JP3264071B2 - 耐ノイズ性容量結合座標検出装置及び方法 - Google Patents

耐ノイズ性容量結合座標検出装置及び方法

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JP3264071B2
JP3264071B2 JP35208193A JP35208193A JP3264071B2 JP 3264071 B2 JP3264071 B2 JP 3264071B2 JP 35208193 A JP35208193 A JP 35208193A JP 35208193 A JP35208193 A JP 35208193A JP 3264071 B2 JP3264071 B2 JP 3264071B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明はタブレット上に当接さ
れたケーブル無しの信号ペンの、タブレット上への当接
位置情報を出力する座標検出装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来の、装置本体とのケーブル無しの
座標指示ペンを使用するタブレット座標検出装置として
は、電磁誘導結合方式による共振ペンに信号を送受する
ものと、静電容量結合方式での疑似グランド(疑似接
地)を信号のリターン経路とする不平衡信号伝達方式に
よるものとが知られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 上述した従来の電磁
誘導結合方式による共振ペンを使用するものはタブレッ
ト上に指輪のような金属リングが近づくと誤動作し、ま
たTFTカラー液晶表示パネルとタブレット盤を重ね使
用してもやはり誤動作していた。一方の静電容量結合方
式のものでも、不平衡信号伝達であることから操作する
人体により信号のリターン経路の安定性に大きなバラツ
キがあり、また外来ノイズをまともに受入れてしまい、
信号の不安定性に起因する位置検出精度の低下が多かっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明は上述した従来
の問題点に鑑みなされたもので、X及びY座標軸に沿っ
それぞれ平行に配設された複数の電極線を有するタブ
レットと、該タブレットの各電極線へそれぞれ静電容量
結合により電気信号を伝えるケーブル無しの信号ペンと
を有する座標検出装置において、前記信号ペン内に配置
されたAC信号発生器としての正弦波発生器または矩形
波発生器と、前記AC信号発生器への電源供給手段と、
前記AC信号発生器により平衡駆動または疑似平衡駆動
される前記信号ペン先端部の二つの導体と、前記電極線
の各隣接(組)電極線毎の平衡受信信号及び該隣接
(組)電極線の両電極線のそれぞれに誘起する二つの不
平衡受信信号とが混在している信号での前記平衡信号
の基本波電流成分及び前記二つの不平衡信号の差の基本
波電流成分との和のレベルを電流電圧変換しレベル計測
する手段と、前記電流電圧変換された信号の周波数を計
測する手段と、前記各計測値を処理し前記タブレット上
の前記信号ペン先端部の座標及び周波数状態を出力する
手段とを有することを特徴とする耐ノイズ性容量結合座
標検出装置、及び隣接電極線間座標を後述の計算式によ
り求める方法を提案するものである。
【0005】
【作用】 信号ペンからの平衡信号はいつもタブレット
の隣り合う二電極線間に一つの信号を伝えるため、他の
点(例えばグランド)に対する電位には無関係であるこ
とから、グランドに対し変動する外乱(外来ノイズ)の
影響がない。また隣り合う二電極線に伝わる二つの不平
衡信号の内、有効差信号成分を通し同相成分(ほとんど
コモンモードノイズ)を除去する平衡不平衡変換器によ
り、平衡信号と不平衡信号が混在している場合でも有効
信号は無駄なく通し有害外乱(ほとんどコモンモード成
分)は除去される。また、静電容量結合式での相互二極
による平衡信号伝送であるため、受信二電極線の中間点
でディップする信号検出特性となり、複数の信号検出レ
ベルから、信号ペンに最接近する二電極線とその間の補
間座標を求める。
【0006】
【実施例】 以下本発明の詳細を添付図を参照して説明
する。電磁誘導結合方式のもの(ペン及びタブレットに
配設する各1個のコイルにより、容易に平衡信号伝達で
き且つ受信側のみ平衡構成にすればよい)と異なり、静
電容量結合方式においては、平衡信号伝達のために、疑
似グランドでない各2個ずつの導体(電極)を必要と
し、それ以外にも本出願に開示する独特の特性がある
が、順を追って説明する。図1A及び図1Bは本発明の
実施例の装置全体構成図である。信号ペン5内部にアク
ティブ回路の平衡型正弦波発生器または平衡型矩形波発
生器1が配置され、連続したAC信号を平衡発生する。
この平衡AC信号発生器1の平衡出力は、信号ペン先端
部のスタイラス導体3及びリング状導体4へそれぞれ印
加される。電源部としての電池2はペン内部の回路へ動
作電力を供給する。
【0007】信号ペン5の先端部のスタイラス導体3及
びリング状導体4はタブレット6の盤面近くにある時、
タブレット6の各電極線7…と小容量の静電
容量結合することになる。従って、信号ペン5の先端部
のスタイラス導体3とリング状導体4間の平衡電気信号
はタブレット6の各隣接(組)電極線7…に結合
容量の大きさに従ったレベルでそれぞれ疑似平衡伝達さ
れる。また、不平衡信号成分も存在するが、次の等価回
路で詳細に説明する。
【0008】実際の回路におけるAC信号伝達等価回路
を図4に示すが、抵抗R1(101)及び抵抗R2(10
2)は平衡AC信号発生器1の平衡分割出力インピーダ
ンスであり、コンデンサCB1(100)は信号ペン5先
端部の二つの導体(スタイラス及びリング状)3及び4
間の浮遊容量であり、コンデンサC1(105)は信号
ペン先端部のスタイラス導体3とタブレット6の電極線
n(7)間の結合容量であり、コンデンサC2(10
6)は信号ペン先端部のスタイラス導体3とタブレット
6の電極線n+1(7)間の結合容量であり、コンデン
サC3(107)は信号ペン先端部のリング状導体4と
タブレット6の電極線n(7)間の結合容量であり、コ
ンデンサC4(108)は信号ペン5先端部のリング状
導体4とタブレット6の電極線n+1(7)間の結合容
量である。上記nは信号ペン先端部近傍の任意番目の電
極線番号の意味である。
【0009】信号ペン5の先端部のスタイラス導体3及
びリング状導体4は操作する人体を通じ、または回路グ
ランドに対する浮遊容量を通じ、さらには空間への電磁
波放射インピーダンス等により疑似グランド(疑似接
地)の効果を持つ。これらの疑似接地効果を図4に示す
ようにそれぞれ疑似接地インピーダンスZP1(103)
及びZP2(104)とすると、通常はZP2(104)
(リング状導体4の疑似接地インピーダンス)の方が主
に表面積が多いことと人体に近い関係から、低い値を示
す。また上記結合容量C1〜C4も信号ペン5のタブレッ
ト6上の位置により大きく変動する。従って平衡信号線
間にアンバランス要因が存在することになる。しかし疑
似接地効果が多すぎてその不安定要因の悪影響を避ける
ために、また、主な信号伝達成分が平衡信号成分になる
様に、本実施例では信号ペン5の先端部のリング状導体
4を操作者の指から離れるように配設している。尚隣接
電極線n(7)及びn+1(7)と回路グランド間にも
不等な浮遊容量C5(109)及びC6(110)が存在
し、また隣接電極線n(7)n+1(7)間にも浮遊
容量CB2(111)が存在するが、後述する電流電圧変
換を行っていることによりこれらC5,C6,CB2の容量
充放電がほとんどないので、これらC5,C6,CB2は
ンバランス化の要因にはほとんどならない。上述の不平
衡誘引要因から隣接電極線n(7)n+1(7)に
は平衡信号以外にも二つの不平衡(シングルエンド)信
号成分が実際には混入することになる。
【0010】これら平衡信号と不平衡信号についてさら
に詳しく説明する。隣接電極線n(7)n+1(7)
からの信号は電流バッファアンプ18に印加される。電
流バッファアンプ18は入力インピーダンスが非常に小
さく、入力信号は電圧変化はできず、電流変化として入
力する。その入力電流値をほぼその値のまま電流出力す
るが、出力電圧に無関係な電流源として動作する。電流
バッファアンプ18の出力は図4に示すように平衡不平
衡変換器19へ印加する。隣接電極線n(7)n+1
(7)に伝わったAC信号は電流として平衡不平衡変換
器19まで伝わるが図4に示すようにその平衡信号成分
をi1とし上述の二つの不平衡信号成分をi2及びi3と
する(図4)。ここで不平衡信号成分i2及びi3を和と
差に分解して考える。すなわち ic=i2+i3 id=i2−i3 とする。ここでicはコモンモード成分でありidは差成
分である。
【0011】本装置に採用した平衡不平衡変換器の特性
から和成分(コモンモード成分)は完全に除去される。
また差成分は平衡信号成分と同様に電流電圧変換され
る。従って不平衡変換された後の電圧出力Veは Ve=K(i1+id)……………………式1 となる。ここでKは電流電圧変換係数である。式1から
分かる様に本装置は平衡信号成分と共に二つの不平衡信
号の差成分(有効信号成分)をも有効利用しており、効
率低下を防いでいる。
【0012】尚本装置は前述のように電流検出型であ
り、タブレット6の各電極線7…に付随する
浮遊容量及び図1に示すアナログマルチプレクサ8
に付随する浮遊容量さらに配線基板のパターンの浮遊容
量は、電圧変動がほぼ完全にない(電流バッファアンプ
18の入力インピーダンスが非常に低い)事からそれら
の充放電電荷は殆ど無く、従ってAC信号(電流)伝達
の減衰要因とは事実上ならない。
【0013】外来ノイズについて説明すると、ここまで
の信号路に混入する外来ノイズ(図示せず)はノイズ源
が通常は平衡信号伝達線路の間隔に比してかなり大きな
距離にあるため、ほとんどコモンモードノイズとして混
入する。このコモンモードノイズは平衡不平衡変換器で
完全に阻止される。また不平衡信号の差成分として混入
した少しのノイズ成分の内、不要周波数帯域の成分は後
述のバンドパスフィルタにより除去される。本装置は他
のケーブル無しペンを使用する座標検出装置に比し、大
幅に狭い帯域の周波数を使用しているので前記の平衡信
号伝達方式との相乗効果により有害ノイズ成分の混入は
非常に少なく、信号レベル検出点でのS/N比は大変に
優れたもので、安定に信号ペン5のタブレット6上の位
置座標判定を可能とした。
【0014】図1においてX方向及びY方向アナログマ
ルチプレクサ8及び9は各電極線7…の隣り
合う二電極線(隣接電極線)をペアー(組)としながら
順次切り変えて(n番目とn+1番目,次にn+1番目
とn+2番目,次にn+2番目とn+3番目の様に)
それぞれの隣接(組)電極線が受信した平衡及び不平衡
信号をACカップリングコンデンサ16及び17を介し
て平衡型電流バッファアンプ18へ印加する。X方向及
びY方向は時分割で動作し、例えばX方向アナログマル
チプレクサ8が任意の隣接(組)電極線77をセレク
トしている時はY方向アナログマルチプレクサ9はOF
Fしている。DCレベル固定用抵抗101112
13は各電極線7…及びアナログマルチプレ
クサ8及び9の出力点のDC電位を常に零に保持し、ア
ナログマルチプレクサ8及び9の切り換え時の電位差に
よる切り換えショック出力を極小にしている。これらの
点はAC信号の電圧の変化がほとんど出来ず、AC信号
電流のみが流れるため、1〜10KΩの付加的抵抗値
AC信号電流に対しては信号レベルの事実上の低下はな
い。
【0015】平衡型電流バッファアンプ18はベース接
地トランジスタの対になっており、エミッタの入力イン
ピーダンスは約50Ωと低い値であり、入力AC信号の
電圧変動はほとんど出来ず、電流変化のみ受け付ける。
従ってエミッタへ流入する電流変化のみコレクタへほぼ
そのまま(約99.5%)伝えるが、コレクタの電圧に
はほぼ無関係に電流源として動作する。従ってこの回路
18は電流バッファアンプと言えるものである。電流バ
ッファアンプ18の出力はバンドパスフィルタ付平衡不
平衡変換器19へ印加され、図4の等価回路で説明した
機能により不平衡電圧に変換される。また同時作用とし
て並列共振回路をも構成しているのでAC信号の基本波
成分のみ通過させるバンドパスフィルタの機能も兼ねて
いる。従って信号ペン5内のAC信号発生器1が矩形波
発生器の場合でもここまでの全回路がリニア(線形)で
あることから、信号ペン5内で基本波成分の正弦波を発
生しているのと等価である。このメリットは後述する。
平衡型並列共振回路によるこのバンドパスフィルタ機能
は狭帯域通過特性を持ち、信号路の途中で混入した不平
衡差成分の不要周波数帯ノイズをも減衰させる。
【0016】平衡型電流バッファアンプ18とバンドパ
スフィルタ付平衡不平衡変換器19の組合せにより電流
電圧変換をも行わせている。バンドパスフィルタ付平衡
不平衡変換器19の出力信号電圧(UB・SIG)は図
1Bに示す増幅器20へ印加される。増幅器20の入力
インピーダンス21は上述したバンドパスフィルタ付平
衡不平衡変換器19の共振Q値を適な値に制限してい
る。増幅器20の出力に接続された抵抗22は増幅器2
0の出力インピーダンスを増加させ、次に述べるゲイン
可変のための分割抵抗の一部になっている。
【0017】コンデンサ23及びコイル24は並列共振
回路を構成しここでもバンドパスフィルタ効果を持ち増
幅器20及びその前後の信号ラインに混入した不要周波
数帯ノイズを減衰させている。抵抗25はコンデンサ2
コイル24による共振回路のQ値を適な値に制限
していると共に、本装置の総合ゲインを適に制限して
いる。スイッチ28は信号レベルを強制的に零にするた
めのものであり、信号零レベル自動補正時にONする。
詳細は後述する。抵抗2627及びスイッチ29
0は本装置の総合ゲインを4通りに可変するもので、抵
抗26と27の抵抗値は異なる。ゲイン可変の目的は、
抵抗性(薄膜透明)電極線7…を使用した場
合に信号ペン5のタブレット6上の位置により信号レベ
ルが大きく変わり、その計測レベルをおおよそ均一にす
る場合に、特に必要となる。
【0018】参照符号31は波形整形(リミッタ)回路
であり、次のステージの位相同期発振器57の動作を安
定確実化している。位相同期発振器57(参照符号36
〜40)は入力信号に位相ロックして矩形波を発生する
もので、たとえ入力信号レベルが零でもほぼ同じ周波数
で発振する。次のDタイプフリップフロップ41はその
入力周波数を1/2に分周してその出力を本装置の全体
をコントロールしている制御部56へ印加する。制御部
56はこの入力周波数を計測し信号ペン5のステータス
(サイドスイッチ72のON/OFF及びスタイラス感
圧スイッチ73のON/OFF状態)を検知する。尚D
タイプフリップフロップ41で入力信号周波数を1/2
にしてその矩形波を制御部56で使用する目的は、不要
帰還によるシステムの不安定性を大幅に改善するためで
あり本装置の合ゲインが100dBに近いにもかかわ
らずシールドを施す事もなくローコストに安定動作を得
ている。本願出願人の出願になる特願平5−19796
6号に記載したように、矩形波の第2高調波成分が零で
あることから、制御部から信号受信部への不要帰還が大
幅に改善される。
【0019】位相反転増幅器32の使用目的は、その出
力の位相を位相同期発振器57の出力位相とほぼ等しく
するためであり、第二の目的は信号検波のために必要充
分な信号レベルに増幅するためである。抵抗33及び3
4は同位相の二信号を加算するためでありその詳細は次
の信号検波のところで説明する。
【0020】検波トランジスタ35と検波コンデンサ4
3と電流シンク抵抗42からなる回路が信号検波回路で
ありAM検波回路を構成している。電流シンク抵抗42
は常時信号検波回路から略定電流を流出させている。検
波トランジスタ35のベース入力の正側ピーク値をその
エミッタに接続された検波コンデンサ43に瞬時値とし
て一時ホールドする(ベース・エミッタ間電圧VBEのオ
フセットがある)。入力信号のピーク時点を過ぎると検
波トランジスタ35はOFFし検波コンデンサ43は徐
々に放電する。ここで問題になるのが低信号レベル時の
検波リニアリティである。
【0021】無信号時のVBEは電流シンク抵抗42を通
じて流出する一定電流(平均電流)に対するベース・エ
ミッタ順方向電圧値(DCバイアス値)であり、有信号
時は検波トランジスタ35に間欠電流が流れそのピーク
電流は平均電流より大きいことから、そのピーク電流に
対するVBEの方が前記無信号時のVBEより大きいことが
リニアリティを悪くしている。本装置はこの点に関して
も改善を行っている。
【0022】検波トランジスタ35に常時(無信号時で
も)間欠電流を流し(ACバイアスを与える)いつでも
VBEの差を極小にしてリニアリティを必要充分に良くし
ている。ただしACバイアス信号は入力信号と同相で且
つ入力無信号時でもACバイアスは必要である。本装置
は位相同期発振器57の矩形波出力を抵抗34を介して
抵抗33の信号電圧と同位相で重畳させている。無信号
入力時の検波出力は、装置毎に抵抗のバラツキ、半導体
のバラツキ等により差があり、また温度により検波トラ
ンジスタ35のVBEが変動し、さらに電源電圧の経時変
動によっても変動し一定しない。本装置はこの検波出力
電圧のドリフトを自動的にキャンセルしているがその詳
細を次に説明する。
【0023】スイッチ44抵抗47コンデンサ48
から成る回路がサンプル/ホールド回路であり、各隣接
電極線7…のAC信号レベルを計測するに先立
ち、スイッチ28により強制的に一時信号を零にし、そ
の時の検波レベルをスイッチ44をONしコンデンサ4
8にサンプルし、充分サンプルし終わった時点(抵抗4
コンデンサ48によるセットリングタイム経過後)
にスイッチ44をOFFし、その後必要時間コンデンサ
48はこの零信号検波レベルをアナログ電圧として記憶
する(ホールドする)。このホールド後に制御部56は
スイッチ28をOFFし入力AC信号を検波回路へ与え
る。
【0024】図5の参照符号124の検波波形図に示す
ように、検波出力はAC信号のリップルが少し残ってい
る。抵抗45及びコンデンサ46はローパスフィルタを
成し、このリップル分を除去している。またサンプル/
ホールド回路の抵抗47及びコンデンサ48もローパス
フィルタの機能を兼ねている。演算増幅器4950
(この2個の演算増幅器で、差動回路構成としている)
及び抵抗5154により構成する回路がドリフト自動
キャンセル回路である。抵抗5154の値を適宜選定
することにより、サンプル/ホールドした前述のドリフ
ト電圧を検波電圧からキャンセルできると共にドリフト
キャンセルされた検波レベルを増幅すると同時にオフセ
ットし、A/Dコンバータ55の入力電圧レンジに合わ
せている。A/Dコンバータ55によりディジタル情報
に変換されたAC信号の計測レベルは制御部56へ印加
される。
【0025】ここで各隣接電極線毎のAC信号計測のタ
イミングを図5を参照して簡単に説明する。参照符号1
20のタイミング図は図1AのX方向及びY方向アナ
ログマルチプレクサ8及び9の切り変え時点を示す。斜
線部以外の時点は切り換えを固定する(変換させない)
範囲であり、セレクトされた隣接電極線7,7からのA
C信号が電流バッファアンプ18へ伝わる。参照符号1
21のタイミング図は本装置の総合ゲイン可変スイッチ
29及び30(図1B)の切り換えを固定する時間範囲
を示す。参照符号122のタイミング図は図1Bのス
イッチ28の動作タイミング図であり、マルチプレクサ
8及び9を切り換えている時の信号を計測できない時間
に強制的にAC信号を零にし、零信号検波レベルサンプ
ルの時間に割り当てていることを示している。参照符号
123のタイミング図は図1Bのスイッチ44のタイ
ミング図であり検波トランジスタ35のエミッタ波形
(検波波形)124のレベルが安定している時間内に零
信号検波レベルのサンプルを行っていることを示してい
る。
【0026】参照符号124の波形は検波波形であり
検波トランジスタ35のエミッタの電圧を示し、スイッ
チ28の動作(参照符号122のタイミング)に応じて
図示のようにAM検波する。参照符号125の波形は
A/Dコンバータ55の入力電圧波形であり、ローパス
フィルタ45及び46によりなだらかな変動となり、参
符号122の信号ON時には、零信号検出レベルによ
りドリフト電圧をすでにキャンセルされた電圧波形であ
る。参照符号126のタイミング図はA/D変換動作
時期を示すもので、参照符号125のAC信号検出レベ
ルが充分セットリングした時点でA/D変換動作させて
いる。尚ここでの説明において、零信号検波レベルのサ
ンプルをAC信号レベル計測1回につき1回の割合で行
うように説明してあるが、AC信号レベル計測数十回に
1回の割合で零信号検波レベルのサンプルを行うことも
可能であることは言うまでもない。
【0027】次に信号ペン5のタブレット6上の位置に
よるAC信号レベルとその座標判定について説明する。
タブレット6上の各電極線7…の隣り合う
(組)二電極線間のAC信号を平衡型電流バッファアン
プ18及びバンドパスフィルタ付平衡不平衡変換器19
を介して観測するので、信号ペン5の先端部スタイラス
導体3のタブレット6上のX軸上位置(Y軸上位置に対
しても同様)に対する、信号検出レベルは図6に示す
が、電磁誘導結合方式での平衡信号伝達による主な一山
特性と異なり、本実施例に示す相互二(対)電極による
平衡信号伝達であるが故に、その(組)電極線7,7の
間点でディップした左右対称の二山特性になる。特性
曲線131はnを任意の正の整数としてnとn+1番目
の電極線7,7による信号検出レベル特性であり、特性
曲線132はn+1とn+2番目の電極線7,7による
特性であり、特性曲線133はn+2とn+3番目の電
極線7,7による特性である。信号ペン5が特定位置
n+1とn+2番目の電極線間のP位置)にある場
合、図示のようにそれぞれAレベル、Bレベル、Cレベ
ルとして検出され、これらの検出レベルから、P位置を
補間し詳細座標を算定する。
【0028】各隣接(組)電極線7…毎に検出し
た信号レベルの上位二までのレベル及びその検出レベル
を得たマルチプレクサ8及び9の接続位置から信号ペ
ン5の先端部スタイラス導体3がどの電極線間のそのま
たどちらの半区間内にあるかを判別できる事は説明する
までもない。電極線間隔の上位又は下位半区間内のどの
位置に信号ペン5の先端部スタイラス導体3が存在する
かを次に述べる補間法で判定している。本装置において
は、小型タブレットと大型タブレットに対し異なる補間
法により座標定しているが、小型タブレットに対する
ものを第1の補間法とし、大型タブレットに対するもの
を第2の補間法とする。
【0029】図7は図6の中心部を左右に拡大したもの
でn+1番目の電極線とn+2番目の電極線との間にP
点(ペン位置)がある例であり、左(下位側)半区間に
P点がある場合をP1とし、右側(上位側)半区間にP
点がある場合をP2とする。隣接電極線77間隔をd
としP1に対する補間量を1としP2に対する補間量を
2とする。1はn+1番目の電極線の中心からP1
までの距離を意味し、2はn+1番目とn+2番目の
電極線の中間点からP2までの距離を意味する。また特
性曲線131をAカーブとし、特性曲線132をBカー
ブとし、特性曲線133をCカーブとすると、P1点に
おいてそれぞれA1B1C1の検出レベルとなり、P2
点においてそれぞれA2B2C2の検出レベルとな
る。
【0030】第1の補間法において、説明の都合上P2
の補間量2を求める方を先に説明する。図7に示す点
E、F、G、Hに関して図8に示すように近似直線図形
を考える。ここで直線EGはBカーブのEG区間を直線
近似化したものであり、直線HGはCカーブのHG区間
を直線近似化したものである。三角形EFGに注目する
とB2の大きさと補間量X2(近似補間量であるが補間量
と表記する)が比例することがわかる。ここで補間区間
d/2を1に正規化すると、C2を通る直線HGが直線
EGと交わる点がちょうどn+2番目の電極線の中心線
上にあるので、B2レベルをC2レベルにより正規化する
ことができる。すなわちB2/C2は正規化した計測レベ
ルであり、それは正規化した補間量に比例し、一意的に
対応する。且つその比例係数は1である。従って、正規化補間量 =B2/C2 である。従って補間量X2は、 X2=(d/2)×(B2/C2)………………………式2 となる。
【0031】式2により求めた補間量はBカーブ及びC
カーブを直線とみなしたもので、実際の信号ペン5の先
端部の位置とは少しズレがある。これを補正表により補
正するのであるが、電極線パターンの形状及びサイズに
より、信号ペン5の先端部のスタイラス導体3及びリン
グ状導体4の物理的寸法により、また電極線7
…を覆う絶縁層の厚さにより、補正特性が少しでは
あるが異なる。しかし正規化した量を扱ったことによ
り、補正表が1種で済み、制御部56を簡素化できた。
【0032】一方P1に対する補間量1を求める場合は
近似三角形が逆向きになるので、正規化補間量 =1−(B1/A1) である。従って補間量X1は、 X1=(d/2)×(1−B1/A1)……………………式3 となる。これを、前記の補正表とミラー対称形の補正表
により補正し、より正確な補間量を算定する
【0033】尚1を考えないで、n+1とn+2番目
の電極線の中間点から左向きに補間量を考えれば、図7
での中間線HEに関して左右対称であることから、P1
の補間量を式2と全く同形式(ただしC2の代わりにA1
を使用)にすることもできる。その場合、ミラー対称の
補間表も必要ない。小型タブレットを使用する場合は上
述の第1の補間法で充分である。ちなみに、15cm×
10cmの有効エリア透明タブレットでd=4mmの場
合、絶対位置検出確度0.25mmを得ている。
【0034】大型のタブレットに対する第2の補間法に
ついて説明する。説明の都合上P1の補間量1を求める
方を先に説明する。第1の補間法においては、2個の
測値を補間計算に使用したが、第2の補間法において
は、3個の計測値を補間計算に使用する。また大型タブ
レットの場合、電極パターン製造上の精度配線基板上
の配線パターンの引き回し等により、AカーブとCカー
ブの交点(この点を境界にしてどちらの半区間か判別す
る)の位置と、Bカーブのディップ点の位置を完全に一
致させる事は難しく、第1の補間法を使用した場合隣接
(組)電極線の中間点での検出位置の連続性を高精度で
保持することが難しい。第2の補間法はこの点も改善し
ている。
【0035】図9は図7のP1のある半区間を拡大した
ものである。誤差を少なくする意味で図9に示すように
AカーブとCカーブの平均(A+C)/2及びBカーブ
とCカーブの平均(B+C)/2を考える。曲線(A+
C)/2は位置による変動が少なく、正規化するための
除数として大変都合が良い。二つの平均曲線(A+C)
/2及び(B+C)/2の差の2倍を(A+C)/2で
割算すると、
【数3】 となり正規化補間量の一つである。これはn+1とn+
2番目の電極線の中間点付近以外は非常に直線性が良く
式4をd/2倍したものは実際の信号ペン5の先端部の
位置に大変近い。電極線の中間点付近の精度を上げるた
めもう一つの正規化補間量を考える。
【0036】Bカーブのディップ点のズレが精度低下を
起こし易いことから、隣接(組)電極線の中間点付近
(HE線上付近)はA及びCカーブのみ使用した、
【数4】 を考える。この式の中の0.5の乗数は多くの電極線パ
ターン及びサイズから得た値である。
【0037】BカーブとCカーブの交点をJ点とする
と、J点より左を式4を使用し、J点より右の区間は式
4と式5を混合して使用する。混合の比率を、J点に近
い程式4の比率を多くし電極線の中間点に近い程式5の
比率を多くするため、概三角形JEHを利用し、
【数5】 を式5の比率とする。式4の比率は
【数6】 である。従ってC>Bの区間では、
【数7】 という正規化補間量を得る。従って、B1≧C1のときは
式4をd/2倍したものを、B1<C1のときは式6をd
/2倍したものを、補間量X1とする。
【0038】この補間量X1は実際の位置に大変近く、
更なる補正表による補正を必要としない程である。同様
の考え方で右(上位側)半区間にP点がある場合、補間
X2は、B2≧A2のとき X2=d×1/2ー(C−B)/(A+C)………式7 B2<A2のとき
【数8】 である。上記と同様にこれを、実際の位置にピタリ合わ
せるための補正表により補正し、更に高精度の補間量と
しても良い。尚第1の補間法での説明と同様に、2を
考えないで、n+1番目とn+2番目の電極線の中心点
から逆向き(左向き)をP1に対する補間量考えれば
(そのように式を少し変えれば)、P2に対する補間量
をP1に対する補間量と同じ形式の式(AとCが入れか
わる)で求めることもできる。またその場合は補正表も
1種類のみでよい。
【0039】制御部56が上記の第1の補間法または第
2の補間法により数値計算し、信号ペン5の先端部のタ
ブレット6上のX及びY座標を定し、その座標情報
と、信号ペン5のサイドスイッチ72及びスタイラス感
圧スイッチ73のON/OFFステータス(周波数)
報とを出力する。
【0040】次に信号ペン5内の回路及びその動作につ
いて説明する。AC信号発生回路についても小型タブレ
ット用と大型タブレット用で異なる回路を使用してい
る。図2に示す回路は小型タブレット用のもので能動素
子としては2ヶのCMOSインバータ61及び62を使
用している。能動素子への電源供給は電池2でありスイ
ッチ60によりON/OFFできる。
【0041】CMOSインバータ61はセラミック振動
子67と共に無調整発振回路を構成している。CMOS
インバータ61の出力は矩形波であり、抵抗64を介し
て信号ペン5の先端部スタイラス導体3へ印加する。ま
たその出力はCMOSインバータ62へも印加する。C
MOSインバータ62の出力も矩形波であり位相が反転
している。CMOSインバータ62の出力は抵抗65を
介して信号ペン5の先端部リング状導体4へ印加する。
CMOSインバータ61及び62の出力電圧振幅はほぼ
電源電圧からグランドまでスイングするため、スタイラ
ス導体3及びリング状導体4は平衡に略電源電圧の2倍
ピークツーピーク振幅で矩形波ドライブされる。
【0042】本装置は段落0015で説明したように、
矩形波信号の場合でもその基本波成分のみ利用してい
る。矩形波の性質としてその基本波成分の振幅は矩形波
の振幅(ピークツーピーク値)の4/π倍のピークツー
ピーク値を持つ。従ってスタイラス導体3及びリング状
導体4は電源電圧の(2×4/π≒2.54)倍のピ
ークツーピーク振幅を持つ正弦波で平衡駆動されている
のと等価である。従って低い電池電圧でも充分なAC信
号出力レベルを得ている。またCMOSインバータを使
用していることから大変に電力消費も少なく、通常相反
する高出力/低電力消費という要求を高いレベルで満た
している。
【0043】ちなみに小型タブレット用の本回路は電池
電圧2.8V、発振周波数455kHzにおいて、略1
05マイクロアンペアの電源電流であり、本発明のキー
ポイントである高耐ノイズ性の信号伝達方式とにより、
小型タブレットに対してこれで充分な位置検出精度を得
ている。
【0044】スイッチ72は信号ペン5のサイドスイッ
チであり、操作者の指により押されるもので、ペンステ
ータスの一つである。スイッチ72が押されると、共振
分割コンデンサ69とパラレルにコンデンサ70が接続
され、発振周波数を数kHz低下させる。またスイッチ
73はスタイラス感圧スイッチであり、操作者が信号ペ
ン5のスタイラス3をタブレット盤面に押圧するとON
する。これもペンステータスの一つであり、スイッチ7
3がONするとコンデンサ71によりやはり発振周波数
を数kHz低下させる。コンデンサ70と71の容量値
は異なり、結局スイッチ72と73の4通りの状態組み
合わせに対して4通りの周波数のAC信号を信号ペン5
が出力する。この周波数シフトを、図1BのDタイプフ
リップフロップ41の出力周波数変化として制御部56
が計測することによりステータスデコードを行ってい
る。
【0045】図3に示す回路は大型タブレット用の信号
ペン5の回路であり、能動素子としては1ヶのCMOS
インバータ81を使用している。電源供給は電池2であ
る。CMOSインバータ81はセラミック振動子83と
共に無調整発振回路を構成している。周波数シフトを行
うため、本回路において共振分割コンデンサ84及び8
5の容量比は85の方を小さくしている。この場合コン
デンサ85の端子電圧はスイッチ90及び91がOFF
しているとき、容易にCMOSインバータ81の入力ク
ランプレベルを越す。その場合、発振振幅が制限される
が、その制限を除く目的に抵抗86をセラミック振動子
83の一端とCMOSインバータ81の入力間に入れて
いる。しかし位相の遅れを少なくするためスピードアッ
プコンデンサ87をコンプライアンス抵抗86と並列に
入れている。このようにしてスイッチ90及び91の状
態に関係なくセラミック振動子83の振動ロスを防いで
いる。サイドスイッチ90及びスタイラス感圧スイッチ
91は図2の小型タブレット用回路のものと機能及び目
的が同じである。
【0046】図3の回路の特徴は共振コイル94及び共
振コンデンサ95による昇圧回路にある。LC並列共振
回路は共振周波数においてそのインピーダンスが大であ
り且つ先端部の二つの導体3及び4とタブレット6の各
電極線7…間の結合容量は数ピコファラッド
以下でありこれもインピーダンスが大であり、発振回路
から見た負荷は非常に小さい(軽い)。従って図3に示
すようなLCによる昇圧回路をセラミック振動子83の
両端に接続しても、セラミック振動子がほぼ正弦波で動
作しているので、振動エネルギーの損失は微少である。
【0047】セラミック振動子83の両端は回路グラン
ドに対し逆相動作をしており、平衡信号出力するのに都
合が良い。段落0009で説明したように先端部スタイ
ラス導体3とリング状導体4を比較するとリング状導体
4の方が少しだけインピーダンスが低く、セラミック振
動子の一端(CMOSインバータ81の出力側)の電圧
レベルをほぼそのまま与え、スタイラス導体3へセラミ
ック振動子83の他端の電圧を昇圧して与えている。抵
抗92及び93は共振回路94及び95のリアクタンス
分が、発振回路の周波数シフトに対し悪影響しないた
めに入れている。
【0048】以上の説明のように図3の回路において信
号ペン5の先端部のスタイラス導体3及びリング状導体
4は高電圧の正弦波により疑似平衡駆動される。高電圧
出力ではあっても矩形波出力とは違い、不要な高調波を
周囲に放射することはない。ちなみに大型タブレット用
の本回路は電池電圧2.8V、発振周波数455kHz
において、正弦波出力電圧12VP-P及び略190マイ
クロアンペアの電源電流であり、大型タブレットに対し
て充分な位置検出精度を得ている。
【0049】図2及び図3の両回路共に最大周波数シフ
トを5kHzにしているので使用周波数帯域は狭く、
述の多段フィルタリングにより、AC信号のS/N比向
上に寄与している。また狭帯域の中に4通りのスイッチ
ステータス情報を周波数シフトとして詰め込んでいる
が、セラミック振動子83の周波数安定性により信頼性
の高いデコードができた。
【0050】尚信号ペン先端部の導体をスタイラス導体
と、このスタイラス導体を囲繞するリング状導体で説明
したが、本発明はこれに限定されるものではなく、二本
の信号用導体を使用するものでも実現できるものであ
る。また信号ペン内部の電源部を電池で説明したが、こ
れに限らず太陽電池またはケーブル無しでの誘導結合に
よる電気エネルギーの供給等による電源部でも実現でき
るものである。
【0051】
【発明の効果】 本発明による座標検出装置は、静電容
量結合方式のケーブル無しの信号ペンを使用した従来技
術によるタブレット座標検出装置が必須として利用して
いた疑似グランドによる信号リターン経路を必要としな
い平衡信号伝達手段を採用しており、それがまた実際回
路における有効信号成分を可能な限りロスなく検出し、
且つ有害成分に対しほとんど不感覚とすることにより高
S/N比を得て、低消費電力の高効率信号ペンによる従
来より低い信号出力レベルでも安定な座標検出を高分解
能で可能とした。更に、指輪のような金属製リングがタ
ブレット上に近づいても、電磁誘導結合方式と異なり、
本方式は影響されない。また、上述の平衡信号伝達手段
での独特の検出特性に対して、ここに開示した電極線間
補間法により大型及び小型タブレットについて、細部座
標値の検出も高精度で可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】 装置全体構成図
【図2】 小型タブレット用信号ペン回路図
【図3】 大型タブレット用信号ペン回路図
【図4】 信号伝達等価回路
【図5】 信号レベル検出動作タイミング及び検波波形
【図6】 信号検出レベル特性図
【図7】 補間法の説明図
【図8】 第1の補間法の説明図
【図9】 第2の補間法の説明図
【符号の説明】 1 平衡型正弦波または矩形波発生器 2 電池 3 信号ペン先端部のスタイラス導体 4 信号ペン先端部のリング状導体 5 信号ペン 6 タブレット 7 電極線 8 X方向アナログマルチプレクサ 9 Y方向アナログマルチプレクサ 10 DCレベル固定用抵抗 11 DCレベル固定用抵抗 12 DCレベル固定用抵抗 13 DCレベル固定用抵抗 14 DC電流シンク抵抗 15 DC電流シンク抵抗 16 ACカップリングコンデンサ 17 ACカップリングコンデンサ 18 平衡型電流バッファアンプ 19 バンドパスフィルタ付平衡不平衡変換器 20 増幅器 21 増幅器20の入力インピーダンス 22 インピーダンス増加抵抗 23 フィルタコンデンサ 24 フィルタコイル 25 Qダンピング抵抗 26 ゲイン可変抵抗 27 ゲイン可変抵抗 28 スイッチ 29 スイッチ 30 スイッチ 31 波形整形(リミッタ)回路 32 位相反転増幅器 33 インピーダンス増加抵抗 34 加算抵抗 35 検波トランジスタ 36 シュミットインバータ 37 充放電タイミングコンデンサ 38 フィードバック抵抗 39 抵抗 40 コンデンサ 41 Dタイプフリップフロップ 42 電流シンク抵抗 43 検波コンデンサ 44 スイッチ 45 ローパスフィルタ抵抗 46 ローパスフィルタコンデンサ 47 ローパスフィルタ抵抗 48 サンプル/ホールドコンデンサ 49 演算増幅器 50 演算増幅器 51 演算抵抗 52 演算抵抗 53 演算抵抗 54 演算抵抗 55 A/Dコンバータ 56 制御部 57 位相同期発振器 60 電源スイッチ 61 CMOSインバータ 62 CMOSインバータ 63 DCフィードバック抵抗 64 出力抵抗 65 出力抵抗 66 振動子駆動抵抗 67 セラミック振動子 68 共振分割コンデンサ 69 共振分割コンデンサ 70 周波数シフトコンデンサ 71 周波数シフトコンデンサ 72 サイドスイッチ 73 スタイラス感圧スイッチ 80 電源スイッチ 81 CMOSインバータ 82 振動子駆動抵抗 83 セラミック振動子 84 共振分割コンデンサ 85 共振分割コンデンサ 86 コンプライアンス抵抗 87 スピードアップコンデンサ 88 周波数シフトコンデンサ 89 周波数シフトコンデンサ 90 サイドスイッチ 91 スタイラス感圧スイッチ 92 抵抗 93 抵抗 94 昇圧共振コイル 95 昇圧共振コンデンサ 96 昇圧共振部シールド 97 出力抵抗 98 出力抵抗 100 スタイラス導体3とリング状導体4間の浮遊容
量 101 AC信号発生器の平衡分割出力インピーダンス 102 AC信号発生器の平衡分割出力インピーダンス 103 スタイラス導体3の疑似接地インピーダンス 104 リング状導体4の疑似接地インピーダンス 105 スタイラス導体3と電極線(n)間の結合容量 106 スタイラス導体3と電極線(n+1)間の結合
容量 107 リング状導体4と電極線(n)間の結合容量 108 リング状導体4と電極線(n+1)間の結合容
量 109 電極線(n)の対グランド浮遊容量 110 電極線(n+1)の対グランド浮遊容量 111 電極線(n)と電極線(n+1)間の浮遊容量 120 アナログマルチプレクサ切り換えタイミング 121 ゲイン切り換えタイミング 122 スイッチ28の動作タイミング 123 サンプルホールドスイッチ44の動作タイミン
グ 124 AM検波波形 125 A/Dコンバータ入力波形 126 A/D変換動作タイミング 131 nとn+1番目の電極線による信号検出レベル
特性 132 n+1とn+2番目の電極線による信号検出レ
ベル特性 133 n+2とn+3番目の電極線による信号検出レ
ベル特性

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X及びY座標軸に沿ってそれぞれ平行に
    配設された複数電極線を有するタブレットと、該タブレ
    ットの各前記電極線へそれぞれ静電容量結合により電気
    信号を伝えるケーブル無しの信号ペンとを有する座標検
    出装置において、前記信号ペン内に配置されたAC信号
    発生器と、前記AC信号発生器への電源供給手段と、前
    記AC信号発生器により平衡駆動または疑似平衡駆動さ
    れる前記信号ペン先端部の二つの導体と、前記電極線の
    各隣接(組)電極線毎の平衡受信信号及び前記隣接
    (組)電極線の両電極線のそれぞれに誘起する二つの不
    平衡受信信号とが混在している信号での前記平衡信号
    の基本波電流成分及び前記二つの不平衡信号の差の基本
    波電流成分との和のレベルを電流バッファアンプを介し
    バンドパス式電流電圧変換しレベル計測する手段と、前
    記電流電圧変換された信号の周波数を計測する手段と、
    各前記レベル計測値を処理し前記タブレット上の前記信
    号ペン先端部の座標及び周波数状態を出力する手段とを
    有することを特徴とする耐ノイズ性容量結合座標検出装
    置。
  2. 【請求項2】 前記電極線を抵抗性薄膜透明電極線とし
    た請求項1の耐ノイズ性容量結合座標検出装置。
  3. 【請求項3】 前記AC信号発生器を、矩形波発生器の
    正相及び逆相電圧発生器とし、その電源電圧の2.54
    倍以上のピークツーピーク基本波成分平衡電圧出力する
    前記信号ペンとした請求項1の耐ノイズ性容量結合座標
    検出装置。
  4. 【請求項4】 前記AC信号発生器を、無調整型セラミ
    ック発振器のセラミック振動子の両端出力LC並列共
    振回路の一端及びコイルの途中タップへ印加され、昇圧
    された前記LC共振回路の両端の疑似平衡正弦波電圧
    発生器とした請求項1の耐ノイズ性容量結合座標検出装
    置。
  5. 【請求項5】 前記レベル計測する手段が、その入力信
    号と、該入力信号に位相同期した常時連続矩形波発生器
    の出力とを重畳し半波整流AM検波を行い無信号入力
    レベルをサンプル/ホールドすることにより二個の演
    算増幅器を使用した差動回路で無信号入力時のレベル及
    びドリフトを自動キャンセルする信号レベル計測である
    請求項1の耐ノイズ性容量結合座標検出装置。
  6. 【請求項6】 X及びY座標軸に沿ってそれぞれ平行に
    配設された複数の電極線を有するタブレットと、該タブ
    レットの各前記電極線へそれぞれ静電容量結合により平
    または疑似平衡電気信号を伝えるケーブル無しの信号
    ペンとを有する座標検出装置において、隣接電極線間の
    座標を補間するに当たり、補間量をXとして下位側半補
    間区間において、 X=(d/2)×(1−B/A)または 上位側半補間区間において X=(d/2)×(B/C) によりXの値を求めるステップと、更に補正表により
    記補間量Xを補正するステップとを有する耐ノイズ性容
    量結合座標検出方法。但し、前記信号ペンは、n+1とn+2番目の電極線間にあ
    り; dは隣接電極線間隔 Aはnとn+1番目の電極線による計測信号レベル Bはn+1とn+2番目の電極線による計測信号レベ
    Cはn+2とn+3番目の電極線による計測信号レベ
    nは、正の整数; である。
  7. 【請求項7】 X及びY座標軸に沿ってそれぞれ平行に
    配設された複数の電極線を有するタブレットと、該タブ
    レットの各前記電極線へそれぞれ静電容量結合により平
    または疑似平衡電気信号を伝えるケーブル無しの信号
    ペンとを有する座標検出装置において、隣接電極線間の
    座標を補間するに当たり、補間量をXとして下位側半補
    間区間において、 X=d×(A−B)/(A+C)………………(BCのとき) 【数1】 または上位側半補間区間において X=d×1/2−(C−B)/(A+C)………(BAのとき) 【数2】 によりXの値を求めるステップと、更に必要に応じ補正
    表により前記補間量Xを補正するステップとを有する
    ノイズ性容量結合座標検出方法但し、前記信号ペンは、n+1とn+2番目の電極線間にあ
    り; dは隣接電極線間隔 Aはnとn+1番目の電極線による計測信号レベル Bはn+1とn+2番目の電極線による計測信号レベ
    Cはn+2とn+3番目の電極線による計測信号レベ
    nは、正の整数; である。
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