JP3266969B2 - フッ素樹脂焼結体の製造法 - Google Patents

フッ素樹脂焼結体の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、効率的な射出成形法を
利用してポリテトラフルオロエチレン(PTFE。以下
同様)などのフッ素樹脂の焼結体を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、実用化されているPTFE樹脂は、溶融状態となる
380℃においても溶融粘度が1011ポアズと極めて高
いために押出成形や射出成形により任意の形状の成形体
とすることができない。
【0003】よって、ある形状の焼結体をえようとする
ばあい、まず、原料のPTFE樹脂粉末を常温でそのま
ま予備成形し、予備成形体をPTFE樹脂の融点以上で
ある360〜390℃に加熱して焼結する。予備成形に
は圧縮成形法、ラム押出成形法、押出助剤を用いるペー
スト押出法などが用いられるが、いずれの方法も形状自
由度が乏しいので、所望の形状の焼結体をうるために、
焼結された予備成形体を切削加工している。
【0004】このように加工サイクルが長いので、所望
の形状のPTFE樹脂焼結体の製造はコストが高くつ
く。また、複雑な形状のばあい切削加工が困難である。
【0005】これらの問題は、PTFE以外の溶融粘度
が105 〜1013ポアズのフッ素樹脂についても存在す
る。
【0006】本発明は前記問題点に鑑みなされたもので
あり、その目的は、所望の形状のフッ素樹脂焼結体を効
率的にうる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、フ
ッ素樹脂粉末と少なくとも1種の低温分解性バインダー
を混合し、混合物を射出成形したのち、成形体を脱脂処
理してから焼結することを特徴とするフッ素樹脂焼結体
の製造法に関する。
【0008】
【作用および実施例】本発明の製造法によれば、それ自
体は射出成形が困難な溶融粘度が105 〜1013ポアズ
のフッ素樹脂も射出成形を利用してフッ素樹脂焼結体と
することができる。それ以外の溶融粘度のフッ素樹脂
も、使用するバインダーの分解温度より融点が高いとい
うことを条件に用いることができる。
【0009】本発明において溶融粘度とは、PTFEの
ばあいは、サーモフレックス試料下位置TMA(理学電
機(株)製)を用いてつぎの方法により測定した比溶融
粘度、PTFE以外のフッ素樹脂のばあいは、キャピラ
リーフローテスタ((株)島津製作所製)を用いてつぎ
の方法により測定した溶融粘度を意味する。
【0010】測定方法(1);PTFEのばあい: 比溶融粘度(温度380℃、荷重0.8kg/cm2 ) 「サーモフレックス試料下位置TMA」(理学電機
(株)製)を用いて以下の手順でクリープ試験を行ない
測定する。
【0011】まず、試料をつぎの方法で作製する。内径
50mmの円筒形の金型に、80gの粉末を紙片に挟ん
で充填し、約30秒間徐々に圧力をかけて最終圧力約3
52kg/cm2 となるようにし、この圧力に2分間保
つ。つぎに金型から成形体を取り出し、371℃に昇温
した空気電気炉中で90分間焼成し、つづいて1℃/分
の速度で250℃まで降温し、この温度で30分間保っ
た後取り出す。この円柱形の焼成体を側面に沿って切削
加工し、厚さ0.5mmの帯状シートをうる。
【0012】このシートから、幅4mm〜5mm、長さ
15mmの小片を切り取り、幅と厚さを正確に測定し、
断面積を計算する。小片の両端に試料装着金具を装着間
距離が1.0cmになるように取り付ける。この金属−
試料のアセンブリーを円柱状の炉に入れ、20℃/分の
速度で室温から380℃にまで昇温し、この温度(38
0℃)を保持する。約5分間保持したのち、約15gの負
荷をかける。伸びの時間変化の曲線から、負荷後の60
分〜120分の間の伸びを読み取り、時間(60分)に
対する割合を求める。比溶融粘度は、つぎの関係式から
計算する。
【0013】
【数1】
【0014】測定方法(2);PTFE以外のフッ素樹
脂のばあい:キャピラリーフローテスタ((株)島津製
作所製)を用いて、各フッ素樹脂を以下の温度・荷重で
溶融粘度を測定する。
【0015】
【表1】
【0016】溶融粘度が105 〜1013ポアズのフッ素
樹脂としては、たとえば、テトラフルオロエチレン(T
FE)、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ヘキサ
フルオロプロペン、クロロトリフルオロエチレンもしく
はビニリデンフルオライドの単独重合体またはそれらの
2種以上からなる共重合体、あるいはTFEとエチレン
との共重合体、クロロフルオロエチレンとエチレンとの
共重合体などがあげられる。具体的には、PTFE、テ
トラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/
ヘキサフルオロプロペン共重合体(FEP)、ポリクロ
ロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビ
ニリデン(PVDF)、エチレン/テトラフルオロエチ
レン共重合体(ETFE)、クロロトリフルオロエチレ
ン/エチレン共重合体(ECTFE)などがあげられ
る。より好ましくは、PTFE、PFA、FEPがあげ
られる。その理由は、使用する低温分解性バインダーの
分解温度とフッ素樹脂の融点の温度差が大きく、脱脂、
焼結が容易に行なわれうるからである。
【0017】溶融粘度が105 ポアズ未満のフッ素樹脂
は、従来より通常行なわれている射出成形が可能であ
り、1013ポアズを超えるフッ素樹脂は脱脂、焼結後の
融着がやや困難である。
【0018】PTFE樹脂粉末には、たとえばTFEの
単独重合体、2重量%以下の共重合性単量体で変性され
たTFEの共重合体の粉末が含まれる。この変性剤とし
ては、炭素数3〜6のパーフルオロアルケン(たとえば
ヘキサフルオロプロピレン)、炭素数3〜6のパーフル
オロ(アルキルビニルエーテル)(たとえばパーフルオ
ロ(プロピルビニルエーテル))などがあげられる。こ
れら変性共重合体は、PTFE単独重合体と同様に、通
常の方法で押出成形、射出成形することはできない。粉
末の平均粒子径は1000μm以下、好ましくは0.0
1〜500μm、より好ましくは0.1〜50μmであ
る。平均粒子径が1000μmより大きいと接触面積が
小さくなり機械的強度が低下する傾向にある。
【0019】前述のフッ素樹脂粉末に混合される低温分
解性バインダーは、射出成形工程を円滑に進行させるよ
うに機能するものである。すなわち、射出成形時におい
て、可塑化されたバインダーの流動特性により、溶融粘
度が高くてそれ自体は流動しないフッ素樹脂粉末に流動
性が与えられ、金型内部にフッ素樹脂粉末が良好に導か
れ、また、バインダーが冷却固化すると、その分子間凝
集力によりフッ素樹脂粉末が金型の形状に固定される。
脱脂時においては、バインダーは加熱により容易に熱分
解し、炭化物、灰分を残さず除去することができるが、
バインダーが溶剤に易溶のばあいは、溶剤抽出を行なっ
てからバインダーを熱分解により除去することもでき
る。脱脂後の成形品は多孔質体である。また、焼結時に
は、フッ素樹脂が溶融し、全体が均一に収縮して焼固ま
り、フッ素樹脂の高密度体がえられる。この均一収縮の
ためには、バインダーはフッ素樹脂粉末を均一に分散で
きるものであることが好ましい。
【0020】この低温分解性バインダーとしては、分解
温度100〜320℃の有機系バインダーが好ましい。
分解温度が150〜300℃のものがより好ましい。こ
こで、分解温度は、熱重量測定装置を使用し、空気中で
昇温速度を10℃/分として測定した分解開始温度を意
味する。分解温度が320℃より高くなるとバインダー
除去のための脱脂処理において分解温度以上に加熱した
ときにフッ素樹脂が溶融して脱脂が困難になり、100
℃より低くなるとバインダーが揮発しやすくなり射出成
形できなくなる傾向がある。これらの条件を満たす低温
分解性バインダーとしては、たとえばフタル酸ジメチ
ル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸
ジブチル、フタル酸ジオクチル、ステアリン酸、ポリメ
タクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタ
クリル酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタ
クリル酸オクチル、ポリエチレングリコール、パラフィ
ンワックス、低分子量ポリα−メチルスチレン、低分子
量ポリオキシメチレン、スチレンオリゴマー、エチレン
オリゴマー、プロピレンオリゴマーなどをあげることが
できる。射出成型時の離型性や脱脂のしやすさなど、取
扱いやすさの点で、より好ましくはステアリン酸、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメ
タクリル酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメ
タクリル酸オクチル、ポリエチレングリコール、パラフ
ィンワックス、低分子量ポリα−メチルスチレン、低分
子量ポリオキシメチレンなどがあげられる。
【0021】これらの有機系バインダーは、単独または
2種以上組み合わせて使用してもよく、熱分解により脱
脂されるが、溶剤に易溶のばあいには、溶剤でほとんど
のバインダーを抽出除去したのち、残りを熱分解により
脱脂することもできる。
【0022】バインダーは1種類であると、溶剤抽出に
よるバインダーの回収や加熱脱脂時の温度プログラム設
定が簡素化できるが、2種類以上用いてもよく、つぎに
説明するように溶融粘度が著しく低いバインダーと高い
バインダーの2種類を用いることがある。
【0023】たとえばPTFE樹脂粉末は射出時の剪断
応力により樹脂が容易にフィブリル化する。PTFE樹
脂がフィブリル化した状態で脱脂操作を行なうと成形体
が変形し希望の形状のものがえられなくなることがあ
る。前記バインダーのうち溶融粘度が著しく低いバイン
ダーは、このPTFEのフィブリル化を抑制する効果が
ある。溶融粘度が著しく低いバインダーとしては、パラ
フィンワックス、ポリエチレングリコールなどがあげら
れる。しかし、脱脂工程に入ると、たとえばパラフィン
ワックスは200℃あたりから主鎖がランダムに分解し
て分子量の高い分解物から低い分解物までを形成する特
性があり、脱脂処理の際に低分子量分解物のみがガス揮
散する。高分子量分解物も、その後次第に分解してい
き、最終的にガス揮散できる分子量まで到達するが、長
時間を要し、射出成形の長所である迅速成形の要素が打
ち消されてしまう可能性がある。一方、前述のバインダ
ーのうちポリα−メチルスチレン、ポリメタクリル酸メ
チル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチ
ル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタクリル酸オク
チルなどの粉末は結合剤的効果はあるものの溶融粘度が
150℃で10ポアズ以上と高いため、PTFE樹脂を
フィブリル化させる欠点がある。しかし、加熱による熱
分解機構が連鎖反応的で、モノマー単位に分解する特性
があるために分解速度が比較的速く、短時間で脱脂を終
了させることができる。したがって、前述の溶融粘度が
著しく低いバインダーと前述の溶融粘度が高いバインダ
ーを互いの欠点を補うために適当な割合で配合して使用
することにより射出の際のPTFEのフィブリル化を抑
制しつつ脱脂処理を短時間で行なうことが好ましい。溶
融粘度が著しく低いバインダーと高いバインダーの配合
割合は、それぞれのバインダーの種類によるが、10
0:0〜0:100、好ましくは100:1〜1:10
0である。
【0024】前述の低温分解性のバインダーの使用量は
フッ素樹脂粉末との合計重量を基準に合計で13〜80
重量%、好ましくは18〜50重量%、より好ましくは
20〜40重量%に設定される。使用量が13重量%よ
り少ないと、円滑に射出を行なうことができず、80重
量%より多いと脱脂処理に長時間を要し、かつ成形体の
引っ張り強度などの機械的特性が低下する。
【0025】また、射出成形するフッ素樹脂粉末と低温
分解性バインダーの混合物に、さらにステアリルアミ
ン、ステアリン酸、ポリエチレングリコールドデシルエ
ーテル、パーフルオロオクチルエチルステアレートなど
の分散剤やガラス繊維、カーボン繊維などのフィラーを
加えてもよい。
【0026】フッ素樹脂粉末と低温分解性バインダーと
の混合物は、たとえば、低温分解性バインダーをそのま
ま(ドライブレンド)、または適当な溶媒に溶解してフ
ッ素樹脂粉末に添加して、たとえばスクリーワンモータ
ーなどで混合することによりえられる。フィブリル化の
起こりにくいフッ素樹脂については、低温分解性バイン
ダーとフッ素樹脂粉末とを、ロール、ニーダーなどの混
練機で混ぜてもよい。適当な溶媒としては、n−ヘキサ
ン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、
メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケト
ン(MIBK)、イソプロピルアルコール(IPA)、
トルエン、キシレンなどがあげられる。さらに、分散剤
やフィラーなどを加えるばあいも、通常の方法により添
加混合されるが、前述のような有機系溶媒に分散剤など
を溶解して添加することができる。
【0027】フッ素樹脂粉末と低温分解性バインダー、
および要すれば分散剤やフィラーなどからなる混合物
は、バンダーの滑剤効果のために、測定方法(2)によ
り測定した溶融粘度が10〜105 ポアズ、特に102
〜104 ポアズであることが好ましい。
【0028】えられた混合物の射出成形の方法は特に制
限されないが、射出温度はバインダーの融点以上、特に
70〜200℃の温度とすることが好ましい。
【0029】つぎに、脱脂処理により成形体中に残留す
る低温分解性バインダーが加熱除去される。この脱脂処
理は、通常の加熱炉で行なうことができるが、特に複雑
な形状の成形品の脱脂には、精密な温度、圧力などの制
御機能を備えるものの方が好ましい。低温分解性バイン
ダーは昇温段階で分解してガス揮散する。このとき昇温
速度が速すぎるとガス揮散に伴って、組織が膨潤したり
破壊しようとする力による変形を招くので、昇温速度は
2〜35℃/時間に設定することが好ましい。低温分解
性バインダーが溶剤に易溶であれば、加熱による脱脂処
理の前に溶剤抽出を行なうことにより、加熱による脱脂
処理の工程を大幅に短縮することができる。パラフィン
ワックス、ポリエチレングリコールなどの低温分解性バ
インダーまたはステアリルアミン、ステアリン酸、ポリ
エチレングリコールドデシルエーテル、パーフルオロオ
クチルエチルステアレートなどの分散剤などを使用した
ばあい、前述のような溶媒が用いられる。
【0030】つづいて、脱脂処理された成形体を焼結す
ることによりフッ素樹脂焼結体がえられる。焼結時の加
熱温度は、原料として用いるフッ素樹脂粉末の好適な水
準に設定される。
【0031】本発明の製造法によりえられる焼結体は、
成形不良のばあいは、脱脂以前であれば粉砕により再使
用することができる。
【0032】つぎに具体的実施例をあげて本発明を説明
するが、本発明はこれらに限定されない。
【0033】実施例1 パラフィンワックス(分解温度200℃、融点63℃)
25gとフッ素系界面活性剤(ダイキン工業(株)製)
4gを、n−ヘキサン150gとIPA50gの混合溶
媒に溶解させ、これに平均粒子径25μm、見掛け密度
0.29g/ccのPTFE樹脂粉末(ポリフロンTF
E M−12、測定方法(1)による溶融粘度;1012
ポアズ:ダイキン工業(株)製)100gを添加し、ス
リーワンモーターでゆっくり撹拌しながら80℃で加熱
乾燥した。この混合物にポリメタクリル酸ブチル(分解
温度230℃、ガラス転移温度60℃)の粉末9gをド
ライブレンドで混合してコンパウンドをえた。コンパウ
ンドの測定方法(2)による溶融粘度は7×103 であ
った。
【0034】このコンパウンドを、射出成形機((株)
山城精機製作所製)を用いて、射出圧512kg/cm
2 、射出速度70mm/秒、樹脂温度(コンパウンド温
度)90℃で射出成形して成形体をえた。つぎに、脱脂
処理のために成形体を加熱炉((株)ヤマト科学製 高
温電気炉FP31型)に移し、10℃/時間の昇温速度
で昇温し、200℃に20時間維持することによりパラ
フィンワックスを除去した。その後、10℃/時間で昇
温して250℃で5時間維持することによりポリメタク
リル酸ブチルおよびフッ素系界面活性剤の除去を行なっ
た。また、加熱によらず、n−ヘキサン/IPA(重量
比=3/1)を用いてパラフィンワックスおよびフッ素
系界面活性剤を溶剤抽出したのち、10℃/時間の昇温
速度で昇温し、250℃に5時間維持することによりポ
リメタクリル酸ブチルの除去を行なった。
【0035】つぎに、脱脂処理した成形体を70℃/時
間の昇温速度で370℃まで昇温し、その温度に5時間
維持することによりPTFE樹脂成形体を焼結して成形
体を収縮させ、所望の成形されたPTFE樹脂焼結体を
えた。焼結体は、白色であり、着色されていなかった。
また比重は2.10であった。
【0036】コンパウンドの配合および測定結果などを
表2に示す。
【0037】なお実施例および比較例におけるコンパウ
ンドの測定方法(2)による溶融粘度の測定条件をつぎ
に示す。 溶融粘度 装置:(株)島津製作所製キャピラリーフローテスター
CFT−500C ダイ:8mm×2.1mm 荷重:150kg/cm2 温度:150℃ 実施例2 ガラス繊維20gを追加したコンパウンドを調製したほ
かは実施例1と同様にしてPTFE樹脂焼結体をえた。
コンパウンドの配合および測定結果などを表2に示す。
【0038】実施例3 測定方法(2)による溶融粘度が5×106 ポアズであ
るPFAを用い、表2に示すようなコンパウンドの配合
で実施例1と同様にしてPFA樹脂焼結体をえた。測定
結果を表2に示す。
【0039】実施例4 測定方法(2)による溶融粘度が106 ポアズであるF
EPを用い、表2に示すようなコンパウンドの配合で実
施例1と同様にしてFEP樹脂焼結体をえた。測定結果
を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】比較例1、2および3 表3に示すようにコンパウンドの配合を代えた以外は実
施例1と同様にしてPTFE樹脂焼結体をえた。ただ
し、比較例2および3では射出温度(樹脂温度)250
℃で射出をおこなった。コンパウンドの配合および測定
結果などを表3に示す。なお、比較例1および2におい
て用いたポリブチレンテレフタレートの融点は218〜
219℃であり、分解温度は390℃であり、えられた
焼結体は、コンパウンドの白色とは異なる黒色に着色し
ていた。
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】本発明の方法によれば、成形を射出成形
により行なうので、切削加工では成形困難な複雑な形状
のフッ素樹脂焼結体をうることができる。また、切削加
工工程を適用しないために、余分な樹脂を削り取る無駄
がなく、製造工程も簡略化されるので製品の大幅なコス
トダウンが可能である。
【0044】本発明によれば、フッ素樹脂の融点以下の
温度で溶融し射出成形するので、フッ素樹脂は1種のフ
ィラーとみなされ、低温分解性バインダーが流動性、保
形性を付与する。このとき、バインダーが室温で固体で
あれば離型性もよくなる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−43709(JP,A) 特開 昭61−53349(JP,A) 特開 昭61−138663(JP,A) 特開 昭59−103022(JP,A) 特開 昭62−223255(JP,A) 特開 平5−117477(JP,A) 特開 平6−234141(JP,A) 特開 平6−73137(JP,A) 特開 平6−236711(JP,A) 特表 平7−505664(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 B29C 67/04 B29D 31/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素樹脂の粉末と少なくとも1種の低
    温分解性バインダーを混合し、混合物を射出成形したの
    ち、成形体を脱脂処理してから焼結することを特徴とす
    るフッ素樹脂焼結体の製造法。
  2. 【請求項2】 前記フッ素樹脂の溶融粘度が105 〜1
    13ポアズである請求項1記載のフッ素樹脂焼結体の製
    造法。
  3. 【請求項3】 前記フッ素樹脂がPTFE、PFAまた
    はFEPである請求項1または2記載のフッ素樹脂焼結
    体の製造法。
  4. 【請求項4】 前記低温分解性バインダーが分解温度1
    00〜320℃の有機系バインダーである請求項1、2
    または3記載のフッ素樹脂焼結体の製造法。
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