JP3259207B2 - 電動弁 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明の電動弁は、特に高温流体
例えば蒸気、高温水等の制御用として利用されるもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来の電動弁を高温流体が流れる配管に
使用すると、流体熱が弁本体の操作軸を伝熱し、更に電
動操作機の出力軸に伝熱し、電動操作機内部の電装品、
例えば、電動機コンデンサー、スイッチ、整流機、基
板、抵抗等が熱により、損傷、破損する欠点があった。
又、減速機内部の含油焼結軸受の油分、減速歯車列の油
分が熱による流出、劣化し、潤滑不良を発生する欠点が
あった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の欠点に鑑み成されたもので、その目的とするところ
は、高温流体で電動弁が使用された場合にも電動操作機
への熱伝達を防止し、熱による損傷を防止することにあ
る。更に、本発明は冷水に利用した場合には、冷熱の伝
達も防止されるので、冷水による結露の発生がなくな
り、電動操作機の結露や湿度による電気不良を防止する
ことも出来る。

【０００４】

【課題を解決する為の手段】本発明になる電動弁は、前
記目的達成の為に、電動機と減速機とを備えた電動操作
機の出力軸を、弁本体の操作軸に連結した電動弁におい
て、弁本体と電動操作機とを、弁本体側に配置され、中
空部が穿設されたヨークと、電動操作機側に配置された
樹脂スペーサーを介して接続するとともにヨークの中空
部内に回転自在に配置されるステムの下端を操作軸に連
結し、ステムの上端と出力軸とを中空円筒状の樹脂ジョ
イントに嵌装された２本のピンを介して連結したことを
特徴とする。

【０００５】

【作用】弁本体内を高温流体が流れると、流体熱によっ
て弁本体と操作軸が加熱される。弁本体の熱は、ヨーク
にて放熱されるとともに、樹脂スペーサーによって断熱
され電動操作機への熱伝導が抑止される。一方、操作軸
の熱はステムによって放熱されるとともに樹脂ジョイン
ト及び２本のピンによって断熱され出力軸への熱伝導が
抑止され、これらによって電動操作機に対する効果的な
断熱を達成できる。

【０００６】

【実施例】本発明の一実施例を図により説明する。弁本
体３は、ボール弁の例を示し、流体流路に配置されたボ
ール形状の弁体を９０度回動させて流路を開閉制御する
もので、弁体には操作軸４が連結されており、弁体を外
力によって駆動操作できるものである。弁本体３の上端
には上下方向に中空部８Ａが穿設されたヨーク８が二本
のボルトで固着され、該ヨークの中空部分にはステム９
が回動自在に配置される。ステム９の上端９Ｃ、及び下
端９Ｄは、それぞれ割溝部９Ａ、９Ｂがカッター加工さ
れており、ステム下端９Ｄの割溝部９Ｂが操作軸４の上
端の二面巾部分に適合連結されている。ヨーク８の上端
には、２枚の樹脂スペーサー５が積層され、電動操作機
１とヨーク８とが２本のボルトによって挟持固着され
る。樹脂スペーサー５の中空部分には樹脂製ジョイント
６が配置される。樹脂ジョイントは中空円筒状で２本の
ピン７がジョイント円筒断面上で直交方向に、又軸方向
に離れて嵌装されている。そして電動操作機の出力軸２
の下端には、割溝部２Ａがカッター加工されており、前
記ピン７の一方が適合連結される。又、他方のピン７
は、ステム９の上端の割溝部９Ａに適合連結されてい
る。尚、電動操作機１の内部には電動機と減速機が内蔵
され、電気入力を受けて出力軸２の回動力を出力するも
のである。図２から図５にステムが示され、図６から図
８に樹脂ジョイントが示される。従って、出力軸２の回
動力は樹脂ジョイント６の上部のピンに伝達され、樹脂
ジョイント６の下部のピン９からステム９へ回動力とし
て伝達され、更に操作軸４への駆動力として作用する。

【０００７】ここで弁本体３内を高温流体が流れると、
弁本体３と弁体に接続される操作軸４とが流体の熱によ
って加熱されて温度上昇する。そして弁本体３について
着目すると、弁本体３の高温熱はヨーク８に伝達される
ものであるが、ヨーク８が上下方向に長さを有すること
からヨーク８の加熱された熱は、外部に向かって放熱さ
れ、ヨーク８の温度上昇が抑止される。又ヨーク８の熱
はそれに接続される電動操作機１に向けて伝熱されんと
するものであるが、ヨーク８と電動操作機１との間に樹
脂スペーサ５が配置されることによって断熱される。従
って弁本体３の電動操作機１に対する伝熱が大きく抑止
された。一方、操作軸４について着目すると、操作軸４
の高温熱はステム９に伝達されるものであるが、ステム
９が上下方向に長さを有することからステム９外に向か
って放熱される。又、ステム９の熱は、ステム９の上端
９Ｃからピン７、樹脂製ジョイント６、ピン７を介して
出力軸２に伝達されるものであるが、ステム９から出力
軸２に向かう伝熱が樹脂製ジョイント６にて断熱される
こと。及び樹脂製ジョイント６の中空部に嵌装された出
力軸２の下端と、ステム９の上端９Ｃとは接触していな
いので、伝熱しないこと。又、２本のピン７は、それぞ
れ軸方向に離れているので、互いに接触しておらず、伝
熱が防止されることから操作軸４の出力軸２に対する伝
熱が大きく抑止される。以上の如く、本発明の電動弁に
よると、弁本体３から電動操作機１に対する伝熱を抑止
できたこと。及び操作軸４から出力軸２に対する伝熱を
抑止できたこと。による相乗効果により、電動操作機１
に対する弁本体３及び操作軸４からの伝熱をより効果的
に抑止できて、電動操作機１の温度上昇を抑止できたも
のである。

【０００８】

【発明の効果】本発明は高温流体又は低温流体で使用さ
れた場合に弁本体の流体熱が電動操作機へ伝達すること
なく、完全に断熱されるので、電動操作機の故障、損傷
が解消される。特に、本発明は、中空円筒状の樹脂ジョ
イントに２本のピンを嵌装することによって、出力軸と
操作軸との駆動力伝達部材としての機能と、断熱材とし
ての機能を融合したものであり、伝熱の最も大きい軸中
心部分において断熱効果を最大限に実現したものであ
る。又、一次断熱としてヨークとステムを配置し、二次
断熱として樹脂スペーサーと樹脂ジョイントを配置して
断熱効果を高めたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電動弁の一実施例を示す縦断面図。

【図２】図１のステムの正面図。

【図３】図１のステムの右側図面。

【図４】図１のステムの上面図。

【図５】図１のステムの下面図。

【図６】図１の樹脂ジョイントの正面図。

【符号の説明】

１ 電動操作機 ２ 出力軸 ３ 弁本体 ４ 操作軸 ５ 樹脂スペーサー ６ 樹脂ジョイント ７ ピン ８ ヨーク ９ ステム

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−11349（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−60265（ＪＰ，Ａ) 特開 昭48−29942（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−36673（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−110664（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−150578（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−36713（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−98280（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−57571（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−36674（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭50−83444（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭55−6508（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F16K 51/00 F16K 27/00 - 27/12 F16K 31/00 - 31/05

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電動機と減速機とを備えた電動操作機１
   の出力軸２を、弁本体３の操作軸４に連結した電動弁に
   おいて、弁本体３と電動操作機１とを、弁本体３側に配
   置され、中空部８Ａが穿設されたヨーク８と、電動操作
   機１側に配置された樹脂スペーサー５を介して接続する
   とともにヨーク８の中空部８Ａ内に回転自在に配置され
   るステム９の下端９Ｄを操作軸４に連結し、ステム９の
   上端９Ｃと出力軸２とを中空円筒状の樹脂ジョイント６
   に嵌装された２本のピン７、７を介して連結したことを
   特徴とする電動弁。