JP3267317B2 - 電気弦楽器用電磁トランスデューサ - Google Patents

電気弦楽器用電磁トランスデューサ

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JP3267317B2 JP34648091A JP34648091A JP3267317B2 JP 3267317 B2 JP3267317 B2 JP 3267317B2 JP 34648091 A JP34648091 A JP 34648091A JP 34648091 A JP34648091 A JP 34648091A JP 3267317 B2 JP3267317 B2 JP 3267317B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気ギターや電気ピア
ノ等の電気弦楽器用電磁トランスデューサに関し、特に
弦振動と電気信号との関係においてその変換効率を著し
く向上させた電気弦楽器用電磁トランスデューサに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に電気ギターや電気ピアノ等の電気
弦楽器は、複数の弦を有しており、この弦振動を電気信
号に変換するためのトランスデューサ、すなわちピック
アップを有している。このピックアップは大別して電磁
式ピックアップと圧電式ピックアップとが知られている
が、特に例えば電気ギターの場合においては、中域が強
調されたサウンドキャラクターが得られ易いこと、電気
ギター本体への搭載が容易なこと、その後の電気処理が
容易なこと等の効果により、歴史的に電磁式のピックア
ップが広く採用されている。
【0003】この電磁トランスデューサすなわち電磁ピ
ックアップは典型的には図8に示す構成となっている。
図において(a)はシングルコイルタイプ、(b)はダ
ブルコイルタイプまたはハムバッキングタイプと呼ばれ
る。前記(a)のシングルコイルタイプの電磁ピックア
ップ8は以下の構成となっている。すなわち複数の弦
6,6,…に対応した円筒状マグネットで形成されたポ
ールピース52,52,…を有し、この複数のポールピ
ース52,52,…を包括してコイル53を巻設した構
成となっている。
【0004】この構成により、弦振動は電気信号に変換
されるものであるが、この構造はいわゆるアンテナと略
同様となっているため、弦振動と同時に誘導ノイズも捨
ってしまうものであった。この欠点を解消するために、
Seth E. Lover 氏によりU.S.P.2,894,49
1号に開示されたハムバッキングタイプの電磁ピックア
ップが提案された。すなわちこのハムバッキングタイプ
の電磁ピックアップは、図8の(b)に示すように、基
本的には前記シングルコイルタイプの電磁ピックアップ
8を2つ並設した構成となっているが、単一のマグネッ
ト55で2組のポールピース56,56,…及び57,
57,…の頂部より弦6,6,…に対して磁束を放射さ
せるため各ポールピース56,57は透磁性部材で形成
されている。
【0005】また、特にこのハムバッキングタイプの電
磁ピックアップ8は、各弦6,6,…に対して検出感度
の調節が行なえるように一方のポールピース57,5
7,…はネジ部材で形成されている。尚、58はボビ
ン、59はカバーを示す。このような構成の電磁トラン
スデューサすなわち電磁ピックアップにおける、弦振動
を電気信号に変換する原理は以下の作用による。すなわ
ち、各ポールピース52,56,57が弦6に対して磁
界を形成し、この磁界中を磁性体である弦6が振幅運動
することにより、弦振動に対応した周波数の電気信号が
コイル53により発電される原理となっている。
【0006】ところで、近年においては、電磁トランス
デューサを弦を励振するための電磁ドライバとして使用
する技術が試みられ、実践されつつある。これは、弦振
動を電気信号に変換する電磁ピックアップの作用の全く
逆の原理を応用したものである。すなわち、ピックアッ
プで検出した電気信号をアンプで増幅して電磁ドライバ
に入力し、この電磁ドライバより弦に対して磁気エネル
ギを放射する構成としたもので、弦はこの磁気エネルギ
により自己励振され、その振動を延々と持続するように
構成したものである。
【0007】さて、このように電磁トランスデューサを
電磁ドライバとして適用した例としては、図7に示すよ
うな電気ギターが挙げられる。図において1は電気ギタ
ーを示す。この電気ギター1は、ボディ2及びこのボデ
ィ2に接合されたネック3を有している。このネック3
の表面にはフレット9が打ち込まれており、又その端部
にはヘッド4が形成されている。このヘッド4には複数
個のペグ(弦巻器)5が設置されており、そこに導電性
の金属線で形成された弦6の一端が巻かれる構造となっ
ている。この弦6の他端は前記ボディ2の表面に設置さ
れたテールピース7に固定される。
【0008】この電気ギター1の作用は以下のようにな
る。すなわち前記電磁ピックアップ8による弦振動の検
出信号は、ギターアンプ20に入力され、このギターア
ンプ20により拡大された音が空間に放射される。一
方、前記電磁ピックアップ8の検出信号は、弦振動持続
装置Gにも入力される。この弦振動持続装置Gは、前記
電磁ピックアップ8及び増幅器18及び電磁ドライバ1
7により構成されている。前記電磁ピックアップ8によ
り検出された弦振動の検出信号はギターボディ2に内蔵
された増幅器18にも入力され、その増幅された信号は
電磁ドライバ17に出力される。この電磁ドライバ17
は、基本的には電磁ピックアップ8と逆の原理を応用
し、前記ピックアップ8から検出された電気信号を増幅
器18で増幅し、この増幅された信号を図8に示される
ピックアップ8と略同一構造の電磁トランスデューサ、
いわゆる電磁ドライバ17に入力し、この電磁ドライバ
17から放射される磁力線によって弦を振動する。ここ
で電磁ドライバ17は、弦6を励振させる磁力線を得る
ために、大きな電力を必要とするためコイルの部分に関
しては前記電磁ピックアップと異なり0.3mm程度の銅
線を200ターン程度巻回して電気抵抗を約7Ωとし、
電力損失を低減している。
【0009】しかしながら、電磁ピックアップ8の信号
を増幅して電磁ドライバ17で弦を励振する構成には、
電磁ドライバがその近傍に強い磁力線を放射するため、
この放射された磁力線が電磁ピックアップ8のポールピ
ースに帰還して不要な起電力を発生する、いわゆる磁気
フィードバック現象が発生してしまうという大きな問題
があった。この磁気フィードバックが発生すると、1,
000〜20,000Hzの主に高周波域の発振が生じ、
弦振動以外の雑音が発生するという楽器として致命的な
問題点を有するものであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この磁気フィードバッ
クを減少させるために幾つかの先行技術が開示されてい
る。例えば、特開昭第52−151022号及び実開昭
第53−139836号(共にローランド株式会社)の
構造が挙げられる。この構造はいずれも弦を電気回路の
一部として結線し、弦自体に電流正帰還をかけて弦の自
己振動による励振を行う方式を採用している。この方式
においては電磁ドライバは磁力線を放射しないために磁
気フィードバックは発生しないが、弦自体を自己励振さ
せるために大電力を要し、外部より電源を供給しなけれ
ばならない。また、励振のための大磁力の磁石を電気ギ
ター本体に搭載しなければならず、さらに弦を電気回路
の一部として結線することから極めて大がかりなシステ
ムとなり、従って専用機として設計しなければならず容
易にこの技術を採用することができない。
【0011】また、他の開示例として実開昭第55−1
52597号(ヤマハ株式会社)の構造が挙げられる。
この考案の説明中に磁気フィードバックに対する言及は
なされていないが、弦振動を検出するピックアップには
発光素子と受光素子とが使用されているため基本的に磁
気フィードバックは起こりえない構成となっている。し
かしながら、この方式は磁気フィードバックは発生しな
いが電磁ピックアップを採用していないために、通常い
われる普通の電気ギターとは異なる音質となってしま
う。
【0012】上述した変形構成を使用せずに電磁ピック
アップと電磁ドライバとにより励振をさせるようにした
米国特許第4,941,338号(Hoover, et al.) に
開示された構造が挙げられる。この方式は、磁気フィー
ドバックを減少させるために電磁ピックアップと電磁ド
ライバとの磁気バランスを崩す不均衡装置を備えたもの
で、特に有効な方法として電磁ピックアップと電磁ドラ
イバとの間にシャント板を配置した例が開示されてい
る。このシャント板により磁気フィードバックを減少さ
せた弦振動持続装置を備えた電気ギターは実用化され
「サスティニアック(Sustaniac)」の名で市販されてい
るものである。しかし、この方式においてもシャント板
では吸収しきれない磁力線のフィードバックが依然とし
て残留しており、さらにこの方式においては、前記シャ
ント板が磁気の吸収を目的としているため、予め電磁ピ
ックアップと電磁ドライバ各々の磁力線の放射を少しで
も少なくするために電磁ピックアップ,電磁ドライバの
各ポールピースの磁性や巻線方向を厳密にマッチングさ
せなければならず設計自由度が大幅に制限され、さらに
実質的にはハムバッキングタイプのピックアップしか使
用できないものであった。
【0013】本発明は上記種々問題点を解消したもの
で、弦付近以外の周囲に放射される磁束を著しく低減さ
せ得ることを可能とした全く新しい構造の電気弦楽器用
の電磁トランスデューサを提供することを目的とする。
また、本発明は相対的に少ない磁束発生体を適用しても
充分な出力または励振変換効率を得られる電気弦楽器用
電磁トランスデューサを提供することを目的とする。
【0014】また、本発明は特に電磁ドライバとして適
用した場合においては、磁気フィードバックを著しく低
減させ得ることを可能とした電気弦楽器用電磁トランス
デューサを提供することを目的とする。また、本発明は
特に電磁ドライバとして適用した場合においては少ない
駆動エネルギで充分な励振が得られることを可能とした
電気弦楽器用電磁トランスデューサを提供することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、弦に対
して直交する方向に平行に配置された3枚のヨーク板
と、この各ヨーク板間に弦に対して平行な位置関係に配
置され前記ヨーク板に磁気的に結合された1対の磁束発
生体と、この各磁束発生体に巻設されたコイルとを有
し、前記磁束発生体は中央のヨーク板面に対して同極性
になるように配置された電気弦楽器用電磁トランスデュ
ーサが与えられる。その磁束発生体は、永久磁石や、永
久磁石と強磁性体との組合せ構造体または強磁性体を弱
く着磁した半磁石強磁性体であり、さらに永久磁石は各
磁束発生体の少なくとも中央部近傍よりも外側に配置さ
れ、前記磁束発生体の下部近傍の位置の各ヨーク板に、
このヨーク板の略全長に亙りスリットが形成される。
【0016】
【作用】前記3枚のヨーク板からなる構成は、中央のヨ
ーク板のみが異極性となるため、他の両端のヨーク板か
らの磁束を引きつけ、すなわち弦付近以外には磁束を散
逸させない効果を有する。従って、磁束の有効利用と磁
気フィードバックの低減が同時に図られる。また、本発
明における電磁トランスデューサの磁束発生体は、各ヨ
ーク板の略中央に位置するように配置されるため、すな
わち電磁ピックアップの高さ方向に対しても略中央に位
置されることとなり、わずかに磁気フィードバックが発
生したとしても電磁ピックアップの上半分と下半分から
略均等に進入することとなり、実質的に磁気フィードバ
ックによる高周波雑音は相殺され、その影響は無くな
る。
【0017】前記永久磁石または永久磁石と強磁性体と
の組合せ構造体もしくは半磁石強磁性体は弦を引きつけ
る磁束を発生し、特に永久磁石と強磁性体との組合せ構
造体もしくは半磁石強磁性体は弦を励振するための磁束
を発生させる際の磁気抵抗を減じ、さらに弦に対して最
適な磁束を与える作用をなす。また、前記ヨーク板の下
部に設けられたスリットは磁気抵抗を増加させ、下方へ
導磁されるはずの磁束を上方へ偏向し、永久磁石からの
磁束を無駄なく弦に与える作用をなす。
【0018】
【実施例】以下本発明電気弦楽器用電磁トランスデュー
サを電磁ドライバに適用した第1の実施例を図面の図1
乃至図3を参照して詳細に説明する。図において17は
電磁ドライバを示す。この電磁ドライバ17は、弦6に
対して直交する方向に所定の間隔をもって平行に配置さ
れた3枚のヨーク板21,21,21を有している。こ
のヨーク板21は、鉄,ケイ素鋼板等の透磁性部材で形
成されている。22,22は磁束発生体である永久磁石
である。この永久磁石22,22は、前記3板のヨーク
板21,21,21間の中央に、前記弦6に対して平行
な位置関係に配置されており、各々中央のヨーク板21
に対して同極性に対向してかつ各ヨーク板21,21,
21に磁気的に結合するように接続されている。23,
23はコイルである。このコイル23,23は、前記永
久磁石22,22にその巻方向は互いに逆になるように
巻設されている。
【0019】24はスリットである。このスリット24
は、前記各ヨーク板21,21,21の横方向の略全長
に亙り各々開設されており、その位置は、前記永久磁石
22,22の下部近傍に位置するように開設されてい
る。25,25は金属ネジである。前記ヨーク板21,
21,21及びコイル23,23を巻設した永久磁石2
2,22は、この金属ネジ25により一体に固定されて
いる。また、前記コイル23,23が接触する永久磁石
22,22及びヨーク板21,21,21の接合面には
絶縁テープ26が貼着されている。さらに前記金属ネジ
25の一端にはアース線27が接続されている。
【0020】次に上記構成の作用を説明する。弦6を磁
化するための永久磁石22,22の磁束は、ヨーク板2
1,21,21を介して上下方向に導磁されるが、永久
磁石22,22の下部近傍が位置する各ヨーク板21,
21,21には各々スリット24が開設されているた
め、このスリット24が磁気抵抗となり、下方へ導磁さ
れるはずの磁束は偏向されて上方へ導磁される。この作
用により、永久磁石22,22の磁束は無駄無く弦6に
対して放射される作用を成す。一方、ピックアップ8で
検出された電気信号はアンプ18で増幅されてこの電磁
ドライバ17に印加されるが、この電磁ドライバ17に
より駆動エネルギに変換されて、すなわち図2に破線で
示すような磁気放射となり弦6の励振は行なわれる。
【0021】このとき、3枚のヨーク板21,21,2
1の頂部から放射される磁束の極性は、中央のヨーク板
21のみが両端のヨーク板21,21に対して異極性と
なるため、互いに引付け合い弦6付近に集束する。すな
わち弦6付近以外の周囲にはほとんど散逸しない作用を
成す。しかしながら実際はこの構成においてもわずかに
漏れ磁束が放射されることが有る。この漏れ磁束は、永
久磁石22,22が弦に対して平行に配置され、またヨ
ーク板21,21,21の中央に位置するように配置さ
れているため、すなわちピックアップ8のコイル11の
高さの略中央に位置するため、図3に示すように、ピッ
クアップ8の上下より磁気フィードバックとして均等に
進入する。この均等に進入した磁気フィードバックによ
り、ピックアップ8のコイル11の上半分と下半分に各
々発生する高周波雑音は相殺され、実質的に全く影響は
無くなる作用を成す。
【0022】次に図面の図4及び図5を参照して本発明
電気弦楽器用電磁トランスデューサの第2の実施例を説
明するが、前記第1の実施例と同一部分には同一符号を
付してその説明を省略する。図において17は電磁ドラ
イバを示す。この電磁ドライバ17は1対の磁束発生体
31,31を有している。この磁束発生体31は、永久
磁石32と強磁性体33との組合せ構造体となってい
る。前記強磁性体33は例えば着磁されていないフェラ
イトや鉄等の磁性体材料で形成されており、前記永久磁
石32とは磁気的に結合されている。また、前記永久磁
石32,32は、各磁束発生体31,31の中央部より
外側例えば両端のヨーク板21,21に接する位置に配
置されている。
【0023】次に上記構成の作用を説明する。このよう
な電磁ドライバの基本的概念を考慮した場合、理想的に
は、コイル23の芯に磁束発生体が存在するとともに、
効率を上げるためには永久磁石では無く強磁性体である
方が好ましい。これは弦6を磁化するためには磁束発生
体が必要であるのだが励振駆動時においてその駆動力
は、内部の永久磁石とコイルとにより発生する磁力との
合成となるため、永久磁石のみで形成した場合にはこの
永久磁石がコイル23より発生する磁束を捕捉しないす
なわち磁気抵抗となって効率が悪化してしまうためであ
る。従って本実施例においては本来の理想的状況に近づ
けるべく磁束発生体31,31を、永久磁石32と強磁
性体33との組合せ構造体としたものである。
【0024】次に図6を参照して本発明電気弦楽器用電
磁トランスデューサの第3の実施例を説明するが前記第
2の実施例と同一部分には同一符号を付してその説明を
省略する。図において40は電磁トランスデューサを示
す。この電磁トランスデューサ40は、3枚のヨーク板
41,41,41を有しており、このヨーク板41,4
1,41間には、その直角方向に磁束発生体31,31
が各々狹持されている。42はコイルである。このコイ
ル42は、前記電磁トランスデューサ40の磁束発生体
31と弦6との間に、前記磁束発生体31,31とヨー
ク板41,41,41の内面とに接触するように、中央
のヨーク板41に巻設されている。本実施例の作用は上
記第1の実施例と同一のためその説明を省略する。
【0025】尚、上記実施例の説明においては、本発明
電気弦楽器用電磁トランスデューサを電磁ドライバに適
用した例について説明したが、これに限定されるもので
は無く、同様の構造において電磁ピックアップに適用し
たものであっても良い。また、上記実施例の説明におい
ては、3枚の各ヨーク板にそれぞれその略全長に亙るス
リットを形成した例について説明したが、このスリット
は省略したものであっても良い。さらに、磁束発生体の
極性の配置も実施例に限定されるものでは無く、中央の
ヨーク板が両側のヨーク板に対して異なる極性でありさ
えすれば良い。
【0026】また、第2の実施例において、永久磁石は
外側のヨーク板に接する位置に配置した例について説明
したが、これに限定されるものではなく、むしろ理想的
には強磁性体で狹み込むようにして各磁束発生体の略中
央部に配置した構成が好ましいものである。また、磁束
発生体は、第1の実施例においては永久磁石、第2の実
施例においては永久磁石と強磁性体との組合せ構造体で
形成したものについて説明したが、これに限定されるも
のでは無く、例えばフェライト、鉄等の透磁性部材に弱
く着磁した半磁石強磁性体としたものであっても良い。
【0027】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明電
気弦楽器用電磁トランスデューサによれば、2つの磁束
発生体を3枚のヨーク板で狹持し、中央のヨーク板の極
性のみが両側のヨーク板の極性に対して異なるように構
成したため、磁束は中央に引付けあうように作用するの
で、弦付近に集束して磁界が発生し、相対的な磁束は小
さくても効率良く電磁変換が行い得る効果を有する。
【0028】特に電磁トランスデューサを電磁ドライバ
として適用した場合においては、弦付近以外の周囲に放
射される磁束がほとんど無いため、磁気フィードバック
による高周波雑音の発生も抑えられる効果を有する。ま
た、わずかに漏れ磁束が発生したとしても、磁束発生体
は弦と平行に配置され、またヨーク板の中央すなわちピ
ックアップの高さの略中央に相当する位置に配置されて
いるため、磁気フィードバックの原因となる漏れ磁束は
ピックアップの上と下から進入する作用となり、ピック
アップコイルの中で相殺され、実質的に全く問題とはな
らなくなる効果を有する。さらに、上述したように駆動
磁気エネルギも弦付近に集束して放射されるため、小電
力でも効率の良い励振駆動が可能となる効果を有する。
この効果は電池の消費量を著しく低減させることができ
るため、特に電気ギターに一体的に搭載する場合極めて
有効となりえるものである。
【0029】また、電磁トランスデューサを電磁ピック
アップに適用した場合においては、上述した効果により
小磁力でも大きな出力が得られるため、磁束による自然
な弦振動の阻害も抑止される効果を有する。さらに両側
に配置されたヨーク板がコイルを貫通する方向の誘導ノ
イズに対する障壁となるため、隣接する電磁ピックアッ
プやノイズ源からのハムノイズの影響を防止する効果を
有する。また、実施例のように各ヨーク板の略全長に亙
り磁束発生体の下方に磁気空隙であるスリットを形成し
た構成にすると、弦方向に対して反対の方向に放射され
る無駄な磁束が偏向されて弦方向に対する磁束が増加さ
れるため、小磁力でもよりいっそう効率良く弦に作用す
る磁束が増大される効果を有する。
【0030】また、第2の実施例のように、磁束発生体
を永久磁石と強磁性体との組合せ構造体にすると、コイ
ルの発電時、または励振時の磁気エネルギの出力時にお
いては磁束発生体が磁気抵抗とならないため、全部永久
磁石で形成した場合に比較して著しく効率が良好になる
効果を有する。さらに、本発明の構成による電磁トラン
スデューサは、基本的にヨーク板と磁束発生体の加工の
みですべての寸法が設定可能なものである。従って従来
必要としていたボビン等のプラスチックモールド部材を
必要としないため、種々の幅,長さ等の寸法に極めて柔
軟にかつ簡単に適合させることが可能となる実用上の著
効も併せ有するものである。
【0031】また、従来の電磁トランスデューサのよう
に、コイムをボビンに巻設した後に永久磁石やベースプ
レート及びカバー等のパーツを組立てる必要が無く、ヨ
ーク板,磁束発生体等を金属ネジで固定するのみで実質
的に全ての組立てが完了するため、大量生産を考慮した
場合著しく短時間で安価に作製することが可能となる効
果も併せ有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電磁トランスデューサの第1の実
施例を示す斜視図である。
【図2】図1のA−Aラインから見た電磁トランスデュ
ーサの横断面図である。
【図3】図1の電磁トランスデューサの磁気フィードバ
ックの説明図である。
【図4】本発明による電磁トランスデューサの第2の実
施例を示す横断面図である。
【図5】図4の電磁トランスデューサの部分断面図を含
む平面図である。
【図6】本発明による電磁トランスデューサの第3の実
施例を示す横断面図である。
【図7】弦振動持続装置を備えた電気ギターの一般的な
構成図である。
【図8】従来の電磁トランスデューサの部分断面図を含
む斜視図を示しており、(a)はシングルコイルタイプ
そして(b)はダブルコイルタイプの電磁ピックアップ
である。
【符号の説明】
1…電気ギター 6…弦 8…電磁ピックアップ 17…電磁ドライバ 18…増幅器 21,41…ヨーク板 22,32,55…永久磁石 23,42,53…コイル 24…スリット 25…ネジ 26…絶縁テープ 27…アース 31…磁束発生体 33…強磁性体 52,56,57…ポールピース G…弦振動持続装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 3/22 - 3/26 G10H 3/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弦に対して直交する方向に平行に配置さ
    れた3枚のヨーク板と、この各ヨーク板の中央近辺の間
    弦に対して平行に且つ電磁ピックアップにおける高さ
    方向の中央近辺に位置するように配置され、前記ヨーク
    板に磁気的に結合された1対の磁束発生体と、この各磁
    束発生体に巻設されたコイルとを有し、前記磁束発生体
    は中央のヨーク板面に対して同極性になるように配置さ
    れたことを特徴とする電気弦楽器用電磁ドライバ。
  2. 【請求項2】 磁束発生体は、永久磁石であることを特
    徴とする請求項1記載の電気弦楽器用電磁ドライバ。
  3. 【請求項3】 磁束発生体は、永久磁石と強磁性体との
    組合せ構造体であることを特徴とする請求項1記載の電
    気弦楽器用電磁ドライバ。
  4. 【請求項4】 磁束発生体は、強磁性体を弱く着磁した
    半磁石強磁性体であることを特徴とする請求項1記載の
    電気弦楽器用電磁ドライバ。
  5. 【請求項5】 永久磁石は、各磁束発生体の少なくとも
    中央部近傍よりも外側に配置されたことを特徴とする請
    求項3記載の電気弦楽器用電磁ドライバ。
  6. 【請求項6】 弦に対して直交する方向に平行に配置さ
    れた3枚のヨーク板と、この各ヨーク板間に弦に対して
    平行な位置関係に配置され前記ヨーク板に磁気的に結合
    された1対の磁束発生体と、この各磁束発生体に巻設さ
    れたコイルとを有し、前記磁束発生体は中央のヨーク板
    面に対して同極性になるように配置され、 磁束発生体の下部近傍の位置の各ヨーク板に、このヨー
    ク板の略全長に亙りスリットを形成したことを特徴とす
    る電気弦楽器用電磁ピックアップ。
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