JP3272216B2 - クロム含有排水の処理方法 - Google Patents

クロム含有排水の処理方法

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JP3272216B2 JP27443895A JP27443895A JP3272216B2 JP 3272216 B2 JP3272216 B2 JP 3272216B2 JP 27443895 A JP27443895 A JP 27443895A JP 27443895 A JP27443895 A JP 27443895A JP 3272216 B2 JP3272216 B2 JP 3272216B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロムイオンと中
和沈澱阻害物、吸着阻害物およびイオン交換阻害物より
なる群から選ばれた少なくとも1種の阻害物(以下、単
に阻害物ともいう)とを含有するクロム含有排水の処理
方法に関わるもので、例えば、油脂、有機物、界面活性
剤、食塩などの上記阻害物を含有する革なめし工場のク
ロム含有排水などのように、通常の中和沈澱法では除去
困難なクロム含有排水においてクロムイオンを容易に処
理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種重金属イオンは人畜に害を与えるも
のとして排出基準が厳しく管理されており、Crイオン
についても例外でなく、6価クロムイオンとして0.5
ppm以下、全クロムとして2ppm以下となってい
る。
【0003】一般にCrイオンを含む排水処理は、還
元、中和、凝集沈澱法、活性炭等による吸着法、イオン
交換樹脂処理法等で処理されている。例えば、電気メッ
キ工場でもその排水(メッキ排水)にCr6+が含まれる
ことが多い。ために、還元、中和、凝集沈澱法が厳重に
チェックされながら、実用的に行われ、排出基準を満足
している。
【0004】ところが、排水にクロムイオンとともに油
脂、食塩、界面活性剤および微細な有機物が共存、懸濁
している場合はこれらが吸着、イオン交換あるいは中和
沈澱の阻害物となってクロムの排出基準を満足できな
い。
【0005】例えば、革なめしには塩基性硫酸クロムが
使用され、高濃度のCr3+イオンを含む排水が発生す
る。しかも、油脂、食塩、界面活性剤および獣毛等の微
細な有機物が共存、懸濁している。このため吸着および
イオン交換樹脂処理法は当然のことながら界面活性剤や
共存する他の陽イオンにより、吸着あるいはイオン交換
が妨げられ、そのままでは適用がまったく不可能であ
る。
【0006】さらには、高濃度重金属を含む排水の処理
に、広く適用されている中和沈澱法についても革なめし
排水の処理については問題がある。
【0007】革なめし排水は、メッキ排水と異なり、p
H2〜3のCr3+イオンを含む排水であるから、そのま
ま中和槽に導き、石灰乳等のアルカリを添加し、pHを
7〜8に中和し、Cr3+を水酸化クロムとしそれなりに
除去することが可能である。しかし、中和沈澱法では排
出基準を十分に満足することが困難であった。
【0008】原因を究明したところ、革なめし排水には
前述のように、油脂、食塩、界面活性剤および有機物が
懸濁し、これがクロムイオンの沈澱を妨げ、中和沈澱法
での完全処理が困難となっているものと考えられた。さ
らに、例えば、予め凝集剤を添加し、これらの懸濁物を
凝集、除去した後、中和沈澱法を適用することが考えら
れるが、界面活性剤が存在し、さらに油脂が一部、鹸化
しているため、まったく効果が見られない。
【0009】またさらに、これらの処理を適用後、吸着
法あるいはイオン交換法による2次処理も考えられる
が、同じように排水に界面活性剤あるいは食塩を含むた
めほとんど効果が無いのである。このように従来技術を
組み合わせた方法では排水にクロムイオンとともに油
脂、食塩、界面活性剤および微細な有機物が共存、懸濁
した場合、排水の処理が困難で大きな問題となってい
た。
【0010】その上、悪いことに、生成するクロム水酸
化物は一般に微細なコロイド状となるため、単なる濾過
操作では濾布が目詰まりを起こし、時間と共に濾過速度
が低下するため、これが適用できない。そのため、工場
単位が排出する排水量に比較して、大きな沈澱槽を設備
する必要があり、例えば、革なめし工場のように狭あい
な敷地に設置できないという問題もある。
【0011】中和沈澱法の一つとして、特開昭50−0
38676号公報に開示されているような塩基性無機
物、例えば、カオリナイト、デッカイトアロフェン等に
接触させ、中和し、クロムを除去する方法がある。なる
ほど、クロム量は低下し、凝集濾過もかなり改善される
が、油脂等はそのまま濾液に残留し、さらに活性汚泥法
等による処理が必要であった。
【0012】このように、革なめし排水のようにクロム
とともに油脂、食塩、界面活性剤および有機物等の中和
沈澱阻害物、吸着阻害物およびイオン交換阻害物よりな
る群から選ばれた少なくとも1種の阻害物を合わせ含有
する排水に従来技術を強いて適用しようとしても、十分
な効果が得られないだけでなく、大規模な沈澱槽および
設備を必要とし、多大な費用と、さらに設備設置に広大
なスペースを要することから零細工場ではほとんど適用
が困難であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、クロム
イオンの他、油脂、食塩、界面活性剤さらには有機物等
の中和沈澱阻害物、吸着阻害物およびイオン交換阻害物
よりなる群から選ばれた少なくとも1種の阻害物を含有
するクロム含有排水を容易にしかも比較的簡便な設備を
用いて処理する方法の開示が求められている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、石炭灰、すな
わちフライアッシュをアルカリ処理すると強いアルカリ
性と大きな陽イオン交換機能を有する物質、いわゆるフ
ライアッシュゼオライトに変化する反応を応用すること
により、この反応生成物を鉄塩とともに中和沈澱阻害
物、吸着阻害物およびイオン交換阻害物よりなる群から
選ばれた少なくとも1種の阻害物を含有するクロムを含
む排水処理においても、クロムの排出基準を満足するこ
とが可能となる処理方法を提供するものである。その要
旨は、 (1)クロムイオンと中和沈澱阻害物、吸着阻害物およ
びイオン交換阻害物よりなる群から選ばれた少なくとも
1種の阻害物とを含有するクロム含有排水の処理方法に
おいて、該排水にフライアッシュを出発原料としたアル
カリ水溶液中で加熱反応せしめて形成したpH12以上
のフライアッシュゼオライトである強アルカリ性で陽イ
オン交換機能を有する反応生成物と鉄塩を添加し、該ク
ロムイオンと該阻害物とを排水から除去することを特徴
とするクロム含有排水の処理方法。
【0015】
【0016】()前記中和沈澱阻害物、吸着阻害物お
よびイオン交換阻害物よりなる群から選ばれた少なくと
も1種の阻害物が、油脂、有機物、界面活性剤および食
塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種からなること
を特徴とする(1)に記載のクロム含有排水の処理方
法。
【0017】
【0018】()前記排水1リットルに対し、pH1
2以上のフライアッシュゼオライトからなる前記反応生
成物が100〜500gであり、前記鉄塩が10〜50
gの割合で添加されてなることを特徴とする(1)また
は(2)に記載のクロム含有排水の処理方法。
【0019】このようなフライアッシュゼオライトと鉄
塩を組み合わせることによりクロムイオンおよび界面活
性剤、獣脂等に対する吸着除去作用が発生し、さらにこ
のスラッジが非常に濾別容易な性状を有するのである。
ために、フライアッシュゼオライトおよび鉄塩の添加混
合槽と濾別装置を組み合わせることで、中和沈澱阻害
物、吸着阻害物およびイオン交換阻害物よりなる群から
選ばれた少なくとも1種の阻害物を含むクロム含有排水
の処理が可能となる。これにより、従来の、例えば、中
和沈澱法のような大きな槽を多数必要とすることもな
く、大幅な設備簡略化が可能となり、例えば、革なめし
工場のような狭い敷地でも設置可能となるのである。
【0020】
【発明の実施の形態】石炭灰、すなわちフライアッシュ
をアルカリ処理してなる物質は、強いアルカリ性と大き
な陽イオン交換機能を有する物質に変化する。その製造
例を表1に示した。
【0021】原料フライアッシュは、石炭燃焼火力発電
所で発生した廃棄物である。粒の形状は球形で、粒度は
10〜30μmの間にあり、未燃焼炭素を約10%含ん
でいる。表1に示したような配合および薬液条件で大気
圧下、反応温度100℃で、5時間反応させる。脱液、
水洗後、105℃の乾燥炉中で乾燥し、粉末材を得る。
生成物は、塩基置換容量が280meq/100gの、
主としてその結晶形がフェリップサイトタイプのゼオラ
イトとなっていた。走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、その形態は球形でゼオライト結晶は表面に栗のいが
様に針状に密生していた。また、強いアルカリ性を有
し、真比重は2.62、吸水率は53.3%で非常に水
になじみ易いものである。すなわち、水溶液への添加が
容易で、しかも沈降しやすい性質の物質であった。
【0022】
【表1】
【0023】本発明は、このフライアッシュゼオライト
と鉄塩をクロムイオンとともに、油脂、界面活性剤、有
機物、食塩等を合わせ含有する排水、例えば、革なめし
排水中に添加するとクロムイオンはもちろんのこと、油
脂、界面活性剤、有機物等の中和沈澱阻害物、吸着阻害
物およびイオン交換阻害物を強力に吸着し、しかも非常
に濾別性のよいスラッジを形成すること、さらに、この
スラッジは非常に安定で、雨水等によるクロムイオンの
溶脱が認められないことを見い出し、なされたものであ
る。
【0024】この特性を利用することにより、従来法に
比較して処理設備が簡便な革なめし排水のような複合排
水の処理が可能となる。
【0025】前述の特開昭50−038676号公報に
開示されているような、単に塩基性無機物に接触させ、
クロムイオンを中和吸着除去する方法では、油脂、界面
活性剤、有機物等は除去できないのである。
【0026】また、これは従来の、例えば、特開昭61
−174945号公報あるいは特開平3−229690
号公報のように、従来から良く知られたゼオライトの陽
イオンの交換機能を利用しているのではないのである。
【0027】おそらくは、フライアッシュゼオライトと
鉄塩をCr3+イオンを含む革なめし排水に添加すると、
フライアッシュゼオライトの強アルカリにより排水が中
和され、形成されたクロムおよび鉄の水酸化物が大きな
錯体を形成し、これが共存する油脂、有機物、食塩、界
面活性剤を取り込みながらコロイドとなりフライアッシ
ュゼオライト面に吸着される。これには、前述のように
フライアッシュゼオライトの固有の形態が大きな役割を
担うと考えられる。すなわち、フライアッシュゼオライ
トの球形表面に密生した針状結晶に固く保持されるもの
と考えられる。
【0028】さらに、クロムイオンの一部はフライアッ
シュゼオライトが大きな塩基置換容量を有することから
イオン結合により固定化され、沈澱するのである。その
沈澱も10〜30μmの球形のフライアッシュゼオライ
トに固定化されるため、排水との分離能が著しく向上
し、容易に固液分離するのである。そのため、濾過速度
が早く、目詰まりを生ずることがなく、長時間の連続濾
過が可能となるのである。そして、生成した微細コロイ
ド質の水酸化物が処理水に流失することが防止できるの
である。
【0029】すなわち、フライアッシュゼオライトと鉄
塩を使用することより、中和、凝集剤と濾過助材として
の作用をなし、プレコートのような人手を要する操作を
省略し、攪拌操作と工業的手段として加圧濾過法または
真空濾過法を使用することができ、装置も簡便にして設
備費も軽減できるのである。
【0030】次に、添加量としては、フライアッシュゼ
オライト量が排水1リットルに対し100〜500gで
ある。該フライアッシュゼオライト量が、100g未満
では吸着能が不足し、500g超では過剰で、むやみに
スラッジが増大し、濾過に時間とエネルギーを必要とす
るとともに、スラッジの処理が問題となるので好ましく
ない。
【0031】鉄塩については、第一あるいは第二鉄塩で
も使用できる。クロムを含む排水には六価クロムが存在
する恐れもあるので、第一鉄塩の方がより好ましい。添
加量としては、鉄塩の含有量が排水1リットルに対し1
0〜50gである。該鉄塩の含有量が、10g未満では
鉄塩含有の効果が十分に発揮されず、油脂あるいは界面
活性剤の除去が完全でなく、Crイオンが2ppmを越
える恐れがある。50g超では過剰で、フライアッシュ
ゼオライトの場合と同じような問題が発生する。フライ
アッシュゼオライトのpHについては、12以上が好ま
しい。12未満では、フライアッシュゼオライトおよび
鉄塩の好ましい添加範囲で排水のpHが好ましい範囲、
すなわちpHを8以上に保持することが困難になる。
【0032】以上の範囲に構成したフライアッシュゼオ
ライトおよび鉄塩を油脂、有機物、食塩、界面活性剤等
の中和沈澱阻害物、吸着阻害物およびイオン交換阻害物
よりなる群から選ばれた少なくとも1種の阻害物をクロ
ムと合わせ含有する排水、例えば、革なめし排水に添
加、撹拌濾別することで排水中のクロム含有量を排出基
準を満足するレベルまで低下することができるのであ
る。
【0033】
【実施例】以下、実施例に基づき説明する。
【0034】実施例1 ビーカーに革なめしに使用した約5%の塩基性硫酸クロ
ム溶液を1リットルとり、この溶液にpH13.7のフ
ライアッシュゼオライト250gと塩化第一鉄30gか
らなる処理剤を添加、30分攪拌、濾別した。また、比
較材として、フライアッシュゼオライトの代わりに同量
の天然ゼオライト、中和材として消石灰15gの組合せ
を添加し、処理を行った。その結果は、表2の通りで、
溶液のpHは約3であったものが、8に上昇する。生成
したスラッジは容易に容器底に沈澱した。したがって、
上澄み液との濾別も容易で、遠心脱水することで水分1
5%以下のケーキが容易に得られる。
【0035】この上澄み液を分析したところ、Cr3+
オン濃度は0.8mg/リットルで99.9%以上の除
去率を示した。これは、完全にクロムの排出基準を満足
する。また、原排水は濃緑色で油脂および有機物の懸濁
物が存在し、透明度零であったものが完全に無色透明な
状態となった。
【0036】
【表2】
【0037】濾別残渣を取り出し、純水中で5時間振盪
し、液中のCr3+イオンを分析したところ、Cr3+イオ
ンはまったく認められなかった。さらに、抽出水に、
酸、アルカリを添加し、この抽出液のpHを3〜13ま
で変化させても、まったく同様に濾液中に金属イオンは
認められなかった。
【0038】一方、フライアッシュゼオライトの代わり
の天然ゼオライトと中和剤である消石灰の組合せではク
ロムの排出基準を満足しないとともに、濾液も白濁し、
明らかに有機物の除去が不完全であった。
【0039】これらの残渣はpH3以下の硫酸で処理す
ることにより、初めてCr3+イオンの抽出が可能であっ
た。通常の沈澱法のクロムスラッジは、pH4までは安
定であるが、それ以下ではクロムイオンの溶出が認めら
れるので、従来法に比較して、スラッジの安定性は非常
に大きい。したがって、スラッジの処分も容易である。
【0040】次に、自然界に近いスラッジの溶脱試験と
して天日乾燥スラッジ4gにpH2の塩酸酸性溶液40
mlを加え、60分振盪、吸引濾過し、濾液の分析を行
う操作を繰り返し14回行った結果を図1に示した。フ
ライアッシュゼオライトの代わりに天然ゼオライトを使
用した場合は、4回目で10mg/リットルを越える溶
出クロムが認められるが、人工ゼオライトでは8回目ま
では排出基準の2mg/リットル以内にある。
【0041】この結果は、スラッジがpH2の酸性雨で
320mlまでクロムの溶出量は排出基準内にあること
を示す。一般に、自然界の酸性雨はpH4といわれるか
ら単純計算で32000mlの酸性雨でもこのスラッジ
からのクロムは排出基準以下の溶脱と考えられ、年間1
000mmの雨量でも30年間は問題ない。スラッジの
安定性が従来法より格段に優れている。
【0042】実施例2 ビーカーに革なめしに使用した約5%の塩基性硫酸クロ
ム溶液を1リットルとり、この溶液にpH13.7のフ
ライアッシュゼオライト250gと硫酸第一鉄30gか
らなる処理剤を添加、30分攪拌、濾別した。
【0043】その結果は表3の通りで、溶液のpHは約
3であったものが、8に上昇する。生成したスラッジは
容易に容器底に沈澱した。したがって、上澄み液との濾
別も容易で、遠心脱水することで水分15%以下のケー
キが容易に得られる。
【0044】この上澄み液を分析したところ、Cr3+
オン濃度は0.5mg/リットルで99.9%以上の除
去率を示した。これは、完全にクロムの排出基準を満足
する。その他、濾液の性状、スラッジの性状も実施例1
と同じで、鉄塩は硫酸塩でもまったく同じ効果が得られ
る。
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明は、以上のように、フライアッシ
ュゼオライトという廃棄物からなるものと鉄塩を使用し
て、従来好ましい処理方法が存在しなかった、クロムと
ともに油脂、有機物、界面活性剤、食塩等の中和沈澱阻
害物、吸着阻害物およびイオン交換阻害物よりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の阻害物を合わせ含有する、
例えば、革なめし工場の排水のような複合排水を処理
し、該複合排水中のクロムおよび当該阻害物をクロムの
排出基準を満足するレベルまで除去するという実用性の
極めて高い、一石二鳥の効果が得られる発明である。
【0047】すなわち、有害なクロムを含む排水から、
現在大量に発生しつつあり、処分に困難をきしているフ
ライアッシュという廃棄物をアルカリ処理してなる物質
とありふれた鉄塩で構成した処理剤を簡便な処理設備を
使用して添加、攪拌、濾別することで、容易に排水中の
クロムおよび上記阻害物の除去、安定化を可能としたも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の人工ゼオライトおよび従来
の天然ゼオライトに関する溶出回数と溶出Cr量との関
係を示す説明図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−63866(JP,A) 特開 昭61−174945(JP,A) 特開 昭59−26191(JP,A) 特開 昭50−35061(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/58,1/28 C02F 1/42,1/52

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロムイオンと中和沈澱阻害物、吸着阻
    害物およびイオン交換阻害物よりなる群から選ばれた少
    なくとも1種の阻害物とを含有するクロム含有排水の処
    理方法において、該排水にフライアッシュを出発材料と
    したアルカリ水溶液中で加熱反応せしめて形成したpH
    12以上のフライアッシュゼオライトである強アルカリ
    性で陽イオン交換機能を有する反応生成物と鉄塩を添加
    し、該クロムイオンと該阻害物とを排水から除去するこ
    とを特徴とするクロム含有排水の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記中和沈澱阻害物、吸着阻害物および
    イオン交換阻害物よりなる群から選ばれた少なくとも1
    種の阻害物が、油脂、有機物、界面活性剤および食塩よ
    りなる群から選ばれた少なくとも1種からなることを特
    徴とする請求項1に記載のクロム含有排水の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記排水1リットルに対し、pH12以
    上のフライアッシュゼオライトからなる前記反応生成物
    が100〜500gであり、前記鉄塩が10〜50gの
    割合で添加されてなることを特徴とする請求項1または
    に記載のクロム含有排水の処理方法。
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