JP3261827B2 - 超音波スペクトラム顕微鏡 - Google Patents

超音波スペクトラム顕微鏡

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JP3261827B2
JP3261827B2 JP26047093A JP26047093A JP3261827B2 JP 3261827 B2 JP3261827 B2 JP 3261827B2 JP 26047093 A JP26047093 A JP 26047093A JP 26047093 A JP26047093 A JP 26047093A JP 3261827 B2 JP3261827 B2 JP 3261827B2
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Length Measuring Devices Characterised By Use Of Acoustic Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料の膜厚や膜質を正
確に測定するため超音波の反射波出力を分析,解析,演
算,記録,表示する超音波スペクトラム顕微鏡に係り、
特に試料の表面物性を測定,評価するに好適な超音波ス
ペクトラム顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】試料の膜厚や膜質を測定するためにSP
Pレンズが使用される。一般にSPPレンズは送信側の
球面レンズと受信側の平面レンズの一対の超音波レンズ
構造からなり、共にトランスデューサおよび遅延材を有
する。送信側レンズから送られる超音波は試料表面に照
射される。試料から反射波は受信側レンズで受信され、
オシロスコープやコンピュータ等の画像処理手段により
反射波出力が分析,解析,演算,表示される。従来一般
に使用されているSPPレンズは球面レンズと平面レン
ズの一対構造のものからなり、例えば送信側の球面レン
ズから集束超音波が試料の集束点に送られ、集束点から
の発散超音波を受信側の平面レンズで受けて反射波出力
を求め、これを基にして膜厚等を測定するものである。
【0003】試料表面の特性を測定する場合には表面波
の位相速度を計測する。位相速度を求める場合には、S
PPレンズを角的に走査して入射角を変化させる。超音
波の入射角が臨界角θwに達すると試料の表面に沿って
漏洩弾性表面波が流れる。ここで試料面で鏡面反射する
成分が減少する。なお、反射の出力の強度上のディップ
により前記表面波の存在を確認出来るがディップが現わ
れにくい場合もあり、位相変化により判断する。SPP
レンズ側の媒体(普通水が媒体となる)内の超音波の伝
達速度をV1とし試料の表面に沿って進行する表面波の
速度、すなわち、位相速度をV2とすると、V2=V1
sinθwとなり、V1が既知のため臨界角θwを求め
ることにより位相速度V2が容易に求められる。かかる
技術は例えば次の英文の文献に記載されている。「Meas
urements of SAW Velocity Using an Ultrasonic-Micro
Stectrometer」 (Proceeding of 10th Symtosium on Ul
trasonic Electronics,Tokyo 1909 Japanese Journal o
f Applied Physics, Vol.29(1990) Supplement 29-1,p
p.289-291).
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、超音
波が臨界角θwで入射されると試料の表面に沿って表面
波(これを漏洩弾性表面波と言い、以下LSAWと称す)
が励起され反射波が殆んど発生しない。LSAWは試料の
表面から再漏洩し受信側の平面レンズ側に進む。そのた
め、反射波の出力にはLSAWが伝播した距離程度だけ試
料についての情報が平均化されてくるため、″微少部″
の弾性的な性質を測定するのが困難であった。
【0005】本発明は、以上の問題点を解決するもの
で、反射波出力が入射角の変化に対して一定の形で変化
することを基にし、その定形化された変化パターンから
臨界角を求め、試料表面波の位相速度を高精度に求める
と共に、試料の物性情報(異方性を含む)を従来のSP
Pレンズに較べて高空間分離能で求め得る超音波スペク
トラム顕微鏡を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の目的を
達成するために、試料表面に直交する垂直軸を境にして
左右に傾斜して配設され超音波を送受信するトランスデ
ューサと遅延材を有する一対の超音波センサおよびその
受信波の画像処理手段を備える超音波スペクトラム顕微
鏡において、送信側および受信側レンズの前記遅延材の
前記試料側の端部に互いに逆面の凸面および凹面を形成
してなる超音波スペクトラム顕微鏡を構成するものであ
る。
【0007】
【作用】送信側からの超音波の入射角が臨界角θwより
も小さい場合にはLSAWは励起されず、また、送信側レ
ンズの中心軸上の超音波以外のものは受信側レンズに入
射されないため反射波出力はほぼ一定値になる。次に、
入射角が臨界角θwに合致すると送信側レンズの中心軸
を通った超音波が試料上にLSAWを励起し、鏡反射波の
出力が激減しディップが瞬間的に生じる。このとき、L
SAWの再放出成分は存在するが受信側レンズの焦点と異
なる位置となるため受信されない。次に、入射角が臨界
角θwよりも大きくなると送信側レンズからの超音波は
その一部が鏡面反射波として受信側レンズにそのまま入
射されると共に、他の部分がLSAWを励起し、その再放
出波が受信側レンズに進む。従って、2成分の波が発生
するため反射波出力は干渉のため浅いディップを繰り返
す波形状のものになる。以上のように、入射角に対する
反射波出力の変化パターンを観察することにより臨界角
の位置が明確化され位相速度を従来のSPPレンズに較
べて高空間分解能で正確に求めることが出来る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明
する。本実施例では送信側の超音波センサに凸面レンズ
を採用し、受信側の超音波センサとして凹面レンズを採
用したが逆でもよい。図1は本実施例の適用される超音
波スペクトラム顕微鏡の概要全体構成図、図2は送信用
の凸面レンズの斜視図、図3は受信用の凹面レンズの斜
視図、図4乃至図6は本実施例の動作を説明するための
正面図、図7は入射角θiと反射波出力との関係を示す
線図である。
【0009】図2に示すように、送信用の凸面レンズ1
は、トランスデューサ3と円筒状の遅延材4からなり、
遅延材4の先端側には凸面5が形成される。一方、図3
に示すように、受信用の凹面レンズ2は、トランスデュ
ーサ6と円筒状の遅延材7からなり、遅延材7の先端側
には凹面8が形成される。
【0010】次に、図1により本実施例の適用される超
音波スペクトラム顕微鏡9の概要構造を説明する。試料
10の垂直軸11の右側には送信用の凸面レンズ1が配
置され左側には受信用の凹面レンズ2が配置される。両
レンズ1,2は互いに傾斜して配置され、凸面レンズ1
は凹面レンズ2を基準とした球面波の集束点Pを向いて
配置される。すなわち、凸面レンズ1はその凸面5から
発散球面波を送信し、発散球面波の一部は集束点Pから
集束球面波として凹面レンズ2側に反射して受信され
る。凸面レンズ1と凹面レンズ2とは共通のレンズホル
ダ12に保持され両者は角度θの交角で配置される。レ
ンズホルダ12を集束点Pを中心として回動することに
より凸面レンズ1の入射角θiが変化し、凹面レンズ2
はθ−θiの位置に移動する。なお、レンズホルダ12
は平面的にラスタ走査される。
【0011】凸面レンズ1のトランスデューサ3にはパ
ルサ&レシーバ13から電気インパルスが送信される。
一方、凹面レンズ2のトランスデューサ6はパルサ&レ
シーバ13に連結され、パルサ&レシーバ13により反
射波出力の増幅が行われる。このデータはオシロスコー
プ14を介しコンピュータ15側に送られ必要な演算お
よび記録がされ表面波位相速度やその他試料の特性等の
解析,演算が行われる。また、その結果は図略のモニタ
ーテレビ等の表示手段により表示される。また、図示の
ように凸面レンズ1および凹面レンズ2と試料10間に
は超音波の伝達媒体としての水16が介在する。
【0012】次に、図4乃至図6により本実施例の動作
を説明する。図4は入射角θiが臨界角θwよりも小さ
いθi<θwの状態における超音波の送受信状態を説明
するものである。凸面レンズ1からは矢印A,Bのよう
に発散球面波が放出されるがその中で凹面レンズ2側に
現われる出力は凸面レンズ1の中心軸17上を通る成分
(矢印Cで示す)のみである。この成分は試料10上の
集束点Pで反射し矢印Dに示すように凹面レンズ2内を
通りトランスデューサ6からパルサ&レシーバ13(図
1)側に送られる。従って、この場合には、反射波出力
はほぼ一定値となる。
【0013】図5は入射角θiが臨界角θwと等しいθ
i=θwの状態を示すものである。この場合にも凹面レ
ンズ2側に進む可能性のある超音波は凸面レンズ1の中
心軸17を通る矢印Cの超音波のみであるが、この超音
波は前記したように集束点PでLSAW(矢印Eで示す)
を励起する。そのため、矢印Fで示す反射波のパワーが
弱くなり殆んど凹面レンズ2側に入力せず反射波出力は
激減しディップが発生する。
【0014】図6は入射角θiが臨界角θwよりも大き
いθi>θwの状態を示す。この場合に凹面レンズ2側
に受信される超音波は凸面レンズ1の中心軸17を通る
矢印Cで示す成分と、臨界角θwで試料10側に向かう
矢印Gの成分の2成分のものになる。矢印Cで示した超
音波は集束点Pで反射し矢印Hで示す反射波として凹面
レンズ2に受信される。一方、矢印Gの超音波は臨界角
θwで入射されるため試料10の表面で矢印Iのように
LSAWを励起し、集束点Pに進みながら一部は矢印Jの
ように弱いパワーの再反射波として凹面レンズ2側に進
む。そのため、受信側で測定される反射波出力は2成分
の干渉の結果小さいディップを繰り返す波形のものにな
る。
【0015】図7は図4乃至図6により説明した反射波
出力の変化を示す線図である。横軸には入射角θiが表
示され、縦軸には反射波出力が表示される。図において
領域1は図4のθi<θwの状態を示し前記したように
反射波出力はほぼ一定値になる。次に、領域2は図5の
θi=θwの状態に相当するもので深いディップ18が
表われる。次に、領域3は図6のθi>θwの状態を示
すもので、浅いディップ19を繰り返す波形20にな
る。この波形20は試料10の材質や硬度等の特性によ
り形状変化するものである。以上のように、本実施例の
超音波センサを使用することにより入射角θiの変化に
対して反射波出力は図7のように一定の変化パターンで
変化する。すなわち、定形化される。図7に示した入射
角θiに対する反射波出力の定形化された変化パターン
を観察することにより、反射波出力が一定値から波形2
0に変化するその境目にディップ18が発生することが
解る。そのため、臨界角θwに相当する入射角θiの位
置を正確に読み取ることが出来る。臨界角θwの値が決
まれば前記したようにV2=V1/sinθwの「スネル
の法則」により試料10の表面を進行するLSAWの位相
速度V2を正確に求めることが出来る。また、前記した
ように、波形20の形状を分析することにより試料の特
性を求めることが出来、超音波マイクロスペクトロスコ
ピーに有効なものとなる。
【0016】以上の説明において、凸面レンズ1および
凹面レンズ2の凸面5および凹面8の形状について特別
説明していないが、試料10に対応して適宜のものを使
用する。また、前記したように送受信側のレンズの形状
は逆でもよい。また、本実施例の適用される超音波スペ
クトラム顕微鏡9の全体構成は図1のものに限定するも
のではない。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、次のような顕著な効果
を奏する。 1)従来のSPPレンズに較べて微少領域でのLSAW速
度を求めることが出来る。すなわち、従来より高空間分
解能となる。 2)超音波センサとして凸面レンズと凹面レンズの組み
合わせレンズを採用することにより入射角θiに対する
反射波出力の変化パターンを定形化することが出来、こ
のパターンから臨界角の位置を正確に求めることが出来
る。 3)臨界角が正確に把握されるため試料表面波の位相速
度を正確に求めることが出来る。 4)反射波出力の変化パターンがθi>θwの状態で波
形が同期的に変化し、その波形を分析することにより試
料の特性(材質,硬度,異方性等)を求めることが出来
る。 5)本発明は、超音波センサの形状を工夫したもので特
別な付属品を使用しないため比較的安価に実施すること
が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の適用される超音波スペクト
ラム顕微鏡の概要全体構成図。
【図2】本実施例の凸面レンズの斜視図。
【図3】本実施例の凹面レンズの斜視図。
【図4】本実施例のθi<θwの状態における超音波の
送受信状態を示す説明用正面図。
【図5】本実施例のθi=θwの状態における超音波の
送受信状態を示す説明用正面図。
【図6】本実施例のθi>θwの状態における超音波の
送受信状態を示す説明用正面図。
【図7】本実施例における入射角θiと反射波出力との
関係を示す線図。
【符号の説明】
1 凸面レンズ 2 凹面レンズ 3 トランスデューサ 4 遅延材 5 凸面 6 トランスデューサ 7 遅延材 8 凹面 9 超音波スペクトラム顕微鏡 10 試料 11 垂直軸 12 レンズホルダ 13 パルサ&レシーバ 14 オシロスコープ 15 コンピュータ 16 水 17 中心軸 18 ディップ 19 ディップ 20 波形
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 29/00 - 29/28 G01B 17/00 - 17/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料表面に直交する垂直軸を境にして左
    右に傾斜して配設され超音波を送受信するトランスデュ
    ーサと遅延材を有する一対の超音波センサおよびその受
    信波の画像処理手段を備える超音波スペクトラム顕微鏡
    において、当該超音波センサを構成する送信側および受
    信側レンズの前記遅延材の前記試料側の端部に互いに逆
    面の凸面および凹面を形成することを特徴とする超音波
    スペクトラム顕微鏡。
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