JP3262010B2 - 筆記用具 - Google Patents

筆記用具

Info

Publication number
JP3262010B2
JP3262010B2 JP3132997A JP3132997A JP3262010B2 JP 3262010 B2 JP3262010 B2 JP 3262010B2 JP 3132997 A JP3132997 A JP 3132997A JP 3132997 A JP3132997 A JP 3132997A JP 3262010 B2 JP3262010 B2 JP 3262010B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
ink
ink composition
weight
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3132997A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10212443A (ja
Inventor
和之 松村
不二夫 八木橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP3132997A priority Critical patent/JP3262010B2/ja
Priority to EP98300591A priority patent/EP0856566B1/en
Priority to DE69802121T priority patent/DE69802121T2/de
Priority to US09/015,919 priority patent/US5935311A/en
Publication of JPH10212443A publication Critical patent/JPH10212443A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3262010B2 publication Critical patent/JP3262010B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールペン、サイ
ンペン、マーカーペン、万年筆及び筆ペン等の水性イン
クを用いる筆記用具に関し、更に詳しくは、被記録材に
筆記乾燥後、水や汚水に曝されても筆記画像が全く乱れ
ることがない耐水性インク組成物を使用した筆記用具に
関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
環境保全に対する社会的要請の高まりから、溶剤系の塗
料、各種コーティング剤、染料などを水系化する動きが
活発であるが、筆記用具に関しても例外ではない。特に
このようなものは一般事務、家庭用として使われる場合
が殆どであるので、安全性の面からも水系化への移行は
必然である。
【0003】このような観点から最近では、水性ボール
ペン、万年筆用水性インクと謳ったものが販売されてい
る。しかし、このような筆記具は、水やコーヒー、ジュ
ースなどの飲料水、汚水などに触れる機会が多い場所で
使用されることが多いため、耐水性という性能が必要と
なるが、市販されている水性インクで耐水性のあるもの
は殆どない。この場合、耐水性を謳っているものもある
が、筆記後すぐに水等に触れればインクがにじんでしま
う欠点があり、完全ではない。
【0004】従来、耐水性付与添加剤としてよく使用さ
れるものにシリコーン化合物があり、これは溶剤系では
優れた耐水性を付与することができるが、水中で安定な
ものはあまりなく、あっても弱酸性下でやや安定性があ
る程度であり、系がアルカリ性に傾くと安定性を失って
しまうものが殆どである。水溶性染料は一般的にアルカ
リ性を示すものが多々あるので、このような系には使用
できない。
【0005】また、特開平6−279678号公報に
は、水系表面処理組成物が提案されている。これはアミ
ノトリアルコキシシランとそのアミノ基と反応する有機
化合物を反応させ加水分解させたもの、或いはそれとテ
トラアルコキシシランのような有機金属化合物を更に反
応させたものを主成分とする水溶液処理剤である。しか
し、この方法では、水溶性に大きく関与するアミノ基が
有機基と反応しているため主剤の水溶性が乏しい。ま
た、それをカバーするため、その処理液に安定剤として
陰イオン界面活性剤を加えているが、水性インクの添加
剤として使用する場合、このような陰イオン界面活性剤
が入っていると、耐水性が悪化する場合がある。しか
も、この処理液の長期保存安定性はあまりよくなく、か
つアルカリ性領域では不安定であるため、水溶性のイン
ク組成物への添加剤としては有効に使用できないという
問題がある。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、筆記された筆記画像が水に全く冒されない水性イン
クを用いた筆記用具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた
結果、ボールペン、サインペン、マーカーペン、万年
筆、筆ペン等の筆記用具に用いる水性インクとして、 (I)水溶性染料化合物及び/又は有機顔料化合物、 (II)下記一般式(1) YR1 mSiR2 3-m …(1) (式中、R1は炭素数1〜8の非置換又は窒素原子を含
有しない置換の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜4の
アルコキシ基又はアシロキシ基、Yはアミノ基含有アル
キル基であり、mは0又は1である。)で表されるアミ
ノ基含有アルキル基を含有する加水分解性シラン(A)
又はその部分加水分解物100重量部と、下記一般式
(2) R3 nSiR4 4-n …(2) (式中、R3は炭素数1〜8の非置換又は窒素原子を含
有しない置換の一価炭化水素基、R4は炭素数1〜4の
アルコキシ基又はアシロキシ基、nは0,1又は2であ
る。)で表される加水分解性シラン(B)又はその部分
加水分解物5〜200重量部との混合物を水中或いは加
水分解に必要である以上の水を含む有機溶剤中で加水分
解することによって得られる有機ケイ素化合物、及び (III)水 を特定の割合で配合することによって得られるインク組
成物を用いた場合、該インクにより筆記された筆記画像
が水分に全く冒されず、優れた耐水性を示す上、保存安
定性、インク吐出安定性、発色性に優れたものであるこ
とを知見し、本発明をなすに至った。
【0008】従って、本発明は、(I)水溶性染料化合
物及び/又は有機顔料化合物10重量部、(II)上記
式(1)のアミノ基含有アルキル基を含有する加水分解
性シラン(A)又はその部分加水分解物100重量部
と、上記式(2)の加水分解性シラン(B)又はその部
分加水分解物5〜200重量部とを加水分解することに
よって得られる有機ケイ素化合物2〜60重量部、及び
(III)水30〜10,000重量部を含有してなる
耐水性インク組成物を水性インクとすることを特徴とす
る筆記用具を提供する。
【0009】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の筆記用具に用いる耐水性インク組成物を構
成する(I)成分である水溶性染料化合物は、一般の水
溶性インクの染料成分として使用されるものでよく、特
に制限されるものでないが、ブラック、シアン、マゼン
タ、イエローなどの色を与える公知の色素成分として用
いられるものを好適に使用することができ、具体的には
アシッドイエロー17、アシッドイエロー23、アシッ
ドイエロー73、ダイレクトイエロー86等のイエロー
染料、アシッドレッド1、アシッドレッド8、アシッド
レッド14、アシッドレッド37、アシッドレッド5
2、アシッドレッド87、アシッドレッド92、アシッ
ドレッド103、アシッドレッド289、リアクティブ
レッド4等のマゼンタ染料、アシッドブルー9、アシッ
ドブルー92、アシッドブルー87、リアクティブブル
ー15、ダイレクトブルー86等のシアン染料、アシッ
ドブラック2、ダイレクトブラック22、ダイレクトブ
ラック154等のブラック染料などを挙げることができ
る。
【0010】なお、このような染料は一般的に水溶性を
発現させるためにスルホン酸ナトリウムで修飾され、そ
れらを水に溶解させるとアルカリ性を示すものが殆どで
あるが、そのようなものでも好適に使用し得る。
【0011】また、有機顔料としては、アニリンブラッ
ク、ファーストイエロー、ジスアゾイエロー、パーマネ
ントオレンジ、リゾールレッド、レーキレッドC、パー
マネントレッド2B、ブリリアントカーミン6B、カー
ミン3B、コバルトバイオレット、メチルバイオレット
レーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブル
ー、フタロシアニングリーンなどが挙げられる。
【0012】次に、インク組成物の(II)成分として
使用する有機ケイ素化合物は、このインク組成物に耐水
性を付与させる成分で、この成分は驚くべきことに、水
溶液に容易に溶解し、更にはアルカリ水溶液においても
高安定性のものである。
【0013】この有機ケイ素化合物は、上述したよう
に、下記一般式(1) YR1 mSiR2 3-m …(1) (式中、R1は炭素数1〜8の非置換又は窒素原子を含
有しない置換の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜4の
アルコキシ基又はアシロキシ基、Yはアミノ基含有アル
キル基であり、mは0又は1である。)で表されるアミ
ノ基含有アルキル基を含有する加水分解性シラン(A)
又はその部分加水分解物と、下記一般式(2) R3 nSiR4 4-n …(2) (式中、R3は炭素数1〜8の非置換又は窒素原子を含
有しない置換の一価炭化水素基、R4は炭素数1〜4の
アルコキシ基又はアシロキシ基、nは0,1又は2であ
る。)で表される加水分解性シラン(B)又はその部分
加水分解物とを加水分解することによって得られるもの
である。
【0014】ここで、上記一般式(1)で示されるアミ
ノ基含有アルキル基を含有する加水分解性シラン(A)
は、系を水溶性にするために用いられる成分であり、目
的とする有機ケイ素化合物に水溶性を付与させるため
に、その1種又は2種以上を適宜選定して用いられる。
また、その部分加水分解物を用いることもできる。
【0015】上記一般式(1)中、R1は炭素数1〜8
の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、アルキル
基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基などの非
置換一価炭化水素基や、これらの基の水素原子の一部又
は全部をハロゲン原子などで置換した例えばハロゲン化
アルキル基などの置換一価炭化水素基が挙げられるが、
置換基は窒素原子を含まないものである。具体的には、
−CH3,−CH2CH3,−CH2CH2CH3,−CH
(CH32,−CH2CH2CH2CH3,−CH (C
3 CH2CH3,−CH2CH (CH3 CH3,−C
(CH33,−C65,−C613などが例示される。
【0016】また、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基
又はアシロキシ基であり、具体的には、−OCH3,−
OCH2CH3,−OCH2CH2CH3,−OCH (C
32,−OCH2CH2CH2CH3,−OCH (C
3 CH2CH3,−OCH2CH (CH3 CH3,−O
C(CH33,−OCOCH3,−OCOCH2CH3
どが例示される。
【0017】Yはアミノ基含有アルキル基であり、例え
ば下記式(3)、(4)で示されるものが挙げられる。
【0018】
【化1】 (式中、R5,R6,R16は水素原子又は炭素数1〜8の
一価炭化水素基で、R5とR6は互いに同一であっても異
なっていてもよい。R7,R8,R14,R15は炭素数1〜
8の二価炭化水素基で、R7とR8,R14,R15は互いに
同一であっても異なっていてもよい。pは0又は1〜3
の整数である。)
【0019】なお、炭素数1〜8の一価炭化水素基は、
1で説明したものと同様である。炭素数1〜8の二価
炭化水素基としては、アルキレン基などが挙げられる。
【0020】Yとして具体的には、下記式で示されるも
のを挙げることができる。 H2NCH2CH2− H(CH3)NCH2CH2− H2NCH2CH2CH2− H(CH3)NCH2CH2CH2− (CH32NCH2CH2CH2− H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2− H(CH3)NCH2CH2NHCH2CH2CH2− (CH32NCH2CH2NHCH2CH2CH2− H2NCH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2CH2− H(CH3)NCH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH
2CH2
【0021】
【化2】
【0022】なお、mは0又は1であり、好ましくは0
である。
【0023】上記式(1)のアミノ基含有アルキル基を
含有する加水分解性シラン(A)としては、下記のもの
を例示することができる。H2NCH2Si(OC
33、H2NCH2Si(OCH2CH33、H2NCH
2SiCH3(OCH32、H2NCH2SiCH3(OC
2CH32、H2NCH2CH2Si(OCH33、H2
NCH2CH2Si(OCH2CH33、H2NCH2CH2
SiCH3(OCH32、H2NCH2CH2SiCH
3(OCH2CH32、H2NCH2CH2CH2Si(OC
33、H2NCH2CH2CH2Si(OCH2
33、H2NCH2CH2CH2SiCH3(OC
32、H2NCH2CH2CH2SiCH3(OCH2CH
32、H(CH3)NCH2CH2CH2Si(OC
33、H(CH3)NCH2CH2CH2Si(OCH2
CH33、H(CH3)NCH2CH2CH2SiCH
3(OCH32、H(CH3)NCH2CH2CH2SiC
3(OCH2CH32、(CH32NCH2CH2CH2
Si(OCH33、(CH32NCH2CH2CH2Si
(OCH2CH33、H2NCH2CH2NHCH2CH2
2Si(OCH33、H2NCH2CH2NHCH2CH2
CH2Si(OCH2CH33、H2NCH2CH2NHC
2CH2CH2SiCH3(OCH32、H2NCH2CH
2NHCH2CH2CH2SiCH3(OCH2CH32、H
2NCH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2CH2Si
(OCH33、H2NCH2CH2NHCH2CH2NHC
2CH2CH2Si(OCH2CH33、H2NCH2CH
2NHCH2CH2NHCH2CH2CH2SiCH3(OC
32、H2NCH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH
2CH2SiCH3(OCH2CH32
【0024】
【0025】
【0026】これらの中で特に好ましくは下記に示すも
のであり、これらの部分加水分解物を用いてもよい。
【0027】
【化5】
【0028】次に、上記加水分解性シラン(A)又はそ
の部分加水分解物と混合して用いられる加水分解性シラ
ン(B)は、下記一般式(2)で表され、その1種を単
独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、そ
の部分加水分解物を使用してもよい。
【0029】 R3 nSiR4 4-n …(2) (式中、R3は炭素数1〜8の非置換又は窒素原子を含
有しない置換の一価炭化水素基、R4は炭素数1〜4の
アルコキシ基又はアシロキシ基、nは0,1又は2であ
る。)
【0030】ここで、R3の炭素数1〜8の非置換又は
置換の一価炭化水素基としては、上記R1で説明したも
のと同様である。具体的には、−CH3,−CH2
3,−CH2CH2CH3,−CH (CH32,−CH2
CH2CH2CH3,−CH (CH3 CH2CH3,−CH
2CH (CH3 CH3,−C(CH33,−C65,−
613などが例示される。
【0031】また、R4は炭素数1〜4のアルコキシ基
又はアシロキシ基であり、具体的には、−OCH3,−
OCH2CH3,−OCH2CH2CH3,−OCH (C
32,−OCH2CH2CH2CH3,−OCH (C
3 CH2CH3,−OCH2CH (CH3 CH3,−O
C(CH33,−OCOCH3,−OCOCH2CH3
どが例示される。
【0032】なお、nは0,1又は2である。
【0033】この式(2)の加水分解性シラン(B)と
しては、下記のものを例示することができる。
【0034】
【化6】
【0035】これらの中で特に好ましくは、Si(OC
34、Si(OCH2CH34、CH3Si(OC
33、又はCH3Si(OCH2CH33及びこれらの
部分加水分解物である。
【0036】上記窒素原子含有有機基を含有する加水分
解性シラン(A)又はその部分加水分解物に式(2)の
加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物を混合
して用いる場合、その混合比は、窒素原子含有有機基を
含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解
物100重量部に対し加水分解性シラン(B)又はその
部分加水分解物5〜200重量部の割合であり、より好
ましくは加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解
物の量が10〜150重量部である。この量が200重
量部を超えるとアルカリ領域での安定性が悪化する。
【0037】上記加水分解性シラン(A),(B)又は
それらの部分加水分解物を用いて加水分解し、本発明の
主剤となる有機ケイ素化合物を得る場合、溶媒は主とし
て水を使用するが、必要に応じて、水と溶解する有機溶
媒であるアルコール、エステル、ケトン、グリコール類
を水に添加する形で用いることができる。有機溶媒とし
ては、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロ
ピルアルコール、2−プロピルアルコール等のアルコー
ル類、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸エチル等の
エステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、グリセリン、ジエチレングリコール等のグリコール
類などを挙げることができる。
【0038】溶媒の量は原料シラン100重量部に対し
て400〜5,000重量部が好ましい。更に好ましく
は1,000〜3,000重量部である。溶媒の量が4
00重量部より少ないと反応が進行しすぎ、系が均一に
ならない場合がある。また液の保存安定性も悪くなる場
合がある。一方、5,000重量部より多いと経済的に
不利な場合が生じる。
【0039】また、溶媒中の水の量は、水/原料シラン
のモル比率で5〜50が好ましい。このモル比率が5よ
り少ないと加水分解が完全に進行しにくく、液の安定性
が悪化する場合がある。一方、50を超えると経済的に
不利な場合が生じる。
【0040】反応方法としては、(1)混合シランを水
中或いは加水分解に必要である以上の量の水を含む有機
溶剤中に滴下する方法、(2)混合シラン或いは有機溶
剤含有混合シラン中に水を滴下する方法、(3)加水分
解性シラン(B)又はその部分加水分解物を水中或いは
加水分解に必要である以上の量の水を含む有機溶剤中に
滴下し、その後、アミノ基含有アルキル基を含有する加
水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物を滴下す
る方法、(4)アミノ基含有アルキル基を含有する加水
分解性シラン(A)又はその部分加水分解物を水中或い
は加水分解に必要である以上の量の水を含む有機溶剤中
に滴下し、その後、加水分解性シラン(B)又はその部
分加水分解物を滴下する方法などが挙げられるが、耐水
性インク組成物の安定性の点から、特に(1)の反応方
法が好ましい。
【0041】なお、得られた有機ケイ素化合物は水溶液
の形で得られるが、必要に応じて、更に水を加えたり、
除去したりして、有機ケイ素化合物100重量部に対し
て水10〜2,000重量部、好ましくは10〜1,0
00重量部の比率に調整することができる。
【0042】(II)成分の最適添加量は、(I)成分
の水溶性染料化合物及び/又は有機顔料化合物の種類に
より異なるが、(I)成分10重量部に対して2〜60
重量部、特に10〜40重量部とする。添加量が2重量
部より少ないと、耐水性効果が小さくなり、また60重
量部より多いと、もはやそれ以上の耐水性効果を期待で
きず、コスト的にも好ましくない。
【0043】本発明に用いるインク組成物は(III)
成分として水を使用し、上記(I)及び(II)成分の
溶剤として用いるものである。
【0044】ここで水の使用量は、(I)成分10重量
部に対し30〜10,000重量部、特に40〜1,0
00重量部であり、30重量部よりも少ないと耐水性イ
ンク組成物の保存安定性が悪化し、また、10,000
重量部より多いと画像が乱れ、目的の画像にならない。
【0045】本発明に用いるインク組成物は、上記
(I)〜(III)成分を含有してなるもので、耐水
性、保存安定性、インク吐出安定性、発色性に優れたも
のであるが、更に必要に応じて各種添加剤を配合するこ
とができる。
【0046】例えば、インク吐出安定性を高めるために
保湿剤を添加することができ、具体的には、グリセリ
ン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
低分子量ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどを
挙げることができ、これらは1種を単独で又は2種以上
を混合して用いることができる。
【0047】上記保湿剤をインク組成物中に配合する場
合には、(I)成分10重量部に対し1〜40重量部、
特に5〜30重量部配合することが好ましい。ここでの
配合量が1重量部よりも少ないとインク吐出安定性が悪
くなる場合があり、また、40重量部よりも多いと耐水
性が弱くなったり、コスト的にも好ましくない場合があ
る。
【0048】また、安定性などに悪影響を与えない範囲
で、任意成分を適宜添加することができる。この任意成
分としては、諸性能を付与させるため、UV吸収剤、消
泡剤、界面活性剤などを添加してもよい。また補強用に
各種微粒子化無機酸化物あるいはそのゾル、水溶性ポリ
マーなどを添加することもできる。
【0049】本発明の筆記用具は、上記インク組成物を
水性インクとして使用するものであり、上記インク組成
物の使用により、筆記画像に優れた耐水性を付与するだ
けでなく、保存安定性、インク吐出安定性、発色性にも
優れたものである。
【0050】ここで、本発明の筆記用具は、内部に水性
インクを保持し、内部に保持したインクを吐出せしめて
紙等の被記録材に筆記画像を与えるもので、具体的には
ボールペン、サインペン、マーカーペン、万年筆、筆ペ
ンなどとして用いられる。この場合、これら筆記用具の
内部にインクを保持する機構、インクを吐出させる機構
などは公知の機構でよく、従来公知の水性インクを用い
た筆記用具において、その水性インクとして上述したイ
ンク組成物を用いればよい。
【0051】
【実施例】以下、合成例及び実施例、比較例を示し、本
発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制
限されるものではない。
【0052】〔合成例1〕水120g(6.67mo
l)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた200mlの
反応器に入れ、撹拌混合した。ここにH2NCH2CH2
NHCH2CH2CH2Si(OCH3344.4g
(0.2mol)及びSi(OCH3415.2g
(0.1mol)を混合したものを室温で10分間かけ
て滴下したところ、25℃から56℃に内温が上昇し
た。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのま
ま1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り
付け、内温98℃まで上げ、副生したメタノールを除去
することにより、有機ケイ素化合物水溶液137gを得
た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は27.
3%であった。
【0053】〔合成例2〕水120g(6.67mo
l)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた200mlの
反応器に入れ、撹拌混合した。ここにH2NCH2CH2
NHCH2CH2CH2Si(OCH3333.3g
(0.15mol)及びSi(OCH3422.8g
(0.15mol)を混合したものを室温で10分間か
けて滴下したところ、25℃から53℃に内温が上昇し
た。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのま
ま1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り
付け、内温98℃まで上げ、副生したメタノールを除去
することにより、有機ケイ素化合物水溶液117gを得
た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は27.
5%であった。
【0054】〔合成例3〕水120g(6.67mo
l)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた200mlの
反応器に入れ、撹拌混合した。ここにH2NCH2CH2
NHCH2CH2CH2Si(OCH3355.6g
(0.25mol)及びSi(OCH2CH3410.
4g(0.05mol)を混合したものを室温で10分
間かけて滴下したところ、27℃から49℃に内温が上
昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そ
のまま1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを
取り付け、内温98℃まで上げ、副生したメタノール、
エタノールを除去することにより、有機ケイ素化合物水
溶液137gを得た。このものの不揮発分(105℃/
3時間)は31.1%であった。
【0055】〔合成例4〕水120g(6.67mo
l)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた200mlの
反応器に入れ、撹拌混合した。ここにH2NCH2CH2
NHCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(OCH33
66.6g(0.30mol)及びCH3Si(OC
334.1g(0.03mol)を混合したものを室
温で10分間かけて滴下したところ、27℃から49℃
に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に
加熱し、そのまま1時間撹拌を行った。次にエステルア
ダプターを取り付け、内温98℃まで上げ、副生したメ
タノール、エタノールを除去することにより、有機ケイ
素化合物水溶液149gを得た。このものの不揮発分
(105℃/3時間)は28.7%であった。
【0056】〔合成例5〕水120g(6.67mo
l)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた200mlの
反応器に入れ、撹拌混合した。ここにH2NCH2CH2
NHCH2CH2CH2Si(OCH3353.0g
(0.2mol)及びCH3Si(OCH3313.6
g(0.1mol)を混合したものを室温で10分間か
けて滴下したところ、27℃から55℃に内温が上昇し
た。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのま
ま1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り
付け、内温98℃まで上げ、副生したメタノールを除去
することにより、有機ケイ素化合物水溶液151gを得
た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は33.
3%であった。
【0057】〔合成例6〕水120g(6.67mo
l)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた200mlの
反応器に入れ、撹拌混合した。ここに下記に示すシラン
49.6g(0.20mol)及びCH3Si(OC
3313.6g(0.10mol)を混合したものを
室温で10分間かけて滴下したところ、27℃から43
℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃
に加熱し、そのまま1時間撹拌を行った。次にエステル
アダプターを取り付け、内温98℃まで上げ、副生した
メタノールを除去することにより、有機ケイ素化合物水
溶液131gを得た。このものの不揮発分(105℃/
3時間)は31.0%であった。
【0058】
【化7】
【0059】〔合成例7〕Si(OCH34228g
(1.5mol)及びメタノール47.7gを撹拌機、
温度計及び冷却器を備えた1.0Lの反応器に入れ、撹
拌混合した。ここに0.05規定の塩酸水18.0gを
10分間で滴下した。その後、氷冷し、内温10〜15
℃で1時間、室温下で6時間撹拌熟成した。次にエステ
ルアダプターを取り付け、内温70℃まで上げ、メタノ
ールを除去することにより、有機ケイ素化合物220g
を得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は7
8.7%であった。
【0060】〔実施例1〕 [黒色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のクロラ
ゾールブラックLF/5.0g (2)合成例1の有機ケイ素化合物/18.3g(固形
分5.0g) (3)水/76.7g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [赤色インク] (1)水溶性染料化合物:アルドリッチ社製のアシッド
レッド37/5.0g (2)合成例1の有機ケイ素化合物/18.3g(固形
分5.0g) (3)水/76.7g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [黄色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッ
ドイエロー23/5.0g (2)合成例1の有機ケイ素化合物/18.3g(固形
分5.0g) (3)水/76.7g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [青色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のダイレ
クトブルー86/5.0g (2)合成例1の有機ケイ素化合物/18.3g(固形
分5.0g) (3)水/76.7g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 これら4色のインク組成物を細筆に用いて、通常の紙に
筆記し、下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0061】評価1:耐水性 細筆により筆記を行った紙上に水を置き、筆記画像の変
化を観察した。 ○:筆記画像変化なし △:やや水によるにじみあり ×:水によるにじみ激しい 評価2:画像の発色性/変色性 細筆による筆記画像の発色性/変色性をブランク品と比
較観察した。なお、ブランク品は水に上記染料を上記割
合で含むインクである(以下、同様)。 ○:発色性良好/変色性なし ×:発色性悪い/変色している 評価3:50℃下保存安定性 インク組成物を50℃の環境下に放置し、液の変化を観
察した(液の色変化やゲルなどが発生するまで、安定に
存在する期間)。
【0062】〔実施例2〕 [黒色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のクロラ
ゾールブラックLF/5.0g (2)合成例1の有機ケイ素化合物/36.6g(固形
分10.0g) (3)水/58.4g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [赤色インク] (1)水溶性染料化合物:アルドリッチ社製のアシッド
レッド37/5.0g (2)合成例1の有機ケイ素化合物/36.6g(固形
分10.0g) (3)水/58.4g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [黄色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッ
ドイエロー23/5.0g (2)合成例1の有機ケイ素化合物/36.6g(固形
分10.0g) (3)水/58.4g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [青色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のダイレ
クトブルー86/5.0g (2)合成例1の有機ケイ素化合物/36.6g(固形
分10.0g) (3)水/58.4g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 これら4色のインク組成物を通常の細筆に用いて、通常
の紙に筆記し、実施例1と同様の評価を行った。その結
果を表1に示す。
【0063】〔実施例3〕 [黒色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のクロラ
ゾールブラックLF/5.0g (2)合成例1の有機ケイ素化合物/73.3g(固形
分20.0g) (3)水/21.7g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [赤色インク] (1)水溶性染料化合物:アルドリッチ社製のアシッド
レッド37/5.0g (2)合成例1の有機ケイ素化合物/73.3g(固形
分20.0g) (3)水/21.7g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [黄色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッ
ドイエロー23/5.0g (2)合成例1の有機ケイ素化合物/73.3g(固形
分20.0g) (3)水/21.7g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [青色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のダイレ
クトブルー86/5.0g (2)合成例1の有機ケイ素化合物/73.3g(固形
分20.0g) (3)水/21.7g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 これら4色のインク組成物を通常の細筆に用いて、通常
の紙に筆記し、実施例1と同様の評価を行った。その結
果を表1に示す。
【0064】〔実施例4〕 [黒色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のクロラ
ゾールブラックLF/5.0g (2)合成例2の有機ケイ素化合物/18.1g(固形
分5.0g) (3)水/76.9g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [赤色インク] (1)水溶性染料化合物:アルドリッチ社製のアシッド
レッド37/5.0g (2)合成例2の有機ケイ素化合物/18.1g(固形
分5.0g) (3)水/76.9g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [黄色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッ
ドイエロー23/5.0g (2)合成例2の有機ケイ素化合物/18.1g(固形
分5.0g) (3)水/76.9g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [青色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のダイレ
クトブルー86/5.0g (2)合成例2の有機ケイ素化合物/18.1g(固形
分5.0g) (3)水/76.9g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 これら4色のインク組成物を通常の細筆に用いて、通常
の紙に筆記し、実施例1と同様の評価を行った。その結
果を表1に示す。
【0065】〔実施例5〕 [黒色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のクロラ
ゾールブラックLF/5.0g (2)合成例3の有機ケイ素化合物/16.1g(固形
分5.0g) (3)水/78.9g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [赤色インク] (1)水溶性染料化合物:アルドリッチ社製のアシッド
レッド37/5.0g (2)合成例3の有機ケイ素化合物/16.1g(固形
分5.0g) (3)水/78.9g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [黄色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッ
ドイエロー23/5.0g (2)合成例3の有機ケイ素化合物/16.1g(固形
分5.0g) (3)水/78.9g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [青色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のダイレ
クトブルー86/5.0g (2)合成例3の有機ケイ素化合物/16.1g(固形
分5.0g) (3)水/78.9g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 これら4色のインク組成物を通常の細筆に用いて、通常
の紙に筆記し、実施例1と同様の評価を行った。その結
果を表1に示す。
【0066】〔実施例6〕 [黒色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のクロラ
ゾールブラックLF/5.0g (2)合成例4の有機ケイ素化合物/17.4g(固形
分5.0g) (3)水/77.6g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [赤色インク] (1)水溶性染料化合物:アルドリッチ社製のアシッド
レッド37/5.0g (2)合成例4の有機ケイ素化合物/17.4g(固形
分5.0g) (3)水/77.6g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [黄色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッ
ドイエロー23/5.0g (2)合成例4の有機ケイ素化合物/17.4g(固形
分5.0g) (3)水/77.6g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [青色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のダイレ
クトブルー86/5.0g (2)合成例4の有機ケイ素化合物/17.4g(固形
分5.0g) (3)水/77.6g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 これら4色のインク組成物を通常の細筆に用いて、通常
の紙に筆記し、実施例1と同様の評価を行った。その結
果を表1に示す。
【0067】〔実施例7〕 [黒色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のクロラ
ゾールブラックLF/5.0g (2)合成例5の有機ケイ素化合物/18.5g(固形
分5.0g) (3)水/76.5g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [赤色インク] (1)水溶性染料化合物:アルドリッチ社製のアシッド
レッド37/5.0g (2)合成例5の有機ケイ素化合物/18.5g(固形
分5.0g) (3)水/76.5g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [黄色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッ
ドイエロー23/5.0g (2)合成例5の有機ケイ素化合物/18.5g(固形
分5.0g) (3)水/76.5g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [青色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のダイレ
クトブルー86/5.0g (2)合成例5の有機ケイ素化合物/18.5g(固形
分5.0g) (3)水/76.5g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 これら4色のインク組成物を通常の細筆に用いて、通常
の紙に筆記し、実施例1と同様の評価を行った。その結
果を表1に示す。
【0068】〔実施例8〕 [黒色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のクロラ
ゾールブラックLF/5.0g (2)合成例6の有機ケイ素化合物/16.1g(固形
分5.0g) (3)水/78.9g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [赤色インク] (1)水溶性染料化合物:アルドリッチ社製のアシッド
レッド37/5.0g (2)合成例6の有機ケイ素化合物/16.1g(固形
分5.0g) (3)水/78.9g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [黄色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッ
ドイエロー23/5.0g (2)合成例6の有機ケイ素化合物/16.1g(固形
分5.0g) (3)水/78.9g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [青色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のダイレ
クトブルー86/5.0g (2)合成例6の有機ケイ素化合物/16.1g(固形
分5.0g) (3)水/78.9g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 これら4色のインク組成物を通常の細筆に用いて、通常
の紙に筆記し、実施例1と同様の評価を行った。その結
果を表1に示す。
【0069】〔比較例1〕 [黒色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のクロラ
ゾールブラックLF/5.0g (2)水/95.0g (1),(2)成分を混合し、インク組成物を調製し
た。 [赤色インク] (1)水溶性染料化合物:アルドリッチ社製のアシッド
レッド37/5.0g (2)水/95.0g (1),(2)成分を混合し、インク組成物を調製し
た。 [黄色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッ
ドイエロー23/5.0g (2)水/95.0g (1),(2)成分を混合し、インク組成物を調製し
た。 [青色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のダイレ
クトブルー86/5.0g (2)水/95.0g (1),(2)成分を混合し、インク組成物を調製し
た。 これら4色のインク組成物を通常の細筆に用いて、通常
の紙に筆記し、実施例1と同様の評価を行った。その結
果を表1に示す。
【0070】〔比較例2〕 [黒色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のクロラ
ゾールブラックLF/5.0g (2)合成例7の有機ケイ素化合物/6.4g(固形分
5.0g) (3)水/88.6g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [赤色インク] (1)水溶性染料化合物:アルドリッチ社製のアシッド
レッド37/5.0g (2)合成例7の有機ケイ素化合物/6.4g(固形分
5.0g) (3)水/88.6g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [黄色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッ
ドイエロー23/5.0g (2)合成例7の有機ケイ素化合物/6.4g(固形分
5.0g) (3)水/88.6g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 [青色インク] (1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のダイレ
クトブルー86/5.0g (2)合成例7の有機ケイ素化合物/6.4g(固形分
5.0g) (3)水/88.6g (1)〜(3)成分を混合し、耐水性インク組成物を調
製した。 これら4色のインク組成物を通常の細筆に用いて、通常
の紙に筆記し、実施例1と同様の評価を行った。その結
果を表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】〔実施例9〕ペリカン社製万年筆ブリリア
ントブラックインク(不揮発分4.55%、105℃/
3時間、pH8.92)10gに合成例1の有機ケイ素
化合物1.66g(固形分4.5g)を添加し、耐水性
インク組成物を調製した。このインクを万年筆に充填
し、通常の紙に筆記し、下記の評価を行った。その結果
を表2に示す。
【0073】評価1:耐水性 万年筆により筆記を行った直後に紙上に水を置き、筆記
画像の変化を観察した。 ○:筆記画像変化なし △:やや水によるにじみあり ×:水によるにじみ激しい 評価2:画像の発色性/変色性 万年筆による筆記画像の発色性/変色性をブランク品と
比較観察した。 ○:発色性良好/変色性なし ×:発色性悪い/変色している 評価3:保存安定性 インクを充填した万年筆を室温の環境下、長期間放置
し、万年筆の書き具合の悪化やインク詰まりが起こるま
での期間を観察した。 評価4:50℃下保存安定性 インク組成物を50℃の環境下に放置し、液の変化を観
察した(液の色変化やゲルなどが発生するまで、安定に
存在する期間)。
【0074】〔実施例10〕モンブラン社製万年筆ブリ
リアントブラックインク(不揮発分4.12%、105
℃/3時間、pH4.12)10gに合成例1の有機ケ
イ素化合物1.51g(固形分4.1g)を添加し、耐
水性インク組成物を調製した。このインクを万年筆に充
填し、通常の紙に筆記し、実施例9と同様の評価を行っ
た。その結果を表2に示す。
【0075】〔比較例3〕ペリカン社製万年筆ブリリア
ントブラックインクをそのまま万年筆に充填し、通常の
紙に筆記し、実施例9と同様の評価を行った。その結果
を表2に示す。
【0076】〔比較例4〕モンブラン社製万年筆ブリリ
アントブラックインクをそのまま万年筆に充填し、通常
の紙に筆記し、実施例9と同様の評価を行った。その結
果を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】〔実施例11〕パイロット社製ローリート
レフィル黒色水性ボールペンインク(不揮発分17.8
%、105℃/3時間、pH8.60)2gに合成例1
の有機ケイ素化合物0.38g(固形分0.1g)を添
加し、耐水性インク組成物を調製した。このインクをボ
ールペンに充填し、通常の紙に筆記し、下記の評価を行
った。その結果を表3に示す。
【0079】評価1:耐水性 ボールペンにより筆記を行った直後に紙上に水を置き、
筆記画像の変化を観察した。 ○:筆記画像変化なし △:やや水によるにじみあり ×:水によるにじみ激しい 評価2:画像の発色性/変色性 万年筆による筆記画像の発色性/変色性をブランク品と
比較観察した。 ○:発色性良好/変色性なし ×:発色性悪い/変色している 評価3:保存安定性 インクを充填したボールペンを室温の環境下、長期間放
置し、ボールペンの書き具合の悪化やインク詰まりが起
こるまでの期間を観察した。 評価4:50℃下保存安定性 インク組成物を50℃の環境下に放置し、液の変化を観
察した(液の色変化やゲルなどが発生するまで、安定に
存在する期間)。
【0080】〔実施例12〕パイロット社製ローリート
レフィル赤色水性ボールペンインク(不揮発分25.7
%、105℃/3時間、pH8.79)2gに合成例1
の有機ケイ素化合物0.52g(固形分0.1g)を添
加し、耐水性インク組成物を調製した。このインクをボ
ールペンに充填し、通常の紙に筆記し、実施例11と同
様の評価を行った。その結果を表3に示す。
【0081】〔比較例5〕パイロット社製ローリート黒
色水性ボールペンインクをそのまま通常の紙に筆記し、
実施例11と同様の評価を行った。その結果を表3に示
す。
【0082】〔比較例6〕パイロット社製ローリート赤
色水性ボールペンインクをそのまま通常の紙に筆記し、
実施例11と同様の評価を行った。その結果を表3に示
す。
【0083】
【表3】
【0084】〔実施例13〕不易糊社製墨汁(不揮発分
16.6%、105℃/3時間、pH5.83)10g
に合成例1の有機ケイ素化合物1.88g(固形分0.
7g)を添加し、耐水性墨汁組成物を調製した。この墨
汁組成物を細筆により通常の紙に筆記し、下記の評価を
行った。その結果を表4に示す。
【0085】評価1:耐水性 細筆より筆記を行った直後に紙上に水を置き、筆記画像
の変化を観察した。 ○:筆記画像変化なし △:やや水によるにじみあり ×:水によるにじみ激しい 評価2:画像の発色性/変色性 細筆による筆記画像の発色性/変色性をブランク品と比
較観察した。 ○:発色性良好/変色性なし ×:発色性悪い/変色している 評価3:50℃下保存安定性 墨汁組成物を50℃の環境下に放置し、液の変化を観察
した(液の色変化やゲルなどが発生するまで、安定に存
在する期間)。
【0086】〔比較例7〕不易糊社製墨汁をそのまま細
筆により通常の紙に筆記し、実施例13と同様の評価を
行った。その結果を表4に示す。
【0087】
【表4】
【0088】
【発明の効果】本発明の筆記用具は、筆記画像の耐水性
に優れ、しかも筆記直後にその耐水性が発現する。更に
は、そのインクの保存安定性、安全性も高いものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−212439(JP,A) 特開 平9−40909(JP,A) 特開 平5−311119(JP,A) 特開 平10−60348(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20 C09D 185/00 - 185/04 C08G 77/00 - 77/62 C08L 83/00 - 83/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)水溶性染料化合物及び/又は有機
    顔料化合物 10重量部、 (II)下記一般式(1) YR1 mSiR2 3-m …(1) (式中、R1は炭素数1〜8の非置換又は窒素原子を含
    有しない置換の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜4の
    アルコキシ基又はアシロキシ基、Yはアミノ基含有アル
    キル基であり、mは0又は1である。)で表されるアミ
    ノ基含有アルキル基を含有する加水分解性シラン(A)
    又はその部分加水分解物100重量部と、下記一般式
    (2) R3 nSiR4 4-n …(2) (式中、R3は炭素数1〜8の非置換又は窒素原子を含
    有しない置換の一価炭化水素基、R4は炭素数1〜4の
    アルコキシ基又はアシロキシ基、nは0,1又は2であ
    る。)で表される加水分解性シラン(B)又はその部分
    加水分解物5〜200重量部と を加水分解することによって得られる有機ケイ素化合物 2〜60重量部、 及び (III)水 30〜10,000重量部 を含有する耐水性インク組成物を水性インクとすること
    を特徴とする筆記用具。
JP3132997A 1997-01-30 1997-01-30 筆記用具 Expired - Fee Related JP3262010B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3132997A JP3262010B2 (ja) 1997-01-30 1997-01-30 筆記用具
EP98300591A EP0856566B1 (en) 1997-01-30 1998-01-28 Aqueous ink compositions, their preparation, and use thereof in writing instruments and printers
DE69802121T DE69802121T2 (de) 1997-01-30 1998-01-28 Wässrige Tintenzusammensetzungen, deren Herstellung und Verwendung für Schreibgeräte und Drucker
US09/015,919 US5935311A (en) 1997-01-30 1998-01-30 Water-resistant ink composition and writing instrument

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3132997A JP3262010B2 (ja) 1997-01-30 1997-01-30 筆記用具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10212443A JPH10212443A (ja) 1998-08-11
JP3262010B2 true JP3262010B2 (ja) 2002-03-04

Family

ID=12328231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3132997A Expired - Fee Related JP3262010B2 (ja) 1997-01-30 1997-01-30 筆記用具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3262010B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10212443A (ja) 1998-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3470624B2 (ja) 耐水性インク組成物
JP4123312B2 (ja) 耐水性インク組成物
JP3870982B2 (ja) 耐水性インク組成物
CA3161386A1 (en) Surfactants for inks, paints, and adhesives
EP0856566B1 (en) Aqueous ink compositions, their preparation, and use thereof in writing instruments and printers
JP3871009B2 (ja) 耐水性インク組成物
WO2006019672A1 (en) Eradicable ball-pen inks
JP5283250B2 (ja) 水性インキ組成物およびその製造方法、ならびに筆記具
JP3084328B2 (ja) 耐水性を有する水性インキ組成物
US11787967B2 (en) Branched amino acid surfactants for inks, paints, and adhesives
CA3170075A1 (en) Surfactants for inks, paints, and adhesives
EP0940456B1 (en) Water resistant ink compositions
US6419732B1 (en) Pigment ink composition
JP3262010B2 (ja) 筆記用具
JP4270609B2 (ja) 水性インキ組成物
JPH04331263A (ja) 造塩体染料の濃厚液組成物及びインキ組成物
JP2636990B2 (ja) 水溶性ポリビニルアセタール樹脂及びマーキングペン用インキ組成物
JP3545462B2 (ja) 油性青色インキ組成物
JP3910431B2 (ja) インクジェットプリンター用インクセット
JP4805645B2 (ja) 水性インキ組成物
JPH05171092A (ja) マーキングペン用インキ組成物
JP2002138235A (ja) インクジェットプリンター用インク
JP3248814B2 (ja) 油性赤色インキ組成物
JPH0621261B2 (ja) 油性インキ
JPH04331272A (ja) 水性インキ

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071221

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111221

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111221

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121221

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees