JP3270728B2 - プラスチックフィルム製の二重層部分からなる、原動機付き車両シートの保護用シートカバー - Google Patents

プラスチックフィルム製の二重層部分からなる、原動機付き車両シートの保護用シートカバー

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JP3270728B2
JP3270728B2 JP30452497A JP30452497A JP3270728B2 JP 3270728 B2 JP3270728 B2 JP 3270728B2 JP 30452497 A JP30452497 A JP 30452497A JP 30452497 A JP30452497 A JP 30452497A JP 3270728 B2 JP3270728 B2 JP 3270728B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、請求項1の上位概
念に記載された特徴を有する原動機付き車両シートの保
護用シートカバーに関する。このシートカバーは、シー
トポルスターを少なくとも部分的に囲むシートポケット
も有する。このシートカバーは、一回または数回も、原
動機付き車両の作業場でも修理作業や、検査などのとき
に使用することができる。シートカバーは、特に、シー
トの製造後、取り付け中および商人までの出荷中のシー
トの保護のための最初の装備のために利用することがで
きる。
【0002】
【従来の技術】原動機付き車両シートが仕上げ工や他の
人により汚されるのを防止するために、プラスチックフ
ィルム製のシートカバーが原動機付き車両シートを覆っ
て折り返されるかまたは引っ張られる。原動機付き車両
で検査または修理が実施される場合に、そのようなシー
トカバーが自動車工場で使用することが知られている。
しかしながら、原動機付き車両の最初の装備のときで
も、したがって原動機付き車両の組立のときの自動車工
場でも、原動機付き車両シートがすでに汚染の危険にさ
らされている。その上、この汚染の危険は原動機付き車
両シートの製造者においておよび自動車工場へのシート
の発送のときにすでに始まっている。汚染の危険は搬送
装置によりシートを装備するときにも続いており、その
搬送装置を介して原動機付き車両シートの輸送が自動車
工場の組立ラインへ導かれる。さらに、原動機付き車両
シートは自動車車体の中へ組み込まなければならない。
原動機付き車両で他の部品の組立中でも、多数の組立工
が相次いで原動機付き車両シートと接触する。最後に、
完成して組み立てられた原動機付き車両をコンベヤによ
り運び、トラック貨物自動車または鉄道車両で運びそし
て最後に原動機付き車両小売商人の所でなお何度も取り
扱わなければならず、ついには原動機付き車両を最後に
取得者または購入者の手に供給することができる。原動
機付き車両シートの重量が増加し、しかも特にサーボモ
ータや他の要素の組み込みにより増加するので、原動機
付き車両シートを組立工により手で車体の中に組み込む
のがいつも骨が折れる仕事である。ここでは、組立ライ
ンでのロボット組立が考慮に値する。そのとき使用され
るロボットはラッセル板を有し、このラッセル板を用い
てロボットはシートが正常の位置に運ばれたときに背も
たれとシートポルスターの間の間隙の中へ係合させ、そ
してシートを大抵対で車体の中で向きを変えてそこに位
置決めする。引き続き、ラッセル板を背もたれとシート
ポルスターの間の間隙から引き出す。通常のシートカバ
ーを用いると、ラッセル板が間隙の中へ侵入したときに
シートカバーの前面層を切り裂くので、シートカバーの
保護機能が実質的に害される。それ故、試験的に、シー
トポルスターを包み込むポケットをシートポルスターか
ら緩めてロボットのラッセル板で今やシートカバーのフ
ィルムの下方で背もたれとシートポルスターの間の間隙
の中へ食い込ませる。そのとき、とりわけ、原動機付き
車両シートがラッセル板自体により汚染される危険があ
る。これは事情が違う場合でさえ、シートカバーをシー
トポルスターの領域でこれから弛めて、原動機付き車両
シートを車体の中で組立後シートカバーをそのポケット
でシートポルスターの上を覆うことで付加的な作業費用
がかかる。さらに不利なことは、シートを車体の中へ組
み込む間シートポルスターが保護されないことである。
【0003】供給者の所でのシートの製造から取得者ま
たは顧客への原動機付き車両の供給まで、原動機付き車
両シートはほぼ30回から35回まで組立工や他の人と
接触するので、ここには著しい汚染の危険がある。この
汚染の危険に対抗するために、すでに述べたプラスチッ
クフィルム製のシートカバーが知られており、このシー
トカバーを、しばしばすでにシート製造者の所で遅くと
も原動機付き車両製造者の所で、原動機付き車両シート
の上へ、特に運転者シートの上へ被せて、車両を顧客へ
供給する前に始めて遠ざけられる。最初の装備のための
そのようなシートカバーは、原動機付き車両の検査また
は修理中利用されるシートカバーと通例特別に異なって
いない。そのようなシートカバーは、そのかぎりではよ
り大きな負荷に計算される比較的厚いプラスチックフィ
ルムで作ることができる。
【0004】冒頭に述べた種類のシートカバーはドイツ
連邦共和国特許第42 10 232 号から知られている。この
シートカバーの両端部領域にはそれぞれ一つのポケット
を有し、その際シートポルスターの一部を収容するため
のシートポケットおよびシートの背もたれの一部を収容
するための背もたれポケットが定められている。このシ
ートカバーは、背もたれとシートポルスターの有効長の
和に一致するよりも長く形成されている前面層を有す
る。このその限りではより長く形成された前面層に基づ
いて、前面層をこの領域で固定兼係合折り目の中へ配置
して、背もたれとシートポルスターの間の間隙の領域に
挟み込むことができる。固定兼係合折り目は両方のシー
ト側面に向かって閉じられる。第一に、折り目は一度は
間隙の領域でシートカバーの固定に役立つ。背もたれと
シートポルスターの間に通例存在する負荷により、シー
トカバーの折り目が挟み込まれ、このことは、背もたれ
を囲む前面層の部分とシートポルスターを囲む前面層の
部分とがそれぞれ引き締まって原動機付き車両シートに
隣接して保持されることがその限りでは有利に効果を現
すだけではなく、正に間隙の領域での位置ずれの恐れが
著しく減少するので、保護されない面領域が生じ得ない
ほど非常に良好であるという別の利点も現れる。さら
に、この保護カバーが形成された原動機付き車両シート
はラッセル板を用いたロボット組立にも用いることがで
き、しかも前面層が離断されることもない。ポケット
は、すでにシート製造者の所で背もたれとシートポルス
ターの間の間隙に導入されるのが目的にかなっている。
それとともに、シートカバーは原動機付き車両シートに
付加的に固定され、そしてロボットのラッセル板を組立
ラインで差し込むことにより、原動機付き車両シート上
でシートカバーのシートが全く変化することがない。
【0005】他のシートカバーはドイツ連邦共和国特許
公告登録第16 30 878 号から知られている。製造中、プ
ラスチックフィルム製のホースが縦断面で切り開かれ
る。そのとき生ずる両縁が互いに遠ざけられかつ平らに
折られてホースの通常の材料上に置かれ、その際平らに
なっている、実質的に二重層の長尺物が形成され、この
長尺物ではプラスチックフィルムが両方の自由縁の領域
で左へおよび右へ折り返されている。シートカバーの製
造中横溶接部により、したがってフィルム長尺物の搬送
方向を横切って、シートカバー毎に、ひっくるめて言わ
ば背面層を形成する折り返された領域が、各シートカバ
ーのための連続した前面層と結合される。そのときに、
通例種々の深さに寸法決めされる二つのポケットが形成
され、その際原動機付き車両シートの背もたれを収容す
るための一方の背もたれポケットと、原動機付き車両シ
ートを収容するためのまたは包み込むためのシートポケ
ットが定められる。ホースまたはシートカバーの連続し
た側が前面層と呼ばれる。なぜなら、それはシートの上
にかぶせられたシートカバーの位置において前方に存在
し、したがってシートポルスターの座面におよび背もた
れの背もたれ面に隣接するからである。シートカバーの
他方の層は背面層と呼ばれる。なぜなら、シートカバー
はその取り付け状態で背もたれの後方にまたはシートポ
ルスターの下に存在することになり、それとともに後方
に向かって方向づけられるからである。そのような周知
のシートカバーは原動機付き車両シートを多少ゆるく囲
む。これにより、そのような周知のシートカバーはその
利用中位置ずれするので、シートポルスターと背もたれ
の間の移行領域で多かれ少なかれ大きい保護されない面
が生ずることがあり、そのときそのような面は汚染から
保護されない。それ故に、一方ではシートポケットをか
つ他方では背もたれを部分的に収容して保護する、シー
トポケットと背もたれポケットが形成される。しかしな
がら、シートの領域は保護されないままである。これ
は、特にシートポルスターの下方および後方領域、シー
トのヒンジ領域ならびに背もたれの背面側の下方領域に
該当する。これらの領域は、明るい色に染められた革張
りのシートの場合特に目立ちかつ不利な結果を生む汚染
の影響下にあり得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、機械
的に製造可能であり、すでにシート製造者の所で取り付
けることができ、かつ車両を顧客に供給するまで有効で
ありそしてこれまでよりも完全に保護する、特に最初の
装備に適したプラスチックフィルム製のシートを提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的は、本発明によ
り、シートポケットを一緒に形成する背面層が、打ち抜
き孔により形成された、シートポルスターの側面を囲む
U形の保護条片を有し、背もたれとシートポルスターと
の間の間隙のために決められた領域において前面層が両
側に、シートのヒンジ領域を覆うためのそれぞれ一つの
保護要素(17)を有することにより達成される。
【0008】本発明は、改良された保護作用を有するシ
ートカバーのシートポケットおよびシートカバーの他の
部分を設けることから出発している。この目的のため
に、シートポケットを一緒に形成する背もたれが保護条
片を有し、この保護条片はシートポルスターの側方と下
方領域でこの周りをU形に延びていてこれを覆ってい
る。この保護条片は、保護作用をもたらすだけではな
く、同時にシートポケットのシートを原動機付き車両シ
ートでシートカバーの張った状態に改良する。さらに、
シートのヒンジ領域を覆うのに役立つ両側の保護要素が
形成されている。ヒンジ領域は、傾倒可能なまたは回動
可能な背もたれのためのヒンジが設けられかつ側方でシ
ートの両側へ延びている領域である。この領域は、特に
原動機付き車両シートを原動機付き車両の中へ組み込む
前に危険にさらされる。対称的な形成で設けられたこの
保護領域は実質的に前面層の材料で形成され、前面層
は、ヒンジ領域が覆われるように原動機付き車両シート
への取り付けの際に広げられる。これらの保護要素も原
動機付き車両シートにおけるシートカバーのシートの改
良に寄与する。ヒンジ領域はいわば囲まれているので、
保護要素はシートポケット、背もたれポケットおよび固
定兼係合折り目の作用を、例えば垂れ下がっている頭上
搬送中、シートカバーが不意に落ちて来ないように強化
する。
【0009】本発明は、長手方向に切断されたホースの
自由縁を広げることを行わず、かつ対向部分で縁が離れ
て案内されないで、材料が実質的に四層に重なり合って
案内されるように長尺物の長手方向折り目をつけること
が行われるという意味で、公知技術からわきへそれる。
特に、前面層が背もたれとシートポルスターの間の間隙
のために定められた領域に、前面層を結合する分離溶接
部により区画される固定兼係合折り目を有する場合に有
効であり、その際分離溶接部は横溶接部に対し間隔を置
いて終わっており、したがって同時に保護要素を区画す
る。連続する前面層の材料は、言わば一方では固定兼係
合折り目を形成するためにかつ保護要素を形成するため
に区分けされる。固定兼係合折り目は中央領域にのみ設
けられ、一方保護要素は横溶接部に隣接する。分離溶接
部は、前面層の材料をこの領域で一方では固定兼係合折
り目にかつ他方では両方の保護要素に小分けするのに役
立つ。そのような分離溶接部という言葉は、そこで分離
溶接部の経過に応じて区画された裁ちくずが除去される
ことにより、前面層の関連する領域が互いに結合されか
つ同時に凹部を生じる溶接部と解される。このことは、
固定兼係合折り目が一方では背もたれとシートポルスタ
ーの間の間隙に導入することができるとともに、他方で
は前面層の隣接する領域が、シートのヒンジ領域を外側
で囲む保護要素を形成することができるために、必要で
ある。
【0010】背もたれとシートポルスターの間の間隙が
固定兼係合折り目を締めつけるために十分狭ければ、摩
擦による固定が生ずる。締めつけ作用を引き起こすため
に間隙が大きすぎる場合に、またはシートカバーのこの
有効な領域で付加的な摩擦による固定が望まれる場合
に、固定兼係合折り目を連結手段を解して背面層と結合
することができる。結合手段として、接着剤、溶接また
は同様な手段を使用できる。シートカバーは、シートか
ら摩擦による固定を弛めた後にのみ取り外すことができ
る。このようにして、シートに封をすること、シート製
造者の保証性能を結びつけることで独創性の保護を実現
することができる。
【0011】保護要素がシート製造者の所で原動機付き
車両シートの上のシートカバーを引っ張ることによって
相応して広げることができるようにするために、前面層
と背面層は背もたれとシートポルスターの間の間隙のた
めに定められた領域で分離溶接部と横溶接部を除いて結
合されていない。それにより、保護要素が原動機付き車
両シートの上をシートカバーを引っ張ったときに相応し
て広げられて、保護位置を占めることができる。
【0012】背もたれポケットを一緒に形成する背面層
がシートポルスターの後方部分を覆うために長くすれ
ば、有意義である。両方のポケット、したがって一方で
はシートポケットおよび他方では背もたれポケットが、
公知技術で知られたポケットに比較して長くされてい
る。このように長くすることにより、原動機付き車両シ
ートをかぶせた状態で前方から、したがって特にシート
ポルスターと背もたれの前面側の領域で保護されるだけ
ではなく、原動機付き車両が例えば顧客によって後方領
域でも確かめられて、人が原動機付き車両の後ろ側に座
るときにも保護される。その場合に、特に明るい色で染
められた革張り製のシートでは、背もたれの後方部分が
および/またはシートポルスターの後方部分が例えば靴
の跡により汚染される恐れがある。この場合に、長くさ
れた背もたれポケットが作用して、黒く汚れた条片など
が生ずるのを阻止する。
【0013】背もたれポケットを一緒に形成する背面層
が、分離溶接部を間隔を置いて囲む二つの打ち抜き孔を
有する場合に、一方では保護要素によりヒンジ領域の良
好な包囲が得られ、かつ他方では、背もたれの下部が自
由にぶら下がってその保護目的を果たす可能性が得られ
る。特に、背もたれポケットを一緒に形成する背面層
を、固定兼係合折り目の自由端まで長くすることができ
る。打ち抜き孔により、一方では背もたれポケットを一
緒に形成する背面層の端部と他方では固定兼係合折り目
との間に一定の自由度が生ずるので、一方の要素をシー
トポルスターと背もたれの間の間隙を通って導いて挟み
こむことができるとともに、他方の要素はいわばシート
の後ろ側でその保護機能を果たす。
【0014】シートポケットの背面層に設けられかつ保
護条片を区画する打ち抜き孔が分離溶接部を間隔を置い
て囲むときに、分離溶接部のための単純化された製造が
得られ、この分離溶接部によりもっぱら前面層が達成さ
れる。ほぼ四層に折り目をつけられた長尺物において、
もっぱら前面層を捉える分離溶接部を取り付けるため
に、付加的な予防手段は全く必要でない。
【0015】シートポケットの背面層に設けられかつ保
護条片を区画する打ち抜き孔は背面層の自由縁で終わる
ことができる。それとともに、同時に一方では固定兼係
合折り目と、他方では保護要素との間の分離が達成され
る。前面層は、安全ベルトを差し込むために両側に穿孔
区間を有しなければならない。穿孔区間の両側の配置に
より、安全ベルト金具を差し込むために必要とされる穿
孔区間のみが開放される。他方の穿孔区間は十分に閉じ
られたままである。車体の左側または右側に組み込まれ
る前方シートのための種々のシートカバーの形成と使用
は不必要である。
【0016】シートポケットおよび/または背もたれポ
ケットは斜めに切られた角を有することができる。この
斜めに切られた角により、シートカバーの輪郭が、原動
機付き車両シートの大抵湾曲して形成された形状にいっ
そう良く適合することが達成される。背もたれポケット
の中へ、一体化された頭部支柱を一緒に入れることがで
きる可能性がある。基本的には、そのように斜めに切る
ことにより、シートポケットのおよび/または背もたれ
ポケットの領域のシートカバーのシートも改良される。
それとともに、原動機付き車両でシートの位置決めを妨
げることがあり得る懸垂している材料片が避けられる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す好まし
い実施の形態により詳細に説明する。図1に示したシー
トカバー1は長尺物状に製造され、しかも長手方向に切
り開かれて折りたたまれるプラスチックフィルムホース
から出発している。そのように搬送されて加工された長
尺物の搬送方向は矢印2により示されている。図1には
完全なシートカバーと他の隣接するシートカバーの一部
しか示してないが、加工後、個々のシートカバー1をく
っつき合わせて一つのロールに巻き上げることができる
ことはわかりきったことである。矢印2にしたがって搬
送される長尺物は他の領域で四層であり、その際個々の
長尺物は図2〜5によりその順序で前後して個々に示し
てある。
【0018】矢印2の方向のホースの縦断面により、二
つの自由な縁3と4が生ずる。ホースは広い領域にわた
って四層に折り畳まれて一緒に導かれることにより、最
も上のおよび最も下の位置の両方の自由な縁3と4が被
さって、その間に二つの折り目が延びており、それらの
高さはそれぞれシートポケット5と背もたれポケット6
の高さに合わせてある。各ポケットは二つの長尺物によ
り形成され、その際両方の中央長尺物は連続した前面層
7を形成しており、一方それらの自由な縁3および4を
有する最も上のおよび最も下の長尺物は背面層8の同じ
構成要素である。しかしながら、連続する前面層7およ
び背面層8を形成する二つの長尺物領域を形成する代わ
りに、図2〜5により個々に考えられるように、シート
カバー1を四つの区画された長尺物から一緒にすること
もできる。しかしながら、有利には、切り開かれたホー
スによる長さの一つから出発して、広げることなくさら
に長手方向に折ることにより前面層7と背面層8を利用
することができる。シートポケット5を形成するため
に、図1〜図3により認められるように、前面層7の対
応する部分が背面層8の対応する部分と横溶接部9によ
り結合される。これらの横溶接部9は矢印2による搬送
方向を横切って延びておりかつシートポケット5を形成
するために両方の最も上の長尺物のみを結合する。互い
に密着しているシートカバー1の隣接する横溶接部9
は、長尺物を一つのロールに巻き上げるために、離断可
能な穿孔10により保持される。この穿孔10は、シー
トカバー1をロールから取り去って原動機付き車両シー
トの上にかぶせるために、それぞれ離断される。シート
カバー1を積み重ねて用いなければならない場合には、
穿孔10が適当な切断により代えられる。
【0019】図2から明らかなように、シートポケット
5の下側が、U形に作られた打ち抜き部11を有する背
面層8の長尺物の協力の下に形成されており、前記打ち
抜き孔11はその中央領域が縁3に対し平行にかつ間隔
を置いて導かれて両端が縁3の中へ延びていることによ
り、背面層8から保護条片12がシートポケット5の構
成要素として形成される。自由縁3に向かい合っている
側に、斜めに切られた角13が分離溶接部により形成す
ることができる。
【0020】シートポケット5全体が図2に示された背
面層8の部分からおよび前面層7の図3に示された部分
から形成されており、その際両部分を結合するための横
溶接部9が示されている。それ故、斜めに切られた角1
3は前面層7の部分にも生ずる。自由縁3と4は結合さ
れてない。向かい合っている側に、縁14の領域に結合
部が存在しており、この結合部は出口ホースの折り返し
線によるかまたは分離溶接部によって作られるかまたは
結合されている。図3に示した前面層7の部分は縁4の
領域に二つの分離溶接部15を有し、これらの線状の形
成は自由縁4から出発してこの縁4に戻されている。分
離溶接部15は図示の線ガイドに沿って、図3と4にひ
っくるめて示した前面層7の範囲を互いに結合してい
る。分離溶接部15の深さは、前面層7が背もたれ面と
シート面の覆うべき有効長さよりもひっくるめて長い寸
法にほぼ一致している。このようにして、このそれ自体
に余剰の前面層7の領域により両方の分離溶接部15の
間に固定兼係合折り目16が形成され、この係合折り目
は、シートカバー1を、シートにすっぽりかぶせられた
位置でシートポルスターと背もたれの間の間隙に固定す
るのに役立つ。同時に、分離溶接部15により余分の材
料から横溶接部9に向かう方向に保護要素17が形成さ
れ、したがって分離溶接部15と自由縁4に沿って互い
に結合している二重層のフィルム領域が外側に向かって
いない。これらの保護要素は側面のヒンジ領域を覆うの
に役立ち、したがって背もたれとシートポルスターの間
の領域を外側で覆うのに役立つ。
【0021】図3に示したシートポケット5の部分は、
分離溶接部15の側方におよびこれに隣接してそれぞれ
一つの穿孔18を有し、それらにより原動機付き車両シ
ートの配置に応じて一方または他方を離断して、シート
ベルトを導き通すことができるとともに、それぞれ他方
の穿孔区間18を閉じたままにしておく。背もたれポケ
ット6が、図4と5に示されている両方のフィルムから
形成され、すなわち前面層7の一部と背面層8の一部か
ら形成されている。これらの両方のフィルム領域は矢印
2による走行方向を横切って横溶接部19により互いに
結合されている。背もたれポケット6も、分離溶接部に
より形成された斜めに切られた角20を有することがで
きる。これらの斜めに切られた角20の領域でもならび
に共通の縁21の領域でも互いに結合されることによ
り、背もたれポケット6もU形に閉じられるとともに、
背もたれポケット6は結合されてない自由な縁3と4の
側からのみ開放して、すなわちシートの上にかぶせるこ
とができるように形成されている。縁21は縦に切れ目
のついたホースの折り目線によりまたは分離溶接部また
は結合溶接部により形成することができる。縁21の領
域には、シートの頭部片の固定ロッドを通すための凹部
22を設けることができる。しかしながら、他方の側に
は、背もたれポケット6に一体化された頭部片を収容す
ることもできるように縁21および斜めに切られた角2
0を導くこともできる。通例、背もたれポケット6は元
来、特に図1から明らかであるように、シートポケット
5より深い深さを有する。
【0022】図5から、背もたれポケット6を一緒に形
成する背面層8の領域が、その自由縁3から出発する打
ち抜き孔23を有し、これらの打ち抜き孔の形状は、打
ち抜き孔23の線状ガイドが分離溶接部15の線状ガイ
ドを幾分間隔を置いて囲むように適合させることができ
る(図1参照)。この形成は単純化された製造が狙いで
ある。打ち抜き孔23と11の造形と配置により、四層
の長尺物にもかかわらず、図3と4による前面層7の両
側領域は、分離溶接部15を両側から取り付けるために
手が届く。図5を図1と関連すれば認められるように、
背もたれポケット6の深さは公知技術に対して比較的大
きくされているかまたは長くされている。打ち抜き孔2
3の間に保護カーテン24が形成されており、この保護
カーテンはシートにシートカバー1をすっぽりかぶせた
位置でシートポルスターの背面部分を覆って保護する。
そのほかに、打ち抜き孔23により、シートの後方のヒ
ンジ領域を保護するように囲む保護ラップ25が形成さ
れる。図9から認められるように、打ち抜き孔23が欠
けることもあり得るので、ここでは保護カーテン24が
直接通り抜けるかまたは保護ラップ25の中へ移行し、
そしてシートは原動機付き車両に取り付けられた位置で
この保護カーテン24によりほとんど原動機付き車両の
底まで囲まれて保護される。
【0023】図6〜9から、シートカバーの第二の実施
の形態を認めることができる。図6によれば、背面層8
の領域の打ち抜き孔11は若干異なる曲線の延び具合を
有し、その際ここでは線状ガイドが自由縁3の中へ延び
ないで、横溶接部9または穿孔10の中へ延びている。
斜めに切られた角13はここでは実施されなかった。
【0024】図7から、分離溶接部15が若干異なる形
状を有するのが認められ、固定兼係合折り目16が梯形
状の輪郭を有する。穿孔区間18は直接分離溶接部15
に隣接することができる。図8では、図7と8による前
面層7の領域が結合されているので、分離溶接部15の
造形が繰り返される。
【0025】図10は、図1〜図5によるシートカバー
1が原動機付き車両シート26にすっぽりかぶせられた
その状態を示す。シート26は座面28と共にシートポ
ルスター27を有する。利用者の背面に向けられた背も
たれ面30を有する背もたれ29が設けられている。そ
のほかに、シート26は原動機付き車両に固定するため
の下部フレーム31を有する。背もたれ29は、背もた
れの種々の傾斜を調整できるように、下部フレーム31
とまたはシートポルスター27にヒンジ領域32により
周知の仕方で回動可能に結合されている。座るために利
用できない座面28の部分と背もたれ29の関連する部
分との間に間隙33が存在しており、この間隙の中へ固
定兼係合折り目16が手でまたはラッセル板を用いて機
械的に差し込まれ、その後背もたれポケット6およびシ
ートポケット5がシートの関連する部分の上にかぶせら
れる。横溶接部9と19および言わばシートポルスター
27の側面領域および下方領域を保護して包囲する保護
条片12の位置が認められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一つのロールに巻かれる前の互いに密着してい
るシートカバーからなる長尺物の平面図である。
【図2】図1によるシートカバーの最も上の位置の平面
図である。
【図3】図1によるシートカバーの二番目の最上位置の
平面図である。
【図4】図1によるシートカバーの三番目の位置の平面
図である。
【図5】図1によるシートカバーの最も下の位置の平面
図である。
【図6】第二の実施の形態のシートカバーの最上位置の
平面図である。
【図7】それに所属する最も近い位置を示す図である。
【図8】図6から図9までの実施の形態に所属する第三
の位置を示す図である。
【図9】最も下の位置の平面図である。
【図10】原動機付き車両シートの図1によるシートカ
バーの側面図である。
【符号の説明】
1 シートカバー 3 背面層の自由縁 5 シートポケット 6 背もたれポケット 7 前面層 8 背面層 9,19 横溶接部 11 打ち抜き孔 12 保護条片 13,20 ポケットの斜めに切られた
角 15 分離溶接部 16 固定兼係合折り目 18 穿孔区間 23 二つの打ち抜き孔 26 原動機付き車両シート 27 シートポルスター 28 座面 29 背もたれ 30 背もたれ面 32 シートのヒンジ領域 33 背もたれとシートポルスタ
ーの間の間隙
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 65/38 B60N 2/44 B62D 65/00 A47C 31/11

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特に最初の装備のための、プラスチック
    フィルム製の少なくとも二重層の部分からなる、原動機
    付き車両シート(26)の保護用シートカバー(1) であっ
    て、シート(26)の座面(28)および背もたれ面(30)を連続
    して支持する前面層(7) と、この前面層と横溶接部(9,1
    9)により結合する背面層(8) とを有し、この背面層は前
    面層(7) と結合してシート(26)の背もたれ(29)を少なく
    とも部分的に収容する背もたれポケット(6) と、シート
    ポルスター(27)を少なくとも部分的に囲むシートポケッ
    ト(5) とを形成しているシートカバーにおいて、 シートポケット(5) を一緒に形成する背面層(8) は打ち
    抜き孔(11)により形成された、シートポルスター(27)の
    側面を囲むU形の保護条片(12)を有し、背もたれ(29)と
    シートポルスター(27)との間の間隙(33)のために決めら
    れた領域において前面層(7) が両側に、シート(26)のヒ
    ンジ領域(32)を覆うためのそれぞれ一つの保護要素(17)
    を有することを特徴とするシートカバー(1) 。
  2. 【請求項2】 前面層(7) は、背もたれ(29)とシートポ
    ルスター(27)の間の間隙(33)のために決められた領域
    に、前面層(7) により結合する分離溶接部(15)が区画さ
    れる固定兼係合折り目(16)を有し、分離溶接部(15)は横
    溶接部(9,19)に対し間隔を置いて終わっており、したが
    って同時に保護要素(17)を区画することを特徴とする請
    求項1のシートカバー。
  3. 【請求項3】 前面層(7) と背面層(8) が、背もたれ(2
    9)とシートポルスター(27)の間の間隙(33)のために決め
    られた領域において分離溶接部と横溶接部(15,9,19) を
    除いて結合されてないことを特徴とする請求項2のシー
    トカバー。
  4. 【請求項4】 背もたれポケット(6) を一緒に形成する
    背面層(8) がシートポルスター(27)の後方部分を覆うた
    めに長くしてあることを特徴とする請求項1から3まで
    のうちのいずれか一つに記載のシートカバー。
  5. 【請求項5】 背もたれポケット(6) を一緒に形成する
    背面層(8) が、分離溶接部(15)を間隔を置いて囲む二つ
    の打ち抜き孔(23)を有することを特徴とする請求項4の
    シートカバー。
  6. 【請求項6】 背もたれポケット(6) を一緒に形成する
    背面層(8) が固定兼係合折り目(16)の自由端まで長くし
    てあることを特徴とする請求項4のシートカバー。
  7. 【請求項7】 シートポケット(5) の背面層(8) に設け
    られかつ保護条片(12)を区画する打ち抜き孔(11)が分離
    溶接部(15)を間隔を置いて囲むことを特徴とする請求項
    1から6までのうちのいずれか一つに記載のシートカバ
    ー。
  8. 【請求項8】 シートポケット(5) の背面層(8) に設け
    られかつ保護条片(12)を区画する打ち抜き孔(11)が背面
    層(8) の自由縁(3) で終わっていることを特徴とする請
    求項1から7までのうちのいずれか一つに記載のシート
    カバー。
  9. 【請求項9】 前面層(7) が安全ベルトを差し通すため
    の両側の穿孔区間(18)を有することを特徴とする請求項
    1から8までのうちのいずれか一つに記載のシートカバ
    ー。
  10. 【請求項10】 シートポケット(5) および/ または背
    もたれポケット(6)が斜めに切られた角(13,20) を有す
    ることを特徴とする請求項1から9までのうちのいずれ
    か一つに記載のシートカバー。
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