線を一
致させるようになっている。
【0045】この様にして成形された多層ブロー成形品
G1 は、その上下両端面を構成する樹脂Dの2つの区画
領域が成形品横断面周壁の全周の少なくとも1/8以上
の長さを有している。なお、通常のブロー成形用金型の
ように左右2つだけの構成体に分割された金型の場合に
は成形品横断面周壁の上端面側の凹部が左右の金型構成
体の型開き動作を阻害するアンダーカットになるのに対
し、図8及び図9の金型6の場合には上述の様に4つの
構成体に分割された金型6を型締めすることにより、そ
のような開閉方向に対するアンダーカットの発生を無く
することができる。
G1 は、その上下両端面を構成する樹脂Dの2つの区画
領域が成形品横断面周壁の全周の少なくとも1/8以上
の長さを有している。なお、通常のブロー成形用金型の
ように左右2つだけの構成体に分割された金型の場合に
は成形品横断面周壁の上端面側の凹部が左右の金型構成
体の型開き動作を阻害するアンダーカットになるのに対
し、図8及び図9の金型6の場合には上述の様に4つの
構成体に分割された金型6を型締めすることにより、そ
のような開閉方向に対するアンダーカットの発生を無く
することができる。
【0046】また、図10は、図2に示す多層ブロー成
形装置において、そのm種n層(但し、この場合はn≧
3以上の整数)p区画の複層パリソンP1 を吐出するた
めのダイヘッドHを用いてm’種n’層p’区画(但
し、m’、n’及びp’は何れも2以上であって、m≧
m’、n>n’及びp≧p’の条件を満たす整数)の複
層パリソンP1 を形成する場合に使用するロタスルート
部2について、そのn層分あるパターン流路2aの外側
からn−n’層分の流路下端開口を閉塞するための着脱
可能なブラインドリング9を用意した例を示すものであ
り、このブラインドリング9は、図11に示すような形
状を有している。勿論、このブラインドリング9形状に
ついては、特にこの図11のものに特定されるものでは
なく、パターン流路2aの外側からn−n’層分の流路
下端開口を閉塞できるものであればよく、円形状のもの
であっても、また、円弧状のものであってもよい。この
様なブラインドリング9を使用することにより、予め多
い層数nの複層パリソンP1を押し出すことができるよ
うに、ダイヘッドHのマルチトーラス部1、ロタスルー
ト部2及びオクトパス部3を用意しておけば、より少な
い層数nの複層パリソンP1 を容易に形成することがで
き、多目的用途の多層ブロー成形装置として構成するこ
とができる。
形装置において、そのm種n層(但し、この場合はn≧
3以上の整数)p区画の複層パリソンP1 を吐出するた
めのダイヘッドHを用いてm’種n’層p’区画(但
し、m’、n’及びp’は何れも2以上であって、m≧
m’、n>n’及びp≧p’の条件を満たす整数)の複
層パリソンP1 を形成する場合に使用するロタスルート
部2について、そのn層分あるパターン流路2aの外側
からn−n’層分の流路下端開口を閉塞するための着脱
可能なブラインドリング9を用意した例を示すものであ
り、このブラインドリング9は、図11に示すような形
状を有している。勿論、このブラインドリング9形状に
ついては、特にこの図11のものに特定されるものでは
なく、パターン流路2aの外側からn−n’層分の流路
下端開口を閉塞できるものであればよく、円形状のもの
であっても、また、円弧状のものであってもよい。この
様なブラインドリング9を使用することにより、予め多
い層数nの複層パリソンP1を押し出すことができるよ
うに、ダイヘッドHのマルチトーラス部1、ロタスルー
ト部2及びオクトパス部3を用意しておけば、より少な
い層数nの複層パリソンP1 を容易に形成することがで
き、多目的用途の多層ブロー成形装置として構成するこ
とができる。
【0047】更に、図12はロタスルート部2の変形例
を示すものであり、このロタスルート部2にはその中心
線Oを境にその左右に半円弧状の流路が同心円状に3重
に形成されてパターン流路2aを形成しており、上記図
2のロタスルート部と交換して5種類の溶融樹脂を流す
ことにより、図13に示すように、最大で5種3層2区
画(左右に180°の等しい区画幅)の複層パリソンP
1 を押し出すことができる。なお、このロタスルート部
2を使用し、一方の区画領域に3層の樹脂層を形成し、
また、他方の区画領域にはこの3種のうちの何れか1種
の樹脂からなる見かけ上単一の樹脂層を形成した、いわ
ゆる片側半分が複層で他方の半分が見かけ上単層である
ような複層パリソンも容易に形成することができ、この
際に、見かけ上単層側の区画領域を形成する3つの流路
2aの全てに同じ樹脂を流して複層パリソン全体の肉厚
を均一にすることもできる。
を示すものであり、このロタスルート部2にはその中心
線Oを境にその左右に半円弧状の流路が同心円状に3重
に形成されてパターン流路2aを形成しており、上記図
2のロタスルート部と交換して5種類の溶融樹脂を流す
ことにより、図13に示すように、最大で5種3層2区
画(左右に180°の等しい区画幅)の複層パリソンP
1 を押し出すことができる。なお、このロタスルート部
2を使用し、一方の区画領域に3層の樹脂層を形成し、
また、他方の区画領域にはこの3種のうちの何れか1種
の樹脂からなる見かけ上単一の樹脂層を形成した、いわ
ゆる片側半分が複層で他方の半分が見かけ上単層である
ような複層パリソンも容易に形成することができ、この
際に、見かけ上単層側の区画領域を形成する3つの流路
2aの全てに同じ樹脂を流して複層パリソン全体の肉厚
を均一にすることもできる。
【0048】なお、図3に示すように、マルチトーラス
部1での同心円環状流路1aの配置がその内側から外側
に向ってロタスルート部2における層構成と一致するよ
うオクトパス部3の流路3aが形成されているが、特に
これに限定されるものではなく、例えばマルチトーラス
部1において最も外側の流路1aを流れる溶融樹脂Cが
ロタスルート部2の最も内側の流路3aに導かれるよう
にオクトパス部3を介して接続してもよい。更に、オク
トパス部3についても、図3ではマルチトーラス部1に
導入される5種類の樹脂の全てがロタスルート部2のパ
ターン流路2aに連絡されているが、これに限定される
ものではなく、このオクトパス部3についても他の形式
のもの、例えば、マルチトーラス部1の流路1aの幾つ
かについてはこれを閉塞し、残りの流路1aについての
みロタスルート部2のパターン流路2aに接続する流路
3aを有するものを用意しておき、少ない樹脂種mの溶
融樹脂を幾つかの区画領域S1 、S2 、……、Sp に分
配するようにしてもよい。
部1での同心円環状流路1aの配置がその内側から外側
に向ってロタスルート部2における層構成と一致するよ
うオクトパス部3の流路3aが形成されているが、特に
これに限定されるものではなく、例えばマルチトーラス
部1において最も外側の流路1aを流れる溶融樹脂Cが
ロタスルート部2の最も内側の流路3aに導かれるよう
にオクトパス部3を介して接続してもよい。更に、オク
トパス部3についても、図3ではマルチトーラス部1に
導入される5種類の樹脂の全てがロタスルート部2のパ
ターン流路2aに連絡されているが、これに限定される
ものではなく、このオクトパス部3についても他の形式
のもの、例えば、マルチトーラス部1の流路1aの幾つ
かについてはこれを閉塞し、残りの流路1aについての
みロタスルート部2のパターン流路2aに接続する流路
3aを有するものを用意しておき、少ない樹脂種mの溶
融樹脂を幾つかの区画領域S1 、S2 、……、Sp に分
配するようにしてもよい。
【0049】次に、図14〜図17には、上記の多層ブ
ロー成形装置を使用して成形された種々の横断面形状を
有する多層ブロー成形品の自動車用バンパーG2 が示さ
れている。図14の自動車用バンパーG2 は、バンパー
構造部材となり、衝突時の衝撃を吸収し得るように中空
リブを形成し、優れた強度と剛性とを発揮するビーム部
10と、このビーム部10の前面全体に積層され、前面
外表面を構成して直接人目に触れるフェイシャ部11と
で構成されており、この実施例において、上記ビーム部
10はPP−GF樹脂で形成され、また、上記フェイシ
ャ部11はABS樹脂で形成されている。
ロー成形装置を使用して成形された種々の横断面形状を
有する多層ブロー成形品の自動車用バンパーG2 が示さ
れている。図14の自動車用バンパーG2 は、バンパー
構造部材となり、衝突時の衝撃を吸収し得るように中空
リブを形成し、優れた強度と剛性とを発揮するビーム部
10と、このビーム部10の前面全体に積層され、前面
外表面を構成して直接人目に触れるフェイシャ部11と
で構成されており、この実施例において、上記ビーム部
10はPP−GF樹脂で形成され、また、上記フェイシ
ャ部11はABS樹脂で形成されている。
【0050】また、図15の自動車用バンパーG2 は、
バンパー構造部材のビーム部10とその前面外表面を構
成するフェイシャ部11との間にこれら両者の間を接着
する接着樹脂層12を介装したもので、いわゆる3種3
層2区画の複層パリソンを用いて多層ブロー成形された
ものであり、ビーム部10とフェイシャ部11との間の
接着をより強固にしたものである。更に。図16に示す
自動車用バンパーG2 は、バンパー構造部材のビーム部
10の内部にリサイクル樹脂からなる樹脂層13を形成
したものであり、リサイクル樹脂を有効に再使用できる
ようにしたものである。更にまた、図17の自動車用バ
ンパーG2 は、図16の構造のものに接着樹脂層12を
介装したものであり、いわゆる4種4層2区画の複層パ
リソンを用いて多層ブロー成形することができる。
バンパー構造部材のビーム部10とその前面外表面を構
成するフェイシャ部11との間にこれら両者の間を接着
する接着樹脂層12を介装したもので、いわゆる3種3
層2区画の複層パリソンを用いて多層ブロー成形された
ものであり、ビーム部10とフェイシャ部11との間の
接着をより強固にしたものである。更に。図16に示す
自動車用バンパーG2 は、バンパー構造部材のビーム部
10の内部にリサイクル樹脂からなる樹脂層13を形成
したものであり、リサイクル樹脂を有効に再使用できる
ようにしたものである。更にまた、図17の自動車用バ
ンパーG2 は、図16の構造のものに接着樹脂層12を
介装したものであり、いわゆる4種4層2区画の複層パ
リソンを用いて多層ブロー成形することができる。
【0051】この様にして多層ブロー成形された自動車
用バンパーG2 は、その生産コストを著しく軽減できる
ほか、全体が一体に多層ブロー成形されるので、人目に
触れて高価な樹脂を使用する必要があるフェイシャ部1
1についてその肉厚を可及的に薄くし、この高価な樹脂
の使用量を大幅に低減できるので、製品コストを大幅に
削減することができる。しかも、ビーム部10の内部等
の人目に触れない部分にリサイクル樹脂を使用すること
が可能になり、工業上極めて優れた効果を発揮する。
用バンパーG2 は、その生産コストを著しく軽減できる
ほか、全体が一体に多層ブロー成形されるので、人目に
触れて高価な樹脂を使用する必要があるフェイシャ部1
1についてその肉厚を可及的に薄くし、この高価な樹脂
の使用量を大幅に低減できるので、製品コストを大幅に
削減することができる。しかも、ビーム部10の内部等
の人目に触れない部分にリサイクル樹脂を使用すること
が可能になり、工業上極めて優れた効果を発揮する。
【0052】次に、本発明の第二の多層ブロー成形方
法、及びその装置並びにこの方法で得られた中空成形品
に係るものである。この第二の方法を実施するための多
層ブロー成形装置は、図18及び図19に示すように、
基本的には、複層パリソンP2 押出時に使用される樹脂
種の数をm(但し、m≧2の整数)とし、押し出された
複層パリソンP2 の層数をn(但し、nは1以上の整数
であり、何れか1以上の区画領域の層数が2以上であ
る)とし、及び、上記複層パリソンP2 についてその樹
脂種、層数及び層厚の何れか1以上に関して互いに異な
る区画領域をパリソン円周方向に沿って有するよう形成
される区画領域の数をp(但し、p≧2の整数)とした
とき、ダイヘッドHが、層数n(この実施例2の場合は
n=3)に対応した数の円筒状の流路形成用筒体20
a、20b、20cを多重円筒状に互いに組み立てて外
殻流路形成用筒体20d内に組み込んで構成された多重
円筒状流路形成部20と、この多重円筒状流路形成部2
0の下端に取り付けられて複層パリソンP2 を吐出する
ノズル部21とで構成されており、また、上記各流路形
成用筒体20a、20b、20cの外壁面には形成され
る各樹脂層の区画数p(この実施例2の場合はp=2で
区画幅180°である)に対応し、かつ、その外側に隣
接する流路形成用筒体20b、20c及び外殻流路形成
用筒体20dの内壁面と相俟って溶融樹脂の流路22
a、22b、22cを構成する溝部23が形成されてお
り、少なくとも上記樹脂種の数mに対応する数の図示外
の押出装置の先端部と上記多重円筒状流路形成部20に
形成された各流路22a、22b、22cの上端との間
が樹脂分配管24a、24b、24c、24d、24
e、24fで接続された構成になっており、これを溶融
樹脂の流路で表現すると、図20に示すようになってい
る。
法、及びその装置並びにこの方法で得られた中空成形品
に係るものである。この第二の方法を実施するための多
層ブロー成形装置は、図18及び図19に示すように、
基本的には、複層パリソンP2 押出時に使用される樹脂
種の数をm(但し、m≧2の整数)とし、押し出された
複層パリソンP2 の層数をn(但し、nは1以上の整数
であり、何れか1以上の区画領域の層数が2以上であ
る)とし、及び、上記複層パリソンP2 についてその樹
脂種、層数及び層厚の何れか1以上に関して互いに異な
る区画領域をパリソン円周方向に沿って有するよう形成
される区画領域の数をp(但し、p≧2の整数)とした
とき、ダイヘッドHが、層数n(この実施例2の場合は
n=3)に対応した数の円筒状の流路形成用筒体20
a、20b、20cを多重円筒状に互いに組み立てて外
殻流路形成用筒体20d内に組み込んで構成された多重
円筒状流路形成部20と、この多重円筒状流路形成部2
0の下端に取り付けられて複層パリソンP2 を吐出する
ノズル部21とで構成されており、また、上記各流路形
成用筒体20a、20b、20cの外壁面には形成され
る各樹脂層の区画数p(この実施例2の場合はp=2で
区画幅180°である)に対応し、かつ、その外側に隣
接する流路形成用筒体20b、20c及び外殻流路形成
用筒体20dの内壁面と相俟って溶融樹脂の流路22
a、22b、22cを構成する溝部23が形成されてお
り、少なくとも上記樹脂種の数mに対応する数の図示外
の押出装置の先端部と上記多重円筒状流路形成部20に
形成された各流路22a、22b、22cの上端との間
が樹脂分配管24a、24b、24c、24d、24
e、24fで接続された構成になっており、これを溶融
樹脂の流路で表現すると、図20に示すようになってい
る。
【0053】層数が3で区画数が2になっていて最大6
種類の樹脂A、B、C、D、E、Fを供給できるように
なっており、互いに等しい大きさの区画幅180°を有
する区画領域を形成できるようになっている。そして、
押出装置の先端部に接続される各樹脂分配管24a、2
4b、24c、24d、24e、24fには、図21及
び図22に示すように、それぞれ1か所の分岐路25と
1か所の合流路26とが設けられ、また、これら分岐路
25及び合流路26の双方にはそれぞれ流路切替弁27
が設けられている。そして、各樹脂分配管24a、24
b、24c、24d、24e、24fの分岐路25と合
流路26とに設けられた流路切替弁27より、例えば図
21に示すように、押出装置の先端部から樹脂分配管2
4c、24dを介して多重円筒状流路形成部20の2つ
の流路22bに供給される溶融樹脂を制御することがで
きるようになっている。
種類の樹脂A、B、C、D、E、Fを供給できるように
なっており、互いに等しい大きさの区画幅180°を有
する区画領域を形成できるようになっている。そして、
押出装置の先端部に接続される各樹脂分配管24a、2
4b、24c、24d、24e、24fには、図21及
び図22に示すように、それぞれ1か所の分岐路25と
1か所の合流路26とが設けられ、また、これら分岐路
25及び合流路26の双方にはそれぞれ流路切替弁27
が設けられている。そして、各樹脂分配管24a、24
b、24c、24d、24e、24fの分岐路25と合
流路26とに設けられた流路切替弁27より、例えば図
21に示すように、押出装置の先端部から樹脂分配管2
4c、24dを介して多重円筒状流路形成部20の2つ
の流路22bに供給される溶融樹脂を制御することがで
きるようになっている。
【0054】すなわち、図22においては、2種類の樹
脂C、Dが流路切替弁27より切り換えられてそれぞれ
互いに反対側の流路22bに供給される様子が描かれて
おり、また、図23には一方の樹脂分配管24cだけか
ら樹脂Cが供給され、分岐路25で左右に分配され、合
流路26を介して2つの流路22bに全体に同じ樹脂C
が供給される様子が描かれている。従って、この様な分
岐路25及び合流路26を有する樹脂分配管24a、2
4b、24c、24d、24e、24fを採用すること
により、1つの流路形成用筒体20bで形成される流路
22bにおいて、流路切替弁27の操作により、(C,
D)、(D,C)、(C,C)及び(D,D)の4種類
の樹脂の組み合わせが可能になる。そして、これと同様
のことが全ての流路22a、22b及び22cで可能で
あるから、仮に樹脂を6種類全て使用しなくても形成し
得る複層パリソンP2 の層構成のパターンは膨大な数に
昇る。従って、先ず要求される物性に応じて使用すべき
樹脂の数と種類とを定め、次に形成し得る複層パリソン
P2 の層構成のパターンの中から最も適しているものを
選択し、これに基づいて各流路切替弁27を設定するこ
とにより、所望の仕様の中空成形品を得ることができ
る。そして、この際に、ダイヘッドH内の部品について
は、何ら交換する必要がない。
脂C、Dが流路切替弁27より切り換えられてそれぞれ
互いに反対側の流路22bに供給される様子が描かれて
おり、また、図23には一方の樹脂分配管24cだけか
ら樹脂Cが供給され、分岐路25で左右に分配され、合
流路26を介して2つの流路22bに全体に同じ樹脂C
が供給される様子が描かれている。従って、この様な分
岐路25及び合流路26を有する樹脂分配管24a、2
4b、24c、24d、24e、24fを採用すること
により、1つの流路形成用筒体20bで形成される流路
22bにおいて、流路切替弁27の操作により、(C,
D)、(D,C)、(C,C)及び(D,D)の4種類
の樹脂の組み合わせが可能になる。そして、これと同様
のことが全ての流路22a、22b及び22cで可能で
あるから、仮に樹脂を6種類全て使用しなくても形成し
得る複層パリソンP2 の層構成のパターンは膨大な数に
昇る。従って、先ず要求される物性に応じて使用すべき
樹脂の数と種類とを定め、次に形成し得る複層パリソン
P2 の層構成のパターンの中から最も適しているものを
選択し、これに基づいて各流路切替弁27を設定するこ
とにより、所望の仕様の中空成形品を得ることができ
る。そして、この際に、ダイヘッドH内の部品について
は、何ら交換する必要がない。
【0055】なお、図18において、符号28は3つの
流路形成用筒体20a、20b、20cを外殻流路形成
用筒体20d内に組み込んで固定する際に使用するボル
トであり、また、符号29は油圧シリンダー30によっ
て駆動されるパリソンコントローラシャフトであり、こ
のパリソンコントローラシャフト29を上下動させるこ
とにより、ノズル部21のダイコア21aを上下動させ
て複層パリソンが吐出するダイの隙間を調整できるよう
になっている。この実施例2の方法及び装置で得られる
複層パリソンP2 は、例えば6種(R 1 〜R6 、樹脂A
〜F)3層(L1 〜L3 )2区画(S1 、S2 )の層構
成とした場合、図24に示すような横断面形状となり、
2つの区画領域S1 及びS2 においてその層数nを1〜
3の間の数でそれぞれ別個に自由に変更することができ
る。
流路形成用筒体20a、20b、20cを外殻流路形成
用筒体20d内に組み込んで固定する際に使用するボル
トであり、また、符号29は油圧シリンダー30によっ
て駆動されるパリソンコントローラシャフトであり、こ
のパリソンコントローラシャフト29を上下動させるこ
とにより、ノズル部21のダイコア21aを上下動させ
て複層パリソンが吐出するダイの隙間を調整できるよう
になっている。この実施例2の方法及び装置で得られる
複層パリソンP2 は、例えば6種(R 1 〜R6 、樹脂A
〜F)3層(L1 〜L3 )2区画(S1 、S2 )の層構
成とした場合、図24に示すような横断面形状となり、
2つの区画領域S1 及びS2 においてその層数nを1〜
3の間の数でそれぞれ別個に自由に変更することができ
る。
【0056】また、この方法及び装置によれば、図25
に示すように、区画領域S1 が単一の樹脂Aからなる見
かけ上単層区画領域からなり、また、区画領域S2 が3
種類の樹脂A、B、Cからなる3層の複層区画領域であ
るような複層パリソンP2 を調製することができる。そ
して、この様な複層パリソンP2 は、具体的には図27
及び図28に示すような椅子の座部G3 及び背もたれ部
G4 を成形するのに適している。すなわち、上記座部G
3 及び背もたれ部G4 において、外表面に露出して人体
に直接触れる表面側を3つの樹脂層A、B、Cを有する
複層区画領域S 2 で構成し、外側の樹脂層の樹脂Bにつ
いてはソフト感があって肌触りが良く、滑り難いような
曲げ弾性率5,000kgf/cm2 以下及びショアA
硬度80以下の軟質樹脂、例えばエラストマーで形成
し、また、内側の樹脂層の樹脂Aについては曲げ弾性率
10,000kgf/cm2 以上及びロックウェル硬度
60以上という優れた強度と剛性を有する硬質樹脂、例
えばポリプロピレン(PP)で形成し、更に、これら外
側の樹脂層Bと内側の樹脂層Aとの間を接着する中間の
樹脂層を接着性樹脂Cで構成し、そして、裏面側を構成
する樹脂層Aについては、それが人の体重を支えるもの
であるから上記と同じ硬質樹脂、例えばPPで形成す
る。
に示すように、区画領域S1 が単一の樹脂Aからなる見
かけ上単層区画領域からなり、また、区画領域S2 が3
種類の樹脂A、B、Cからなる3層の複層区画領域であ
るような複層パリソンP2 を調製することができる。そ
して、この様な複層パリソンP2 は、具体的には図27
及び図28に示すような椅子の座部G3 及び背もたれ部
G4 を成形するのに適している。すなわち、上記座部G
3 及び背もたれ部G4 において、外表面に露出して人体
に直接触れる表面側を3つの樹脂層A、B、Cを有する
複層区画領域S 2 で構成し、外側の樹脂層の樹脂Bにつ
いてはソフト感があって肌触りが良く、滑り難いような
曲げ弾性率5,000kgf/cm2 以下及びショアA
硬度80以下の軟質樹脂、例えばエラストマーで形成
し、また、内側の樹脂層の樹脂Aについては曲げ弾性率
10,000kgf/cm2 以上及びロックウェル硬度
60以上という優れた強度と剛性を有する硬質樹脂、例
えばポリプロピレン(PP)で形成し、更に、これら外
側の樹脂層Bと内側の樹脂層Aとの間を接着する中間の
樹脂層を接着性樹脂Cで構成し、そして、裏面側を構成
する樹脂層Aについては、それが人の体重を支えるもの
であるから上記と同じ硬質樹脂、例えばPPで形成す
る。
【0057】ここで、本発明者らの実験によれば、図2
5に示すような複層パリソンP2 において、複層区画領
域S2 側に流れる溶融樹脂の合計流量を見かけ上単層区
画領域S1 側に流れる溶融樹脂の流量の0.7〜1.3
重量倍の範囲、好ましくは0.8〜1.2重量倍の範
囲、より好ましくは0.9〜1.1重量倍の範囲に調整
するのがよい。例えば図26に示すように、単層区画領
域S1 側の樹脂Aを仮に唯一の流路だけに流して文字通
り(真の)単層にする等して、この溶融樹脂の流量のバ
ランスが上記範囲を外れると、ダイヘッドHのノズル部
21から押し出された複層パリソンP2 は、図29に示
すように、樹脂流量の少ない方(この場合は単層区画領
域S1 側)に縮れて皺皺になり、また、湾曲して成形で
きなくなる事態が発生する。そして、この様に複層区画
領域S2 側に流れる溶融樹脂の合計流量と見かけ上単層
区画領域S1 側に流れる溶融樹脂の流量とを制御するこ
とにより、形成される複層パリソンにおいて、その各区
画領域での層数nの差に関係なく全体の肉厚を実質的に
均一にすることができる。
5に示すような複層パリソンP2 において、複層区画領
域S2 側に流れる溶融樹脂の合計流量を見かけ上単層区
画領域S1 側に流れる溶融樹脂の流量の0.7〜1.3
重量倍の範囲、好ましくは0.8〜1.2重量倍の範
囲、より好ましくは0.9〜1.1重量倍の範囲に調整
するのがよい。例えば図26に示すように、単層区画領
域S1 側の樹脂Aを仮に唯一の流路だけに流して文字通
り(真の)単層にする等して、この溶融樹脂の流量のバ
ランスが上記範囲を外れると、ダイヘッドHのノズル部
21から押し出された複層パリソンP2 は、図29に示
すように、樹脂流量の少ない方(この場合は単層区画領
域S1 側)に縮れて皺皺になり、また、湾曲して成形で
きなくなる事態が発生する。そして、この様に複層区画
領域S2 側に流れる溶融樹脂の合計流量と見かけ上単層
区画領域S1 側に流れる溶融樹脂の流量とを制御するこ
とにより、形成される複層パリソンにおいて、その各区
画領域での層数nの差に関係なく全体の肉厚を実質的に
均一にすることができる。
【0058】
【実施例】以下、添付図面に示す実施例に基づいて、本
発明の多層ブロー成形方法、及びその装置並びにこの方
法で得られた中空成形品について具体的に説明する。こ
の実施例は、本発明の多層ブロー成形方法、及びその装
置並びにこの方法で得られた中空成形品に係るものであ
る。この方法を実施するための多層ブロー成形装置は、
図30及び図31に示すように、基本的には図18に示
す第二の方法を実施するための多層ブロー成形装置と同
じであり、これに加えて次のような特徴を有する。
発明の多層ブロー成形方法、及びその装置並びにこの方
法で得られた中空成形品について具体的に説明する。こ
の実施例は、本発明の多層ブロー成形方法、及びその装
置並びにこの方法で得られた中空成形品に係るものであ
る。この方法を実施するための多層ブロー成形装置は、
図30及び図31に示すように、基本的には図18に示
す第二の方法を実施するための多層ブロー成形装置と同
じであり、これに加えて次のような特徴を有する。
【0059】すなわち、ダイヘッドHにおいて、多重円
筒状流路形成部20は、3つの円筒状の流路形成用筒体
20i、20j、20kを多重円筒状に互いに組み立て
て外殻流路形成用筒体20m内に組み込んで多重円筒状
流路22a、22b、22cを形成する多重流路部20
xとこの多重流路部20xを流下した複数の樹脂を合流
させる樹脂合流部20yとに分割されており、これら多
重流路部20xと樹脂合流部20yとの間には各樹脂層
において各区画領域のパリソン円周方向の区画幅を変化
させる区画幅制御部31が上記多重流路部20x側に一
体に設けられている。そして、この区画幅制御部31
は、上記各流路形成用筒体20i、20j、20k及び
外殻流路形成用筒体20mの下端に一体に形成された略
々半球形状のロート状半球殻部32a、32b、32
c、32dと各半球殻部32a及び32cの球状外面上
に揺動可能に取り付けられ、上記多重流路部20xに形
成された各区画領域の境界を構成する隔壁下端に対応す
る位置に設けられ、形成される複層パリソンの各区画領
域の区画幅を変化させる舌片状のフラッピングネイル3
3a、33cとで構成され各樹脂層において区画された
各区画領域の区画幅がパリソン吐出方向に沿って変化す
る複層パリソンを形成できるようになっている。
筒状流路形成部20は、3つの円筒状の流路形成用筒体
20i、20j、20kを多重円筒状に互いに組み立て
て外殻流路形成用筒体20m内に組み込んで多重円筒状
流路22a、22b、22cを形成する多重流路部20
xとこの多重流路部20xを流下した複数の樹脂を合流
させる樹脂合流部20yとに分割されており、これら多
重流路部20xと樹脂合流部20yとの間には各樹脂層
において各区画領域のパリソン円周方向の区画幅を変化
させる区画幅制御部31が上記多重流路部20x側に一
体に設けられている。そして、この区画幅制御部31
は、上記各流路形成用筒体20i、20j、20k及び
外殻流路形成用筒体20mの下端に一体に形成された略
々半球形状のロート状半球殻部32a、32b、32
c、32dと各半球殻部32a及び32cの球状外面上
に揺動可能に取り付けられ、上記多重流路部20xに形
成された各区画領域の境界を構成する隔壁下端に対応す
る位置に設けられ、形成される複層パリソンの各区画領
域の区画幅を変化させる舌片状のフラッピングネイル3
3a、33cとで構成され各樹脂層において区画された
各区画領域の区画幅がパリソン吐出方向に沿って変化す
る複層パリソンを形成できるようになっている。
【0060】この実施例において、上記区画幅制御部3
1を構成する各半球殻部32a、32b、32c、32
dとその球状外面上に揺動可能に取り付けられる舌片状
のフラッピングネイル33a、33cとの関係は、最も
外側に位置する半球殻部32d及びその内側に位置する
半球殻部32cとその球状外面上に取り付けられたフラ
ッピングネイル33cとを示す図31に模式的に示され
ている。そして、上記各フラッピングネイル33a、3
3cには、そのフラッピングネイル33cを代表として
示す図32、図33、図34に示されているように、こ
のフラッピングネイル33cを駆動する駆動装置34
(図30に図示)に接続する駆動シャフト35が設けら
れており、この駆動シャフト35はフラッピングネイル
33cに回転運動を伝えるためのトルクシャフト35a
と、先端部がフラッピングネイル33cにねじ込まれて
おり、筒状に形成されてトルクシャフト35aをその外
側から保持するサポートパイプ35bと、これらトルク
シャフト35aとサポートパイプ35bとを一体に結合
するピン35cとで構成されている。
1を構成する各半球殻部32a、32b、32c、32
dとその球状外面上に揺動可能に取り付けられる舌片状
のフラッピングネイル33a、33cとの関係は、最も
外側に位置する半球殻部32d及びその内側に位置する
半球殻部32cとその球状外面上に取り付けられたフラ
ッピングネイル33cとを示す図31に模式的に示され
ている。そして、上記各フラッピングネイル33a、3
3cには、そのフラッピングネイル33cを代表として
示す図32、図33、図34に示されているように、こ
のフラッピングネイル33cを駆動する駆動装置34
(図30に図示)に接続する駆動シャフト35が設けら
れており、この駆動シャフト35はフラッピングネイル
33cに回転運動を伝えるためのトルクシャフト35a
と、先端部がフラッピングネイル33cにねじ込まれて
おり、筒状に形成されてトルクシャフト35aをその外
側から保持するサポートパイプ35bと、これらトルク
シャフト35aとサポートパイプ35bとを一体に結合
するピン35cとで構成されている。
【0061】そして、各フラッピングネイル33a、3
3cの上面及び下面は、その外側に位置する各半球殻部
32b、32dの球状内面及びその内側に位置する各半
球殻部32a、32cの球状外面に沿うようにそれぞれ
球面に形成されている。 また、多重円筒状流路形成部
20を構成する各流路形成用筒体20i、20j、20
k及び外殻流路形成用筒体20mの上部には、図35に
示すように、アーチ状の固定部36i、36j、36
k、36mが形成されており、これら固定部36i、3
6j、36k、36mを貫通するボルト28によって各
流路形成用筒体20i、20j、20kが外殻流路形成
用筒体20m内に同心円状に固定されており、また、外
殻流路形成用筒体20mに取り付けられた油圧シリンダ
ー30のシャフト30aが上記流路形成用筒体20i内
を貫通するパリソンコントローラシャフト29の上端に
固定されこの油圧シリンダー30によりパリソンコント
ローラシャフト29を上下動させ、これによってノズル
部21のダイコア21aを上下動させて複層パリソンが
吐出するダイの隙間を調整できるようになっている。
3cの上面及び下面は、その外側に位置する各半球殻部
32b、32dの球状内面及びその内側に位置する各半
球殻部32a、32cの球状外面に沿うようにそれぞれ
球面に形成されている。 また、多重円筒状流路形成部
20を構成する各流路形成用筒体20i、20j、20
k及び外殻流路形成用筒体20mの上部には、図35に
示すように、アーチ状の固定部36i、36j、36
k、36mが形成されており、これら固定部36i、3
6j、36k、36mを貫通するボルト28によって各
流路形成用筒体20i、20j、20kが外殻流路形成
用筒体20m内に同心円状に固定されており、また、外
殻流路形成用筒体20mに取り付けられた油圧シリンダ
ー30のシャフト30aが上記流路形成用筒体20i内
を貫通するパリソンコントローラシャフト29の上端に
固定されこの油圧シリンダー30によりパリソンコント
ローラシャフト29を上下動させ、これによってノズル
部21のダイコア21aを上下動させて複層パリソンが
吐出するダイの隙間を調整できるようになっている。
【0062】更に、この実施例においては、図30に示
された2つの多重円筒状流路22a及び22cが、図3
6〜38に示すように、それぞれ4つの区画領域S1 、
S2、S3 、S4 に区画されており、これら多重円筒状
流路22a及び22cを各区画領域S1 、S2 、S3 、
S4 に仕切る仕切り壁(図示せず)の下端に連続する位
置に各フラッピングネイル33a及び33cが配設され
ている。また、残りの1つの多重円筒状流路22bに
は、区画領域が形成されていない。そして、上記多重円
筒状流路22aに形成された2つの区画領域S1 、S3
には、図示外の押出装置から溶融樹脂Aを供給するため
に樹脂分配管24aが接続されており、また、この多重
円筒状流路22aに形成された他の2つの区画領域
S2 、S4 には、図示外の押出装置から溶融樹脂Bを供
給するために樹脂分配管24bが接続されており、そし
て、多重円筒状流路22bに溶融樹脂Cを供給するため
に樹脂分配管24cが接続されており、更に、上記多重
円筒状流路22cに形成された2つの区画領域S1 、S
3 には、図示外の押出装置から溶融樹脂Dを供給するた
めに樹脂分配管24dが接続されており、また、この多
重円筒状流路22cに形成された他の2つの区画領域S
2 、S4 には、図示外の押出装置から溶融樹脂Eを供給
するために樹脂分配管24eが接続されている。
された2つの多重円筒状流路22a及び22cが、図3
6〜38に示すように、それぞれ4つの区画領域S1 、
S2、S3 、S4 に区画されており、これら多重円筒状
流路22a及び22cを各区画領域S1 、S2 、S3 、
S4 に仕切る仕切り壁(図示せず)の下端に連続する位
置に各フラッピングネイル33a及び33cが配設され
ている。また、残りの1つの多重円筒状流路22bに
は、区画領域が形成されていない。そして、上記多重円
筒状流路22aに形成された2つの区画領域S1 、S3
には、図示外の押出装置から溶融樹脂Aを供給するため
に樹脂分配管24aが接続されており、また、この多重
円筒状流路22aに形成された他の2つの区画領域
S2 、S4 には、図示外の押出装置から溶融樹脂Bを供
給するために樹脂分配管24bが接続されており、そし
て、多重円筒状流路22bに溶融樹脂Cを供給するため
に樹脂分配管24cが接続されており、更に、上記多重
円筒状流路22cに形成された2つの区画領域S1 、S
3 には、図示外の押出装置から溶融樹脂Dを供給するた
めに樹脂分配管24dが接続されており、また、この多
重円筒状流路22cに形成された他の2つの区画領域S
2 、S4 には、図示外の押出装置から溶融樹脂Eを供給
するために樹脂分配管24eが接続されている。
【0063】なお、図36において、内側の樹脂層を形
成する樹脂Aや樹脂Bについては、その外側の樹脂層を
形成する樹脂Cよりも、また、この樹脂Cについては、
その外側の樹脂層を形成する樹脂Dや樹脂Eよりも、そ
れぞれその上方から流す必要がある。その理由は、樹脂
分配管24a、24b、24c、24d、24eから流
入する内側の樹脂の流れと外側の樹脂の流れとを干渉さ
せないためである。すなわち、例えば仮に、樹脂分配管
24a及び24bが樹脂分配管24cより下方にあれ
ば、樹脂分配管24a及び24bから多重流路部20x
で最も内側に位置する多重円筒状流路22aに流入する
樹脂A及びBは、その外側に位置する多重円筒状流路2
2c内を上方から流下している樹脂Cの層を貫通しなけ
ればならなくなる。
成する樹脂Aや樹脂Bについては、その外側の樹脂層を
形成する樹脂Cよりも、また、この樹脂Cについては、
その外側の樹脂層を形成する樹脂Dや樹脂Eよりも、そ
れぞれその上方から流す必要がある。その理由は、樹脂
分配管24a、24b、24c、24d、24eから流
入する内側の樹脂の流れと外側の樹脂の流れとを干渉さ
せないためである。すなわち、例えば仮に、樹脂分配管
24a及び24bが樹脂分配管24cより下方にあれ
ば、樹脂分配管24a及び24bから多重流路部20x
で最も内側に位置する多重円筒状流路22aに流入する
樹脂A及びBは、その外側に位置する多重円筒状流路2
2c内を上方から流下している樹脂Cの層を貫通しなけ
ればならなくなる。
【0064】そして、図39には、多重円筒状流路22
cを平面状に展開して模式的に描いた区画領域S1 、S
2 、S3 、S4 の区画幅制御の様子が示されている。こ
の流路22cを4つに仕切る仕切り壁37の下端に設け
られた4つのフラッピングネイル33cを所定のタイミ
ング及び幅で揺動させることにより、これら区画領域S
1 、S2 、S3 、S4 の区画幅を変化させることができ
る。なお、図中矢印38は溶融樹脂D、Eの流れの方向
を示すものである。
cを平面状に展開して模式的に描いた区画領域S1 、S
2 、S3 、S4 の区画幅制御の様子が示されている。こ
の流路22cを4つに仕切る仕切り壁37の下端に設け
られた4つのフラッピングネイル33cを所定のタイミ
ング及び幅で揺動させることにより、これら区画領域S
1 、S2 、S3 、S4 の区画幅を変化させることができ
る。なお、図中矢印38は溶融樹脂D、Eの流れの方向
を示すものである。
【0065】また、図40は、この第四の方法及び装置
により押し出される複層パリソンP 4 を一般的に示すも
のであり、m種n層p区画(m:樹脂Rの種類の数、
n:樹脂層Lの数、p:パリソン円周方向の区画領域S
の数)で各区画の幅がパリソンの押し出される方向に沿
って変化している様子を示す複層パリソンP4 の一例を
示す模式図である。なお、この実施例では、多重円筒状
流路22aの各区画領域を仕切る仕切り壁の位置と多重
円筒状流路22cの各区画領域を仕切る仕切り壁の位置
とが同じ位置に揃えられており、従ってフラッピングネ
イル33aと33cとが同じ仕切り壁の延長線上に位置
しているが、特にこの様にする必然性はなく、これらの
フラッピングネイル33a及び33cの取付位置を左右
にずらしてもよく、その際にそれぞれ別個のフラッピン
グ(首振り運動)を行うように制御して外層側と内層側
とで互いに異なった変化のパターンを示す区画領域を有
する樹脂層を形成するようにしてもよい。
により押し出される複層パリソンP 4 を一般的に示すも
のであり、m種n層p区画(m:樹脂Rの種類の数、
n:樹脂層Lの数、p:パリソン円周方向の区画領域S
の数)で各区画の幅がパリソンの押し出される方向に沿
って変化している様子を示す複層パリソンP4 の一例を
示す模式図である。なお、この実施例では、多重円筒状
流路22aの各区画領域を仕切る仕切り壁の位置と多重
円筒状流路22cの各区画領域を仕切る仕切り壁の位置
とが同じ位置に揃えられており、従ってフラッピングネ
イル33aと33cとが同じ仕切り壁の延長線上に位置
しているが、特にこの様にする必然性はなく、これらの
フラッピングネイル33a及び33cの取付位置を左右
にずらしてもよく、その際にそれぞれ別個のフラッピン
グ(首振り運動)を行うように制御して外層側と内層側
とで互いに異なった変化のパターンを示す区画領域を有
する樹脂層を形成するようにしてもよい。
【0066】ここで、この実施例のダイヘッドHの組立
手順について簡単に説明すると以下の通りである。 図30に示すように、一体に形成された多重流路部
20xと区画幅制御部31とを重ね合わせてボルト28
で組み付ける。 次に、治具を用いて各フラッピングネイル33a、
33cをそれぞれ所定のロート状半球殻部32aと32
bの間及びロート状半球殻部32cと32dとの間の隙
間に挿入し、保持する。 そして、最も外側に位置するロート状半球殻部32
dの外側からトルクシャフト35aを挿入し、その先端
の四角い部分39を各フラッピングネイル33a、33
cに形成された四角い穴40内に差し込み、各フラッピ
ングネイル33a、33cを固定する。 この状態で、次に各トルクシャフト35aの外側か
ら各サポートパイプ35bを差し込んでその先端に形成
された雄ねじ部41を各フラッピングネイル33a、3
3cの雌ねじ部42に螺着する。
手順について簡単に説明すると以下の通りである。 図30に示すように、一体に形成された多重流路部
20xと区画幅制御部31とを重ね合わせてボルト28
で組み付ける。 次に、治具を用いて各フラッピングネイル33a、
33cをそれぞれ所定のロート状半球殻部32aと32
bの間及びロート状半球殻部32cと32dとの間の隙
間に挿入し、保持する。 そして、最も外側に位置するロート状半球殻部32
dの外側からトルクシャフト35aを挿入し、その先端
の四角い部分39を各フラッピングネイル33a、33
cに形成された四角い穴40内に差し込み、各フラッピ
ングネイル33a、33cを固定する。 この状態で、次に各トルクシャフト35aの外側か
ら各サポートパイプ35bを差し込んでその先端に形成
された雄ねじ部41を各フラッピングネイル33a、3
3cの雌ねじ部42に螺着する。
【0067】 その後、各トルクシャフト35aとそ
の外側の各サポートパイプ35bとの間にピン35cを
打ち込み、これらをを一体的に結合させて各フラッピン
グネイル33a、33cの駆動シャフト35を構成す
る。 この様にして組み立てた各フラッピングネイル33
a、33cの駆動シャフト35にそれぞれ駆動装置34
を組み付ける。 この様にして全てのフラッピングネイル33a、3
3cの組み込み作業が終了した後、上記で組み付けた
多重流路部20x及び区画幅制御部31の下方に樹脂合
流部20yを取り付ける。 更に、上記で組み立てられた多重流路部20x、
区画幅制御部31及び樹脂合流部20yの中心軸上にそ
の下方からパリソンコントローラシャフト29を挿入
し、その上端を多重流路部20xの上部に配設された油
圧シリンダー30のシャフト30aに接続する。 最後に、樹脂分配管24a、24b、24c、24
d、24eを多重流路部20xの所定の位置に接続す
る。
の外側の各サポートパイプ35bとの間にピン35cを
打ち込み、これらをを一体的に結合させて各フラッピン
グネイル33a、33cの駆動シャフト35を構成す
る。 この様にして組み立てた各フラッピングネイル33
a、33cの駆動シャフト35にそれぞれ駆動装置34
を組み付ける。 この様にして全てのフラッピングネイル33a、3
3cの組み込み作業が終了した後、上記で組み付けた
多重流路部20x及び区画幅制御部31の下方に樹脂合
流部20yを取り付ける。 更に、上記で組み立てられた多重流路部20x、
区画幅制御部31及び樹脂合流部20yの中心軸上にそ
の下方からパリソンコントローラシャフト29を挿入
し、その上端を多重流路部20xの上部に配設された油
圧シリンダー30のシャフト30aに接続する。 最後に、樹脂分配管24a、24b、24c、24
d、24eを多重流路部20xの所定の位置に接続す
る。
【0068】従って、この実施例の多層ブロー成形装置
によれば、ダイヘッドHから5種の熱可塑性樹脂を円筒
状に押し出してその全体の肉厚が実質的に均一である複
層パリソンP4 を形成し、この複層パリソンP4 をブロ
ー成形して種々の中空成形品を成形することができる。
そして、これらの中空成形品については、その成形品横
断面周壁に沿ってその樹脂種m、層数n及び層厚の何れ
か1以上に関して互いに異なる区画領域Sを有すると共
に、各樹脂層において区画された各区画領域Sの区画幅
が成形品縦断面壁に沿って変化している多層ブロー成形
品を製造することができる。このため、中空成形品の横
断面方向及び縦断面方向の両方向で著しい物性変化のパ
ターンを有するブロー成形品を生産することができ、用
途に応じて樹脂の耐熱性、耐水性、耐油性、高剛性、耐
摩耗性等の性能を中空成形品の部分部分で充分に引き出
すことができ、中空成形品の製品性能を容易に向上させ
ることができる。
によれば、ダイヘッドHから5種の熱可塑性樹脂を円筒
状に押し出してその全体の肉厚が実質的に均一である複
層パリソンP4 を形成し、この複層パリソンP4 をブロ
ー成形して種々の中空成形品を成形することができる。
そして、これらの中空成形品については、その成形品横
断面周壁に沿ってその樹脂種m、層数n及び層厚の何れ
か1以上に関して互いに異なる区画領域Sを有すると共
に、各樹脂層において区画された各区画領域Sの区画幅
が成形品縦断面壁に沿って変化している多層ブロー成形
品を製造することができる。このため、中空成形品の横
断面方向及び縦断面方向の両方向で著しい物性変化のパ
ターンを有するブロー成形品を生産することができ、用
途に応じて樹脂の耐熱性、耐水性、耐油性、高剛性、耐
摩耗性等の性能を中空成形品の部分部分で充分に引き出
すことができ、中空成形品の製品性能を容易に向上させ
ることができる。
【0069】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によって、従
来存在しなかった製品横断面の周方向に沿って部分部分
で物性の変化しているブロー成形品及び横断面の各区画
ごとに層数の異なるパリソン並びに各区画領域の区画幅
が異なるパリソンを形成しないと成形出来ないような製
品の生産が容易に生産が可能となる。このようにして、
これら物性変化のバラエテイーに富む製品群によってブ
ロー成形品の利用分野を拡大することが可能である。し
かも、パリソンを横断面の樹脂構成を一つのパターンか
ら次のパターンへ変更するのに殆ど人手も時間も要する
ことなく生産製品変更の段取りが極めて安全に、しかも
効率良く行えるという極めて優れた効果を奏するもので
ある。
来存在しなかった製品横断面の周方向に沿って部分部分
で物性の変化しているブロー成形品及び横断面の各区画
ごとに層数の異なるパリソン並びに各区画領域の区画幅
が異なるパリソンを形成しないと成形出来ないような製
品の生産が容易に生産が可能となる。このようにして、
これら物性変化のバラエテイーに富む製品群によってブ
ロー成形品の利用分野を拡大することが可能である。し
かも、パリソンを横断面の樹脂構成を一つのパターンか
ら次のパターンへ変更するのに殆ど人手も時間も要する
ことなく生産製品変更の段取りが極めて安全に、しかも
効率良く行えるという極めて優れた効果を奏するもので
ある。
【図1】第一の多層ブロー成形方法及びその装置で得ら
れる多層パリソンの横断面を示す概念図、
れる多層パリソンの横断面を示す概念図、
【図2】第一の多層ブロー成形方法を実施するに当たっ
て使用される多層ブロー成形装置の断面説明図、
て使用される多層ブロー成形装置の断面説明図、
【図3】図2の成形装置内おける溶融樹脂の流れを取り
出して示した説明図、
出して示した説明図、
【図4】図2のロタスルート部を示すIV−IV線断面
図及びV−V線断面図、
図及びV−V線断面図、
【図5】図2のロタスルート部を示すIV−IV線断面
図及びV−V線断面図、
図及びV−V線断面図、
【図6】図2に示す装置を用いて成形される多層ブロー
成形品であるボイラー室のドアを示す断面説明図、
成形品であるボイラー室のドアを示す断面説明図、
【図7】図2に示す装置から押し出された複層パリソン
の横断面を示す断面説明図、
の横断面を示す断面説明図、
【図8】複層パリソンを4つに分割された金型で型締め
してブロー成形する様子を示す説明図、
してブロー成形する様子を示す説明図、
【図9】複層パリソンを4つに分割された金型で型締め
してブロー成形する様子を示す説明図、
してブロー成形する様子を示す説明図、
【図10】図2に示す多層ブロー成形装置に適用した状
態のブラインドリングを示す断面説明図、
態のブラインドリングを示す断面説明図、
【図11】図10のブラインドリングの斜視説明図、
【図12】ロタスルート部の変形例を示す平面説明図、
【図13】図12のロタスルート部を用いて形成された
複層パリソンを示す横断面説明図
複層パリソンを示す横断面説明図
【図14】第一の多層ブロー成形装置を使用して成形さ
れた自動車用バンパーを示す断面説明図、
れた自動車用バンパーを示す断面説明図、
【図15】第一の多層ブロー成形装置を使用して成形さ
れた自動車用バンパーを示す断面説明図、
れた自動車用バンパーを示す断面説明図、
【図16】第一の多層ブロー成形装置を使用して成形さ
れた自動車用バンパーを示す断面説明図、
れた自動車用バンパーを示す断面説明図、
【図17】第一の多層ブロー成形装置を使用して成形さ
れた自動車用バンパーを示す断面説明図、
れた自動車用バンパーを示す断面説明図、
【図18】第二の多層ブロー成形方法を実施するに当た
って使用される多層ブロー成形装置の断面説明図、
って使用される多層ブロー成形装置の断面説明図、
【図19】図18の流路形成用筒体を示す斜視説明図、
【図20】図18の成形装置内における溶融樹脂の流れ
を取り出して示した説明図、
を取り出して示した説明図、
【図21】分岐路と合流路とを有する樹脂分配管内を溶
融樹脂が流れる様子を示した説明図、
融樹脂が流れる様子を示した説明図、
【図22】分岐路と合流路とを有する樹脂分配管内を溶
融樹脂が流れる様子を示した説明図、
融樹脂が流れる様子を示した説明図、
【図23】分岐路と合流路とを有する樹脂分配管内を溶
融樹脂が流れる様子を示した説明図、
融樹脂が流れる様子を示した説明図、
【図24】第二の方法及び装置で得られる複層パリソン
を示す横断面説明図、
を示す横断面説明図、
【図25】第二の方法及び装置で得られる複層パリソン
を示す横断面説明図、
を示す横断面説明図、
【図26】第二の方法及び装置で得られる複層パリソン
を示す横断面説明図、
を示す横断面説明図、
【図27】第二の複層パリソンを用いて成形される椅子
の座部及び背もたれ部を示す斜視説明図、
の座部及び背もたれ部を示す斜視説明図、
【図28】図27の椅子の座部又は背もたれ部を示す断
面説明図、
面説明図、
【図29】複層パリソンの押出時にパリソンが樹脂流量
の少ない方に縮れて皺皺になる様子を示す斜視説明図、
の少ない方に縮れて皺皺になる様子を示す斜視説明図、
【図30】本発明方法に係る実施例のための多層ブロー
成形装置を示す断面説明図、
成形装置を示す断面説明図、
【図31】フラッピングネイルの取り付け状態を説明す
るための説明図、
るための説明図、
【図32】フラッピングネイルの取り付け状態を説明す
るための説明図、
るための説明図、
【図33】フラッピングネイルの取り付け状態を説明す
るための説明図、
るための説明図、
【図34】フラッピングネイルの取り付け状態を説明す
るための説明図、
るための説明図、
【図35】多重円筒状流路形成部を構成する各流路形成
用筒体及び外殻流路形成用筒体の固定状態を示す部分断
面斜視説明図、
用筒体及び外殻流路形成用筒体の固定状態を示す部分断
面斜視説明図、
【図36】実施例の多重円筒状流路を説明するための説
明図、
明図、
【図37】実施例の多重円筒状流路を説明するための説
明図、
明図、
【図38】実施例で形成される複層パリソンを説明する
ための説明図、
ための説明図、
【図39】フラッピングネイルにより各区画領域での区
画幅を変化させる様子を説明するための説明図、
画幅を変化させる様子を説明するための説明図、
【図40】本発明の方法及び装置により押し出される複
層パリソンを一般的に説明するための説明図、
層パリソンを一般的に説明するための説明図、
【図41】従来の方法で得られる複層パリソンを説明す
るための部分断面説明図、
るための部分断面説明図、
【図42】従来の方法で得られる複層パリソンを説明す
るための部分断面説明図、
るための部分断面説明図、
【図43】従来の方法で得られる複層パリソンを説明す
るための部分断面説明図、
るための部分断面説明図、
【図44】従来の方法で得られる複層パリソンを説明す
るための部分断面説明図、
るための部分断面説明図、
1 マルチトーラス部 1a 同心円環状の流路 1b 樹脂導入路 2 ロタスルート部 2a パターン流路 2b ブリッジ部 3 オクトパス部 4 ノズル部 4a 吐出するスリット 5 ボルト 6 金型 7 突き合わせ部分 8 境界部分 9 ブラインドリング 10 ビーム部 11 フェイシャ部 12 接着樹脂層 13 樹脂層 20 多重円筒状流路形成部 21 吐出するノズル部 22 溶融樹脂の流路 23 溝部 24 樹脂分配管 25 分岐路 26 合流路 27 流路切替弁 28 ボルト 29 パリソンコントローラシャフト 30 油圧シリンダー 31 区画幅制御部 32 半球殻部 33 フラッピングネイル 34 駆動装置 35 駆動シャフト 36 固定部 37 仕切り壁 38 溶融樹脂の流れ方向を示す矢印 39 四角い部分 40 四角い穴 41 雄ねじ部 42 雌ねじ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平4−255157 (32)優先日 平成4年9月25日(1992.9.25) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−218977 (32)優先日 平成4年8月18日(1992.8.18) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 古木 哲 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 実開 平5−220739(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 49/00 - 49/80
Claims (4)
- 【請求項1】 ダイヘッドから複数の熱可塑性樹脂を円
筒状に押し出してその全体の肉厚が実質的に均一である
複層パリソンを形成し、この押し出された複層パリソン
を複数に分割されてパリソン受入可能な開放状態の金型
内に導き、この金型を型締めしてブロー成形を行うに際
し、上記複層パリソンを構成する少なくとも1つの樹脂
層について、パリソン円周方向に沿ってその樹脂種、層
数及び層厚の何れか1以上に関して互いに異なる区画領
域を形成すると共に、区画された各区画領域の区画幅を
パリソン吐出方向に沿って変化させることを特徴とする
多層ブロー成形方法。 - 【請求項2】 m種n層p区画の複層パリソンを形成す
る際に、各区画領域の区画幅のパリソン吐出方向に沿う
変化のパターンを何れかの樹脂層で互いに異なるように
形成した請求項1記載の多層ブロー成形方法。 - 【請求項3】 多重円筒状流路形成部が多重円筒状流路
を形成する多重流路部とこの多重流路部を流下した複数
の樹脂を合流させる樹脂合流部とに分割されており、こ
れら多重流路部と樹脂合流部との間には各樹脂層におい
て各区画領域のパリソン円周方向の区画幅を変化させる
区画幅制御部が設けられており、この区画幅制御部が層
数nに対応した数の略々半球形状のロート状半球殻体と
これら各半球殻体の球状外面上に揺動可能に取り付けら
れ、上記多重流路部に形成された各区画領域の境界を構
成する隔壁下端に対応する位置に設けられ、形成される
複層パリソンの各区画領域の区画幅を変化させる舌片状
のフラッピングネイルとで構成されており、各樹脂層に
おいて区画された各区画領域の区画幅がパリソン吐出方
向に沿って変化した複層パリソンを形成することを特徴
とする多層ブロー成形装置。 - 【請求項4】 ダイヘッドから複数の熱可塑性樹脂を円
筒状に押し出してその全体の肉厚が実質的に均一である
複層パリソンを形成し、この複層パリソンをブロー成形
して形成される中空成形品であり、この中空成形品につ
いて、成形品横断面周壁に沿ってその樹脂種、層数及び
層厚の何れか1以上に関して互いに異なる区画領域を有
すると共に、各樹脂層において区画された各区画領域の
区画幅が成形品縦断面壁に沿って変化しており、上記各
区画領域は中空成形品が有すべき各領域の役割に対応し
ていることを特徴とする多層ブロー成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34377592A JP3272431B2 (ja) | 1991-12-27 | 1992-12-24 | 多層ブロー成形方法及びその装置並びにこの方法で得られた中空成形品 |
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---|---|---|---|
JP35930291 | 1991-12-27 | ||
JP35930191 | 1991-12-27 | ||
JP21494792 | 1992-08-12 | ||
JP4-218977 | 1992-08-18 | ||
JP21897792 | 1992-08-18 | ||
JP25515792 | 1992-09-25 | ||
JP4-255157 | 1992-09-25 | ||
JP3-359302 | 1992-09-25 | ||
JP3-359301 | 1992-09-25 | ||
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JP34377592A JP3272431B2 (ja) | 1991-12-27 | 1992-12-24 | 多層ブロー成形方法及びその装置並びにこの方法で得られた中空成形品 |
Publications (2)
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JP3272431B2 true JP3272431B2 (ja) | 2002-04-08 |
Family
ID=27553904
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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-
1992
- 1992-12-24 JP JP34377592A patent/JP3272431B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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