JP2524946B2 - 超音波顕微鏡装置 - Google Patents
超音波顕微鏡装置Info
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Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、集束超音波ビームを用
いて、被検査物体の音響特性、すなわち漏洩波の音速及
び伝搬減衰量を計測する超音波顕微鏡装置に関するもの
である。
いて、被検査物体の音響特性、すなわち漏洩波の音速及
び伝搬減衰量を計測する超音波顕微鏡装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、集束した超音波ビームを用いて物
体の微視的あるいは巨視的な構造および音響特性を観察
・測定する機械走査型超音波顕微鏡が開発された。この
超音波顕微鏡は、原理的には円錐状に集束された超音波
ビームを被検査体に照射し、超音波ビームの焦点の位置
を被検査体面内で移動させたり、あるいは被検査体面に
垂直方向に移動させたりして、被検査体内の各点におけ
る弾性的性質の差異等によって生ずる超音波の反射波あ
るいは透過波を超音波トランスジューサで検出して、電
気信号に変換し、その信号を陰極線管面上に二次元的に
表示して超音波顕微鏡像を得たり、あるいはX−Yレコ
ーダー等に記録したりするものである。集束超音波ビー
ムを形成するための変換器としては、代表的にはレンズ
方式によるもの、凹面あるいは凸面の球面上に超音波変
換器を構成した方式によるもの等がある。また、超音波
トランスジューサの配置により透過型と反射型の超音波
顕微鏡に分類される。
体の微視的あるいは巨視的な構造および音響特性を観察
・測定する機械走査型超音波顕微鏡が開発された。この
超音波顕微鏡は、原理的には円錐状に集束された超音波
ビームを被検査体に照射し、超音波ビームの焦点の位置
を被検査体面内で移動させたり、あるいは被検査体面に
垂直方向に移動させたりして、被検査体内の各点におけ
る弾性的性質の差異等によって生ずる超音波の反射波あ
るいは透過波を超音波トランスジューサで検出して、電
気信号に変換し、その信号を陰極線管面上に二次元的に
表示して超音波顕微鏡像を得たり、あるいはX−Yレコ
ーダー等に記録したりするものである。集束超音波ビー
ムを形成するための変換器としては、代表的にはレンズ
方式によるもの、凹面あるいは凸面の球面上に超音波変
換器を構成した方式によるもの等がある。また、超音波
トランスジューサの配置により透過型と反射型の超音波
顕微鏡に分類される。
【0003】図3Aは反射型の超音波顕微鏡のブロック
図で、高周波パルス発振器1からの電気信号は、方向性
結合器2を経て、前記のような集束用超音波トランスジ
ューサ3により集束超音波ビームとなり、液体音場媒体
4を介して、被検査体保持板5上に固定され、ほぼ焦点
近傍に配置された被検査体6に照射される。保持板5は
走査装置7によってX及びY方向に移動される。もちろ
ん、保持板5を移動させる代わりに超音波トランスジュ
ーサ3をX及びY方向に移動させてもよい。走査装置7
は走査制御回路8によって制御される。被検査体6より
反射された反射波は再び超音波トランスジューサ3で集
音され、電気信号に変換され、前記方向性結合器2を経
て表示装置9へ供給され超音波顕微鏡像が得られる。こ
のような超音波像から被検査体の音響的特性を場所の関
数として読みとる計測法は超音波顕微鏡による画像計測
と呼ばれている。この画像計測においては、超音波顕微
鏡装置は被検査体を、集束超音波ビームの液体音場媒体
(通常は水が使用される)における焦点面上に配置させ
て超音波像を撮像するばかりでなく、焦点面から積極的
にずらして使用されることが多い。これは、超音波顕微
鏡装置の特徴であり、従来の光学顕微鏡および電子顕微
鏡等で観測できない被検査体内部の変化をコントラスト
よく観測することができる。
図で、高周波パルス発振器1からの電気信号は、方向性
結合器2を経て、前記のような集束用超音波トランスジ
ューサ3により集束超音波ビームとなり、液体音場媒体
4を介して、被検査体保持板5上に固定され、ほぼ焦点
近傍に配置された被検査体6に照射される。保持板5は
走査装置7によってX及びY方向に移動される。もちろ
ん、保持板5を移動させる代わりに超音波トランスジュ
ーサ3をX及びY方向に移動させてもよい。走査装置7
は走査制御回路8によって制御される。被検査体6より
反射された反射波は再び超音波トランスジューサ3で集
音され、電気信号に変換され、前記方向性結合器2を経
て表示装置9へ供給され超音波顕微鏡像が得られる。こ
のような超音波像から被検査体の音響的特性を場所の関
数として読みとる計測法は超音波顕微鏡による画像計測
と呼ばれている。この画像計測においては、超音波顕微
鏡装置は被検査体を、集束超音波ビームの液体音場媒体
(通常は水が使用される)における焦点面上に配置させ
て超音波像を撮像するばかりでなく、焦点面から積極的
にずらして使用されることが多い。これは、超音波顕微
鏡装置の特徴であり、従来の光学顕微鏡および電子顕微
鏡等で観測できない被検査体内部の変化をコントラスト
よく観測することができる。
【0004】一方、前述の画像計測のための超音波顕微
鏡を改良して被検査体の音速を測定する音速測定装置が
開発されている。これは、超音波顕微鏡において、X及
びY方向に走査させず、図3Bに示されるようにZ軸方
向移動装置11上に配置された被検査体10(例えば、
固体物質)を、移動制御装置12によって、ビーム軸
(Z軸)に沿って超音波トランスジューサ3方向に近づ
くように移動させながらトランスジューサ出力を観察す
るようにした装置である。トランスジューサの出力は図
4Aに示されるような周期的に変化する曲線となって記
録装置13に描かれる。この曲線はV(z)曲線あるい
は音響特性化曲線と呼ばれている。その周期性は物質に
依存し、これは被検査体10に照射される集束超音波ビ
ームのうちのZ軸近傍からの反射波と、臨界角近傍のビ
ームによって励起された漏洩弾性波の再放射した波との
干渉によるものであることが知られている。したがっ
て、図4A中の周期ΔZから、漏洩弾性波の速度を計算
により求めることができる。この周期ΔZと音速の関係
は近似的に次式で与えられる。
鏡を改良して被検査体の音速を測定する音速測定装置が
開発されている。これは、超音波顕微鏡において、X及
びY方向に走査させず、図3Bに示されるようにZ軸方
向移動装置11上に配置された被検査体10(例えば、
固体物質)を、移動制御装置12によって、ビーム軸
(Z軸)に沿って超音波トランスジューサ3方向に近づ
くように移動させながらトランスジューサ出力を観察す
るようにした装置である。トランスジューサの出力は図
4Aに示されるような周期的に変化する曲線となって記
録装置13に描かれる。この曲線はV(z)曲線あるい
は音響特性化曲線と呼ばれている。その周期性は物質に
依存し、これは被検査体10に照射される集束超音波ビ
ームのうちのZ軸近傍からの反射波と、臨界角近傍のビ
ームによって励起された漏洩弾性波の再放射した波との
干渉によるものであることが知られている。したがっ
て、図4A中の周期ΔZから、漏洩弾性波の速度を計算
により求めることができる。この周期ΔZと音速の関係
は近似的に次式で与えられる。
【0005】ΔZ=V1 /{2f(1−cosθS )} θS =sin-1(V1 /VS ) ここで、θS ;臨界角、V1 ;液体音場媒体4の縦波速
度、VS ;漏洩弾性波速度、f;使用超音波周波数であ
る。したがって、この音速測定装置では周期ΔZを実測
することによって、固体の音速を定量的に求めることが
できる。このことから、本測定は被検査体の音響特性の
超音波顕微鏡による定量測定と呼ばれている。
度、VS ;漏洩弾性波速度、f;使用超音波周波数であ
る。したがって、この音速測定装置では周期ΔZを実測
することによって、固体の音速を定量的に求めることが
できる。このことから、本測定は被検査体の音響特性の
超音波顕微鏡による定量測定と呼ばれている。
【0006】さらに、上述のV(z)曲線に基づく音速
測定において前記の円錐状に集束された超音波ビームを
用いると、微小部分に対しての音響特性を検出できると
いう特徴をもっているが、そのビーム形状の対称性によ
り、ビームの成分はビーム軸のまわりの全方向に広がっ
ているために、被検査体がZ軸のまわりに異方性をもっ
ている場合には、方向に依存した異方性の検出はでき
ず、音速は平均値として測定される。異方性検出のため
超音波トランスジューサ電極を分割する方法等も試みら
れているが定量的に乏しい。そこで、異方性をも含めて
定量的に精密な計測を行なうため、直線状に集束された
超音波ビーム(直線状集束超音波ビーム)を用いる超音
波顕微鏡が提案されている(特願昭56−107402
号参照)。
測定において前記の円錐状に集束された超音波ビームを
用いると、微小部分に対しての音響特性を検出できると
いう特徴をもっているが、そのビーム形状の対称性によ
り、ビームの成分はビーム軸のまわりの全方向に広がっ
ているために、被検査体がZ軸のまわりに異方性をもっ
ている場合には、方向に依存した異方性の検出はでき
ず、音速は平均値として測定される。異方性検出のため
超音波トランスジューサ電極を分割する方法等も試みら
れているが定量的に乏しい。そこで、異方性をも含めて
定量的に精密な計測を行なうため、直線状に集束された
超音波ビーム(直線状集束超音波ビーム)を用いる超音
波顕微鏡が提案されている(特願昭56−107402
号参照)。
【0007】図4Bは直線状集束超音波ビームを用い
て、固体の音響特性のZ軸のまわりの異方性を検出測定
する方法を示す説明図である。直線状集束超音波ビーム
15は液体音場媒体(同図中には示されていない)を介
して、被検査体16に照射され、上述の円錐状に集束さ
れた超音波ビームを用いた場合と同様に、Z軸方向に被
検査体16を移動しながらV(z)曲線を記録する。V
(z)曲線のデイツプの周期ΔZと固体の漏洩弾性波速
度との関係式は、円錐状に集束された超音波ビームを用
いた場合において説明したものと全く同様である。図4
Bでは、X方向にだけ漏洩弾性波を励振できるため、X
方向の伝搬速度を測定できる。順次、被検査体16をZ
軸まわりに角度θ回転して同様な測定を繰り返すことに
よってZ軸のまわりの異方性を漏洩弾性波速度値の差異
として測定することができる。すなわち、上記直線状集
束超音波ビームを使用した場合には、結晶の異方性を角
度θと音速の関係で表わすことができる。
て、固体の音響特性のZ軸のまわりの異方性を検出測定
する方法を示す説明図である。直線状集束超音波ビーム
15は液体音場媒体(同図中には示されていない)を介
して、被検査体16に照射され、上述の円錐状に集束さ
れた超音波ビームを用いた場合と同様に、Z軸方向に被
検査体16を移動しながらV(z)曲線を記録する。V
(z)曲線のデイツプの周期ΔZと固体の漏洩弾性波速
度との関係式は、円錐状に集束された超音波ビームを用
いた場合において説明したものと全く同様である。図4
Bでは、X方向にだけ漏洩弾性波を励振できるため、X
方向の伝搬速度を測定できる。順次、被検査体16をZ
軸まわりに角度θ回転して同様な測定を繰り返すことに
よってZ軸のまわりの異方性を漏洩弾性波速度値の差異
として測定することができる。すなわち、上記直線状集
束超音波ビームを使用した場合には、結晶の異方性を角
度θと音速の関係で表わすことができる。
【0008】以上のような測定法に基づいて音速決定を
行なうためには、V(z)曲線中のデイツプ周期が規則
的にあらわれることが必要である。しかしながら、一般
に複数個の漏洩弾性波モードがV(z)曲線における波
の干渉現象に関与する場合には、V(z)曲線中のデイ
ツプ周期および波形に乱れが生ずる。このような場合に
は単純にはその曲線からデイツプ周期ΔZを正確に求め
られないことが多く、V(z)曲線から漏洩波の速度を
測定するのが困難となる。
行なうためには、V(z)曲線中のデイツプ周期が規則
的にあらわれることが必要である。しかしながら、一般
に複数個の漏洩弾性波モードがV(z)曲線における波
の干渉現象に関与する場合には、V(z)曲線中のデイ
ツプ周期および波形に乱れが生ずる。このような場合に
は単純にはその曲線からデイツプ周期ΔZを正確に求め
られないことが多く、V(z)曲線から漏洩波の速度を
測定するのが困難となる。
【0009】最近、そのような歪んだV(z)曲線から
被検査体の正確な音響情報を抽出するため、「複数個の
漏洩弾性波モードが存在する被検査体に対して得られる
複雑なV(z)曲線は、各々のモードだけが存在すると
仮定した場合に得られるV(z)曲線の重ね合わせとし
て考えることができる」という原理に基づき、フーリエ
変換等の波形解析手法を用いて解析する機能を有する超
音波顕微鏡装置が発明された(特願昭58−05836
8(特開昭59−183364号公報))。その装置に
よれば、測定されたV(z)曲線に波形解析手法とし
て、フーリエ変換等の操作を施し、周波数領域で各々の
モードをそれぞれに対応した周波数スペクトラムとして
他のモードから分離し、各々のモードに対して対応する
デイツプ周期ΔZを算出し、前述したデイツプ周期ΔZ
と漏洩弾性波速度VS との関係式に基づいて、各々のモ
ードの漏洩弾性波速度を決定するものである。
被検査体の正確な音響情報を抽出するため、「複数個の
漏洩弾性波モードが存在する被検査体に対して得られる
複雑なV(z)曲線は、各々のモードだけが存在すると
仮定した場合に得られるV(z)曲線の重ね合わせとし
て考えることができる」という原理に基づき、フーリエ
変換等の波形解析手法を用いて解析する機能を有する超
音波顕微鏡装置が発明された(特願昭58−05836
8(特開昭59−183364号公報))。その装置に
よれば、測定されたV(z)曲線に波形解析手法とし
て、フーリエ変換等の操作を施し、周波数領域で各々の
モードをそれぞれに対応した周波数スペクトラムとして
他のモードから分離し、各々のモードに対して対応する
デイツプ周期ΔZを算出し、前述したデイツプ周期ΔZ
と漏洩弾性波速度VS との関係式に基づいて、各々のモ
ードの漏洩弾性波速度を決定するものである。
【0010】以上のような測定は、被検査体の音響特性
を微視的部分あるいは巨視的部分において定量計測する
ことを目的としたものである。超音波顕微鏡装置によっ
て記録されたV(z)曲線には被検査体のあらゆる弾性
的情報が含まれているが、上記音速測定は、その一部の
情報の抽出である。V(z)曲線中には干渉振幅等の形
状に大きな影響を及ぼす重要な因子:干渉に関与する漏
洩波の伝搬減衰も含まれている。超音波顕微鏡装置にお
ける液体音場媒体と被検査体との間の境界面上を伝搬す
る漏洩波の伝搬に伴う音波振幅の減衰は、主に次の3つ
の要因:被検査体への液体の音響的負荷に基づく音波
エネルギーの液体中への放射による減衰、被検査体自
体の音波吸収機構による減衰、被検査体表面の粗さに
よる音波の散乱や、漏洩波エネルギーが分布する被検査
体内部に存在するクラツク、気泡、粒界等に代表される
ような被検査体内部の構造因子による音波の散乱による
減衰、によって引き起こされると考えられる。したがっ
て、V(z)曲線に関与する1個、あるいは複数個の漏
洩波の伝搬減衰を測定することによって、被検査体の音
響インピーダンス、表面状態や内部構造を知ることがで
きる。この漏洩波の伝搬減衰をV(z)曲線から決定す
る方法には、今までのところ大きく分けて2つの方法が
円錐状に集束された超音波ビームに対して提案され、試
みられている。1つの方法は測定されたV(z)曲線中
に表われるデイツプの深さ、あるいは干渉振幅の大きさ
を理論計算で求めたV(z)曲線と対比して、その減衰
を推定する方法である。もう1つの方法は、中心軸近傍
の超音波ビーム成分を除去するため、図4Cに示すよう
にレンズの中央付近に吸音材20をつけたり、図4Dに
示すように超音波トランスジューサの電極に工夫をこら
し、測定に適切な音場を使用したりして、V(z)曲線
における中心軸付近の超音波ビームに対しての超音波ト
ランスジューサの応答をとり去ることによって、漏洩振
幅幅の減衰を、Z軸移動距離に対して直接的に測定する
方法である。しかしながら、これらの減衰測定方法には
以下に示すような重大な欠点がある。すなわち、前者の
測定法に対しては、理論計算との比較のため手間が非常
にかかるうえ、理論計算における近似のため、実際の実
験との対応が不完全であり、測定精度が不十分である。
また、後者の測定法では、漏洩波の減衰決定を行なうに
は、最終的に漏洩波の速度を使用しなければならないの
で、その音速を通常のV(z)曲線法あるいは他の方法
に頼って別に測定しておかなければならないといった不
便がある。
を微視的部分あるいは巨視的部分において定量計測する
ことを目的としたものである。超音波顕微鏡装置によっ
て記録されたV(z)曲線には被検査体のあらゆる弾性
的情報が含まれているが、上記音速測定は、その一部の
情報の抽出である。V(z)曲線中には干渉振幅等の形
状に大きな影響を及ぼす重要な因子:干渉に関与する漏
洩波の伝搬減衰も含まれている。超音波顕微鏡装置にお
ける液体音場媒体と被検査体との間の境界面上を伝搬す
る漏洩波の伝搬に伴う音波振幅の減衰は、主に次の3つ
の要因:被検査体への液体の音響的負荷に基づく音波
エネルギーの液体中への放射による減衰、被検査体自
体の音波吸収機構による減衰、被検査体表面の粗さに
よる音波の散乱や、漏洩波エネルギーが分布する被検査
体内部に存在するクラツク、気泡、粒界等に代表される
ような被検査体内部の構造因子による音波の散乱による
減衰、によって引き起こされると考えられる。したがっ
て、V(z)曲線に関与する1個、あるいは複数個の漏
洩波の伝搬減衰を測定することによって、被検査体の音
響インピーダンス、表面状態や内部構造を知ることがで
きる。この漏洩波の伝搬減衰をV(z)曲線から決定す
る方法には、今までのところ大きく分けて2つの方法が
円錐状に集束された超音波ビームに対して提案され、試
みられている。1つの方法は測定されたV(z)曲線中
に表われるデイツプの深さ、あるいは干渉振幅の大きさ
を理論計算で求めたV(z)曲線と対比して、その減衰
を推定する方法である。もう1つの方法は、中心軸近傍
の超音波ビーム成分を除去するため、図4Cに示すよう
にレンズの中央付近に吸音材20をつけたり、図4Dに
示すように超音波トランスジューサの電極に工夫をこら
し、測定に適切な音場を使用したりして、V(z)曲線
における中心軸付近の超音波ビームに対しての超音波ト
ランスジューサの応答をとり去ることによって、漏洩振
幅幅の減衰を、Z軸移動距離に対して直接的に測定する
方法である。しかしながら、これらの減衰測定方法には
以下に示すような重大な欠点がある。すなわち、前者の
測定法に対しては、理論計算との比較のため手間が非常
にかかるうえ、理論計算における近似のため、実際の実
験との対応が不完全であり、測定精度が不十分である。
また、後者の測定法では、漏洩波の減衰決定を行なうに
は、最終的に漏洩波の速度を使用しなければならないの
で、その音速を通常のV(z)曲線法あるいは他の方法
に頼って別に測定しておかなければならないといった不
便がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、音響
特性化曲線V(z)から基準信号曲線VR (z)を差し
引いて干渉出力波形V1 (z)を得、その干渉出力波形
V1 (z)の周期性から漏洩弾性波の速度を求める。基
準信号曲線V R (z)は、トランスジューサと被検査物
体との相対的移動に対して、集束超音波ビーム用トラン
スジューサと音響レンズの形状と動作周波数により決定
されるものである。
特性化曲線V(z)から基準信号曲線VR (z)を差し
引いて干渉出力波形V1 (z)を得、その干渉出力波形
V1 (z)の周期性から漏洩弾性波の速度を求める。基
準信号曲線V R (z)は、トランスジューサと被検査物
体との相対的移動に対して、集束超音波ビーム用トラン
スジューサと音響レンズの形状と動作周波数により決定
されるものである。
【0012】
【実施例】図1Aはこの発明の測定原理の説明図で、一
例として集束超音波ビームには、音響レンズ方式による
直線状集束超音波ビームをとりあげた場合の断面図であ
る。ここでは簡単のため、被検査体と液体音場媒体との
境界には漏洩波モードとしては漏洩弾性表面波だけが存
在するものとする。先に音速測定の原理で述べたよう
に、超音波トランスジューサ18の出力であるV(z)
は、実効的にはレンズ中心軸近傍から入射して被検査体
16で反射された後に超音波トランスジューサ18に戻
る成分#0と、漏洩弾性表面波臨界角θ1sawで入射し、
被検査体表面をある距離伝搬した後に水中に再放射され
て超音波トランスジューサ18に戻る成分#1によって
構成され、この2つの波の干渉によって周期的なデイツ
プが現れると考えられる。この出力V(z)は図1Bに
示されるように直線状集束超音波ビーム用超音波トラン
スジューサとレンズの形状と動作周波数により決定され
る基準信号曲線VR (z)の上に漏洩弾性表面波成分と
中心軸近傍の反射波成分との干渉波形が重畳したもので
ある。したがって、実測されたV(z)曲線から基準信
号曲線VR (z)を差し引いた曲線は、漏洩弾性表面波
速度に対応するデイツプ周期ΔZをもち漏洩弾性表面波
の伝搬長と関連して減衰する正弦波の干渉出力波形V1
(z)として表現できる。したがって、出力V(z)は
近似的に次式で表わすことができる。
例として集束超音波ビームには、音響レンズ方式による
直線状集束超音波ビームをとりあげた場合の断面図であ
る。ここでは簡単のため、被検査体と液体音場媒体との
境界には漏洩波モードとしては漏洩弾性表面波だけが存
在するものとする。先に音速測定の原理で述べたよう
に、超音波トランスジューサ18の出力であるV(z)
は、実効的にはレンズ中心軸近傍から入射して被検査体
16で反射された後に超音波トランスジューサ18に戻
る成分#0と、漏洩弾性表面波臨界角θ1sawで入射し、
被検査体表面をある距離伝搬した後に水中に再放射され
て超音波トランスジューサ18に戻る成分#1によって
構成され、この2つの波の干渉によって周期的なデイツ
プが現れると考えられる。この出力V(z)は図1Bに
示されるように直線状集束超音波ビーム用超音波トラン
スジューサとレンズの形状と動作周波数により決定され
る基準信号曲線VR (z)の上に漏洩弾性表面波成分と
中心軸近傍の反射波成分との干渉波形が重畳したもので
ある。したがって、実測されたV(z)曲線から基準信
号曲線VR (z)を差し引いた曲線は、漏洩弾性表面波
速度に対応するデイツプ周期ΔZをもち漏洩弾性表面波
の伝搬長と関連して減衰する正弦波の干渉出力波形V1
(z)として表現できる。したがって、出力V(z)は
近似的に次式で表わすことができる。
【0013】V(z)=V1 (z)+VR (z) ここで V1 (z)=C・ATT・sin(ξ|z|+φ) ATT=exp(−2αwt(z))・exp(−2γ
|z|tanθ1saw) γ=2πfα/V1saw t(z)=線分AB=線分CD ξは#0と#1との間の単位伝搬長当りの相対位相差、
φは焦点面でZ=0での#0と#1との間の初期位相
差、Cは任意定数である。また、fは超音波周波数、α
wは液体音場媒体における縦波音波の減衰定数、V1saw
は漏洩弾性表面波の位相速度、αは規格化伝搬減衰定数
である。したがって、液体音場媒体の音響特性(音速、
減衰定数)が既知のとき干渉波出力V1 (z)を実験的
に抽出すれば、その周期性から漏洩弾性波の速度を、ま
た干渉波形の減衰の傾きから伝搬減衰量を決定できる。
その実験手順の一例を以下に示す。 (a)V(z)曲線を記録する。 (b)デジタル・フイルター技術等の手法を用いて測定
したV(z)曲線からV R (z)を抽出合成する。 (c)V(z)からVR (z)を差し引きV1 (z)を
抽出する。 (d)V1 (z)の周期性よりV1sawを決定する。 (e)V1 (z)からATTを測定する。 (f)ATTから液体音場媒体のαwを用いてαを決定
する。
|z|tanθ1saw) γ=2πfα/V1saw t(z)=線分AB=線分CD ξは#0と#1との間の単位伝搬長当りの相対位相差、
φは焦点面でZ=0での#0と#1との間の初期位相
差、Cは任意定数である。また、fは超音波周波数、α
wは液体音場媒体における縦波音波の減衰定数、V1saw
は漏洩弾性表面波の位相速度、αは規格化伝搬減衰定数
である。したがって、液体音場媒体の音響特性(音速、
減衰定数)が既知のとき干渉波出力V1 (z)を実験的
に抽出すれば、その周期性から漏洩弾性波の速度を、ま
た干渉波形の減衰の傾きから伝搬減衰量を決定できる。
その実験手順の一例を以下に示す。 (a)V(z)曲線を記録する。 (b)デジタル・フイルター技術等の手法を用いて測定
したV(z)曲線からV R (z)を抽出合成する。 (c)V(z)からVR (z)を差し引きV1 (z)を
抽出する。 (d)V1 (z)の周期性よりV1sawを決定する。 (e)V1 (z)からATTを測定する。 (f)ATTから液体音場媒体のαwを用いてαを決定
する。
【0014】このように本発明は上記測定原理に基づ
き、測定した1つのV(z)曲線から、被検査体に対し
て漏洩波の音速を抽出・決定することができるようにし
た超音波顕微鏡装置である。以下、実施例を詳細に説明
する。図1Cは一実施例としてデイジタルフイルター技
術および高速フーリエ変換等による信号処理をした場合
の超音波顕微鏡装置のブロック図を示したものである。
被検査体10に対してV(z)曲線を記録装置13に記
録し、波形処理用計算機19で波形処理と解析を行な
い、漏洩波の音速と減衰を一緒に測定できる。
き、測定した1つのV(z)曲線から、被検査体に対し
て漏洩波の音速を抽出・決定することができるようにし
た超音波顕微鏡装置である。以下、実施例を詳細に説明
する。図1Cは一実施例としてデイジタルフイルター技
術および高速フーリエ変換等による信号処理をした場合
の超音波顕微鏡装置のブロック図を示したものである。
被検査体10に対してV(z)曲線を記録装置13に記
録し、波形処理用計算機19で波形処理と解析を行な
い、漏洩波の音速と減衰を一緒に測定できる。
【0015】ここでは直線状集束超音波ビームを使用し
た音響特性測定のための超音波顕微鏡装置によって、被
検査体として光学研磨した等方性の溶融石英(Si
O2 )について行った測定実施例を示す。液体音場媒体
としては水を使用し、水と溶融石英被検査体との境界面
に存在・伝搬できる漏洩弾性表面波を測定対象とする。
実験は曲率半径1.0mmの直線状集束超音波ビーム用サ
フアイア・レンズを使用し、超音波周波数226.3M
Hzで行った。図2AおよびBは前記測定手順によって
測定されたV(z)曲線およびV1 (z)曲線である。
図2Cは図2Bを常用対数表示したものである。図2B
より音速測定ができデイツプ周期ΔZ=33.1μmよ
り、漏洩弾性表面波速度V1saw=3432m/sが算出
された。また、図2Cより、V1 (z)曲線に対しては
103dB/mmの減衰量が測定され、水の減衰定数
(20℃でαw/f2 =25.3×10-17 neper
S2 /cw)を考慮すると、規格化減衰定数はα=
3.64×10-2と決定された。この溶融石英に対して
の実験例においては、漏洩弾性表面波の減衰に対して
は、水の溶融石英に対する音響負荷による減衰に比し、
固体内での吸収減衰および固体の表面および内部におけ
る散乱減衰等は無視できるので、測定減衰量は音響負荷
減衰量αlsawに対応すると考えられる。理論計算と比較
した結果を表1に示す。
た音響特性測定のための超音波顕微鏡装置によって、被
検査体として光学研磨した等方性の溶融石英(Si
O2 )について行った測定実施例を示す。液体音場媒体
としては水を使用し、水と溶融石英被検査体との境界面
に存在・伝搬できる漏洩弾性表面波を測定対象とする。
実験は曲率半径1.0mmの直線状集束超音波ビーム用サ
フアイア・レンズを使用し、超音波周波数226.3M
Hzで行った。図2AおよびBは前記測定手順によって
測定されたV(z)曲線およびV1 (z)曲線である。
図2Cは図2Bを常用対数表示したものである。図2B
より音速測定ができデイツプ周期ΔZ=33.1μmよ
り、漏洩弾性表面波速度V1saw=3432m/sが算出
された。また、図2Cより、V1 (z)曲線に対しては
103dB/mmの減衰量が測定され、水の減衰定数
(20℃でαw/f2 =25.3×10-17 neper
S2 /cw)を考慮すると、規格化減衰定数はα=
3.64×10-2と決定された。この溶融石英に対して
の実験例においては、漏洩弾性表面波の減衰に対して
は、水の溶融石英に対する音響負荷による減衰に比し、
固体内での吸収減衰および固体の表面および内部におけ
る散乱減衰等は無視できるので、測定減衰量は音響負荷
減衰量αlsawに対応すると考えられる。理論計算と比較
した結果を表1に示す。
【0016】 表1 測定値と理論計算値の比較 ──────────────────────────── 音速 Vlsaw (m/s) 規格化減衰定数αlsaw ──────────────────────────── 測定値 計算値 測定値 計算値 3432 3430 3.64×10-2 3.82×10-2 ──────────────────────────── 速度は0.1%以内、減衰定数は5%以内で、理論計算
値とよく一致している。
値とよく一致している。
【0017】以上、本発明の超音波顕微鏡装置を使用す
ることによって、被検査体の音響特性(漏洩波速度およ
び伝搬減衰量)を1つのV(z)曲線から容易にしかも
十分な測定精度で測定できることが立証された。ここで
は本発明の測定原理を直線状集束超音波ビームに対して
適用した実施例を述べたが、同様に円錐状に集束された
超音波ビームを使用した場合に適用できることももちろ
んである。その場合には微視的領域における音響特性の
定量計測が可能となり、前述した被検査体の超音波像に
よる画像計測と音響特性の定量計測との対応を可能とす
る。また、被検査体に異方性がある場合、直線状集束超
音波ビームを用いれば漏洩波の伝搬方向に対しての音速
の変化、伝搬減衰量の変化として容易にその異方性を検
出できることももちろんである。さらに、上記実施例で
は液体音場媒体と被検査体の境界面に唯一の漏洩波が存
在するとした場合について説明したが、複数個の漏洩波
が関与する場合には、フーリエ変換技術およびフイルタ
ー技術を使用することによって、それぞれの漏洩波モー
ドを分離できるので、この場合にも上述の測定法によっ
て速度、伝搬減衰を定めることができる。なお、上記音
響特性の測定手順および実施例においては、基準信号曲
線VR (z)として、フイルターリング技術によって抽
出された曲線を使用する場合について詳述したが、顕著
に漏洩波が励振されないような固体材料、例えば二酸化
テルル(TeO2 )などにおいては、V(z)曲線には
っきりとした干渉波形が現われないので、このV(z)
曲線を上記の基準信号曲線VR (z)として使用するこ
ともできる。
ることによって、被検査体の音響特性(漏洩波速度およ
び伝搬減衰量)を1つのV(z)曲線から容易にしかも
十分な測定精度で測定できることが立証された。ここで
は本発明の測定原理を直線状集束超音波ビームに対して
適用した実施例を述べたが、同様に円錐状に集束された
超音波ビームを使用した場合に適用できることももちろ
んである。その場合には微視的領域における音響特性の
定量計測が可能となり、前述した被検査体の超音波像に
よる画像計測と音響特性の定量計測との対応を可能とす
る。また、被検査体に異方性がある場合、直線状集束超
音波ビームを用いれば漏洩波の伝搬方向に対しての音速
の変化、伝搬減衰量の変化として容易にその異方性を検
出できることももちろんである。さらに、上記実施例で
は液体音場媒体と被検査体の境界面に唯一の漏洩波が存
在するとした場合について説明したが、複数個の漏洩波
が関与する場合には、フーリエ変換技術およびフイルタ
ー技術を使用することによって、それぞれの漏洩波モー
ドを分離できるので、この場合にも上述の測定法によっ
て速度、伝搬減衰を定めることができる。なお、上記音
響特性の測定手順および実施例においては、基準信号曲
線VR (z)として、フイルターリング技術によって抽
出された曲線を使用する場合について詳述したが、顕著
に漏洩波が励振されないような固体材料、例えば二酸化
テルル(TeO2 )などにおいては、V(z)曲線には
っきりとした干渉波形が現われないので、このV(z)
曲線を上記の基準信号曲線VR (z)として使用するこ
ともできる。
【0018】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によればV
(z)曲線から基準信号曲線VR (z)を差し引き、そ
の残りの曲線V1 (z)の周期性から漏洩弾性波の音速
を求めているため、周期性が明確になり音速を容易にか
つ正確に測定することができる。
(z)曲線から基準信号曲線VR (z)を差し引き、そ
の残りの曲線V1 (z)の周期性から漏洩弾性波の音速
を求めているため、周期性が明確になり音速を容易にか
つ正確に測定することができる。
【図1】Aは本発明の測定原理を説明する図、BはV
(z)曲線とVR (z)曲線との関係を示す図、Cはこ
の発明の実施例を示すブロック図である。
(z)曲線とVR (z)曲線との関係を示す図、Cはこ
の発明の実施例を示すブロック図である。
【図2】実験用被検査体として溶融石英(SiO2 )に
対して得られたV(z)曲線とV1 (z)曲線を示す
図。
対して得られたV(z)曲線とV1 (z)曲線を示す
図。
【図3】Aは従来の反射型超音波顕微鏡の原理を示すブ
ロック図、Bは反射型超音波顕微鏡による音速測定の原
理を示す図である。
ロック図、Bは反射型超音波顕微鏡による音速測定の原
理を示す図である。
【図4】AはV(z)曲線を示す図、Bは直線状集束超
音波ビームによる固体の異方性検出の原理を示す説明
図、C及びDは従来の漏洩波の伝搬減衰を直接的に測定
する方法の説明図である。
音波ビームによる固体の異方性検出の原理を示す説明
図、C及びDは従来の漏洩波の伝搬減衰を直接的に測定
する方法の説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 集束超音波ビーム用トランスジューサよ
り集束超音波ビームを被検査物体に照射し、その反射波
を上記トランスジューサで受波し、上記集束超音波ビー
ムの軸心方向に沿ってその集束超音波ビームと上記被検
査物体とを相対的に移動させて、上記トランスジューサ
から音響特性化曲線V(z)を得る超音波顕微鏡装置に
おいて、上記相対的移動に対して、上記集束超音波ビーム用トラ
ンスジューサと音響レンズの形状と動作周波数により決
定される基準信号曲線V R (z)を合成する手段と、 上記音響特性化曲線V(z)から上記基準信号曲線VR
(z)を差し引いて干渉出力波形V1 (z)を得る手段
と、 その干渉出力波形V1 (z)の周期性から漏洩弾性波の
速度を求める手段とを設けたことを特徴とする超音波顕
微鏡装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4292775A JP2524946B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 超音波顕微鏡装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4292775A JP2524946B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 超音波顕微鏡装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58083428A Division JPS59206758A (ja) | 1983-04-03 | 1983-05-11 | 超音波顕微鏡装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07280781A JPH07280781A (ja) | 1995-10-27 |
JP2524946B2 true JP2524946B2 (ja) | 1996-08-14 |
Family
ID=17786182
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4292775A Expired - Lifetime JP2524946B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 超音波顕微鏡装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2524946B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007108167A (ja) * | 2005-09-13 | 2007-04-26 | Kitami Institute Of Technology | 超音波による固体の力学特性測定方法 |
CN110988125B (zh) * | 2019-12-16 | 2021-08-31 | 厦门大学 | 一种主动式超声导波装置 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56103365A (en) * | 1980-01-21 | 1981-08-18 | Hitachi Ltd | Ultrasonic image pickup apparatus |
JPS5872052A (ja) * | 1981-10-27 | 1983-04-28 | Noritoshi Nakabachi | 反射型超音波顕微鏡装置 |
-
1992
- 1992-10-30 JP JP4292775A patent/JP2524946B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07280781A (ja) | 1995-10-27 |
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