JP3262877B2 - 分光器 - Google Patents

分光器

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JP3262877B2
JP3262877B2 JP02658593A JP2658593A JP3262877B2 JP 3262877 B2 JP3262877 B2 JP 3262877B2 JP 02658593 A JP02658593 A JP 02658593A JP 2658593 A JP2658593 A JP 2658593A JP 3262877 B2 JP3262877 B2 JP 3262877B2
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    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
    • G01J3/12Generating the spectrum; Monochromators
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】波長を駆動する分光器に関し、特
に波長の位置検知機構を持った分光器に関する。つま
り、分光器の波長分散素子により回折された回折光の波
長位置を特定するためのものである。
【0002】
【従来の技術】分光する光を分光するための主波長分散
素子として、溝数1800〜4800本/mm程度の反射型回折格
子(主格子)を用いる。主格子の位置検知のための副波
長分散素子としては、溝数10〜 100本/mm程度の平面回
折格子(副格子)を用い、主格子と固定し一緒に駆動す
る。主格子の位置検知とは、分光する光の入射角と/又
は分光された光の出射角の検知であり、検出器により検
出する分光波長を正確に特定することができる。
【0003】入射スリットには、分光する光(分光用
光)を入射させる。入射スリットから入射した光は、主
格子で分光された後に出射スリットから出射し、主検出
器で検出される。このとき、駆動部を適当に駆動するこ
とにより、任意の波長の光を出射スリットに出射させ、
任意の波長の光の強度を測定する。
【0004】一方、副格子には、位置検知のためのレー
ザー光などの波長幅の狭い光(検知光)を入射させる。
副格子に入射した光は、副格子で回折された後に、分光
方向に列状に並んだ複数の検出素子を持つ副検出器に入
射する。副格子の溝数は少ないため、副格子上では、複
数の次数の回折光が回折される。
【0005】副検出器に入射する回折光の間隔は、駆動
位置と、副格子の溝数と、光源の波長と、副格子から副
検出器までの距離等によって決まる。このため、副格子
の駆動に伴って副検出器上を回折光が次々と横切り、か
つ一つ以上の回折光が常に副検出器上に入射するよう
に、回折光の間隔と副検出器の幅とを設定し、そして主
格子と副格子を固定して同時に駆動することにより、回
折光を用いて波長分散素子(主格子)の位置検知をする
ことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】検知光の強度は、分光
用光の強度よりも、遥かに大きい。このため、検知光を
主検出器でも検出できる場合は、検知光が主検出器に入
射すると、分光用光の検出に妨害となった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、 1.検知光を、主検出器では検出できない波長にする。 2.分光された光を検出する主検出器の前に、検知光の
波長のみを吸収するフィルターを設ける。
【0008】3.検知光を分光器の駆動時にのみ入射さ
せ、このときに位置検知を行う。分光測定時には検知光
を入射させない。のいずれかまたは組み合わせたものを
構成とする。
【0009】
【作用】
1.主検出器は検知光を検出しない。 2.検知光の波長が吸収される。 3.分光測定時には検知光は入射しない。
【0010】このため、検知光が主検出器に入射するこ
とがなくなり、分光用光の検出に妨害がなくなる。従っ
て、分光精度が向上する。
【0011】
【実施例】以下図面に基づき本発明の実施例を詳細に説
明する。図1について説明する。入射スリット3は、分
光用光源2からの分光用光をビーム状に入射させる。な
お、分光用光は、原子吸光分光分析用の光、ICP発光
分光分析用の光、または赤外線分光分析用等の光を用い
ることもある。
【0012】入射スリット3から入射した分光用光は、
凹面鏡であるカメラミラー4で平行光線になって後、主
波長分散素子である主格子6に入射する。主格子6に
は、入射スリット3のスリット方向と平行な溝(これも
スリットと言う)が1800〜4800本/mm程度有する反射型
回折格子である。
【0013】主格子6に入射した分光用光は、主格子6
で分光された後、分光された光を集光するためのコリメ
ータミラー7を通って、出射スリット8から出射し、出
射スリット8の後方の主検出器10で検出される。この
とき、主格子6は、駆動部11により分光方向に回転可
能になっており、その回転は、制御部12により正確に
制御されている。駆動部11を適切に駆動することによ
り、任意の波長の光を出射スリット8に出射させ、任意
の波長の光の強度を測定する。つまり、分光用光の分光
強度(スペクトル)が測定される。
【0014】分光用光の上方(下方でも良い)に波長幅
の非常に狭い光源1を入射スリット3に検知光が入射す
るように設ける。光源1から発せられた波長幅の狭い光
(レーザ)は、入射スリット3を通過し、横方向に回折
されて広がりながら、カメラミラー4に入射する。カメ
ラミラー4で平行光線になった検知光は、副格子5に入
射し、複数の次数で複数の方向に回折される。副格子に
は主格子と同じ方向にスリットが10〜 100本/mm程度設
けられている。副格子5で回折された光は、コリメータ
ーミラー7を経て副検出器9上に結像する。
【0015】副格子5は、主格子の上方(下方でも良
い)に取り付けられており、主格子6と同様に駆動部1
1により駆動される。副格子5が主格子6と共に駆動
(回転)されるに従い、副検出器9上を複数の回折光が
横切る。これは、高次の回折光が生じるために、複数の
回折光が発生するためである。
【0016】検知光の波長は既に既知であるため、ある
点での位置を覚えておけば、横切った回折光の数と回折
光の位置とから主格子6の位置が検知できる。主検出器
10には、一般に光電子増倍移管が用いられることが多
い。光電子増倍管は、その光電面によって、検出できる
波長範囲が決まる。例えば、真空紫外に高感度な光電子
増倍管の場合には、赤外の検出感度がないものがある。
そこで、検知光は、主検出器10では検出できないよう
な波長にしておく。例えば、光通信に多く用いられる半
導体レーザーは赤外の波長を発するので、紫外部に高感
度を持つ光電子増倍管は半導体レーザーの赤外光を検出
できない。また、副検出器9は、検知光の波長を高感度
で検出できる検出器を用いる。例えば、光通信に用いら
れる赤外に強い感度を持つ検出器を用いる。主検出器1
0で赤外光を分光測定したい場合には検知光を紫外光と
し、副検出器9として紫外に感度を持つ検出器を用いれ
ばよい。
【0017】このとき、検知光の波長は主検出器10に
は検出できない波長であるので、検知光の妨害無しに分
光測定が実施できる。図2は、本発明の別の実施例であ
る。主検出器10の前には、検知光の波長のみを吸収す
るフィルター13が設けられる。なお、副検出器9の検
出部前にはフィルター13が位置されないようになって
いる。このため、検知光の主検出器10への妨害無しに
分光測定、および主格子6の位置検知が可能になる。
【0018】図3は、本発明の更なる別の実施例であ
る。制御部12は、検知光を分光器の駆動時に点灯し、
このときに位置検知を行なう。分光測定時には検知光を
消灯して、このときに分光測定を行なう。図4は、本発
明のまた別の実施例である。入射スリット3の前には、
検知光の遮断装置14が設けられる。制御部12は、位
置検知をするときには、検知光を透過させるが、分光測
定時には、検知光を遮断するように遮断装置14を制御
する。
【0019】図5は、本発明の他の実施例である。入射
スリット3の前には、検知光と分光用光のどちらかを入
射スリット3に入射させるか切り換える光路切り替え装
置15が設けられる。光路切り替え装置15は、例え
ば、45度に傾けたミラー15aを備えており、ミラー
15aを光路上に出し入れすることにより検知光と分光
用光とが入射スリット3に入射するのを切り替える。制
御部12は、位置検知をするときには検知光を入射さ
せ、分光測定時には検知光を遮断し分光用光を入射させ
るように光路切り替え装置15を制御する。図3から図
5の実施例では、時間的に副検出器9への検知光の入射
を制限するため、検知光の妨害無しに分光測定が実施で
きる。
【0020】遮断装置14や光路切り替え装置15は、
光源から主検出器10までのどこに置いてもよい。位置
検知と分光測定をほぼ同時に行ないたいときには、パル
ス点灯や、チョッパーを用いて時分割してから同期をと
ってもよい。
【0021】ここにあげた実施例の分光器は、ツェルニ
・ターナー型のものである。他に、エバート形や、瀬谷
浪岡型などの分散素子を回転させるタイプの分光器にも
用いることができる。主波長分散素子としては、ここに
述べたように平面回折格子を用いることができるが、他
に凹面回折格子、透過型回折格子、プリズムなどを用い
ることもできる。主格子6は、副格子5の上側または、
下側に置くのが理想的であるが、他の配置でもよい。ま
た、カメラミラー4とコリメーターミラー7は、主格子
6用のものを副格子5用に用いてもよいし、別々のもの
を用いてもよい。別々のものを用いる場合には、凹面鏡
の他に平面鏡や凸面鏡を用いてもよい。光源1として
は、単色光のレーザーの他に、ホロカソードランプや水
銀ランプなどの波長幅の狭いものを用いることができ
る。光源1の位置は、入射スリット3の外側の他に、入
射スリット3とは異なる開口部の外側や、入射スリット
3の内側、カメラミラー4の位置、コリメーターミラー
7の位置などに置いてもよい。副格子5への入射光の角
度と、副検出器9への出射光の角度は、駆動軸に垂直で
あってもよいし、駆動軸に対して角度を持ってもよい。
副格子5は、副格子5への入射光の角度と、副検出器8
への出射光の角度に応じて、駆動軸に対して角度を持っ
てもよい。副検出器9の位置は、出射スリット8の近く
でもよいし、コリメーターミラー7の位置でもよいし、
そのほかの分光器の内外の適当な位置に置いてもよい。
主検出器10と、出射スリット8との間に分光した光を
照射するものを置いてもよい。
【0022】
【発明の効果】主波長分散素子と副波長分散素子を全く
別に遮断したり、検知光が主検出器に入射しないように
厳重に遮光する必要なしに、検知光の主検出器への妨害
を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の斜視図である。
【図2】本発明の別の実施例の斜視図である。
【図3】本発明の更なる別の実施例の斜視図である。
【図4】本発明のまた別の実施例の斜視図である。
【図5】本発明の他の実施例の斜視図である。
【符号の説明】
1 光源 2 分光用光源 3 入射スリット 4 カメラミラー 5 副格子 6 主格子 7 コリメーターミラー 8 出射スリット 9 副検出器 10 主検出器 11 駆動部 12 制御部 13 フィルター 14 遮断装置 15 光路切り替え装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/61 G01J 3/00 - 3/52 実用ファイル(PATOLIS) 特許ファイル(PATOLIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分光する分光用光を入射する入射スリッ
    トと、 前記分光用光を分光する主波長分散素子と、 分光された特定波長の光を出射する出射スリットと、 分光され前記出射スリットを出射した光を検出する主検
    出器と、 前記主波長分散素子を分光方向に回転駆動する駆動部
    と、 前記駆動部の駆動を制御する制御部と、 前記分光用光よりも大きい強度であり、波長幅の狭い検
    知用の光を発生する光源と、 前記主波長分散素子と固定して駆動され前記検知用の光
    を回折する副波長分散素子と、 前記副波長分散素子からの回折光を検出する列状に並ん
    だ複数の検出素子から成る副検出器とからなる分光器に
    於て、 前記検知用の光は、主検出器では検出できない波長の光
    であることを特徴とする分光器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の分光器であって、前記主検出器の回折光検出部の前に前記検知用の光のみ
    を吸収するフィルターを設けたことを特徴とする分光
    器。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の分光器であって、前記制御部は、前記検知用の光を前記分光器の駆動時に
    点灯させ、分光用光の測定時に消灯するように制御する
    ことを特徴とする分光器。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の分光器であって、前記分光器は、前記入射スリットの前に遮断装置を設け
    ており、 前記制御部は、分光用光の測定時に当該遮断装置により
    前記検知用の光を遮断するよう制御することを特徴とす
    る分光器。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の分光器であって、前記分光器は、前記入射スリットの前に前記検知用の光
    と前記分光用光のどちらか一方を入射スリットに入射さ
    せる光路切替え装置を設けており、 前記制御部は、分光用光の測定時に当該光路切替え装置
    により、前記検知用の 光を遮断するよう制御することを
    特徴とする分光器。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の分光器であって、前記光路切替え装置は、光路に対して45度に傾けたミ
    ラーを備え、当該ミラーを光路に出し入れ可能であるこ
    とを特徴とする分光器。
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