JP3271795B2 - 使い捨て衛生吸収物品 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、おむつ、幼児用トレ
ニングパンツなどの使い捨て衛生吸収物品に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、使い捨ておむつにおい
て、その裏面シートとして不透液性かつ透湿性プラスチ
ックフィルムを用い、着用中における内部の蒸れ防止を
図ったものが知られている。このフィルムとしては、こ
れに無機質を含ませ、無数の微細孔を形成したものが一
般的である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記裏面シー
トが有すべき不透液性と透湿性とは二律背反の関係にあ
るため、透湿性には限界があり、前記蒸れ防止はいまだ
不充分である。また、前記裏面シートは、一般にプラス
チックフィルムを材料とするから、これが互に擦れて不
快な音を生じたり、強度が低く容易に破れたりするうえ
にコスト高になる。

【０００４】この発明の課題は、必要な吸収パネルの領
域にだけ不透液性を付与するとともに、他の領域に充分
な透湿性を付与することにより、前記問題を除去するこ
とにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、表面シート
と裏面シートとの間に吸収パネルを介在させてあり、前
記パネルは、該パネルの裏面からその周縁のうちの少な
くとも両側の上面へ折り返した不透液性シートで一体的
に被覆してあり、前記裏面シートは、これに透湿性シー
トを用い、透液性の前記表面シートとともに前記パネル
の周縁から外側へ延出させてそれらの延出部を互いに接
合してある使い捨て衛生吸収物品を前提とし、次の点を
特徴とする。

【０００６】即ち、前記不透液性シートは、熱収縮性プ
ラスチックのシートからなり、前記パネルへの前記被覆
状態で加熱下に前記パネルの外周に沿って収縮させて該
パネルと一体化してあり、前記パネルは、熱可塑性繊維
を含んでなり、前記パネルに前記不透液性シートを融着
してあり、前記使い捨て衛生吸収物品は、おむつまたは
幼児用トレニングパンツのいずれか一方である点。

【０００７】好ましい実施例では、前記裏面シートに不
織布を用いてある点を含む。

【０００８】

【作用】衛生吸収物品の着用状態において、前記パネル
に吸収された排泄液は、少なくともその下面からその両
側の上面に位置する不透液性シートで漏れが防止される
一方、物品内部の蒸気は、少なくとも前記パネルの周縁
から外側へ延出する前記表裏面シート部分を介して外部
へ透過する。また、不透液性シートは、吸収パネルにぴ
ったり密着するとともにしっかり接合する。

【０００９】

【実施例】図面を参照して、この発明に係る物品の実施
例をおむつを例にとって説明すると、以下のとおりであ
る。

【００１０】図１及び２において、おむつは、透液性表
面シート１と、透湿性裏面シート２と、不透液性シート
３で底面及び周縁部を一体的に被覆した吸収パネル４
と、パネル４の両側から外側へ延出して互いに接合した
表裏面シート１，２部分に介在させた脚回り弾性部材５
と、背側腰回りに取り付けた締結片６とから構成してあ
る。

【００１１】図３において、パネル４は、両側に凹欠部
を有する砂時計型に形成し、その裏面からその外周の上
面へ不透液性シート３を折り返し固定してある。このよ
うにするには、図４に示すように、熱収縮性かつ不透液
性プラスチックフィルム３でパネル４の裏面からその外
周の上面を被覆した状態で、フィルム３を加熱下にパネ
ル４の外周に沿って収縮させると同時に、パネル４に融
着させる。この場合、パネル４には熱可塑性繊維の適量
を含ませてあることが好ましい。

【００１２】表面シート１には不織布又は多孔性プラス
チックフィルム、裏面シート２には不織布、パネル４に
はフラッフパルプ、高吸収性ポリマー及び熱可塑性繊維
の混合からなる成形物を用いることができる。もとよ
り、前記フィルム（不透液性シート）３にも透湿性のも
のを用いることができるが、その透湿度は裏面シート２
としての不織布のそれよりも低いものを用いることがで
きる。この発明の所期の目的から、透湿度において、裏
面シートと同等又は高いものを用いる必要がないからで
あり、また全く透湿性を有しないものを用いてもよい。

【００１３】

【発明の効果】以上の構成を有するこの発明に係る物品
によれば、吸収パネルの領域は完全に防漏してあり、そ
してたとえ全く透湿性を有していなくとも、該パネルの
外周から外側へ延出する領域は充分な透湿性を有してい
るから、着用中に蒸れが生ずることが少なく、既述した
蒸れによる問題及び裏面シートとしてプラスチックフィ
ルムを用いることによる問題などを一挙に解決すること
ができる。特に、不透液性シートは、熱収縮性プラスチ
ックシートからなり、前記パネルへの被覆状態で加熱下
に前記パネルの外周に沿って収縮させて該パネルと一体
化してあるから、保型性に優れ型崩れすることがない。
また、前記パネルは、熱可塑性繊維を含んでいるから、
前記パネルの熱可塑性繊維と前記不透液性シートとが融
着によりしっかり接合するとともに、該パネルと一体化
した不透液性シートが該パネルにぴったり密着して該パ
ネルの型崩れを防止する。

【図面の簡単な説明】

【図１】使い捨ておむつの組み立て斜視図。

【図２】前記おむつの横断面図。

【図３】前記おむつを展開しその一部を切欠した斜視
図。

【図４】吸収パネルを不透液性シートで被覆して固定す
る過程の斜視図。

【符号の説明】

１ 表面シート ２ 裏面シート ３ 不透液性シート ４ パネル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭54−105196（ＪＰ，Ｕ) 実公 平３−50896（ＪＰ，Ｙ２) 特公 昭42−14390（ＪＰ，Ｂ１)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】表面シートと裏面シートとの間に吸収パネ
   ルを介在させてあり、前記パネルは、該パネルの裏面か
   らその周縁のうちの少なくとも両側の上面へ折り返した
   不透液性シートで一体的に被覆してあり、前記裏面シー
   トは、これに透湿性シートを用い、透液性の前記表面シ
   ートとともに前記パネルの周縁から外側へ延出してそれ
   らの延出部を互いに接合してある使い捨て衛生吸収物品
   において、 前記不透液性シートは、熱収縮性プラスチックのシート
   からなり、前記パネルへの前記被覆状態で加熱下に前記
   パネルの外周に沿って収縮させて該パネルと一体化して
   あり、 前記パネルは、熱可塑性繊維を含んでなり 、前記パネル
   に前記不透液性シートを融着してあり、 前記使い捨て衛生吸収物品は、おむつまたは幼児用トレ
   ニングパンツのいずれか一方で あることを特徴とする前
   記物品。
2. 【請求項２】前記裏面シートに不織布を用いてある請求
   項１に記載の物品。