JPH10150974A - 光合成微生物培養装置及び培養方法 - Google Patents

光合成微生物培養装置及び培養方法

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JPH10150974A
JPH10150974A JP8312400A JP31240096A JPH10150974A JP H10150974 A JPH10150974 A JP H10150974A JP 8312400 A JP8312400 A JP 8312400A JP 31240096 A JP31240096 A JP 31240096A JP H10150974 A JPH10150974 A JP H10150974A
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Kyo Ko
強 胡
Norihide Kurano
憲秀 藏野
Richmond Amos
リッチモンド アモス
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KAIYO BIO TECHNOL KENKYUSHO KK
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KAIYO BIO TECH LAB
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    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M31/00Means for providing, directing, scattering or concentrating light
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    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光利用効率の向上と高密度培養の達成によっ
て、光合成微生物の産業的利用を可能とする光合成微生
物培養装置及び培養方法を提供する。 【解決手段】 両側面が透明プラスチックあるいは透明
ガラスなどの光透過性透明材料で作られ、両側面に配置
した光供給手段から光を供給するようにした光合成微生
物培養装置において、培養槽の厚みをほぼ2cm以下と
する。厚みを2cm以下としたことにより、光量の増加
では説明できない、予期せぬ生産性の増大がもたらされ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光合成微生物の培養
装置および培養方法に関し、さらに詳細には薄型の装置
を用いることによって高効率の培養を可能とした光合成
微生物の培養装置および培養方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光独立栄養的に増殖する微生物(例え
ば、緑藻やラン藻などの微細藻類、光合成細菌)は、光
のエネルギーを利用して二酸化炭素と水から有機物を合
成して生命を営んでいる。従って、高効率に光合成微生
物を培養するためには如何に効率よく光を供給するかが
重要なポイントとなる。この点に関して、これまでに側
面発光型光ファイバを利用した培養装置、従来からある
細菌培養用のジャーファーメンタに周囲から光を当てた
培養装置、蛍光灯をガラス管で保護して槽内に設置した
培養装置、チューブ型培養装置など種々の形状、様式の
培養装置が提案されている(藤田一紀「バイオリアクタ
ーにおける人工光の利用とその実際」、ハリオ研究所
「バイオリアクターの世界−実践者のためのその基礎と
応用−」1992年発行)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来提案され
ているいずれの培養装置も、材料のコストが高い、発光
材料の光強度に上限がある、装置が複雑化する、スケー
ルアップが難しい等の問題を抱えている。また、収率も
必ずしも満足するものには至っていない。本発明は、従
来の光合成微生物培養装置の上記のような不都合を解消
すると共に、光エネルギーの利用効率の向上と増殖速度
を改善して従来の方法では達し得なかった高細胞濃度を
簡便に達成することのできる光合成微生物培養装置及び
培養方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題に関して鋭意実験と研究を重ねた結果、これまでに提
案された箱型の光合成微生物培養装置において、その培
養槽の厚みを極端に薄く(ほぼ2cm以下)することに
より、単に光量の増加のみでは説明できない、予期せざ
る高い生産性が達成されることを知覚し、本発明をなす
に至った。
【0005】すなわち、本発明の光合成微生物培養装置
は、少なくとも両側面が透明プラスチックあるいは透明
ガラスで作られかつ該両側面間の距離が2cm以下であ
る透明培養槽とその側面に光を供給するようにされた光
供給手段とを有することを特徴とする。
【0006】好ましくは、この培養槽は、光源からの熱
の影響を抑制するために温度調節用の透明恒温水槽の中
に設置されるか、あるいは培養槽の回りに恒温水循環用
の透明なジャケットを設ける。また、光源として蛍光灯
または白熱電球またはキセノンランプなどの人工光源を
用い、培養槽の片面あるいは両側面からなるべく均一に
光を照射するようにしてもよく、あるいは自然の太陽光
を利用して微細藻類などに効率よく光合成を行わせるよ
うにしてもよい。光源と培養槽の距離を調節可能とする
ことも好ましい態様であり、それによって、培養槽内部
の光強度の調節が可能となり光利用効率を向上させるこ
とができる。
【0007】培養液の攪拌のために、また、完全混合条
件を達成するために、培養槽底部にチューブ状通気装置
を設置することは特に好ましい態様であり、該通気装置
から、好ましくは、1分間に1リッターの培養液あたり
1リッター以上の空気あるいは人為的に二酸化炭素を数
%付加した空気を通気し、培養液中を上昇する泡によっ
て培養液を攪拌することことによって、一層高密度の培
養が可能となる。
【0008】また、種々の光合成微生物によって異なる
最適のpH条件を維持するために、培養槽の一部にpH
電極挿入用の膨らみを持たせ、挿入したpH電極によっ
てpHを連続測定し、pH制御を行うことは望ましい態
様である。さらに、少し斜めに傾いた邪魔板の槽内への
設置も好ました態様であり、このような邪魔板を設置す
ることにより、両側面間の距離が2cm以下である薄型
の培養槽の構造強度の向上、培養液の攪拌効率の向上、
pH制御の際の応答速度の向上と言う3つの目的を達成
することが可能となる。
【0009】本発明による光合成微生物培養装置及びそ
れを用いた培養方法は、装置の設置スペースの有効利用
や光合成微生物細胞収穫時の容易さを考慮すると高密度
培養が適しているが、連続的あるいは半連続的に固液分
離と細胞の培養槽への還流と新鮮培地供給を併行するこ
とにより常に必要な栄養素の補給と不要物の除去を行う
培養方法を取ることにより、従来には予期できなかった
高密度での培養が可能なる。
【0010】本発明の装置を用いて培養する光合成微生
物としては、光合成細菌、単細胞の微細藻類、糸状の微
細藻類、単細胞ラン藻、糸状のラン藻などが対象として
挙げられる。また、これらの培養に用いる培地としては
これまでに微細藻類用に利用されてきたあるゆる培地が
使用可能である。具体例としては、BG−11、MC、
ESM、PES、SOT、MDM、MBM等である。ま
た、培地に二酸化炭素以外の炭素源を添加した光従属的
な培養も可能である。
【0011】培養装置の材質としては、アクリル、ガラ
ス、ポリカーボネートなど透明性が高く、細胞毒性の無
いものならばいずれも可能であるが、屋外の使用を前提
とする場合は、材料表面に紫外線吸収フィルムを適用す
ることは有効である。装置の大きさは、培養槽内法の厚
さが2cm以下であることが必要であるが、それ以外は
培養に必要な容量に基づいて自由に高さと幅を設計でき
る。
【0012】また、培養槽内の温度を均一に制御できる
のであれば、温度調節用の透明水槽のサイズも特に制限
しない。前記のように光源も特に制限はなく、光強度も
特に制限はない。通気量は、充分な攪拌効果を維持する
ために少なくとも1分間に1リッターの培養液あたり1
リッター以上が望ましい。通気するガスは、空気に数%
程度の二酸化炭素を添加した混合ガスが望ましい。気泡
発生装置としては、ガラス製スパージャ等は不必要で、
ステンレス製の内径5mm程度のチューブに1cmおき
に1mm程度の穴を開けたもので充分に目的は達成でき
る。培養槽の上部は特に蓋をせず開放しておくことも出
来るが、無菌的な培養を行う場合には蓋をして密封し、
5−10%の過酸化水素を装置内に導入して滅菌するこ
とも可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明による光合成微生物
培養装置の好ましい実施の形態について図面を参照して
説明する。図1は、本発明による光合成微生物培養装置
の一例を示す分解斜視図であり、図において、1は培養
槽本体、2は培養槽本体の温度を調節するための恒温水
循環用透明ジャケットである。培養槽本体1は全体とし
て薄い箱型状であり、両側面11、11は透明プラスチ
ックあるいは透明ガラスなどの光透過可能な透明材料で
作られている。そして、その対向する両側面11、11
の内面間の距離(すなわち、培養槽の厚さ)は2cm以
下とされている。培養槽本体1の一側部はやや幅広くさ
れた膨出部12となっており、この膨出部を含めた培養
槽本体1の上方は開放されている。
【0014】この実施形態において、培養槽本体1の下
半分はジャケット2に収容されており、該ジャケット2
には図示しない恒温水槽からの恒温水が、ジャケット2
の底部近傍に設けた流入口21からジャケット2内に導
入され、上方に設けた流出口22から引き抜かれて、循
環するようにされている。培養槽本体1の底部近傍には
通気用チューブ3が設けてあり、該通気用チューブ3は
培養槽本体1の底部に配置されている気泡発生用チュー
ブ31(図2参照)に接続している。通気用チューブ3
は図示しない送気ポンプに接続しており、送気ポンプを
介して空気あるいは空気+二酸化炭素混合ガスが供給さ
れ、培養槽本体1内で気泡発生用チューブ31から気泡
として培養液に放出される。
【0015】培養槽本体1の上方開放口13は、密閉用
シリコンゴムシール4及び蓋5により密封的に閉鎖され
る。蓋5及び密閉用シリコンゴムシール4の培養槽本体
1の膨出部12に相当する部分には、図示しない温度セ
ンサー、pHセンサー等の取付けや、酸アルカリ添加の
ための開口6が形成されており、また、培養槽本体1に
相当する部分には空気抜き及びサンプリング用の開口8
が形成されている。蓋5及び密閉用シリコンゴムシール
4は適宜の締め具7により締め付けられ、密閉を確実に
している。なお、開放状態での培養を行う場合には、密
閉用シリコンゴムシール4、蓋5、締め具7などは用い
られない。
【0016】培養槽本体1の少なくとも側面位置には培
養槽内の培養液に光を供給するための光供給手段が配置
される。図1の例では、培養槽本体1の両側面11、1
1に近接した多数の蛍光灯群30が光供給手段とし配置
されている。前記したように、光源は蛍光灯に限らず、
白熱電球、キセノンランプなどの人工光源を任意に用い
ることができ、また、自然の太陽光を利用してもよい。
図示しないが、適宜の移動手段を用いて光源と培養槽の
距離を調節可能とすることにより、多くの培養態様に適
した光合成条件を作りだすことが可能となる。
【0017】図2は図1に示した培養槽の側面図であ
り、少し傾斜した湾曲邪魔板14が槽内に設置されてい
る。湾曲邪魔板14は好ましくは槽底面から幾分浮き上
がった状態とされており、両側面11、11の間に適宜
の固定手段により固定的に配置される。この邪魔板は、
培養槽の強度向上と、槽内の培養液の横方向への攪拌効
率を上げpH及び温度制御の応答時間短縮を図る目的で
設けられるものであり、実験的に、最適な傾斜角度、枚
数などが設定される。なお、図2で矢印は、図示の形態
に湾曲邪魔板14を配置し、ガス通気用チューブ3から
気泡発生用チューブ31を通して培養槽内に空気を送っ
た場合の培養液の流れの地位例を側面からスケッチした
ものである。なお、図2では、蓋5に形成した開口6に
は温度センサーS1、pHセンサーS2が取り付けられ
ている。
【0018】なお、図1、2に示したのは本発明による
光合成微生物培養装置の一例にすぎず、多くの変形があ
り得る。例えば、気泡発生用チューブ31は装置の底部
に一本しか示していないが、高さを変えて複数設置する
ようにしてもよい。また、通気用チューブ3を前記蓋5
の膨出部分に設けた開口6を通して挿入するようにして
もよい。邪魔板の形状も図2に示したように湾曲してい
ることは必須でなく、直線状のものであってもよい。ま
た、培養槽本体1の厚さが2cm以下という制限を除け
ば、培養槽の形状、縦横の比も特に制限はない。
【0019】図3は、光合成微生物培養装置さらに他の
実施形態であり、この例では、光源としての蛍光灯群3
0と培養槽とを交互に並置している。図において、41
は二酸化炭素ボンベ、42は空気通気用コンプレッサー
であり、二酸化炭素と空気とはガス混合器43により所
望の混合比とされ、ガス通気用チューブ3を介して培養
槽内に送り込まれる。また、図において、44は培養液
回収用管路であり、該管路44を通して培養液を回収す
ることができる。このように、複数の培養槽を並列的に
配置することにより、容易に培養規模の拡大を図ること
ができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (実施例1)本発明の培養装置を用いて、海産緑藻Chlo
rococcum littorale を培養した例を図4に示す。岩手
県釜石湾より採取した海水と水道水を1対1で混合した
1/2濃度の海水1リッターに対して以下の栄養塩類を
添加したものを培養液として用いた。
【0021】 KNO3 2.5 g MgSO4 ・7H2O 1.25 g KH2PO4 1.25 g FeSO4 ・7H2O 2.2 mg H3BO3 0.72 mg MnSO4 ・7H2O 0.63 mg ZnSO4 ・7H2O 0.056 mg CuSO4 ・5H2O 0.020 mg NaMoO4 0.0053mg
【0022】この組成は、MC培地の硝酸塩の濃度のみ
2倍にしたものである。この培地へ当該の微細藻を植え
付け、2〜3%の二酸化炭素を含んだ空気を、71/m
inで、通気し攪拌した。温度は25℃に保ち、pHは
制御しなかった。乾燥重量は、適量の培養液を吸引ろ過
してグラスファイバー製フィルター(Whatman, GF/C)上
に細胞を集め、さらに3%のギ酸アンモニウムで洗浄し
た後、フィルターを105℃で乾燥し、恒量に達した後
に秤量して求めた。両側から24時間白色蛍光灯を連続
照射し、平均光強度を1500μmol/m2 /sにし
た場合、1cm厚の培養槽で8.1gdycell/l
/dの直線期増殖速度が得られた。この値は、これまで
に、報告されている光独立栄養で培養された微細藻類の
増殖速度の少なくとも2倍以上である。
【0023】培養槽の厚みのみを2cmと4cmに変
え、他は同じ条件で培養を行った。その結果、図4に示
す増殖曲線を得た。培養槽の厚さが4倍(4cm)にな
ったときに直線期増殖速度が1/8になった。このこと
は、反応槽の厚さが小さければ小さいほど効率よく微細
藻類を培養できることを示唆している。
【0024】すなわち、培養槽の厚みを4cm、2c
m、1cmと薄くしていくと、図4に示すように、生産
性(直線期増殖速度)が、1、4、8g/l/dと上昇
している。培養液量は、4cm厚の場合を1とすると、
2cmでは1/2、1cmでは/1/4となる。光を受
ける面積は一定であり、受光面接/液量は4cmの場合
を1とすると、2、4となる。つまり、培養液の体積当
たりに受ける光の量は2、4倍となる。従来の考えに従
えば、生産性は受光量に比例するものであり、従って、
生産性も2、4倍になると予測されたが、実際には、
4、8倍となっており、これは予期できない結果であっ
た。
【0025】4→2cmでは、液量当たりの光エネルギ
ーが2倍になっているだけなのに、生産性は4倍となっ
ているのに対して、2→1cmでは、予想通り生産性は
2倍となっている。つまり、4→2cmでの培養槽の厚
さ減少の場合、単に厚さを減らしただけでは説明できな
い質的変化が起こっているといえ、本発明における、培
養槽の両側面間の距離がほぼ2cm以下であることは、
有意なものであることが立証されている。なお、1cm
の培養槽で20時間目以降、増殖曲線の傾きが減少して
いるのは栄養塩(特に窒素源)の枯渇によるものと考え
られる。
【0026】(実施例2)本装置を用いることによっ
て、従来法では達成できなかったほど高密度まで海産緑
Chlorococcum littorale を培養した例を図5に示
す。適当な時間間隔で細胞を遠心分離によって収穫し新
鮮な培地に移して再び本装置で培養するという培地交換
を行った結果、最大細胞濃度は84gdrycell/
lに達した。
【0027】図中の矢印は培地交換を行った時点を示
す。この時光強度は2300μmol/m2 /sで、1
cm厚の培養槽を用いている。培地は、実施例1の培地
の硝酸塩の濃度をさらに2倍(5g/l)にしたものを
用いた。クロレラ等を用いた従属栄養的培養(すなわち
培地中に二酸化炭素以外の炭素源を添加した培養)で5
0〜60gdrycell/lと言う値が従来報告され
ているが、本発明の培養装置を用いることにより、また
本発明の培養方法を用いることにより、さらに高濃度ま
で微細藻類を培養することが可能となった。
【0028】
【発明の効果】本発明は、光合成微生物の新規な培養装
置と方法を提供するものである。光独立栄養微生物の培
養は従属栄養微生物にコストと速度の面で劣ると考えら
れていたが、本発明の結果得られた光利用効率の向上と
高密度培養の達成によって、光合成微生物の産業的利用
という新たな局面を開拓することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光合成微生物培養装置の一実施形
態を示す分解斜視図。
【図2】図1に示す装置の側面図。培養液の流れも示さ
れる。
【図3】本培養装置と光供給装置を並列に並べて培養規
模を拡大した状態を説明する斜視図。
【図4】本培養装置を用いて海産緑藻Chlorococcum lit
torale を培養した結果を示すグラフ。
【図5】本培養装置を用いて、培地交換を繰り返して海
産緑藻Chlorococcum littoraleを高密度培養した結果を
示すグラフ。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも両側面が透明プラスチックあ
    るいは透明ガラスなどの光透過性透明材料で作られかつ
    該両側面間の距離がほぼ2cm以下である培養槽とその
    側面に光を供給するようにされた光供給手段とを有する
    ことを特徴とする光合成微生物培養装置。
  2. 【請求項2】 前記透明培養槽を少なくとも部分的に収
    容する恒温水槽をさらに有することを特徴とする請求項
    1に記載の光合成微生物培養装置。
  3. 【請求項3】 光供給手段は、蛍光灯、白熱電球、キセ
    ノンランプなどの人工光源を光源として用いるものであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の光合成微生物培養
    装置。
  4. 【請求項4】 前記光源と培養槽の距離が調節可能とさ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の光合成微生
    物培養装置。
  5. 【請求項5】 前記培養槽は通気装置をさらに有し、そ
    こから1分間に1リッターの培養液あたり1リッター以
    上の空気あるいは人為的に二酸化炭素を数%付加した空
    気を通気して、培養液中を上昇する泡によって培養液を
    攪拌可能とされていることを特徴とする請求項1に記載
    の光合成微生物培養装置。
  6. 【請求項6】 培養槽の一部にpH電極挿入用の膨出部
    をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の光合
    成微生物培養装置。
  7. 【請求項7】 前記培養槽は培養槽の構造強度向上と培
    養液の攪拌効率向上を目的とした斜めに傾いた邪魔板を
    槽内に有することを特徴とする請求項1に記載の光合成
    微生物培養装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7いずれかに記載した光
    合成微生物培養装置を利用して光合成微生物を培養する
    方法であって、連続的あるいは半連続的に固液分離と、
    細胞の培養槽への還流と、新鮮培地の補給を行うことに
    よって常に必要な栄養の補給を行いかつ不要物の除去を
    行うことを特徴とした光合成微生物の培養方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし7いずれかに記載した光
    合成微生物培養装置を利用して光合成微生物を培養する
    方法であって、空気中の二酸化炭素あるいは補助的に付
    加した二酸化炭素を唯一の炭素とする光独立栄養的な培
    養に加え、他の有機・無機の炭素源を添加した光独立栄
    養と従属栄養の混合型の光従属栄養的な培養を行うこと
    を特徴とする光合成微生物の培養方法。
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