JP3262351B2 - 燃料素子を包被したタバコ材／ガラス繊維材製断熱ラッパーを有する喫煙物品 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、シガレット等の喫煙物
品に関し、特に、燃料素子と、それとは物理的に別体の
エアゾール発生手段と、マウスピースと、燃料素子の少
くとも一部分を囲繞した繊維質の断熱ラッパーから成る
喫煙物品に関する。この喫煙物品は、喫煙者に喫煙の喜
び（例えば、喫煙の香喫味、感触、満足感等）を与える
ことができる。

【０００２】

【従来の技術】シガレット（紙巻タバコ）、及び、葉
巻、パイプタバコ等は、いろいろな形態のタバコ材を用
いるポピュラーな喫煙物品であるが、これらのポピュラ
ーな喫煙物品の改良又はその代替品としていろいろな種
類の喫煙製品及び喫煙物品が従来から提案されている。
シガレットの主流煙の組成を改変するためのいろいろな
方法が、従来から提案されている。例えば、米国特許第
４，０７９，７４２号には、多数のタバコ代替物喫煙物
品が記載されている。又、１９７０年代のヨーロッパに
は、タバコ代替物喫煙物品が、「シトレル（Ｃｙｔｒｅ
ｌ）」や「ＮＳＭ」という商品名で導入されたが、長期
間に亙っての商業的成功を実現することができなかっ
た。又、風味付蒸気及び／又は可視エアゾールを発生す
るために用いられる喫煙物品も、例えば米国特許第４，
７１４，０８２号の背景技術の欄に記載されている。

【０００３】タバコ材を燃焼させる必要なしに、かつ、
多量の量の不完全燃焼生成物を発生することなく、シガ
レット及び葉巻タバコ喫煙の喜びを与えることができる
喫煙物品は、米国特許第４，７０８，１５１号、４，７
１４，０８２号、４，７３２，１６８号、４，７５６，
３１８号、４，７９３，３６５号、４，８１９，６６５
号、４，８２７，９５０号、４，８５４，３３１号、
４，８５８，６３０号、４，８８１，５５６号、４，８
９３，６３９号、４，９０３，７１４号及び４，９３
８，２３８号に開示されている。そのような喫煙物品
は、熱発生のための可燃燃料素子と、燃料素子とは物理
的に別個に、しかし、燃料素子と熱交換関係に配置され
たエアゾール創生物質を用いる。エアゾール発生手段
は、通常、タバコ香味改変剤、タバコ香味料、及びグリ
セリンのようなエアゾール創生物質を始め、圧縮タバコ
材ペレット、タバコ材抽出物等のいろいろな形態のタバ
コ材を含む。喫煙中、燃料素子によって発せられた熱が
エアゾール創生物質を揮発させ、それによってタバコ煙
に似たエアゾールを発生する。このような喫煙物品は、
ＦＴＣ喫煙条件下でのタールの発生量が少なく、かつ、
可視副流煙の発生量が極めて少ない。

【０００４】米国特許第４，７５６，３１８号には、短
い燃料素子と、それとは物理的に別体のエアゾール発生
手段と、マウスピースと、エアゾール発生手段の少くと
も一部分を囲繞したタバコ材ジャケットから成る喫煙物
品が開示されている。同特許の第１５欄第６０行〜第１
６欄第３５行には、このタバコ材ジャケットにガラス繊
維材をシート、ストリップ又は筒の形で含めることがで
きると記載されている。ガラス繊維材を含有したタバコ
材シートは、慣用の製紙技術を用いて調整され、そのガ
ラス繊維含有量は、約３０〜７０重量％であるとされて
いる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記米国特許第４，７
５６，３１８号に記載されているような喫煙物品の改善
が望ましいことは明らかである。本発明は、そのような
改善を達成することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、非可燃性の、好ましくは繊維質の断熱
材、好ましくはガラス繊維材と組合せてタバコ材、又は
タバコ材含有材が使用された改良されたシガレット及び
その他の喫煙物品を提供する。本発明の好ましい実施例
においては、タバコ材の実質的な熱分解又は熱崩壊生成
物を生じることなく、タバコ風味又はその他の風味及び
芳香が得られるように、主としてタバコ材又はタバコ風
味材から成る層と、主としてガラス繊維材のような繊維
質断熱材から成る１つ又はそれ以上の層とを交互に配置
する。本発明の特に好ましい、タバコ材とガラス繊維材
から成るラッパー（以下、単に「タバコ材／ガラス繊維
材製ラッパー」とも称する）は、喫煙物品の内部から外
部に向って、タバコ材、ガラス繊維材、タバコ材、ガラ
ス繊維材の順に積層した少くとも４層の積層シート材で
構成する。この組合せは、完成したシガレット又は喫煙
物品においては燃料素子を取巻く４つの同心環状体（リ
ング）のようにみえる。

【０００７】基本的にいえば、本発明は、（1）短い、
可燃燃料素子と、（２）該可燃燃料素子の外周面の少く
とも一部分を囲繞した断熱ラッパーを有し、該断熱ラッ
パーは、（ａ）少くとも１層の繊維質断熱材と、（ｂ）
少くとも１層のタバコ材含有材を含む少くとも２つの別
個のセグメントから成ることを特徴とする喫煙物品を提
供する。所望ならば、エアゾール発生手段を燃料素子の
後に長手方向に配置することができる。

【０００８】先に述べたように、本発明のある種の好ま
しい実施例においては、燃料素子の外周面を(1) 第１繊
維質断熱材層と、(2) 第１タバコ材含有シートと、(3)
第２繊維質断熱材層と、(4) 第２タバコ材含有シートの
少くとも４つの層から成るタバコ材／ガラス繊維材製ラ
ッパーによって包被する。例えば、風味の送給量を増大
させるために、ガラス繊維材層に若干のタバコ材、又は
１種類又はそれ以上のタバコ風味材又はその他の風味材
を含有させることができる。同様にして、主としてタバ
コ材又はタバコ風味材（即ち、タバコ材含有シート）か
ら成るシートに、それらの層の構造的一体性を増大させ
るためにガラス繊維又はその他の繊維質材を含有させる
ことができる。それらの層の空間的配置、即ち、燃料素
子の周りに配列する順序も、喫煙物品の特性を改変する
ためにいろいろに変更することができる。

【０００９】本発明のタバコ材／ガラス繊維材製ラッパ
ーを使用することによって、送給されるエアゾールの風
味が、タバコ材又はタバコ風味材を含有しないガラス繊
維材の断熱層を用いた喫煙物品のエアゾールに比べて、
相当に高められる。

【００１０】本発明によれば、エアゾール風味のこの改
善は、タバコ材を実質的に燃焼させることなく達成され
るようにすることが好ましく、この目標を達成すること
ができる理由の少くとも１つは、本発明の好ましい実施
例の物理的構成である。本発明に従って製造された喫煙
物品は、風味の上では、タバコ材を燃料として燃焼させ
る同様な喫煙物品を上回る。本発明の好ましい実施例で
は、発生するエアゾール内に含まれる燃焼生成物及び不
完全燃焼生成物の量が少ない。

【００１１】本発明のタバコ材／ガラス繊維材製断熱ラ
ッパーは、長さを約２０ｍｍ未満とするのが有利であ
り、燃料素子の周りに包被したとき、その喫煙物品の円
周を典型的なシガレットの呼び円周（約２４．５ｍｍ）
とするのに十分な厚さとする。タバコ材／ガラス繊維材
製断熱ラッパーの全体の厚みは、そのタバコ材／ガラス
繊維材製断熱ラッパーが包被する燃料素子の特性によっ
て異なるが、約１．５ｍｍ〜約５又は６ｍｍの範囲とす
ることができ、燃料素子及び喫煙物品の燃料端側の紙ラ
ッパー又はその他の部材と合せて、約８ｍｍの外径を呈
するのに十分な厚さとすることが好ましい。

【００１２】喫煙中、積層されたタバコ材／ガラス繊維
材製ラッパーは、少くとも部分的に熱分解し、ある程度
燃焼することさえあり、それによって大気中にタバコ煙
の特有の芳香、即ち、喫煙者がシガレットに期待する芳
香を放出する。本発明のラッパー中のタバコ材は、典型
的なシガレットの芳香を発生することに加えて、エアゾ
ール発生手段に及ぼされる燃料素子の熱の作用によって
発生する主流エアゾールに知覚できるタバコ煙喫味を付
与する。

【００１３】かくして、本発明は、喫煙物品のタバコ煙
喫味を実質的に改善する少量のタバコ材を好ましくはシ
ートの形態で断熱ラッパーに加えることを可能にする。
本発明のタバコ材を積層の形で断熱材に含有させる本発
明の方式は、そこに含まれたタバコ材の熱分解及び、又
は燃焼を減少させ、従って、主流エアゾールの喫味及び
側流の芳香を改善するとともに、主流エアゾールのエア
ゾール含量の制御を可能にする。しかも、これは、本発
明によれば、悪い喫味や、嫌な臭いを加えることなく達
成することができる。

【００１４】先に述べたように、好ましい喫煙物品は、
短い（即ち、喫煙前の時点で約３０ｍｍ未満の長さを有
する）好ましくは炭素質の可燃燃料素子を有する。この
燃料素子は、通常、長さ約９ｍｍ、直径約４．５ｍｍの
押出物体であり、複数の長手方向の貫通通路（又は穴）
及び、又は外周面に形成されたスロットを備えている。
これらの通路は、燃料素子の点火を容易にし、くすぶり
中燃料素子の燃焼を維持するのを助成する。これらの通
路は、又、燃料素子からエアゾール発生手段への熱伝達
を制御するのを助成する働きを模する。典型的な燃料素
子の密度は、約０．８５〜約１．２５ｇ／ｃｃの範囲で
ある。

【００１５】本発明の好ましい喫煙物品は、通常刻み補
充料の形としたタバコ材のロール又は装入物を有し、こ
れを紙等のラップ材で包被してタバコロッドの形とす
る。このタバコ材ロールはエアアゾール発生手段の少く
とも一部分を囲繞することが好ましい。このタバコ材
は、嵩膨脹させた刻み補充料又は水性抽出し膨嵩させた
刻み補充料等の加工タバコ材であってよい。このタバコ
ロッドには、その一成分としてガラス繊維材のような断
熱材を含めることもできる。

【００１６】好ましい喫煙物品のエアゾール発生手段
は、燃料素子とは物理的に別体とし、該燃料素子の後に
長手方向に配置される。エアゾール発生手段は、熱伝導
性か、あるいは耐熱性のカプセル又は容器又はハウジン
グ内に収容するすることが好ましく、タバコロッドの長
手方向貫通通路内に配置する。この容器内には、１種類
又は１種類以上のエアゾール創生物質を装入する。その
ようなエアゾール創生物質としては、例えばタバコ粉
末、噴霧乾燥させたタバコ材抽出物又はタバコエッセン
ス等のタバコ材、及び、又は、糖類、甘草、ココア等の
タバコ風味料があり、更には、蒸発すると煙状の可視エ
アゾールを発生するグリセリン、プロピレングリコール
及びトリエチレングリコール等の多価アルコールがあ
る。上記容器内に入れるエアゾール創生物質は、通常、
アルミナビード、繊維質炭素材、圧縮（例えば、マルメ
ライザーで丸められた）タバコ材、炭素、又はアルミナ
又はそれらの混合物等の基材（キャリア）に担持させ
る。

【００１７】又、好ましい喫煙物品には、マウスピース
を設ける。シガレット喫煙物品の場合は、このマウスピ
ースは、通常、筒状とするが、マウスピースは、例え
ば、シガレットホルダーやパイプとして別個に設けるこ
ともできる。好ましい喫煙物品のマウスピースは、通
常、フィルタプラグセグメントの形とする。このフィル
タプラグセグメント（以下、単に「フィルタセグメン
ト」又は「フィルタ」とも称する）は、吸引中（即ち、
使用したとき）エアゾール発生手段から喫煙者の口への
エアゾールの通過をできるだけ妨害しないように低濾過
効率を有するものであることが好ましい。エアゾール発
生手段とマウスピースとの間に、ひだ寄せタバコ紙（タ
バコ材製の紙をひだ寄せしたもの）、又はメントールを
含有したひだ寄せ炭素入りシートのような風味含有材の
セグメントを配設することも好ましい。

【００１８】ここでいう「エアゾール」とは、可視、不
可視を問わず、蒸気、ガス、粒子等のことをいい、特
に、燃料素子からの熱がエアゾール発生手段内又は喫煙
物品のどこか他の部分に包含されている物質に作用する
ことによって創生され、喫煙者にとって「煙」のように
見える成分のことをいう。

【００１９】ここでいう「伝導熱交換関係」とは、熱が
燃料素子の燃焼中終始燃料素子からエアゾール発生手段
へ伝導によって伝えられるように配置されたエアゾール
発生手段と燃料素子との物理的構成をいう。伝導熱交換
関係は、エアゾール発生手段を燃料素子に接触させて、
燃料素子の燃焼部分に近接するように配置することによ
って、及び、又は、燃焼する燃料素子からエアゾール発
生手段へ熱を伝えるための伝導部材を用いることによっ
て設定することができる。伝導による熱伝達を行なう上
記２つの方法を併用することが好ましい。

【００２０】ここでいう「炭素質」とは、主として炭素
から成るという意味である。炭素質材料中の炭素含量
は、通常、約６０重量％とし、好ましくは約７０重量％
とする。

【００２１】ここでいう「断熱材」は、主として断熱の
機能を果すあらゆる材料を含む。それらは、使用中燃焼
しないものであることが好ましいが、緩燃性炭素等、及
び、低温品種のガラス繊維材のような、使用中溶融する
物質を含むものであってもよい。好ましい断熱材は、繊
維質のもの、例えばガラス繊維、単層繊維等である。こ
れらの材料を、集合的に、単に「ガラス」と称する。断
熱材は、ｇ−ｃａｌ／（ｓｅｃ）（ｃｍ² ）（℃／ｃ
ｍ）単位で約０．０５未満、好ましくは約０．０２未
満、最も好ましくは約０．００５未満の熱伝導性を有す
ることが好ましい。（「ハックの化学辞典」３４、１９
６９年第４版及び「ラングの化学ハンドブック」１０、
２７２−２７４、１９７３年第１１版参照）。

【００２２】ここでいう「タバコ材含有材」とは、タバ
コ材抽出物、噴霧嵌挿タバコ材抽出物、粉砕タバコ葉、
タバコ粉末、裁刻タバコ葉又は葉柄、膨嵩タバコ又はそ
の他の加工タバコ等のいろいろな形態の、任意の量のタ
バコ材を含有した材料をいう。

【００２３】本発明の断熱ラッパーを用いた好ましい喫
煙物品は、ＦＴＣ喫煙条件のもとで喫煙した場合最初の
３パフ（３服）の吸込動作で、粒状物の総湿量（ＷＴＰ
Ｍ）として測定して少くとも０．６ｍｇのエアゾールを
送給することができる。ＦＴＣ喫煙条件とは、５８秒間
のくすぶり（休止）期間をはさんで２秒間の吸込動作
（吸込み容積３５ｍｌ）を行うことである。本発明のよ
り好ましい実施例による喫煙物品は、最初の３パフの吸
込動作で１．５ｍｇ又はそれ以上のエアゾールを送給す
ることができる。最も好ましい実施例では、ＦＴＣ喫煙
条件で喫煙して最初の３パフで２ｍｇ又はそれ以上のエ
アゾールを送給することができる。又、好ましい実施例
では、ＦＴＣ喫煙条件で喫煙して少くとも約６パフ、好
ましくは１０パフの吸込動作において１パフ当り平均少
くとも約０．２ｍｇ（ＷＴＰＭ）のエアゾールを送給す
る。

【００２４】

【実施例】第１図を参照すると、本発明の一実施例によ
るシガレット型喫煙物品１０が示されている。このシガ
レット型喫煙物品（以下、単に「シガレット」又は「喫
煙物品」とも称する）は、複数の長手方向の通路１１
（第２、３図）を有する燃料素子１２と、燃料素子１２
の後方に配置された、燃料素子とは物理的に別体のエア
ゾール発生手段１４を備えている。エアゾール発生手段
１４は、伝熱性カプセル１６と、その中に粒状のエアゾ
ール創生物質担持基材１８によって担持されて装入され
た１種類又はそれ以上のエアゾール創生物質から成る。
カプセル１６は、燃料素子１２の後端外周面にオーバー
ラップしている。カプセル１６の少くとも一部分は、タ
バコ材含有ジャケット２０によって囲繞されている。図
示の実施例では、マウスピース２２は、（１）エアゾー
ルに風味を加えるタバコ紙（タバコ材でできた紙）２６
の弛くひだ寄せしたウエブと、（２）フィルタ素子２８
として機能する不織ポリプロピレンのウエブの２つのセ
クションから成っている。更なる選択として、マウスピ
ースには、カプセル１６とタバコ紙２６の間又はその他
の場所に空間を設けることができる。

【００２５】本発明の代表的なシガレットは、ほぼ円形
の断面形状を有し、その円周は約２３〜約２８ｍｍ、長
さは約７０〜約１００ｍｍである。

【００２６】再び第１図を参照して説明すると、燃料素
子１２は、該燃料素子の外周面後端ほぼ２ｍｍに被せた
伝熱性カプセル又は容器１６によって所定位置に保持さ
れる。カプセル１６は、燃料素子をぴったり受容し、摩
擦嵌合によって保持するように直径を定められている。
カプセル１６は、薄い金属板（例えば、アルミニウム）
のような耐熱性材料で製造するのが有利である。それに
よって、熱は、燃焼する燃料素子からカプセルの壁を介
してその中のエアゾール創生物質に効果的に伝導され
る。カプセルは、燃料素子１０の後端を受容するための
開放した前端と、閉鎖した後端（吸口側の端部）を有す
るほぼ円筒状の筒である。カプセルの閉鎖端は、燃料素
子からの熱によって創生された揮発エアゾールをマウス
ピースへ通すための１つ又はそれ以上の小さな開口を有
している。

【００２７】第１及び２図を参照して説明すると、燃料
素子１２は、タバコ材含有材と繊維質断熱材（好ましく
はガラス繊維材）の複数の環状体（リング）から成る断
熱ラッパー（「ジャケット」とも称することができる）
によって囲繞されている。第２図に示されるように、好
ましい実施例では、この断熱ラッパーは、(1) 燃料素子
１２の外周面に隣接した第１ガラス繊維層１００と、
(2) 第１タバコ材含有シート材１０２と、(3) 第１タバ
コ材含有シート材１０２に隣接した第２ガラス繊維層１
０４と、(4) 第２タバコ材含有シート材１０６を含む４
つの環状体から成るものとし、最外側の環状体を外側紙
ラッパー１０８によって包被する。

【００２８】本発明のシガレット型喫煙物品の実施例で
は、繊維質断熱材は、通常、約０．６〜約１．５ｍｍ、
好ましくは約１．２ｍｍの厚さとし、タバコ材含有材の
厚さは、通常、約０．０９〜約０．１７ｍｍ、好ましく
は約０．１３ｍｍとする。シガレット型喫煙物品以外の
喫煙物品の場合は、各部材の厚さを必要に応じて変更す
ることができる。

【００２９】第１図を参照して説明すると、エアゾール
発生手段のカプセル１６は、ロッド、ロール又はその他
の形態のタバコ材２０（通常、刻み補充料）によって囲
繞することが好ましい。タバコ材２０のこのセグメント
は、喫煙物品の使用中、燃料素子からの熱によって加熱
されて（必ずしも燃焼されない）、主流エアゾール内ヘ
タバコ風味成分を放出する。このタバコ材セグメント
は、現在の高速シガレット製造装置を用いて容易に製造
することができる。

【００３０】エアゾール創生物質を担持するエアゾール
創生物質担持基材（以下、単に「基材」とも称する）１
８は、いろいろな形態のものとすることができ、１種類
又はそれ以上の基材をカプセル１６内に装入することが
できる。例えば、基材１８として、（i)好ましくはグリ
セリン及びタバコ材抽出物を担持し、燃料素子の後端に
近接して配置されたアルミナビード、(ii)１種類又はそ
れ以上の風味材及び、又はタバコ材抽出物及びグリセリ
ンを含有したマルメライザーで造粒された、あるいはそ
の他の態様で圧縮されたタバコ材又は炭素及び、又はア
ルミナ、及び又は(iii) グリセリン及びタバコ材抽出物
を担持し、紙ラッパーによって包被された、ひだ寄せさ
れたタバコ紙を使用することができる。基材として有用
なその他の材料は、当業者には周知である。

【００３１】先に述べたように、燃料素子とエアゾール
発生手段の組合せ体は、空間２４によってマウスピース
２２から離隔させることができる。この空間は、マウス
ピースの他の構成部材のサイズを必要に応じて調節する
ことによって、約１０〜約３０ｍｍ、好ましくは約１０
〜約１５ｍｍの範囲とすることができる。この空間は、
（１）エアゾール発生手段から放出される高温ガスを、
それが喫煙者の口に吸い込まれる前に冷却すること、
（２）エアゾールのための成核チャンバーとして機能す
ることによって可視煙の形成を助成することの２つの主
要な機能を有する。あるいは別法として、空間をなく
し、その空間を例えば、風味添加剤、低効率フィルタ等
で充填してもよい。

【００３２】マウスピース２２は、ジャケット（断熱ラ
ッパー１０２〜１０６及びタバコ材含有ジャケット２
０）によって囲繞され、簡単な外側紙ラッパー１０８に
よって包被された燃料素子１２とカプセル１６から成る
前端部組立体に当接させることができるような形態及び
寸法とすることが好ましい。あるいは別法として、マウ
スピースの外側層は、例えば金属箔で内張りされた紙
筒、成形プラスチック又は厚い紙等の任意の入手しうる
材料で製造することができる。

【００３３】筒状マウスピース２２内には、タバコ材含
有シート材、又はメントール又はその他の風味源を含有
した炭素入りシート材のロール２６が空間２４に隣接し
て配置されている。ロール２６は、紙ラッパーで包被す
ることが好ましい。又、マウスピース２２内の吸口端側
には、不織ポリプロピレン繊維のひだ寄せシートのよう
なフィルタ材と、それを囲包したプラグラッパーから成
る低効率フィルタ素子２８が配設されている。所望なら
ば、マウスピースと、前端部組立体の一部分とをチップ
紙で包被することによって両者を結合することができ
る。更に、所望ならば、このシガレットの吸口端近くに
レーザー穿孔法又は機械的穿孔法を用いて稀釈空気導入
のための一連のパーフォレーション（図示せず）を環状
に穿設することができる。

【００３４】使用において、喫煙者は、燃料素子に点火
し、燃料素子が燃焼して熱を発生する。発生した熱は、
伝導及び、又は対流によって燃料素子の一端を囲繞して
いるカプセル１６に伝達される。基材１８及びエアゾー
ル創生物質に接触しているカプセル１６からの熱が、エ
アゾール創生物質を揮発させるのを助成する。喫煙者が
吸い込むと、加熱された空気がカプセル内に入り、カプ
セルないで基材１８に接触する。エアゾール創生物質に
与えれたこの追加の熱が、エアゾール創生物質を揮発さ
せる。揮発した物質は、カプセルからその後端に形成さ
れた開口（図示せず）を通って流出する。吸引された空
気と揮発物質は、マウスピースを通る間に冷却される。
使用される特定のエアゾール創生物質に応じて可視「煙
状」エアゾールが創生される。吸引された空気と揮発物
質は、マウスピース内に配設された風味材を通して流
れ、風味材から風味成分を吸収して喫煙者の口中に吸い
込まれるようにするのが有利である。

【００３５】燃料素子１２のための本発明のタバコ材／
ガラス繊維材製（タバコ材とガラス繊維材とから成る）
断熱ラッパー又は断熱ジャケット（１００〜１０６）
は、当業者に周知の慣用の技法によって調製することが
できる。好ましい方法の１つは、燃料素子／カプセル組
立体（燃料素子とカプセルの組立体）即ちカートリッジ
を長さ約１５ｍｍのタバコ材／ガラス繊維材製断熱ジャ
ケットで包被する方法である。好ましいタバコ材／ガラ
ス繊維材製断熱ジャケットの１例は、２層のオーエンス
・コーニング社製Ｃガラス繊維マットと、該２層のガラ
ス繊維マットの間に挟まれた第１再生タバコ紙シート
と、外側の層のガラス繊維マットを包被する第２再生タ
バコ紙シートから成るものである。好ましい再生紙シー
トの１例は、ブレンドタバコ材抽出物を含有したキンバ
リ・クラーク・コーポレーシヨン社製のＰ２６７４−１
５７である。筒状に成形される前の状態では、これらの
好ましい第１（内側）及び第２（外側）再生タバコ紙シ
ートは、それぞれ１９ｍｍ、２６．５ｍｍの幅を有して
いる。このジャケット付カートリッジ（タバコ材／ガラ
ス繊維材製断熱ジャケットで包被された燃料素子／カプ
セル組立体）の最終直径は、約７．５ｍｍである。

【００３６】好ましい同心タバコ材／ガラス繊維材製断
熱ジャケットは、米国特許第４，８９３，６３７号に記
載された装置を改変した装置を用いて製造することがで
きる。この改変装置は、ガラス繊維材層の間にタバコ材
含有材シートを介設させるように、ガラス繊維材層とタ
バコ材含有材シートを装填した複数のボビンを備えてい
る。当業者には明らかなように、単にボビンの配列及
び、又は各ボビンに装填される材料を変更することによ
って、ガラス繊維材層とタバコ材含有材シートの積層の
配列及び、又はそれらの数を変更することができる。

【００３７】別法として、タバコ材とガラス繊維材を、
湿式堆積法又は空気式堆積法によって一体的ユニットと
して組合せることもできる。この混合物中にタバコ材を
含有させる場合は、湿式堆積法ではタバコ在中の風味成
分が失われることがあるので、空気式堆積法を用いるこ
とが好ましい。このような一体的なタバコ材／ガラス繊
維マット又はラッパー又はジャケット（以下、単に「一
体マット」又は「一体ジャケット」とも称する）の形成
は、該一体マットを通して燃料素子へ流れる周辺空気の
流れを制御することを可能にする。この一体マットは、
燃料素子だけでなく、エアゾール発生手段の伝熱性カプ
セル１６をも囲繞するようにすることもできる。

【００３８】このような一体ジャケット中に含有される
タバコ材の量は、約１〜９９重量％、好ましくは約４０
〜７０重量％、最も好ましくは約５０〜６０重量％の範
囲とすることができる。一体ジャケット即ち一体的なタ
バコ材／ガラス繊維材製ラッパーを形成するための好ま
しいガラス繊維は、オーエンス・コーニング社製のＥガ
ラス繊維である。

【００３９】先に述べたように、本発明の断熱ジャケッ
トの製造は、当業者には明らかなように、慣用の製紙法
を用いて行うことができる。湿式堆積法においては、通
常、刻み補充料の形のタバコ材をホワイトペーパー内で
ガラス繊維と混合する。この混合物中のタバコ材ついガ
ラス繊維の比率は、約４：１〜約１：１の範囲とするこ
とができる。この混合物をヘッドボックスへ送り、ヘッ
ドボックス内で水分を絞り出してタバコ材とガラス繊維
から成るマット状の紙シートを形成する。

【００４０】一般に、タバコ材とガラス繊維材を水と混
合し、得られたスラリーを製紙ワイヤに載せて水分を除
去し、得られたシートを加熱されたローラの間に通すこ
とによって乾燥させることができる。ジャケットの強度
を増大させるために湿潤紙力増強剤を用いることができ
る。

【００４１】空気式堆積法においては、刻み補充料の形
のタバコ材とガラス繊維材を、空気による移送を容易に
するために小さい粒子に破砕する。次いで、破砕した粒
子を空気輸送によって整流器へ送り、整流器内でそれら
の粒子を混合する。この緊密な混合物を湿式堆積法にお
けるヘッドボックスの役割を果す型へ送り、その型上で
真空作用によって空気式堆積マットを形成する。次い
で、この空気式堆積マットを、その構造的一体性を与え
るために、ＳＣＭＣ（ナトリウムカルボキシメチルセル
ロース）等の結合剤で処理することができる。あるいは
別法として、空気式堆積法をそれぞれ別個に実施して、
所望数の層のガラス繊維材とタバコ材との積層マットを
形成することもできる。

【００４２】空気式堆積法及び、又は湿式堆積法で形成
されたタバコ材／ガラス繊維材製断熱ジャケットは、喫
煙物品の前端部組立体の全長、即ち燃料素子とエアゾー
ル発生手段の両方を囲繞するジャケットとして使用して
もよく、あるいは別法として、前端部組立体の一部分だ
けを囲繞するジャケットとして使用してもよい。

【００４３】先に述べたように、本発明の喫煙物品は、
エアゾール発生手段のエアゾール創生物質を揮発させる
のに十分な熱を発生する燃料素子を有している。。好ま
しい燃料素子は、その密度が０．５ｇ／ｃｃ以上、多く
の場合約０．８ｇ／ｃｃ以上、通常は約１．５ｇ／ｃｃ
未満となるように可燃材料から製造する。燃料素子の長
さは、通常約２０ｍｍ未満、多くの場合約１５ｍｍ、代
表的な例では約９ｍｍとする。

【００４４】燃料素子１０の可燃材料の組成は、いろい
ろなものとすることができる。好ましい燃料素子は、炭
素を含有したものであり、特に好ましい燃料素子は、主
として炭素質材で製造されたものである。好ましい炭素
質燃料素子の炭素含量は、約６０重量％であり、より好
ましくは約７０重量％以上とする。炭素質燃料素子の幾
つかの好ましい実施例では、燃料素子を炭素と、タバコ
材と、結合剤の混合物で構成する（例えば、後述する例
１参照）。炭素質燃料素子の他の好ましい実施例では、
燃料素子にタバコ材を含有させない（例えば、米国特許
第４，８５４，３３１号及び４，９１７，１２８号参
照）。

【００４５】燃料素子にタバコ材を含有させることに加
えて、風味料、タバコ材抽出物、充填材（例えば、クレ
ー又は炭酸カルシウム）燃焼添加剤（例えば、くすぶり
特性を改善し、残燼防止剤として機能する塩化ナトリウ
ム）、燃焼改変剤（例えば、燃焼性を制御する炭酸カリ
ウム）、結合剤等の他の成分を含有させることもでき
る。炭素質燃料素子のいろいろな例が、米国特許第４，
７１４，０８２号及び４，７５６，３１８号に記載され
ている。

【００４６】あるいは又、燃料素子は、粉砕タバコ材、
再生タバコ材、熱処理又は熱分解させたタバコ材、セル
ロース質材、改変セルロース質材等から製造することも
できる。可燃材料の例は、米国特許第４，３４７，８５
５号、３，９３１，８２４号、３，８８５，５７４号及
び４，００８，７２３号、及びシッチング著「タバコ代
替物」ノイス・データ・コーポレーシヨン（１９７６）
に記載されている。

【００４７】本発明の喫煙物品のための燃料素子は、金
型成形、機械加工、加圧成形又は押出成形によって所望
の形状に形成することができる。好ましい押出成形によ
る炭素質燃料素子は、最高約９５部の炭素質材と、最高
約２０部の結合剤と、最高約２０部のタバコ材（例え
ば、タバコ材粉末及び、又はタバコ材抽出物）を、堅い
ドウ状コンシステンシーを有するペーストとするのに十
分な水と混合することによって調製することができる。
次いで、このペーストを、ラム又はピストン型押出機を
用いて、所望数の通路又は空隙を有する所望の形状に押
出成形することができる。次いで、この押出されたペー
ストを乾燥し、その含水量を約２〜約７重量％とする。
次に、この長尺押出成形物を一定の長さに切断し、複数
個の個別燃料素子を得る。

【００４８】本発明の喫煙物品は、又、燃料素子とは物
理的に別体のエアゾール発生手段を有する。即ち、エア
ゾール発生手段は、燃料素子とは混ざらず、燃料素子の
一部分でもない。エアゾール発生手段は、そのエアゾー
ル創生物質を加熱してエアゾールを発生させるために、
燃焼する燃料素子からの熱を伝達されるように燃料素子
と熱交換関係におかれる。

【００４９】好ましいエアゾール発生手段は、エアゾー
ル創生物質を担持するための基材を有する。基材として
好ましいのは、多孔質で、不使用時にはエアゾール創生
物質を保持することができ、喫煙者が吸引したときはエ
アゾール創生物質を放出することができるものである。

【００５０】本発明の喫煙物品に使用しうる基材の１つ
は、熱的に安定した材料（例えば、熱分解又は燃焼する
ことなく約４００〜約６００°Ｃの温度に耐えることが
できる材料）である。そのような材料の例としては、多
孔質炭素、グラファイト、炭素ヤーン、活性及び非活性
炭、及びセラミック等がある。好適な炭素基材は、ユニ
オン・カーバイド社製のＰＣ−２５及びＰＧ−６０、及
びカルゴン社製のＳＧＬ炭素、及び、アメリカン・キノ
ール・インコーポレイテッド社製のＣＦＹ−０２０４−
１、ＣＮ−１５７（ＨＣ）、ＣＮ−２１０（ＨＣ）、Ａ
ＣＮ−２１１−１０及びＡＣＮ−１５７−１０等であ
る。ユニオン・カーバイド社のスメルライト（登録商
標）のようなモリキュラーシーブも、基材の一部又は全
部として用いることもできる。その他の適当な基材とし
ては、Ｗ．Ｒ．グレース・アンド・カンパニーからＤ２
−２６００焼結αアルミナとして販売されているαアル
ミナビード等がある。

【００５１】本発明の喫煙物品に使用しうる別のタイプ
の基材は、炭素、タバコ材アルミナ又はそれらの混合物
から形成した圧縮ペレットである。好ましい圧縮ペレッ
トは、フジ・パウダル（株）製の「マルメライザ」を用
いて製造することができる。（米国特許第４，８９３，
６３９号参照）。

【００５２】本発明の喫煙物品に使用しうる更に別のタ
イプの基材は、紙又はタバコ紙（タバコでできた紙）等
のセルロース質材である。このタイプの基材は、通常、
紙のひだ寄せウエブを外側ラッパーで包被した円筒状の
セグメントとして形成する。そのような円筒状セグメン
トは、米国特許第４，８０７，８０９号に記載されてい
る装置及び方法を用いて製造されたロッドから得られ
る。ひだ寄せして基材を形成するための紙としては、例
えば、キンバリ・クラーク・コーポレーシヨンからＰ１
４４−Ｂという商品名で販売されているタバコ紙があ
る。

【００５３】上述した固形基材に代わるものとして、タ
バコ材粒子、保湿剤、及びエアゾール創生物質を結合
し、捕捉し、封入した凝固フィルム材を用いることがで
きる。そのような材料は、タバコ材、風味料及びその他
の成分をゼラチン、アルギン酸塩、アルブミン、寒天、
カゼイン、アラビアゴム、ペクチン等のゲル形成物質と
組合せることによって形成することができる。この材料
は、加熱されると分解し、封入されている成分を放出さ
せて煙状のエアゾールを発生する。

【００５４】エアゾール発生手段には、２種類以上の基
材を用いることもできる。例えば、１種類以上のエアゾ
ール創生物質を担持したアルミナビードを燃料素子の後
に配置し、そのアルミナビードの後に追加のエアゾール
創生物質を担持したひだ寄せ紙の円筒状セグメントを配
置することができる。

【００５５】エアゾール発生手段のエアゾール創生物質
は、液体、半固体、又は固体であってもよく、基材に担
持させる。好ましいエアゾール創生物質としては、多価
アルコール（例えば、グリセリン、プロピレングリコー
ル、トリエチレングリコール）、モノ、ジ、又はポリカ
ルボン酸の脂肪族エステル（例えば、ステアリン酸メチ
ル、ドデカンジ酸ジメチル、テトラデカンジ酸ジメチ
ル）等があり、好適な追加のエアゾール創生物質の例と
して、揮発性風味材、タバコ風味改変剤がある。揮発性
風味材としては、バニリン、ココア、甘草、有機酸、糖
類等がある。タバコ風味改変剤としては、アスパラギ
ン、レブリン酸、グルコースペンタアセテート等があ
る。

【００５６】先に述べたように、燃料素子とエアゾール
発生手段の間の熱交換関係を高めるために伝熱性カプセ
ル又は容器を用いるのが有利である。伝熱性カプセル
は、金属板又は金属フォイルから形成するのが好まし
い。通常、カプセル又は容器の肉厚さは、約０．０１〜
約０．２ｍｍの範囲とする。カプセル又は容器を製造す
るのに使用される材料の厚さ、形状及び、又は種類は、
所望の伝熱性を得るようにいろいろに変えることができ
る。好ましい伝熱部材は、薄いアルミニウム板を深絞り
することにより長さ約３０ｍｍ、外径約４．６ｍｍの円
筒状カプセルを形成することによって製造される。

【００５７】本発明の好ましい実施例では、基材及びエ
アゾール創生物質を収容した伝熱性カプセルをマウスピ
ースに取付けるが、シガレットホルダーのようなマウス
ピースを別個に設けることもできる。マウスピースは、
揮発したエアゾール創生物質即ちエアゾールを喫煙者の
口へ通す通路を構成し、揮発したエアゾール創生物質に
追加の風味を付与することもできる。マウスピースの長
さは、３０〜８５ｍｍの範囲とするのが好ましいが、喫
煙物品の要件に応じて変更することができる。マウスピ
ースの長さは、(i) 燃料素子の燃焼部分及び高温となる
伝熱部材を喫煙者の口及び指から離隔させるように、そ
して(ii)高温の揮発したエアゾール創生物質即ちエアゾ
ールが喫煙者の口に達するまでに冷却するのに十分な時
間を得るように定められる。

【００５８】好適なマウスピースは、通常、エアゾール
創生物質に対して不活性であり、凝縮又は濾過の結果と
してのエアゾールの損失を最小限にし、喫煙中の温度に
耐えることができるものである。マウスピースの例とし
ては、アメリカン・フィルトローナーコーポレーシヨン
社からＳＣＳ−１という商品名として販売されている可
塑化酢酸セルロース製チューブ、デユポン社からカプト
ンという商品名として販売されているポリイミド樹脂製
チューブ、アルミニウム箔で内張りされた紙製チューブ
がある。

【００５９】喫煙物品の吸口端には、特に外観上の理由
からフィルタ素子、即ちフィルタチップを設けることが
好ましい。フィルタ素子は、吸引中（即ち、使用したと
き）エアゾール発生手段から喫煙者の口へのエアゾール
の通過をできるだけ妨害しないように低濾過効率を有す
るものであることが好ましい。好適なフィルタ材は、低
濾過効率の酢酸セルロース又はポリプロピレン、中空成
形されたポリプロピレンである。好適なフィルタ素子
は、米国特許第４，８０７，８０９号の例１に記載され
たフィルタロッド形成装置を用いて、キンバリ・クラー
ク・コーポレーシヨン社からＰＰ−１００−Ｆという商
品名として販売されている不織ポリエチレンをひだ寄せ
することによって調製することができる。又、テネシー
・イーストマン社から販売されている高デニール（低密
度）酢酸セルロースも有用なフィルタ材である。

【００６０】先に述べたように、本発明の喫煙物品に
は、いろいろな形態のタバコ材を組入れる。特定の実施
例においては、１種類以上の形態のタバコ材を組入れる
ことができる。例えば、燃料素子を囲包するタバコ材／
ガラス繊維材製ラッパーに加えて、燃料素子自体にもタ
バコ材を導入することができる。先に述べたように、い
ろいろな風味のあるタバコ成分がマウスピースを通して
吸引されるエアゾールに付与されるように、タバコ材
は、エアゾール発生手段内、及び、又はマウスピース内
にも配設することができる。そのためのタバコ材はいろ
いろな種類のものであってよく、例えば、熱風乾燥タバ
コ材、バーレー種、オリエンタル種又はメアリーランド
種タバコ又はいわゆる珍種又は特殊タバコ、又はそれら
のブレンドである。

【００６１】タバコ材の形態の１つは、タバコ刻み補充
料、例えば、幅約１．２７〜約０．６３５ｍｍ、長さ約
６．３５〜７６．２ｍｍのストランド又は裁刻片から成
るタバコ刻み補充料である。「タバコ刻み補充料」と
は、刻みタバコ材から成る補充料のことであり、単に
「刻み補充料」とも称する。タバコ刻み補充料は、タバ
コ葉片、刻み圧延されたタバコ葉茎又は刻み膨嵩された
タバコ葉茎のような加工タバコ葉茎、又は再構成タバコ
材として供給することができる。タバコ刻み補充料は、
通常、紙ラッパーで包被された円筒形ロール又はタバコ
材の装入物としてシガレットに組入れられる。刻み補充
料のロッド又はロールは、当業者には周知のシガレット
ロッド製造技法及び装置を用いて調製することができ
る。タバコ刻み補充料は、又、所望ならば、エアゾール
発生手段にも組入れることができる。先に述べたよう
に、この種の刻み補充料は、通常、本発明の好ましいシ
ガレット型喫煙物品においてはエアゾール発生手段を囲
包するのに用いられる。

【００６２】本発明に広く使用されるもう１つの形態の
タバコ材は、タバコ紙（タバコ材でできた紙）である。
燃料素子を囲包するためのタバコ材／ガラス繊維材製ラ
ッパーに加えて、タバコ紙、例えばキンバリ・クラーク
・コーポレーシヨンからＰ１４４−Ｂという商品名で販
売されているタバコ紙のウエブを米国特許第４，８０
７，８０９号の例２に記載されている態様で弛くひだ寄
せし円筒形のセグメントとすることができる。このよう
なひだ寄せし他タバコ紙の円筒形のセグメントを(i) エ
アゾール創生物質のための基材として機能させるために
シガレット型喫煙物品のエアゾール発生手段のカプセル
又は容器内に、及び、又は(ii)マウスピース内に導入す
ることができる。所望ならば、タバコ紙は、シガレット
型喫煙物品のマウスピースの内張りとして使用すること
もできる。

【００６３】本発明に使用することができる更に他の形
態のタバコ材は、細分されたタバコ材である。そのよう
な形態のタバコ材としては、タバコ粉末や、細分タバコ
葉片がある。通常、細分タバコ材は、シガレット型喫煙
物品のエアゾール発生手段のカプセル又は容器内に装入
される基材に担持させるが、燃料素子内に導入すること
もできる。

【００６４】本発明に使用することができる更に他の形
態のタバコ材は、タバコ材抽出物である。タバコ材抽出
物は、当業者に周知の任意の方法で得ることができる
が、通常、水、二酸化炭素、六弗化硫黄、炭化水素（例
えばヘキサン、エタノール）、ハロカーボン（例えば市
販のフレオン）等の溶媒、又はその他の有機又は無機溶
媒を用いてタバコ材を抽出することによって得られる。
タバコ材抽出物としては、噴霧乾燥タバコ材の抽出物、
凍結乾燥タバコ材の抽出物、タバコ芳香油、タバコエッ
センスがある。好適なタバコ材抽出物を得るいろいろな
方法は、米国特許第４，５０６，６８２号、ヨーロッパ
特許公報第３２６，３７０号及び３３８，８３１号、及
び１９８９年５月２日付の米国特許願第３４６，０４２
号に記載されている。

【００６５】タバコ刻み補充料、タバコ紙及びフィルタ
材が組入れられている場合であっても、通常、少くとも
１種類のタバコ材抽出物を本発明のシガレット型喫煙物
品のエアゾール発生手段の基材に担持させることができ
る。又、タバコ材抽出物は、燃料素子内に導入すること
もできる。

【００６６】喫煙物品の全長又はその一部分をシガレッ
ト用巻紙で包被することができる。伝熱部材を包被する
紙は、喫煙物品の使用中燃え上がらないもの、制御可能
な煤ぶり特性を有するもの、灰色の灰を生じるものとす
べきである。そのようなシガレット用巻紙の例は、米国
特許第４，７７９，６３１号及びヨーロッパ特許公報第
３０４，７６６号に記載されている。好適な紙ラッパー
は、キンバリ・クラーク・コーポレーシヨン社製のＰ１
９８１−１５２、Ｐ１９８１−１２４及びＰ１２２４−
６３である。喫煙物品の吸口端は、チップ材で包被する
ことができる。好適なチップ材としては、「ノン・リッ
プスティック」材（唇付着防止材）で処理された非孔質
紙、及びその他の当業者に周知の紙がある。

【００６７】本発明の好ましい喫煙物品の燃料素子のた
めの特に好ましいラッパーは、１９９０年８月２８日付
の「改良されたラッパーを有する喫煙物品」と題する本
出願人の米国特許出願第０７／５７４，３２７号に記載
されている。燃料素子の周りの断熱材の少くとも一部分
を包被するこのラッパーは、喫煙中その素材の紙のセル
ロース質分の大部分が燃焼するのを防止するのに十分な
量の燃焼遅延剤で処理された高多孔率の紙から成ってい
る。このラッパーは、喫煙中、喫煙物品の前端部分の完
全性（崩落せずに一体性であること）を維持するのに役
立つ。

【００６８】以下に本発明を具体化した実際の例を説明
するが、これらの例は、本発明の範囲を限定するもので
はない、特に断わらない限り、以下の説明において用い
られる「部」及び「％」は、いずれも重量基準である。

【００６９】例 １ 第１図に示されるようなシガレットを以下のようにして
調製する。熱源（燃料素子）の調製 直径１２μの平均粒度を有する約７２部の硬質木材パル
プ炭素と、約２０部のバーレー種タバコ、熱風乾燥及び
オリエンタル種タバコを含むブレンドタバコ材粉末（ほ
ぼ２００タイラーメッシュの粒度）と、ハーキュリーズ
社から７ＨＦＳＣＭＣという商品名で販売されている約
８部のナトリウムカルボキシメチルセルロース（結合
剤）から、長さ約９ｍｍ、直径４．５ｍｍ、嵩密度約
１．０２ｇ／ｃｃのほぼ円筒形の燃料素子を調製する。

【００７０】詳述すれば、上記硬質木材パルプ炭素は、
グランド・プレーリ・カナディアン・クラフトのタルク
不含有硬質木材紙を窒素雰囲気下で加熱し、温度を少く
とも７５０℃の最終炭化温度にまで紙の酸化を最少限に
するように段階的に上昇させることによって調製する。
得られた炭素材を窒素雰囲気下で３５℃以下の温度にま
で冷却し、次いで、直径約１２μの平均粒度を有する微
粉末に粉砕する。この微粉砕硬質木材炭素を上記結合剤
と、固いドウ状のペーストを得るのに十分な水と混合す
る。

【００７１】上記ペーストをラム式押出機を用いて押出
成形することによって燃料素子を得る。この燃料素子
は、その周面に全長に亙って延長した、各々深さ約０．
８１３ｍｍ、幅約０．４０６ｍｍのスロット又は溝の形
の５つの通路を有する。この燃料素子の断面形状は第３
図に示されている。得られた押出成形品（燃料素子）を
空気乾燥させて弾性の押出成形品を得る。次いで、この
押出成形品を長さ９ｍｍの部片に切断して複数個の燃料
素子を得る。

【００７２】基材の調製 エアゾール創生物質を担持するための基材は、Ｗ．Ｒ．
グレース・アンド・カンパニーから販売されている、平
均粒度１５μの粉末状のＤ２−２６００焼結αアルミナ
４５部と、直径１５μの粒度を有する炭素粉末１５部
と、約２００タイラーメッシュの粒度を有するブレンド
タバコ粉末１０部と、約２００タイラーメッシュの粒度
を有するケーシング処理されたブレンドタバコ粉末１０
部と、グリセリン及び風味料２０部とから成る圧縮粒状
物である。この基材は、上記組成のペーストを高速回転
ディスク上に押出し、小さなほぼ球状のボールを形成す
ることによって得られる。この工程及びそのための装置
は、米国特許第４，８９３，６３９号に記載されてい
る。

【００７３】カートリッジ組立体 アルミニウムシートを深絞り成形することによって一端
が開放し、他端が閉鎖した、長さ約３０ｍｍ、外径約
４．６ｍｍ、内径約４．４ｍｍの円筒形の容器を製造す
る。この容器の閉鎖端に約０．６５ｍｍ×３．４５ｍｍ
の２つのスロット状開口を約１．１４ｍｍの間隔をおい
て形成する。この容器内に、３４０ｍｇのエアゾール創
生物質及びそれを担持した基材を装入する。次いで、こ
の容器の開放端に、上記燃料素子を約２ｍｍの長さだけ
挿入してカートリッジ組立体（燃料素子／容器組立体）
を組立てる。従って、燃料素子の前端は、容器の前端か
ら約７ｍｍ突出している。

【００７４】断熱ジャケット 長さ１５ｍｍ、直径４．５ｍｍのプラスチックチューブ
の外周をやはり長さ１５ｍｍの断熱ジャケットで包被す
る。プラスチックチューブは、断熱ジャケットの内径を
規定するためのものであり、後述するように、後で抜き
取る。シガレット型喫煙物品の場合は、この断熱ジャケ
ットは、２層のオーエンス・コーニング社のＣガラス繊
維マット（各層の厚さは、ジャケット形成機で圧縮され
る前は約１ｍｍ、圧縮された後は約０．６ｍｍ）と、該
２層のガラス繊維マットの間に挟まれた第１再生タバコ
紙シート（厚さ約０．１３ｍｍ）と、外側の層のガラス
繊維マットを包被した第２再生タバコ紙シート（厚さ約
０．１３ｍｍ）で構成したものである。再生タバコ紙シ
ートの１例は、ブレンドタバコ材抽出物を含有したキン
バリ・クラーク・コーポレーシヨン社製のＰ２６７４−
１５７である。筒状に成形される前の状態では、これら
の好ましい第１（内側）及び第２（外側）再生タバコ紙
シートは、それぞれ１９ｍｍ、２６．５ｍｍの幅を有し
ている。このジャケットで包被されたプラスチックチュ
ーブの最終直径は、約７．５ｍｍである。

【００７５】タバコ材のロール バーレー種タバコ、熱風乾燥タバコ及びオリエンタルタ
バコの刻み補充料の膨嵩ブレンドから成るタバコ材のロ
ールをキンバリ・クラーク・コーポレーシヨンからＰ１
４８７−１２５という商品名で販売されている紙で包被
し、直径約７．５ｍｍ、長さ約２２ｍｍのタバコ材ロー
ルを形成する。

【００７６】シガレットの前端部分組立体 上述した内側ラッパーで包被された断熱ジャケットの全
長と、タバコ材ロールの全長とを上述した紙Ｐ２６７４
−１９０から成る本発明の外側ラッパーで包被すること
によって両者を結合する。このタバコ材ロールの吸口端
側からドリルで穴をあけ、タバコ材ロールに直径約４．
６ｍｍの長手方向の貫通通路を穿設する。ドリルの尖端
は、上述した断熱ジャケット内のプラスチックチューブ
内に進入して該プラスチックチューブに係合することが
できる形状とされている。次いで、このドリルとそれに
よって係合されたプラスチックチューブをタバコ材ロー
ルの吸口端側から引抜きながら、それと併行して上記結
合された断熱ジャケットとタバコ材ロールの前端から上
述したカートリッジ組立体（エアゾール創生物質担持基
材を充填した容器と燃料素子との組立体）を挿入する。
カートリッジ組立体は、その燃料素子の点火端が断熱ジ
ャケットの前端と揃うまで挿入する。かくして得られた
シガレットの前端部分組立体の全長は、約３７ｍｍであ
る。

【００７７】マウスピース マウスピースは、紙ラッパーで包被した、弛くひだ寄せ
したタバコ紙の長さ２０ｍｍの第１円筒状セグメント
と、同様に紙ラッパーで包被した、メルトブロー成形に
よる不織ポリプロピレンのひだ寄せウエブの長さ２０ｍ
ｍの第２円筒状セグメントとで構成する。各セグメント
は、米国特許第４，８０７，８０９号に記載された装置
を用いて製造されたロッドを切断することによって得ら
れる。詳述すれば、第１円筒状セグメントは、直径約
７．５ｍｍであり、キンバリ・クラーク・コーポレーシ
ヨンからＰ１４８７−１８４−２という商品名で販売さ
れている紙プラグラッパーで包被したキンバリ・クラー
ク・コーポレーシヨンのタバコ紙Ｐ１４４−ＧＮＡのひ
だ寄せウエブである。第２円筒状セグメントは、直径約
７．５ｍｍであり、キンバリ・クラーク・コーポレーシ
ヨンからＰ１４８７−１８４−２という商品名で販売さ
れている紙プラグラッパーで包被したキンバリ・クラー
ク・コーポレーシヨンの不織ポリプロピレンＰＰ１００
のひだ寄せウエブである。これらの２つのセグメントを
突合せ関係に軸線方向に整列させ、両者をシンプソン・
ペーパー・カンパニーからＫ−１３７７−１９６Ｆとい
う商品名で販売されている紙ラッパーで包被することに
よって結合する。得られたマウスピースの長さは約４０
ｍｍである。

【００７８】シガレットの最終組立て 上記前端部分組立体の容器の端部を前記マウスピースの
ひだ寄せしたタバコ紙のセグメントに隣接させて、前端
部分組立体をマウスピースに突合せ関係に軸線方向に整
列させる。次いで、マウスピースの全長と、それに隣接
した前端部分組立体の約５ｍｍの長さ部分をチップ材で
包被することによって前端部分組立体とマウスピースを
結合する。

【００７９】このシガレットを使用する場合は、シガレ
ットライターで燃料素子に点火し、吸口端を口にくわえ
て吸込めば、タバコ風味をもった可視エアゾールを吸引
することができる。

【００８０】例 ２ 第１図に示されるようなシガレットを以下のようにして
調製する。熱源の調製 例１のようにして熱源を調製する。

【００８１】基材の調製 例１のようにして基材を調製する。

【００８２】カートリッジ組立体 例１のようにしてカートリッジを組立てる。

【００８３】断熱ジャケット 上記カートリッジ組立体（燃料素子／容器組立体）の燃
料素子部分を長さ１５ｍｍの断熱ジャケットで包被す
る。この断熱ジャケットは、オーエンス・コーニング社
のＣガラス繊維マットから成る第１層と、再生タバコ紙
から成る第２層の２層のから成るものである。詳述すれ
ば、第２層の再生タバコ紙の上に第１層のガラス繊維マ
ットを重ね、その上にカートリッジ組立体を載せ、これ
らの２層をカートリッジ組立体の燃料素子の周りに「ジ
ェリーロール」のようにらせん状に巻くことによってタ
バコ材／ガラス繊維材製断熱ジャケットを形成する。こ
のジャケットで包被された燃料素子の最終直径は、約
７．５ｍｍである。

【００８４】タバコ材のロール バーレー種タバコ、熱風乾燥タバコ及びオリエンタルタ
バコの刻み補充料の膨嵩ブレンドから成るタバコ材のロ
ールをキンバリ・クラーク・コーポレーシヨンからＰ１
４８７−１２５という商品名で販売されている紙で包被
し、直径約７．５ｍｍ、長さ約２２ｍｍのタバコ材ロー
ルを形成する。このタバコ材ロールの一端からピンを突
刺して直径約４．５ｍｍの長手方向の貫通通路を穿設す
る。

【００８５】シガレットの前端部分組立体 上述した断熱ジャケット付カートリッジ組立体の容器を
上記タバコ材ロールの貫通通路に挿入して断熱ジャケッ
トをタバコ材ロールの一端に当接させる。次いで、該タ
バコ材／ガラス繊維材製断熱ジャケットの全長とタバコ
材ロールの全長とをキンバリ・クラーク・コーポレーシ
ヨン社製の紙Ｐ２６７４−１９０から成る外側ラッパー
で包被することによって両者を結合する。かくして得ら
れたシガレットの前端部分組立体の全長は、約３７ｍｍ
である。

【００８６】マウスピース マウスピースは、紙ラッパーで包被した弛くひだ寄せし
たタバコ紙の長さ２０ｍｍの第１円筒状セグメントと、
同様に紙ラッパーで包被したメルトブロー成形による不
織ポリプロピレンのひだ寄せウエブの長さ２０ｍｍの第
２円筒状セグメントとで構成する。各セグメントは、米
国特許第４，８０７，８０９号に記載された装置を用い
て製造されたロッド部切断することによって得られる。
詳述すれば、第１円筒状セグメントは、直径約７．５ｍ
ｍであり、キンバリ・クラーク・コーポレーシヨンから
Ｐ１４８７−１８４−２という商品名で販売されている
紙プラグラッパーで包被したキンバリ・クラーク・コー
ポレーシヨンのタバコ紙Ｐ１４４−ＧＮＡのひだ寄せウ
エブである。第２円筒状セグメントは、直径約７．５ｍ
ｍであり、キンバリ・クラーク・コーポレーシヨンから
Ｐ１４８７−１８４−２という商品名で販売されている
紙プラグラッパーで包被したキンバリ・クラーク・コー
ポレーシヨンの不織ポリプロピレンＰＰ１００のひだ寄
せウエブである。これらの２つのセグメントを突合せ関
係に軸線方向に整列させ、両者をシンプソン・ペーパー
・カンパニーからＫ−１３７−１９６Ｆという商品名で
販売されている紙ラッパーで包被することによって結合
する。得られたマウスピースの長さは約４０ｍｍであ
る。

【００８７】シガレットの最終組立て 上記前端部分組立体の容器の端部を前記マウスピースの
ひだ寄せしたタバコ紙のセグメントに隣接させて、前端
部分組立体をマウスピースに突合せ関係に軸線方向に整
列させる。次いで、マウスピースの全長と、それに隣接
した前端部分組立体の約５ｍｍの長さ部分をチップ材で
包被することによって前端部分組立体とマウスピースを
結合する。

【００８８】このシガレットを使用する場合は、シガレ
ットライターで燃料素子に点火し、吸口端を口にくわえ
て吸込めば、タバコ風味をもった可視エアゾールを吸引
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１図は、本発明のラッパーを使用することが
できる好ましい喫煙物品の長手断面図である。

【図２】第２図は、燃料素子の好ましい空気通路形状の
一例の点火端側からみた端面図である。

【図３】第３図は、燃料素子の好ましい空気通路形状の
他の例の点火端側からみた端面図である。

【符号の説明】

１０：喫煙物品 １２：燃料素子 １４：エアゾール発生手段 １６：伝熱性カプセル １８：エアゾール創世物質担持基材 １００，１０４：非可燃性繊維質断熱材からなる層 １０２，１０６：タバコ材含有剤からなる層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61M 15/06 A24D 1/02 - 1/18 A24B 15/16 A24F 47/00

Claims (10)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 可燃燃料素子と、該可燃燃料素子の外周
   面の少なくとも一部分を囲繞した断熱ラッパーを有する
   喫煙物品であって、該断熱ラッパーは、非可燃性繊維質
   材とタバコ材含有材を含み、少なくとも２層の個別の層
   によって構成されており、該断熱ラッパーは、少なくと
   も、 （ａ）主として非可燃性繊維質断熱材からなる最内側層
   と、 （ｂ）主としてタバコ材又はタバコ風味材からなる少な
   くとも１層の追加の層とからなることを特徴とする喫煙
   物品。
2. 【請求項２】 前記断熱ラッパーは、主として非可燃性
   繊維質断熱材からなる少なくとも２層を含むことを特徴
   とする請求項１に記載の喫煙物品。
3. 【請求項３】 主として非可燃性繊維質断熱材からなる
   前記層は、タバコ材を包含していることを特徴とする請
   求項２に記載の喫煙物品。
4. 【請求項４】 前記断熱ラッパーは、タバコ含有材から
   なる第２の層を含むことを特徴とする請求項２に記載の
   喫煙物品。
5. 【請求項５】 前記タバコ材含有材の層のうちの少なく
   とも１層は、タバコ材シートであることを特徴とする請
   求項４に記載の喫煙物品。
6. 【請求項６】 前記タバコ材シートは、主として非可燃
   性繊維質断熱材からなる２層の間に介設されていること
   を特徴とする請求項５に記載の喫煙物品。
7. 【請求項７】 前記タバコ材含有材の層は、２層とも、
   タバコ材シートであることを特徴とする請求項５又は６
   に記載の喫煙物品。
8. 【請求項８】 前記非可燃性繊維質断熱材は、ガラス繊
   維材であることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１
   項に記載の喫煙物品。
9. 【請求項９】 前記断熱ラッパーは、前記可燃燃料素子
   から半径方向側へ順に、非可燃性繊維質断熱材からなる
   層、タバコ材含有材からなる層の順に交互に配列されて
   いることを特徴とする請求項６又は７に記載の喫煙物
   品。
10. 【請求項１０】 前記可燃燃料素子は、炭素質であるこ
    とを特徴とする請求項１〜９のいずれか１項に記載の喫
    煙物品。