JP3272141B2 - シリコンカンチレバー及びこれを用いた超音波センサー - Google Patents

シリコンカンチレバー及びこれを用いた超音波センサー

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JP3272141B2
JP3272141B2 JP06109794A JP6109794A JP3272141B2 JP 3272141 B2 JP3272141 B2 JP 3272141B2 JP 06109794 A JP06109794 A JP 06109794A JP 6109794 A JP6109794 A JP 6109794A JP 3272141 B2 JP3272141 B2 JP 3272141B2
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孝則 藤井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シリコン基板上に形
成されるシリコンカンチレバー及びそのカンチレバーを
用いた超音波センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】超音波は光に比べ伝搬速度が遅いため、
距離、位置、物体形状などの情報を非接触で正確に計測
でき、また分散性が良いので、空間的に広い領域にわた
るセンシングにも適している。このような特徴を生かし
て、生体断層診断装置、魚群探知器、材料損傷、厚さ
計、レベル計、超音波顕微鏡、監視警報装置、リモート
スイッチ等広い分野への応用がなされている。このよう
なセンシング技術では、高速、高精度での測定へ、また
点計測から面計測さらには立体計測へと技術的要求が高
まっている。
【0003】このため、検知部と信号処理部を一体化し
たシリコンモノリシック構造の超音波センサーが提案さ
れている(例えば、特開昭61−220596号公報
(H04R 17/00)参照)。
【0004】シリコンモノリシック超音波センサーの素
子構造は、長さ数十〜数百μm、幅数十μm、厚さ数千
オングストロームの二酸化シリコン(SiO2 )からな
るカンチレバーをシリコン(Si)基板上に異方性エッ
チングにより形成する。このカンチレバー上にPtなど
の下部電極、PbTiO3 ,AlN等の圧電体膜、Al
等の上部電極を順次積層して形成されている。
【0005】そして、この上から超音波を照射すると、
複合膜からなるカンチレバーは振動する。その振動はカ
ンチレバーの構造により決まるいくつかの機械的共振周
波数のところで非常に大きくなる。この振動により圧電
薄膜内部にストレスが発生し、その圧電効果により下部
電極と上部電極間に電圧が生じ、超音波を検出する。
【0006】従来のSiO2 カンチレバーをシリコンの
異方性エッチング技術を用いて作成する場合、図5に示
すように、カンチレバーの長手方向は〈110〉方向と
している。すなわち、(100)面のSi基板を用い
て、その上に所定の膜厚のSiO2 を熱酸化、スパッタ
法、CVD法などにより形成した後、フォトリソグラフ
ィにより、〈110〉方向に向いた凹字型にSiO2
除去する。このSiO2をマスクとして、エチレンジア
ミン、ピロカテコール、水の混合液等により、Si基板
の異方性エッチングを行い、凹部11を形成することに
より、カンチレバー2を形成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、SiO2
高温でSi基板上に形成されるため、そのSiO2 とS
iには熱膨張係数の違いにより、室温では大きな圧縮応
力が存在している。上述した異方性エッチングにより、
SiO2 の下のSiのエッチングが進んで、SiO2
ンチレバーが大きくなると、その応力がカンチレバーの
基端部に集中し、カンチレバーが破壊することがある。
このため、カンチレバー作成の歩留まりが悪くなる。こ
れは、カンチレバーの長さにも影響するが、幅が広くな
るほど顕著に現れる。長さが10μm〜500μmのカ
ンチレバーでは幅80μmまでは、歩留まりよくカンチ
レバーを作成することができるが、それ以上の幅になる
と、SiO2 の破壊が頻繁に起こる。特にカンチレバー
をアレイ状に作成する場合には、それぞれの歩留まりを
よくしないと、全体としての歩留まりは著しく悪くな
る。
【0008】この発明は、上述した従来の問題点を解消
するためになされたものにして、歩留まり良く作成でき
るカンチレバーを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、Si基板に
設けられた凹部に自由端が延出され、少なくとも基端部
がSi基板と連結された二酸化シリコン薄膜からなるシ
リコンカンチレバーであって、前記カンチレバーの基端
部はSi基板に設けられた凹部の2辺と連結しているこ
とを特徴とする。
【0010】そして、前記Si基板は(100)面基板
からなり、上記カンチレバーの基端部から自由端の方向
を〈100〉方向とし、基板に設ける凹部の辺の方向を
〈110〉とすればよい。
【0011】また、前記二酸化シリコン薄膜の膜厚を
0.1ないし1.5μm、カンチレバー基端部から自由
端の長さを1ないし500μm、カンチレバーの幅を1
ないし300μmとする。
【0012】上記のシリコンカンチレバー上に、下部電
極、圧電薄膜、上部電極を積層して超音波センサーを構
成する。
【0013】
【作用】この発明は、二酸化シリコン薄膜からなるカン
チレバーの基端部を凹部の2辺で連結することにより、
基端部にかかる応力を分散する。この結果、応力集中に
よる二酸化シリコン薄膜の破損が防止できる。
【0014】シリコン基板の凹部の辺の方向を〈11
0〉とすることで、エッチングにおける応力開放が徐々
に行われ、カンチレバーの破損が防止でき、歩留まりが
向上する。
【0015】この発明のカンチレバー上に、下部電極、
圧電薄膜、上部電極を積層した超音波センサーによれ
ば、カンチレバーの振動による応力を圧電薄膜に効率よ
く伝えることができ、センサーの感度が向上する。
【0016】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。
【0017】図1は、この発明の一実施例を示す平面図
であり、図2はその実施例の縦断面図である。
【0018】(100)Si単結晶基板1上に熱酸化法
により、膜厚0.15〜1.2μm、この実施例では
0.5μmのSiO2 膜20が設けられている。このS
iO2膜20をフォトリソグラフィにより、図1に示す
ように、形成されるカンチレバーの基端部から自由端の
方向を〈100〉方向とし、直角2等辺三角形をカンチ
レバーの上下に設けたような形状の部分を除去する。す
なわち、基板1の〈100〉方向に対して45゜傾斜さ
せた正方形の対角線に相当する〈100〉方向に所望す
るカンチレバーの形状の矩形部を残し他の正方形部分を
除去し、開口部を設ける。
【0019】このSiO2 膜20をマスクとして、アル
カリ溶液、例えば、エチレンジアミン、ピロカテコー
ル、水の混合液によるエッチング溶液による異方性エッ
チングにより、カンチレバー2の回りの(100)Si
単結晶基板1をエッチングする。
【0020】(100)面を有するSi単結晶基板1に
上記開口部を通して深いSiエッチングを行ったとき、
(100)面上で〈110〉方向に配列した4個の辺に
より囲まれた凹部11が形成される。(111)面及び
SiO2 膜20のエッチングは遅いが、(100)や
(110)面のエッチング速度は速く、このエッチング
により、カンチレバー2の下のSi基板1が〈110〉
方向に配列した2辺で徐々にエッチング除去される。そ
して、カンチレバー2が形成されたとき、このカンチレ
バー2の基端部21はSi基板1に設けられた凹部11
の2辺11a,11bと連結されている。
【0021】この発明は、上記Siエッチングの際に、
SiO2 膜20とSiの界面のストレスのために、カン
チレバー2とSi基板1の連結部でSiO2 膜20が破
壊することを防止するものである。すなわち、上述した
ように、カンチレバー2の下のSi基板1が〈110〉
方向に配列した2辺で徐々にエッチング除去されるの
で、エッチングにおける応力開放が徐々に行われるとと
もに、カンチレバー2の基端部21を凹部11の2辺
(11a,11b)で連結することにより、基端部21
にかかる応力が分散され、応力集中によるSiO2 膜2
0の破損が防止できる。特に、SiO2 膜20の形成温
度が高い場合に大きな応力が存在するため、応力開放が
徐々に行わるという効果が大きい。
【0022】図1に示す構造のこの発明のカンチレバー
を作成した場合、図5に示す従来の〈110〉方向を長
手方向にした、すなわちカンチレバー2の基端部を凹部
11の一辺で直交するように連結したものと比べて歩留
まりが65%から95%に向上した。
【0023】また、カンチレバーを種々の大きさに形成
し、より広い周波数に応答する超音波センサーなどにお
いては、その設計に余裕ができ高性能化が図れる。
【0024】上記したこの発明のカンチレバーを用い
て、Si基板にモノリシックに組み込んだ以下のような
センサーやアクチュエータを歩留まりよく作成できる。
【0025】例えば、カンチレバーの超音波による振動
を圧電体で受ける超音波センサー、カンチレバーの慣性
による曲がりを圧電体や容量変化によって検出する加速
度センサー、カンチレバーの流体の流れによる曲がりを
圧電体で検出する流量センサー、カンチレバーと圧電体
を組み合わせたマイクロバルブ及びマイクロポンプ、さ
らに、Si異方性エッチングを用いたカンチレバー及び
ブリッジを用いた微少構造体、抵抗温度係数の高い材料
を積層したサーモパイル型非接触温度計、カンチレバー
上に熱膨張係数の異なる材料を積層し、バイモルフ構造
のサーモスイッチなどが歩留まりよく作成できる。
【0026】さらに、カンチレバーが熱容量が小さいこ
とを利用した熱的変化型センサー、例えば、PbTiO
3 ,PZT,PLZT,LiTaO3 ,LiNbO3
どを用いた焦電型非接触温度センサーにおいては、感度
の向上が見られる。
【0027】次に、この発明のカンチレバーを用いた超
音波センサーにつきその製造例とともに説明する。図3
及び図4はこの発明の超音波センサーの製造方法を工程
別に示す断面図である。
【0028】まず、図3(a)に示すように、Si(1
00)単結晶基板1に熱酸化法により、膜厚0.15〜
1.2μm、この実施例では0.5μmのSiO2 膜2
0を形成する。このSiO2 膜20は、熱酸化法以外
に、RFスパッタ法、CVD法等により形成しても良
い。そして、SiO2 膜20は高温でSi基板1上に形
成されるため、そのSiO2 膜20とSi基板1の界面
には熱膨張係数の違いにより、室温では大きな圧縮応力
が存在する。
【0029】そのSiO2 膜20上に、下部電極を設け
る。まず、Ti膜3を50〜500オングストローム、
そして、このTi膜3上にPt膜4を0.1〜0.4μ
m、それぞれRFスパッタ法あるいはイオンビームスパ
ッタ法により形成する。下部電極はPt以外にAu、P
dなどを用いても良い。また、Ti膜3はPt膜とSi
2 膜との密着性を高めるために用いるもので、Pt膜
形成時の基板温度を上げるなどして密着性を上げる場合
には、Ti膜を設けなくても良い。またTi以外に密着
性を上げるものとしては、Cr,Ni,Coを用いるこ
ともできる。
【0030】なお、この実施例では、膜厚200オング
ストロームのTi膜3と膜厚0.2μmのPt膜4を積
層した。
【0031】その後、Ti膜3とPt膜4を積層した下
部電極をフォトリソグラフィによりパターニングする。
このTi3とPt4を積層膜のパターニングは、膜厚
0.8μm程度のレジストでマスクし、イオンビームミ
リングにより行う。そのイオンビームミリングの条件
は、Arガス圧が2.8×10-4Torr、加速電圧が
500V、イオン電流が0.3mA/cm2 、ミリング
速度が2000オングストローム/10分とした。
【0032】イオンミリングが終了後、レジストをO2
プラズマあるいはアセトン、メチルエチルケトンなどの
有機溶剤若しくは硫酸と過酸化水素水の溶液により除去
する。
【0033】続いて、図3(b)に示すように、AlN
からなる膜厚0.2〜20μmの圧電体膜5をイオンビ
ームスパッタリングまたはRFスパッタリングにより形
成する。この実施例では、0.7μmのAlNを形成し
た。
【0034】このAlNの成膜条件は、イオンビームス
パッタ法を用いる場合には、ターゲットは99.999
%のアルミニウムを用い、基板温度を室温〜800℃、
この実施例では300℃に保ち、窒素ガス流量を8CC
M,Ar流量を4CCM、カウフマンイオンガンを80
0eV,0.76mA/cm2、窒素イオンビームエネ
ルギーを72〜200eV、この実施例では、100e
V、窒素イオンビーム電流を0.20〜0.74mA/
cm2、この実施例では、0.32mA/cm2、ECR
クロ波パワーを200〜500W、この実施例で
は、300W、到達圧を〜2×10-7Torr、成膜中
の圧力1.4×10-4Torr、AlNの成膜速度を1
0〜70オングストローム/分、この実施例では、30
オングストローム/分とした。
【0035】このAlNの成膜をRFスパッタ法を用い
る場合には、ターゲットは99.999%のアルミニウ
ムを用い、基板温度を室温〜300℃、Arガス圧2.
8×10-4Torr、加速電圧を800V、イオン電流
を0.76mA/cm2 AlNの成膜速度を2100オ
ングストローム/60分とした。
【0036】成膜したAlN膜をウェットエッチングま
たはイオンミリングによりパターニングする。AlN膜
はほとんどの酸に室温付近の低温ではエッチングされ
ず、アルカリ液を用いる必要がある。
【0037】AlN膜をウェットエッチングにより、パ
ターニングする場合の条件は、レジストによりマスクを
形成後、1.0N−KOHなどのアルカリ溶液を40〜
70℃に加熱してエッチングする。イオンビームスパッ
タ法により形成したAlN膜の場合には、かかるウェッ
トエッチングによるエッチング速度は70オングストロ
ーム/分である。また、RFスパッタ法により形成した
AlN膜の場合には、かかるウェットエッチングによる
エッチング速度は1000オングストローム/分であ
る。
【0038】AlN膜をイオンミリングでパターニング
する場合の条件は、レジストでマスクし、Arガス圧が
2.8×10-4Torr、加速電圧が500V、イオン
電流が0.3mA/cm2 とする。ミリング速度は、イ
オンビームスパッタ法により形成したAlN膜の場合に
は、40オングストローム/分である。また、RFスパ
ッタ法により形成したAlN膜の場合には、ミリング速
度は100オングストローム/分である。
【0039】そして、エッチングの際に使用したレジス
トをO2 プラズマあるいはアセトン、メチルエチルケト
ンなどの有機溶剤若しくは硫酸と過酸化水素水の溶液に
より除去する。
【0040】圧電体膜5としては、AlN膜以外に、P
bTiO3 、ZnO、PZT(チタン酸ジルコン酸
鉛)、ビニリデンフロライドポリマ(略称PVDF)な
どを用いても良い。
【0041】その後、図3(c)に示すように、上部電
極6として膜厚0.1〜0.8μm、この実施例では
0.3μmのアルミニウム(Al)をイオンビームスパ
ッタ法により選択形成する。
【0042】このAlのイオンビームスパッタ法による
成膜条件は、ターゲットは99.999%のアルミニウ
ムを用い、基板温度を室温〜300℃に保ち、Arガス
圧を2.8×10-4Torr、加速電圧を800V、イ
オン電流を0.76mA/cm2 、Alの成膜速度を
35オングストローム/分とした。
【0043】この上部電極6はAl以外にAu、Ptな
どの金属膜や,InO、SnO2ITOなどの導電性酸
化物などを用いることもできる。
【0044】さらに、パッシベーション膜を設ける場合
には、SiO2 、ポリイミド膜などのパッシベーション
膜を選択的に形成すればよい。また、複数個のチップを
同一基板上に形成している場合には、この時点でそれぞ
れのチップにダイシングしたりあるいは分割を容易にす
るためにハーフカットのダイシングを行っても良い。
【0045】この後、Siエッチングを行いSiO2
ンチレバーを作成するが、このSiエッチングに用いる
エッチング溶液がアルカリ溶液のため、Al、AlNに
ダメージを与えないために、エッチングマスクとしてC
rを用いる。図4(a)に示すように、イオンビームス
パッタリングまたはRFスパッタリングによりCr膜7
を形成し、さらにフォトリソグラフィによりSiエッチ
ングを行う予定の部分のCr膜を除去した後、Cr膜が
除去された箇所のSiO2 膜20をバッファドフッ酸に
よりエッチングする。
【0046】Cr膜7を、例えばイオンビームスパッタ
リングにより形成する場合には、成膜条件は、ターゲッ
トは99.999%のCrを用い、基板温度を室温〜3
00℃に保ち、Arガス圧を2.8×10-4Torr、
加速電圧を800V、イオン電流を0.76mA/cm
2 、Alの成膜速度を35オングストローム/分とし
た。
【0047】また、Cr膜7のエッチングは、エッチン
グ液として、硝酸第2セリウムアンモニウム25g、7
0%過塩素酸6.5ml、水150mlの混合液を用い
る。このエッチング溶液は、Crを選択的にエッチング
し、Al、Pt、AlN、SiO2 などにほとんどダメ
ージを与えない。このエッチング溶液によるエッチング
速度は1300オングストローム/分である。
【0048】続いて、図4(b)に示すように、Cr膜
7をマスクとして、Si基板1のエッチングを行いSi
2 カンチレバー2を作成する。所望のカンチレバーが
得られたときにエッチングを終了する。このSiエッチ
ングの条件は、エッチング溶液として、エチレンジアミ
ン75ml、ピロカテコール12ml、水24mlの混
合液(略称EPW)を116℃に加熱して行う。幅40
μm、長さ200μmのSiO2 カンチレバー2を2時
間程度のSiエッチングにより形成することができる。
エッチング溶液としては、上記以外に、KOH,NaO
H、ヒドラジン,NH4 OHなどのエッチング溶液を用
いても良い。これらのエッチング溶液はSiの(10
0)面に対するエッチング速度が(111)面に比べて
非常に速い。例えば、EPWの場合は約40倍以上大き
く異方性エッチングが行える。なお、このエッチング溶
液によって、SiO2 膜も若干エッチングされるがSi
のエッチング速度に比べて非常に僅かである。
【0049】このSiエッチングの際に、マスクとして
用いるCr膜7は、図1に示すように、形成されるカン
チレバーの基端部から自由端の方向を〈100〉方向と
し、基板1の〈100〉方向に対して45゜傾斜させた
正方形の対角線に相当する〈100〉方向に所望するカ
ンチレバーの形状の矩形部を残し他の正方形部分を除去
し、開口部が設けられている。
【0050】(100)面を有するSi基板1に上記開
口部を通して深いSiエッチングを行ったとき、(10
0)面上で〈110〉方向に配列した4個の辺により囲
まれた凹部11が形成される。上記したように、(11
1)面及びSiO2 膜20のエッチングは遅いが、(1
00)や(110)面のエッチング速度は速く、このエ
ッチングにより、カンチレバー2の下のSi基板1が
〈110〉方向に配列した2辺で徐々にエッチング除去
される。そして、カンチレバー2が形成されたとき、こ
のカンチレバー2の基端部はSi基板1に設けられた凹
部11の2辺11a,11bと連結されている。
【0051】このSiエッチングの際に、上述したよう
に、カンチレバー2の下のSi基板1が〈110〉方向
に配列した2辺で徐々にエッチング除去されるので、エ
ッチングにおける応力開放が徐々に行われるとともに、
カンチレバー2の基端部を凹部11の2辺で連結するこ
とにより、基端部にかかる応力が分散され、応力集中に
よるSiO2 膜20の破損が防止できる。特に、SiO
2 膜20の形成温度が高い場合により、応力開放が徐々
に行われ、破損が防止できる。
【0052】最後に、図4(c)に示すように、Cr膜
7を除去し、チップの分割、ボンディング等の組立を行
って、この発明にかかる超音波センサーが得られる。
【0053】なお、上述した実施例においては、カンチ
レバー2の基端部はSi基板1に設けられた凹部11の
2辺11a,11bと連結するように構成されている
が、SiO2 膜からなるシリコンカンチレバー2の基端
部から自由端の方向を〈100〉方向とし、シリコンカ
ンチレバー2の基端部を凹部11の〈110〉方向に配
列した一辺と斜め方向、すなわち、非直交方向で連結す
るように構成してもよい。このように構成することで、
カンチレバー2の下のSi基板1が〈110〉方向に斜
めに徐々にエッチング除去されるので、エッチングにお
ける応力開放が徐々に行われ、SiO2 膜の破損を同様
に防止することが期待できる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、二酸化シリコン薄膜の基端部を凹部の2辺で連結す
ることにより、基端部にかかる応力が分散され、応力集
中による二酸化シリコン薄膜の破損が防止できる。
【0055】シリコン基板の凹部の辺の方向を〈11
0〉とすることで、エッチングにおける応力開放が徐々
に行われ、カンチレバーの破損が防止でき、歩留まりが
向上する。
【0056】この発明のカンチレバー上に、下部電極、
圧電薄膜、上部電極を積層した超音波センサーによれ
ば、カンチレバーの振動による応力を圧電薄膜に効率よ
く伝えることができ、センサーの感度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のカンチレバーを示す平面図である。
【図2】この発明のカンチレバーを示す縦断面図であ
る。
【図3】この発明の超音波センサーの製造例を工程別に
示す断面図である。
【図4】この発明の超音波センサーの製造例を工程別に
示す断面図である。
【図5】従来のカンチレバーを示す平面図である。
【符号の説明】
1 Si基板 2 カンチレバー 3 Ti膜 4 Pt膜 5 圧電体膜 6 上部電極 7 Cr膜 11 凹部 20 SiO2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 17/00 330

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板に設けられた凹部に自由端
    が延出され、少なくとも基端部がシリコン基板と連結さ
    れた二酸化シリコン薄膜からなるシリコンカンチレバー
    であって、前記カンチレバーの基端部はシリコン基板に
    設けられた凹部の2辺と連結していることを特徴とする
    シリコンカンチレバー。
  2. 【請求項2】 前記シリコン基板は(100)面基板か
    らなり、前記カンチレバーの基端部から自由端の方向を
    〈100〉方向とし、基板に設ける凹部の辺の方向を
    〈110〉とすることを特徴とする請求項1に記載のシ
    リコンカンチレバー。
  3. 【請求項3】 (100)面のシリコン基板に設けられ
    た凹部に自由端が延出され、少なくとも基端部がシリコ
    ン基板と連結された二酸化シリコン薄膜からなるシリコ
    ンカンチレバーであって、前記カンチレバーの基端部か
    ら自由端の方向を〈100〉方向とすることを特徴とす
    るシリコンカンチレバー。
  4. 【請求項4】 前記二酸化シリコン薄膜の膜厚を0.1
    ないし1.5μm、前記カンチレバーの基端部から自由
    端の長さを1ないし500μm、前記カンチレバーの幅
    を1ないし300μmとすることを特徴とする請求項1
    または3のいずれかに記載のシリコンカンチレバー。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のシ
    リコンカンチレバー上に、下部電極、圧電薄膜、上部電
    極を積層してなる超音波センサー。
JP06109794A 1994-03-30 1994-03-30 シリコンカンチレバー及びこれを用いた超音波センサー Expired - Fee Related JP3272141B2 (ja)

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