JP3266619B2 - バイオマス生産装置 - Google Patents

バイオマス生産装置

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はバイオマス(biomass)を生産するための装
置、特にその装置を使ってバイオマスを培養、或は栽培
するためのプロセスに関する。
商業上の生産物および廃棄物の生成、処理、および蓄
積において独立栄養生物を用いることに長期にわたる将
来性が、近年、明らかになって来た。独立栄養生物と
は、炭素の主な源として二酸化炭素を利用し、さらに光
合成により太陽からエネルギを得る(光合成独立栄養生
物)、あるいは有機または無機の還元された化学物質か
らエネルギを得る(化学合成独立栄養生物)生物であ
る。その代表例としては、植物、海草、培養・栽培され
る藻類〔たとえばクロレラ(Chlorella)、スピルリナ
(Spirulina)、ドナリエラ(Dunaliella)など〕、バ
クテリオファージ、光合成細菌などがある。独立栄養生
物は、必要とされるものがこのように控え目なものであ
るので、バイオマス生産にとって大いに適したものであ
る。たとえば、培養・栽培される藻類は、動物や人の食
物のため、下水や廃棄物の処理のため、放射性廃棄物の
蓄積のため、工業および研究に応用される酵素や他の生
産物の生産のため、そして栄養価の高いオイルや他の栄
養物の生産のため、に栽培されてきた。
独立栄養生物を栽培するために用いられてきた伝統的
な方法は、太陽光にさらされた野外の浅い池あるいは水
路を用いるものである。独立栄養生物を栽培するため
の、このような比較的自然な方法は、塵や微生物、昆
虫、その他の動物による汚濁や環境汚染にさらされた
り、露光、温度、呼吸、およびその他の因子の度合を制
御するには限られた能力しかなかったりするので実用的
とはいえない。
これらの問題を克服するため、平坦で鉛直なパネルの
表面を背に実質的に水平方向に巻き付けられた、光を透
す比較的小さな直径を持つパイプを有するバイオリアク
ターシステムを利用してきた。バイオリアクターのこの
形態に付随した問題には、チューブ内の液体の中にある
バイオマスの密度が低いこと、光の透過性が低いこと、
流速が遅いのでチューブが独立栄養生物によって覆われ
てしまった結果、透明度が減少してしまうこと、夏季に
おけるオーバヒート、土地使用と商用生産のためにこう
した装置が多数扱われなければならないという処理制御
問題と、が含まれる。さらに、このバイオリアクターの
設計には、不利な天候状態に耐えられない本来的に不安
定な構造がつきまとう。
代替的な構造の中には、少なくとも90パーセントの光
透過率を許す実質的に透明なチューブが、使用時にその
チューブの外側が自然光にさらされるように巻き付けら
れた直立したコア構造が含まれている。該チューブへの
光の透過を増させるため、直立したコア構造に光反射手
段を備え付ける。巻き付けられたチューブに、藻、バク
テリオファージ、海草のような生きた植物材料を成長に
必要な基礎栄養素と一緒にした人工混合物を通過させ
る。再び、チューブが独立栄養生物によって覆われてし
まうこと、夏の天候におけるオーバヒート、全体的な建
設コスト、一度にチューブを通過することのできる液体
の体積が制限されること、そして培養バッチの間に装置
を殺菌することが難しいことは、このようなバイオリア
クターを使用する場合の本来的な欠点となる。
いくらか、より洗練された構造には、光合成反応タン
ク内に取り付けられた複数のバッフルをその中に備え
た、光合成微生物の培養のためのバイオリアクターが含
まれる。バッフル内には、タンク側面の開口部から光源
を挿入することができる、バイオリアクターを貫通する
空虚な穴が形成されている。この構造では液体培地内の
バイオマス密度がより高いものとなり、土地使用を減少
させているが、バイオリアクタータンクが複雑となり、
全体の構築コストがかかり、夏の天候にはオーバヒート
を引き起こすので、このタンクは商業スケールで商用に
は向かない。さらに運転サイクルの合間の洗浄や殺菌が
特に難しい。
本発明は、すくなくともさまざまに異なった大きさや
長さにおいて製造することができる、そして独立栄養生
物の商用生産に適する、改良されたバイオリアクターを
提供する。
本発明は、 (i)底部、上部、及び該底部と該上部との間にあっ
て、該底部から該上部に向けて末広がりに配置された複
数の側壁を有して液相でバイオマスを収容するのに少な
くとも適当な実質的に透明なチェンバと、 (ii)ほぼすべての前記バイオマスを継続的に混合する
ための、及び少なくとも半継続的に前記バイオマスを光
源にさらすための適当な動因力を前記液相の中で生成し
て前記チェンバの内容物を循環させるための循環手段と を備えたことを特徴とするバイオマス生産用バイオリア
クターに存する。
本発明によれば、バイオリアクター内でのバイオマス
の生産に影響を与える数多くのパラメータが存在する。
これらのパラメータの内の2つは、チェンバに入る光量
と、チェンバ内をバイオマスが循環する速さである。
該チェンバが実質的に透明であることから、好ましく
も、その中を光が透過することができる。バイオリアク
ターにおけるバイオマスの密度が増大するにつれ、液相
への光の透過強度(intensity of light penetration)
が減少することは最もあり得る。実質的にバイオマスの
すべてが少なくとも半継続的に光にさらされるのが好ま
しい。ある状況において、バイオマスを継続的に光源に
さらすようにすることもできる。この光源は太陽光のよ
うな自然光、または人工的につくられたものでよい。
チェンバ内における循環速度(circylation rate)
は、実質的に液相のすべてを継続的に混合することがで
き、循環の間にバイオマスに過度のストレスを加えるこ
となく、そのバイオマスが光にさらされるような適当な
レベルに設定されなければならない。本発明を離れるこ
となく、本発明の構成に関するバリエーションを実現す
ることができることが理解されよう。一般的に、本発明
で使用される循環システムは実質的にすべてのバイオマ
スを継続的な浮遊状態に維持し、バイオリアクターの中
にそのバイオマスが滞ることを抑制するであろう。すべ
てのバイオマスが継続的な浮遊状態におかれることが好
ましい。
バイオリアクター内の液相の適度な循環速度トを生成
するための動因力は、バイオリアクターの大きさ、バイ
オリアクター内で培養或は栽培されたバイオマス、そし
てそのバイオマスの密度に依存して変化するものであ
る。バイオリアクター内のバイオマスの最小循環速度
は、バイオマスが滞る或は沈澱する速度よりも大きいこ
とが好ましい。最大循環速度は、液相の表面上で泡が発
達する、あるいはバイオマスが過度の環境ストレスにさ
らされる速度よりも小さくなることが好ましい。循環速
度はこの最小速度と最大速度との間に設定されることが
好ましい。また、循環速度はこの最小速度近くに設定さ
れることがより好ましい。たとえば、細長い350リット
ルの横倒し三角柱形の、逆三角形の断面を有する三角柱
形バイオリアクターにおいて、循環は、逆位置の頂点に
おける、あるいはその近傍におけるガスの放出によって
生成される。最小ガス入力は、1メートル当たりかつ1
分当たり12リットルであることが好ましい。最大ガス入
力は、1メートル当たりかつ1分当たり100リットルで
あることが好ましい。本発明のかなり好ましい形態で
は、1メートル当たりかつ1分当たり20リットルである
ことが好ましい。
バイオマス濃度が増大するにしたがって、バイオリア
クター内の環境変化のパターンが継続的に変化するの
で、循環速度が設定最小速度よりも小さくなることがな
いように、循環速度を監視、調整することが好ましい。
本発明が、さまざまなタイプ、形態のバイオマス、ま
たはバイオマスから作り出される生産物を生産するため
に使用されることが理解されよう。ここで使用される
「バイオマス」とは、たとえば液相の中で成長すること
のできる単細胞、多細胞から成る植物細胞や、(藻類や
ミドリムシを含む)微生物のような光合成成長を行うこ
とのできるすべての生物である。この用語はまた、人工
的あるいは遺伝子操作によって作り変えられた生物も含
む。本発明によるバイオリアクターは特に藻類または光
合成細菌の培養又は栽培に適する。たとえば藻類のバイ
オマスを生産するための光合成バイオリアクター(phot
obioreactor)として使用することができる。この点に
おいて、特定の、かつ、種々な必要成長条件を有する、
(たとえばクロレラ、スピルリナ、ドナリエラなどの)
さまざまなタイプの藻類を、このバイオリアクター内で
培養或は栽培することができる。
バイオマスが呼吸することができるには、液相の中に
ガス相を入れる手段が1つ以上必要となる。これは、バ
イオマスを殺傷することのない、なにか化学的な手段、
あるいはバイオリアクター内の、開かれた1つ以上の導
管を使って行われる。光合成に必要なガスは、この分配
手段によってバイオリアクター内に導入される。このガ
スは空気、あるいは二酸化炭素と酸素との混合気体であ
ることが好ましい。バイオリアクター内の汚濁を回避す
るために、導入ガスをバイオリアクター内に放出する前
に汚染病原体を除去すべく殺菌することが好ましい。本
発明におけるかなり好ましい実施の形態では、液相の循
環はこのガス分配システムを使ってなされる。
循環システムが、それがチェンバの内容物をすくなく
とも循環させるように作用するとともに、チェンバ内の
液相に給気することができる条件の下で、チェンバの形
状に応じて、さまざまな形態をとり得ることが理解され
よう。さらに、循環手段が、実質的にすべてのバイオマ
スを循環させるとともに、バイオマスを光源に少なくと
も半継続的にさらすことができる適当な動因力を液相内
で発生させることができるという条件の下で、その循環
手段をバイオリアクター内のいずれの場所にも設けるこ
とができる。
循環手段はバイオリアクターの頂上近くでバイオリア
クターの底部に近接して、または、底部の上方に配置さ
れることが好ましい。たとえば、循環手段がバイオリア
クター内の底部に近接するように配置された場合には、
バイオマスと液相とを該底部からバイオリアクターの頂
上に向けて望ましくは上向きに移動させることができ
る。このバイオマスと液相との上向きの動きは容器の頂
上面に衝撃を与え、液相中のほとんどのバイオマスに対
して光にさらされることを確実なものとする。バイオリ
アクターの頂上面との接触に続いて、バイオマスを含む
液相はバイオリアクターの側面に向かって外向きに移動
する。この動きによっても、液相内のバイオマスが光に
さらされることが保証される。その後、このバイオマス
を含む液相はバイオリアクターの側面を下って、底部に
向かって移動する。そこから再び循環手段に捕えられ、
バイオリアクターの頂上部に向かって移動する。この混
合様式によって、液相内のすべてのバイオマスが効果的
に光にさらされることを確実にするとともに、また、或
る種の光合成生物の成長の助長のための規則正しい「点
滅」ライトパターン(‘flashing' light pattern)を
発生させるので、バイオマスの速く、調和のたれた光合
成成長が容易になる。
このバイオリアクターは、体積に対する表面積の比が
大きい。このことは、活性的な光吸収・透過面として、
このバイオリアクターの表面をほとんどすべて使用する
ことによって達成できる。光の吸収および透過(transm
ission)はさらに、バイオリアクターの構造内で透明な
構造物を使用することにより、そして光を反射する基台
表面より上方にバイオリアクターを位置させることによ
って向上する。
バイオリアクターは、逆になったほぼ三角形の断面を
有する細長い横倒し三角柱形容器であることが好まし
い。この、ほぼ三角形の断面の側面は近似的に相等し
く、かつ逆になった頂点はチェンバの底部を定義する。
さらに、循環手段はチェンバ内の頂点あるいはその近傍
に設けられるのが好ましく、該三角柱の各面は側壁とチ
ェンバの覆い手段とを定義する。
バイオリアクターが細長い横倒し三角柱形容器として
形成されているとき、長手方向における液相の動きは、
該バイオリアクターの一端から液相を取り出し、続いて
他端に送り返すことによって、バイオマス管理作業の一
部として循環の中に導入することができる。こうした動
きはまた、バイオマスの局所的移動がバイオリアクター
の露光方式に大きな悪影響を与えることを抑制すること
ができる。この方式による液相の移動は、バイオマス液
相環境の完全な混合と、化学的、物理的な操作の完全な
伝達とを企図して行われる。
循環手段がチェンバを長手方向に貫き、チェンバの底
部またはその近傍に位置する導管として提供される。こ
の導管は、作動時に導管から出るガスの通過によってチ
ェンバの内容物が循環するように穴あけが施され、さら
にガス源に接続されている。導管から液相へのガスの通
過はまた、液相中へのガスの拡散のための手段を提供
し、液相に給気をおこなう。この好ましい形態におい
て、このガスは殺菌された空気である。おおいに好まし
い形態においては、この穴は導管の底部に施され、ガス
の下向きの通過によって、チェンバにおける粒状物質が
導管の下に滞ることを抑制するのを助ける。
このように、一つの好ましい形態において、本発明は (i)狭い底部、覆い手段によって密閉できる上部、そ
して該底部から該上部に向けて末広がりに配置された複
数の側壁を有して液相でバイオマスを収容するのに少な
くとも適当な実質的に透明なチェンバと、 (ii)前記液相を継続的に混合するための、及び、前記
バイオマスを光にさらすための適当な動因力を生成して
前記チェンバの内容物を循環させるための循環手段とを
備えたバイオマス生産用バイオリアクターであって、前
記循環手段が、前記底部の最下部に、または、その近傍
に位置するとともに前記バイオリアクターを長手方向に
貫いて延びた導管を有し、前記導管の下側に穴があけら
れており、該導管がガス源に接続されることによって運
転時に前記導管からガスが下向きに前記液相内に放出さ
れ、該放出によって、(a)前記チェンバ内において粒
状物質が前記導管の下に滞ることが抑制され、(b)前
記液相の循環が引き起こされ、さらに、(c)前記液相
内にガスが拡散させられることを特徴とするバイオマス
生産用バイオリアクターに存する。
チェンバは、底部、側壁、そして覆い手段を形成す
る、透明な物質でできた別々の部分をつないだものとし
て形成することができる。しかしながら、好ましい形態
では、底部、側壁、そして覆い手段は一体のユニットと
して提供され、そのとき、それらの部分が交差する個所
は丸まったエッジとして形成される。大いに好ましい配
置においては、バイオリアクターは特に大容量の液相を
収容する、細長い三角形構造として設計される。
覆い手段は好ましくは緩やかなアーチで形成され、ほ
ぼ凸型の上部面を備えたものとなる。この形態におい
て、ガスがチェンバから排出されるよう、通気孔が凸型
上部面の中央部近くに好ましくは提供され、配置され
る。通気孔は、フィルタ手段を含む。このフィルタ手段
は粒状物質がチェンバに流入することを抑制する。さら
に、通気孔はまた、バイオリアクターのチェンバ内から
バイオマスを採取する採取ポイントとしての役割を果た
す。
通気孔は直接大気に排気するものであるが、それらは
また、酸素分離排出システムに接続されたマニフォルド
(多岐管)にも接続することができる。こうして、二酸
化炭素の保存と効果的使用を容易にするため、未使用の
二酸化炭素を含む放出ガスを通気孔から採取し、バイオ
リアクターに戻される前にそれに含まれる酸素を洗い落
とすことができる。
バイオリアクターはまた、バイオリアクター内の温度
を制御するための温度制御手段を有することが好まし
い。ある形態では、この温度制御手段は、流体通路、ま
たは、チェンバ内での熱交換媒体の循環のための通路を
形成する一つ以上の熱交換用導管を有するようにする。
さらにチェンバの内容物の循環を調整するために、循
環手段はさらにバッフルを備えることができる。バッフ
ルはチェンバ内に位置し、チェンバの内容物の循環を助
長するように配置される。
特に好ましい形態において、この温度制御手段は、前
記バッフル(もし存在した場合)と一体に形成される
か、またはチェンバ内の温度を調節するとともに水流調
節手段も与えるという二重の役割を実行することができ
るのに適した形態のものであるのがよい。
バイオリアクターはまた、液相のpHを制御するための
pH制御手段を含む。このpH制御手段は液相内に位置する
pHプローブを備えていることがことが好ましい。このpH
プローブはCO2(二酸化炭素)の供給源に取付けられ
る。液相のpHはCO2の供給を制御することにより、また
は他の化学物質を加えることによって調整される。
ある状況において、光のチェンバ内への自然な拡散が
最適に満たないこともあり得る。このような状況では、
チェンバ内で光の拡散を増大させることが利益的である
こともある。この点において、バイオリアクターが光を
反射する基台の上に設置されることが好ましい。この光
反射基台は、外部源からチェンバに供給された光が最大
化されることを保証する。
付加的にあるいは代替的に、バイオリアクターは、バ
イオリアクターにおける光分布を効果的に推進する一つ
以上の送光手段(light conduction means)を備えるこ
とができる。この送光手段はバイオリアクター内または
バイオリアクターの外側に配置することができる。光源
がバイオリアクター内に位置する場合、光源は液相の上
方に位置し、または液相内に水没することができる。光
源がバイオリアクターの外側に位置する場合、光源はバ
イオリアクターのまわりのどこにも位置することができ
る。光源をバイオリアクターの側壁の下に位置させるこ
とが好ましい。本発明における大いに好ましい形態にお
いて、バイオリアクターを光ボックス(light box)内
に懸架或は配置することができる。このとき光源は、容
器の側部に対しほぼ垂直な角度をなすようにする。
本発明における好ましい形態において、バイオリアク
ターはまた一つ以上の外被手段を有する。これは、バイ
オリアクターの外部表面を少なくとも部分的に覆う。そ
れが存在するとき、外被手段は、バイオリアクターを熱
的に絶縁させるための付加的な手段を提供することがで
きる。この分野で知られた手段をバイオリアクターの外
部表面の周りの覆いを支持するのに使用することができ
るが、覆いはチェンバに固定された骨組みまたは格子構
造を介してバイオリアクターの外側に取付けられるのが
好ましい。骨組みまたは格子は木材、金属、あるいはプ
ラスチックのようなもので作られる。
外被手段はチェンバを熱的に絶縁するのに適当な物質
で形成されるが、光がバイオリアクターに入射するのを
許容する透明な物質で作られることが好ましい。外被手
段がバイオリアクターを外部から暖めたり、あるいは冷
やしたりするための手段を提供することができることが
理解されよう。この場合、外被手段は骨組みもしくは格
子構造、またはバイオリアクターの外壁、あるいはバイ
オリアクターの基台、に取り付けられることが好まし
い。この外被手段は、熱交換媒体を保持することが可能
なように、密閉させることが好ましい。たとえば、外被
手段は、バイオリアクターに取り付けることのできる外
枠骨の間を密封する、透明かつ柔軟なポリエチレンの、
またはポリ塩化ビニルのフィルムを備えることができ
る。熱い、または冷たい空気を、一つ以上のポンプ手段
を使って前記外被手段とバイオリアクターの外部表面と
の間を循環させることができる。このポンプ手段は、バ
イオリアクターの内部温度を監視し、チェンバの内側の
温度を一定に保つように循環空気の温度を調節すること
のできる一つ以上の制御手段に接続されることが好まし
い。この制御手段は、また、熱交換器に接続してもよ
い。
前記外被手段のほかに、あるいはこれと代替的に、バ
イオリアクターの外部表面上に、チェンバに入射する光
量を調節することのできる光制御手段が設けられる。こ
の分野で知られているいずれの手段もこの目的のために
使用することができるが、光制御手段は、チェンバに入
射する光量を変化させるために開閉できる一連のブライ
ンドから成ることが好ましい。さらに、前記光制御手段
が一つ以上の光測定手段に接続されることが、より好ま
しい。この手段により測定された光量(amount of ligh
t)が初期設定値を超えたとき、光制御手段は、たとえ
ばある決められた時間の間、光制御手段を閉じ、その
後、光制御手段を再度開ける。
バイオリアクターはまた、液相を収容している、別の
容器と流体を介した交流を行うこともできる。この別の
容器は貯液槽として作用し、当該システムの体積を増大
させる。該容器は光強度と増殖速度(growth condition
s)とが高い間、暗相領域(dark phase area)としての
役割を果たす。あるいは、その代わりに、それによって
バイオマスをバイオリアクターから取り出す沈殿システ
ムとしての役割を果たすことができる。こうした方法で
使用されるとき、バイオリアクターを、沈殿容器への液
相の流量を制御して沈殿容器内のバイオマスの沈殿を増
大させるために既存の技術と組み合わせることができ
る。沈澱物を収集、処理しながらバイオマスを継続的ま
たは断続的に取り出すことが可能である。この処理は、
該システムからバイオマスを取り出し、液相内の細胞密
度を最適に維持するための、収穫システムとしての役割
を果たす。
バイオリアクターはまた、さまざまな気候条件を経験
する、さまざまな場所で使用することができる。容器の
内部環境とそこでバイオマスが経験する状態とは細胞の
成長、生存のために、あるいは、培養における特定の生
化学プロセスの誘発のために、一定かつ最適に保たれる
ことが望ましい。これは、望ましくない生物を取り除
き、かつ、バイオリアクター内の液相の物理化学的環境
を人工的に制御することができる、閉じたシステムとし
てのバイオリアクターを使って達成することができる。
バイオリアクター内の物理化学的環境の制御は標準的
なコンピュータ制御装置と電子工学的センサとを使って
実行することができる。栄養レベル、すなわち栄養素濃
度レベルの維持のための、及び、pHその他の因子の制御
のための化学物質は、自動的かつ直接的にバイオリアク
ター内の液相に加えることができる。コンピュータ制御
装置はまた、バイオリアクター内の熱交換システムを制
御することによって、または、主容器から液体培地を取
り出して、それをたとえば温度の制御された水浴内の簡
単な熱交換器内を通過させることによって、容器内の液
相の温度を制御することもできる。
バイオマスを含む液相を、バイオリアクターから取り
出して、ガス分配システムを内蔵した他の容器へと通
し、そして該バイオリアクターへ戻すことにより、液相
内に溶解した二酸化炭素の濃度を増大させることができ
る。この形態においては、環境に対する損失無しで、又
はバイオリアクター内のバイオマスにストレスを加える
ことなく、二酸化炭素または他のガスを液相内に溶解さ
せるためにバイオマスに泡接触器(entrained bubble c
ontactor)すなわち、ガスを泡として液相中を通して気
液接触を行う装置を経由させ、または、他の手段を経由
させる。
液相の取り出しと通過によっても、液相内の温度を制
御することが可能である。この形態では、液相は、バイ
オリアクターに戻される前に、少なくとも液相の温度を
変化させることができる温度制御手段を内蔵する容器を
通過させられる。
本発明は、単独のバイオリアクターチェンバとして、
または、そのすべてが相互に接続された多重バイオリア
クターチェンバとして存在する。多重チェンバが与えら
れた場合には、一つ以上のチェンバが暗く覆われた状態
で、暗相下の成長と、呼吸とを処理、制御するのを補助
するようにする。この例では、チェンバ間の液相の流量
は、各チェンバの中の細胞密度を監視し、細胞密度の変
化に応じてチェンバ間で(バイオマスを含む)液相をや
り取りすることができるコンピュータ手段によって制御
されることが好ましい。
ここに記述されたタイプのバイオリアクターが、バイ
オリアクター内で一時に一回の培養のバイオマスを成長
させることができるバッチ方式で使用できること、ある
いは、バイオリアクターが、バイオリアクターから培養
されたバイオマスを含む液相を継続的に分離することは
言うに及ばず、基礎栄養素と液相とがバイオリアクター
内に安定的に与えられる継続的生産サイクルで使用でき
ること、は理解されよう。
一回のバッチ運転において、栄養素をバイオリアクタ
ーチェンバ内に加え、それをバイオマスを含む溶液とよ
く混合し、バイオマスが必要な密度に達するまで一定時
間放置する。結果として生じる混合物は処理を行うため
にバイオリアクターから取り出すことができる。栄養密
度と細胞密度とが時間とともに変化するため、こうした
運転形態によって、バイオリアクター内に比較的不安定
な環境状態が発生する。
代替的に、継続期間が光の照射の性質と強度とに依存
する一連の操作の間、栄養素溶液の濃度と液相における
バイオマスの密度と、そしてバイオマスの成長速度と
を、液相に基礎栄養素を加えることによって維持するこ
とができる。バイオマスの成長と増殖のための基礎栄養
素を、バイオマスに消費されるにしたがってバイオリア
クターに加えることが好ましい。
このような栄養素の変化を効率的に監視するには、バ
イオマスのチェンバ内に、栄養レベル(nutrient leve
l)すなわち栄養素の濃度の変化を感知することのでき
る一つ以上の測定手段が存在することが好ましい。液相
内の栄養レベルを監視し、必要なときに栄養素をバイオ
リアクターのチェンバ内に導入することのできるコンピ
ュータ制御手段に該測定手段を接続することが、より好
ましい。
バイオマスが大量に必要な場合は、バイオリアクター
チェンバを、バイオマスが安定的に放出されることは言
うに及ばず、チェンバ内に新たな栄養を安定的に与える
継続的生産サイクルで運転することが好ましい。多重バ
イオリアクターが一連に連結される場合は、最初のバイ
オリアクターに新たな反応物質を安定的に与えることが
できる。反応物質は一つのバイオリアクターから次のバ
イオリアクターへと継続的に流れる。その後、培養され
たバイオマスは、一連のバイオリアクターの最後のもの
から排出される。或は環境においては、一連のバイオリ
アクターのいくつかに、付加的な栄養素または他の化学
物質を導入することが有益である(すなわち、こうした
栄養素または他の化合物が消耗されたバイオリアクター
で)。バイオリアクター内の液相の内容物を完全に混合
することは、各バイオリアクターに出入するバイオマス
に対して一定のバイオマス濃度が維持できることを意味
している。こうして、ある一つのバイオリアクターから
次のバイオリアクターへと、バイオマス濃度が変化す
る。バイオマスが、一連のバイオリアクターを通過する
につれ、バイオマス濃度が増大することが好ましい。
バイオマスを生産するために、連なった複数のバイオ
リアクターを使用する利点は、構築の簡易性を別にすれ
ば、温度とpHとの制御が簡単であるということである。
ある与えられた容器に入った物質は直ちに大容量のバイ
オマスに入り、攪拌によって、温度とpHとの局所変化は
最小となる。
本発明は、以下の添付図面を参照することによって、
より詳細に記述される。
図1は本発明の好ましい実施形態によるバイオリアク
ターを上から見た斜視図である。
図2は図1のバイオリアクターの縦断面図である。
図3は図1のバイオリアクターの略端面図である。矢
印はチェンバ内の液相の流れパタンを示す。
図4は図1のバイオリアクターに似た形の、2つの別
々のバイオリアクターによる平均結果を使って得られ
た、生物体量と時間との関係を示すグラフである。同バ
イオリアクターは各々、1200ミリメートルの三角形幅、
すなわち、一辺の長さと1200ミリメートルの長さとを有
し750リットルの容量を有する。
図5は図1のバイオリアクターに似た形の、2つの別
々のバイオリアクターによる平均結果を使って得られた
生物体量と時間との関係を示すグラフ図である。同バイ
オリアクターは各々、600ミリメートルの三角形幅と300
0ミリメートルの全長とを有し450リットルの容量を有す
る。
図6は図1のバイオリアクターに似た形の、2つの別
々のバイオリアクターを使って得られた生物体量と時間
との関係を示すグラフである。バイオリアクター#1は
350リットルの容量を有する。
図7は図1のバイオリアクターに似た形の、一つのバ
イオリアクターを使って得られた生物体量と時間との関
係を示すグラフである。同バイオリアクターは各々、90
0ミリメートルの三角形幅と10メートルの長さとを有
し、3500リットルの容量を有する。グラフは8回の試験
についての曲線を示す。試験1は1995年9月29日に実施
されたものである。試験2は1995年6月14日に実施され
たものである。試験3は1995年6月29日に実施されたも
のである。試験4は1995年7月14日に実施されたもので
ある。試験5は1995年8月4日に実施されたものであ
る。試験6は1995年9月1日に実施されたものである。
試験7は1995年11月2日に実施されたものである。試験
8は1995年11月17日に実施されたものである。
図1と図3とにおいて、全体的に符号10で示されたバ
イオリアクターは、3つの鉛直支持部材14により支持さ
れたチェンバ(培養室)12を有する。これらの3つの支
持部材の内の2つは前記チェンバの各終端に位置してお
り、第3の支持部材はチェンバ12の中間付近に位置す
る。
チェンバ12は、ほぼ逆三角形の断面を有し、該チェン
バ12の上部を閉じている、やや凸状の覆い手段16を有す
る。チェンバ12はさらに、狭い底部18と、一対の側面20
を備えている。
導管22の形態による循環手段が、チェンバ12内で前記
底部18の近くに位置する。導管22は、該導管を介して前
記チェンバ内に導入されるガスが該導管から実質的に下
方に向かって出るよう、該導管の下側に長さ方向に沿っ
て施された複数の穴24を有する。こうして、導管22の直
下に粒状物質が滞ることを防ぐ。本実施形態における導
管は前記チェンバを通りぬけて延びており、多数のバイ
オリアクターを連結できるように、前記チェンバの両端
から延び出た部分を有する。
一組の導管26の形態を有する温度制御手段が、チェン
バ12の中央付近を、チェンバ12の長さにわたって延びて
いる。導管26は熱交換媒体の外部供給源(図示されてい
ない)に接続されている。こうして、サーモスタットの
使用および熱交換媒体の温度調整によって、前記チェン
バ内の液相の温度を所定の設定にしたがって調節、制御
することができる。
覆い手段16には一対の通気孔28が設けられている。通
気孔28は覆い手段16の凸面の最高部付近にあるように、
覆い手段16の各端部の中央部付近に位置する。運転時に
おいて、前記通気孔28から余分なガスが放出され、該通
気孔から入り込むガスが無視できる程度になるように、
通気孔28内には正の圧力が存在する。こうして通気孔28
から前記チェンバ12内に空気によって汚染物が入りこむ
ことが防止される。
運転時において、図1ないし図3に示されるバイオリ
アクターは、チェンバ12内に液相の特徴的な流れのパタ
ーンを有する。図3に、その流れパターンが明確に示さ
れている。導管22からチェンバ12に流入した空気は底部
18の、より低い部分に向かって進み、それからチェンバ
12内を通過して、覆い手段16の下側にぶつかるまで鉛直
に移動する。覆い手段に接触すると、空気は側壁20に向
かって押し進められる。余分な空気は通気孔28を介して
チェンバ12から放出される。空気の移動と、空気が液相
と相互作用することと、チェンバ12の内部壁とによっ
て、液相は図3に示された矢印に沿って循環する。液相
内には、バイオマスを含んだ液相がチェンバ12の中心領
域を上向き鉛直方向に向い、覆い手段16の直下でチェン
バ上部を横切り、側壁20に沿ってチェンバを下向きに導
管22まで循環する流れが生み出される。そして、このサ
イクルは繰り返される。
さらに、チェンバ12内の液相の移動はまた、チェンバ
12の側壁20と覆い手段16とを透明に保つ役割も果たす。
液相が流れ、チェンバの側壁が傾いていることによって
バイオマスが該側壁上に滞ることが抑制され、そして、
液相が、向きの定められた運動を行うので、チェンバの
壁に藻類のような、或るタイプのバイオマスが付着する
傾向が小さくされる。
液相の流れとチェンバ12の形状とによって、チェンバ
12の覆い手段16が液相と接触するようになるという結果
も生まれる。このことによって、覆い手段16に接しての
凝縮(condensation)が抑えられる。バイオマスが光合
成独立栄養生物を含んでいるときは、覆い手段16は主な
光合成面を代表することになり、覆い手段16に接しての
凝縮は、光合成のために有効な放射(radiation)の損
失の原因となり得る。
この循環パタンが、チェンバ内のバイオマスを覆い手
段16と側壁16とに規則的に接近するように配置し、チェ
ンバに入射する光にバイオマスをさらすのである。従っ
て、チェンバ内のバイオマスの細胞密度が比較的低い間
は、チェンバへの光の浸透度が比較的高いのである。バ
イオマスの細胞密度が増加するにしたがって、チェンバ
内への光の浸透度が明らかに減少する。
光の取り込みの効率を最大化するには、バイオリアク
ターを南北方向に配置するとよい。このとき、太陽エネ
ルギー取り込み技術の指針にしたがって、設置場所の緯
度に関し適当な補正を行う。この基本的な南北配置にお
いて、複数のバイオリアクターを平行に、そして、容器
の三角形幅の二倍に相当する距離をおいて設置する。こ
のように配置することによって、バイオリアクターによ
る光の取り入れの最大効率と、土地使用とが容易にな
る。このことは、隣のタンクによる日影効果がなく、12
時間の日中内の8時間、直接日光に当たるという最大効
率を基本とする。
このバイオリアクターは、設置現場で洗浄、殺菌され
るよう設計することができる。食品製造に適した物質を
使用するための、そしてまた容器およびすべての関連設
備の効率的な洗浄および殺菌を容易にするための食物産
業における既存の処方がこのバイオリアクターの構築に
反映される。
前記チェンバ内へのすべての投入物が殺菌されること
が好ましい。空気は、バイオリアクターへの供給点で、
0.2マイクロメートルまでのフィルタにかけられ、ま
た、紫外線によっても処理される。チェンバに加えられ
る水および栄養媒体は、0.2ないし1.0マイクロメートル
までのフィルタにかけ、また、紫外線放射によっても処
理するのがよい。
容器に対する種菌は衛生的な状態の下で成長させ、衛
生的な状態の下でバイオリアクターに加えることが好ま
しい。
チェンバ内において、液体培地(culture)の密度
は、バッチ収穫システムを容易にするように、継続的ま
たは半継続的な収穫方式その他に対する液体培地密度
(culture density)を維持するよう操作することがで
きる。収穫のシステムおよび方式の選択は、少なくと
も、生産システム、使用されるバイオマス、収穫物の最
終用途の性質に依存している。
断面領域の寸法よりも実質的に長い、細長い三角形形
バイオリアクターについて試験を行った。バイオマスの
成長速度はバイオリアクターの長さには比較的影響され
ないことが発見された。むしろ断面の三角形幅が、成長
速度を予想するには最も重要である。こうして、バイオ
マスの成長速度に本質的な変化を与えることなく、本発
明を非常に大きな容量にまで拡張することができる。
図4は、辺の長さがいずれも1200ミリメートル(mm)
である三角形断面を有する。容量750リットルのバイオ
リアクターにおいて、時間について追った生物体量の増
加を示している。この750リットル容量のバイオリアク
ターによって、自然日光の条件下で、7日間にリットル
当たり1000ミリグラム(mg)の生物体量が産出された。
図5は、辺の長さが600ミリメートル(mm)である三
角形断面と3メートル(m)の長さを有する、容量450
リットルのバイオリアクターにおいて、時間について追
った生物体量の増加を示している。この450リットル容
量のバイオリアクターによって、自然日光の条件下で、
4日間にリットル当たり1200ミリグラム(mg)の生物体
量が産出された。
図6は、辺の長さが900ミリメートル(mm)である三
角形断面と1メートル(m)の長さを有する、容量350
リットルのバイオリアクターにおいて、時間について追
った生物体量の増加を示している。この350リットル容
量のバイオリアクターによって、自然日光の条件下で、
約6日間にリットル当たりほぼ1000ないし1200ミリグラ
ム(mg)の生物体量が産出された。
図7は、辺の長さが900ミリメートル(mm)である三
角形切断面と10メートル(m)の長さを有する、容量35
00リットルのバイオリアクターにおいて、時間について
追った生物体量の増加を示している。この3500リットル
容量のバイオリアクターによって、自然日光の条件下
で、約14ないし15日間にリットル当たりほぼ1100ミリグ
ラム(mg)のバイオマスが産出された。この容易につい
て、(4カ月にわたる)冬季において、平均63ミリグラ
ム/リットル/日が産出される。夏季においては、平均
120ミリグラム/リットル/日が産出された。これは冬
の4カ月間に対する19.85ミリグラム/日或は11.95トン
/ヘクタール(ここで、ヘクタールは、バイオリアクタ
ーが設置される場所の面積を示す)に等しく、夏の8カ
月間に対する37.8ミリグラム/日或は45.53トン/ヘク
タールに等しい。これらの計算は、三角形幅の長さが90
0ミリメートル(mm)であり、かつ、350リットル/メー
トルの容積を有する、上述したような容器配置を持つ三
角形形タンクに対してなされている。容器は、いくつも
平行に列をなして、底の頂点同士が1800ミリメートル離
れているように配列されている。この配列によって理論
的な全体積はヘクタール当たり1925立方メートルとな
る。
本発明が、特にコンピュータを使用した自動制御に適
していることが理解されよう。さらに、図1ないし図3
に示されたようなバイオリアクターを連結して、バイオ
マスの大量生産のための継続的生産サイクルを作りだす
ことが可能である。
上述したことから、当業者にとって、さらなるバリエ
ーションが存在することは明らかであり、こうしたバリ
エーションは、ここに開示された本発明の範囲内にある
とみなされる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−91182(JP,A) 特開 平5−137563(JP,A) 米国特許5320963(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12M 1/00 - 3/00 A01H 4/00

Claims (28)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】底部、上部、及び、該底部と該上部との間
    にあって、該底部から該上部に向けて末広がりに配置さ
    れた複数の側壁を有して液相でバイオマスを収容するの
    に少なくとも適当な実質的に透明なチェンバと、 ほぼすべての前記バイオマスを継続的に混合するため
    の、及び、少なくとも半継続的に前記バイオマスを光源
    にさらすための適当な動因力を前記液相の中で生成して
    前記チェンバの内容物を循環させるための循環手段と を備えたことを特徴とするバイオマス生産用バイオリア
    クター。
  2. 【請求項2】前記チェンバ内における循環速度が、前記
    バイオリアクター内のバイオマスが滞る循環速度より
    も、少なくともやや大きいことを特徴とする請求項1に
    記載のバイオマス生産用バイオリアクター。
  3. 【請求項3】前記バイオリアクターが、光を反射する基
    台表面の上方に配置されたことを特徴とする請求項1に
    記載のバイオマス生産用バイオリアクター。
  4. 【請求項4】前記循環手段が、前記バイオリアクター内
    で、前記底部または該底部の近くに配置されたことを特
    徴とする請求項1に記載のバイオマス生産用バイオリア
    クター。
  5. 【請求項5】前記循環手段が、前記バイオリアクター内
    で前記底部に近接して配置されていることにより、前記
    バイオマスと前記液相との、前記バイオリアクターの前
    記底部から最高部への上向き移動を生じさせて、その結
    果、前記バイオマスが容器の上面に突き当たって前記液
    相内のほとんどのバイオマスが短時間、光にさらされ、
    その後、前記バイオリアクターの前記側壁に向かって外
    向きに移動し、次に、前記底部に向かって該側壁を下向
    きに移動し、該底部で再び前記循環手段に捕えられ、前
    記バイオリアクターの前記最高部に向かって上向きに移
    動させられることを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れかに記載のバイオマス生産用バイオリアクター。
  6. 【請求項6】前記循環手段が、前記チェンバの前記底部
    または該底部の近くに位置し、かつ、前記チェンバを長
    手方向に貫いて延びた導管であって、 前記導管に穴をあけられ、さらにガス源に接続されてガ
    スが運転時に該穴から前記チェンバ内に放出されること
    により前記チェンバの内容物が循環させられることを特
    徴とする請求項1に記載のバイオマス生産用バイオリア
    クター。
  7. 【請求項7】狭い底部、覆い手段によって密閉できる上
    部、そして該底部から該上部に向けて末広がりに配置さ
    れた複数の側壁を有して液相でバイオマスを収容するの
    に少なくとも適当な実質的に透明なチェンバと、 前記液相を継続的に混合するための、及び、前記バイオ
    マスを光にさらすための適当な動因力を生成して前記チ
    ェンバの内容物を循環させるための循環手段とを備えた
    バイオマス生産用バイオリアクターであって、 前記循環手段が、前記底部の最下部に、または、その近
    傍に位置するとともに前記バイオリアクターを長手方向
    に貫いて延びた導管を有し、 前記導管の下側に穴があけられており、該導管がガス源
    に接続されることによって運転時に前記導管からガスが
    下向きに前記液相内に放出され、該放出によって、前記
    チェンバ内において粒状物質が前記導管の下に滞ること
    が抑制され、前記液相の循環が引き起こされ、さらに、
    前記液相内にガスが拡散させられることを特徴とするバ
    イオマス生産用バイオリアクター。
  8. 【請求項8】前記バイオリアクターの前記チェンバが、
    細長い横倒し三角柱形容器であって、該容易が逆三角形
    の断面を有して大容量の前記液相を収容することができ
    ることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載
    のバイオマス生産用バイオリアクター。
  9. 【請求項9】前記覆い手段が、ほぼ凸状の上面を有する
    ややアーチ状のものであって、前記ほぼ凸状の上面の中
    央近くに配置されて前記チェンバからガスを排出させる
    一つ以上の通気孔を備えたことを特徴とする請求項7に
    記載のバイオマス生産用バイオリアクター。
  10. 【請求項10】前記通気孔が、粒状物質が前記チェンバ
    内に流入することを抑制し得るフィルタ手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項9に記載のバイオマス生産用バイ
    オリアクター。
  11. 【請求項11】前記バイオリアクターが、前記液相の温
    度を制御する温度制御手段を備えたことを特徴とする請
    求項1ないし10のいずれかに記載のバイオマス生産用バ
    イオリアクター。
  12. 【請求項12】前記チェンバの内容物の循環をさらに高
    めることができるように配置された少なくとも一つのバ
    ッフルを前記バイオリアクターが有することを特徴とす
    る請求項1ないし11のいずれかに記載のバイオマス生産
    用バイオリアクター。
  13. 【請求項13】前記バイオリアクターが、前記液相のpH
    を制御するためのpH制御手段を備えたことを特徴とする
    請求項1ないし12のいずれかに記載のバイオマス生産用
    バイオリアクター。
  14. 【請求項14】前記バイオリアクターが、前記チェンバ
    内における光の効率的な分布を助長するための一つ以上
    の送光手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし13
    のいずれかに記載のバイオマス生産用バイオリアクタ
    ー。
  15. 【請求項15】前記バイオリアクターが、栄養レベルに
    おける変化を検出することができる一つ以上の測定手段
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか
    に記載のバイオマス生産用バイオリアクター。
  16. 【請求項16】前記液相内の栄養レベルを監視すること
    ができ、必要な場合に前記バイオリアクターの前記チェ
    ンバ内に栄養素を導入することができるコンピュータ制
    御手段に前記測定手段が接続されていることを特徴とす
    る請求項15に記載のバイオマス生産用バイオリアクタ
    ー。
  17. 【請求項17】少なくとも部分的に前記バイオリアクタ
    ーの外部表面を覆うことのできる、一つ以上の外被手段
    を前記バイオリアクターが備えたことを特徴とする請求
    項1ないし16のいずれかに記載のバイオマス生産用バイ
    オリアクター。
  18. 【請求項18】前記液相が、前記バイオリアクターに戻
    される前に通る単独の容器に、前記バイオリアクターが
    流体によって通じていることを特徴とする請求項1ない
    し17のいずれかに記載のバイオマス生産用バイオリアク
    ター。
  19. 【請求項19】前記単独の容器が、当該システムの体積
    を増加させる貯液槽であることを特徴とする請求項18に
    記載のバイオリアクター生産用バイオリアクター。
  20. 【請求項20】前記単独の容器が、光の強度と増殖速度
    とが高い期間に使用される暗相領域であることを特徴と
    する請求項18または19に記載のバイオマス生産用バイオ
    リアクター。
  21. 【請求項21】前記単独の容器が、前記液相からバイオ
    マスを取り出すための沈殿システムであることを特徴と
    する請求項18に記載のバイオマス生産用バイオリアクタ
    ー。
  22. 【請求項22】栄養素或は化学物質を導入することと、
    或は、前記液相内の光または温度の状態を修正すること
    とを、一つ以上の、これらの状態の変化に応答して行う
    一つ以上のコンピュータ手段を使うことによって、前記
    バイオリアクターの内部環境が、バイオマスの成長と生
    存とのために、または、前記バイオマス内での特定の生
    化学プロセスの誘発のために、一定かつ最適に保たれる
    ことを特徴とする請求項1ないし21のいずれかに記載の
    バイオマス生産用バイオリアクター。
  23. 【請求項23】泡接触器、または、二酸化炭素もしくは
    他のガスを前記液相が前記バイオリアクターに戻される
    前に前記液相内に溶解させる他の手段を内蔵した単独の
    容器を介して、前記液相が送られることを特徴とする請
    求項1ないし22のいずれかに記載のバイオマス生産用バ
    イオリアクター。
  24. 【請求項24】前記液相の温度を前記液相が前記バイオ
    リアクターに戻される前に変化させることのできる温度
    制御手段を内蔵した容器を介しても前記液相が送られる
    ことを特徴とする請求項23に記載のバイオマス生産用バ
    イオリアクター。
  25. 【請求項25】そのすべてが互いに、又は一連に接続さ
    れた複数のチェンバを前記バイオリアクターが有するこ
    とを特徴とする請求項1ないし24のいずれかに記載のバ
    イオマス生産用バイオリアクター。
  26. 【請求項26】一つ以上の前記チェンバが、前記バイオ
    マスの増殖を助けるために暗く覆われていることを特徴
    とする請求項25に記載のバイオマス生産用バイオリアク
    ター。
  27. 【請求項27】前記各チェンバ内の前記バイオマスの密
    度を監視することができ、かつ、前記各チェンバ内の該
    密度の変化に応じて前記チェンバ間で液相を移動させる
    ことができるコンピュータ制御手段によって、前記チェ
    ンバ間の前記液相の流れが制御されることを特徴とする
    請求項25または26に記載のバイオマス生産用バイオリア
    クター。
  28. 【請求項28】前記バイオリアクター内に基本的栄養源
    と液相とを安定的に供給し、かつ、前記バイオリアクタ
    ーから、培養又は栽培されたバイオマスを含む液相を継
    続的に取り出す継続的生産サイクルにおいて前記バイオ
    マスを成長させることを特徴とする、請求項1に記載の
    前記バイオリアクターの中でバイオマスを培養又は栽培
    する工程を有する、バイオマス生産方法。
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